説明

完全に拡げられた、着色バルク粉末、バルク分散物、およびその使用方法

本発明は、とりわけ、完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末、ならびに部分的に拡げられたおよび完全に拡げられた着色バルク分散物を提供する。本発明の完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色粉末ならびに完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色分散物が、化粧用製品およびメイクアップ製品、パーソナルケア製品、ならびに薬学的製品において使用され得る。一実施形態において、本発明は、完全に拡げられた、および部分的に拡げられた着色バルク粉末およびバルク分散物を提供する。完全に拡げられた、および部分的に拡げられた着色バルク粉末は、少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含み、ここで上記顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に改変された表面を有し;そして上記顔料は、上記基剤に接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、2007年5月7日に出願された米国仮出願第60/928,146号(これは、全ての目的にために、その全体が参考として本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、完全に拡げられた着色粉末物質および分散物、ならびに化粧用製品(例えば、ファンデーション、アイシャドウ、リップカラー、マスカラ、ローション、およびクリーム)に有用な完全に拡げられた着色粉末物質および分散物を作製するための方法に関する。
【0003】
(緒言)
市場にある現在の化粧品およびメイクアップ製品は、優れた耐皮脂性および耐汗性を確立するための成分として、疎水性に改変された顔料および基剤(substrate)を使用している。化粧用製品およびメイクアップ製品を調製するための従来の製造プロセスは、顔料、体質顔料(extender)、および/もしくは他の基剤を混合する工程、次いで、上記色彩(color)が十分発色させられるまで、これらを粉砕する工程を包含する。油性成分および補助的物質は、上記混合された粉末に添加され、次いで、これは、粉末製品を作製するために、上記粉末に上記油性成分を均一に分散させるために粉砕される。リキッドファンデーションについては、上記混合された粉末は、ホモジナイザーによって油性成分へと分散される。このプロセスは、上記粉末成分を、上記粉砕器に数回通して、顔料を凝集形成しない(deagglomerate)ようにし、色彩を拡げるために、多くの時間を要する。上記製品のために色彩の調節が必要な場合、同じ手順が、少量の色彩顔料をその処方に添加するために行われなければならず、このことは、より多くの処理時間が必要とされることを意味する。
【0004】
既存の化粧用製品およびメイクアップ製品は、例えば、不均一な色彩;塗布後の皮膚上での色彩変化(皮膚上での暗度(shade)が、塗布前の化粧用製品の暗度とは異なって見える);色むら(color streak);低い皮膚付着;経時的な皮膚上での暗度変化(長時間持続しない);上記化粧用製品もしくはメイクアップ製品の不均一な付き(wear)もしくは不規則な分散性;および圧縮ケーキの容易な破損(十分には強くない)を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本発明は、完全に拡げられた、および部分的に拡げられた着色バルク粉末(color bulk powder)およびバルク分散物に関する。完全に拡げられた、および部分的に拡げられた着色バルク粉末は、少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含み、ここで上記顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤(surface−treatment agent)で化学的に改変された表面を有し;そして上記顔料は、上記基剤に接着する。完全に拡げられた、および部分的に拡げられた着色バルク分散物は、少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含み、ここで上記顔料または基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に改変された表面を有し;上記顔料は上記基剤を接着し、上記物質は、液体媒体中に分散される。
【0006】
本発明はまた、完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末、ならびに完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク分散物を調製するための方法に関する。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末を調製するための方法は、少なくとも1種の顔料および基剤を提供する工程;上記基剤もしくは顔料と、表面処理剤とを接触させて、表面改変された基剤もしくは顔料物質を生成し、それによって、上記顔料を付着させた基剤を生成する工程;ならびに完全にもしくは部分的に拡げられるまで上記物質をブレンドする工程を包含する。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物を調製するための方法は、少なくとも1種の顔料および基剤を提供する工程;上記基剤もしくは顔料と、表面処理剤とを接触させて、表面改変された基剤もしくは顔料物質を生成し、それによって、上記顔料を付着させた基剤を生成する工程;完全にもしくは部分的に拡げられるまで上記物質をブレンドし、上記ブレンドした物質を液体媒体中に分散させる工程を包含する。
【0007】
着色バルク粉末および分散物が拡げられる程度は、例えば、混合もしくはブレンドする際に、色彩、暗度、色相(hue)、クロマ(chroma)(彩度(saturation))もしくは明度(lightness)の変化もしくはずれ(shift)を決定することによって、確認され得る。特定の非限定的例において、色彩の変化は、ΔE値を提供する式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定される。完全に拡げられた着色バルク粉末は、上記粉末がブレンドされた後、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値を有する。部分的に拡げられた着色バルク粉末は、上記粉末がブレンドされた後、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約2.0未満のΔE値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、異なる着色顔料が基剤表面にランダムに分布した基剤の模式図である。
【図2A】図2Aは、A)例示的な本発明の完全に拡げられた着色バルク粉末の単一の基剤の模式図である。
【図2B】図2Bは、B)種々の着色顔料が基剤表面にランダムに分散した、例示的な本発明の完全に拡げられた着色バルク粉末の複数の基剤の模式図である。
【図2C】図2Cは、C)種々の着色顔料が基剤表面に分散した、例示的な本発明の完全に拡げられた着色バルク粉末の基剤の顕微鏡写真(600×倍率)の模式図である。
【図3A】図3Aは、A)従来の着色技術の単一の基剤の模式図である。
【図3B】図3Bは、B)凝塊もしくは凝集を含むか、または不均一に、不規則におよび/もしくは不均質に(non−uniformly)基剤を囲むかまたは基剤上に分布した、着色顔料での従来の着色技術の複数の基剤の模式図である。
【図3C】図3Cは、C)従来の着色技術の基剤の顕微鏡写真(480×倍率)の模式図である。
【図4A】図4Aは、A)完全に拡げられた着色バルク粉末および分散物を生成する比較フローチャートを示す。
【図4B】図4Bは、B)従来の製造プロセスの比較フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
本発明は、とりわけ、完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに部分的に拡げられたおよび完全に拡げられた着色バルク分散物を提供する。本発明の完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色粉末、ならびに完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色分散物は、化粧用製品およびメイクアップ製品、パーソナルケア製品、および薬学的製品において使用され得る。完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末、ならびに完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク分散物は、従って、化粧用製品前駆物質、メイクアップ製品前駆物質、パーソナルケア製品前駆物質、薬学的製品前駆物質といわれ得る。なぜなら、それらは、代表的には、最終の化粧用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品、もしくは薬学的製品を製造するために添加される、さらに改変された物質中に含まれるからである。例えば、単一の暗度(例えば、白っぽい(fair)暗度)の完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色粉末は、化粧用製品もしくはメイクアップ製品、パーソナルケア製品、または薬学的製品中に含まれ得る。種々の暗度(例えば、ライトピンク、ダークイエロー、イエローイッシュレッド、ダークブラウンなどの暗度)の、完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色粉末はブレンドされ得、その後、化粧用製品もしくはメイクアップ製品、パーソナルケア製品、または薬学的製品中に含まれ得る。
【0010】
用語「完全に拡げられた」とは、着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物への言及において使用される場合、上記粉末もしくは分散物を、例えば、粉砕器もしくは微粉機を介してブレンドする際に、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度の変化もしくはずれが、ほとんどもしくは全く起こらないことを意味する。従って、上記着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物は、ブレンドする際に、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度の変化もしくはずれをほとんどもしくは全く示さないので、完全に拡げられた着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物において色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度のさらなるブレンドも調節も、化粧用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品、もしくは薬学的製品における処方もしくは含有の前に必要とされない。なぜなら、上記バルク粉末もしくはバルク分散物の色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度は、完全に拡げられているからである。
【0011】
完全に拡げられた着色バルク粉末および完全に拡げられた着色バルク分散物は、既存の化粧用製品、メイクアップ製品、およびパーソナルケア製品より種々の優れた特性を提供する。例えば、完全に拡げられた着色バルク粉末および完全に拡げられた着色バルク分散物は、比較的安定な色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を有し、そして皮膚への塗布前後に、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度の変化もしくはずれ;むら;経時的に皮膚上で暗度が変化すること;化粧用製品もしくはメイクアップ製品の不均一な付きをもたらし得る不均一もしくは不規則な分散性;および圧縮ケーキの容易な破損、に耐え得る。従って、完全に拡げられた着色バルク粉末および完全に拡げられた着色バルク分散物は、皮膚に塗布される場合、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度の一貫性(皮膚に塗布される前の色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度の外観)を維持し得、代表的には、最初に皮膚に塗布された後に、または上記皮膚に塗布された一定時間(例えば、1時間、2時間、3時間、4〜6時間、6〜12時間、またはそれ以上)たった後、実質的に変化しない。このような特性のさらなる非限定的例としては、以下が挙げられる:上記皮膚に塗布されるときの、より均一な分散および退色(loss)にも色むらにも影響されにくい、より安定な色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度。このような特性のさらなる非限定的例としては、以下が挙げられる:上記皮膚に塗布された後に、よれ(creasing)になりにくい改善された分散性。
【0012】
完全に拡げられた着色バルク粉末および完全に拡げられた着色バルク分散物は、上記粉末もしくは分散物をブレンド、混合、微粉化もしくは粉砕する際に、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度のうちの1つ以上において、あるとしても、ほとんど変化しないことによって特徴づけられる。対照的に、完全に拡げられていない、着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物は、上記粉末もしくは分散物をブレンド、混合、微粉化もしくは粉砕する際に、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度のうちの1つ以上において検出可能な変化を受けると特徴づけられ得る。部分的に拡げられた着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物はまた、上記粉末もしくは分散物をブレンド、混合、微粉化もしくは粉砕する際に、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度のうちの1つ以上において検出可能な変化もしくはずれを示すが、これらパラメーターのうちの1つ以上において起こる変化もしくはずれが、完全に拡げられていない着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物のものより少ないことを示すとして特徴づけられる。例えば、本明細書で議論されるように、着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物の拡がりの程度は、着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物をブレンド、混合、微粉化、もしくは粉砕した後、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度における変化を測定することによって、評価され得る。部分的に拡げられた着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物は、ブレンド、混合、微粉化、もしくは粉砕した後、完全に拡げられていない着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物より、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度の変化を受けにくい。
【0013】
着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物が完全に拡げられているか、部分的に拡げられているか、または拡げられていないかを決定するために、種々の方法が使用され得る。例えば、着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物の拡がりの程度は、上記粉末もしくは分散物をブレンド、混合、微粉化もしくは粉末する前後に、色彩、暗度、色相、明度(tint)、彩度もしくは輝度(luminance)を測定することによって、評価され得る。非限定的例として、粉末の色彩は、最初に測定され得、値は、L−a−b表色系(L−a−b color coordinate system)においてL*、a*およびb*(L*、a*およびb*で示される)に対して割り当てられる。L*は、0〜100の範囲の明度を表す;a*は、グリーンからレッドのスペクトルを表し、ここで−a*は、グリーンであり、+a*はレッドである;そしてb*は、イエローからブルーのスペクトルを表し、ここで−b*はブルーであり、+b*はイエローである(実施例2を参照のこと)。次いで、上記粉末は、記載されるようにブレンドされ、色彩が、再び測定されて、L*、a*およびb*値(L*、a*およびb*で示される)を得る。色彩のブレンドおよび測定のプロセスを反復して、L*、a*およびb*値(これらは、割り当てられ、ほとんどもしくは全く変化を示さない着色粉末を得るために必要とされる最小数の通過(ブレンド工程)である)を得るとΔEnとして計算され、ΔEnは、[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2である。約1未満のΔE値(ΔE<1.0)は、上記色彩が完全に拡げられているか、または上記粉末をブレンドした前後で色彩の差異がほとんどまたは全くないことを意味する。1.0〜2.0の間のΔE値(ΔE=1.0〜2.0)は、上記色彩が部分的に拡げられていることを意味する。代表的には、部分的に拡げられた着色バルク粉末もしくは分散物は、約1.5未満のdE値(ΔE<1.5)を有する。2.0より大きいΔE値(ΔE>2.0)は、上記色彩が、完全に拡げられていないことを意味する。
【0014】
代表的には、完全に拡げられていない着色バルク粉末もしくは分散物は、完全に拡げられた着色粉末もしくは分散物と比較して、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度のうちの1つ以上の顕色(development)を欠く。完全に拡げられていない発色粉末もしくは分散物は、従って、安定な色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を提供するために、代表的には、必要とされないか、または完全に拡げられた着色バルク粉末または完全に拡げられた着色バルク分散物のための選択肢である、さらなる成分(例えば、顔料、基剤、油など)または粉砕器、微粉機、もしくは3ロール−ミル)による処理工程(例えば、顔料もしくは基剤を分散させる工程を要する。
【0015】
拡げられた着色バルク粉末もしくは拡げられた着色バルク分散物は、種々の色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を生成するために、一緒にブレンドされ得る。例えば、完全に拡げられたもしくは部分的に拡げられた発色粉末もしくは分散物の色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を調節もしくは変化させるために、具体的な色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度は、ミキサー中でいっしょにブレンドすることによって、種々の色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を有する1種以上の他の粉末と混合され得る。2種以上の完全に拡げられた着色バルク粉末もしくは完全に拡げられた着色分散物が互いに混合されるべきである場合、それらは、望ましい色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を生成するために、ミキサー中でブレンドされ得る−粉砕器、微粉機もしくは3ロールミルを介して、上記混合物をブレンドする必要性はない。従って、本発明の完全に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物は、複数工程処理(例えば、粉砕、微粉化)を必要とすることなく、単純にブレンドする工程によって、色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度について調節され得、従って、最終的な化粧品用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品、および薬学的製品中により容易に処方もしくは含められる。
【0016】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物は、粉末物質を含み、上記粉末物質は、最終の化粧用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品、もしくは薬学的製品中に処方もしくは含めるために受容可能な、基剤および顔料を含む。従って、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物は、1種以上の、または全ての基剤もしくは顔料、または最終の化粧用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品、もしくは薬学的製品中に処方もしくは含めるために適した他の審美的に受容可能な成分を有し得る。
【0017】
基剤および顔料は、代表的には、化粧用製品およびメイクアップ製品、パーソナルケア製品および薬学的製品に適合もしくは受容可能な物質を含むか、またはこれらからなる。基剤および顔料は、代表的には、粉末(これは固体で、極めて小さな流動性の粒子からなる乾燥物質である)の形態で存在する。粉末物質の具体的なクラスは、無機性および有機性の粒子、ビーズ、結晶、クレイ、金属、金属酸化物粉末、プラスチックおよび化粧品用途に適したプラスチックのための充填剤である。
【0018】
分散物は、ある物質が、ある媒体(例えば、液体、固体もしくは気体)中で分散もしくは拡散される混合物である。液体は、特定の固定した形状を有さず(自由に流動する)、比較的不変の容積を有する物質の流動状態にある、滑らかな、非定型の物質である。分散物としては、油の液体、水相中油(o/w)および油相中水(w/o)を含む。水相中油(o/w)、油相中水(w/o)およびシリコーン中水分散物は、代表的には、エマルジョンといわれる。
【0019】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および分散物は、少なくとも1種の基剤および1種の顔料を含む。完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および分散物はまた、複数の基剤もしくは種々の基剤の混合物、複数の顔料もしくは種々の顔料の混合物、あるいは複数の基剤および顔料、または基剤および顔料の混合物を含む。
【0020】
代表的な基剤サイズは、約1〜30ミクロン直径であり、通常は、1ミクロン以上であり、例えば、約1〜3ミクロンの基本サイズ(primary size)を有する。基剤粒子は、代表的には、顔料粒子より大きく、種々の形状(例えば、球形、楕円もしくは「板状」)を有する。基剤は、望ましい質感(texture)および他の特徴(例えば、滑らかさ、絹のような感じ、丸い感触、しっとり感(moisture feel)、光学的利点(ソフトフォーカス、しわもしくは吹き出物を隠すこと(hiding or concealing)など)を提供する。
【0021】
基剤の具体的な非限定的例としては、クレイ、マイカ(例えば、パール着色マイカ(例えば、Timron Super SilverTM)、Rona/EMD Industriesによって製造される二酸化チタンコーティングマイカ)、タルク、カオリン、セリサイト、シリカ(例えば、シリカビーズ(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸カルシウムナトリウム)、beadyl beadsTM、ヒュームドシリカ)、アルミノケイ酸、無機質(ゼオライト)、ナイロン(例えば、ナイロンビーズもしくはナイロン粉末)、アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMAもしくは粉末)、金属粉末(例えば、アルミニウム)、セラミック粉末(例えば、窒化ケイ素もしくは窒化ホウ素)、コットンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、セルロースおよびセルロースパウダー、ウレタン、ポリスチレンおよびポリスチレン粉末、ポリオレフィン、ポリエチレンおよびポリエチレン粉末、ポリアミド、ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、デンプン、デンプン粉末およびデンプン誘導体(例えば、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム)、ならびに炭酸カルシウム(白亜)が挙げられる。
【0022】
基剤としては、「体質顔料」が挙げられる。体質顔料は、本明細書に記載されるかまたは当業者に公知の粉末および分散物(例えば、圧縮ファンデーション、ルースパウダー、チーク(blush)、コンシーラーなど)のための充填剤もしくは嵩増し剤(bulking agent)として機能し得る。あるクラスとしての体質顔料は、代表的には、本明細書で開示されかつ当業者に理解されるような基剤に類似もしくは同一である、あるサイズ、形状もしくは構造を有する。上記用語「体質顔料」とは、代表的には、顔料もしくは基剤の表面処理もしくは改変の後に、着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物に添加される基剤物質をいうために使用される。
【0023】
体質顔料としては、天然および合成の基剤が挙げられ、これらの基剤は、彩度および輝度において変動し得る色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を有してもよいし、有しなくてもよい。基剤と同様に、体質顔料は、代表的には、1ミクロン(1μm)より大きい(例えば、約1〜30ミクロン)サイズを有し、種々の形状(例えば、球形、楕円もしくは「板状」)を有し得る。
【0024】
体質顔料の非限定的例としては、タルク、カオリン(クレイ)、天然および合成のマイカ(白雲母およびセリサイトを含む)、雲母チタン、コットンパウダー、デンプン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、合成シリケート、クレイ、ベントナイト、モンモリロナイト、方解石、白亜、オキシ酸化ビスマス、窒化ホウ素、ヒュームドシリカ、シリカビーズ、プラスチックビーズ(例えば、アクリル樹脂(acrylic))、ナイロン(例えば、ナイロン12)、ナイロンビーズ、アルミニウム、カルシウム、もしくは珪酸ナトリウム、および硫酸バリウムが挙げられる。
【0025】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物、その中間体、および本発明の調製法における基剤の量は、生成されるべきその前駆物質もしくは中間体生成物、生成されるべき最終的(ultimate or final)化粧用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品もしくは他の製品、または製造法に依存して、変動する。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末において、基剤の重量%は、代表的には、約0〜95%である。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物において、基剤の重量%は、代表的には、約0〜95%である。
【0026】
理論によって束縛されることは望まないが、多くの顔料粒子は、代表的には、顔料サイズが基剤サイズより小さいときに、基剤粒子に接着する。顔料サイズが、基剤サイズより大きい状況において、例えば、バール顔料は、板状構造を有し、サイズが約50〜100ミクロンであり得、多くの基剤粒子は、顔料粒子に接着し得る。本明細書において使用される用語「接着する」とは、いずれかの状況をいう。従って、用語「顔料は、基剤に接着する」はまた、「基剤は顔料に接着する」を含む。
【0027】
基剤に接着した顔料および顔料に接着した基剤は、皮膚の暗度を示す。基剤に接着した顔料もしくは顔料に接着した基剤は、均質に(均一に)または不均質に(不均一に)分散され得る。
【0028】
本明細書において使用される場合、用語「顔料」は、「染料」を含み、特定の色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を有する、天然もしくは合成の物質である。顔料は、化学的性質が有機性であってもよいし、無機性であってもよい。顔料は、代表的には、約3ミクロン以下の基本的粒子直径を有する。顔料は、より代表的には、基剤よりサイズが約1桁小さい(例えば、約0.1〜1.0ミクロン直径)。他の顔料(例えば、パール顔料(pearl pigment))は、代表的には、より大きなサイズ(例えば、10ミクロン、20ミクロン、30ミクロン、40ミクロン、もしくは50〜100ミクロン(μm))を有する。
【0029】
無機顔料の非限定的例としては、白色二酸化チタン顔料(例えば、ルチル、アナターゼ、および超微粒子TiO)、酸化亜鉛(例えば、超微粒子ZnO)が挙げられ、これらは、約0.3μmの基本サイズを有する顔料グレードのもの、または約0.1μm未満の基本サイズを有する超微粒子グレードのものであり得る。他の無機顔料としては、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化鉄(酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド、酸化鉄ブラウン、酸化鉄グリーンおよび酸化鉄ブラックを含む)、ウルトラマリン系(ultramarines)(例えば、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンクなど)、パール顔料(例えば、マイカ、雲母チタン、方解石など)、マンガン紫、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロム、およびカーボンブラックが挙げられる。有機顔料の非限定的例としては、「レーキ(lake)」染料、β−カロチン、カルミン、クロロフィルなどが挙げられる。
【0030】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物は、代表的には、1種以上の異なる顔料を含む。複数の異なる顔料(例えば、必要に応じて、異なる色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を有する、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種以上の顔料)が、顔料の「複合材」を生成するために含められ得る。従って、異なる色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を必要に応じて有する複数の異なる顔料は、完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物中に含められ得る。このような拡げられた着色バルク粉末および拡げられた着色バルク分散物は、便宜上、「複合の(composite)」拡げられた着色バルク粉末および拡げられた着色バルク分散物といわれ得る。
【0031】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物、その中間体ならびに本発明の製造法において使用される顔料および染料の量は、望ましい色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度に依存して変動する。実施例2に示されるように、顔料タイプ、絶対量および相対比は、広い範囲にわたり、望ましい色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度、物理的(例えば、サイズ、形状)、機能的もしくは化学的な特徴もしくは特性に基づいて、選択され得る。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末において、顔料の総重量%は、代表的には、約3〜20%、5〜20%、5〜15%、5〜18%もしくは8〜12%である。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物において、基剤の総重量%は、代表的には、約3〜20%、5〜20%、5〜15%、5〜18%もしくは8〜12%である。
【0032】
顔料および基剤の比はまた、生成されるべき前駆物質製品、最終的な化粧用製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品もしくは製造されるべき他の製品、または製造法に依存して、変動し得る。化粧用製品もしくはメイクアップ製品における例示的な顔料 対 基剤比は、約5:95〜95:5である。パーソナルケア製品および他の製品においては、上記比は、代表的には、制限されない。
【0033】
基剤および顔料は、解膠(deflocculate)され得るか、または凝集形成され得ない。本発明は、従って、解膠され、そして/もしくは凝集形成されない基剤、顔料および他の審美的に適切な物質を含むか、またはこれらを使用する、完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物、その中間体、ならびに製造法を提供する。基剤、および顔料は、少なくともある程度の凝塊もしくは凝集物の分散を達成する任意の物理的手段もしくは化学的手段によって、解膠され得るか、または凝集形成され得ない。物理的凝集形成の非限定的例は、剪断および粉砕を含む。
【0034】
本明細書において使用される場合、用語「表面処理剤」とは、上記粉末の表面上に化学的結合を形成することによって、粉末物質の表面を改変するか、これを変化させるか、またはこれと反応する能力を有する化学物質をいう。表面処理剤の特定の非限定的クラスとしては、界面活性剤(surface active agent)(これは、界面活性剤(surfactant)、洗浄剤(detergent)、湿潤剤および乳化剤を含む)が挙げられる。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性(amphoteric)、疎水性もしくは親水性であり得る。
【0035】
表面処理剤は、代表的には、それらの構造において、1種以上の反応性基(例えば、親水性部分(例えば、カルボキシル基、リン(III)基(phosphorous group)、硫黄基、シラノール基もしくはシラン基)または疎水性部分(例えば、炭化水素、ジアルキル(CH−、C−)ポリシロキサン、ペルフルオロアルキルなど))を有する。表面処理剤は、1種以上のヒドロキシル基もしくはアルキレンオキシド部分(例えば、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド)を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。それらの構造においてヒドロキシル基および親水性特徴を有するものは、上記表面上での反応を完了した後に送達され得る。
【0036】
表面処理剤の非限定的例としては、アシルコラーゲン、エーテルカルボン酸、乳酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルカロラクトン、没食子酸、グルコヘプタン酸、アミノ酸(例えば、スレオニン(thereonine)およびセリン)およびそれらの塩、アシルアミノ酸(例えば、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アシルグリシネート、およびアシルアラニネート)、脂肪酸およびそれらの塩、ならびにグリセロールリン酸エステル(例えば、レシチン)が挙げられる。表面処理剤のさらなる非限定的例としては、メチコン、ジメチコンおよび遊離カルボン酸を有するポリエチレンを含む。
【0037】
アニオン性界面活性剤(surface active agent)(界面活性剤(surfactants))の例としては、石鹸(脂肪酸/アルキルカルボン酸塩)、ヒドロキシ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボキシレート、アルキルエーテルホスフェート、アシルN−メチルタウレート、N−アシルアミノ酸塩(グルタメート、サルコシネート、アラニネート(lalaninate)、グリシネート、B−アラニネート)、アシルペプチド(アシルコラーゲン、アシルシルクプロテイン)、ヤシ脂肪酸ナトリウム(sodium cocoate)、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルカルボキシレート、ミリスチン酸カリウム、グルコン酸亜鉛、イソステアリルセバシン酸、ミリストイル主席酸ナトリウム、ミリストイルタウリンナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウリルグリシン酸アルギニン、ジラウロイルグルタミン酸リジンナトリウム(sodium dilauramidoglutamide lysine)が挙げられる。
【0038】
例示的脂肪酸表面処理剤は、[式I]の構造および塩を含む:
【0039】
【化1】

ここでRは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル基(これらは全て、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択される。Rは、C〜約C24の炭素数を有し;Mは水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))である。
【0040】
例示的な両性界面活性剤表面処理剤としては、ラウリルアミドベタイン、ステアリルアンフォアセテート(amphoacetate)、ラウリルアンフォプロピオネート、ステアリルアンフォプロピオネート、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(beanie)、アルキルアミドピロピルジメチルアミノ酢酸ベタインおよびアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが挙げられる。さらなる例としては、シランおよび官能化シラン(加水分解によって「シラン」から「シラノール」へ):トリエトキシオクチルシラン、トリクロロブチルシラン、トリメトキシジメチルポリシロキシルシランが挙げられる。さらなる非限定的例はまた、米国特許出願公開第2006/0225616号および同第2006/0286048号に記載されている。
【0041】
例示的アルキルエーテルカルボン酸表面処理剤は、[式II]の構造および塩を含む:
【0042】
【化2】

ここでRは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル基(これらは全て、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択される。Rは、C〜約C24の炭素数を有し;Rは、エチレン、プロピレン、もしくはブチレンを含み;nは0〜20であり;そしてMは、水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))である。
【0043】
例示的アシルアミノ酸表面処理剤としては、[式III]の構造および塩を含む:
【0044】
【化3】

ここでRおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択され;Rは、C〜約C24炭素数の炭素数を有し;R10は、水素もしくはメチルであり;そしてMは、水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))である。
【0045】
さらなる表面処理剤は、[式IV]によって表される構造を有する化合物を含む:
【0046】
【化4】

ここでRは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル(これらはすべて、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択される。R=C〜C24であり;
Mは、水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))である。
【0047】
さらなる表面処理剤は、[式V]によって表される構造を有する化合物を含む:
【0048】
【化5】

ここでRおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、もしくはアリールアルキル(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)から選択される。疎水性部分、R、Rは、各々独立して、C〜C24であり;RおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキニル、アルケニル、およびアミノ酸残基部分からなる群より選択され;RおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキニル、およびアルケニルからなる群より選択され;R、RおよびRのうちの少なくとも1種は、カルボン酸基(これは、その酸形態もしくは塩形態(金属もしくはその等価物)のいずれかである)(例えば、有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))で置換され得る。
【0049】
例示的リン脂質およびアルキルエステル疎水性酸表面処理剤は、[式VI]によって表される構造および塩を含む:
【0050】
【化6】

ここでRおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択され;RおよびRは、各々独立して、C〜約C24の炭素数を有し;そしてMは、水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))である。
【0051】
式VIの特定の実施形態は、以下に示されるように、ジエステルメタレート(metallate)およびモノエステルジメタレート(dimetallate)を含む:
【0052】
【化7】

ここでR、R、およびMは、上記で定義されるとおりである。
【0053】
例示的な両性表面処理剤は、[式VII]によって示される構造を含む:
【0054】
【化8】

ここでR、RおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシ、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択され;そしてRは、C〜約C24の炭素数を有する。
【0055】
例示的なシランおよびシラン誘導体表面処理剤は、[式VIII]によって表される構造を含む:
【0056】
【化9】

ここでRは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシ、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択され;Rは、C〜約C24の炭素数を有し;そしてXはアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ)またはハロゲン(F、Cl、Brなど)である。
【0057】
シラン誘導体のさらなる実施形態は、以下を含む:
【0058】
【化10】

ここでR、R、R、R、R、RおよびRは、各々独立して、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択され;そしてnは、0〜60である。
【0059】
表面処理剤のなおさらなる実施形態は、[式IX]の構造を有する化合物を含む:
【0060】
【化11】

ここでY、Y、Y、Yは、各々独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、およびオキソからなる群より選択され、ここでY、Y、Y、Yのうちの少なくとも1種は、ヒドロキシ基であり;そしてMは、水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、リジンなど))である。
【0061】
表面処理剤の他の実施形態は、[式X]の構造を有する化合物を含む:
【0062】
【化12】

ここでY、Y、Y、Yは、各々独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、およびオキソからなる群より選択され、ここでY、Y、Y、Yのうちの少なくとも1種は、ヒドロキシ基であり;
Mは、水素、または金属もしくはその等価物(有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、アミノメチル)である。
【0063】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物、その中間体および本発明の製造法において使用するべき表面処理剤の量は、望まれる改変、製造されるべき前駆体製品、最終の化粧品製品、メイクアップ製品、パーソナルケア製品もしくは製造されるべき他の製品、または製造法に依存して変動する。例えば、表面処理剤は、上記粉末物質の重量に基づいて、少なくとも0.1重量%の量において使用され得る。表面処理剤は、代表的には、約1.0〜約200重量%;または約1.0〜約60重量%;または約3.0〜約30重量%の範囲におよぶ量で存在する。
【0064】
表面処理剤の量は、少なくとも一部分は、目的顔料、体質顔料および基剤の比表面積に依存し得る。例えば、通常の酸化鉄顔料については、100部の粉末あたり2〜約10重量部の表面処理剤、超微粒子粉末(例えば、大きな表面積を有するシリカ)については、100部の粉末あたり15〜約100重量部である。従って、表面積が大きいほど、より多くの表面処理剤が使用される。
【0065】
特定の非限定的例において、1種以上の顔料と、1種以上の基剤との混合物については、表面処理剤は、100部の顔料および基剤あたり約0.5〜400部の量で存在する。完全に拡げられた着色バルク粉末の特定の非限定的例において、表面処理剤の重量%は、代表的には、約0.5〜10%である。完全に拡げられた着色バルク分散物の特定の非限定的例において、上記顔料+基剤の総重量に基づく表面処理剤の重量%は、代表的には、約0.5〜20%、もしくは約1.0〜15%である。
【0066】
1種以上の顔料および1種以上の基剤は、表面処理剤と接触させられ、上記顔料もしくは基剤は、続いて、薬剤によって改変されるかもしくは上記薬剤は、上記顔料もしくは基剤の表面に結合される(例えば、吸収されるか、化学的に連結されるか、または固定化される;例えば、米国特許第5,897,868号を参照のこと)。例として、基剤、顔料、もしくは複数の異なる基剤および顔料(例えば、異なる着色顔料の混合物)は、続いて薬剤によって改変された表面処理剤と接触させられるか、または上記薬剤は、上記基剤および/もしくは顔料の表面に結合される。基剤および/もしくは顔料の表面改変は、存在する物質が、互いに接着することを可能にする。
【0067】
表面処理剤は、基剤および/もしくは顔料の表面に化学的に固定化されるかもしくはその上に吸着され得る。基剤もしくは顔料への表面処理剤の化学的連結もしくは固定化は、表面処理された物質が、より均質に化学的に結合した反応生成物を有するという点で吸着とは異なる。化学的連結もしくは固定化は、上記改変された粉末物質の表面上に連結もしくは付着させた任意の物質の移動および/もしくは再配置を低下させる傾向にある。例えば、表面処理剤によって基剤の表面に連結もしくは付着させられた顔料は、吸着によって基剤の表面に付着もしくは連結させられた顔料より低い移動性を有する。
【0068】
基剤もしくは顔料への表面処理剤の固定化を容易にするかもしくは増強するために、反応は、上記基剤もしくは顔料の表面上に吸収される、親油性部分もしくは疎水性部分を有する水溶性化合物によって作り出され得る。非限定的例として、多価金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、チタン、亜鉛もしくはジルコニウム塩(例えば、硫酸ジルコニウムもしくは塩酸ジルコニウム)、またはアルカリ金属塩(alkaline salt)(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、もしくはアミン塩))の水溶性塩の添加は、化学的連結を生じ得る。上記反応は、上記基剤もしくは顔料粒子の表面上に化学的に改変された表面処理剤を提供する。対照的に、表面処理剤での基剤もしくは顔料をコーティングすることは、上記基剤もしくは顔料の表面上に上記表面処理剤を吸収することを含む。
【0069】
表面処理剤での処理の間に、1種以上の基剤もしくは顔料の表面は改変され、そして続いて、上記基剤もしくは顔料の粒子は、互いに接着する。例えば、小さな顔料粒子は、より大きな粒子(例えば、基剤粒子)に付着もしくは連結される。基剤もしくは顔料の表面が疎水性に改変される処理の間に、審美的に受容可能な油(単一の油もしくは油の混合物)を含めることは、上記粒子が互いに付着もしくは連結されると同時に油を誘う。表面処理剤および油は、組み合わせにおいて、粒子、および必要に応じて存在する他の成分を付着もしくは連結する「接着剤」として機能する。このような表面処理の間の2種以上の異なる顔料の混合物は、着色顔料成分の形成を生じ、これらは、代表的には、上記表面にランダムにかつ均質に分散される。従って、油、乳化剤などは、表面処理剤と接触させられる場合、1種以上の基剤および顔料との混合物において存在し得る。
【0070】
表面改変もしくはコーティングの後に、ある粉末物質は、別の(例えば、第2の)粉末物質(例えば、異なる顔料、または基剤もしくは体質顔料、または別の審美的に受容可能な成分(例えば、油、乳化剤、結合剤など))と混合もしくはブレンドされ得る。上記第2の物質は、表面処理剤で処理されていてもよいし、処理されていなくてもよい。あるいは、2種以上の物質(例えば、異なる着色顔料)は、表面処理剤と(例えば、水性スラリー中で)接触させる前に、一緒に合わされるかもしくは混合され得、その後、2種以上の表面改変されたもしくはコーティングされた物質を同時に生成するために、表面処理剤と接触させられ得る。物質上の表面処理剤の化学的固定化は、本明細書に記載されるかまたは当業者に公知であるように、上記物質の表面上に吸収される親油性部分もしくは親水性部分を有する水溶性化合物によって、促進され得る。
【0071】
結合剤は、着色バルク粉末および着色バルク分散物において含められ得、そして本発明の方法において使用され得る。例えば、結合剤(例えば、油(軟化薬(emollient)))は、粉末物質(例えば、顔料もしくは基剤)の表面処理の間に存在し得るが、必ずしも存在する必要はない。結合剤は、顔料もしくは基剤の表面処理の前、間もしくはその後に添加され得るが、必ずしもその必要はない。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物は、従って、望ましい場合、結合剤(例えば、油)を含み得る。理論によって束縛されることは望まないが、油結合剤は、顔料の移動を低下させる。結合剤(例えば、油)は、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末もしくは着色バルク分散物を作製する前またはその後に添加され得るが、必ずしもその必要はない。
【0072】
「結合剤」とは、カラー化粧品産業において、代表的には、一緒に保持されるように、基剤および顔料のような物質に接着特性を提供する化合物をいう。結合剤としては、油(軟化薬)、脂肪、ワックス、固体結合剤(例えば、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウムなど)としての金属石鹸、ラテックスエマルジョン、スチレン、スチレンブタジエン、ポリビニルアセテート(PVA)、アクリル樹脂、アクリル−スチレン、アクリルポリビニルアセテート、ポリウレタン、ならびに化粧用製品およびメイクアップ製品、パーソナルケア製品および薬学的製品のために受容可能な他のものが挙げられる。
【0073】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末および着色バルク分散物、その中間体および本発明の製造法において使用する結合剤の量は、製造されるべき前駆物質製品もしくは中間体生成物または製造されるべき最終の化粧用製品に依存して、変動する。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末において、上記結合剤の重量%は、代表的には、約0〜25%である。完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物において、上記結合剤の重量%は、代表的には、約0〜25%である。結合剤は、少なくとも0〜25重量%の量において使用され得る。さらなる油は、結合剤の全体的な量を、約0〜50%もしくは0〜35%へと増大させるために、添加され得る。
【0074】
油としては、エステルおよびワックス(例えば、グリセリド(例えば、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド)、脂肪酸エステル、ヒドロキシル酸エステル、ダイマー酸エステル、他の天然に得られるエステル(例えば、ひまし油誘導体)および植物ベースの油(例えば、植物性スクアラン、オリーブ油、椿油、マカデミアナッツ油、ひまし油)が挙げられる。ワックスエステルとしては、高級脂肪酸および高級脂肪アルコール、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、ホホバ油、蜜蝋、ラノリンのエステルが挙げられる。脂肪エステルとしては、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、セチルオクタノエート、ジイソステアリルマレエート、カプリル酸トリグリセリドおよびカプリン酸トリグリセリド、イソデシルネオペンタノエート(isodecyl neopentaoate)、イソステアリルネオペンタノエート、コレステリルラウロイルグルタメート、ベヘニルラウロイルグルタメート、オクチルドデシルラウロイルグルタメート、ならびにオクチルメトキシシナメートが挙げられる。石油および合成油としては、炭化水素(例えば、パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、セレシン、微結晶性ワックス、スクアラン);シリコーンおよびその誘導体(例えば、シクロメチコン、セチルジメチコン、ジフェニルジメチコン、ポリシリコーン−11など)、脂溶性ビタミンおよびその誘導体(トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、レチノール、レチノイン酸、レチニルパルミテート、アスコルビルパルミテートなど)、親油性染料、精油、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ドコサ−ポリエン酸(docosa−polyenoic acid)、エルカ酸が挙げられる。高級アルコールとしては、ベヘニルアルコール、セチルアルコール(cetyl alcool)、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールが挙げられる。油としてはまた、シリコーン:ジメチルポリシロキサン(Dow CorningからDC 200として市販される「ジメチコン」)、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、セチルジメチコン、およびPEG/PPGジメチコンが挙げられる。他の油としては、ミネラルオイル、イソステアリルネオペンタノエート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、セチルオクタノエート、ジイソステアリルマレエート、オクチルメトキシシナメート、イソドデカン、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキシルメトキシシナメート、ベヘニルアルコール、ならびにコレステリルラウロイルグルタメート、ベヘニルラウロイルグルタメート、オクチルドデシルラウロイルグルタメートが挙げられ、これらは良好な結果を生じる。特定の油の選択は、生成される製品に一部依存する。
【0075】
油は、液体として適用され得る。液体として市販されていない油(例えば、脂溶性ビタミンであり、主に固体として販売されているアスコルビルパルミテート)は、コーティング油として使用される前に、液体の油中に溶解され得る。適切な可溶化油は、ビタミンEアセテート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、および他のものを含む。一旦液体形態になると、上記油は、従来技術を使用して、上記物質に添加され得る。例えば、上記油は、失われる間に(during missing)取り入れポートへと注がれ得、その組成物が均質になるまで混合され得る。
【0076】
油は、存在する場合には、代表的には、上記基剤/顔料物質の重量に基づいて、約0.1〜180重量%の範囲に及ぶ量で存在する。油は、存在する場合には、約1.0〜約150重量%;もしくは約3.0〜約120重量%;もしくは約5.0〜約60重量%;もしくは約5.0〜約25〜30重量%の範囲に及ぶ量で存在し得る。
【0077】
表面処理剤および油(油が存在する場合には)の合わせた重量%は、代表的には、上記物質の重量に基づいて、少なくとも約4.0重量%である。代表的には、合わせた重量%は、約4.0〜約1000%;もしくは約4.0〜約500重量%;もしくは約5.0〜約250重量%、もしくは約8.0〜約125重量%、もしくは約10〜約75重量%の範囲に及ぶ。
【0078】
乳化剤、界面活性剤、分散剤、懸濁剤、エマルジョン安定化剤、消泡剤、濃化剤ならびに他の審美的に受容可能な物質および薬剤はまた、本発明の組成物および方法において使用され得る。乳化剤の非限定的例としては、セチルジメチコンコポリオール、ポリグリセリル−4 イソステアレート(isosteatrate)、グリセリルステアレート、PEG−100 ステアレート、セチルアルコール、ジセチルホスフェート、およびセテス−10ホスフェートイソステアリン酸が挙げられる。
【0079】
界面活性剤としては、代表的には、非イオン性形態が挙げられる。非イオン性界面活性剤の非限定的例としては、以下の構造を有するポリオキシアルキレン(PEGおよび/もしくはPPG)タイプの非イオン性乳化剤が挙げられる:
【0080】
【化13】

ここでRは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、およびアリールアルキル基(これらの各々は、1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得、そして1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、もしくはオキソ基によってさらに置換され得る)からなる群より選択される。Rは、C〜約C24の炭素数を有する;Rは、−C−、−C−、および−C−からなる群より選択される。
【0081】
非イオン性界面活性剤のさらなる非限定的例としては、多価アルコールエステルタイプ乳化剤が挙げられ、ここで「ポリオール」のヒドロキシ基(−OH)のうちの少なくとも1つは、脂肪酸でエステル化され、残りのヒドロキシ基はそのままにして、親水性部分として機能する。残りのヒドロキシ基はまた、異なる重合数においてアルキレンオキシドによって改変され得る。エステル化(疎水性)基および遊離ヒドロキシル(親水性)基の組み合わせは、上記界面活性剤分子が、乳化剤として作用することを可能にする。異なる数のヒドロキシル基を有するポリオールの非限定的例としては、3つの−OHを有するグリセリン;各々4つの−OHを有するペンタエリスリトールおよびソルビタン;6つの−OHを有するソルビトール;および8つの−OHを有するスクロースが挙げられる。さらなる非限定的例は、以下に示される:
【0082】
【化14】

【0083】
【化15】

ここでR、R、R、R、R、R、RおよびRは、各々独立して、「構造I」もしくは「構造II」の部分であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、「構造I」である。
【0084】
【化16】

完全におよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに完全におよび部分的に拡げられた着色バルク分散物、ならびにこれらの中間体生成物は、本明細書に記載されるように生成され得る。本発明は、従って、完全におよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに完全におよび部分的に拡げられた着色バルク分散物を生成(作製、製造、調製)するための方法、および完全におよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに完全におよび部分的に拡げられた着色バルク分散物の中間体を生成(作製、製造、調製)するための方法を提供する。
【0085】
例示的実施形態において、顔料(例えば、解膠されたもしくは凝集形成されない顔料)および基剤が合わされて、混合物を形成する。上記物質は、水溶液(例えば、顔料重量に基づいて50〜800% 水)と混合され、液体スラリー中に分散される。上記混合物は、複数の異なる顔料、望ましい色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を提供するために所定の量もしくは比の顔料(例えば、実施例2、表1および表2を参照のこと)を含み得る。結合剤(例えば、油(軟化薬))は、必要に応じて、上記スラリーに添加される(例えば、100部の粉末あたり0〜180部の油)。次いで、1種以上の表面処理剤は、上記スラリー中に分散される(例えば、100部の粉末あたり約0.5〜400部の表面処理剤)。上記表面処理剤は、上記基剤もしくは顔料の表面に吸収される親油性部分もしくは親水性部分を有する水溶性化合物によって化学的に固定化される。図1に例示されるように、上記結果は、顔料粒子を接着した「複合」基剤/体質顔料である。異なる着色顔料が、上記混合物中の顔料の所定の量もしくは比を反映する量において、基剤に接着させられ得る。顔料は、上記基剤上にランダムかつ実質的に均質に分散され得るか、または上記基剤上に配列されるかもしくは非均質に分散され得る。
【0086】
表面処理剤固定化後に、表面改変された基剤もしくは顔料は、必要に応じて脱水され、そして必要であれば、いかなる二級塩および副生成物をも除去するためにすすがれる。濾過ケーキは、それによって生成され、これは、さらに脱水されて、約10%乾燥時喪失(LOD)、例えば、5% LOD、もしくは3% LOD未満を有する「粉末」になり得る。
【0087】
完全に拡げられた着色バルク分散物を生成するために、上記濾過ケーキもしくは脱水粉末は、油相へと再分散される。油相としては、流動パラフィン、イソドデカン、スクアラン、イソノナン酸イソノニル、ヘキシルラウレート、セチルオクタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トコフェリルアセテート、レチニルパルミテート、アスコルビルパルミテート、ポリジメチルシロキサン、シクロポリジメチルシロキサン、エチルヘキシルメトキシシナメート、PEG90 ジイソステアレート、PEG/PPG−8/3 ジイソステアレート、PEG/PPG−8/3 ラウレート、ポリグリセリル−4 ジイソステアレートなどが挙げられ得る。
【0088】
完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに完全に拡げられたおよび部分的に拡げられた着色バルク分散物は、化粧用製品もしくはメイクアップ製品(例えば、ファンデーション(リキッドファンデーション、ルースパウダー、温めて注ぐ(hot−pour)クリームファンデーション)、リップスティック、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ローション、クリーム、バーム、コンシーラー、チーク、口紅(rouge)、アイブローライナー、リップライナー、マニキュア、および日焼け止め中に含まれ得る。これらはまた、パーソナルケア(トイレタリー)製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、ローション、脱臭剤、発汗抑制剤、保湿剤、バーム、石鹸およびジェル(gel));または医薬(例えば、軟膏剤(ointment)、軟膏(salve)、ゲル(gel)およびクリームにおいて使用され得る。完全におよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに完全におよび部分的に拡げられた着色バルク分散物が、化粧用製品もしくはメイクアップ製品またはトイレタリー製品において存在する場合、望ましい場合、化粧用製品もしくはトイレタリー製品において使用される他の代表的成分が添加され得る。例えば、化粧用製品およびメイクアップ製品(例えば、リップスティックおよびマスカラ)は、しばしば、種々の油、ワックス(例えば、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、オゾケライトなど)およびパラフィンを含む。
【0089】
完全におよび部分的に拡げられた着色バルク粉末ならびに完全におよび部分的に拡げられた着色バルク分散物、ならびにこれらの中間体生成物は、必要に応じて、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物の暗度を変更するか、完全に拡げられた着色バルク粉末または完全に拡げられた着色バルク分散物を化粧用製品もしくはメイクアップ製品、パーソナルケア製品もしくは薬学的製品において処方するための説明書を含む、容器およびキット中に含められ得る。容器およびキットの具体的な非限定的例としては、完全に拡げられた着色バルク粉末または完全に拡げられた着色バルク分散物を含む、少なくとも1つのウェルを中に有する浅い容器(pan)もしくはボトルが挙げられる。
【0090】
容器もしくはキットは、必要に応じて、「パッケージング材料」を含み、これは、容器もしくはキットを収容する物理的構造体、または上記容器もしくはキットの構成要素をいう。上記パッケージング材料は、このような目的で一般に使用される物質から製造され得る。容器もしくはキットは、例えば、適切な説明を含むラベルもしくはパッケージング挿入物を含み得る。説明書は、「印刷物」上、例えば、上記容器もしくはキット内の紙片もしくはボール紙上にあってもよいし、上記容器もしくはキットに貼付されたラベル上にあってもよい。説明書はまた、オーディオ媒体もしくはビデオ媒体(例えば、コンピューター読み取り可能な媒体)(例えば、フロッピー(登録商標)ディスケットもしくはハードディスク、光学CD(例えば、CD−ROM/RAMもしくはDVD−ROM/RAM)、磁気テープ、電子保存媒体(例えば、RAMおよびROM)ならびにこれらのハイブリッド(例えば、磁気/光学保存媒体))上に提供され得る。
【0091】
バルク着色粉末および分散物に適した容器およびキットの具体的な非限定的例としては、浅い容器、ボトル、ジャー、バイアル、およびチューブが挙げられる。浅い容器、ボトル、ジャー、バイアル、およびチューブに適した物質としては、金属、硝子もしくはポリオレフィンが挙げられる。例示的金属としては、鉄(鋼鉄)およびアルミニウムが挙げられる。例示的ポリオレフィンとしては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリブチレンが挙げられる。容器およびキットのさらなる具体的な非限定的例としては、パウチ、ボックス、ボール箱および円筒形の容器が挙げられる。
【0092】
容器およびキットは、密封され得る。容器およびキットは、本発明の複数の(2種以上の)タイプの完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物またはその中間体を含み得る。例えば、容器(例えば、浅い容器)は、2つ以上のウェルを含み得、その各々は、完全に拡げられた着色バルク粉末、完全に拡げられた着色バルク分散物、またはその中間体の異なる色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を含む。従って、容器は、ウェルを含み得、その各々は、2種以上の暗度が合わさって、異なる色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度が生成されるように、1)ライトピンク暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末;2)ダークイエロー暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末;3)イエローイッシュレッド暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末;および4)ダークブラウン暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末が沈着させられている。別の特定の非限定的例において、容器もしくはキットは、個々のパッケージ中で、複数パッケージを含み得、これらの各々は、1)白っぽい暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末;2)金色暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末;3)ローズ暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末;および4)バーク(bark)暗度の完全に拡げられた着色バルク粉末を含む。
【0093】
別段定義されなければ、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似もしくは等価な方法および材料が、本発明の実施もしくは試験において使用され得るが、適切な方法および材料が、本明細書に記載される。
【0094】
本明細書において引用されるすべての刊行物、特許および他の参考文献は、それらの全体が本明細書に参考として援用される。矛盾する場合には、本明細書(定義を含む)が優先する。
【0095】
本明細書において使用される場合、単数形「1つの、ある(a)」、「および、ならびに(and)」および「この、その、上記(the)」は、文脈が明らかに別のことを示さなければ、複数形を含む。従って、例えば、「ある顔料(a pigment)」への言及は、複数の顔料を含み、「ある基質(a substrate)」への言及は、複数の基剤を含み得、「ある体質顔料、乳化剤、界面活性剤、油など(an extender, emulsifier, surfactant, oil, etc)」への言及は、複数の体質顔料、乳化剤、界面活性剤、油などを含み得る。
【0096】
本明細書において使用される場合、全ての数値もしくは数値範囲は、文脈が明らかに別のものを示さなければ、このような範囲内もしくは範囲を含む整数およびその有理数を含む。従って、例えば、0〜25%のような値への言及は、0%〜5%(すなわち、1%、2%、3%、4%、5%、もしくは1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%など)、10%〜20%(10%、11%、12%、13%、14%など、または10.1%、10.2%、10.3%、10.4%、10.5%など)などを含む。
【0097】
着色バルク粉末、着色バルク分散物もしくはその中間体(例えば、顔料、基剤、体質顔料、油、結合剤、処理剤など)における所定の成分(ingredient)もしくは成分(component)(例えば、表1〜3に列挙される成分(component)および成分(ingredient))の特定の量への言及は、別段示されなければ、約1〜20%、もしくは1〜10%、もしくは5〜10%内の変動を含む。用語「約」は、代表的には、上記参照値の約±1〜10%、もしくは5〜10%を有する値をいう。
【0098】
本明細書において使用される場合、用語「QS」とは、当該分野で習慣づけられているように、望ましい機能性を得るために「十分量」を意味する。芳香剤については、上記官能性は、代表的には、約0.05〜1.0重量%を使用して得られ;保存剤については、上記官能性は、代表的には、約0.01〜1.0重量%を使用して得られる。
【0099】
本発明は、一般に、多くの実施形態を記載するために肯定的言葉を使用して、本明細書で開示される。本発明はまた、特定の主題が、全てもしくは部分的に排除される実施形態を具体的に含む。例えば、1種以上の粉末物質(例えば、基剤、顔料、顔料体質顔料など)、表面処理剤、結合剤(例えば、油)、乳化剤、保存剤および芳香剤は、本発明の組成物もしくは方法において具体的に排除され得る。従って、たとえ本発明が、本発明が含まないものについて本明細書で一般的に記載されていないとしても、本発明の組成物および方法は、1種以上の粉末物質(例えば、基剤、顔料、体質顔料など)、表面処理剤、結合剤(例えば、油/軟化薬)、乳化剤、保存剤、芳香剤などが排除される実施形態を含む。
【0100】
本発明の多くの実施形態が記載されてきた。にもかかわらず、種々の実施形態が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。従って、以下の実施例は例示であることが意図されるが、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない。
【実施例】
【0101】
(実施例1)
この実施例は、完全に拡げられた色彩/暗度を有する疎水性に改変された粉末物質および完全に拡げられた色彩/暗度を有する疎水性に改変された粉末物質のバルク分散物を調製するための一般的手順の記載を含む。
【0102】
粉末物質を、50〜800%(上記顔料の重量に基づく)の水と混合し、スラリーを作製するために分散する。1種以上の表面処理剤の水溶液(例えば、脂肪酸もしくはアシルアミノ酸の水溶性アルカリ金属塩)を、上記スラリーに添加し、分散させる(100部の粉末あたり0.5〜400部の界面活性剤)。多価金属の水溶性塩(例えば、アルカリ土類金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、亜鉛、もしくはジルコニウムの硫酸塩もしくは塩酸塩)のうちの1〜2種の化学的等価物を、粉末物質に添加して、上記表面処理剤の官能基を、上記粉末物質の上記粒子の表面に連結することを補助し得る。油(100部の粉末あたり0〜180部の油)を、必要に応じて、導入する。その結果は、油でコーティングされた、もしくは油でコーティングされていない表面改変された粉末物質である。
【0103】
次いで、上記油でコーティングされた、もしくは油でコーティングされていない表面改変された粉末物質(ケーキ)を、必要に応じて、例えば、濾過圧、遠心分離、凍結乾燥などを使用して脱水する。脱水前もしくは後に、油でコーティングされた、もしくは油でコーティングされていない表面改変された粉末物質を、必要に応じて、水(例えば、精製水、蒸留水もしくは脱イオン水)、水−有機溶媒、およびアルコール混合物ですすいで、必要であれば、いかなる二次的な塩も副生成物も除去する。望ましい場合、上記濾過物質(ケーキ)を、水分含有量が望ましい目的値(例えば、10%、もしくは5%、またはそれ未満(例えば、3%)の乾燥時喪失(LOD))に達するまで熱もしくは乾燥によって「粉末」へとさらに脱水する。乾燥のための代表的条件は、一部はバッチサイズに依存し、オーブン中で、約100℃へと約2時間にわたって、加熱することである。冷却後、上記物質を、さらに処理する(例えば、解膠する)。分散のために、濾過物質(ケーキ)もしくは粉末を、懸濁物/エマルジョンを精製するために、油相、油中水、水中油、もしくはシリコーン系中水へと再分散し得る。
【0104】
(実施例2)
この実施例は、完全に拡げられた着色バルク粉末、および完全に拡げられた着色バルク粉末分散物の特定の非限定的例(油中水エマルジョン)を記載する。
【0105】
例示的な拡げられた着色バルク粉末、および完全に拡げられた着色バルク粉末分散物(表1および表2に記載される)を、以下のように調製した:
実施例1〜5を、以下の手順に従って調製した。
1.タンクに温水を満たし、6,000rpmを上回る速度で高剪断ミキサーを始める。
2.顔料を添加し、一定時間にわたってホモジナイズして、混合する。
3.混合速度を下げ、一定時間にわたって混合を継続しながら体質顔料、基剤、および他の薬剤を添加して、上記成分をブレンドさせる。
4.化粧用油を添加し、混合する。
5.硫酸アルミニウム溶液を添加して、粉末物質の表面処理を開始する。
6.上記粉末を濾過し、一定量の水ですすいで、いかなる塩副生成物をも除去する(導電率をチェックする)。
7.上記湿潤生成物をオーブン中で乾燥させる。
8.上記乾燥生成物を0.020スクリーンで微粉化し、上記粉末を色彩の拡がり(color extension)について試験する。
【0106】
実施例14および実施例17を、上記で記載されるように、10分間にわたって遊星ミキサー(planetary mixer)を使用することによって、実施例2〜5の粉末で調製した。この粉末を、色彩の拡がりについて試験した。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2−1】

【0109】
【表2−2】

【0110】
【表2−3】

【0111】
【表3】

完全に拡げられた着色バルク粉末を、表3において4つの暗度によって例示されるように、種々の量および割合において混合して、所望の色彩を作製し得る。例として、顔料の4つの暗度を、バッチサイズに依存する特定の期間にわたって「高速ブレードミキサー」もしくは「粉砕器」によって以下の表4に示される比において混合する。「ライトスキントーン」については、TiO2、イエロー、レッドおよびブラックの代表的混合比は、約80%、16%、3%および1%(合計は、100である)である。時折、ウルトラマリンのような色彩は、比較的少量で使用される。「イエローブラウンカラー」については、イエローは、60%で使用され、他の顔料は、TiOについては28%、レッドについては8%およびブラックについては4%(合計は100である)において使用される。
【0112】
混合後、上記ブレンドされた完全に拡げられた着色バルク粉末を、浅い容器の中へと圧縮する。上記ケーキの色彩は、既に完全に拡げられている。上記ケーキ表面をスポンジもしくは指で擦っても、上記色彩は実質的に変化せず、そして同じ色彩が、皮膚上に塗布される。上記ケーキ表面を水で濡らしたスポンジで擦っても、上記色彩は実質的に変化しない。
【0113】
【表4】

【0114】
【表5】

望ましい皮膚暗度を得るために、単に上記4つの暗度の分散物を望ましい割合で、ホモジナイザーを使用して混合する。上記色彩の強度(彩度)は、例えば、「油相」および「水相」での希釈、または必要であれば、他の化粧用成分の添加によって調節され得る。
【0115】
完全に拡げられた着色粉末を、米国特許第5,968,531号において記載されるような従来の粉末と比較した。表6および表7に示される比較実施例1および比較実施例2を、米国特許第5,968,531号に記載されるように調製した。
【0116】
【表6】

【0117】
【表7】

色彩の拡がりの試験概要
1.連続して数分にわたって上記ルースパウダーを、実験用ブレンダーを使用してブレンドする(粉末のサイズに依存する)。
2.上記ブレンドしたルースパウダーの色彩を測定して、L*値、a*値およびb*値を得、これらを、L、aおよびbに割り当てる。
3.上記ブレンドした粉末を、0.020インチスクリーンを備えるハンマーミルを使用して粉砕する(1回通過)。
4.上記粉砕した粉末の色彩を測定し、それによって、L*値、a*値およびb*値を得、これらを、L、aおよびbに割り当てる。
5.上記プロセス3および4を反復して、L*値、a*値およびb*値を得、これらを、L、aおよびbに割り当てる(n回通過)。
【0118】
色の拡がりを評価する
6.[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2であるΔEを計算して、完全に拡げられた色彩を得るための最少通過回数を決定する。
7.ΔEが約1未満(ΔE<1.0)である場合、上記色彩は、完全に拡げられている。
【0119】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末であって、少なくとも1種以上の顔料および基剤を含み、
(a)ここで該顔料は、実質的に凝集形成しておらず、
(b)ここで該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;そして
(c)ここで該顔料は、該基剤に接着する、
完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項2】
完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物であって、少なくとも1種以上の顔料および基剤を含み、
(a)ここで該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;
(b)ここで該顔料は、該基剤に接着し;そして
(c)ここで該顔料および基剤は、液体媒体中に分散している、
完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項3】
前記顔料は、2種以上の異なる顔料を含み、各顔料は、前記表面に接着する、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項4】
前記顔料は、3種以上の異なる顔料を含み、各顔料は、前記基剤に接着する、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項5】
前記顔料は、4種以上の異なる顔料を含み、各顔料は、前記基剤に接着する、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項6】
各顔料は、異なる色彩、暗度、色相、クロマ(彩度)もしくは明度を有する、請求項3〜5のいずれかに記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項7】
前記顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化鉄、ウルトラマリン、パール顔料、マンガン紫、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロムを含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項8】
前記顔料は、ルチル、アナターゼ、超微粒子TiO、超微粒子ZnO、酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド、酸化鉄ブラウン、酸化鉄ブラック、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンク、マイカ、もしくは雲母チタンを含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項9】
前記基剤は、クレイ、マイカ、チミロンスーパーシルバー(timron super silver)、二酸化チタンコーティングマイカ、タルク、カオリン、セリサイト、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムナトリウム、ヒュームドシリカ、アルミノケイ酸、無機質、ナイロン、窒化ホウ素、アクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、金属粉末、セラミック粉末、コットンパウダー、セルロース、ウレタン、スチレン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリアミド、ジルコニウム、デンプンおよびオクテニルコハク酸デンプンアルミニウムのようなデンプン誘導体、または炭酸カルシウム(白亜)を含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項10】
前記表面処理剤は、アシルコラーゲン、エーテルカルボン酸、ラクテート、グルコネート、アミノ酸、アシルアミノ酸、脂肪酸、シラン、トリエトキシカプリルシラン、グリセロールリン酸エステル、メチコン、ジメチコン、ガラクツロン酸、グルカロラクトン、没食子酸、グルコヘプタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリルアミドベタイン、ステアリルアンフォアセテート、ラウリルアンフォプロピオネート、ステアリルアンフォプロピオネート、ポリエチレン、ミリストイルサルコシンナトリウム(sodium myristoyl sarosinate)、パルミチン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、グルコン酸亜鉛、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、イソステアリルセバシン酸、もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項11】
油、脂肪、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、もしくは炭化水素をさらに含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項12】
前記油は、グリセリド、エステル、シリコーンもしくはこれらの誘導体、脂溶性ビタミン、またはこれらの組み合わせである、請求項11に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項13】
前記油は、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、脂肪酸エステル、ヒドロキシ酸エステル、炭化水素、ミネラルオイル、ひまし油誘導体または植物ベースの油から選択される、請求項11に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項14】
前記油は、セチルオクタノエート、ジメチコン、ジフェニルジメチコン、シクロメチコン、セチルジメチコン、ポリシリコーン−11、カプリル酸トリグリセリドもしくはカプリン酸トリグリセリド、ジメチルポリシロキサン、イソステアリルネオペンタノエート、セチルオクタノエート、ジイソステアリルマレエート、スクアラン、酢酸トコフェロール、トコフェロール(ビタミンE)、レチノール、レチノイン酸、オクチルメトキシシナメート、イソドデカン、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキシルメトキシシナメート、ベヘニルアルコール、およびコレステリルラウロイルグルタメート、ベヘニルラウロイルグルタメート、オクチルドデシルラウロイルグルタメートから選択される、請求項11に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項15】
前記油は、約0.1〜25重量%の量で存在する、請求項11に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項16】
乳化剤をさらに含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項17】
ポリグリセリル脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、またはポリアルキレングリコールアルキルエーテルをさらに含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項18】
セチルジメチコンコポリオール、ポリグリセリル−4イソステアレート(Polygyceryl−4 isosteatrate)、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、セチルアルコール、ジセチルホスフェート、セテス−10ホスフェートおよびイソステアリン酸から選択される乳化剤をさらに含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項19】
保存剤もしくは芳香剤をさらに含む、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項20】
前記分散物は、懸濁物もしくはエマルジョンを含む、請求項2に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項21】
前記分散物は、油、水相中油(o/w)、油相中水(w/o)またはシリコーン相中水である、懸濁物またはエマルジョンを含む、請求項20に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項22】
色彩は、ライトスキントーンカラー、ダークイエローカラー、イエローイッシュレッドカラーもしくはダークブラウンカラーである、請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項23】
前記完全に拡げられた着色バルク粉末または完全に拡げられた着色バルク分散物は、前記粉末もしくは分散物がブレンドされた後に、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値によって示される場合に、色彩の変化をほとんどもしくは全く示さない、請求項1または2に記載の、完全に拡げられた着色バルク粉末または完全に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項24】
前記完全に拡げられた着色バルク粉末または完全に拡げられた着色バルク分散物は、前記粉末もしくは分散物がブレンドされた後に、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1.5未満のΔE値によって示される場合に、色彩の変化を示す、請求項1または2に記載の、部分的に拡げられた着色バルク粉末または部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項25】
少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含む、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末であって、ここで該顔料は、実質的に凝集形成しておらず、該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;ここで該顔料は、該基剤に接着し;そしてここで該完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末は、審美的に受容可能な油、乳化剤、脂肪もしくはワックスのうちの1種以上を欠いている、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項26】
前記完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末は、いかなる審美的に受容可能な油も、乳化剤も、脂肪も、ワックスも欠いている、請求項25に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項27】
少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含む、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末であって、ここで該顔料は、実質的に凝集形成しておらず、該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し、該顔料は、該基剤に接着し;そして該顔料の量は、総着色バルク粉末物質のうちの約70重量%未満である、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項28】
前記顔料の量は、約60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、もしくは20重量%未満である、請求項27に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項29】
少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含む、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末であって、ここで該顔料は、実質的に凝集形成しておらず、ここで該顔料および基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;ここで該顔料は、該基剤に接着しており;そして該基剤の量は、総着色バルク粉末物質のうちの約20重量%より多い、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項30】
前記基剤の量は、総着色バルク粉末物質のうちの約30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、もしくは70重量%より多い、請求項29に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項31】
前記顔料は、前記基剤の表面に実質的に均一に分布している、請求項25〜30のいずれか1項に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項32】
色彩は、ライトスキントーンカラー、ダークイエローカラー、イエローイッシュレッドカラーもしくはダークブラウンカラーである、請求項25〜27のいずれか1項に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項33】
少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含む、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物であって、ここで該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;ここで該顔料は、該基剤に接着し;該物質は、液体媒体中に分散され;そして該完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物は、審美的に受容可能な油、乳化剤、脂肪もしくはワックスのうちの1種以上を欠いている、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項34】
前記完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物は、いかなる審美的に受容可能な油、乳化剤、脂肪、ワックスをも欠いている、請求項33に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項35】
少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含む、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物であって、該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;該顔料は、該基剤に接着し;該物質は、液体媒体中に分散され;そして該顔料の量は、総着色バルク分散物物質のうちの約70重量%未満である、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項36】
前記顔料の量は、総着色バルク分散物物質のうちの約60重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、もしくは20重量%未満である、請求項35に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項37】
少なくとも1種の顔料および少なくとも1種の基剤を含む、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物であって、ここで該顔料もしくは基剤は、少なくとも1種の表面処理剤で化学的に固定化された表面を有し;ここで該顔料は、該基剤に接着し;ここで該物質は、液体媒体中に分散され;そして該基剤の量は、総着色バルク分散物物質のうちの約20重量%より多い、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項38】
前記基剤の量は、前記総着色バルク分散物物質のうちの約30重量%より多い、40重量%より多い、50重量%より多い、60重量%より多い、もしくは70重量%より多い、請求項37に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末。
【請求項39】
前記顔料は、前記基剤の表面上に実質的に均一に分布している、請求項33〜38のいずれか1項に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項40】
色彩は、ライトスキントーンカラー、ダークイエローカラー、イエローイッシュレッドカラーもしくはダークブラウンカラーである、請求項33〜38のいずれか1項に記載の完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物。
【請求項41】
請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物を含む化粧用製品もしくはメイクアップ製品。
【請求項42】
請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物を含む、パーソナルケア製品。
【請求項43】
請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物を含む、薬学的製品。
【請求項44】
請求項1または2に記載の、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物を含む、容器であって、ここで該容器は、ライトスキントーンカラー、ダークイエローカラー、イエローイッシュレッドカラーもしくはダークブラウンカラーの、完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク粉末または完全にもしくは部分的に拡げられた着色バルク分散物のうちのいずれか1つを有する、容器。
【請求項45】
完全に拡げられた着色バルク粉末を調製するための方法であって、該方法は、
(a)少なくとも1種の実質的に凝集形成していない顔料および少なくとも1種の基剤を提供する工程;
(b)該顔料もしくは基質と、表面処理剤とを接触させて、表面改変された顔料もしくは基剤を生成し、それによって、該顔料が接着する基剤を生成する、工程;ならびに
(c)式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値が得られるまで、工程b)の物質をブレンドする工程、
を包含する、方法。
【請求項46】
完全に拡げられた着色バルク分散物を調製するための方法であって、該方法は、
(a)少なくとも1種の実質的に凝集形成しない顔料および少なくとも1種の基剤を提供する工程;
(b)該顔料もしくは基剤と、表面処理剤とを接触させて、表面改変された顔料もしくは基剤を生成し、それによって、該顔料が接着する基剤を生成する工程;
(c)式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値が得られるまで、工程b)の物質をブレンドする工程;ならびに
(d)該ブレンドされた物質を、液体媒体中に分散させる工程、
を包含する、方法。
【請求項47】
油、脂肪、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、または炭化水素を含めるかまたは添加する工程をさらに包含する、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記油は、約0.1〜25重量%の量で存在する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記油は、グリセリド、エステル、シリコーンもしくはその誘導体、脂溶性ビタミン、またはこれらの組み合わせである、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記油は、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、脂肪酸エステル、ヒドロキシ酸エステル、ミネラルオイル、ひまし油誘導体または植物ベースの油から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記油は、セチルオクタノエート、ジメチコン、ジフェニルジメチコン、シクロメチコン、セチルジメチコン、ポリシリコーン−11、カプリル酸トリグリセリドもしくはカプリン酸トリグリセリド、ジメチルポリシロキサン、イソステアリルネオペンタノエート、セチルオクタノエート、ジイソステアリルマレエート、スクアラン、酢酸トコフェロール、トコフェロール(ビタミンE)、レチノール、レチノイン酸、オクチルメトキシシナメート、イソドデカン、イソノナン酸イソノニル、エチルヘキシルメトキシシナメート、ベヘニルアルコール、またはコレステリルラウロイルグルタメート、ベヘニルラウロイルグルタメート、オクチルドデシルラウロイルグルタメートから選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記液体媒体は、水もしくは油を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
前記ブレンドされた物質は、油もしくは水性液体中に分散させられて、懸濁物もしくはエマルジョンを形成する、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
前記懸濁物もしくはエマルジョンは、水相中油(o/w)、油相中水(w/o)もしくはシリコーン相中水である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記基剤は、クレイ、マイカ、チミロンスーパーシルバーTM(Timron Super SilverTM)、二酸化チタンコーティングマイカ、タルク、カオリン、セリサイト、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムナトリウム、ヒュームドシリカ、アルミノケイ酸、無機質、ナイロン、窒化ホウ素、アクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、金属粉末、セラミック粉末、コットンパウダー、セルロース、ウレタン、スチレン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリアミド、ジルコニウム、デンプンおよびオクテニルコハク酸デンプンアルミニウムのようなデンプン誘導体、または炭酸カルシウム(白亜)を含む、請求項45もしくは46に記載の方法。
【請求項56】
前記顔料は、2種以上の異なる顔料を含み、該顔料の各々は、前記基剤に接着する、請求項46または47に記載の方法。
【請求項57】
前記顔料は、3種以上の異なる着色顔料を含み、該着色顔料の各々は、前記基剤に接着する、請求項46または47に記載の方法。
【請求項58】
前記顔料は、4種以上の異なる着色顔料を含み、該着色顔料の各々は、前記基剤に接着する、請求項46または47に記載の方法。
【請求項59】
前記顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化鉄、ウルトラマリン、パール顔料、マンガン紫、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロムを含む、請求項46または47に記載の方法。
【請求項60】
前記顔料は、ルチル、アナターゼ、超微粒子TiO、超微粒子ZnO、酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド、酸化鉄ブラウン、酸化鉄ブラック、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンク、マイカ、または雲母チタンを含む、請求項46または47に記載の方法。
【請求項61】
前記表面処理剤は、アシルコラーゲン、エーテルカルボン酸、ラクテート、グルコネート、アミノ酸、アシルアミノ酸、脂肪酸、シラン、トリエトキシカプリルシラン、グリセロールリン酸エステル、メチコン、ジメチコン、ガラクツロン酸、グルカロラクトン、没食子酸、グルコヘプタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリルアミドベタイン、ステアリルアンフォアセテート、ラウリルアンフォプロピオネート、ステアリルアンフォプロピオネート、ポリエチレン、ミリストイルサルコシンナトリウム、パルミチン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、グルコン酸亜鉛、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、イソステアリルセバシン酸、またはこれらの組み合わせを含む、請求項46または47に記載の方法。
【請求項62】
乳化剤を添加する工程をさらに包含する、請求項46または47に記載の方法。
【請求項63】
前記乳化剤は、セチルジメチコンコポリオール、ポリグリセリル−4イソステアレート(isosteatrate)、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、セチルアルコール、ジセチルホスフェート、セテス−10ホスフェートおよびイソステアリン酸から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
保存剤もしくは芳香剤を添加する工程をさらに包含する、請求項46または47に記載の方法。
【請求項65】
完全に拡げられた着色バルク粉末を調製するための方法であって、該方法は、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値を有する第1の着色バルク粉末を提供する工程;および該第1の着色バルク粉末と、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値を有する第2の着色バルク粉末とをブレンドし、それによって、完全に拡げられた着色バルク粉末を調製する工程、を包含する方法。
【請求項66】
前記第1の着色バルク粉末もしくは前記第2の着色バルク粉末の色彩は、ライトスキントーンカラー、ダークイエローカラー、イエローイッシュレッドカラーもしくはダークブラウンカラーである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記第1の着色バルク粉末もしくは前記第2の着色バルク粉末は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化鉄、ウルトラマリン、パール顔料、マンガン紫、プルシアンブルー、酸化クロム、もしくは水酸化クロムの種々の相対的な割合を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の着色バルク粉末もしくは前記第2の着色バルク粉末は、ルチル、アナターゼ、超微粒子TiO、超微粒子ZnO、酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド、酸化鉄ブラウン、酸化鉄ブラック、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンク、マイカ、もしくは雲母チタンの種々の相対的な割合を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
完全に拡げられた着色バルク分散物を調製するための方法であって、該方法は、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値を有する第1の着色バルク分散物を提供する工程;および該第1の着色バルク分散物と、式[(Ln+1−L+(an+1−a+(bn+1−b1/2によって決定されるときに、約1未満のΔE値を有する第2の着色バルク分散物とをブレンドし、それによって、完全に拡げられた着色バルク分散物を調製する工程、を包含する方法。
【請求項70】
前記第1の着色バルク分散物もしくは前記第2の着色バルク分散物の色彩は、ライトスキントーンカラー、ダークイエローカラー、イエローイッシュレッドカラーもしくはダークブラウンカラーである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記第1の着色バルク粉末または前記第2の着色バルク粉末は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化鉄、ウルトラマリン、パール顔料、マンガン紫、プルシアンブルー、酸化クロム、もしくは水酸化クロムの種々の相対的な割合を有する、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記第1の着色バルク粉末または前記第2の着色バルク粉末は、ルチル、アナターゼ、超微粒子TiO、超微粒子ZnO、酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド、酸化鉄ブラウン、酸化鉄ブラック、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンク、マイカ、もしくは雲母チタンの種々の相対的な割合を有する、請求項69に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2010−526905(P2010−526905A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507446(P2010−507446)
【出願日】平成20年5月6日(2008.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/005864
【国際公開番号】WO2008/137175
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509307406)ユーエス コスメティクス コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】