説明

官能化ナノ粒子を含む付着防止コーティング組成物

基材に生物付着防止コーティングを提供するための方法であって、a.反応基および親水性ポリマー鎖がグラフトされたナノ粒子、ならびに溶媒を含むコーティング組成物を得ることと、b.コーティング組成物を基材に適用することと、c.場合により、コーティング組成物を硬化させることとを含む方法。本明細書において、25℃におけるコーティング組成物の表面張力は40mN/mよりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、基材に生物付着防止コーティングを提供するための方法と、生物付着防止コーティングを含有する基材と、生物付着防止コーティングを含有する成形品とに関する。
【0002】
生物付着の抑制または防止のためのコーティング組成物はよく知られている。水と接触する物体、特に合成材料で作られたものは、一般に、生物学的に誘導された有機種の望ましくない蓄積を受ける傾向があり、それは、タンパク質の吸着、細菌の吸着、そしてそれに続く伝播、または血栓形成によるものである。これは一般に「生物付着」と呼ばれる。生物付着は深刻な結果をもたらし得る。例えば、医療分野ではカテーテルを介した細菌感染が生物付着によって生じることがあり、産業界ではフィルタの目詰まり、表面における有機材料の蓄積なども問題を引き起こす。
【0003】
生命科学および医療分野における使い捨て製品(例えば、採血管、マイクロタイタープレート、微小流体デバイス、バイオセンサー、細胞培養フラスコおよび皿、マイクロチューブ、PCR管、分離フィルタ、ピペットチップなど)の使用は、過去数十年間、大幅に増大している。これらの使い捨て品は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどの様々な材料で製造され、多くの利点を提供する。例えば、これらは安定であり、容易に滅菌され、用途が広い。さらに、これらは容易に加工することができ、良好なガスバリア特性、高耐衝撃性、良好な光学透明度を有し、比較的安価に大量生産することができる。しかし、これらの使い捨て品は生物付着に関する問題も有し得る。
【0004】
生物付着の問題に対する解決法が提案されてきたが、これらの解決法は、サンプルが受ける高感度アッセイおよび試験に対して不測の影響を与え得る。例えば、Vacutainer(登録商標)SSTTM採血管は、界面活性剤のSilwetTML−720(生物付着を低減するオルガノシラン界面活性剤)で被覆される。しかし、この界面活性剤は、例えば、Immulite全トリヨードチロニンイムノアッセイで使用される固相から捕捉抗体を脱着させることによって、特定のアッセイの妨害を引き起こすことが示されている。影響を受ける多数のアッセイのより詳しい論考は、Becton−Dickenson Technical Bulletin VS7313およびClin Chim Acta 2007年,378(1−2):181−193頁において見出すことができる。非生物付着製品のさらなる例は、Corning NBS Microplate(カタログ#3676)である。この製品も非生物付着特性を提供するために界面活性剤を使用し、この界面活性剤も、それに続くアッセイの結果に影響を与え得る。非生物付着界面活性剤はコーティングからサンプル内に浸出して行き、それに続く試験の結果に影響を与えると仮定される。
【0005】
従って、サンプルおよび試験への著しい干渉を回避する生物付着防止の解決法が必要とされている。
【0006】
国際公開第2006/016800号パンフレットに記載されるコーティングは、このような解決法を提供するように思われる。これらのコーティングは、良好な生物付着防止性能を有するが、サンプル内に浸出してアッセイに影響を与える界面活性剤を含有しない。しかし、このようなコーティングは、種々の基材、特に種々の形状にうまく適用するのが困難であった。例えば、国際公開第2006/016800号パンフレットのコーティングは、採血管に適用されると、コーティングは亀裂が入り、不完全であり、剥離しやすく、容認できる性能を提供しなかった。
【0007】
これらの生物学的な使い捨て品に対して良好な基材の被覆度を与えるコーティング方法を提供することは有利であろう。その比較的小さいサイズおよび困難な形状を考慮すると、これは簡単なことではない。さらに、コーティング方法は、基材に接着する一貫した高品質のコーティングを提供することが望ましいであろう。
【0008】
驚いたことに、コーティング組成物の表面張力が特定のレベルよりも小さい場合に、良好で一貫した生物付着防止コーティングを製造可能であることが分かった。理論によって束縛されることは望まないが、コーティング組成物の表面張力が低い場合、使い捨て品の形状およびサイズに関連する問題は低減または除外されると考えられる。
【0009】
さらなる利点は、得られるコーティングが良好な機械特性(硬度および耐引っかき性など)を示し得ることである。
【0010】
さらに別の利点は、コーティングが良好な防曇特性を示し得ることである。
【0011】
またさらなる利点は、コーティングが基材への良好な接着性を示し得ることである。
【0012】
またさらなる利点は、コーティングが良好な潤滑特性を示し得ることである。
【0013】
またさらなる利点は、粒子の表面に特定の基をグラフトさせることによって、あるいは前記反応性粒子によって形成されるネットワーク内にこれらを取り込むことによって、コーティングが生体反応性(bioreactive)であるように設計され得ることである。
【0014】
コーティングのさらに別の利点は、特に乾燥状態において、光学透明度を有し得ることである。
【0015】
本発明は基材に生物付着防止コーティングを提供するための方法に関し、この方法は、
a.反応基および親水性ポリマー鎖がグラフトされたナノ粒子、ならびに溶媒を含むコーティング組成物を得ることと、
b.組成物を基材に適用することと、
c.場合により、コーティングを硬化させることと
を含み、ここで、25℃におけるコーティング組成物の表面張力は40mN/mよりも小さい。
【0016】
コーティング組成物は、25℃において40mN/mよりも小さい、より好ましくは30mN/mよりも小さい表面張力を有する。コーティング組成物の表面張力は、好ましくは、10mN/mよりも大きい。材料の表面張力は文献から公知であるか、あるいは、例えばASTMD1331−89(2001年)によって測定することができる。
【0017】
好ましくは、本明細書におけるコーティング組成物は、2重量%〜7重量%である組成物中の固体の重量百分率を有する。
【0018】
[粒子]
コーティング組成物は、粒子に反応基および親水性ポリマー鎖がグラフトされる限り、全ての種類の粒子を含むことができる。コーティング組成物は、有機および/または無機粒子を含むことが可能である。有機粒子の例は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノスフェアである。好ましくは、コーティング組成物は無機粒子を含む。何故なら、このようにすると、非常に強力なコーティングが得られるからである。粒子の平均最大直径は、好ましくは、100nm未満であり、さらにより好ましくは50nm未満である。従って、コーティング組成物はナノ粒子を含有する。これは、滑らかな表面を有する非常に強力なコーティングを提供するためである。また、これらの非常に小さい直径の粒子を用いて、透明コーティングを提供することも可能である。
【0019】
球形粒子の場合、考慮すべき直径が1つだけであるため、直径は最小直径に等しくなる。非球形粒子(例えば棒状および小板状であるが、これらに限定されない)については、最大直径は、粒子を横切って引かれる最長直線として測定される。粒子の寸法を決定するための方法としては、光学顕微鏡法、走査顕微鏡法および原子間力顕微鏡法(AFM)が挙げられる。顕微鏡による方法が使用される場合、100個のランダムに選択された粒子の寸法が測定され、平均が計算される。適切な無機粒子の例は、SiO、TiO、ZnO、TiO、SnO、Am−SnO、ZrO、Sb−SnO、Al、AuまたはAgを含む粒子である。好ましくは、粒子はナノ粒子であり、ナノ粒子はSiOを含む。
【0020】
[親水性ポリマー]
粒子には、あらゆる種類の親水性ポリマー鎖をグラフトさせることが可能である。親水性ポリマー鎖は、0〜100℃の間の少なくとも1つの温度において水中に溶解するポリマー鎖である。好ましくは、20〜40℃の温度範囲で水中に溶解するポリマーが使用される。好ましくは、親水性ポリマーは、水1リットルあたり少なくとも0.1グラム、より好ましくは1リットルあたり少なくとも0.5グラム、最も好ましくは1リットルあたり少なくとも1.0グラムで溶解する。水中の溶解度を決定するために、ポリマー鎖をグラフトするための基、または重合後にポリマーに結合されるその他の任意の基、例えばイオン基を含まないポリマー鎖が用いられる。好ましくは、溶解度は、3〜10の間、より好ましくは5.5〜9の間のpHを有する、最も好ましくは7のpHを有する水中で決定される。
【0021】
ポリマー鎖は1つのモノマー種(ホモポリマー)を含んでもよいし、またはランダムに、もしくは規則的なブロックで配列された複数の種(コポリマー)を含んでもよい。
【0022】
好ましくは、親水性ポリマー鎖は、エチレンオキシド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ホスホリルコリン、グリシジル(メタ)アクリレートまたは糖類のモノマー単位を含む。
【0023】
被覆された物体に対してコーティングが付与する典型的な利点の1つは、ポリマー鎖の親水性によって生じる非常に良好なコーティングの生物付着防止特性である。これらの特性は、コーティング表面における親水性ポリマー鎖の濃度および長さの増大と共に増大する。
【0024】
好ましくは、親水性ポリマーの鎖は少なくとも平均5個のモノマー単位を含み、より好ましくは、ポリマーは少なくとも平均7個のモノマー単位を含み、さらにより好ましくは、ポリマーは少なくとも平均10個のモノマー単位を含み、最も好ましくは、ポリマーは少なくとも平均15個のモノマー単位を含む。
【0025】
濃度は、例えば、粒子にグラフトされるポリマーの密度を増大させる、長さを増大させる、あるいはコーティング組成物中の粒子の重量比を増大させることによって増大され得る。
【0026】
良好な防曇特性を得るためには、比較的短い長さを有するポリマー鎖が好ましい。
【0027】
コーティング組成物の別の利点は、低い静的水接触角である。好ましくは、静的水接触角は50°未満であり、より好ましくは40°未満、さらにより好ましくは30°未満である。
【0028】
[グラフトのために使用される基]
親水性ポリマー鎖と、反応基を含む化合物とを粒子にグラフトさせるための基は、グラフトのために当該技術分野において知られているあらゆる基を含むことができ、例えば、(トリアルコキシ)シラン、チオール、アミン、水素化シランなどであるが、これらに限定されない。グラフト反応によって、親水性ポリマー鎖、および反応基を含む化合物は、粒子の表面に化学的に結合される。親水性ポリマー、および反応基を含む化合物は、グラフトのための基を1分子あたり2つ以上含むことが可能である。より好ましい実施形態では、親水性ポリマーおよび化合物の反応基は、グラフトのための基を平均で1分子あたり1つ有する。親水性ポリマーの場合、グラフトのための基は、好ましくは、親水性ポリマーの鎖に結合された末端基である。
【0029】
[反応基]
反応基としては、基材と反応することができる基、および/または反応して架橋相を形成することによって、粒子を含むコーティングを形成することができる基が使用される。例えば単独重合反応において相互に反応することができる、単一の種類の反応基を使用することが可能である。このような反応基の例としては、アクリレート基およびメタクリレート基が挙げられる。別の可能性は、例えば共重合反応において反応することができる基などの基の混合物が使用されることである。このような基の例としては、エポキシと組み合わされたカルボン酸および/またはカルボン酸無水物、ヒドロキシ化合物、特に2−ヒドロキシアルキルアミドと組み合わされた酸、イソシアネート、例えばブロックイソシアネート、ウレトジオンまたはカルボジイミドと組み合わされたアミン、アミンまたはジシアンジアミドと組み合わされたエポキシ、イソシアネートと組み合わされたヒドラジンアミド、イソシアネート、例えばブロックイソシアネート、ウレトジオンまたはカルボジイミドと組み合わされたヒドロキシ化合物、無水物と組み合わされたヒドロキシ化合物、(エーテル化)メチロールアミドと組み合わされたヒドロキシ化合物(「アミノ樹脂」)、イソシアネートと組み合わされたチオール、アクリレートまたは他のビニル種と組み合わされたチオール(場合により、ラジカル開始される)、アクリレートと組み合わされたアセトアセテート、ならびにカチオン性架橋が使用される場合にはエポキシ化合物とエポキシまたはヒドロキシ化合物が挙げられる。2+2光付加環化および4+2熱付加などの付加反応も可能である。
【0030】
好ましくは、反応基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、アリルエーテル、スチレン、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0031】
また、反応基は親水性ポリマー鎖に結合されることも可能であるが、好ましくは、親水性ポリマー鎖の少なくとも20重量%はこのような反応基を含まない。より好ましくは、親水性ポリマー鎖の少なくとも50重量%、さらにより好ましくは親水性ポリマー鎖の少なくとも80重量%はこのような反応基を含まない。最も好ましくは、親水性ポリマー鎖は、このような反応基をどれも全く含まない。
【0032】
[反応性希釈剤]
コーティング組成物は、相互に反応することができる基、およびまたは粒子にグラフトされた反応基と反応することができる基を少なくとも1つ有する化合物であると定義される、1つまたは複数の反応性希釈剤を含むことができる。
【0033】
原則的には、様々な種類の化合物が反応性希釈剤として使用するのに適しており、例えば、上記で定義される反応基と同じ基を有するモノマーまたはオリゴマーなどである。好ましい実施形態では、これらの反応性希釈剤は、グラフト化親水性ポリマーと同じ温度範囲で水溶性である。
【0034】
反応性希釈剤として使用され得る可能性のある化合物は、イソシアネート、アルコキシチタネート、アルコキシジルコネート、または尿素−、尿素/メラミン−、メラミン−ホルムアルデヒドもしくはフェノール−ホルムアルデヒド(レゾール、ノボラック型)、またはラジカル硬化性(過酸化物開始または光開始される)不飽和一官能性および多官能性モノマーおよびポリマー(例えば、アクリレート、メタクリレート、マレエート/ビニルエーテル)、またはスチレンおよび/またはメタクリレート中のラジカル硬化性(過酸化物開始または光開始される)不飽和(例えば、マレイン酸またはフマル酸)ポリエステルである。
【0035】
[架橋方法]
コーティングが形成されるように、反応基を反応させることにより架橋相を形成させることができる架橋方法はどれも本発明に従う方法における使用に適している。架橋を開始させる適切な方法は、例えば、電子ビーム放射、電磁放射(UV、可視および近IR)、熱、および湿気の添加(湿気硬化性化合物が使用される場合)である。好ましい実施形態では、架橋はUV放射によって達成される。UV架橋は、フリーラジカル機構もしくはカチオン機構、またはこれらの組み合わせによって起こり得る。別の好ましい実施形態では、架橋は熱的に達成される。また、異なる硬化方法の組み合わせも可能である。
【0036】
[開始剤]
開始剤は、架橋反応を開始させるために混合物中に存在し得る。開始剤の量は広い範囲で変わり得る。開始剤の適切な量は、例えば、架橋反応に関与する化合物の全重量に対して0重量%よりも多い量から5重量%までの間である。
【0037】
UV架橋が使用される場合、混合物は、好ましくは、1つまたは複数のUV光開始剤を含む。本発明に従う方法では、あらゆる既知のUV光開始剤を使用することができる。例えば、Cibaからの、Darocur1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(CAS番号7473−98−5))、1−Irgacure184(ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(CAS番号947−19−3))、Irgacure819(フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(CAS番号162881−26−7))、Irgacure369(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル}−1−ブタノン(CAS番号119313−12−1))、Quanticure(EPD エチル4−ジメチルアミノベンゾエート(CAS番号10287−53−3))、Quanticure ITX(2−イソプロピルチオキサントン(CAS番号5495−84−1))、ベンゾフェノン(CAS番号119−61−9)である。
【0038】
[コーティングの厚さ]
本発明に従うコーティングは任意の適切な厚さで調製することができるが、厚さはコーティング組成物中の固体の量の関数でもあり得ることに注意すべきである。本発明に従うコーティングは、通常、50nm〜数十マイクロメートルの間の範囲の厚さを有する。好ましくは、コーティングの厚さは、50nm〜1000nmであり、より好ましくは100nm〜800nmであり、さらにより好ましくは200nm〜600nmである。コーティング組成物は、好ましくは、2重量%〜7重量%の重量百分率の固体を含有する。
【0039】
[基材]
本発明に従う方法における基材として、様々な種類の基材を使用することができる。適切な基材は、例えば、平坦または湾曲した剛性または可撓性の基材であり、以下のフィルムを含む。例えば、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、架橋ポリエチレン(XLPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリブチレン(PB)、ポリイソブテン(PIB)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリノルボルネンなど)、ポリアリーレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPO)など)。ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)(PCTA)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートグリコール(PCTG)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリトリメチレンテレフタレートなど)。ポリスルホン類(例えば、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールスルホン(PAS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPS)など)。ポリアミド類(例えば、PA11、PA12、PA66、PA6、PA46、PA6−co−PA66、PA610、PA69、ポリフタルアミド(PPA)、ビスマレイミド(BMI)、尿素ホルムアルデヒド(UF)など)。セルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、プロピオン酸セルロースなど)。ポリウレタン類(例えば、ポリウレタン(PU)、ポリイソシアヌレート(PIR)など)。フルオロポリマー類(例えば、フルオロポリマー(FE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)など)。ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエステルカーボネート。コポリマー類(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、エチレンN−ブチルアクリレート、ポリアミド−イミドなど)、またはアモルファス固体(例えば、ガラス)、または結晶性材料(例えば、ケイ素またはガリウムヒ素など)。チタンおよび鋼などの金属基材が使用されてもよい。
【0040】
好ましい基材には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリノルボルネン、ガラス、チタン、鋼、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0041】
基材は、好ましくは、例えば、生体サンプル(例えば、血液)採取管、マイクロタイタープレート、微小流体デバイス、バイオセンサー、細胞培養フラスコおよび皿、マイクロチューブ、PCR管、分離フィルタ、およびピペットチップに成形することができる。
【0042】
本発明に従う方法によって得られる自立型コーティングは、フィルムまたはコーティングを基材上で調製し、続いて架橋の後にフィルムまたはコーティングを基材から取り外すことによって得ることができる。
【0043】
[混合物の基材への適用]
混合物は、ウェットコーティング付着の技術分野において知られている任意の方法によって、一段階または多段階で基材上に適用することができる。適切な方法の例は、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、メニスカスコーティング、キャピラリーコーティングおよびロールコーティング、吸引コーティング、またはこれらの適切な組み合わせである。
【0044】
物体は、コーティング組成物によって完全に被覆されてもよいし、あるいは部分的に被覆されてもよい。また、例えばフォトリソグラフィ(限定されない)による、コーティングの部分架橋および非架橋部分の除去も可能である。
【0045】
第1の実施形態では、本発明に従う混合物は、基材上の唯一のコーティングとして適用される。第2の実施形態では、コーティングは1つまたは複数のコーティングの最上部に適用される。当業者には、接着性、硬度、光学透明度などの特性を最適化するために、どのコーティングを選択すべきかが分かるであろう。
【0046】
コーティングの適用および硬化の後に、熱処理または放射線処理など(限定されない)のさらなる処理ステップが可能である。
【0047】
[溶媒]
例えば、選択された適用方法を用いて基材上に適用するために適した本発明に従う組成物を調製するために、本発明に従う組成物は溶媒を含むことができる。
【0048】
原則的には、様々な種類の溶媒を使用することができる。良好な品質のコーティングを(すなわち、溶媒の蒸発後に)得るために、溶媒は、好ましくは、反応基および親水性ポリマー鎖がグラフトされた粒子の安定した懸濁液を形成できる能力を有する。粒子は、通常、懸濁液の形態の混合物に添加される。懸濁液中で使用されるものと同じ溶媒を使用して、所望の特性を有するように混合物を調整することができる。しかし、他の溶媒が使用されてもよい。
【0049】
適切であり得る溶媒の例は、1,4−ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、クロロフェノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジクロロメタン、ジエチルアセテート、ジエチルケトン、炭酸ジメチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、m−クレゾール、モノ−およびジ−アルキル置換グリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、p−クロロフェノール、1,2−プロパンジオール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−ヘキサノン、2−メトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−オクタノン、2−プロパノール、3−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ヘキサフルオロイソプロパノール、メタノール、酢酸メチル、アセト酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、n−メチルピロリドン−2、酢酸n−ペンチル、フェノール、テトラフルオロ−n−プロパノール、テトラフルオロイソプロパノール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンおよび水である。アルコール、ケトンおよびエステルベースの溶媒が使用されてもよいが、高分子量アルコールの場合は、アクリレートの溶解度が問題となり得る。ハロゲン化溶媒(ジクロロメタンおよびクロロホルムなど)および炭化水素(ヘキサンおよびシクロヘキサンなど)も適切であり得る。
【0050】
好ましくは、使用される溶媒は、混合物を基材に適用した後に蒸発する。本発明に従う方法において、場合により、混合物は基材に適用された後、溶媒の蒸発を補助するために加熱または真空中で処理されてもよい。
【0051】
好ましくは、溶媒は、100〜200、より好ましくは110〜190の蒸発率(酢酸ブチルの場合は100に等しい)を有する。
【0052】
種々の溶媒の蒸発率のリストは、「Selected evaporation rate and surface tension of solvents」(P.C.Nicholas編、Industrial Solvents Handbook,第2版,2003年,Marcel Dekker)において見出すことができる。
【0053】
好ましくは、25℃で40mN/m未満、より好ましくは30mN/m未満である表面張力をコーティング組成物に与える溶媒が使用される。溶媒の表面張力は、好ましくは、10mN/mよりも大きい。
【0054】
より好ましい実施形態では、溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、アセトン、メチルエーテルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、酢酸アミル、酢酸ブチル、酢酸エチル、ブチルグリコールアセテート、ブチルグリコール、エチルグリコール、2−ニトロプロパン、およびこれらの組み合わせから選択される。
【0055】
最も好ましい溶媒は、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、およびこれらの組み合わせである。
【0056】
[接着促進剤]
好ましくは、本発明に従う組成物は、コーティングの基材への接着性を増大させる化合物を含む。これらは、例えば、アクリレート含有コーティングをガラス上で使用するためのシランアクリレート化合物であり得る。当業者は、所望の基材のための適切な接着促進剤を選択することができるであろう。
【0057】
[付加的な添加剤]
さらなる実施形態では、本発明に従う組成物は、使用中にコーティングから拡散する1つまたは複数の種を含有し得る。このような種は、潤滑性、接着性の目的で使用されてもよいし、あるいは治療的な種を含んでもよい。このような種の例は、例えば、ヘパリン、ビタミン、抗炎症薬、第4級アンモニウムイオン、ペプチド配列、ハロゲン不安定種などの抗菌機能性、生体分子受容体部位であるがこれらに限定されない。
【0058】
組成物が基材に適用された後の後処理ステップは、可逆的な吸着による移行可能な種(例えば、薬物)の添加、またはコーティング中の残留反応基への生物活性種の化学的グラフトを含むことができる。
【0059】
[用途]
本発明は、本発明に従うコーティング方法によって得られるフィルムまたはコーティングにも関する。また本発明は、本発明に従って得られるコーティング組成物によって部分的または完全に被覆された基材および物品にも関する。
【0060】
コーティングの用途としては、生物付着防止または血栓形成防止特性を有するコーティング、抗炎症特性を有するコーティング、抗菌コーティング、バイオフィルム形成を防止するためのコーティング、バイオレセプター用コーティング、バイオセンサー用コーティング、採血管および血液と接触するデバイスのための撥血(haemo−repellent)コーティング、防曇特性を有するコーティングが挙げられる。コーティングは、物体の水溶液による湿潤性を高めるために物体に適用することも可能である。
【0061】
本発明のコーティングは、生体サンプル(例えば、血液)採取管、マイクロタイタープレート、微小流体デバイス、バイオセンサー、細胞培養フラスコおよび皿、マイクロチューブ、PCR管、分離フィルタ、ピペットチップなどのために有利に使用することができる。また、本発明のコーティングは、カテーテル、インプラント、ステントなどの医療用デバイスのために使用されてもよい。本発明のコーティングのための好ましい使用には、採血管(例えば、Vacutainers(登録商標))およびマイクロタイタープレートが含まれる。
【0062】
また本発明は、親水性鎖を粒子に化学的にグラフトさせるステップを含む、本発明に従うコーティング組成物の製造方法にも関する。
【0063】
この方法では、あらゆる種類の用途に適した種々のコーティング組成物を得ることができる。
【0064】
本発明は、実施例によって、これらに限定されることなく、さらに説明されるであろう。
【0065】
[実施例]
[mPEGトリメトキシシラン(mPEG−シラン)の合成]
50g(49.3mmol)のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(mPEG)(Mw〜1100)を600mlのトルエン中に溶解し、ソックスレー抽出(50℃/70mbar)を用いて、混合物を4オングストロームのモレキュラーシーブ上で一晩乾燥させた。トルエン中のmPEGの濃度は、約8.0重量/体積%であった。乾燥後、12.9グラム(52.2mmol、1.06当量)のトリエトキシ(3−イソシアントプロピル(isocyantopropyl))シラン(イソシアネート)を反応混合物に液滴で添加した。イソシアネートの量はmPEGのヒドロキシル基に対して約6モル%過剰であった。イソシアネートの添加は室温で行った。添加の後、8滴(+/−65mg)のジラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL)触媒を攪拌中の反応に添加した。窒素雰囲気下、反応混合物を室温で一晩連続的に攪拌した。2270cm−1におけるNCO伸縮振動の消失に従って、反応をFT−IRにより監視した。反応の後、回転蒸発によってトルエンの約80%を除去し、mPEG−シランをヘプタン中にゆっくり沈殿させ、ヘプタンで数回洗浄した。得られた白色ワックスを50℃の真空オーブン内で一晩乾燥させた。H−NMRおよびGPCによって生成物を検査した。収率90〜95%、95%を超える純度。
【0066】
[実施例1:PET採血管のコーティング]
[コーティング組成物の調製]
メタノール中に懸濁された二酸化シリカ(MT−ST)は、Nissan Chemical America Corporationから入手し、以下の方法によって、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(APTMS、ABCR Chemicals)およびmPEG−シラン(上記のように合成)との反応によって表面修飾した。1リットルの3ツ口フラスコに30重量%のMT−STシリカ粒子溶液を入れた。ラジカル捕捉剤ヒドロキノンモノメチルエーテルおよび開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加した。APTMSを攪拌下において液滴で添加した。その後、溶媒を添加した。混合物を70℃に加熱し、2時間攪拌し続けた。混合物を室温まで冷却させた。
【0067】
その後、mPEG−シランを混合物にバッチ式で添加し、mPEG−シランに対して2モル当量の溶媒を後で添加した。混合物を70℃に加熱し、一晩(最低12時間)攪拌し続けた。反応の後、混合物を室温まで冷却させ、官能化粒子の溶液を捕集した。この官能化粒子溶液をコーティング組成物として使用し、PET採血管を被覆した。
【0068】
上記の方法に従って、表1〜3に従うコーティング組成物A〜Mを調製した。コーティング組成物中の固体の重量百分率(重量%)は7重量%であった。コーティング組成物の表面張力は、J.Chem.Eng.Data,1995年,40,611−614頁に従って決定した。
【0069】
[コーティング手順]
コーティングの前に、基材として使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)管を45mmの長さ(これはガラス製測定用バイアルに適合する)に切断した。切断後に、全ての管をメタノールで洗浄し、水ですすぎ、真空オーブン内で乾燥させた。PET管を定位置に固定し、コーティング配合物を充満させた。この後、減圧デシケーターに接続した薄い金属管を用いて管を吸引した。真空ポンプを用いてデシケーターを600mbarに設定し、管を吸引するために安定した吸引源を提供した。コーティング配合物の吸引後、吸引力をさらに10秒間保持して、管を完全に吸引させた。コーティングの後、管を大気条件下で5〜10分間保持し、次に、UV光による硬化の前に窒素を20〜30秒間流した。管を2回の5秒間のUV露光により硬化させ、これは、1.0Jcm−2のおよそ2倍と同等であった。
【0070】
【表1】



【0071】
【表2】



【0072】
【表3】



【0073】
[PET管における125I−BSA吸着試験]
放射性標識化BSAを用いて、基材に適用した場合のコーティング性能を評価した。管の性能評価を開始する前に、125I−BSAを希釈して約74kBq/mlの所望の活性を有する放射性標識化タンパク質溶液を得るために、緩衝溶液を調製した。この後、試験のために使用される溶液を準備した。
【0074】
[緩衝溶液の調製]
1lのメスフラスコに、
− 900mlの脱塩水
− 6.96gのKHPO
− 1.56gのNaHPO2H
− 8.76gのNaCl
− 10.0mgのBSA(非標識化)
を添加した。
【0075】
この後、1MのNaOHによりpHを7.4±0.1に調整し、体積を1lに調整した。
【0076】
125I−BSA溶液:]
緩衝溶液を用いて、放射性標識化125I−BSA(Perkin Elmerから購入)を±74kBq/mlに希釈した。希釈の量は、元の材料の活性に依存する。
【0077】
1mlの125I−BSA溶液を管に添加した。管を室温で一晩(約20時間)放置した。この後、ピペットを用いて管を空にし、続いて脱塩水による3回の洗浄ステップを行った。管をLSCバイアルに入れた。次に、管に2mlのPico−Fluor 15(Scintillation cocktail)を充満させ、管の周りの空間に約18mlのPico−Fluor 15を充満させた。バイアルを閉め、シンチレーションカウンターを用いて活性を測定した。空測定と比較した残留カウント数によって、タンパク質吸収の割合を計算した。125I−BSA吸収は、被覆表面におけるタンパク質(アルブミン)吸収量に対する値を与え、従って、表面における生物付着の発生の尺度である。
【0078】
20%未満の125I−BSA吸収は、コーティング組成物の良好な性能と考えられる。
【0079】
10%未満の125I−BSA吸収は、コーティング組成物の優れた性能と考えられる。
【0080】
【表4】



【0081】
[実施例2:マイクロタイタープレートにおけるコーティング性能]
被覆されたポリスチレンマイクロタイタープレートにおける125−IBSA吸収を、コーティング溶液中の固体の濃度に関して決定した。
【0082】
コーティング溶液中の固体の濃度と、125−IBSA吸収の低下との間の関係を、被覆ポリスチレンマイクロタイタープレートにおいて調査した。これは、96ウェルプレート洗浄機(BioTek Elx−405)を用いて、2重量%、3重量%および7重量%の固体を有するコーティング溶液をマイクロタイタープレートのウェルの内側に適用して、コーティングの適用および吸引過程を調節することによって行った。被覆プレートを、UV光による硬化の前に23℃および55%RHで5分間乾燥させた。コーティングは、2回の1.0Jcm−2のUVにより、窒素不活性化(inertion)の下で硬化させた。放射性標識化タンパク質溶液を用いることによってコーティング性能を評価し、タンパク質吸着の低下を決定した。
【0083】
緩衝溶液および125I−BSA溶液を上記のように調製した。100μlの125I−BSA溶液をマイクロタイタープレートのウェルに添加した。プレートを室温で一晩(約20時間)放置させた。この後、ピペットを用いてプレートを空にし、続いて脱塩水による3回の洗浄ステップを行った。プレートを30分間乾燥させた後、汚染カウンタ(Geigerカウンタ)により残留活性を測定した。非被覆マイクロタイタープレートと比較した残留カウント数によって、タンパク質吸着の低下を計算した。
【0084】
結果は表6に見出すことができる。これは、7重量%溶液から適用されたコーティングが、2重量%溶液から適用されたコーティングと比較してより低いタンパク質吸着(<5%)およびより大きい機械的安定性(約50%)を示すことを示す。しかし、残留構造は7重量%溶液の場合の方が悪く、このコーティングは長期間水にさらされると亀裂が生じる。
【0085】
【表5】



【0086】
【表6】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に生物付着防止コーティングを提供するための方法であって、
a.反応基および親水性ポリマー鎖がグラフトされたナノ粒子、ならびに溶媒を含むコーティング組成物を得ることと、
b.前記コーティング組成物を前記基材に適用することと、
c.場合により、前記コーティング組成物を硬化させることと
を含み、25℃における前記コーティング組成物の表面張力が40mN/mよりも小さい方法。
【請求項2】
前記コーティング組成物の表面張力が30mN/mよりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コーティング組成物の表面張力が10mN/mよりも大きい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コーティング組成物中の固体の重量百分率が2重量%〜7重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記反応基が、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、アリルエーテル、スチレン、またはこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記親水性ポリマー鎖が、エチレンオキシド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ホスホリルコリン、グリシジル(メタ)アクリレートまたは糖類のモノマー単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノ粒子がSiOを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング組成物がUV光開始剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記コーティング組成物が、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、アセトン、メチルエーテルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、酢酸アミル、酢酸ブチル、酢酸エチル、ブチルグリコールアセテート、ブチルグリコール、エチルグリコール、2−ニトロプロパン、およびこれらの組み合わせから選択される溶媒を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティング組成物が、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、メニスカスコーティング、キャピラリーコーティングおよびロールコーティング、吸引コーティング、またはこれらの適切な組み合わせによって前記基材に適用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法に従って被覆された基材。
【請求項12】
前記基材が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリノルボルネン、ガラス、チタン、鋼、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の基材。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法に従って被覆された成形品であって、生体サンプル(例えば、血液)採取管、マイクロタイタープレート、微小流体デバイス、バイオセンサー、細胞培養フラスコおよび皿、マイクロチューブ、PCR管、分離フィルタ、およびピペットチップから選択される成形品。

【公表番号】特表2012−506771(P2012−506771A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533747(P2011−533747)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064407
【国際公開番号】WO2010/049535
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】