説明

定着用途のためのVITONコーティングに添加されたエアロゲルセラミック充填材を使用する調整可能な光沢

【課題】電子写真装置および工程で使用される光沢制御トップコート層とする定着部材用の材料、方法、およびシステムを提供する。
【解決手段】定着部材は、定着されたトナー画像の所望の光沢レベルをもたらすためのポリマーマトリクス内に分散されたおよび/または結合された複数のエアロゲル充填体を含むコーティング材料を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般的に電子写真装置および工程用のコーティング材料に関し、より詳細には、制御可能な画像光沢レベルをもたらすためのエアロゲル充填体を含むコーティング材料に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真マーキングは、実質的に均一に帯電した感光体上に所望のドキュメントの光画像表現を露出することによって行われる。その光画像に応じて、感光体は帯電して、感光体の表面上に所望のドキュメントの静電潜像を生成する。トナー粒子は、次いで、その潜像上に堆積されてトナー画像を形成する。そのトナー画像は、次いで、一枚の紙などの印刷媒体上に感光体から移動される。移動されたトナー画像は、次いで、通常、熱および/または圧力を使用して印刷媒体に定着される。
【0003】
光沢は、正反射に関係する表面の特性である。正反射は、滑らかで均一の表面からの反射に起因する輪郭のはっきりした光線である。光沢は、光線が表面から反射する場合に入射角が反射角と等しいことを述べる反射の法則に従う。光沢特性は、一般的に光沢メーターによってガードナー光沢単位(ggu)で測定される。
【0004】
コピーおよび印刷のための光沢許容レベルは、関連する市場区分に依存する。特定レベルの画像光沢は、用途、例えば、テキストまたは写真集に応じて、および例えば、一般的な事務印刷またはグラフィックアート印刷用の使用環境に応じて、典型的に望まれる。画像光沢のレベルも、地形、例えば、欧州対北米、および/または基材、例えば、異なる基材間の一致に基づいて望まれる。画像光沢のレベルは、トナー配合物または定着工程によって著しく影響を受ける。
【0005】
印字された画像光沢を調節する従来のアプローチとしては、トナー設計で使用される樹脂の分子量を変えることによってトナー材料を変更することが挙げられる。例えば、4つのトナー配合物が開発されて、印刷光沢を元の光沢のDC8000トナーからより少ない光沢のMurano/DC8002トナーに低減している。しかし、トナー配合物の開発は高価である。
【0006】
印刷された画像光沢を調節する従来のアプローチとしては、二重定着設計またはベルトなどのさらなる装置を使用して、印刷物につや/オーバーコートを適用することによって画像光沢を調節することがさらに挙げられる。つやのための異なる光沢レベルは、印刷部数に対して変化する光沢をもたらす可能性がある。しかし、従来のアプローチ用のさらなる装置は、製造コストを増大させる。
【発明の概要】
【0007】
様々な実施形態によれば、本教示は、基材と、基材上に配置されたトップコート層と、を含む定着部材を含む。トップコート層は、ポリマーマトリクスと、複数のエアロゲル充填体と、を含むことができる。複数のエアロゲル充填体は、全トップコート層の約0.1重量%〜約30重量%に及ぶ量でポリマーマトリクス内に配置されて、トップコート層に約0.1μm〜約15μmに及ぶ平均表面粗さSq値をもたらすことができる。
【0008】
様々な実施形態によれば、本教示は、最終印刷物において光沢レベルを低下する定着方法も含む。この方法では、定着ロールのコーティング材料と加圧部材との間にコンタクトアークを形成することができる。コーティング材料は、フルオロエラストマー内に配置された複数のエアロゲル充填体を含むことができる。複数のエアロゲル充填体は、全コーティング材料の約0.5重量%〜約20重量%に及ぶ量で存在して、コーティング材料に約0.5μm〜約10μmに及ぶ平均表面粗さSq値をもたらすことができる。印刷媒体は、印刷媒体上のトナー画像がコーティング材料と接触し、印刷媒体上に定着されるように、コンタクトアークを通ることができ、ここで、印刷媒体上の定着されたトナー画像は、約70ggu〜約10gguの間の範囲で制御可能な光沢レベルを有することができる。
【0009】
様々な実施形態によれば、本教示は、さらに定着部材を含む。定着部材は、基材と、基材上に配置されたトップコート層と、を含む。トップコート層は、トップコート層に約1μm〜約5μmに及ぶ平均表面粗さSq値をもたらす量でフルオロエラストマー・マトリックス内に配置された複数のエアロゲル充填体を含むことができる。トップコート層は、約70ggu〜約10gguに及ぶ光沢レベルで印刷媒体上にトナー画像を定着するように構成された光沢制御トップコート層とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、本教示の様々な実施形態による例示的なコーティング材料を表す図である。
【図1B】図1Bは、本教示の様々な実施形態による例示的なコーティング材料を表す図である。
【図2A】図2Aは、本教示の様々な実施形態による図1A〜1Bのコーティング材料を使用する例示的な定着部材を表す図である。
【図2B】図2Bは、本教示の様々な実施形態による図1A〜1Bのコーティング材料を使用する例示的な定着部材を表す図である。
【図3】本教示の様々な実施形態による図2A〜2Bの定着部材を有する例示的な定着システムを表す図である。
【図4】図2A〜2Bにおける定着部材の表面粗さと、本教示の様々な実施形態による結果として生じる印刷物の光沢レベルとの関係を表す図である。
【図5】本教示の様々な実施形態による例示的な印刷光沢の結果を表す図である。
【図6】本教示の様々な実施形態によるエアロゲルシリカを含む定着ロールおよび他の添加成分を含む定着ロール用の印刷総数の関数としての光沢レベルを比較する図である。
【0011】
図面の詳細の一部は、単純化されており、厳密な構造の精度、詳細、および縮尺を保つよりも、実施形態の理解を促すために描かれていることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1A〜1Bは、電子写真装置および工程に有用な例示的なコーティング材料100A、100Bを表す。コーティング材料100A、100Bは、ポリマーマトリクスまたは材料140内に分散された複数のエアロゲル充填体120を含むことができる。
【0013】
本明細書で使用するように、用語「エアロゲル充填体」は、低い密度を備えた高多孔性材料を称する。エアロゲル充填体は、高表面積および高気孔率を有することができる。一例において、エアロゲル充填体は、細孔液体を備えたゲルを形成し、次いで固相、つまりゲル構造を実質的に保持しながらゲルから細孔液体を除去することによって調製することができる。ある場合には、用語エアロゲルは、乾燥の間にその気孔率および関連する特性を保ちながらほとんど縮まないように乾燥されるゲルを示すために使用される。特に、エアロゲルは、多数の小さな相互接続している細孔を含むそれらの固有の構造を特徴とする。細孔液体が除去された後、重合された材料は、不活性雰囲気中で熱分解されて、エアロゲルを形成する。
【0014】
エアロゲル充填体は、サブミクロン〜約50μm以上の平均体積粒子サイズに及ぶ粒子、粉末、または分散物の形態とすることができる。エアロゲル充填体120は、所望の大きさの粒子として最初に形成することができる、またはより大きな粒子として形成し、次いで、所望の大きさに小さくすることができる。例えば、形成されたエアロゲル材料を砕くことができ、またはそれらは、ミクロンサイズのエアロゲル粒子に直接ナノ形成されることができる。実施形態では、エアロゲル充填体は、約5nm〜約50μm、または約1μmまたは約30μm、または約5μmまたは約20μmの平均粒子サイズを有することができる。実施形態では、エアロゲル充填体は、例えば、約5nmまた約20nmに及ぶ平均粒子サイズを有する1つまたは複数のナノサイズの一次粒子を含むことができる。エアロゲル充填体120は、十分に分散された単一粒子として、または1つを超える粒子の凝集またはポリマー材料140内の粒子群として現れることができる。実施形態では、エアロゲル充填体120は、球状またはほぼ球状、円筒状、棒状、玉状、立方体、血小板状などの形状を有することができる。
【0015】
エアロゲル充填体120は、連続気泡微小孔性構造またはメソ細孔構造を有することができる。エアロゲル充填体120は、ミクロンサイズの細孔、微小孔(<2nm)、メソ細孔(約2nm〜約50nm)および/またはマクロ孔(>50nm)を含むマルチスケールの細孔の組み合わせを含むことができる。実施形態では、エアロゲル充填体の細孔は、約500nm以下未満、または約200nm未満、または約1nm〜約100nm、または約10nm〜約20nmの平均直径を有することができる。
【0016】
エアロゲル充填体120は、少なくとも約50%、または約90%より大きく約99.9%までの気孔率を有することができ、エアロゲルは、99.9%の隙間を含むことができる。例えば、エアロゲル充填体120は、約50%〜約99%の、または約55%〜約99%、または約55%〜約90%の平均気孔率を適切に有することができる。エアロゲル充填体120は、約100m2/g以上、または約400m2/g〜約1200m2/gに及ぶ、または約600m2/g〜約800m2/gに及ぶ平均表面積を有することができる。エアロゲル充填体120は、例えば、約1mg/cc〜約400mg/ccに及ぶ、または約20mg/cc〜約200mg/cc、または約40mg/cc〜約100mg/ccに及ぶ低い密度を有することができる。
【0017】
任意の適切なエアロゲル充填体を使用することができる。実施形態では、エアロゲル充填体は、例えば、無機エアロゲル、有機エアロゲル、炭素エアロゲル、およびそれらの混合物から選択することができる。特有の実施形態では、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、および/または炭化タングステンを含むセラミックエアロゲル充填体を適切に使用することができるが、それらに限定されない。エアロゲル充填体は、金属などの他の元素で任意にドープすることができる。いくつかの実施形態では、エアロゲル充填体は、ポリマー・エアロゲル、コロイド・エアロゲル、およびそれらの混合物から選択されたエアロゲルを含むことができる。
【0018】
例において、エアロゲルは、いくつかの供給源から市販されることができる。超臨界流体抽出または亜臨界乾燥によって調製されたエアロゲルは、キャボット社(Billerica,Mass)、アスペン・エアロゲル社(Northborough,Mass)、ヘキストA.G(Germany)、アメリカン・エアロゲル社(Rochester,N.Y.)、および/またはダウコーニング(Midland,MI)から入手できる。
【0019】
図1A〜1Bに戻ると、エアロゲル充填体120は、ポリマー材料140内に物理的に分散され、および/または化学的に結合されることができる。例えば、エアロゲル充填体120は、ポリマー材料内で単に混合または分散されることができるが、ポリマー材料に(架橋されるなどのように)化学的に結合されていない。他の実施形態では、エアロゲル充填体は、ポリマー材料と架橋されるなどのように、ポリマー材料に化学的に結合されることができる。さらに他の実施形態では、エアロゲル充填体は、ポリマー材料内で単に混合または分散されるいくつかの粒子を有することができ、一方、他の粒子は、ポリマー材料に化学的に結合されている。本明細書で使用するように、ポリマーマトリクスに「結合された」エアロゲル粒子は、イオン結合または共有結合などの化学結合を称し、2つの化学種が互いに隣接している場合に生じる可能性がある分子の水素結合または物理的封入などのより弱い結合機構を称するものではない。
【0020】
実施形態では、ポリマーマトリクス/材料140は、フルオロエラストマー、シリコーン・エラストマー、熱可塑性エラストマー、樹脂、フッ素プラスチック、フッ素樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された1つまたは複数のポリマーを含むことができる。
【0021】
実施形態では、コーティング材料100A、100Bのポリマーマトリクス/材料140は、フルオロエラストマーを含むことができる。特有の実施形態では、フルオロエラストマーは、1)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフロオルエチレンのうちの2つの共重合体、2)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフロオルエチレンのターポリマー、3)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフロオルエチレン、および硬化部位モノマーのテトラポリマーの種類からとすることができる。これらのフルオロエラストマーは、VITON A(登録商標)、VITON B(登録商標)、VITON E(登録商標)、VITON E 60C(登録商標)、VITON E430(登録商標)、VITON 910(登録商標)、VITON GH(登録商標)、VITON GF(登録商標)、およびVITON ETP(登録商標)などの様々な表記で商業的に知られている。VITON(登録商標)表記はDuPont社の商標である。硬化部位モノマーは、4−ブロモペルフルオロブテン−1、1,1−ジヒドロ−4−ブロモペルフルオロブテン−1、3−ブロモペルフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロ−3−ブロモペルフルオロプロペン−1、またはDuPontから市販されるものなどの任意の他の適切で公知な硬化部位モノマーとすることができる。他の市販のフルオロポリマーとしては、3M社の登録商標であるFLUOREL 2170(登録商標)、FLUOREL 2174(登録商標)、FLUOREL 2176(登録商標)、FLUOREL 2177(登録商標)、FLUOREL LVS 76(登録商標)、FLUOREL(登録商標)が挙げられる。さらなる市販の材料としては、AFLAS(商標)ポリ(プロピレン−テトラフロオルエチレン)、FLUOREL II(登録商標)(LII900)ポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレンビニリデンフルオリド)(両者も3M社から入手できる)、さらに、Ausimontから入手できるFOR−60KIR(登録商標)、FOR−LHF(登録商標)、NM(登録商標)FOR−THF(登録商標)、FOR−TFS(登録商標)、TH(登録商標)、NH(登録商標)、P757(登録商標)、TNS(登録商標)、T439(登録商標)、PL958(登録商標)、BR9151(登録商標)、およびTN505(登録商標)として特定されたテクノフロンが挙げられる。
【0022】
3つの公知のフルオロエラストマーの例は、(1)VITON A(登録商標)として商業的に知られているものなどのフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフロオルエチレンのうちの2の共重合体の種類、(2)VITON B(登録商標)として商業的に知られているフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフロオルエチレンのターポリマーの種類、(3)VITON GH(登録商標)またはVITON GF(登録商標)として商業的に知られているフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフロオルエチレン、および硬化部位モノマーのテトラポリマーの種類とすることができる。フルオロエラストマーVITON GH(登録商標)およびVITON GF(登録商標)は、比較的低い量のフッ化ビニリデンを有することができる。VITON GF(登録商標)およびVITON GH(登録商標)は、フッ化ビニリデン約35重量%、ヘキサフルオロプロピレン約34重量%、および硬化部位モノマー約2重量%を備えたテトラフロオルエチレン約29重量%を有することができる。
【0023】
実施形態では、ポリマーマトリクス/材料140は、効果的な硬化剤(本明細書では架橋剤と称する)と架橋されて比較的柔らかく、弾性特性を示すエラストマーを形成するポリマーを含むことができる。例えば、ポリマーマトリクスが、フッ化ビニリデン含有フルオロエラストマーを使用する場合には、硬化剤としては、ビスフェノール化合物、ジアミノ化合物、アミノフェノール化合物、アミノ−シロキサン化合物、アミノ−シラン、および/またはフェノール−シラン化合物を挙げることができる。例示的なビスフェノール架橋剤は、DuPont社から入手できるVITON(登録商標)CURATIVE No.50(VC−50)とすることができる。VC−50は、溶媒懸濁液に可溶とすることができ、例えば、VITON(登録商標)−GF(DuPont社)との架橋のための反応点で容易に利用できる。
【0024】
実施形態では、コーティング材料100A、100Bは、ポリマー材料140内に分散または結合された上記エアロゲル充填体120の少なくとも1つを含むことができる。特有の実施形態では、エアロゲル充填体120は、実施形態において不均一分散または結合を使用して特有の目標を達成するが、ポリマー材料140内で均一に分散され、および/または結合されることができる。例えば、実施形態では、エアロゲル充填体は、ポリマー成分内で不均一に分散され、または結合されて、表層、基材層、単独層の異なる部分など内のエアロゲル充填体の高濃度をもたらすことができる。
【0025】
実施形態では、従来の粒子充填材、界面活性剤、消泡剤などを含む様々な他の添加成分は、開示されたコーティング材料100A、100Bに任意に含まれることができる。図1Bに例示的に示すように、複数の粒子充填材130は、エアロゲル充填体120を既に含むポリマーマトリクス140内に分散することができる。
【0026】
粒子充填材130は、ミクロンおよび/またはナノ縮尺で寸法を有することができる。粒子充填材130は、有機、無機、または金属とすることができ、例えば、銅粒子、銅フレーク、銅針、酸化アルミニウム、ナノアルミナ、酸化チタン、銀フレーク、窒化アルミニウム、ニッケル粒子、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを含む金属または金属酸化物の従来の複合充填材材料を含むことができる。
【0027】
実施形態では、エアロゲル充填体120の種類、気孔率、細孔サイズ、および/または量は、得られたコーティング材料100A、100Bの所望の特性、およびエアロゲル充填体が組み合わせられたポリマーおよびその溶液の特性に基づいて選択することができる。例えば、炭素エアロゲル充填体などの導電性エアロゲル充填体を用いて、そうでなければ得るのが困難な所望の物理的特性、機械的特性、および電気的特性をもたらすことができる。実施形態では、エアロゲル充填体120は、ナノメーター縮尺の粒子を含むことができ、それは、ポリマー材料140の分子格子構造内の分子間および分子内空間を占めることができ、このようにして、水分子がそれらの分子縮尺空間に組み入れられるようになることを防止することができる。加えて、エアロゲル充填体120は、ポリマー材料に浸透する、または絡み合い、それによって、ポリマー格子を強化することができる。さらに、エアロゲル充填体の特性に応じて、エアロゲル充填体をそのまま使用する、または化学修飾することができる。
【0028】
任意の適切な量のエアロゲル充填体120は、ポリマー材料140に組み入れることができる。例えば、エアロゲル充填体120は、全コーティング材料100A、100Bの約0.1重量%〜約30重量%、または約0.5重量%〜約20重量%、または約1重量%〜約10重量%に及ぶ量で存在して、約0.1μm〜約15μm、または約0.5μm〜約10μm、または約1μm〜約5μmに及ぶ平均表面粗さSq値などの所望の表面特性、機械的特性、および/または熱的特性を備えたコーティング材料を提供することができる。低密度エアロゲル充填体は、ポリマー表面の大部分を被覆することができるが、望ましい表面粗さをもたらすための例示的なエラストマー材料に一致しない。この表面粗さは、コーティング材料が電子写真印刷の間に定着部材材料として使用される場合に、画像光沢レベルの制御を容易にすることができる。例えば、変動量のエアロゲル充填体を備えた一連の定着ロールは、このようにして作製されて、適切な定着ロールを選択することによってユーザが印刷物の光沢を選択することを可能にする。
【0029】
コーティング材料100A、100Bは、望ましい機械的性質をもたらすことができる。例えば、コーティング材料100A、100Bは、約100psi〜約350psi、または約150psi〜約300psi、または約200psi〜約250psiに及ぶ引張強度、約30%〜約200%、または約50%〜約100%、または約70%〜約85%に及ぶ極限伸び率%、約50in−lbs/in3〜約300in−lbs/in3、または約60in−lbs/in3〜約150in−lbs/in3、または約75in−lbs/in3〜約125in−lbs/in3に及ぶ靱性、約150psi〜約1000psi、または約200psi〜約600psi、または約300psi〜約500psiに及ぶ初期係数を有することができる。1つの実施形態では、上記機械的性質は、約180℃の温度で従来から知られているASTM D412法を使用して測定することができる。
【0030】
コーティング材料100A、100Bは、約0.01mm2/s〜約0.2mm2/s、または約0.02mm2/s〜約0.1mm2/s、または約0.03mm2/s〜約0.08mm2/sに及ぶ望ましい平均熱拡散係数、および約0.05W/mK〜約0.2W/mK、または約0.07W/mK〜約0.17W/mK、または約0.09W/mK〜約0.15W/mKに及ぶ望ましい平均熱伝導率をもたらすことができる。コーティング材料100A、100Bは、約15mN/m2〜約30mN/m2、または約18mN/m2〜約25mN/m2、または約20mN/m2〜約23mN/m2に及ぶ望ましい界面エネルギーをもたらすことができる。
【0031】
様々な実施形態では、開示されたコーティング材料100A、100Bは、例えば、定着部材を含む任意の適切な電子写真部材および装置で使用することができる。本明細書で使用する用語「定着部材」は、定着ロール、ベルト、フィルム、シート等を含む定着部材、ドナーロール、ベルト、フィルム、シート等を含むドナー部材、プレス・ロール、ベルト、フィルム、シート等を含む加圧部材、およびデジタルコンピュータを含む静電写真または乾燥印刷の定着システムに有用な他の部材を称する。本開示の定着部材は、種々の機械で使用することができ、その用途について本明細書で表された特定の実施形態に特に限定されない。
【0032】
例示的な実施形態では、コーティング材料100A、100Bは、定着システムにおいて、定着部材および/または加圧部材用のトップコート層として使用することができる。このようにして、そのような定着システムから得られた印刷物は、例えば、従来の材料および装置によって提供された印刷物と比較して、低減した光沢レベルを有する望ましい光沢レベルをもたらすことができる。図1A、〜1Bに示すような開示されたコーティング材料を使用するトップコート層は、そのとき、光沢制御トップコート層と称することができる。
【0033】
本明細書で使用するように、用語「光沢制御トップコート層」は、定着システムで使用される定着部材および/または加圧部材用のトップコート層として構成されたコーティング層を称し、ここで、未定着トナー画像を有する印刷媒体が定着部材とバックアップ部材との間に形成されたコンタクトアークを通った後に、印刷媒体(つまり、印刷物)上の定着されたトナー画像は、制御可能な光沢レベルを有することができる。
【0034】
光沢レベルは、75°の入射角で、デジタル高精度光沢計(村上色彩技術研究所製)で測定することができる。したがって、測定された光沢レベルは、当業者に知られているようにG75光沢レベルと称する。実施形態では、印刷物の制御可能な光沢レベルは、約90ggu以下、または約90ggu〜約1gguに及ぶ、または約70ggu〜約10gguに及ぶ、または約60ggu〜約40gguに及ぶことができる。
【0035】
このように、例えば、例示的なポリマー材料に組み入れられたエアロゲル充填体の量、特性、および/または種類を調整することによって、結果として生じるコーティング材料は、調整可能な表面/バルク特性を有することができ、望ましい光沢レベルの印刷物を提供することができる。
【0036】
図2Aは、本教示の様々な実施形態による例示的な定着部材200Aを表す。部材200Aは、例えば、電子写真装置で、およびロール、ドラムまたはdreltの例示的な形態で使用される定着部材、加圧部材、および/またはドナー部材とすることができる。
【0037】
図2Aで示すように、部材200Aは、基材205と、基材205上に形成された光沢制御トップコート層255と、を含むことができる。
【0038】
基材205は、金属、プラスチック、および/またはセラミックを含む材料からなることができるが、それらに限定されるものではない。例えば、金属は、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、鋼、ニッケル、および/または銅を含むことができる。プラスチックは、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(アリーレンエーテル)、および/またはポリアミドを含むことができる。
【0039】
説明するように、部材200Aは、例えば、例示的なコア基材205上に形成された光沢制御トップコート層255を含む定着ロールとすることができる。コア基材は、例えば、円筒状チューブまたは中実円筒状軸の形態をとることができるが、当業者には、他の基材形態、例えば、ベルト基材を、部材200Aの剛性および構造の健全性を保つために使用することができることを理解されたい。
【0040】
光沢制御トップコート層255は、例えば、図1A、〜1Bに示すようなコーティング材料100A、100Bを含むことができる。トップコート層255は、このようにして、ポリマーマトリクス内に分散された、複数のエアロゲル充填体、および任意に金属または金属酸化物などの粒子充填材を含むことができる。図2Aに示すように、光沢制御トップコート層255は、基材205上に直接形成することができる。様々な他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる機能層は、部材用途に応じて光沢制御トップコート層255と基材205との間に形成することができる。
【0041】
例えば、部材200Bは、光沢制御トップコート層255とコア基材205との間に配置された、シリコーンゴム層などの柔軟/弾力層235を有する2層構造を有することができる。他の例において、例示的な定着部材は、例えば、弾力層235と基材205との間、または弾力層235と光沢制御トップコート層255との間に形成された粘着層(図示せず)を含むことができる。
【0042】
1つの実施形態では、例示的な定着部材200A、200Bを、従来の定着システムで使用して、本明細書に開示するように定着性能を改善することができる。図3は、図2A、〜2Bの開示された部材200Aまたは200Bを使用する例示的な定着システム300を表す。
【0043】
例示的なシステム300は、適切な基材205上に光沢制御トップコート層255を有する例示的な定着ロール200Aまたは200Bを含むことができる。基材205は、例えば、任意の適切な金属から加工された中空シリンダとすることができる。定着ロール200は、さらに、シリンダと同延の基材205の中空部に配置された適切な発熱体306を有することができる。バックアップまたはプレス・ロール308は、当業者に知られているように、定着ロール200と協動して、印刷媒体312上のトナー画像314が定着工程の間に光沢制御トップコート層255と接触するように、コピー用紙または他の印刷基材などの印刷媒体312が通るニップまたはコンタクトアーク310を形成することができる。定着工程は、約60℃(140°F)〜約300℃(572°F)、または約93℃(200°F)〜約232℃(450°F)、または約160℃(320°F)〜約232℃(450°F)に及ぶ温度で行うことができる。任意に、圧力は、バックアップまたはプレス・ロール308によって定着工程の間に適用することができる。定着工程後に、印刷媒体312がコンタクトアーク310を通った後に、定着されたトナー画像316は、印刷媒体312上に形成することができる。
【0044】
本明細書に示すように、印刷媒体310上の定着されたトナー画像316の光沢出力は、定着部材のトップコート層としてエアロゲル充填体含有コーティング材料を使用することによって制御することができる。選択されたエアロゲル充填体、またはエアロゲル充填体および/またはポリマーマトリクスのために選択されたポリマーの選択された組み合わせに応じて、トップコート層の適切な特性および画像光沢の適切なレベルが、要望どおり得られることができる。例えば、従来の定着材料は、iGen構造において60〜90gguに限定された光沢レベルを備えた画像を生成し、一方、エアロゲル充填体を含む例示的な定着材料は、制御可能な、例えば、約90未満gguの定着された、または印刷された画像の低減された光沢レベルで、本明細書に示すように、約90ggu〜約1gguの制御可能な範囲にわたって、画像を生成することができる。
【0045】
様々な実施形態は、また、開示されたコーティング材料(図1A〜1B参照)を形成し、例示的な定着部材(図2A〜2Bおよび図3参照)を形成する方法を含むことができる。
【0046】
例えば、開示された定着部材を形成するために、選択されたポリマーおよび/またはエアロゲル充填体に応じて適切な溶媒内に、例えば、所望のポリマー(例えば、VITON(登録商標)GF)、エアロゲル充填体、および他の任意の添加成分を含む液体コーティング分散物を調製できる。
【0047】
水、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチル−t−ブチルエーテル(MTBB)、メチルn−アミルケトン(MAK)、テトラヒドロフラン(THF)、アルカリ、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、または他の低分子量カルボニル化合物、極性溶媒、不燃性作動液を、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびN−メチル2ピロリドン(NMP)などのウィッティヒ反応溶媒とともに含む様々な溶媒を、液体コーティング分散物を調製するために使用することができるが、それらに限定されない。
【0048】
液体コーティング分散物は、最初にポリマー、例えば、フルオロエラストマーを適切な溶媒に溶解し、その後に複数のエアロゲル充填体および/または他の任意の成分を所望の定着特性、熱伝導率、または機械的堅牢性などの所望の特性をもたらす量で溶媒に添加することによって形成することができる。他の例において、液体コーティング分散物は、ポリマーおよび複数のエアロゲル充填体をまず混合し、その後に混合物を上記のように適切な溶媒中に溶解または分散することによって形成することができる。
【0049】
様々な実施形態において、液体コーティング分散物を調製する場合には、攪拌、音波処理、および/または磨砕機ボールミル粉砕/研削などの機械的補助を使用して、分散物の混合を容易にすることができる。例えば、撹拌棒およびテフロンブレードが取り付けられた攪拌設備を使用して、エアロゲル充填体を溶媒中でポリマーと十分に混合することができ、その後、硬化剤などのさらなる化学的硬化剤、および任意に、金属酸化物などの他の粒子充填材を混合分散物に添加することができる。
【0050】
定着部材は、次いで、図2A〜2Bで基材205などの基材に液体コーティング分散物のある量を適用することによって形成することができる。基材に対する液体コーティング分散物の適用としては、堆積、コーティング、印刷、成形、および/または押出し成形の工程が挙げられる。例示的な実施形態では、液体コーティング分散物、つまり、反応混合物は、基材上にスプレーコート、フローコート、および/または射出成形することができる。
【0051】
適用された液体コーティング分散物は、次いで、例えば、硬化工程によって凝固して、コーティング層、例えば、基材、例えば、図2の基材205上に層255を形成することができる。硬化工程は、例えば、乾燥工程および/または温度ランプを含む階段状工程を含むことができる。分散組成物に応じて、様々な硬化スケジュールを使用することができる。様々な実施形態では、硬化工程後に、例えば、水槽中でおよび/または室温で、硬化された部材を冷却することができる。
【0052】
実施形態では、凝固されたコーティング層、つまり、定着部材のトップコート層は、5μm〜約100μm、または約10μm〜約50μm、または約20μm〜約40μmに及ぶ厚さを有することができる。実施形態では、さらなる機能層(図2Bの235参照)を、基材上のコーティング材料の形成前または後に形成することができる。
【実施例】
【0053】
実施例1:VITON内のエアロゲル充填体の液体配合物
シリカ珪酸塩VM2270エアロゲル粉末を、ダウコーニング(ミシガン州、ミッドランド)から得た。粉末は、>90%の気孔率、約40〜100kg/m3のバルク密度、および約600〜800m2/gの表面積を有する約5〜15μmの粒子を含んでいた。メチルイソブチルケトン(MIBK)の溶媒内に、VITON−GFフルオロポリマー、約5pphのAO700架橋剤、およびそれぞれ約0、3、5pphのVM2270エアロゲル粉末を含むトップコート配合物を調製した。
【0054】
実施例2:フローコーティングによるトップコート層形成
定着ロールトップコート層を、ブレードと回転定着ロール表面との間に分注された、あらかじめ測定されたコーティングフローで、全固形物の重量ベースのおよそ10〜30%を含むポリマー溶液を適用することによって形成した(40〜200のrpm範囲)。ブレードは、定着基材のロール全周のまわりにフローレベリングをもたらした。分注ヘッドおよび測定ブレードは、全ロール表面が螺旋状パターンで被覆されるように、約2〜20mm/sの速度を有するロールの長さに沿って旋回した。このように行われた達成したフローコーティングは、コーティングレオロジー、ブレード角、先端圧力、移動速度、分注割合、および/または液体フィルム・コーティングの分野における当業者に知られているような他の要因によって決まった。溶媒は、ポリマー、エアロゲルセラミック粒子、および/または他の添加物を含むドライフィルムを残して、被覆されたロールから蒸発した。乾燥後、処理されたロールは、グリーブ・オーブン内に設置されて、ロール基材上の形成されたトップコートを熱硬化する。標準VITON硬化条件を使用した。
【0055】
実施例3:表面粗さおよびロール光沢
表1は、様々なトップコート層を有する定着ロール間の印刷物の光沢レベルを比較する。示すように、トップコート層は、カーボンナノチューブ(CNT)、テフロン(FEP、PEVE、PFA)、および約3%および5%の濃度を有する開示された例示的なエアロゲルシリカ充填材を含む充填材材料を有することができる。
【表1】

【0056】
VITONのみ(サンプルNo.10参照)および非エアロゲル充填体を含有するVITON(サンプルNo.20、30、40参照)を含むトップコート層と比較して、エアロゲルシリカ充填材を含むトップコート層(サンプルNo.50、60参照)の使用は、結果生じる印刷物の光沢レベルを著しく低下することができる。
【0057】
図4は、本教示の様々な実施形態による開示されたエアロゲル充填体含有VITONトップコート層を使用する、光沢制御トップコート層の表面粗さと結果生じる印刷物の光沢レベルとの関係を表す。示すように、開示された定着ロールの増大した表面粗さは、結果生じる印刷物の低下した光沢レベルをもたらすことができる。
【0058】
実施例4:実験に基づく定着データ
CX+90gsm紙およびDCEG120gsm紙の例示的な印刷媒体上の0.50mg/cm2でiGenトナーの未定着画像を、工程速度を約468mm/sにセットした状態で、ある範囲の温度にわたってiGen3定着固定物で定着した。印刷光沢結果を、CX+90gsm紙の印刷媒体およびDCEG120gsm紙の印刷媒体上にそれぞれ定着されたサンプルについて図5に要約している。エアロゲルシリカ充填材を備えた2つはロール(560、570参照)は、iGen3制御ロール(510参照)および様々な充填材で作製された他のロール(520、530、540、および550参照)より著しく低い光沢を有していた。すなわち、定着トップコート層内のエアロゲルシリカ充填材の量を増大させることは、結果生じる印刷物の光沢レベルを低減することができる。
【0059】
図6は、5%エアロゲル充填体を備えた定着ロール(610参照)および従来のiGen3定着ロール(620、630参照)についての印刷カウントの関数として光沢レベルを示す。VITONトップコート内にエアロゲル充填体を備えた開示された定着ロールは、従来の定着ロールと比較して、より低い光沢レベルを有することができる。図6は、従来のiGen3ロールと開示された定着ロールとの間に約30gguの光沢差を表す。さらに、何千もの印刷物に関して、VITONトップコート内にエアロゲル充填体を備えた開示された定着ロールのマット効果を保つことができる。実験的には、図6で使用されるロールを、25kp用印刷媒体としてDCEG120gsm紙を使用して、iGen3プリンター#295で作動し、シアン縞の光沢を測定した。
【0060】
さらに、FTIR測定(データは示さない)は、従来の定着ロールと比較して、定着トップコート層でのエアロゲル充填体の使用が、表面汚染を低減することができることを表した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に配置されたトップコート層と、を含み、
前記トップコート層は、ポリマーマトリクス内に配置された複数のエアロゲル充填体を含み、前記複数のエアロゲル充填体は、全トップコート層の約0.1重量%〜約30重量%に及ぶ量で存在して、前記トップコート層に約0.1μm〜約15μmに及ぶ平均表面粗さSq値をもたらす、定着部材。
【請求項2】
前記表面粗さは、定着されたトナー画像に約90ggu〜約1gguの範囲で光沢レベルをもたらす、請求項1の部材。
【請求項3】
前記複数のエアロゲル充填体は、無機エアロゲル、有機エアロゲル、炭素エアロゲル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1の部材。
【請求項4】
前記複数のエアロゲル充填体は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料から形成されている、請求項1の部材。
【請求項5】
前記複数のエアロゲル充填体は、約50%以上の平均気孔率を有する、請求項1の部材。
【請求項6】
前記複数のエアロゲル充填体は、約400m/g〜約1200m/gに及ぶ平均表面積を有する、請求項1の部材。
【請求項7】
前記ポリマーマトリクスは、フルオロエラストマー、シリコーン・エラストマー、熱可塑性エラストマー、樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された1つまたは複数のポリマーを含み、
フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフロオルエチレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された硬化部位モノマーおよびモノマー繰り返し単位を含む、請求項1の部材。
【請求項8】
前記基材と前記トップコート層との間に位置する弾力層をさらに含み、前記弾力層はシリコーンゴムを含む、請求項1の部材。
【請求項9】
基材と、
前記基材上に配置されたトップコート層と、を含み、
前記トップコート層は、フルオロエラストマー・マトリックスと、複数のエアロゲル充填体と、を含み、前記複数のエアロゲル充填体は、前記トップコート層に約1μm〜約5μmに及ぶ平均表面粗さSq値をもたらす量でフルオロエラストマー・マトリックス内に配置されており、
前記トップコート層は、約70ggu〜約10gguに及ぶ光沢レベルで印刷媒体上にトナー画像を定着するように構成された光沢制御トップコート層である、定着部材。
【請求項10】
光沢制御トップコート層は、約100psi〜約350psiに及ぶ引張強度、約30%〜約200%に及ぶ極限伸び率%、約50in−lbs/in3〜約300in−lbs/in3に及ぶ靱性、約150psi〜約1000psiに及ぶ初期係数を有する、請求項9の部材。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【公開番号】特開2012−198517(P2012−198517A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−42526(P2012−42526)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】