説明

定着装置及び画像形成装置

【課題】定着ニップ形成部材の長手方向に渡る撓みを抑制して、定着ムラの発生を防止できる定着装置を提供する。
【解決手段】2つの定着ニップ形成部21,22のうち、少なくとも一方の定着ニップ形成部材21を弾性変形可能な筒状の弾性筒状体21aで構成し、定着ニップ形成部材21,22を互いに接触させて形成した定着ニップに記録媒体を通過させて当該記録媒体上の未定着画像を定着する定着装置におけるものである。弾性筒状体21aの両端側の内周面を、それぞれ弾性部材40を介して支持手段によって支持した。さらに、当該弾性筒状体21aの一端側の弾性部材40の配設領域Wから他端側の弾性部材40の配設領域Wに渡る外周面に、他方の定着ニップ形成部材22を接触させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上の未定着画像を当該記録媒体に定着する定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、記録媒体としての記録用紙に転写されたトナー画像を熱と圧力によって定着させる定着装置が多く用いられている。この種の定着装置は、例えば、発熱体によって加熱される定着回転体と、その定着回転体を加圧する加圧回転体とを有し、これら回転体が互いに接触して形成される定着ニップに記録用紙を通過させることで、その記録用紙上の未定着トナー画像を熱と圧力で定着するようにしている。
【0003】
近年、画像形成装置は、小型化、省エネ化、高速化が要求されており、そのため、例えば特許文献1や2に記載の画像形成装置においては、上記定着回転体として弾性変形可能な薄肉円筒状のローラを使用している。このように、定着回転体を薄肉円筒状のローラとすることで熱容量が小さくなり、ウォームアップに必要な熱量の低減とウォームアップ時間の短縮が可能である。また、薄肉円筒状のローラが弾性変形することで、定着ニップの幅を広くすることができ、記録用紙に効率良く熱を伝達して定着速度の高速化が図れる。
【0004】
また、上記特許文献1や2に記載の定着装置は、図9に示すように、薄肉円筒状のローラ100の両端側の外周に回転支持部材200(転がり軸受)を取り付けて、ローラ100を支持するように構成されている。これに対し、特許文献3に記載の定着装置は、図10に示すように、薄肉円筒状のローラ100の両端側の内周面に回転支持部材300を配設することによって、回転支持部材を小径にすることができ、装置の小型化を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1や2に記載の定着装置では、図9に示すように、加圧ローラ400と回転支持部材200との干渉を回避するため、加圧ローラ400は定着ローラ100よりも短く形成されている。このように、加圧ローラ400を定着ローラ100よりも短くした構成において、定着ローラ100の両端をバネ500によって加圧ローラ400側へ押し付けると、図11に示すように、加圧ローラ400の端部から軸方向にLだけ離れた定着ローラ100の端部において、バネ500の荷重Fによる回転モーメント(F×L)が発生する。その結果、定着ローラ100が長手方向に渡って撓み、定着ローラ100の端部における変形が大きくなって、定着ニップの幅や押圧力が不均一になり、定着ムラが発生する問題がある。
【0006】
上記問題を解決するため、特許文献2に記載の定着装置では、図9に示すように、加圧ローラ400の長さL2を、保持部材中心位置間の幅L1に対して、L2/L1=0.9〜0.99の範囲に設定して、定着ローラの長手方向に渡る撓みを抑制している。しかしながら、加圧ローラの長さと保持部材中心間位置の幅との関係を上記のように設定しても、定着ローラの剛性(又は径)や厚さによっては、上記問題を十分に解消できない場合がある。
【0007】
また、図10に示す上記特許文献3に記載の定着装置では、薄肉円筒状のローラ100(定着ローラ)の端部内周面に回転支持部材300を配設しているため、その回転支持部材300を配設した位置ではローラ100は弾性変形できない。従って、この場合、定着ニップを広く確保するには、定着ローラの弾性変形可能な部分にのみ加圧ローラを接触させなければならず、その結果、加圧ローラの長さは定着ローラの長さよりも短くなる。このため、特許文献3に記載の定着装置においても、上記と同様に、定着ローラが長手方向に渡って撓み、定着ムラが発生する問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、定着ニップ形成部材の長手方向に渡る撓みを抑制して、定着ムラの発生を防止できる定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、2つの定着ニップ形成部のうち、少なくとも一方の定着ニップ形成部材を弾性変形可能な筒状の弾性筒状体で構成し、前記定着ニップ形成部材を互いに接触させて形成した定着ニップに記録媒体を通過させて当該記録媒体上の未定着画像を定着する定着装置において、前記弾性筒状体の両端側の内周面を、それぞれ弾性部材を介して支持手段によって支持し、当該弾性筒状体の一端側の前記弾性部材の配設領域から他端側の前記弾性部材の配設領域に渡る外周面に、他方の前記定着ニップ形成部材を接触させたものである。
【0010】
上記のように、他方の定着ニップ形成部材を、一方の定着ニップ形成部材の一端側の弾性部材の配設領域から他端側の弾性部材の配設領域に渡って接触させたことにより、一方の定着ニップ形成部材の両端における支持箇所を他方の定着ニップ形成部材によって受けることができる。これにより、一方の定着ニップ形成部材の端部における回転モーメントの発生を抑制でき、その一方の定着ニップ形成部材が長手方向に渡って撓むのを高度に抑制することができる。このように、請求項1に記載の発明によれば、定着ニップの幅や圧力を長手方向に渡って均一にすることができ、画像の定着ムラを防止することができる。
【0011】
また、弾性筒状体の両端側の内周面を、それぞれ弾性部材を介して支持手段によって支持しているので、弾性筒状体を両端側においても弾性変形させることが可能である。このため、上記のように前記他方の定着ニップ形成部材を、前記一方の定着ニップ形成部材の一端側の弾性部材の配設領域から他端側の弾性部材の配設領域に渡って接触させても、その接触した箇所全域に渡って一方の定着ニップ形成部材を弾性変形させることができ、定着ニップを記録媒体搬送方向に広く確保することが可能である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記弾性部材の相互間領域内で、記録媒体を通過させる記録媒体通過領域を設定したものである。
【0013】
弾性筒状体において弾性部材を配設した位置と配設しない位置とでは、画像の定着に与える影響が異なる。そのため、上記のように、記録媒体通過領域を弾性部材の相互間領域内で設定することによって、定着条件を均一化し定着ムラの発生を防止することができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、前記弾性筒状体を内部から加熱する加熱手段の発熱部を、記録媒体を通過させる記録媒体通過領域よりも大きく、かつ、前記弾性部材の相互間領域より小さい範囲に配設したものである。
【0015】
上記のように発熱部を配設したことにより、弾性部材の過剰な温度上昇を抑制できると共に、記録媒体に対する熱供給を効率良く行うことができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置において、前記弾性部材を前記弾性筒状体の内周面に嵌合可能なリング状に構成し、前記支持手段を、前記弾性部材の内周面に嵌合可能な筒状の断熱部材と、側板に設けられると共に前記断熱部材内に挿入可能なボスと、前記断熱部材と前記ボスとの間に介在する転がり軸受とによって構成したものである。
【0017】
弾性筒状体と断熱部材との間に弾性部材を介在させているので、定着ニップ形成部材を互いに接触させた箇所全域に渡って一方の定着ニップ形成部材を弾性変形させることができる。このため、上述のように、定着ニップを広く確保しつつ、定着ニップ形成部材が長手方向に渡って撓むのを高度に抑制することができる。また、支持手段を上記の如く構成したことにより、側板の小型化と強度確保が実現できと共に、弾性筒状体の肉厚の薄肉化も容易となる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項4に記載の定着装置において、前記弾性部材を径方向に圧縮した状態で前記弾性筒状体と前記断熱部材との間に配設したものである。
【0019】
弾性部材を径方向に圧縮した状態で弾性筒状体と断熱部材との間に配設したことで、弾性筒状体と断熱部材とを一体的に組み付けすることができ、弾性筒状体の交換作業が容易となる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の定着装置において、前記断熱部材の線膨張係数を10-6〜10-4[/℃]としたものである。
【0021】
断熱部材の線膨張係数を上記のように設定したことにより、加熱時は断熱部材が熱膨張して、断熱部材と転がり軸受との嵌め合い状態が安定する。
【0022】
請求項7の発明は、請求項4から6のいずれか1項に記載の定着装置において、常温時は前記断熱部材と前記転がり軸受との嵌め合いが中間ばめ又はすきまばめであり、加熱時は前記断熱部材の熱膨張により、中間もしくはしまりばめである。
【0023】
常温時は断熱部材と転がり軸受との嵌め合いが中間ばめ又はすきまばめであることにより、断熱部材と転がり軸受との嵌め合いを容易に行うことができる。他方、加熱時は断熱部材の熱膨張により、中間もしくはしまりばめとなることで、断熱部材と転がり軸受との嵌め合い状態が安定する。
【0024】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置において、前記2つの定着ニップ形成部材のうち、一方のみを前記弾性筒状体で構成した場合、他方の前記定着ニップ形成部材を回転駆動させ、前記一方の定着ニップ形成部材を前記他方の定着ニップ形成部材に対して従動回転させるように構成したものである。
【0025】
弾性筒状体で構成された定着ニップ形成部材を従動回転させることによって、当該定着ニップ形成部材は、他方の定着ニップ形成部材と接触する領域全体に渡って駆動力を受けることができ、ねじれ変形することなく安定して回転することができる。
【0026】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置において、前記2つの定着ニップ形成部材が互いに接触した箇所において、軸方向から見て、記録媒体の未定着画像形成面に接触する側に配設された前記定着ニップ形成部材がフラット状又は凹状に変形するように構成したものである。
【0027】
未定着画像形成面に接触する側に配設された定着ニップ形成部材がフラット状又は凹状に変形するように構成したことによって、その定着ニップ形成部材に対する記録媒体の分離性を向上させることができる。これにより、定着ニップ形成部材から記録媒体を分離させるための分離爪や分離板等の分離手段を設ける必要がなくなるので、装置の小型化及び低コスト化を図れる。
【0028】
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置である。
【0029】
画像形成装置が、請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置を備えているので、これらの定着装置による上記効果が得られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、定着ニップ形成部材が弾性変形可能な筒状の弾性筒状体で構成されていても、その定着ニップ形成部材が長手方向に渡って撓むのを高度に抑制することができる。これにより、定着ニップの幅や圧力を長手方向に渡って均一にすることができ、画像の定着ムラを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の一形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る定着装置の概略断面図である。
【図3】弾性部材の配設領域における定着ローラと加圧ローラの断面図である。
【図4】弾性部材の相互間領域における定着ローラと加圧ローラの断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態に係る定着装置の構成部品の嵌合寸法図である。
【図6】本発明の実施の一形態に係る定着装置の構成部品の分解斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る定着装置の概略断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る定着装置の構成部品の嵌合寸法図である。
【図9】従来の定着装置の概略構成図である。
【図10】他の従来の定着装置が備える定着ローラの支持構成を示す図である。
【図11】従来の定着装置における問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の実施の一形態に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示すように、このカラー画像形成装置の中央部には、中間転写装置1が配置されている。中間転写装置1の周囲には、感光装置2、転写装置3、用紙剥離手段4、中間転写装置清掃手段5が配置されている。また、感光装置2の周囲には、帯電器6、感光体清掃手段7、残像除去手段8が配置されている。この実施形態では、4色の異なる色の微少着色粉体であるトナーを封入した現像装置9K、9Y、9M、9Cが重ねて配置されており、その下方には露光手段10、また更にその下方には記録媒体としての記録用紙を溜めておく用紙保持手段11、用紙供給装置12が配置されている。カラー画像形成装置の上部には、定着装置20、用紙排出装置13が配置されている。
【0033】
このような構成のカラー画像形成装置において、帯電器6は感光装置2の表面を一様に帯電させる。次にパソコン、イメージスキャナ等による画像、文字の情報を露光手段10によりドット単位で露光することにより転送し、感光装置2の表面に静電潜像を形成させる。その後、現像装置9K、9Y、9M、9Cによって静電潜像にトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として可視化(現像)され、第一転写位置T1へ搬送される。第一転写位置T1では、図示しない電源から供給される感光装置2と中間転写装置1との電位差により、トナー画像が中間転写装置1の表面へ転写される。第一転写位置T1を通過した後、感光装置2の表面は残像除去手段8による光照射で電位を一定以下に落とされ、静電潜像が消去され、また、感光体清掃手段7により第一転写位置T1にて転写されずに残留した表面の残トナーが清掃され、次のトナー画像の形成が可能な状態になる。上記工程を各現像装置9K〜9Cにおいて行うことにより、中間転写装置1の表面には、画像、文字の情報に見合うトナー画像が形成される。その後、トナー画像は第二転写位置T2で転写装置3によって、用紙供給装置12により用紙保持手段11から供給された記録用紙に転写される。トナー画像を転写された記録用紙は、用紙剥離手段4により中間転写装置1より剥離され、定着装置20に運ばれ、トナー画像を記録用紙に定着し、用紙排出装置13にて排出される。
【0034】
以上の説明は、記録用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの現像装置9K、9Y、9M、9Cのいずれか1つを使用して単色のトナー画像を形成したり、2つ又は3つの現像装置を使用して、2色又は3色のトナー画像を形成したりすることも可能である。
【0035】
次に、図2〜図8に基づいて、本発明の上記定着装置について説明する。なお、図2〜図8において、同一の符号は同じ部材又は部分を示す。
【0036】
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ローラ21と、加圧部材としての加圧ローラ22と、加圧ローラ22を付勢する付勢手段としての加圧バネ23と、定着ローラ21を加熱する加熱手段としてのヒータ24等を有している。
【0037】
定着ローラ21は、弾性変形可能な筒状の弾性筒状体で構成されている。詳しくは、定着ローラ21は、弾性変形可能な薄肉筒状の芯金21a(金属基体)と、その芯金21aの外周に被覆された弾性層21bと、その弾性層21bの外周に被覆された離型層(図示省略)によって構成されている。ここでは、芯金21aとして、外径φ45.3mm、厚さ150μm、長さ240mmのストレート状の薄肉ステンレスパイプを用いている。また、弾性層21bを、厚さ0.5mm、JIS硬度20度のシリコーン弾性層とし、離型層を、厚さ30μmのPFA(四弗化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)としている。なお、芯金21a、弾性層21b、離型層を形成する上記各部材は実施の一例であり、本発明はこの実施例に限定されることはない。
【0038】
加圧ローラ22は、外径φ24mmの芯金22aを有する。この芯金22aの外周面には、ゴム硬度40度、厚さ2mmのシリコーンゴムから成る弾性層22bが被覆されている。さらに、弾性層22bの外周面には、厚さ30μmのPFAから成る離型層(図示省略)が被覆されている。なお、加圧ローラ22の構成は、ここで挙げた実施例に限定されることはない。
【0039】
図2に示すように、加圧ローラ22に設けた軸の両端は、転がり軸受25によって回転可能に支持されている。転がり軸受25には、加圧バネ23の一端が取り付けてあり、加圧バネ23によって加圧ローラ22は定着ローラ21側へ付勢され、加圧ローラ22と定着ローラ21とが所定の圧力で互いに接触している。また、加圧ローラ22に設けた軸の一端には、駆動ギア26が取り付けてあり、駆動ギア26によって図示しないモータからの回転駆動力が加圧ローラ22に伝達されるようになっている。
【0040】
他方、定着ローラ21は、回転する加圧ローラ22に従動回転するように構成されている。仮に、定着ローラ21の一端に駆動力を与えて回転させた場合は、薄肉の弾性筒状体で構成された定着ローラ21はねじれ変形して回転が不安定になる虞がある。そのため、本実施形態では、定着ローラ21を加圧ローラ22に対して従動回転させることによって、定着ローラ21は、加圧ローラ22と接触する領域全体に渡って駆動力を受けることができ、ねじれ変形することなく安定して回転できるようになっている。
【0041】
ヒータ24は定着ローラ21の内部に配設されており、ヒータ24によって定着ローラ21は内面から加熱される。また、定着ローラ21の周囲には、定着ローラ21の表面温度を検知してヒータ24の発熱を制御するサーミスタ(図示省略)や、定着ローラ21の異常温度を検知するためのサーモスタット(図示省略)が配設されている。
【0042】
図2を参照しつつ、定着ローラの支持手段について説明する。
定着ローラの支持手段は、定着ローラ21の両端側の内方に配設された二重円筒状の断熱部材27と、側板28に一体的に形成された円筒状のボス29と、転がり軸受30とを有している。ボス29は、断熱部材27の外側の円筒と内側の円筒の間に挿入されている。また、断熱部材27とボス29との間に転がり軸受30が介在しており、これにより、断熱部材27はボス29に対して回転可能に構成されている。
【0043】
ここでは、転がり軸受30は、外輪30aの外径がφ32mm、内輪30bの内径がφ25mm、呼び記号6705の単列深溝軸受としている。ボス29の外径は、転がり軸受30の内輪30bと嵌合するようにφ25mmに形成されている。また、側板28は、厚さ1.2mmの鋼板であり、図示しない定着装置本体に設けてある。転がり軸受30の外輪30aは、断熱部材27の外側の円筒の内周面に嵌合している。断熱部材27の内側の円筒はボス29内に挿入されており、さらに断熱部材27の内側の円筒内にはヒータ24の端部が挿通されている。なお、上記各部材の寸法は実施の一例であり、本発明はこの実施例に限定されることはない。
【0044】
また、ボス29の外周面にはリング状の弾性体31が配設されている。弾性体31は、定着ローラ21の軸方向にある程度の圧縮されて、転がり軸受30の内輪30bと側板28とに接触するように配設されている。すなわち、この弾性体31によって転がり軸受30は軸方向に位置決めされており、さらに、高温時においては、断熱部材27及び定着ローラ21の軸方向の熱膨張を弾性体31が圧縮変形することで吸収する構成となっている。本実施形態では、弾性体31として、SUS304−WPBによる波形リングを用いているが、耐熱ゴム材によるリングでも構わない。
【0045】
本実施形態では、定着ローラの支持手段を上記の如く構成したことによって、定着装置の側板の小型化と強度確保が実現できる利点がある。例えば、図9に示すように、定着ローラの外周面を転がり軸受の内輪で受けるように構成した場合は、軸受が大径化する上、側板には、転がり軸受の外輪を嵌合するために外輪と同じ大きさの穴が必要となる。このため、側板の強度補強の観点から側板の小型化には限界がある。これに対し、本実施形態では、図2に示すように、側板28には、転がり軸受30の内輪30bの内径と同じ外径のボス29と、ヒータ24を通す穴を設ければよく、側板28の小型化、強度確保の点で有利となる。また、本実施形態では、芯金の肉厚の薄肉化が容易であり、その結果、ウォームアップ時間の短縮化が図れる利点がある。
【0046】
さらに、本発明では、定着ローラ21の内周面と断熱部材27の外周面との間に、リング状の弾性部材40を介在させている。ここでは、弾性部材40として、幅15mm、JIS硬度20度のシリコーンゴムを用いているが、これに限定されない。本実施形態では、弾性部材40は定着ローラ21の端部内周面に嵌合しており、さらに弾性部材40の外周面と定着ローラ21の内周面は接着されている。他方、弾性部材40と断熱部材27は、互いに嵌合されているだけであり、接着はされていない。この場合、弾性部材40と断熱部材27とが軸方向に相対的に移動して互いに分離すると、定着ローラ21が断熱部材27から脱落することが考えられる。そのため、断熱部材27の外周面に弾性部材40の端面と当接するフランジ部27aを設け、弾性部材40の軸方向の移動を規制して定着ローラ21の脱落を防止するようにしている。
【0047】
上記定着ローラ21において、両端側の弾性部材40を配設した領域を「弾性部材の配設領域W」と呼び、弾性部材40同士の間の領域を「弾性部材の相互間領域X」と呼ぶと、加圧ローラ22は、定着ローラ21の弾性部材の配設領域Wと弾性部材の相互間領域Xとの両方の外周面に接触している。言い換えれば、加圧ローラ22は、一端側の弾性部材の配設領域Wから他端側の弾性部材の配設領域Wに渡る定着ローラ21の外周面に接触している。また、本実施形態では、加圧ローラ22の軸方向長さは、定着ローラ21の軸方向長さと略同じ長さに設定されており、各ローラ21,22は互いに軸方向の全域に渡って接触している。
【0048】
図3は、図2に示す弾性部材の配設領域Wにおける定着ローラ21と加圧ローラ22の断面図である。
図3に示すように、加圧ローラ22は上記加圧バネによる付勢力を受けて定着ローラ21と接触しており、その接触した箇所において定着ニップhが形成されている。本実施形態では、定着ローラ21の剛性と弾性部材40のゴム硬度を、加圧ローラ22の弾性層22bのゴム硬度よりも小さく設定している。このため、加圧ローラ22からの押圧力Fによって、定着ローラ21は加圧ローラ22に対して軸方向から見て圧縮変形量δの(記録用紙の搬送方向に)凹状に弾性変形し、弾性部材40も同様に凹状に圧縮変形している。
【0049】
図4は、図2に示す弾性部材の相互間領域Xにおける定着ローラ21と加圧ローラ22の断面図である。
図4においても、加圧ローラ22は上記加圧バネによって定着ローラ21と接触しており、その接触した箇所において定着ニップhfが形成されている。また、定着ローラ21は、加圧ローラ22からの押圧力fを受けることによって、軸方向から見て圧縮変形量δ´の(記録用紙の搬送方向に)凹状に弾性変形している。
【0050】
本発明の定着装置で画像の定着を行う場合は、定着ローラ21内のヒータ24の発熱を開始し、定着ローラ21を加熱する。また、図示しない制御手段が、サーミスタで検知された定着ローラ21の表面温度に基づいて、ヒータ24の発熱のON/OFFを切り換え、定着ローラ21の表面温度が所定の温度となるように制御される。次に、図3又は図4に示すように、加圧ローラ22を図の矢印Aの方向に回転駆動させ、これに伴って定着ローラ21が図の矢印Bの方向に従動回転する。そして、未定着のトナー画像tが転写された記録用紙Pを定着ニップに通過させる。このとき、記録用紙P上のトナーが定着ローラ21からの熱によって溶融し、トナー画像が記録用紙Pに定着される。
【0051】
上記定着ローラ21は弾性変形可能に構成されているため、加圧ローラ22との接触によって定着ニップを記録用紙搬送方向に広く確保することが可能である。このため、ヒータ24からの熱を効果的に記録用紙に与えることができ、定着速度の高速化が図れる。また、定着ローラ21は薄肉に形成されているので、熱容量が小さく、ウォームアップに必要な熱量の低減とウォームアップ時間の短縮が図れる。
【0052】
また、本実施形態では、図3又は図4に示すように、定着ローラ21を加圧ローラ22に対して凹状となるように弾性変形させて、記録用紙Pを加圧ローラ22の表面に沿わせて図の矢印Cの方向に排出するようにしている。これにより、記録用紙Pが定着ローラ21に貼り付く又は巻き付くのを抑制して、定着ローラ21から記録用紙Pを分離するセルフストリップ性を確保している。また、これにより、定着ローラから記録用紙を分離させるための分離爪や分離板等の分離手段を設ける必要がないので、装置の小型化及び低コスト化を図れる。また、定着ローラを凹状に弾性変形させる以外に、定着ローラをフラット状に弾性変形させた場合であっても、記録用紙を定着ローラから分離させやすくすることが可能である。
【0053】
図2に示すように、記録用紙を通過させる通紙領域Lp(記録媒体通過領域)は、弾性部材の相互間領域X内で設定されている。これは、定着ローラ21の表面において弾性部材40を配設した位置と配設しない位置とでは、ヒータ24からの熱伝達率や加圧ローラ22と接触した際の圧力が異なるため、定着に与える影響に差が生じるからである。そこで、通紙領域Lpを弾性部材の配設領域Wを除く領域内(弾性部材の相互間領域X内)で設定することによって、ヒータ24の熱を記録用紙に効率良くかつ均一に与え、加圧ローラ22による圧力を均一に与えることができ、定着ムラのない高品質の画像を提供することができる。
【0054】
また、図2において、ヒータ24の発熱部Lh(発熱長さ)は、通紙領域Lpよりも大きく、かつ、弾性部材の相互間領域Xより小さい範囲に配設されている。このように発熱部Lhの配設領域を設定することにより、断熱部材27および弾性部材40の過剰な温度上昇を抑制できると共に、記録用紙に対する熱供給を効率良く行うことが可能である。
【0055】
以下、図5に基づいて、本発明の定着ローラ、断熱部材、転がり軸受、側板のボスの嵌め合い寸法について説明する。
図5は、定着ローラ21、弾性部材40、断熱部材27、転がり軸受30、側板28のボス29のそれぞれにおける内外径を示しており、定着ローラ21の芯金21aの内径をd4、定着ローラ21の内周面に接着されたリング状の弾性部材40の内径をD4、断熱部材27の外側の円筒の内外径をD3,d3、転がり軸受30の内外径をD2,d2、ボス29の外径をd1としている。
【0056】
まず、転がり軸受30の内径D2とボス29の外径d1との関係について説明する。転がり軸受30とボス29の材質は、それぞれ高炭素クロム軸受鋼SUJ2(JIS G 4805)と冷間圧延鋼板SPCC(JIS G 3141)であり、線膨張率が同じであるため、D2及びd1の高温時における熱膨張による差はほとんどない。また、本実施形態では、転がり軸受30は内輪30bがボス29に固定され、ラジアル加重を受ける構造となることから、D2とd1は中間あるいはしまりばめによる嵌合が望ましい。本実施形態では、組立性を考慮し、中間ばめとしている。
【0057】
次に、断熱部材27の内外径D3,d3について説明する。断熱部材27は、高温時における熱膨張による寸法変化も考慮しなければならない。すなわち、高温時には断熱部材27の熱膨張によって、転がり軸受30の外径d2よりも大きくなるからである。さらに、断熱部材27と転がり軸受30は、高温時に中間あるいはしまりばめとなることが望ましく、また一方、常温時においては、組立性を容易にするため、おのおのが中間もしくはすきまばめにあることが望ましい。そのため、本発明においては、断熱部材27の線膨張係数を1×10-6〜1×10-4[/℃]の範囲、好ましくは5×10-6〜5×10-5[/℃]にすることが望ましい。そこで、本実施例では、先の耐熱性と低熱伝導率を考慮し、線膨張係数が樹脂の流れ方向で2.3×10-5[/℃]である東レ株式会社製のPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、型式A504を採用している。
【0058】
さらに、弾性部材40の内径D4と断熱部材27の嵌合について説明する。断熱部材27の内径D4は、断熱部材27の外径d3よりも小さくなっており、弾性部材40が外径方向に圧縮変形することで断熱部材27と嵌合する。また、断熱部材27には、外側の円筒の外径d3よりも大きい外径T3に設定されたフランジ部27aを有し、このフランジ部27aが弾性部材40の端面と当接することで、定着ローラ21の軸方向に片寄るのを防止している。
【0059】
本実施例における組立分解性について説明する。図6に、本実施例の分解斜視図を示す。まず、側板28のボス29の外径に弾性体31を介して転がり軸受30の内輪を中間ばめにて嵌合固定した側板ブクミ42を形成する。一方、定着ローラ21の内面に接着された弾性部材40を圧縮変形させて、断熱部材27をしまりばめにて嵌合した定着ローラブクミ41を形成する。次に、側板ブクミ42における転がり軸受30の外径と、定着ローラブクミ41における断熱部材27の外側の円筒の内径を中間ばめもしくはすきまばめにて嵌合し、定着装置を形成する。本構造によれば、断熱部材27が嵌合された定着ローラブクミ41が容易に分解できるため、仮に定着ローラ21が表面の傷付きやトナーとの離型性低下などにより寿命になったとしても、定着装置全てを交換することなく、定着ローラブクミ41さえ交換すれば、それ以外の構成部品を再利用することが可能となる。
【0060】
図7に、本発明に係る定着装置の他の実施形態を示す。
上記図2に示す実施形態では、定着ローラ21の両端側の内周面にそれぞれ弾性部材40を接着し、その弾性部材40に断熱部材27を嵌合させているが、図7に示す実施形態では、弾性部材40を、定着ローラ21の内周面に対しては接着せずに嵌合し、断熱部材27の外周面に対しては接着している。この場合、弾性部材40と定着ローラ21は接着されていないので、弾性部材40が定着ローラ21に対して軸方向に相対的に移動して互いに分離すると、定着ローラ21が脱落することが考えられる。そのため、この実施形態では、図7に示すように、断熱部材27の外周面に設けたフランジ部27aを定着ローラ21の端面に当接する位置まで配設し、定着ローラ21の軸方向の移動を規制して脱落するのを防止している。また、図7に示すように、加圧ローラ22は定着ローラ21よりも寸法Gだけ短く形成されている。これにより、定着ローラ21が定着ローラ21の外周面よりも突出したフランジ部27aと干渉するのを回避でき、定着ローラ21を安定して回転駆動させるようにしている。
【0061】
図8に基づいて、図7に示す実施形態における定着ローラ21の内径d4と弾性部材40の外径d3との嵌合について説明する。弾性部材40の外径d3は、定着ローラ21の内径d4よりも大きくなっており、弾性部材40が内径方向に圧縮変形することで断熱部材27が定着ローラ21と嵌合する。また、断熱部材27に設けたフランジ部27aの外径T3は少なくとも定着ローラ21の内径d4よりも大きくなっており、フランジ部27aが定着ローラ21の端面に当接して定着ローラ21の軸方向の片寄りを防止する構成となっている。
【0062】
なお、上記図7及び図8に示す定着装置において、上記説明した構成以外は、図2〜図6に示す定着装置の構成と同様であるので、重複する内容の説明を省略する。
【0063】
以上のように、本発明に係る定着装置は、加圧ローラを、定着ローラの一端側の弾性部材の配設領域から他端側の弾性部材の配設領域に渡って接触させているので、定着ローラの両端における支持箇所を加圧ローラによって受けることができる。これにより、定着ローラの端部における回転モーメントの発生を抑制でき、定着ローラが長手方向(又は軸方向)に渡って撓むのを高度に抑制することができる。このように、本発明によれば、定着ニップの幅や圧力を長手方向に渡って均一にすることができ、定着ローラの回転ムラや画像の定着ムラを防止することが可能となる。
【0064】
また、定着ローラの両端側の内周面を、それぞれ弾性部材を介して支持手段によって支持しているので、定着ローラを両端側においても弾性変形させることが可能である(図3参照)。このため、上記のように、加圧ローラを、定着ローラの一端側の弾性部材の配設領域から他端側の弾性部材の配設領域に渡って接触させても、その接触した箇所全域に渡って定着ローラを弾性変形させることができ、定着ニップを記録用紙搬送方向に広く確保することができる。これにより、ヒータからの熱を記録用紙に効果的に付与することができ、定着速度の高速化を図ることが可能である。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、定着ニップ形成部材としての定着ローラと加圧ローラのうち、定着ローラが弾性筒状体で構成されている場合を例に挙げて本発明の構成を説明したが、2つの定着ニップ形成部材のうち、少なくとも一方が弾性筒状体で構成されている場合において本発明の構成を適用可能である。例えば、定着ニップ形成部材としての加圧ローラが弾性筒状体で構成されている場合、その加圧ローラの両端側の内周面を、それぞれ弾性部材を介して支持手段によって支持することも可能である。また、本発明の定着装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、それ以外の複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等にも搭載することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
20 定着装置
21 定着ローラ(定着ニップ形成部材)
22 加圧ローラ(定着ニップ形成部材)
27 断熱部材
28 側板
29 ボス
30 転がり軸受
40 弾性部材
Lp 通紙領域(記録媒体通過領域)
W 弾性部材の配設領域
X 弾性部材の相互間領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特許第3738615号公報
【特許文献2】特開2001−201969号公報
【特許文献3】特許第4217872号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの定着ニップ形成部のうち、少なくとも一方の定着ニップ形成部材を弾性変形可能な筒状の弾性筒状体で構成し、前記定着ニップ形成部材を互いに接触させて形成した定着ニップに記録媒体を通過させて当該記録媒体上の未定着画像を定着する定着装置において、
前記弾性筒状体の両端側の内周面を、それぞれ弾性部材を介して支持手段によって支持し、
当該弾性筒状体の一端側の前記弾性部材の配設領域から他端側の前記弾性部材の配設領域に渡る外周面に、他方の前記定着ニップ形成部材を接触させたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記弾性部材の相互間領域内で、記録媒体を通過させる記録媒体通過領域を設定した請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記弾性筒状体を内部から加熱する加熱手段の発熱部を、記録媒体を通過させる記録媒体通過領域よりも大きく、かつ、前記弾性部材の相互間領域より小さい範囲に配設した請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記弾性部材を前記弾性筒状体の内周面に嵌合可能なリング状に構成し、
前記支持手段を、前記弾性部材の内周面に嵌合可能な筒状の断熱部材と、側板に設けられると共に前記断熱部材内に挿入可能なボスと、前記断熱部材と前記ボスとの間に介在する転がり軸受とによって構成した請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項5】
前記弾性部材を径方向に圧縮した状態で前記弾性筒状体と前記断熱部材との間に配設した請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記断熱部材の線膨張係数を10-6〜10-4[/℃]とした請求項4又は5に記載の定着装置。
【請求項7】
常温時は前記断熱部材と前記転がり軸受との嵌め合いが中間ばめ又はすきまばめであり、加熱時は前記断熱部材の熱膨張により、中間もしくはしまりばめである請求項4から6のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項8】
前記2つの定着ニップ形成部材のうち、一方のみを前記弾性筒状体で構成した場合、他方の前記定着ニップ形成部材を回転駆動させ、前記一方の定着ニップ形成部材を前記他方の定着ニップ形成部材に対して従動回転させるように構成した請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項9】
前記2つの定着ニップ形成部材が互いに接触した箇所において、軸方向から見て、記録媒体の未定着画像形成面に接触する側に配設された前記定着ニップ形成部材がフラット状又は凹状に変形するように構成した請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−59562(P2011−59562A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211595(P2009−211595)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】