説明

定形品の運搬装置

【課題】縦列状で運搬する複数の定形容器を、その大きさを変更しても同間隔で横方向への搬出を可能にする。
【解決手段】ストッパー23に当接して停止する供給コンベヤ10上の容器30を、第1リフト25の動力を受ける第1支持ベース20で支持して押し上げ、前記第1支持ベース20の面をストッパーとして後続の容器20を阻止すると共に、第2リフト26の動力を受ける第2支持ベース21で後続の容器30浮上させ、横並びの状態で前方に送り出す。容器30の大きさを変更した場合、供給コンベヤ10以外の、台車16と両支持ベース20、21及びストッパ23を、前記供給コンベヤ10に沿って移動させると、大きさの変っても複数の容器30の中心は常に同位置に停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面形状が方形または長方形の定形品を供給コンベヤでもって縦列状に移送する一方、前記供給コンベヤの側面に直角状に配置した搬出コンベヤに、前記定形品を複数列で搬出するようにした運搬装置に関し、定形品をの大きさを変更しても、各定形品の間隔を常に一定に保って搬出されるようにしたことを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
前記の供給コンベヤでもって移送される定形品が仮に容器である場合、該容器を前記供給コンベヤから複数個単位で搬出する搬出コンベヤには、例えば前記各容器への被包装物の充填機、または真空包装機等が等間隔で配置されている。したがって定形容器の大きさが変わっても、各容器は常に、前記充填機や真空包装機の中心線に沿って搬出しされなければならないという条件が伴う。
【0003】
一方、下記の特許文献1には、供給コンベヤでもって長方形の容器を縦列状に運搬すると共に、前記の各容器を枠型のストツパーにより等間隔で位置決めし、3個単位の容器を一体に横方向に搬出する装置を開示している。しかし、当該装置の場合、容器の大きさを変更しょうとすると、その都度、枠型のストツパー大きさを変更する必要があつて、万能性に欠けるという欠陥がある。
【0004】
また、下記の特許文献2には、複数列のベルトもって運搬するソーセイジをそれぞれストッパーでもって受け止めて縦列等間隔で停止させると共に、これらソーセイジを複数列で横方向に搬出する装置を開示している。かかる装置の場合は、ソーセイジの先端位置をストッパーによって決定するのであり、各ソーセイジの長さが変更されても、各ソーセイジの先端位置は一定である。しかし各ソーセイジの長さ方向の中間位置は変化しており、前記充填機や真空包装機の中心線と一致しなくなるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特願2005−324865号公報
【特許文献2】実公昭46−4497号公報
【0006】
そこで本発明は、定形品の大きさの変更に合わせ、簡単な操作により供給コンベヤ上の、大きさを変更した各定形品を、常に搬出コンベヤにおける定められた複数の搬出軌道に沿って搬出できるようにしたものである。
【発明の開示】
【0007】
上記目的を達成するのために本発明は、複数列の平行な紐ベルトからなる供給コンベヤと、前記供給コンベヤの搬送方向と平行なガイドレールに支持した台車と、前記台車に固定しかつ前記供給コンベヤのエンドにおいて定形品移送を阻止するストツパーと、複数枚2組からなる板材を前記供給コンベヤの各紐ベルトの間隙に前後して配置して形成した第1、第2の両支持ベースと、前記第1、第2の両支持ベースをそれぞれ前記ストッパーの手前側において第1、第2のリフトを介して前記台車に支持した手段と、前記の両支持ベースの配置領域において前記供給コンベヤの側面から直角方向に設置した搬出コンベヤとからなり、ストッパーに当接して停止する最先端の定形品を、第1リフトの動力を受ける第1支持ベースで押し上げたあと、押し上げた前記第1支持ベースの面をストッパーとして後続の定形品の移送を阻止させる一方、後続の定形品を第2リフトの動力を受ける第2支持ベースで押し上げて、各定形品を供給コンベヤから浮上させ、前後の定形品を送り出し機構により前記搬出コンベヤにおける不動間隔の複数の搬出線に沿って横並びの状態で送り出す手段とにより構成する。
【0008】
定形品を大きく、或いは小さく変更して使用する場合、その幅が変更した分だけ搬出コンベヤにおける不動間隔の複数の搬出線と、これら搬出線に向けて押し出そぅとする各定形品の中心とが不一致となるが、ガイドレールに沿って前記台車を移動させ、ストッパーによって停止する最先端の定形品の中心を、一つの搬出線に一致させることにより、第1支持ベースの面に衝突して停止する後続の定形品の中心は必然的にへっ子の搬出線と一致することになるのである。
【実施例1】
【0009】
平面を示す図2において、フレーム11に支持する一対のプーリ12、13は、9本の紐ベルト14を平行に張設して供給コンベヤ10を構成する。前記のフレーム11の内面に固定し前記紐ベルトの両側に配置した一対のガイドレール15は、4個の車輪17を介して台車16を支持する。また図3に示すように前記9本の各紐ベルト14の間隙に、前後8枚づつの板材を配置して第1支持ベース20と第2支持ベース21とを形成しており、前記両支持ベースの切り込み22内において、台車16の両壁間には前記9本の紐ベルト14の支え棒18を架設している。
【0010】
図3においては第1支持ベース20を、流体シリンダーにより形成した第1リフト25を介して台車16に、また第2支持ベース21を、同じく流体シリンダーにより形成した第2リフト26を介して台車16にそれぞれ連結する一方、雄ねじ28に前記の台車16の雌ねじ部を係合した操作軸29を、機体27に回転自在に配置してコントロール手段31を構成している。
【0011】
モータ19(図2参照)の動力により回転する供給コンベヤ10は、定形品の1例として定形の容器30を搭載して該各容器を縦列状に運搬するが、最先端の容器30の行く手には台車16に固定したストツパー23を配置している。このため図1のごとく搬送される最先端の容器30は、供給コンベヤ10のエンドにおいてストッパー23に当接して停止するようになっている。
【0012】
ストツパー23と一体に移動するセンサー33が、最先端の容器30のストッパー23への当接を検出すると、図3における第1リフト25の駆動で第1支持ベース20は上動しと、最先端の容器30Aを供給コンベヤ10から浮上させ、第1支持ベース20の後ろ壁面によって後続の容器30Bの進行を阻止する。そして、その直後、タイマーの働きにより第2支持ベース21と一体に後続の容器30Bを供給コンベヤ10の上に浮上させる。
【0013】
図2における供給コンベヤ10の側面には、前記供給コンベヤ10による移送方向とは直角方向の、2本の搬出線41、42を備える搬出コンベヤ40を、また前記の反対側面には、第1、第2の両支持ベース20、21上の、複数の容器を横並びで前記の搬出コンベヤ40に向けて押し出して送り出す手段44をそれぞれ設けており、複数の容器30A、30Bは、前記の第1搬出線41と、第2搬出線42とがそれぞれ常設する例えば真空包装機の中心に沿って送り出すことができるのである。
【0014】
図4に示した、大きさを変更した複数の容器30C、30Dは、図3に図示したものに比較するとかなり小型であり、ストツパー23及び第1支持ベース20の壁面とが、これら小型の容器30C、30Dの動きを阻止した場合、小型化したこれら容器30C、30Dの中心と、図2における第1搬出線41及び第2搬出線42とは不一致になるのは必然である。かかる問題解決の一例として、ハンドル45でもって操作軸29を、基本数値にたいする使用容器30Cの誤差分だけ回転させることで、搬出される容器30C、30Dの中心が、不動の第1搬出線41と第2搬出線42と一致ことになるのである。
【0015】
図5において補足すると、供給コンベヤ10によって搬送されストッパー23の阻止で停止する先頭の容器30Aと、第1支持ベース20の壁面による阻止でもって停止する後続の容器30Bとは、不動間隔47の第1搬出線41及び第2搬出線42に沿って送り出されるが、仮想線49で示すように容器が小型化した場合は、台車と一体にストッパー23を値X量だけ変位させることで、第1支持ベース20も値X量相当だけ変位し、小型化した容器の中心は不動間隔47の第1搬出線41及び第2搬出線42に一致させることができるのである。
【0016】
図6は、出に説明した不動の第1搬出線41及び第2搬出線42それぞれの両側に配置したガイドバーの説明図であり、定盤50の上面に沿うように配置した2本の駆動側ガイドバー51、52と、2本の従動側ガイドバー53、54とを備える。前記定盤50の下側に沿って配置した操作ねじ棒55は、右ねじ56と、左ねじ57とを形成し、右ねじ56に、一側の駆動側ガイドバー51の雌ねじを係合する一方、左ネジ57に、他側の駆動側ガイドバー52の雌ねじを係合している。
【0017】
また定盤50に形成した2列の長孔60は、その部分に位置する一側の駆動側ガイドバー51の移動を可能にさせる要素であり、図7に示すごとく定盤50の厚みよりもさらに大きい厚みのワッシャ61を長孔60内に配置すると共に、前記ワッシャ61を介しガイドバー51にビス64でもって固定したブラケット62は雌ねじ63を備え、前記雌ねじ63は操作ねじ軸55を係合するものである。したがって操作ねじ棒55の回転により、両駆動側ガイドバー51、52は長孔60の長さの範囲で移動が可能である。
【0018】
またブラケット62の一部から延長する一対のの帯状の繋ぎ材65の先端は、別箇の長孔63の部分で従動側ガイドバー53、54を連結する。ねじ棒55の回転で、両駆動側ガイドバー51、52とが相対接近するとき、一側の駆動側ガイドバー51と従動側ガイドバー54と、他側の駆動側ガイドバー52と従動側ガイドバー53とは同調移動する。このため一側の駆動側ガイドバー51と従動側ガイドバー53とは第1搬出線41の両側で相対接近し、他側の駆動側ガイドバー52と従動側ガイドバー54とは第2搬出線42両側で相対接近して、搬出コンベヤに搭載した横並び複数の容器の案内機能を果たすのである。
【0019】
図2においてハンドル45により手動回転させるねじ棒29を、ピッチングモータ70の回転動力によりコントロールすることもできる。例えば図5に示すように定形品の大きさを入力機器68から、コントローラ69にインプットすると、コントローラにおける演算部は、使用する容器30Aの大きさに対応する指令信号をピッチングモータ70の送り、ねじ軸29を前記ピッチングモータ70の運動量だけ回転させて、ストッパー23及び第1支持ベース20の運動量をコントロールすることができるのである。また他の例として、コントローラ69によりサーボ制御した流体シリンダー75によりストッパー23等の動きをコントロールすることもできる。
【実施例2】
【0020】
図3においては、2個のリフト25、26を流体シリンダーにより形成し、これら両リフトの時間差運動により、第1支持ベース20と第2支持ベーズ21との運動に時間差を設けているが、図1では、軸76に固定した2個の前周カム77、78により、2本の昇降ロッド78、79を介した2個のリフト25、26への作用遅れを形成して、第1支持ベース20と第2支持ベーズ21との運動に時間差を設けている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】装置を簡略化した正面図
【図2】装置の平面図
【図3】前図の側面図
【図4】前図において定形品の大きさを変更した場合の説明図
【図5】簡略平面図
【図6】ガイドバーの平面図
【図7】前図の断面拡大図
【符号の説明】
【0022】
10‥‥供給コンベヤ
15‥‥ガイドレール
16‥‥台車
25‥‥第1リフト
26‥‥第2リフト
29‥‥操作軸
30‥‥定形品
31‥‥コントロール手段
40‥‥搬出コンベヤ
41‥‥第1搬出手段
42‥‥第2搬出手段
44‥‥送り出し手段
47‥‥不動間隙
51‥‥一側の駆動側ガイドバー
52‥‥他側の駆動側ガイドバー
53、54‥‥従動側ガイドバー
55‥‥操作ねじ棒
56‥‥右ねじ
57‥‥左ねじ
65‥‥繋ぎ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数列の平行な紐ベルトからなる供給コンベヤと、前記供給コンベヤの搬送方向と平行なガイドレールに支持した台車と、前記台車に固定しかつ前記供給コンベヤの上域に配置したストツパーと、前記の各紐ベルト間に2組の板材を配置して形成した第1、第2の両支持ベースと、前記第1、第2の両支持ベースをそれぞれ前記ストッパーの手前側において第1、第2のリフトを介して前記台車に支持した手段と、前記の両支持ベースの配置領域において前記供給コンベヤの側面から直角方向に設置した搬出コンベヤとからなり、
前記ストッパーに当接して停止する供給コンベヤ上の最先端の定形品を、第1リフトの動力を受ける第1支持ベースで支持して押し上げ、また押し上げた前記第1支持ベースの面をストッパーとして後続の定形品の移送を阻止すると共に、後続の定形品を第2リフトの動力を受ける第2支持ベースで支持して押し上げて各定形品を供給コンベヤから浮上させたあと、前後の定形品を送り出し機構により前記搬出コンベヤにおける不動間隔の複数の搬出線に沿って横並びの状態で送り出す手段を備え、
定形品の大きさを変更した場合は、変更した定形品の大きさに応じて前記ガイドレールに沿って前記台車を移動させ、前記ストッパーの停止位置を、定形品の変更値に合わせてコントロールする手段を備える装置。
【請求項2】
搬出コンベヤにおける不動間隔の複数の搬出線は、これら複数の搬出線における第1搬出線及び第2搬出線それぞれの両側に、駆動側ガイトバーと、従動軸側ガイドバーとを平行に配置する一方、前記の駆動、従動両側ガイトバーと交差するように配置した操作ねじ棒における右ねじに一側の駆動側ガイドバーの雌ねじ部を、また前記操作ねじ棒における左ねじに他側の駆動側ガイドバーの雌ねじ部をそれぞれ係合すると共に、前記一側の駆動側ガイドバーに固定した繋ぎ材を介して他側の駆動側ガイドバーと対向する従動軸側ガイドバーを、また前記他側の駆動側ガイドバーに固定した繋ぎ材を介して一側の駆動側ガイドバーと対向する従動軸側ガイドバーをそれぞれ連結し、
定形品の大きさの変更に対応し、前記ガイドレールに沿って前記台車を移動させる動力により、前記操作ねじ棒を同期回転させるようにした請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−190852(P2009−190852A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34272(P2008−34272)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000142850)株式会社古川製作所 (76)
【Fターム(参考)】