説明

定着装置および画像形成装置

【課題】定着装置または画像形成装置において、加熱部材の表面における離型性の低下を抑制しつつ消費電力を抑える。
【解決手段】加熱ローラ22では、ハロゲンヒータ313を内包するように、中空円筒状の芯金223が設けられている。芯金223の外周上には、弾性層222、低放射層225、離型層221が順に設けられている。ハロゲンヒータ313から放射される熱は、芯金223から弾性層222、低放射層225へと順に伝送される。加熱ローラ22では、弾性層222の外側に、放射率の低い低放射層225が設けられていることから、低放射層225に到達した熱が効率良く離型層221に送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置に関し、特に、記録部材上に形成されたトナー像を定着させる定着装置および当該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等に設けられる定着装置では、トナー像を形成された記録部材が導入され、当該記録部材が定着部材と加熱部材により挟持される領域を通過することにより、当該トナー像が加熱されて記録部材へと定着する。
【0003】
従来より、定着装置において、定着部材や加熱部材から放射される熱損失を少なくするため、たとえば、定着部材周辺を放射反射板で覆うなどの手段が講じられてきた。しかしながら、放射反射板を設けることにより、定着装置が大型化するという不都合が生じていた。
【0004】
このような不都合を回避するべく、特許文献1では、加熱部材表面に離型層が設けられている。この離型層は、定着装置における定着温度に対応する赤外線の波長域の放射率が0.65以下となるように、良好な熱伝導率を示す金属であるニッケルにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を混合した複合材料で構成される。このような材料によって離型層を構成することにより、加熱部材表面から放射される熱量を抑えることが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−080952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたような技術によれば、離型層が複合材料によって構成されているため、通紙が繰り返されると、当該離型層の表面が磨耗することにより、当該離型層の表面において金属素地が現れ、加熱部材表面における離型性が低下する事態が想定される。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、定着装置または画像形成装置において、加熱部材の表面における離型性の低下を抑制しつつ消費電力を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った定着装置は、加熱源を内包する円筒形状を有し、記録部材を加熱することにより当該記録部材上のトナー像を定着させる加熱部材を備え、加熱部材は、円筒形状の最外層に形成された離型層と、加熱源と離型層の間に当該離型層に当接して設けられ、離型層を構成する材料よりも放射率の低い材料からなる低放射部材とを含み、離型層は、2〜10μmの波長において赤外線透過性を有する。
【0009】
また、本発明の定着装置では、加熱部材は、加熱源と低放射部材の間に設けられた弾性層をさらに備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明の定着装置では、低放射部材は、離型層の加熱源側の表面にメッキ、蒸着または溶射されることが好ましい。
【0011】
また、本発明の定着装置では、低放射部材は、離型層に対して、2〜10μmの波長において赤外線透過性を有する接着部材によって接着されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の定着装置では、低放射部材によって芯金を構成し、離型層は、2〜10μmの波長において赤外線透過性を有する接着部材によって接着されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明の定着装置では、芯金の表面粗さは、当該芯金の表面の最大高さが離型層の膜厚以下となるように構成されることが好ましい。
【0014】
本発明に従った画像形成装置は、記録部材上に画像を形成する画像形成装置であって、上記したいずれかの定着装置を備える。
【発明の効果】
【0015】
上記構成によれば、離型層よりもヒータ側にかつ当該離型層に当接するように低放射部材が設けられ、さらに離型層が2〜10μmの波長域で赤外線透過性を有することにより、離型層表面における、記録用紙を加熱することによるトナー定着以外での無駄な熱の損失を抑えることができる。これにより、離型層を構成する材料の選択に際して、放射率の低減を考慮する必要性を低減することができるため、離型性を考慮する余地が広がる。
【0016】
したがって、定着装置または画像形成装置において、加熱部材の表面における離型性の低下を抑制しつつ消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に従う定着装置を備えた画像形成装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の画像形成装置のブロック図である。
【図3】図1の定着装置の内部構成を説明する図である。
【図4】図1の定着装置の斜視図である。
【図5】図3の加熱ローラの部分破断斜視図である。
【図6】図5の加熱ローラの断面図である。
【図7】図5の加熱ローラの断面構造を模式的に示す図である。
【図8】図3の加熱ローラの第1の変形例の断面図である。
【図9】図8の加熱ローラの断面構造を模式的に示す図である。
【図10】図3の加熱ローラの第2の変形例の断面構造を模式的に示す図である。
【図11】黒体が放射する電磁波のスペクトルとPFAの透過率のスペクトルとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、同じ機能を奏する要素については、同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
【0019】
本実施の形態では、画像形成装置の一例として、カラー画像を形成するタンデム型のカラープリンタが示されている。なお、本発明に従った画像形成装置は、定着装置を備えていればよく、モノクロプリンタであっても良い。
【0020】
[1.画像形成装置の全体構成]
図1は、本実施の形態に従う定着装置を備えた画像形成装置の構成を説明する図である。図1を参照して、画像形成装置100は、装置本体部全体を覆うように外装カバー101を備え、装置本体部内でプリントされた記録部材が排出口108から搬出される。
【0021】
画像形成装置100では、画像形成のために例えばそれぞれが回転する4つの感光体104と、感光体104のそれぞれの転写位置にて形成されるトナー像を順次積層して転写する中間転写ベルト105と、中間転写ベルト105の移動面まわりに設定される転写位置に設けられた転写ローラ106とが示されている。
【0022】
そして、当該転写位置に、給紙ローラ103を用いて、給紙カセット102に格納されている記録部材を搬送する。なお、給紙カセット102には図示しないが記録部材の有無を検出するセンサが設けられており、給紙カセット102がセットされていない場合や、記録部材が無くなった場合には、図示しない表示パネル等でユーザに通知される。
【0023】
画像形成装置100では、記録部材に印字する画像データに基づいて、感光体104に静電潜像が形成される。そして、感光体104に形成された静電潜像が現像によりトナーで顕像化され、中間転写ベルト105に順次に積層される。中間転写ベルト105上に静電転写され合成し終わったトナー像は、転写位置にて転写ローラ106からの静電的な吸引によって記録部材の上に静電的に一括して転写される。そして、転写後の転写紙(記録部材)を定着装置110に通し、これにより、熱と圧力を加えて転写紙上の画像を定着させる。当該工程により画像形成が完了する。その後、記録部材は、排出口108から排出される。
【0024】
図2は、画像形成装置100のブロック図である。
図2を参照して、画像形成装置100は、当該画像形成装置100の動作を全体的に制御する中央制御部1を含む。中央制御部1は、CPU(Central Processing Unit)を含む。
【0025】
また、画像形成装置100は、中央制御部1が実行するプログラム等のデータを含むROM(Read Only Memory)3と、中央制御部1がプログラムを実行する際のワーキングエリアとなるRAM(Random Access Memory)2と、中央制御部1がプログラムを実行する際の設定値等の各種のデータを記憶するメモリ4と、画像形成装置100の状態を表示する表示部および外部から情報を入力するためのボタン等の入力部とを含む操作部5と、ネットワーク9Aを介して外部の機器との間で通信をする際のインターフェイスとなるネットワークI/F(インターフェイス)9とを含む。
【0026】
また、画像形成装置100では、感光体104への静電潜像の形成、中間転写ベルト105の回転、転写ローラ106の回転、給紙ローラ103の回転、給紙カセット102における記録部材の有無等のセンサの検出信号の処理など、画像形成動作において静電潜像を形成して現像し、給紙カセット102の記録部材に対してトナー像を転写し、定着装置110に記録部材を導入するまで処理、および、定着装置110を経た記録部材を排出口108から排出するまでの処理が、画像形成部6によって実行される。画像形成部6の動作は、中央制御部1によって制御される。
【0027】
定着装置110は、当該定着装置110の動作を全体的に制御する定着装置制御部310を含む。定着装置110では、定着装置制御部310は、各種センサ315の検出出力に基づき、ハロゲンヒータ313(加熱源)および各種モータ314の動作を制御する。
【0028】
[2.定着装置の構成]
図3は、本発明の実施の形態に従う定着装置110の内部構成を説明する図である。また、図4は、定着装置110の斜視図である。
【0029】
図3よび図4を参照して、定着装置110は、その外郭を覆う筐体28を含む。定着装置110では、筐体28の上部側(記録部材(用紙)の搬送方向下流側)に搬出口24が設けられ、反対側の下部側(記録部材の搬送方向上流側)に搬入口26が設けられる。
【0030】
搬入口26には、ガイド部材42が設けられている。なお、ガイド部材42を駆動機構に駆動されるよう構成すれば、搬入口26を開閉するシャッタとして機能させることも可能である。
【0031】
筐体28には、ハロゲンヒータ313を内蔵する加熱ローラ(加熱部材)22と、加圧ローラ(加圧部材)20とが設けられる。
【0032】
筐体28の下部側の搬入口26から搬入された記録部材は、加熱ローラ22および加圧ローラ20により加熱および加圧される。これにより、記録部材上のトナー像が記録部材に定着する。その後、記録部材は、搬出口24から定着装置110外へと送り出される。
【0033】
定着装置110では、記録部材は、加熱ローラ22と加圧ローラ20により、ニップ領域を形成するように圧接される。当該ニップ領域は、記録部材の通紙時に記録部材以外の領域で隙間が生じないように形成される。
【0034】
図2をさらに参照して、定着装置110では、加熱ローラ22の表面温度を検出する図示せぬ温度センサ(後述する各種センサ315に含まれる。)が備えられている。定着装置制御部310は、当該温度センサによって検出される温度に基づいて、ハロゲンヒータ313のオン/オフを制御する。
【0035】
また、定着装置制御部310は、定着装置110に記録部材が導入されるタイミングに応じて、加熱ローラ22および加圧ローラ20を回転させる図示せぬモータ(各種モータ314に含まれる)の駆動を制御する。
【0036】
[3.加熱ローラの構成]
(1) 加熱ローラの全体的な構成
図5は、加熱ローラ22の部分破断斜視図である。また、図6は、加熱ローラ22の断面図である。また、図7は、加熱ローラ22の断面構造を模式的に示す図である。
【0037】
図5〜図7を参照して、加熱ローラ22は、円柱状の外観形状を有している。当該円柱の内部には、ハロゲンヒータ313が設けられている。ハロゲンヒータ313の長手方向は、加熱ローラ22の長手方向(両矢印R2)に沿っている。
【0038】
加熱ローラ22には、ハロゲンヒータ313を内包するように、中空円筒状の芯金223が設けられている。芯金223の外周上には、弾性層222、低放射層225、離型層221が順に設けられている。離型層221は、加熱ローラ22の最外層を構成する。
【0039】
芯金223は、アルミニウム等の、良好な熱伝導特性を有した材料からなる。弾性層222は、シリコンゴムやフッ素ゴム等の、耐熱性弾性ゴムからなる。
【0040】
低放射層225は、アルミニウムや銅、銀などの、放射率の低い材料で構成されている。なお、低放射層225の放射率としては、鉄などが用いられた場合の0.3程度であれば好ましく、上記アルミニウムや銅、銀などのように0.1以下であればさらに好ましい。また、低放射層225の放射率は、その表面が平滑であるほど低くなることから、低放射層225の表面は鏡面仕上げされていることが好ましい。
【0041】
離型層221は、赤外線の波長2〜10μmの波長域における透過率が高い材料によって構成されている。このような材料としては、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を挙げることができる。このような材料から構成されることにより、離型層221は、低放射層225から放射される熱を透過し、当該離型層221での熱吸収(放射)が抑制されて、熱伝導によるトナーの溶解のみにエネルギが消費され、放射による無駄なエネルギ放出の軽減を図ることができる。また、Lambert-Beerの法則から、薄ければ薄いほど透過率が高くなるため、その膜厚は30μm以下とされることが好ましい。
【0042】
なお、離型層221の上記波長域における透過率は、高いほど好ましいが、少なくとも上記波長域で赤外線透過性を有していれば良い。
【0043】
低放射層225は、弾性層222または離型層221に、メッキ、蒸着または溶射などの手法によって被覆されることにより形成される。低放射層225が、このように形成されることにより、低放射層225の表面粗さを、平滑に形成することができる。
【0044】
低放射層225が弾性層222に形成された場合、低放射層225を、加熱ローラ22において安定して存在させるために、離型層221に接着させる必要が生じる。この接着の態様としては、たとえば低放射層225のほぼ全面を離型層221に接着させるための接着層を設けることができ、接着部材として離型層と同様2〜10μmの波長域で赤外線透過性を有する接着剤またはプライマを使用する。このような接着剤を用いることにより、接着層からの輻射を抑制することができる。
【0045】
図7中の矢印は、ハロゲンヒータ313から放出される熱の移動経路を模式的に示している。
【0046】
ハロゲンヒータ313から放射される熱(赤外線)は、芯金223から弾性層222、低放射層225へと順に熱伝導により伝送される。加熱ローラ22では、低放射層225の外側に赤外線透過性を有する離型層221が設けられていることから、離型層221の透過率が高くなればなるほど当該離型層221からの輻射量は少なくなり、また、離型層221に対する低放射層225からの輻射量も少なくなる。これにより、ハロゲンヒータ313から芯金223に伝送された熱の、定着装置110に導入された記録用紙上のトナー溶融中以外(たとえば、空気中に放射される熱放射)による無駄な消費が抑制される。
【0047】
(2) 離型層の波長特性
加熱ローラ22の離型層221の材料としては、定着装置110においてトナーの定着のために加熱ローラ22表面が制御される温度領域(約150〜200℃。以下、定着制御温度ともいう。)に対応する波長域の赤外線の透過率が高いことにより、当該温度域についての熱の吸収および放射が抑制された材料が好ましい。離型層221まで到達した熱が、効率よく記録用紙上のトナーの溶解のみに消費され、無駄に放射されて定着装置110におけるエネルギ効率が低下することを回避するためである。
【0048】
図11には、0℃、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度において黒体が放射する電磁波のスペクトルと、フッ素樹脂の一例であるPFAの透過率のスペクトルとが示されている。
【0049】
まず、各温度における黒体の放射スペクトルを参照すると、図11に示された温度域では、各温度のスペクトルは2〜8μmあたりでピークを持ち、そして、温度が上昇するにつれてピークの波長が短波長側にシフトすると共にピークの値が大きくなっている。特に、定着制御温度では、2〜10μmあたりの放射強度が大きい。そこで、離型層221に用いる材料としては、この波長域の透過率が高い材料が好ましいと言える。
【0050】
PFAの透過率は、8μmあたりで局所的に低い値を示してはいるが、定着制御温度において黒体の放射強度が高い波長域では概ね高い透過率を有しているといえる。したがって、PFAは、離型層221の材料として好ましいと言える。
【0051】
[4.加熱ローラの第1の変形例]
図8は、加熱ローラ22の第1の変形例である加熱ローラ22Bの断面図である。また、図9は、加熱ローラ22Bの断面構造を模式的に示す図である。
【0052】
図8および図9を参照して、加熱ローラ22Bは、加熱ローラ22のように弾性層222が設けられるタイプとは異なるタイプの加熱ローラであり、芯金223の上に直接2〜10μmの波長域で赤外線透過性を有する離型層221が設けられるタイプの加熱ローラである。
【0053】
加熱ローラ22Bでは、芯金223が低輻射材で形成される。芯金223の離型層側の表面粗さは、一例として表面平均粗さRaで0.5μm以下であるが、芯金223が離型層221の表面から現われないように、芯金223の最大高さ(Rmax)が離型層221の膜厚以下に形成されている。さらに、平滑な表面ほど放射率が低くなることから、芯金223の表面は、鏡面仕上げされていることが好ましい。また、離型層221と芯金223とは、接着剤で接着される。当該接着剤は、離型層221を構成する材料と同様に、2〜10μmの波長域で赤外線透過性を有する。
【0054】
[5.加熱ローラの第2の変形例]
図10は、加熱ローラ22の第2の変形例である加熱ローラ22Cの断面構造を模式的に示す図である。
【0055】
加熱ローラ22Cでは、加熱ローラ22等と同様に、その中心部分にハロゲンヒータ313が内包されている。そして、加熱ローラ22Cでは、ハロゲンヒータ313の外周を覆うように芯金223が設けられ、芯金223の外面には離型層221が設けられている。
【0056】
加熱ローラ22Cでは、芯金223の表面に、輻射率の増加が障害とならない程度に凹凸形状が設けられ、離型層221は、その芯金223の対向する面を当該凹凸形状に沿う形状とされている。加熱ローラ22Cでは、芯金223と離型層221とが凹凸で噛み合わされることにより、離型層221が接着部材を用いて芯金223に接着されることがなくとも、離型層221を芯金223に固定することができる。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
1 中央制御部、20 加圧ローラ、22,22A,22B 加熱ローラ、24 搬出口、26 搬入口、28 筐体、100 画像形成装置、101 外装カバー、102 給紙カセット、103 給紙ローラ、104 感光体、105 中間転写ベルト、106 転写ローラ、108 排出口、110 定着装置、 221 離型層、222 弾性層、223 芯金、225 低放射層、313 ハロゲンヒータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱源を内包する円筒形状を有し、記録部材を加熱することにより当該記録部材上のトナー像を定着させる加熱部材を備え、
前記加熱部材は、
前記円筒形状の最外層に形成された離型層と、
前記加熱源と前記離型層の間に当該離型層に当接して設けられ、前記離型層を構成する材料よりも放射率の低い材料からなる低放射部材とを含み、
前記離型層は、2〜10μmの波長において赤外線透過性を有する、定着装置。
【請求項2】
前記加熱部材は、前記加熱源と前記低放射部材の間に設けられた弾性層をさらに備える、請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記低放射部材は、前記離型層の前記加熱源側の表面にメッキ、蒸着または溶射される、請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記低放射部材は、前記離型層に対して、2〜10μmの波長において赤外線透過性を有する接着部材によって接着されている、請求項2に記載の定着装置。
【請求項5】
前記低放射部材によって芯金を構成し、
前記離型層は、2〜10μmの波長において赤外線透過性を有する接着部材によって接着されている、請求項1に記載の定着装置。
【請求項6】
前記芯金の表面粗さは、当該芯金の表面の最大高さが前記離型層の膜厚以下となるように構成される、請求項5に記載の定着装置。
【請求項7】
記録部材上に画像を形成する画像形成装置であって、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備える、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−248187(P2011−248187A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122638(P2010−122638)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】