説明

定着装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】剛性の低下を招くことなく、立ち上がり時間の短縮化、省エネルギー化及び軽量化が図れ、優れた定着性を有する定着装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ11と、定着ローラ11に定着ベルト14を挟んで圧接しニップ部Nを形成する加圧ローラ12と、定着ベルト14を介して定着ローラ11を加熱する加熱ローラ13とを設ける。そして、加圧ローラ12として芯金121と弾性層122とを有するものを用い、芯金121として、第1円筒部121aと、第1円筒部121aに同軸状に内装された第2円筒部121bと、第1円筒部121aの内周面と第2円筒部121bの外周面とを接続する螺旋状の3本の突条部121cとを有するものを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、より詳細には、定着ローラと加圧ローラとが直接又はベルトを介して圧接して形成されるニップ部に被転写材を通過させることによって、未定着トナー画像を加熱・加圧して被転写材に溶融定着させる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像し、現像されたトナー画像を用紙などの被転写材に転写させた後、定着装置によってトナー画像を被転写材に定着させる。これまでから広く使用されている定着装置は、圧接した一対のローラのニップ部に被転写材を通過させて加熱及び加圧を行い、トナー画像を被転写材に溶融定着させるものである。
【0003】
近年、定着可能温度に達するまでの時間(立ち上がり時間)の短縮化や省エネルギー化、装置の軽量化などを図るため、定着ローラや加圧ローラの芯金を薄肉の円筒状として熱容量を小さくすることが行われている。
【0004】
ところが、芯金を薄肉の円筒状にすると、剛性が低下して軸方向に撓み等が生じ定着不良が起こることがある。
【0005】
そこで、例えば特許文献1では、円筒状の芯金の内周面に軸方向及び周方向に延びる複数本のリブを形成し、高剛性を確保しながら芯金を薄肉化する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-5556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記提案技術でも芯金の剛性は未だ充分ではなく、定着ローラと加圧ローラとの圧接力が高い場合にはローラ変形が生じて、ニップ部の回転方向の長さ(以下、「ニップ幅」と記すことがある)が変化することがある。ニップ幅が変化すると、例えば、被転写材に定着されたトナー画像の光沢性が変化し画質が低下する。
【0008】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、剛性の低下を招くことなく立ち上がり時間の短縮化、省エネルギー化及び軽量化が図れ、優れた定着性を有する定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、定着ローラと、定着ローラに直接又はベルトを介して圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、定着ローラを加熱する加熱手段とを有し、未定着トナー画像が形成された被転写材を前記ニップ部に通すことによって、前記トナー画像を被転写材に溶融定着させる定着装置であって、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの少なくとも一方が、第1円筒部と、第1円筒部に同軸状に内装された第2円筒部と、第1円筒部の内周面と第2円筒部の外周面とを接続する螺旋状の突条部とを有する芯金を備えていることを特徴とする定着装置が提供される。
【0010】
ここで、前記突条部は、少なくとも被転写材の通過領域と対応する領域に設けられているのが好ましい。
【0011】
また、前記突条部は周方向に等間隔で複数本形成するのが好ましく、前記芯金の軸方向一方端から他方端までの前記突条部のねじれ角度は360°/N(但し、Nは突条部の本数)以上とするのが好ましい。
【0012】
さらに本発明によれば、前記のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の定着装置及び画像形成装置では、定着ローラ及び加圧ローラの少なくとも一方が、第1円筒部と、第1円筒部に同軸状に内装された第2円筒部と、第1円筒部の内周面と第2円筒部の外周面とを接続する螺旋状の突条部とを有する芯金を備える構成としたので、前記芯金を備えたローラは、周方向のすべての位置において軸方向の少なくとも1箇所は突条部及び第2円筒部によって第1円筒部が支えられるようになる。これにより、前記ローラの剛性の低下を抑えながら、定着装置の立ち上がり時間の短縮化、省エネルギー化及び軽量化が図れる。加えて、周方向におけるニップ幅の変化が小さくなり、トナー画像の光沢性などのムラが抑制され画質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概説図。
【図2】本発明に係る定着装置の一例を示す概説図。
【図3】加圧ローラに用いる芯金の断面図。
【図4】第1円筒部を除いた芯金の斜視図。
【図5】芯金の変形を説明するための断面図。
【図6】軸方向に平行で直線状の突条部を有する芯金の斜視図。
【図7】加圧ローラの周方向角度に対するニップ幅の変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明の画像形成装置及び定着装置の一実施形態を示す概説図である。図1の画像形成装置Dは所謂タンデム方式のカラープリンタである。もちろん、プリンタのほか、さらにスキャナを有する複写機、ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。また、画像形成方式としてはタンデム方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば、回転軸の周囲に4つの現像装置を配置し、これらを順次静電潜像担持体に対向させてフルカラー画像を作成する所謂4サイクル方式、あるいは一つの現像装置でモノクロ画像を作成するモノクロ方式であっても構わない。
【0017】
画像形成装置Dは、導電性を有する無端状の中間転写ベルト33を有する。中間転写ベルト33は、図の左右両側にそれぞれ配置された一対のローラ31,32に掛架されている。ローラ32は不図示のモータに連結されており、モータの駆動によってローラ32は反時計回りに回転し、これによって中間転写ベルト33とこれに接するローラ31は従動回転する。ローラ32に支持されているベルト部分の外側には、二次転写ローラ34が圧接している。この二次転写ローラ34と中間転写ベルト33とのニップ部(二次転写領域)において中間転写ベルト33上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙Pに転写される。
【0018】
また、ローラ31に支持されているベルト部分の外側には、中間転写ベルト33の表面をクリーニングするクリーニング部材35が設けられている。このクリーニング部材35は中間転写ベルト33を介してローラ31に圧接しており、その接触部で未転写トナーを回収する。
【0019】
ローラ31とローラ32とに掛架された中間転写ベルト33の下側には、中間転写ベルト33の回転方向上流側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの作像部2Y,2M,2C,2K(以下、「作像部2」と総称することがある)が配置されている。これらの作像部2では、各色の現像剤をそれぞれ用いて対応する色のトナー像が作成される。
【0020】
作像部2は、静電潜像担持体として円筒状の感光体20を有する。そして、感光体20の周囲には、その回転方向(時計回り方向)に沿って順に、帯電器21、現像装置23、一次転写ローラ24、および感光体クリーニング部材25が配置されている。一次転写ローラ24は中間転写ベルト33を挟んで感光体20に圧接し、ニップ部(一次転写領域)を形成している。また、作像部2の下方には露光装置22が配置されている。
【0021】
この図に示す実施形態では、帯電器21としてローラ帯電方式のものを用いているが、帯電器21の種類は特に限定されるものでなく、コロナ放電方式の帯電チャージャ、ブレード状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材等を用いてももちろん構わない。また、この実施形態では、感光体クリーニング部材25として板状ブレードを用い、その一端側を感光体20の外周面に接触させて、感光体20の表面に残留するトナーを回収除去しているが、感光体クリーニング部材25は板状ブレードに限られるものでなく、例えば、固定ブラシ、回転ブラシ、ローラ、及びそれら複数の部材を組み合わせたものを使用することもできる。なお、感光体クリーニング部材25は必ずしも設ける必要はなく、感光体20上の未転写トナーの回収を現像装置23によって行うクリーナレス方式を採用することもできる。
【0022】
中間転写ベルト33の上方には、各色の現像装置23に補給するトナーを収容したホッパー4Y,4M,4C,4K(以下、「ホッパー4」と総称することがある)がそれぞれ配置されている。また、露光装置22の下部には、給紙装置として給紙カセット50が着脱可能に配置されている。給紙カセット50内に積載収容された用紙(被転写材)Pは、給紙カセット50の近傍に配置された給紙ローラ51の回転によって最上紙から順に1枚ずつ搬送路に送り出される。給紙カセット50から送り出された用紙Pは、レジストローラ対52に搬送され、ここで所定のタイミングで二次転写領域に送り出される。
【0023】
画像形成装置Dは、1色のトナー(例えばブラック)を用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードと、4色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラーモードとに切り替え可能となっている。
【0024】
カラーモードにおける画像形成動作例について簡単に説明すると、まず、各作像部2において、所定の周速度で回転駆動される感光体20の外周面が帯電器21により帯電される。次に、帯電された感光体20の表面に、画像情報に応じた光が露光装置22から投射されて静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像は、現像装置23から供給される現像剤としてのトナーにより顕在化される。このようにして感光体20の表面に形成された各色のトナー像は、感光体20の回転によって一次転写領域に達すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体20から中間転写ベルト33上へ転写(一次転写)されて重ねられる。
【0025】
中間転写ベルト33に転写されることなく感光体20上に残留した未転写トナーは、感光体クリーニング部材25で掻き取られ、感光体20の外周面から除去される。
【0026】
重ね合わされた4色のトナー像は、中間転写ベルト33によって二次転写領域に搬送される。一方、そのタイミングに合わせて、レジストローラ対52から二次転写領域に用紙Pが搬送される。そして、4色のトナー像が、二次転写領域において中間転写ベルト33から用紙Pに転写(二次転写)される。4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着装置1へ搬送される。定着装置1において用紙Pは、定着ローラ11と加圧ローラ12とのニップ部を通過する。この間に用紙Pは加熱・加圧され、用紙P上のトナー像は用紙Pに溶融定着する。なお、定着装置1の具体的な構成については後述する。トナー像が定着した用紙Pは排出ローラ対53によって排紙トレイ54に排出される。
【0027】
一方、二次転写領域を通過した中間転写ベルト33は、クリーニングブレード35で清掃される。その後、各感光体20及び中間転写ベルト33の回転駆動が停止される。
【0028】
図2に、図1の画像形成装置Dに搭載されている定着装置1の概略構成図を示す。この定着装置1では、加熱ローラ(加熱手段)13と定着ローラ11との間に定着ベルト14が掛架され、加圧ローラ12が定着ベルト14を介して定着ローラ11に圧接している。そして、定着ベルト14と加圧ローラ12とのニップ部Nの下流側には、定着ベルト14に接するように分離爪16が揺動自在に軸支されている。定着ローラ11は、不図示の回転駆動手段によって反時計回りに回転し、これによって定着ベルト14及び加圧ローラ12、加熱ローラ13はそれぞれ従動して回転する。なお、回転駆動手段を定着ローラ11ではなく、加熱ローラ13又は加圧ローラ12に設けて駆動回転させ、他のローラを従動回転させるようにしてもよい。
【0029】
加熱ローラ13には、加熱ローラ13の長手方向の中央部を加熱する加熱ヒータ15Aと、加熱ローラ13の両端部を加熱する加熱ヒータ15Bとが内蔵されている。また加熱ローラ13の外周部に設置された不図示のセンサーによって加熱ローラ13の表面温度が検知され加熱ヒータ15A,15Bが入切制御される。これにより、加熱ローラ13の表面は所定温度に維持される。もちろん、定着ベルト14の温度をセンサーで検知して加熱ヒーター15A,15Bを入切制御しても構わない。
【0030】
定着ローラ11は円筒状の芯金111からなる。芯金111の材質に特に限定はないが、アルミニウムや鉄などの金属材料が好ましい。また、芯金の厚さは、0.1〜5mmの範囲が好ましく、軽量化及びウォームアップ時間の短縮化等を考慮すると0.2〜1.5mmの範囲がより好ましい。また、表面の離型性を向上させるために、芯金111の表面に、PFAやPTFE、ETFE等のフッ素系材料からなるチューブを被着する、あるいは前記フッ素系材料でコーティング層を形成して表層としてもよい。表層の厚さは5〜100μmの範囲が好ましく、水との接触角は90度以上が好ましい。さらに、表面粗さは0.01〜50μmの範囲が好ましい。また、ニップ部Nの幅を大きくするために、芯金111と表層との間に、弾性層をさらに設けてもよい。弾性層の材質としては、弾性と耐熱性を有するものが望ましく、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどが挙げられる。弾性層の厚さに特に限定はないが、通常は、0.05〜2mmの範囲が好ましい。
【0031】
加圧ローラ12は、芯金121の表面に、シリコーンゴムからなる弾性層122が形成され、その表面に表層としてのPFAチューブ(不図示)が被着されてなる。弾性層122の材質としては、弾性と耐熱性を有するものが望ましく、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどが挙げられる。弾性層122の厚さに特に限定はないが、通常は、0.05〜2mmの範囲が好ましい。芯金121については後述する。
【0032】
このような構成の定着装置1において、搬送されてきた用紙Pは、未定着のトナー像tが載った面が定着ベルト14側になるように、定着ベルト14と加圧ローラ12とによって形成されたニップ部Nを通過する。ニップ部Nを通過する間に、トナー像tに対して加熱及び加圧がなされ、トナー像tは溶融して用紙Pに定着する。そして、分離爪16によって定着ベルト14から用紙Pは分離され排紙トレイ54(図1に図示)へ排出される。
【0033】
図3に、加圧ローラ12に用いられている芯金121の断面図、図4に、第1円筒部121aを取り去った芯金121の斜視図をそれぞれ示す。図3に示すように、芯金121は、第1円筒部121aと、第1円筒部121aに同軸状に内装された第2円筒部121bと、第1円筒部121aの内周面と第2円筒部121bの外周面とを接続する、周方向に等間隔で形成された3本の突条部121cとを有する。
【0034】
図4に示すように、周方向に等間隔に形成された3本の突条部121cは螺旋状をなし、芯金121の一方端から他方端までの突条部121cのねじり角度は120°とされている。これにより、芯金121の周方向のいずれの位置であっても、軸方向のいずれかの位置に第1筒状部121aと突条部121cとの接続部が存在することになり、第1筒状部121aの変形が効果的に抑制される。前記ねじり角度は120°以上であってももちろん構わない。ねじり角度を大きくするほど、第1筒状部121aと突条部121cとの接続部が軸方向において多く存在することになり、第1円筒部121aの変形がより抑制される。なお、突条部121cの形成数に限定はなく、1本であってもよいし2本以上であってもよい。また、突条部121cの本数をN本とした場合、突条部121cの芯金121の一方端から他方端までのねじれ角度は、(360°/N)以上とするのが望ましい。さらに、螺旋状の突条部121cは、少なくとも被転写材が通過する領域と対応する領域に設けるのが望ましい。
【0035】
図2に示したように、定着ローラ11と加圧ローラ12とは定着ベルト14を介して圧接してニップ部Nを形成する。このため、加圧ローラ12にはニップ部Nにおいて半径方向内方に外力が加わる。この外力によって加圧ローラ12の弾性層122のみならず芯金121も変形する。芯金121が変形すると、ニップ幅が変化して定着性が影響を受ける。図5を用いて、外力が加わる位置と、芯金121の変形について説明する。
【0036】
図5において、芯金121の位置P1に外力が加わった場合、位置P1の半径方向内方には突条部121cが設けられているので、第1円筒部121aの変形は最も小さい。次に、芯金121の位置P2に外力が加わった場合、位置P2の半径方向内方に突条部121cが設けられておらず、また中心軸Oを挟んで対向する位置にも突条部121cが設けられていないので、第1円筒部121aの変形は最も大きくなる。次いで、芯金121の位置P3に外力が加わった場合、位置P3の半径方向内方には突条部121c1が設けられていないが、中心軸Oを挟んで対向する位置に突条部121cが設けられているので、第1円筒部121aの変形は位置P1よりは大きく位置P2よりは小さくなる。そして、芯金121の位置P4に外力が加わった場合、位置P2と同様に、半径方向内方に突条部121cが設けられておらず、また中心軸Oを挟んで対向する位置にも突条部121cが設けられていないので、第1円筒部121aの変形は最も大きくなる。芯金121のこのような変形によってニップ幅が変化する。具体的には、芯金121の変形が大きいほど、ニップ幅は短くなる。
【0037】
図6に示すように、芯金121における突条部121dが軸方向に平行で直線状であった場合、加圧ローラ12の周方向角度とニップ幅との関係は図7の破線に示すような振幅の大きなものとなる。ニップ幅の変化が大きいと、均一な定着が行われず加圧ローラ12の回転周期で光沢ムラなどが現れる。これに対し、本発明の定着装置では、芯金121の突条部121cを螺旋状としたので、芯金121の周方向のいずれの位置であっても、軸方向のいずれかの位置に第1筒状部121aと突条部121cとの接続部が存在することになり、第1筒状部121aの変形が効果的に抑制される。この結果、図7の実線で示すように、ニップ幅の変動は小さく抑えられ、安定した定着性が得られるようになる。
【0038】
以上説明した実施形態では、第1円筒部121a、第2円筒部121b、螺旋状の突条部121cとを有する芯金121を加圧ローラ12の芯金として用いていたが、定着ローラ11の芯金111として用いてももちろん構わない。また、定着装置の構造を、定着ベルトを用いずに、定着ローラ11と加圧ローラ12とを直接圧接させた構造としてもよい。この場合、定着ローラ11を加熱する加熱手段は、定着ローラ11の内側に設けてもよいし、定着ローラ11の外周部に設けてもよい。加熱手段としてはハロゲンヒータや電磁誘導手段など従来公知の手段を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の定着装置によれば、定着ローラ及び加圧ローラの少なくとも一方のローラの剛性の低下を抑えながら、定着装置の立ち上がり時間の短縮化、省エネルギー化及び軽量化が図れる。加えて、周方向におけるニップ幅の変化を小さくでき、トナー画像の光沢性などのムラを抑制でき有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 定着装置
P 用紙(被転写材)
N ニップ部
t トナー画像
11 定着ローラ
12 加圧ローラ
13 加熱ローラ(加熱手段)
14 定着ベルト
15A,15B 加熱ヒータ(加熱手段)
121 芯金
121a 第1円筒部
121b 第2円筒部
121c 突条部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着ローラと、定着ローラに直接又はベルトを介して圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、定着ローラを加熱する加熱手段とを有し、未定着トナー画像が形成された被転写材を前記ニップ部に通すことによって、前記トナー画像を被転写材に溶融定着させる定着装置において、
前記定着ローラ及び前記加圧ローラの少なくとも一方が、第1円筒部と、第1円筒部に同軸状に内装された第2円筒部と、第1円筒部の内周面と第2円筒部の外周面とを接続する螺旋状の突条部とを有する芯金を備えていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記突条部が、少なくとも被転写材の通過領域と対応する領域に設けられている請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記突条部が周方向に等間隔で複数本形成され、前記芯金の軸方向一方端から他方端までの前記複数の突条部のねじれ角度が360°/N(但し、Nは突条部の本数)以上である請求項1又は2記載の定着装置。
【請求項4】
定着装置として、請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−73116(P2013−73116A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213418(P2011−213418)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】