説明

定着装置及び電子写真印刷装置

【課題】定着装置及び電子写真印刷装置において、加熱ローラと被印刷物との分離を適正に行うと共に、分離部材を加熱ローラから適正に退避可能とする。
【解決手段】回転可能な加熱ローラ62と、加熱ローラ62との間で印刷シートSを挟持して回転可能な加圧ローラ63と、加熱ローラ62及び加圧ローラ63より印刷シートSの搬送方向の下流側で各ローラ62,63の周面に付着した印刷シートSを分離する分離装置111と、この分離装置111により各ローラ62,63から分離された印刷シートSの表裏面をガイドするガイド装置112と、分離装置111が各ローラ62,63からから離間して一部をガイド装置112の内部に移動可能な移動機構113とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷物に転写されたトナー画像を加熱して定着する定着装置、並びに、この定着装置が適用された電子写真印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂及び顔料等により構成されたトナーがキャリア内に分散された液体トナーを用いて、感光体に形成された静電潜像に現像し、中間転写体に一次転写し、更に液体トナーを被印刷物の表面に転写し、転写された液体トナー中のトナーを被印刷物に定着させることにより印刷を行う電子写真印刷装置が提案されている。
【0003】
この電子写真印刷装置にて、印刷装置により被印刷物の表面に転写された液体トナー(トナー画像)は、定着装置により加熱されることで定着する。一般的な定着装置としては、加熱ローラと加圧ローラとを有し、印刷済の被印刷物をこの加熱ローラと加圧ローラの間に通過させることで、液体トナーを加熱乾燥して定着させている。ところが、加熱ローラが被印刷物におけるトナー画像の転写面に接触して加熱した後、トナーの粘性などにより被印刷物が加熱ローラに付着して巻き付き、紙詰まりが発生するおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された定着装置は、互いに圧接しながら回転して搬送されてくる記録用紙を挟持しながら加熱する1対の加熱ローラ及び加圧ローラを設けると共に、加熱ローラと加圧ローラの周面に対してそれぞれ選択的に当接して離間する可動式の剥離爪を設けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−225780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の定着装置にあっては、キープソレノイドにより各剥離爪を加熱ローラ及び加圧ローラに接触する位置と離間する位置に移動可能としている。この場合、各剥離爪は、加熱ローラ及び加圧ローラから離間する方向は、この各剥離爪同士が近接する方向となる。そのため、加熱ローラ及び加圧ローラからの各剥離爪の離間距離を十分に確保することができず、記録用紙の搬送に支障をきたしたり、紙詰まり時におけるローラ損傷を適正に防止したりすることが困難となる。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、加熱ローラと被印刷物との分離を適正に行うと共に、分離部材を加熱ローラから適正に退避可能とする定着装置及び電子写真印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の定着装置は、回転可能な加熱ローラと、前記加熱ローラとの間で被印刷物を挟持して回転可能な加圧ローラと、前記加熱ローラ及び前記加圧ローラより前記被印刷物の搬送方向の下流側で少なくとも前記加熱ローラの周面に付着した前記被印刷物を分離する分離部材と、前記分離部材により前記加熱ローラから分離された前記被印刷物の表裏面をガイドするガイド部材と、前記分離部材が前記加熱ローラから離間して一部を前記ガイド部材の内部に移動可能な移動機構と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
従って、分離部材は、移動機構により加熱ローラから離間してその一部がガイド部材の内部に移動可能であることから、例えば、加熱ローラの周面と分離部材との間に被印刷物が詰まったときには、この分離部材が加熱ローラから十分な距離だけ適正に退避することができる。その結果、加熱ローラと被印刷物との分離を適正に行うことができると共に、分離部材を加熱ローラから適正に退避することで詰まった被印刷物による加熱ローラの損傷を防止することができる。
【0010】
本発明の定着装置では、前記ガイド部材は、前記被印刷物の表面をガイドする第1ガイド板と、前記被印刷物の裏面をガイドする第2ガイド板とを有し、前記第1ガイド板及び前記第2ガイド板は、前記分離部材との対向部が前記被印刷物の厚さ方向に広がっていることを特徴としている。
【0011】
従って、ガイド部材が第1ガイド板と第2ガイド板とからなり、分離部材との対向部が広がっていることから、移動機構により分離部材が加熱ローラから離間したとき、分離部材の一部がこのガイド部材の内部に適正に入り込んで分離部材の退避量を十分に確保することができる。
【0012】
本発明の定着装置では、前記分離部材は、前記加熱ローラとの対向位置に対して前記加熱ローラの径方向における反対側の位置で回動自在に支持され、第1付勢部材により前記加熱ローラに接触する方向に向けて付勢支持されると共に、前記加熱ローラの周面から所定距離だけ離間した位置に位置決め保持されることを特徴としている。
【0013】
従って、分離部材は、加熱ローラの径方向における反対側で回動自在に支持されていることから、被印刷物の搬送方向の下流側に退避することができ、分離部材の退避量を大きく確保することができる。
【0014】
本発明の定着装置では、前記分離部材は、前記加熱ローラの周面に付着した前記被印刷物を分離する分離板と、該分離板により前記加熱ローラから分離された前記被印刷物を前記ガイド部材までガイドするガイド板を有し、前記移動機構は、前記分離板が前記加熱ローラから離間して前記ガイド板が前記ガイド部材の内部に移動可能であることを特徴としている。
【0015】
従って、分離部材を分離板とガイド板とから構成することで、それぞれの機能に合わせた形状に設計することが可能となり、性能を向上することができる。
【0016】
本発明の定着装置では、前記ガイド板は、前記被印刷物の搬送方向の上流側の端部が前記分離板に回動自在に支持され、第2付勢部材により前記被印刷物の搬送方向の下流側の端部が前記被印刷物の搬送経路方向から離間する方向に向けて付勢支持されると共に、前記被印刷物の搬送方向と平行な位置に位置決め保持され、前記被印刷物の搬送方向の下流側の端部が前記ガイド部材の内部に移動したとき、該ガイド部材との接触により前記被印刷物の搬送経路に接近する方向に回動可能であることを特徴としている。
【0017】
従って、分離板が加熱ローラから退避し、ガイド板がガイド部材の内部に移動したとき、ガイド部材との接触により回動することで、分離部材の退避量を大きく確保することができる。
【0018】
本発明の定着装置では、前記ガイド部材は、前記被印刷物を挟持して搬送可能な一対の搬送ローラを有することを特徴としている。
【0019】
従って、分離部材により加熱ローラから分離した被印刷物を搬送ローラにより適正に搬送することができる。
【0020】
本発明の定着装置では、前記分離部材は、前記被印刷物の搬送経路を挟んで前記加熱ローラ側と前記加圧ローラ側の両方に設けられることを特徴としている。
【0021】
従って、分離部材を加熱ローラ及び加圧ローラに対して設けることで、被印刷物の厚さや強度などの品質に拘わらず、各ローラに対する付着を抑制することが可能となる。
【0022】
また、本発明の電子写真印刷装置は、被印刷物を1枚ずつ供給可能な給紙装置と、該給紙装置から供給された前記被印刷物に対して液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写する印刷装置と、前記被印刷物に転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着装置と、該定着装置によりトナー画像が定着された前記被印刷物を排紙する排紙装置と、を備える電子写真印刷装置において、前記定着装置は、回転可能な加熱ローラと、前記加熱ローラとの間で前記被印刷物を挟持して回転可能な加圧ローラと、前記加熱ローラ及び前記加圧ローラより前記被印刷物の搬送方向の下流側で少なくとも前記加熱ローラの周面に付着した前記被印刷物を分離する分離部材と、前記分離部材により前記加熱ローラから分離された前記被印刷物の表裏面をガイドするガイド部材と、前記分離部材が前記加熱ローラから離間して一部が前記ガイド部材の内部に移動可能な移動機構と、を有することを特徴とするものである。
【0023】
従って、定着装置にて、分離部材が移動機構により加熱ローラから離間してその一部がガイド部材の内部に移動可能であることから、例えば、加熱ローラの周面と分離部材との間に被印刷物が詰まったときには、この分離部材が加熱ローラから十分な距離だけ適正に退避することができる。その結果、加熱ローラと被印刷物との分離を適正に行うことができると共に、分離部材を加熱ローラから適正に退避することで詰まった被印刷物による加熱ローラの損傷を防止することができ、印刷品質の低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の定着装置及び電子写真印刷装置によれば、例えば、加熱ローラの周面と分離部材との間に被印刷物が詰まったときには、この分離部材が加熱ローラから十分な距離だけ適正に退避することとなり、加熱ローラと被印刷物との分離を適正に行うことができると共に、分離部材を加熱ローラから適正に退避することで詰まった被印刷物による加熱ローラの損傷を防止することができ、印刷品質の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る電子写真印刷装置を表す概略図である。
【図2】図2は、本実施例の印刷装置を表す概略図である。
【図3】図3は、本実施例の印刷ユニットを表す概略図である。
【図4】図4は、本実施例の定着装置を表す概略図である。
【図5】図5は、本実施例の定着装置における定着部を表す概略図である。
【図6】図6は、本実施例の定着装置における上部分離部材を表す斜視図である。
【図7】図7は、本実施例の定着装置における分離装置の作動を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る定着装置及び電子写真印刷装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明の一実施例に係る電子写真印刷装置を表す概略図、図2は、本実施例の印刷装置を表す概略図、図3は、本実施例の印刷ユニットを表す概略図、図4は、本実施例の定着装置を表す概略図、図5は、本実施例の定着装置における定着部を表す概略図、図6は、本実施例の定着装置における上部分離部材を表す斜視図、図7は、本実施例の定着装置における分離装置の作動を表す概略図である。
【0028】
本実施例において、図1に示すように、電子写真印刷装置10は、液体現像電子写真方式の両面及び片面印刷機であって、給紙装置11、印刷装置12、定着装置13、搬送装置14、排紙装置15とから構成されている。
【0029】
給紙装置11は、上下一対の給紙ユニット11a,11bを有しており、この各給紙ユニット11a,11bは、それぞれ給紙台21a,21bと、給紙機構としてのセパレータ装置22a,22bとを有している。給紙台21a,21bは、印刷シート(被印刷物)Sを上下に積み重ねて載置するものであり、セパレータ装置22a,22bは、給紙台21a,21b上に積み重ねられた多数の印刷シートSを上から順に1枚ずつ吸着して前方へ送り出すものである。この場合、給紙台21a,21bは、セパレータ装置22a,22bが印刷シートSとほぼ一定の高さの位置関係を維持できるように、印刷シートSの供給に対応して上下に移動可能となっている。
【0030】
印刷装置12は、K(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)のプロセスカラー印刷を行うことが可能となっている。この場合、印刷装置12は、図1及び図2に示すように、給紙装置11から供給された印刷シートSに対して、液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写するものである。即ち、この印刷装置12は、バックアップローラ(2次転写体)31と、中間転写体(1次転写体)32と、各色に対応した4つの印刷ユニット33,34,35,36とを有している。
【0031】
バックアップローラ31と中間転写体32は、同じ外径(周長)を有するローラであり、対接した状態で矢印方向に同期駆動可能となっており、この対接部分に所定の圧力に設定されたニップ部(転写位置)が設定されている。このバックアップローラ31は、外周部に周方向に等間隔でグリッパ31aが設けられている。このグリッパ31aは、給紙装置11から供給された印刷シートSの先端部を把持することができ、バックアップローラ31が回転することで、把持した印刷シートSをニップ部に導くことができる。一方、中間転写体32は、外周面に、例えば、ウレタン系導電性ゴムからなるブランケットが装着されて構成されており、電圧制御または電流制御のバイアスが印加されている。
【0032】
バックアップローラ31は、中間転写体32に対して、上述したニップ部にて、所定の圧力、例えば、1〜13kg/cm程度で圧力を加えるように配設されている。そのため、印刷シートSは、バックアップローラ31により搬送されるとき、中間転写体32との間に形成されたニップ部を通過するとき、所定のニップ圧が付与される。また、バックアップローラ31は、例えば、−1000V程度の転写バイアス(電圧制御の場合)が印加されている。そのため、バックアップローラ31のバイアス電圧(約−1000V)と、中間転写体32のバイアス電圧との差により、後述する液体トナーをバックアップローラ31側へ吸引する力を与え、中間転写体32から印刷シートSへの液体トナーの静電転写を促進することができる。
【0033】
各印刷ユニット33,34,35,36は、中間転写体32の周囲にその回転方向に沿って並設されており、使用する液体トナーの色が異なるだけで、その構成は同様のものとなっている。そのため、以下では、印刷ユニット33について詳細に説明する。
【0034】
印刷ユニット33は、図2及び図3に示すように、図示しない制御装置から送信された画像データに基づいて、感光ドラム41上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対応する位置に液体トナーを供給し、感光ドラム41に形成された液体トナーの画像を中間転写体32に転写するものである。
【0035】
ここで、液体トナーは、熱可塑性素材樹脂と顔料などにより形成される粒子状のトナーが液体状のキャリア中に分散されて配合されたものであり、ここでは、キャリアとして、石油系の溶剤(例えば、非極性、パラフィン系溶剤として、ミネラルオイルなど)に、平均粒径1〜2μm程度の粒子状のトナーが重量比で10〜40パーセント程度含有されたものを液体トナーとして用いている。また、トナー粘度は10〜120cp(センチポワーズ)であり、特に80cp以下であるものが好適である。
【0036】
この印刷ユニット33は、感光ドラム(感光体)41、クリーニングユニット42、除電器43、帯電装置44、露光装置45、現像装置46を有して構成されている。感光ドラム41は、周面にアモルファスシリコン(a−Si)や感光性ポリマー(有機感光体)等の感光剤を含んで形成された感光層が形成されている。この感光ドラム41は、中間転写体32との間でニップ部をもって対接しており、感光ドラム41上の液体トナーを中間転写体32側に転写可能となっている。
【0037】
感光ドラム41は、その周囲にこの感光ドラム41の回転方向に沿ってその上流側から、クリーニングユニット42、除電器43、帯電装置44、露光装置45、現像装置46がそれぞれ順に感光ドラム41の表面に形成される感光層に対向して配設されている。
【0038】
クリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを有して構成されており、感光ドラム41の周面に残存している液体トナーを除去して図示しないトナー回収路に排出することができる。即ち、クリーニングブレード42aは、弾性材料で形成された矩形状の板体であり、先端部が感光ドラム41の周面に接触するように支持されており、感光ドラム41の周面の液体トナーを掻き取ることができる。
【0039】
除電器43は、感光ドラム41の感光層に残留する電荷を消去する機能を有している。帯電装置44は、コロトロン型あるいはスコロトロン型等の非接触型放電方式の帯電器が、感光ドラム41の周方向に沿って複数配設されて構成されており、感光ドラム41の感光層を一様に、例えば、500V程度に帯電させる機能を有している。
【0040】
露光装置45は、感光ドラム41の軸方向に沿って発光体(例えば、LED)を棒状に配列した発光装置(LEDアレイ)により構成されており、制御装置から送られてくる画像データに基づいて、各LEDを発光させるようになっている。即ち、帯電装置44により一様に帯電されている感光ドラム41の感光層の表面に露光装置45からの光が照射されることで、光の照射部分では感光層の帯電が解除され、感光層に画像データに基づいた静電潜像を形成することができる。なお、発光装置としては、LEDアレイの代わりに、画像データに基づいて半導体レーザー等を走査して静電潜像を形成するように構成してもよい。
【0041】
現像装置46は、トナー貯留部51、アニロックスローラ52、均しローラ53、現像ローラ54、トナー帯電器55、トナー回収ユニット56,57を有して構成されており、感光ドラム41の静電潜像が形成された部分に液体トナーを転写可能となっている。
【0042】
トナー貯留部51には、液体トナーが貯留されており、アニロックスローラ52の一部が液体トナーに浸されるように、液体トナーが供給、排出可能となっている。このアニロックスローラ52は、例えば、金属製のローラであって、その周面に液体トナーを所望の膜厚で供給するのに適した凹部(セル)が全面にわたって形成されている。このアニロックスローラ52は、感光ドラム41と共に回転駆動可能である。
【0043】
均しローラ53は、例えば、導電性ゴム(ウレタンゴム)で形成されており、アニロックスローラ52と現像ローラ54との間に配設され、周面がこのアニロックスローラ52及び現像ローラ54に接している。また、均しローラ53は、アニロックスローラ52との接点において互いの周面が同じ方向に進む向きに回転可能となっている。
【0044】
現像ローラ54は、例えば、導電性ゴムで形成されており、感光ドラム41と接してニップ部を形成するように配設されており、感光ドラム41の周面と現像ローラ54の周面とが同じ方向に進む向きに回転可能となっている。更に、現像ローラ54は、周面の速度が感光ドラム41の周面の速度と同じ速度に設定されている。また、トナー帯電器55は、現像ローラ54上の液体トナーを一様に帯電させる機能を有している。
【0045】
従って、導電性を有する現像ローラ54と感光ドラム41とがニップ部で接することにより、現像ローラ54の周面から感光ドラム41の静電潜像が形成された部分へ帯電したトナーを含む液体トナーが転写され、現像が行われる。そして、現像された感光ドラム41の周面上の液体トナーは、ニップ部にて中間転写体32に転写され、この中間転写体32の周面にトナーによる画像を含んだ液体トナー層(トナー画像)を形成することができる。
【0046】
トナー回収ユニット56は、現像ローラ54の周面に残留した液体トナーを除去して回収することができる。また、トナー回収ユニット57は、均しローラ53の周面に残留した液体トナーを除去して回収することができる。このトナー回収ユニット56,57は、両者はほぼ同様の構成をなし、ブレードにより均しローラ53や現像ローラ54の表面から剥離した残留トナーを、所定の位置まで搬送して回収するものである。
【0047】
なお、本実施例では、アニロックスローラ52をトナー供給ローラとし、均しローラ53をトナー搬送ローラとして説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、均しローラ53をなくし、アニロックスローラ52を直接現像ローラ54に対接させてもよく、この場合、現像ローラ54がトナー搬送ローラとして機能する。また、アニロックスローラ52と直接現像ローラ54との間に均しローラ53だけでなく、複数のローラ(トナー搬送ローラ)を介在させてもよい。
【0048】
また、図4に示すように、定着装置13は、定着部61と反り矯正部(デカーラ)71とから構成されている。定着部61は、印刷シートSに転写されたトナー画像を加熱し、この印刷シートSの上面に転写された液体トナー層(トナー画像)を定着するものである。反り矯正部71は、定着部61で上面が加熱されることで反った(カールした)印刷シートSの反りを矯正するものである。
【0049】
定着装置13において、図4に示すように、後述する印刷シートSの第2シート搬送経路S2に対して、定着部61と反り矯正部71が印刷シートSの搬送方向に所定距離をあけて配置されており、両者の間で、第2シート搬送経路S2は上方に湾曲した経路となっている。
【0050】
定着部61は、加熱ローラ62と、加圧ローラ63と、テンションローラ64と、定着ベルト(搬送ベルト)65とから構成されている。加熱ローラ62は、内部に加熱源としての電気ヒータ66が装着され、フレーム(図示略)に回転自在に支持されている。加圧ローラ63は、外周面にゴム(ブランケット)などの弾性部材が装着され、加熱ローラ62の下方でフレームに回転自在に支持されると共に、図示しない駆動モータにより駆動回転可能となっている。テンションローラ64は、加圧ローラ63より印刷シートSの搬送方向の上流側でフレームに回転自在に支持されると共に、テンション部材(ばね)67により加圧ローラ63から離間する方向に付勢支持されている。定着ベルト65は、無端のベルトであって、加圧ローラ63とテンションローラ64との間に掛け回されており、このテンションローラ64によりテンションが付与されている。
【0051】
従って、駆動モータにより加圧ローラ63を駆動回転すると、加圧ローラ63とテンションローラ64との間に掛け回された定着ベルト65が移動する。この場合、加熱ローラ62と加圧ローラ63は、定着ベルト65を介して加圧状態にあることから、加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)は、印刷シートSを挟持して搬送することができる。そして、このとき、加熱状態にある加熱ローラ62は、印刷シートSの上面、つまり、液体トナー層(トナー画像)を加熱することで、印刷シートSにトナー画像を定着することができる。
【0052】
反り矯正部71は、加熱ローラ72と、加圧ローラ73とから構成されている。加熱ローラ72は、内部に加熱源としての電気ヒータ74が装着され、フレーム(図示略)に回転自在に支持されている。加圧ローラ73は、外周面にゴム(ブランケット)などの弾性部材が装着され、加熱ローラ72の上方でフレームに回転自在に支持されると共に、図示しない駆動モータにより駆動回転可能となっている。
【0053】
従って、駆動モータにより加圧ローラ73を駆動回転すると、加熱ローラ72と加圧ローラ73は、加圧状態にあることから、この加熱ローラ72と加圧ローラ73は、印刷シートSを挟持して搬送することができる。そして、このとき、加熱状態にある加熱ローラ72は、印刷シートSの下面、つまり、定着部61で加熱された上面と反対側の下面を加熱することで、印刷シートSの反りを矯正することができる。
【0054】
定着装置13は、定着部61と反り矯正部71に対して、印刷シートSの搬送方向の下流側に位置して加熱ローラ62,72の周面に付着した印刷シートSを分離する分離装置111,161と、この分離装置111,161により加熱ローラ62,72から分離された印刷シートSの表裏面をガイドするガイド装置112,162と、分離装置111,161における後述する分離部材が加熱ローラ62,72から離間してその一部をガイド装置112,162における後述するガイド部材の内部に移動可能な移動機構113,163を有している。
【0055】
定着部61にて、図5及び図6に示すように、加熱ローラ62及び加圧ローラ63より印刷シートSの搬送方向の下流側にて、第2シート搬送経路S2の上方に上部ブラケット121aが配置され、その下方に下部ブラケット121bが配置されている。各ブラケット121a,121bは、中間部が屈曲したくの字形状をなし、上端部及び下端部が支持軸122a,122bによりフレームに回動自在に支持されている。即ち、上部ブラケット121aは、上端部が加熱ローラ62の上方で支持軸122aにより回動自在に支持され、下端部が加熱ローラ62と加圧ローラ63の対接位置の近傍に位置している。一方、下部ブラケット121bは、下端部が加圧ローラ63の下方で支持軸122bにより回動自在に支持され、上端部が加熱ローラ62と加圧ローラ63の対接位置の近傍に位置している。
【0056】
そして、上部ブラケット121aは、下端部に上部分離部材123aが装着され、下部ブラケット121bは、上端部に下部分離部材123bが装着されている。この各分離部材123a,123bは、加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に付着した印刷シートSを分離する分離板124a,124bと、この分離板124a,124bにより加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)から分離された印刷シートSをガイド装置112までガイドするガイド板125a,125bを有している。
【0057】
即ち、上部ブラケット121aは、下端部に断面がL字形状をなす分離板取付ブラケット126aが固定され、この分離板取付ブラケット126aの下面に上部分離板124aが固定されている。また、上部ブラケット121aは、下端部に分離板取付ブラケット126aより紙流れ方向下流側に隣接して同じく断面がL字形状をなすガイド板取付ブラケット127aが支持軸128aにより上下に回動自在に支持され、このガイド板取付ブラケット127aの下面に上部ガイド板125aが固定されている。
【0058】
一方、下部ブラケット121bは、上端部に断面がL字形状をなす分離板取付ブラケット126bが固定され、この分離板取付ブラケット126bの上面に下部分離板124bが固定されている。また、下部ブラケット121bは、上端部に分離板取付ブラケット126bより紙流れ方向下流側に隣接して同じく断面がL字形状をなすガイド板取付ブラケット127bが支持軸128bにより上下に回動自在に支持され、このガイド板取付ブラケット127bの上面に下部ガイド板125bが固定されている。
【0059】
この場合、上部分離板124aと下部分離板124bとは、第2シート搬送経路S2を挟んで上下に対向し、且つ、略平行をなして配置されている。そして、各分離板124a,124bは、先端部に印刷シートSとの摩擦抵抗を軽減するため、フッ素樹脂テープが貼り付けられている。また、上部ガイド板125aと下部ガイド板125bとも、第2シート搬送経路S2を挟んで上下に対向し、且つ、略平行をなして配置されている。そして、各ガイド板125a,125bは、対向面に印刷シートSとの摩擦抵抗を軽減するため、フッ素樹脂テープが貼り付けられている。但し、上部分離板124aと下部分離板124bとの間隔は、上部ガイド板125aと下部ガイド板125bとの間隔より狭い間隔に設定されている。
【0060】
また、上部ブラケット121aは、第1付勢部材としての引っ張りばね129aにより支持軸122aを支点として、図5にて時計周り方向に付勢されている。そして、上部ブラケット121aは、一体に固定されたストッパピン130aがフレームに固定されたストッパ131aに当接した位置に位置決め支持されている。一方、下部ブラケット121bは、第1付勢部材としての引っ張りばね129bにより支持軸122bを支点として、図5にて反時計周り方向に付勢されている。そして、下部ブラケット121bは、一体に固定されたストッパピン130bがフレームに固定されたストッパ131bに当接した位置に位置決め支持されている。なお、各ブラケット121a,121bは、ストッパ132a,132bにより引っ張りばね129a,129bの付勢力に抗した回動量が規制されている。
【0061】
各ブラケット121a,121bが各引っ張りばね129a,129bにより付勢され、各ストッパピン130a,130bが各ストッパ131a,131bに当接した位置は、各分離板124a,124bの先端が加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から所定距離だけ離間した位置である。そのため、各分離板124a,124bは、この位置に位置決め保持されることで、加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に付着した印刷シートSを分離することができる。
【0062】
そして、各分離板124a,124bは、これを支持する各ブラケット121a,121bが、加熱ローラ62と加圧ローラ63との対向位置に対して加熱ローラ62と加圧ローラ63の径方向における反対側に位置で支持軸122a,122bにより回動自在に支持されている。そのため、各分離板124a,124bは、各引っ張りばね129a,129bの付勢力に抗し、第2シート搬送経路S2に沿って加熱ローラ62と加圧ローラ63の周面から離間することができる。
【0063】
また、上部ガイド板125aは、第2付勢部材としての引っ張りばね133aにより支持軸128aを支点として、印刷シートSの搬送方向の下流側の端部が第2シート搬送経路S2から離間する方向、つまり、図5にて反時計周り方向に付勢されている。そして、上部ガイド板125aは、ガイド板取付ブラケット127aが上部ブラケット121aの端面に当接した位置に位置決め支持されている。一方、下部ガイド板125bは、第2付勢部材としての引っ張りばね133bにより支持軸128bを支点として、印刷シートSの搬送方向の下流側の端部が第2シート搬送経路S2から離間する方向、つまり、図5にて時計周り方向に付勢されている。そして、下部ガイド板125bは、ガイド板取付ブラケット127bが下部ブラケット121bの端面に当接した位置に位置決め支持されている。
【0064】
従って、上部ブラケット121aが支持軸122aを支点として反時計周り方向に回動し、下部ブラケット121bが支持軸122bを支点として時計周り方向に回動すると、各分離板124a,124bが加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から離間する方向に移動する。このとき、各ガイド板125a,125bは、各分離板124a,124bと共に各ブラケット121a,121bに支持されていることから、同方向に移動する。
【0065】
分離装置111より印刷シートSの搬送方向の下流側に位置してガイド装置112が配置されている。このガイド装置112を構成するガイド部材141は、印刷シートSの表面(上面)をガイドする上部ガイド板(第1ガイド板)142aと、印刷シートSの裏面(下面)をガイドする下部ガイド板(第2ガイド板)142bとから構成されている。この各ガイド板142a,142bは、各分離部材123a,123bとの対向部が印刷シートSの厚さ方向(上下方向)に広がっている。
【0066】
即ち、上部ガイド板142aは、幅方向の端部がフレームに固定されており、第2シート搬送経路S2と略平行に配置されると共に、上部ガイド板125a側の端部がこの上部ガイド板125aより上方に屈曲して傾斜部143aが形成されている。一方、下部ガイド板142bは、幅方向の端部がフレームに固定されており、第2シート搬送経路S2と略平行に配置されると共に、下部ガイド板125b側の端部がこの下部ガイド板125bより下方に屈曲して傾斜部143bが形成されている。
【0067】
この各ガイド板142a,142bは、平行に対向する位置に孔(図示略)が形成されており、一部がこの孔に侵入して対接する上下一対の搬送ローラ144a,144bが配置されている。この場合、下方の搬送ローラ144bは、図示しない駆動モータにより駆動回転可能であり、上方の搬送ローラ144aは、付勢ばね145により下方の搬送ローラ144bに押圧するように対接することで連れ回り可能となっている。従って、上部ガイド板142aと下部ガイド板142bとの間に搬送された印刷シートSは、この各ガイド板142a,142bに支持されながら、搬送ローラ144a,144bに挟持されて搬送されることとなる。
【0068】
この場合、分離装置111における上下のガイド板125a,125bの端部は、ガイド装置112における上下のガイド板142a,142bの傾斜部143a,143bと対向しており、且つ、内部に侵入可能となっている。即ち、分離装置111における各ブラケット121a,121bが回動し、各分離板124a,124bが加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から離間し、各ガイド板125a,125bと共にガイド装置112側に移動する。このとき、図7に示すように、各ガイド板125a,125bの端部が上下のガイド板142a,142bの傾斜部143a,143bの内側に接触する。すると、上部ガイド板125aは、引っ張りばね133aの付勢力に抗して、図7にて時計周り方向に回動し、下部ガイド板125bは、引っ張りばね133bの付勢力に抗して、図7にて反時計周り方向に回動する。
【0069】
移動機構113は、各分離板124a,124bが加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)から離間して各ガイド板125a,125bがガイド部材141(ガイド板142a,142b)の内部に移動可能とし、且つ、各ガイド板125a,125bにおける印刷シートSの搬送方向の下流側の端部がガイド部材141(ガイド板142a,142b)の内部に移動したとき、このガイド部材141との接触により第2シート搬送経路S2に接近する方向に回動可能とするものである。そのため、本実施例では、支持軸122a,122b、引っ張りばね129a,129b、支持軸128a,128b、引っ張りばね133a,133bなどにより構成される。
【0070】
なお、ここでは、定着部61における分離装置111、ガイド装置112、移動機構113について説明したが、反り矯正部71に設けられた分離装置161、ガイド装置162、移動機構163もほぼ同様の構成をなしていることから、ここでの説明は省略する。
【0071】
従って、図4に示すように、印刷シートSが、定着部61に搬送されると、この印刷シートSは、加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)との間に挟持されながら搬送され、このとき、印刷シートSは、加熱ローラ62により上面の液体トナー層(トナー画像)が加熱されることで、印刷シートSにトナー画像を定着することができる。そして、定着部61でトナー画像が定着される印刷シートSは、ガイド装置112により反り矯正部71に搬送される。印刷シートSが、反り矯正部71に搬送されると、この印刷シートSは、加熱ローラ72により下面が加熱されることで、印刷シートSの反りを矯正することができる。
【0072】
また、図5に示すように、定着部61の分離装置111にて、上下の各分離板124a,124bの先端が加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に接近した位置に位置決めされていることから、印刷シートSが加熱ローラ62の周面や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に付着した場合であっても、各分離板124a,124bの先端部が加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面と印刷シートSとの間に入り込んで、加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に付着した印刷シートSを分離することができる。
【0073】
そして、図7に示すように、加熱ローラ62の周面や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に印刷シートSが付着し、各分離板124a,124bにより加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から印刷シートSを分離することができないことがあり、この場合、印刷シートSが加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面と各分離板124a,124bとの間に入り込んで紙詰まり状態となる。このとき、詰まった印刷シートSにより分離板124a,124bが押圧され、ブラケット121a,121bが引っ張りばね129a,129bの付勢力に抗して回動し、分離板124a,124bが第2シート搬送経路S2に沿って加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から離間することができる。また、このとき、各ガイド板125a,125bは、ガイド装置112の上下のガイド板142a,142bの傾斜部143a,143bの内側に接触し、引っ張りばね133a,133bの付勢力に抗して、回動することができる。
【0074】
ところで、図1に示すように、上述した給紙装置11と印刷装置12との間には、印刷シートSの第1シート搬送経路S1が設けられている。この第1シート搬送経路S1は、基端部側が2つに分岐して各給紙ユニット11a,11bに接続されており、先端部側がバックアップローラ31と中間転写体32とのニップ部に接続されている。そして、第1シート搬送経路S1は、給紙装置11から印刷装置12までの間に、駆動可能な上下一対の搬送ローラ81が所定間隔で複数設けられている。この場合、各搬送ローラ81の間隔は、印刷シートSにおける搬送方向の長さより短い間隔であり、少なくとも2組の搬送ローラ81が印刷シートSを保持して搬送可能となっている。
【0075】
また、印刷装置12と定着装置13と排紙装置15との間には、印刷シートSの第2シート搬送経路S2が設けられており、この第2シート搬送経路S2に搬送装置14が設けられている。この第2シート搬送経路S2は、基端部側が印刷装置12に接続され、先端部側が定着装置13及び搬送装置14を介して排紙装置15に接続されている。そして、第2シート搬送経路S2は、定着装置13から排紙装置15までの間に、駆動可能な上下一対の搬送ローラ82が所定間隔で複数設けられている。この場合、各搬送ローラ82の間隔は、各搬送ローラ81と同様に、印刷シートSにおける搬送方向の長さより短い間隔であり、少なくとも2組の搬送ローラ82が印刷シートSを保持して搬送可能となっている。
【0076】
この第1シート搬送経路S1と第2シート搬送経路S2における搬送装置14の手前との間には、印刷シートSの表裏を反転させる反転装置91が設けられている。この反転装置91は、スイッチ機構92と、シート切替経路93と、搬送ローラ94と、シート反転経路95と、スイッチバックローラ96と、シート戻し経路97と、搬送ローラ98とを有している。この反転装置91は、両面印刷時に使用するものである。
【0077】
スイッチ機構92は、第2シート搬送経路S2を搬送される印刷シートSを搬送装置14またはシート切替経路93へ切替搬送するものであり、搬送ローラ94はシート切替経路93に供給された印刷シートSをシート反転経路95に供給することができる。このシート反転経路95は、印刷シートSを反転させるものであり、スイッチバックローラ96は、正転及び逆転可能であり、シート切替経路93に供給された印刷シートSをシート反転経路95に導き、その後、シート戻し経路97に供給することができる。このシート戻し経路97に供給された印刷シートSは、搬送ローラ98により第1シート搬送経路S1に戻されて再び印刷装置12に供給される。
【0078】
搬送装置14は、第2シート搬送経路S2を搬送中の印刷済の印刷シートSを排紙装置15まで搬送するものであり、循環可能なベルト部材により印刷シートSの下面を支持して水平搬送可能となっている。
【0079】
排紙装置15は、排紙台101と、前後方向位置調整部材102,103と、左右方向位置調整部材104とを有している。即ち、印刷済の印刷シートSが第2シート搬送経路S2に沿って搬送されるとき、搬送装置14は、保持した印刷シートSを排紙装置15の上方で解除して排紙する。このとき、前方向位置調整部材102が作動して印刷シートSの前方位置を位置決めすると共に、後方向位置調整部材103が印刷シートSの後方位置を位置決めする。また、左右方向位置調整部材104が印刷シートSの左右位置を位置決めする。
【0080】
以下、このように構成された本実施例の電子写真印刷装置10による印刷作業について説明する。
【0081】
本実施例の電子写真印刷装置10において、図1に示すように、給紙装置11では、2つの給紙ユニット11a,11bのうちの一方が作動し、印刷シートSを1枚ずつ送り出す。この給紙装置11から送り出された印刷シートSは、第1シート搬送経路S1にて、複数の搬送ローラ81により印刷装置12まで搬送される。印刷装置12にて、バックアップローラ31は、グリッパ31aの開放状態で印刷シートSの先端部を受け入れ、このグリッパ31aを閉止することで印刷シートSの先端部を把持し、回転することで保持した印刷シートSを搬送する。
【0082】
一方、中間転写体32では、図2に示すように、各印刷ユニット33,34,35,36により、印刷シートSの第1面に転写されるべき静電画像が形成された各感光ドラム41の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーが転写され、各感光ドラム41上に画像が現像され、この各感光ドラム41の周面に転写された液体トナーが中間転写体32に転写される。
【0083】
即ち、図3に示すように、トナー貯留部51の液体トナーは、アニロックスローラ52の回転に伴って持ち上げられ、このアニロックスローラ52から均しローラ53に供給され、この均しローラ53から現像ローラ54に搬送され、この現像ローラ54の液体トナーがトナー帯電器55により帯電され、現像ローラ54が感光ドラム41に接することにより、この現像ローラ54の周面から感光ドラム41の静電潜像が形成された部分へ帯電したトナーを含む液体トナーが転写され、現像が行われる。そして、現像された感光ドラム41の周面上の液体トナーは、中間転写体32に転写され、この中間転写体32の周面にトナーによる画像を含んだ液体トナー層(トナー画像)を形成することができる。
【0084】
その後、バックアップローラ31に保持された印刷シートSが、中間転写体32とのニップ部に至ると、ここで、中間転写体32の周面から印刷シートSにおける中間転写体32と接する側の面(第1面)に対して液体トナー(トナー画像)が転写される。
【0085】
そして、第1面に液体トナーが転写された印刷シートSは、定着装置13に搬送され、印刷シートSの上面(第1面)が加熱されることで、この第1面に転写されている液体トナー層(トナー画像)が定着される。
【0086】
即ち、図4に示すように、印刷シートSは、定着装置13の定着部61に搬送されると、加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)との間に挟持されながら搬送され、このとき、加熱ローラ62により上面の液体トナー層(トナー画像)が加熱されることで、印刷シートSの上面にトナー画像が定着される。そして、定着部61でトナー画像が定着された印刷シートSは、ガイド装置112により反り矯正部71に搬送される。印刷シートSは、反り矯正部71にて加熱ローラ72により下面が加熱されることで、反りが矯正される。
【0087】
また、印刷シートSは、定着部61にて、その上面が加熱ローラ62により加熱されて液体トナー層が定着することから、加熱ローラ62の周面に付着しやすい。また、印刷シートSが薄紙であると、定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面にも付着しやすい。しかし、本実施例では、定着部61に分離装置111が設けられている。そのため、上部分離板124aは、先端が加熱ローラ62の周面と印刷シートSの上面との間に入り込み、加熱ローラ62の周面から印刷シートSを分離する。また、下部分離板124bは、先端が及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面と印刷シートSの下面との間に入り込み、定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から印刷シートSを分離する。
【0088】
但し、加熱ローラ62の周面と印刷シートSとの間の付着力、また、定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面と印刷シートSとの間の付着力が強い場合には、各分離板124a,124bは、各ローラ62,63の周面から印刷シートSを分離することが困難となる。この場合、印刷シートSは、加熱ローラ62の周面と上部分離板124aとの間、または、定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面と下部分離板124bとの間に入り込んで紙詰まりを発生させてしまう。しかし、本実施例では、定着部61に移動機構113が設けられている。そのため、加熱ローラ62と上部分離板124aとの間や定着ベルト65(加圧ローラ63)と下部分離板124bとの間に入り込んだ印刷シートSにより、各分離板124a,124bが押圧され、ブラケット121a,121bが回動することで、各分離板124a,124bを加熱ローラ62や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から離間させる。そのため、紙詰まりを発生させた印刷シートSが加熱ローラ62や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面を傷つけることはない。
【0089】
また、このとき、各分離板124a,124bと共に各ガイド板125a,125bが移動し、端部がガイド装置112における上下のガイド板142a,142bの傾斜部143a,143bの内側に接触して回動する。そのため、各分離板124a,124bは、加熱ローラ62や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から大きく退避することができ、各分離板124a,124bと加熱ローラ62や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面との間に所定の空間部を形成し、詰まった印刷シートSの排出領域を確保することができる。
【0090】
なお、印刷シートSは、反り矯正部71でも、その下面が加熱ローラ72により加熱されることから、加熱ローラ72の周面に付着しやすい。また、印刷シートSが薄紙であると、加圧ローラ73の周面にも付着しやすい。しかし、本実施例では、反り矯正部71に分離装置161が設けられているため、この分離装置161により加熱ローラ72の周面や加圧ローラ73の周面からを分離する。
【0091】
また、印刷シートSが加熱ローラ72や加圧ローラ73と各分離板との間に入り込んで紙詰まりを発生させた場合であっても、反り矯正部71に移動機構163が設けられていることから、分離板124a,124bが加熱ローラ72や加圧ローラ73の周面から離間し、加熱ローラ72や加圧ローラ73の周面を傷つけることはない。
【0092】
定着装置13にて、第1面に液体トナーが定着された印刷シートSは、第2シート搬送経路S2にて、複数の搬送ローラ82により搬送される。そして、反転装置91により表裏が反転され、第1シート搬送経路S1により再び印刷装置12に搬送される。
【0093】
再び、印刷装置12に搬送された印刷シートSは、前述と同様に、バックアップローラ31のグリッパ31aにより先端部が把持され、このバックアップローラ31により搬送される。中間転写体32では、各印刷ユニット33,34,35,36により、印刷シートSの第2面に転写されるべき静電潜像が形成された感光ドラム41の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーが転写され、感光ドラム41上に画像が現像され、この感光ドラム41の周面に転写された液体トナーが中間転写体32に転写される。そして、バックアップローラ31に保持された印刷シートSが中間転写体32とのニップ部に至ると、ここで、中間転写体32の周面から印刷シートSにおける中間転写体32と接する側の面(第2面)に対して液体トナー(トナー画像)が転写される。
【0094】
そして、第2面に液体トナーが転写された印刷シートSは、定着装置13に搬送され、印刷シートSの上面(第2面)が加熱されることで、この第2面に転写されている液体トナー層(トナー画像)が定着される。
【0095】
即ち、図4に示すように、印刷シートSは、定着装置13の定着部61に搬送されると、加熱ローラ62と定着ベルト65(加圧ローラ63)との間に挟持されながら搬送され、このとき、加熱ローラ62により上面(第2面)の液体トナー層(トナー画像)が加熱されることで、印刷シートSの上面(第2面)にトナー画像が定着される。そして、定着部61でトナー画像が定着された印刷シートSは、ガイド装置112により反り矯正部71に搬送される。印刷シートSは、反り矯正部71にて加熱ローラ72により下面が加熱されることで、反りが矯正される。
【0096】
このとき、印刷シートSは、定着部61にて、分離装置111の上部分離板124aにより加熱ローラ62の周面から適正に分離され、下部分離板124bにより定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から適正に分離される。また、印刷シートSが加熱ローラ62の周面と上部分離板124aとの間、または、定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面と下部分離板124bとの間に入り込んで紙詰まりを発生させた場合、各分離板124a,124bが加熱ローラ62や定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面から離間することで、加熱ローラ62や定着ベルト65(加圧ローラ63)の損傷が防止される。なお、反り矯正部71でも、同様である。
【0097】
定着装置13にて、第1面及び第2面に液体トナーが定着された印刷シートSは、第2シート搬送経路S2にて、複数の搬送ローラ82により搬送装置14まで搬送され、この搬送装置14により排紙装置15まで伝送され、この排紙装置15により排紙される。
【0098】
このように本実施例の定着装置にあっては、回転可能な加熱ローラ62と、加熱ローラ62との間で印刷シートSを挟持して回転可能な加圧ローラ63(定着ベルト65)と、加熱ローラ62及び加圧ローラ63より印刷シートSの搬送方向の下流側で各ローラ62,63の周面に付着した印刷シートSを分離する分離装置111と、この分離装置111により各ローラ62,63から分離された印刷シートSの表裏面をガイドするガイド装置112と、分離装置111が各ローラ62,63からから離間して一部をガイド装置112の内部に移動可能な移動機構113を設けている。
【0099】
従って、分離装置111は、移動機構113により各ローラ62,63から離間してその一部がガイド装置112の内部に移動可能であることから、例えば、ローラ62,63の周面と分離装置111における分離部材123a,123bとの間に印刷シートSが詰まったときには、この分離部材123a,123bがローラ62,63から十分な距離だけ適正に退避することができる。その結果、ローラ62,63と印刷シートSとの分離を適正に行うことができると共に、分離部材123a,123bをローラ62,63から適正に退避することで詰まった印刷シートSによるローラ62,63の損傷を防止することができる。
【0100】
また、本実施例の定着装置では、ガイド装置112のガイド部材141として、印刷シートSの表面をガイドする上部ガイド板142aと、印刷シートSの裏面をガイドする下部ガイド板142bとを設け、各ガイド板142a,142bは、分離部材123a,123bとの対向部が印刷シートSの厚さ方向に広がっている。従って、移動機構113により分離部材123a,123bがローラ62,63から離間したとき、その一部が各ガイド板142a,142bの間に適正に入り込んで分離部材123a,123bの退避量を十分に確保することができる。
【0101】
また、本実施例の定着装置では、分離部材123a,123bが支持されたブラケット121a,121bは、各ローラ62,63との対向位置に対して各ローラ62,63の径方向における反対側の位置で支持軸122a,122bにより回動自在に支持され、引っ張りばね129a,129bによりローラ62,63に接触する方向に向けて付勢支持されると共に、各ローラ62,63の周面から所定距離だけ離間した位置に位置決め保持されている。従って、分離部材123a,123bは、印刷シートSの搬送方向の下流側に退避することができ、その退避量を大きく確保することができる。
【0102】
また、本実施例の定着装置では、分離部材123a,123bとして、各ローラ62,63の周面に付着した印刷シートSを分離する分離板124a,124bと、分離板124a,124bにより各ローラ62,63から分離された印刷シートSをガイド部材141までガイドするガイド板125a,125bを設け、移動機構113は、分離板124a,124bが各ローラ62,63から離間してガイド板125a,125bがガイド部材141の内部に移動可能としている。従って、分離部材123a,123bを分離板124a,124bとガイド板125a,125bとから構成することで、それぞれの機能に合わせた形状に設計することが可能となり、性能を向上することが可能となる。
【0103】
また、本実施例の定着装置では、ガイド板125a,125bの端部を支持軸128a,128bにより回動自在に支持し、引っ張りばね133a,133bにより印刷シートSの第2シート搬送経路S2から離間する方向に向けて付勢支持すると共に、第2シート搬送経路S2と平行な位置に位置決め保持し、ガイド板125a,125bがガイド部材141の内部に移動したとき、両者の接触により第2シート搬送経路S2に接近する方向に回動可能としている。従って、分離板124a,124bが各ローラ62,63から退避し、ガイド板125a,125bがガイド部材141の内部に移動したとき、ガイド板125a,125bは、ガイド部材141との接触により回動することで、分離板124a,124bの退避量を大きく確保することができる。
【0104】
また、本実施例の定着装置では、ガイド部材141として、印刷シートSを挟持して搬送可能な一対の搬送ローラ144a,144bを設けている。従って、分離部材123a,123bにより各ローラ62,63から分離した印刷シートSを搬送ローラ144a,144bにより適正に搬送することができる。
【0105】
また、本発明の電子写真印刷装置にあっては、給紙装置11と、印刷装置12と、定着装置13と、トナー画像が定着された印刷シートSを搬送する搬送装置14と、排紙装置15とを備えて構成し、定着装置13として、回転可能な加熱ローラ62と、加熱ローラ62との間で印刷シートSを挟持して回転可能な加圧ローラ63(定着ベルト65)と、加熱ローラ62及び加圧ローラ63より印刷シートSの搬送方向の下流側で各ローラ62,63の周面に付着した印刷シートSを分離する分離装置111と、この分離装置111により各ローラ62,63から分離された印刷シートSの表裏面をガイドするガイド装置112と、分離装置111が各ローラ62,63からから離間して一部をガイド装置112の内部に移動可能な移動機構113を設けている。
【0106】
従って、分離装置111は、移動機構113により各ローラ62,63から離間してその一部がガイド装置112の内部に移動可能であることから、例えば、ローラ62,63の周面と分離装置111における分離部材123a,123bとの間に印刷シートSが詰まったときには、この分離部材123a,123bがローラ62,63から十分な距離だけ適正に退避することができる。その結果、ローラ62,63と印刷シートSとの分離を適正に行うことができると共に、分離部材123a,123bをローラ62,63から適正に退避することで詰まった印刷シートSによるローラ62,63及び定着ベルト65の損傷を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0107】
なお、上述した実施例では、定着装置13として、定着部61と反り矯正部71とを設けたが、定着部61だけであってもよい。また、この定着部61を、加熱ローラ62と加圧ローラ63とテンションローラ64と定着ベルト65とから構成したが、加熱ローラ62と加圧ローラ63とで構成してもよい。また、加熱ローラ62と加圧ローラ63の上下関係は逆であってもよい。
【0108】
また、上述した実施例では、定着部61にて、加熱ローラ62及び定着ベルト65(加圧ローラ63)の周面に付着した印刷シートSを分離する分離装置111として、上下の分離部材123a,123bを設けたが、加熱ローラ62に対する分離部材123aだけで、定着ベルト65(加圧ローラ63)に対する分離部材123bを省略してもよい。
【0109】
また、上述した実施例では、分離装置111としての分離部材123a,123bを回動自在に設けたが、第2シート搬送経路S2に沿ってスライド自在に設けてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10 電子写真印刷装置
11 給紙装置
12 印刷装置
13 定着装置
14 搬送装置
15 排紙装置
31 バックアップローラ(2次転写体)
32 中間転写体(1次転写体)
33,34,35,36 印刷ユニット
41 感光ドラム(感光体)
46 現像装置
61 定着部
62 加熱ローラ
63 加圧ローラ
64 テンションローラ
65 定着ベルト
71 反り矯正部
72 加熱ローラ
73 加圧ローラ
111,161 分離装置
112,162 ガイド装置
113,163 移動機構
121a,121b ブラケット
122a,122b 支持軸
123a,123b 分離部材
124a,124b 分離板
125a,125b ガイド板
128a,128b 支持軸
129a,129b 引っ張りばね(第1付勢部材)
133a,133b 引っ張りばね(第2付勢部材)
141 ガイド部材
142a,142b ガイド板
143a,143b 傾斜部
S 印刷シート(被印刷物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な加熱ローラと、
前記加熱ローラとの間で被印刷物を挟持して回転可能な加圧ローラと、
前記加熱ローラ及び前記加圧ローラより前記被印刷物の搬送方向の下流側で少なくとも前記加熱ローラの周面に付着した前記被印刷物を分離する分離部材と、
前記分離部材により前記加熱ローラから分離された前記被印刷物の表裏面をガイドするガイド部材と、
前記分離部材が前記加熱ローラから離間して一部を前記ガイド部材の内部に移動可能な移動機構と、
を備えることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記被印刷物の表面をガイドする第1ガイド板と、前記被印刷物の裏面をガイドする第2ガイド板とを有し、前記第1ガイド板及び前記第2ガイド板は、前記分離部材との対向部が前記被印刷物の厚さ方向に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記分離部材は、前記加熱ローラとの対向位置に対して前記加熱ローラの径方向における反対側の位置で回動自在に支持され、第1付勢部材により前記加熱ローラに接触する方向に向けて付勢支持されると共に、前記加熱ローラの周面から所定距離だけ離間した位置に位置決め保持されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記分離部材は、前記加熱ローラの周面に付着した前記被印刷物を分離する分離板と、該分離板により前記加熱ローラから分離された前記被印刷物を前記ガイド部材までガイドするガイド板を有し、前記移動機構は、前記分離板が前記加熱ローラから離間して前記ガイド板が前記ガイド部材の内部に移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の定着装置。
【請求項5】
前記ガイド板は、前記被印刷物の搬送方向の上流側の端部が前記分離板に回動自在に支持され、第2付勢部材により前記被印刷物の搬送方向の下流側の端部が前記被印刷物の搬送経路方向から離間する方向に向けて付勢支持されると共に、前記被印刷物の搬送方向と平行な位置に位置決め保持され、前記被印刷物の搬送方向の下流側の端部が前記ガイド部材の内部に移動したとき、該ガイド部材との接触により前記被印刷物の搬送経路に接近する方向に回動可能であることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記ガイド部材は、前記被印刷物を挟持して搬送可能な一対の搬送ローラを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の定着装置。
【請求項7】
前記分離部材は、前記被印刷物の搬送経路を挟んで前記加熱ローラ側と前記加圧ローラ側の両方に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の定着装置。
【請求項8】
被印刷物を1枚ずつ供給可能な給紙装置と、
該給紙装置から供給された前記被印刷物に対して液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写する印刷装置と、
前記被印刷物に転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着装置と、
該定着装置によりトナー画像が定着された前記被印刷物を排紙する排紙装置と、
を備える電子写真印刷装置において、
前記定着装置は、
回転可能な加熱ローラと、
前記加熱ローラとの間で前記被印刷物を挟持して回転可能な加圧ローラと、
前記加熱ローラ及び前記加圧ローラより前記被印刷物の搬送方向の下流側で少なくとも前記加熱ローラの周面に付着した前記被印刷物を分離する分離部材と、
前記分離部材により前記加熱ローラから分離された前記被印刷物の表裏面をガイドするガイド部材と、
前記分離部材が前記加熱ローラから離間して一部が前記ガイド部材の内部に移動可能な移動機構と、
を有することを特徴とする電子写真印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109243(P2013−109243A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255558(P2011−255558)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】