定着装置
【課題】上下ベルト定着装置において、ベルトの寄りを効果的に防止すること。
【解決手段】画像が転写された転写材の未定着画像担持面に外周面を対向するエンドレス状の定着ベルト1と、前記転写材の未定着画像の非担持面に外周面を対向するエンドレス状の加圧ベルトと、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトのそれぞれの内面にあって、ベルト走行を案内する複数のガイド部材とを有し、前記定着ベルトと前記加圧ベルトの接触領域に前記転写材を通過させることによって前記転写材上の画像を定着する定着装置において、前記ガイド部材を通過する前記転写材の搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、前記ガイド部材の軸方向の延長線上の少なくとも一方には、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトの両端縁を規制する規制部材を設けたことを特徴とする。
【解決手段】画像が転写された転写材の未定着画像担持面に外周面を対向するエンドレス状の定着ベルト1と、前記転写材の未定着画像の非担持面に外周面を対向するエンドレス状の加圧ベルトと、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトのそれぞれの内面にあって、ベルト走行を案内する複数のガイド部材とを有し、前記定着ベルトと前記加圧ベルトの接触領域に前記転写材を通過させることによって前記転写材上の画像を定着する定着装置において、前記ガイド部材を通過する前記転写材の搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、前記ガイド部材の軸方向の延長線上の少なくとも一方には、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトの両端縁を規制する規制部材を設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形成装置において未定着トナー像を加熱・加圧定着する定着装置に係り、特に、2つのエンドレスベルトを対向して圧接配置した上下ベルト定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で用いられる定着装置としては、従来は、定着ローラと加圧ローラを対向圧接配置した熱ローラ方式が広く使われてきた。しかし、熱ローラ方式においては、定着ローラの熱容量が大きいため、ファーストプリント時間を短縮するためには常時スタンバイ状態でローラを予熱しておかなければならず、無駄なエネルギーを消費していた。
【0003】
近年、定着ローラもしくは加圧ローラに代わりエンドレスベルトを用いた定着装置が提案・実用化されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0004】
エンドレスベルトを用いた定着装置は、ベルトそのものが定着ローラもしくは加圧ローラに対し熱容量が小さいという利点がある。また、従来の熱ローラ方式に比べ、幅の広い定着ニップを確保することができ、定着ニップにおける加圧力を比較的低荷重にすることができる。従って定着装置を構成する部材の剛性・強度を上げて定着装置全体の熱容量を大きくする必要がないため、画像形成装置の高速化した場合にも定着装置の急速加熱を実現することが可能である。この結果、省エネルギー化と高速化に対応することができる。このうち、最も上述した低熱容量化を図ることができる形態は、2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、エンドレスベルトを用いた定着装置には、ベルトの寄り(走行時にベルト軸方向のどちらか一方に寄ってしまう現象)という技術的課題がある。これが発生する原因は、ベルト両端の周長差や定着ニップにおける軸方向の荷重差、あるいは、部品精度や装置組付け精度に起因するベルトガイド部材や定着ニップ形成部材の非平行度などによる。ベルトの寄りが発生すると、画像不良が発生するおそれがある。
【0006】
このベルトの寄りを防止するために、ベルトを張架するローラのうち少なくとも一本を変位させることにより、ベルトの寄りを制御する機構が提案・実用化されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、ローラとエンドレスベルトを対に組み合わせた定着装置においては、ローラ軸上にベルト規制部材を配置する構成もある(例えば、特許文献3参照)。この構成によれば、定着ニップ延長線上のベルト端縁を、規制部材に突き当てることで、ベルトの寄りを規制する。
【0007】
【特許文献1】特開平11−174878
【特許文献2】特開平05−150679
【特許文献3】特開平10−020691
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、ベルトの寄りを制御する機構を有する方式は、特別な機構を配設するため、部材点数が多くなり、高価なものとなる。そこで、図9に示すように、ベルトを張架するローラと同軸上にフランジ部材を設け、このフランジ部材にベルト端縁を突き当ててベルトの寄りを規制する安価な構成も提案・実用化されている。
【0009】
しかしながら、先の上下ベルト定着装置に本方式を適用した場合には、張架ローラに設けたフランジ部材が互いに干渉しないよう配置する必要がある。このため、図9に示すように、ベルトの幅W(軸方向長さ)と張架した際の長さL(内周長)を上下のベルトで異なるようにすることが必要となる。この結果、定着装置本体の大型化につながるという問題がある。
【0010】
また、特許文献3のように、ローラとエンドレスベルトを対に組み合わせた定着装置においては、図10に示すような構成のものがある。即ち、ローラ111の軸上にベルト規制部材115を配置し、定着ニップ延長線上のベルト113端縁を規制部材115に突き当ててベルト113の寄りを規制する方法である。この方法では、図11に示すように、定着ニップで発生する加圧ベルト113の寄り力を、定着ニップ延長上の規制力で打ち消すことを特徴としている。
【0011】
しかし、この構成においては、定着ニップに拘束された状態の加圧ベルト113端縁と規制部材115が強く摺擦するため、加圧ベルト113端縁が磨耗しやすい。磨耗が進展することにより耐久等で加圧ベルト113の端部破れの不具合に繋がることがある。また本構成には定着ニップを形成しつつ回転軸を有するローラが必要不可欠であり、省エネルギー化・高速化に最も適した上述の上下ベルト定着装置に対しては不適である。
【0012】
本発明の目的は、上下ベルト定着装置において、ベルトの寄りを効果的に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、画像が転写された転写材の未定着画像担持面に外周面を対向するエンドレス状の定着ベルトと、前記転写材の未定着画像の非担持面に外周面を対向するエンドレス状の加圧ベルトと、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトのそれぞれの内面にあって、ベルト走行を案内する複数のガイド部材とを有し、前記定着ベルトと前記加圧ベルトの接触領域に前記転写材を通過させることによって前記転写材上の画像を定着する定着装置において、前記ガイド部材を通過する前記転写材の搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、前記ガイド部材の軸方向の延長線上の少なくとも一方には、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトの両端縁を規制する規制部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成により、上下ベルト定着装置においてベルトの寄りを効果的に防止することことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔第1実施形態〕
図を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
【0016】
(画像形成装置50)
本実施形態の定着装置21を用いた画像形成装置50の概略構成を図8を用いて説明する。図8は画像形成装置の概略断面図である。
【0017】
画像形成装置50は、記録材搬送ベルト59上に担持した転写材P上に、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナー像を順次転写することで、一つの画像を形成する。
【0018】
像担持体である感光体ドラム51の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器52、レーザ光を感光体ドラム51に照射する露光装置53、現像器55、記録材搬送ベルト59を介して転写ローラ60及び感光体ドラムクリーナー66が配置される。これら露光装置53以外は現像カートリッジ70内に一体的に配設される。
【0019】
感光体ドラム51は、その表面が帯電器52によって負極性に帯電される。帯電された感光体ドラム51は、露光装置53の露光Lにより表面に静電潜像が形成(露光された部分は表面電位が上がる)される。1色目のイエロートナーが入った現像器55によって、感光体ドラム51上の静電潜像部にトナーが付着し、トナー像が形成される。
【0020】
一方、記録材搬送ベルト59は、二つの支持軸(駆動ローラ62、テンションローラ64)に支持され、図中矢印R4方向に回転する駆動ローラ62によって矢印R3方向に回転する。転写材Pは、給送ローラ54によって給送されると、正極性のバイアスが印加された吸着ローラ56によって帯電されて記録材搬送ベルト59上に静電吸着し、搬送される。
【0021】
転写材Pが転写ニップN0に搬送されると、記録材搬送ベルト59に従動回転する転写ローラ60に、不図示の電源から正極性の転写バイアスが印加される。そして、感光体ドラム51上のイエロートナー像は、転写ニップN0において転写材P上に転写される。転写後の感光体ドラム51は、弾性体ブレードを有する感光体ドラムクリーナー66によって表面の転写残トナーが除去される。
【0022】
以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目のマゼンタM、3色目のシアンC、4色目のブラックKの各現像カートリッジ70についても順次行われる。そして、記録材搬送ベルト59上の転写材Pには4色のトナー像が重なる。4色のトナー像を担持した転写材Pは、定着装置21に搬送され、表面のトナー像の定着が行なわれる。
【0023】
(定着装置21の概略構成)
図1は第1実施形態における定着装置の断面図であり、図2は第1実施形態における定着装置の斜視図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、定着装置21は、2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。上部に位置するエンドレスベルトが定着ベルト1であり、下部に位置するエンドレスベルトが加圧ベルト2である。
【0025】
定着ベルト1は、定着ベルト1の走行をガイドする2つのローラ状の定着ベルトガイド(ガイド部材)4によって張架される。また、加圧ベルト2は加圧ベルトの内面にあって加圧ベルトの走行をガイドする2つのローラ状の加圧ベルトガイド(ガイド部材)3によって張架される。尚、ガイド部材を通過する転写材Pの搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、
【0026】
定着ベルト1の内面には、加熱源としてのセラミックヒータ5が配設される。セラミックヒータ5は、定着ベルト1の加圧ベルト2との当接面に内面から配置される。また、加圧ベルト2の内面には、セラミックヒータ5と対向する位置に加圧部材6が配設される。加圧部材6は、図中D方向に不図示の加圧機構により加圧される。
【0027】
定着ベルトガイド4の軸方向延長上には、定着ベルト1と加圧ベルト2の端縁を規制する規制フランジ(規制部材)7が配設される。
【0028】
(定着装置21の詳細構成)
定着ベルト1および加圧ベルト2は、例えば50μm〜100μm厚のポリイミド等の耐熱性樹脂やNi、SUS等の金属を基層とするエンドレスベルトである。基層の上には、Siゴム等の弾性層と、PFA等の離型層とが、各々300μm、30μmの厚みで積層される。本実施形態では定着ベルト1と加圧ベルト2に同一のエンドレスベルトを用いた構成を例示している。
【0029】
加圧ベルトガイド3および定着ベルトガイド4は、各々のベルトの内面にあって、回転自在に設けられたローラである。本実施形態においては定着ベルト1および加圧ベルト2を張架する。
【0030】
定着ベルトガイド4の一つ(本実施形態においては、転写材搬送方向下流側の定着ベルトガイド4)は、画像形成装置本体の駆動源により図2中のE方向に駆動される駆動ローラである。駆動ローラは、定着ベルトガイド4と定着ベルト1内面との摩擦により、定着ベルト1を駆動する。
【0031】
セラミックヒータ5は、絶縁基板上に電気抵抗材料を塗工した発熱パターンを形成し、その上を絶縁層でコートした、板状のヒータである。材料は、一例として、絶縁基板としてアルミナを用い、電気抵抗材料としてAg/Pd(銀パラジウム)等を用いて厚み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷により塗工し、絶縁層としてガラスやフッ素樹脂等を用いることができる。このようなセラミックヒータ5が定着ベルト1内面に当接することにより、定着ベルト1を所定の定着温度に加熱する。
【0032】
定着ベルト1の表面には不図示の温度検出素子が当接する。温度検出素子により、定着ベルト1の表面温度を検出する。
【0033】
画像形成装置本体の定着装置制御回路は、温度検出素子の検出温度と予め設定された定着温度を比較する。そして、検出温度が低い場合にはセラミックヒータ5に通電し発熱させ、検出温度が高い場合にはセラミックヒータ5への通電を遮断する。これにより、定着ベルト1の表面温度を定着温度に保つ。
【0034】
セラミックヒータ5に対向する加圧部材6は、例えばアルミニウム等の金属をベースとし、Siゴム等の弾性層とPFA等の離型層とで構成される。加圧部材6は、加圧ベルト2の内面から定着ベルト1方向へ加圧ベルト2を加圧することにより、定着ベルト1および加圧ベルト2をセラミックヒータ5に対し圧接する。ここで、加圧力は、例えば約30kgf(2.9×102N)である。この結果、加圧ベルト2が定着ベルト1に圧接し、圧力(例えば約1.0kgf/cm2(9.8×104N/m2))が均一に作用する接触領域としての定着ニップNを形成する。
【0035】
規制フランジ7は、例えばLCPやPPS等の耐熱性樹脂で形成され、定着ベルトガイド4と同軸上に構成される。規制フランジ7の外周は定着ベルトガイド4の外径よりも大きく、かつ定着ベルトガイド4の軸に直交する規制面を有する。また、図1に示すように、規制フランジ7の外周は、定着装置21の側面から見ると、加圧ベルトガイド3の周縁にかかるほどの大きさである。このため、規制フランジ7は、定着ベルト1はもとより、加圧ベルトガイド3に張架される加圧ベルト2をもガイドすることとなる。
【0036】
(定着装置21の動作)
定着装置21の運転時の動作を説明する。駆動が定着ベルトガイド4から定着ベルト1に伝達され、定着ベルト1が回転搬送されると、定着ニップNで定着ベルト1と圧接する加圧ベルト2は、定着ベルト1との摩擦力により従動回転する。
【0037】
この状態において、転写材Pが、不図示の画像形成装置転写部より、図2中F方向から定着装置21の定着ニップNに搬送される。ここで転写材Pは、定着ベルト1側に未定着画像を転写された状態である。そして、転写材Pは、定着ベルト1及び加圧ベルト2と一体となって定着ニップNを通過し、定着ベルト1及び加圧ベルト2に加熱・加圧され、未定着画像の画像定着がなされる。
【0038】
(ベルトの寄りを防止する機構)
図1に示すように、加圧ベルトガイド3及び定着ベルトガイド4は隙間Cをもって配置される。このため、定着ニップN以外で定着ベルト1と加圧ベルト2が当接することがない。
【0039】
規制フランジ7は、定着ベルトガイド4と同軸上にあって、定着ベルトガイド4の外径より大きい。このような形態であるので、まず、定着ベルト1の端縁は規制フランジ7により規制される。
【0040】
本実施形態においては、更に、規制フランジ7による加圧ベルト2の端縁をも規制する。この構成について図3を用いて以下に説明する。図3は定着ニップNを通過し図中G方向に搬送される加圧ベルト2を上方から見た図である。
【0041】
図3において、定着ベルト1により駆動される加圧ベルト2に、ベルトの寄りが発生した状態を、加圧ベルト2aとして示す。ベルトの寄りの要因としては、ベルト両端部における周長差、定着ニップ両端での加圧力差や温度差等が挙げられる。
【0042】
ベルトの寄りが発生している状態の加圧ベルト2aは、図3に示すように傾き角度αをもって走行する。このため、定着ニップNにおいて、加圧ベルト2aが定着ベルト1から受ける搬送力Fは、加圧ベルト2aの回転方向の力Frと軸方向の力Faに分解される。即ち、加圧ベルト2aは軸方向の力Faの力によって寄ることとなる。
【0043】
規制フランジ7は、定着ニップより距離Lの位置で加圧ベルト2の端縁を規制し、規制力Naで加圧ベルト2aの端縁を加圧ベルトガイド3の軸の内側方向に移動させる。このようにして、加圧ベルト2aを通常の加圧ベルト2の姿勢へと戻すことによって、ベルトの寄りを抑えている。ここで、規制力Naに対する座屈耐力が加圧ベルト2にあれば、図3に示す規制方法で、加圧ベルト端縁の座屈によるシワや折れ等は生じることはない。
【0044】
また、本構成によれば、定着ニップNを中心とするモーメント(L・Na・cosα)により加圧ベルト2の姿勢を変える。このため、定着ニップNの中心から加圧ベルト2の端縁の距離Lを大きくすることにより、加圧ベルト端縁に加わる規制力Naを小さくすることができる。この結果、耐久等による加圧ベルト端縁の磨耗を軽減することができる。
【0045】
本実施形態には以下の効果がある。
【0046】
本実施形態では、定着ベルト1の走行をガイドする加圧ベルトガイド3の軸方向延長線上に、定着ベルト1と加圧ベルト2とを同一面で規制する規制フランジ7を設ける。これにより、定着ベルト1と加圧ベルト2との幅・長さを同じくすることが可能となる。また、この結果同一部品を定着ベルト1と加圧ベルト2との双方使うことができ、部品管理上のコストを削減できる。また、同一部品とすることで、ベルトの誤った組付けを防止することもできる。
【0047】
また、同一面で定着ベルト1と加圧ベルト2の双方を規制することができる。このため、上下のベルト規制位置の精度を向上させることができ、先述した画像不良を軽減することができる。
【0048】
また、本実施形態では、定着ニップN域外に設けた規制フランジによって、加圧ベルト端縁を規制する。このため、加圧ベルト端縁への規制力を小さくすることができる。更に、加圧ベルト2が定着ニップNに拘束されていない状態、すなわち軸方向に自由度を持つ状態で規制力を受けることができる。従って、加圧ベルト2端縁の規制力による磨耗を軽減することも可能となる。この結果、加圧ベルト2の延命化を図ることもできる。
【0049】
本実施形態では定着ベルトガイドの軸方向延長線上の両端に規制フランジを設けた構成を例示したが、これに限るものではない。加圧ベルトガイド3に対して同様の規制フランジ7を設けた場合も、またベルトガイドの一方の端部にのみ設けた場合も、同様の効果がある。更には、本実施形態では定着ベルトガイド4と規制フランジ7とを別体として例示したが、これらを一体的に構成してもよい。この場合も、同様の効果を得ることができる。
【0050】
〔第2実施形態〕
図を用いて本発明の第2実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図4は第2実施形態における定着装置の斜視図及び側面図である。
【0051】
図4に示すように、本実施形態の定着装置22も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド(ガイド部材)9が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド(ガイド部材)8が配設される。
【0052】
本実施形態における加圧ベルトガイド8及び定着ベルトガイド9は、例えばPPSやポリアミド等の耐熱性樹脂で形成された固定ガイドである。各ベルトガイドには、ベルト内周面との接触面積を小さくするため、各々のベルト内面と摺擦する外周面には周方向にリブが設けられる。
【0053】
また、本実施形態においては、2本の加圧ベルトガイド8のうち片方、及び2本の定着ベルトガイド9のうち片方の軸方向の両端部には、それぞれ規制フランジ(規制部材)10が設けられる。また、図4に示すように、ベルトを介して当接する加圧ベルトガイド8と定着ベルトガイド9のうち、片方のベルトガイド端縁に規制フランジ10を配設する。このように互い違いに配設すると、加圧ベルトガイド8及び定着ベルトガイド9に設けられた規制フランジ10が互いに干渉しない。
【0054】
このような構成にしても、第1実施形態と同様に、ベルトの寄りを防止することができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図を用いて本発明の第3実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図5は第3実施形態における定着装置の斜視図である。
【0056】
図5に示すように、本実施形態の定着装置23も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド(ガイド部材)11が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド(ガイド部材)12が配設される。
【0057】
定着ベルトガイド11及び加圧ベルトガイド12は実施形態と同様、回転自在に設けられたローラであるが、回転軸方向が非平行である。具体的には、図5に示すように、上流側のベルトガイドが、下流側のベルトガイドに対し角度θをもって配設されている。即ち、定着装置23を上面から見た場合、ベルトガイドが略ハの字となるように、配設されている。
【0058】
本実施形態によれば、図5に示すように、傾いたベルトガイドに案内されて走行するベルトは、間隔の狭いベルトガイドの片端部方向(図中H方向)にのみ寄る。このように、ベルトの寄る方向が一定となるので、規制フランジ(規制部材)13はベルトガイド軸端部のうち、H方向の端部にのみに配設する。
【0059】
本実施形態の構成においても、規制フランジ13の規制面は定着ベルト1および加圧ベルと2を同一の規制面で規制する構成である。また、本実施形態においては、前記規制面が転写材Pの端縁をも規制する。このため、前記規制面が搬送基準面をも兼ねる。
【0060】
本実施形態には以下の特有な効果がある。
【0061】
定着ベルト1、加圧ベルト2と転写材Pを規制フランジの同一面で規制することができる。このため、上下のベルトと転写材Pの搬送時における位置精度を高めつつ三者を一体にして搬送することができ、ベルトの寄りに起因する画像不良をより軽減することができる。
【0062】
本実施形態では定着ベルトガイドおよび加圧ベルトガイドの一方を他方に対し傾けてベルトが一方向にのみ寄る構成であるが、この構成に限るものではない。例えば、一方のベルトガイドを、寄り進行方向に対し外径が大きくなるようなテーパ形状とし、他方のベルトガイドと中心軸が平行となるように配設してもよい。本実施形態においては、ベルトが一方向にのみ寄る構成を限定するものではなく、各種工夫を施すことができる。
【0063】
〔第4実施形態〕
図を用いて本発明の第4実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図6は第4実施形態における定着装置の斜視図である。
【0064】
図6に示すように、本実施形態の定着装置24も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド4が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド3が配設される。
【0065】
また、2つの加圧ベルトガイド3の軸方向の片方の端部には規制フランジ(規制部材)14が配設され、他方の端部には規制フランジ(規制部材)15が配設される。ここで、規制フランジ14は、第1実施形態と同様に固定配設されている。一方、規制フランジ15は加圧ベルトガイド3の回転軸方向に揺動自在に配設される。そして、不図示の加圧機構により定着ベルト1の軸方向(図中J方向)に押圧されている。
【0066】
従って定着ベルト1の両端縁と加圧ベルト2の両端縁は、規制フランジ15からの押圧によって、常に規制フランジ14、15に接し、姿勢を規制された状態にある。
【0067】
本実施形態はこのような形態において、第3実施形態と同様に規制フランジ14のベルト端縁規制面が転写材Pの搬送基準面をも兼ねていることをも特徴としている。本実施形態には第3実施形態と同様の効果がある。
【0068】
〔第5実施形態〕
図を用いて本発明の第5実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図7は第5実施形態における定着装置の断面図である。
【0069】
図7に示すように、本実施形態の定着装置25も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド4が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド3が配設される。
【0070】
本実施形態による定着装置25では、規制フランジ(規制部材)7と、定着ベルト1および加圧ベルト2の基層を導電材料により形成する。そして、定着ベルト1及び加圧ベルト2の最表面を電気絶縁材量で形成する。定着ベルト1および加圧ベルト2の内面、すなわち基層面には、図7に示す電気接触部K及び電気接触部Mが設けられる。また、電気接触部Kと電気接触部Mとの電流の導通状態を検知し、不図示の制御回路に検知状態を報知する検知手段16を有する。
【0071】
このような構成において、定着ベルト1と加圧ベルト2が規制フランジ7により同時に規制状態となると、K〜M間、即ち、電気接触部K〜定着ベルト1の基層〜規制フランジ7〜加圧ベルト2の基層〜電気接触部Mに至る電気的導通路が形成される。一方、規制フランジ7により定着ベルト1と加圧ベルト2の両方が規制されていない状態においては、上記導通路は遮断される。
【0072】
この導通路の開閉情報は、例えばK〜M間の電気抵抗等を測定することによって検知可能である。画像形成装置本体の制御回路は、検知手段16の検知情報に基づいて定着装置への転写材搬送制御を行っている。すなわち、定着ベルト1と加圧ベルト2が同時に端縁規制位置にある状態、すなわち前記導通路が形成されている場合にのみ画像形成装置は定着装置への転写材の搬送を行うことが可能となる。
【0073】
本実施形態には以下の特有な効果がある。
【0074】
定着装置における転写材の滞留(JAM)が発生した場合、滞留した転写材Pの排出処理によっては、定着ベルト1と加圧ベルト2とが滞留した転写材Pに連れ動いてしまう。すると、ベルトが軸方向に位置がズレることがある。
【0075】
本実施形態のように両ベルトの規制状態を検知して転写材Pを搬送する制御を用いることにより、上記状態における定着装置25への転写材の搬送を行われなくすることができる。この結果、先述した画像不良を回避することができる。
【0076】
本実施形態では定着ベルトおよび加圧ベルトの規制状態を検知する方法として上記のように電気的導通路の抵抗検知を例示したが、これに限るものではない。例えば、光学式センサ等を用いてベルト端縁の規制状態を検知する等、適宜設計変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1実施形態における定着装置の断面図。
【図2】第1実施形態における定着装置の斜視図。
【図3】第1実施形態における加圧ベルトを上方から見た図。
【図4】第2実施形態における定着装置の斜視図及び側面図。
【図5】第3実施形態における定着装置の斜視図。
【図6】第4実施形態における定着装置の斜視図。
【図7】第5実施形態における定着装置の断面図。
【図8】画像形成装置の概略断面図。
【図9】従来の定着装置の構成を示す図。
【図10】従来の定着装置の構成を示す図。
【図11】従来の定着装置の構成を示す図。
【符号の説明】
【0078】
K…電気接触部、L…露光、M…電気接触部、N…定着ニップ、N0…転写ニップ、P…転写材、1…定着ベルト、2…加圧ベルト、2a…加圧ベルト、3…加圧ベルトガイド、4…定着ベルトガイド、5…セラミックヒータ、6…加圧部材、7…規制フランジ、8…加圧ベルトガイド、9…定着ベルトガイド、10…規制フランジ、11…定着ベルトガイド、12…加圧ベルトガイド、14…規制フランジ、15…規制フランジ、21…定着装置、22…定着装置、23…定着装置、24…定着装置、25…定着装置、50…画像形成装置、51…感光体ドラム、52…帯電器、53…露光装置、54…給送ローラ、55…現像器、56…吸着ローラ、59…記録材搬送ベルト、60…転写ローラ、62…駆動ローラ、64…テンションローラ、66…感光体ドラムクリーナー、70…現像カートリッジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形成装置において未定着トナー像を加熱・加圧定着する定着装置に係り、特に、2つのエンドレスベルトを対向して圧接配置した上下ベルト定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で用いられる定着装置としては、従来は、定着ローラと加圧ローラを対向圧接配置した熱ローラ方式が広く使われてきた。しかし、熱ローラ方式においては、定着ローラの熱容量が大きいため、ファーストプリント時間を短縮するためには常時スタンバイ状態でローラを予熱しておかなければならず、無駄なエネルギーを消費していた。
【0003】
近年、定着ローラもしくは加圧ローラに代わりエンドレスベルトを用いた定着装置が提案・実用化されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0004】
エンドレスベルトを用いた定着装置は、ベルトそのものが定着ローラもしくは加圧ローラに対し熱容量が小さいという利点がある。また、従来の熱ローラ方式に比べ、幅の広い定着ニップを確保することができ、定着ニップにおける加圧力を比較的低荷重にすることができる。従って定着装置を構成する部材の剛性・強度を上げて定着装置全体の熱容量を大きくする必要がないため、画像形成装置の高速化した場合にも定着装置の急速加熱を実現することが可能である。この結果、省エネルギー化と高速化に対応することができる。このうち、最も上述した低熱容量化を図ることができる形態は、2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、エンドレスベルトを用いた定着装置には、ベルトの寄り(走行時にベルト軸方向のどちらか一方に寄ってしまう現象)という技術的課題がある。これが発生する原因は、ベルト両端の周長差や定着ニップにおける軸方向の荷重差、あるいは、部品精度や装置組付け精度に起因するベルトガイド部材や定着ニップ形成部材の非平行度などによる。ベルトの寄りが発生すると、画像不良が発生するおそれがある。
【0006】
このベルトの寄りを防止するために、ベルトを張架するローラのうち少なくとも一本を変位させることにより、ベルトの寄りを制御する機構が提案・実用化されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、ローラとエンドレスベルトを対に組み合わせた定着装置においては、ローラ軸上にベルト規制部材を配置する構成もある(例えば、特許文献3参照)。この構成によれば、定着ニップ延長線上のベルト端縁を、規制部材に突き当てることで、ベルトの寄りを規制する。
【0007】
【特許文献1】特開平11−174878
【特許文献2】特開平05−150679
【特許文献3】特開平10−020691
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、ベルトの寄りを制御する機構を有する方式は、特別な機構を配設するため、部材点数が多くなり、高価なものとなる。そこで、図9に示すように、ベルトを張架するローラと同軸上にフランジ部材を設け、このフランジ部材にベルト端縁を突き当ててベルトの寄りを規制する安価な構成も提案・実用化されている。
【0009】
しかしながら、先の上下ベルト定着装置に本方式を適用した場合には、張架ローラに設けたフランジ部材が互いに干渉しないよう配置する必要がある。このため、図9に示すように、ベルトの幅W(軸方向長さ)と張架した際の長さL(内周長)を上下のベルトで異なるようにすることが必要となる。この結果、定着装置本体の大型化につながるという問題がある。
【0010】
また、特許文献3のように、ローラとエンドレスベルトを対に組み合わせた定着装置においては、図10に示すような構成のものがある。即ち、ローラ111の軸上にベルト規制部材115を配置し、定着ニップ延長線上のベルト113端縁を規制部材115に突き当ててベルト113の寄りを規制する方法である。この方法では、図11に示すように、定着ニップで発生する加圧ベルト113の寄り力を、定着ニップ延長上の規制力で打ち消すことを特徴としている。
【0011】
しかし、この構成においては、定着ニップに拘束された状態の加圧ベルト113端縁と規制部材115が強く摺擦するため、加圧ベルト113端縁が磨耗しやすい。磨耗が進展することにより耐久等で加圧ベルト113の端部破れの不具合に繋がることがある。また本構成には定着ニップを形成しつつ回転軸を有するローラが必要不可欠であり、省エネルギー化・高速化に最も適した上述の上下ベルト定着装置に対しては不適である。
【0012】
本発明の目的は、上下ベルト定着装置において、ベルトの寄りを効果的に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、画像が転写された転写材の未定着画像担持面に外周面を対向するエンドレス状の定着ベルトと、前記転写材の未定着画像の非担持面に外周面を対向するエンドレス状の加圧ベルトと、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトのそれぞれの内面にあって、ベルト走行を案内する複数のガイド部材とを有し、前記定着ベルトと前記加圧ベルトの接触領域に前記転写材を通過させることによって前記転写材上の画像を定着する定着装置において、前記ガイド部材を通過する前記転写材の搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、前記ガイド部材の軸方向の延長線上の少なくとも一方には、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトの両端縁を規制する規制部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成により、上下ベルト定着装置においてベルトの寄りを効果的に防止することことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔第1実施形態〕
図を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
【0016】
(画像形成装置50)
本実施形態の定着装置21を用いた画像形成装置50の概略構成を図8を用いて説明する。図8は画像形成装置の概略断面図である。
【0017】
画像形成装置50は、記録材搬送ベルト59上に担持した転写材P上に、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナー像を順次転写することで、一つの画像を形成する。
【0018】
像担持体である感光体ドラム51の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器52、レーザ光を感光体ドラム51に照射する露光装置53、現像器55、記録材搬送ベルト59を介して転写ローラ60及び感光体ドラムクリーナー66が配置される。これら露光装置53以外は現像カートリッジ70内に一体的に配設される。
【0019】
感光体ドラム51は、その表面が帯電器52によって負極性に帯電される。帯電された感光体ドラム51は、露光装置53の露光Lにより表面に静電潜像が形成(露光された部分は表面電位が上がる)される。1色目のイエロートナーが入った現像器55によって、感光体ドラム51上の静電潜像部にトナーが付着し、トナー像が形成される。
【0020】
一方、記録材搬送ベルト59は、二つの支持軸(駆動ローラ62、テンションローラ64)に支持され、図中矢印R4方向に回転する駆動ローラ62によって矢印R3方向に回転する。転写材Pは、給送ローラ54によって給送されると、正極性のバイアスが印加された吸着ローラ56によって帯電されて記録材搬送ベルト59上に静電吸着し、搬送される。
【0021】
転写材Pが転写ニップN0に搬送されると、記録材搬送ベルト59に従動回転する転写ローラ60に、不図示の電源から正極性の転写バイアスが印加される。そして、感光体ドラム51上のイエロートナー像は、転写ニップN0において転写材P上に転写される。転写後の感光体ドラム51は、弾性体ブレードを有する感光体ドラムクリーナー66によって表面の転写残トナーが除去される。
【0022】
以上の帯電、露光、現像、転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目のマゼンタM、3色目のシアンC、4色目のブラックKの各現像カートリッジ70についても順次行われる。そして、記録材搬送ベルト59上の転写材Pには4色のトナー像が重なる。4色のトナー像を担持した転写材Pは、定着装置21に搬送され、表面のトナー像の定着が行なわれる。
【0023】
(定着装置21の概略構成)
図1は第1実施形態における定着装置の断面図であり、図2は第1実施形態における定着装置の斜視図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、定着装置21は、2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。上部に位置するエンドレスベルトが定着ベルト1であり、下部に位置するエンドレスベルトが加圧ベルト2である。
【0025】
定着ベルト1は、定着ベルト1の走行をガイドする2つのローラ状の定着ベルトガイド(ガイド部材)4によって張架される。また、加圧ベルト2は加圧ベルトの内面にあって加圧ベルトの走行をガイドする2つのローラ状の加圧ベルトガイド(ガイド部材)3によって張架される。尚、ガイド部材を通過する転写材Pの搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、
【0026】
定着ベルト1の内面には、加熱源としてのセラミックヒータ5が配設される。セラミックヒータ5は、定着ベルト1の加圧ベルト2との当接面に内面から配置される。また、加圧ベルト2の内面には、セラミックヒータ5と対向する位置に加圧部材6が配設される。加圧部材6は、図中D方向に不図示の加圧機構により加圧される。
【0027】
定着ベルトガイド4の軸方向延長上には、定着ベルト1と加圧ベルト2の端縁を規制する規制フランジ(規制部材)7が配設される。
【0028】
(定着装置21の詳細構成)
定着ベルト1および加圧ベルト2は、例えば50μm〜100μm厚のポリイミド等の耐熱性樹脂やNi、SUS等の金属を基層とするエンドレスベルトである。基層の上には、Siゴム等の弾性層と、PFA等の離型層とが、各々300μm、30μmの厚みで積層される。本実施形態では定着ベルト1と加圧ベルト2に同一のエンドレスベルトを用いた構成を例示している。
【0029】
加圧ベルトガイド3および定着ベルトガイド4は、各々のベルトの内面にあって、回転自在に設けられたローラである。本実施形態においては定着ベルト1および加圧ベルト2を張架する。
【0030】
定着ベルトガイド4の一つ(本実施形態においては、転写材搬送方向下流側の定着ベルトガイド4)は、画像形成装置本体の駆動源により図2中のE方向に駆動される駆動ローラである。駆動ローラは、定着ベルトガイド4と定着ベルト1内面との摩擦により、定着ベルト1を駆動する。
【0031】
セラミックヒータ5は、絶縁基板上に電気抵抗材料を塗工した発熱パターンを形成し、その上を絶縁層でコートした、板状のヒータである。材料は、一例として、絶縁基板としてアルミナを用い、電気抵抗材料としてAg/Pd(銀パラジウム)等を用いて厚み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷により塗工し、絶縁層としてガラスやフッ素樹脂等を用いることができる。このようなセラミックヒータ5が定着ベルト1内面に当接することにより、定着ベルト1を所定の定着温度に加熱する。
【0032】
定着ベルト1の表面には不図示の温度検出素子が当接する。温度検出素子により、定着ベルト1の表面温度を検出する。
【0033】
画像形成装置本体の定着装置制御回路は、温度検出素子の検出温度と予め設定された定着温度を比較する。そして、検出温度が低い場合にはセラミックヒータ5に通電し発熱させ、検出温度が高い場合にはセラミックヒータ5への通電を遮断する。これにより、定着ベルト1の表面温度を定着温度に保つ。
【0034】
セラミックヒータ5に対向する加圧部材6は、例えばアルミニウム等の金属をベースとし、Siゴム等の弾性層とPFA等の離型層とで構成される。加圧部材6は、加圧ベルト2の内面から定着ベルト1方向へ加圧ベルト2を加圧することにより、定着ベルト1および加圧ベルト2をセラミックヒータ5に対し圧接する。ここで、加圧力は、例えば約30kgf(2.9×102N)である。この結果、加圧ベルト2が定着ベルト1に圧接し、圧力(例えば約1.0kgf/cm2(9.8×104N/m2))が均一に作用する接触領域としての定着ニップNを形成する。
【0035】
規制フランジ7は、例えばLCPやPPS等の耐熱性樹脂で形成され、定着ベルトガイド4と同軸上に構成される。規制フランジ7の外周は定着ベルトガイド4の外径よりも大きく、かつ定着ベルトガイド4の軸に直交する規制面を有する。また、図1に示すように、規制フランジ7の外周は、定着装置21の側面から見ると、加圧ベルトガイド3の周縁にかかるほどの大きさである。このため、規制フランジ7は、定着ベルト1はもとより、加圧ベルトガイド3に張架される加圧ベルト2をもガイドすることとなる。
【0036】
(定着装置21の動作)
定着装置21の運転時の動作を説明する。駆動が定着ベルトガイド4から定着ベルト1に伝達され、定着ベルト1が回転搬送されると、定着ニップNで定着ベルト1と圧接する加圧ベルト2は、定着ベルト1との摩擦力により従動回転する。
【0037】
この状態において、転写材Pが、不図示の画像形成装置転写部より、図2中F方向から定着装置21の定着ニップNに搬送される。ここで転写材Pは、定着ベルト1側に未定着画像を転写された状態である。そして、転写材Pは、定着ベルト1及び加圧ベルト2と一体となって定着ニップNを通過し、定着ベルト1及び加圧ベルト2に加熱・加圧され、未定着画像の画像定着がなされる。
【0038】
(ベルトの寄りを防止する機構)
図1に示すように、加圧ベルトガイド3及び定着ベルトガイド4は隙間Cをもって配置される。このため、定着ニップN以外で定着ベルト1と加圧ベルト2が当接することがない。
【0039】
規制フランジ7は、定着ベルトガイド4と同軸上にあって、定着ベルトガイド4の外径より大きい。このような形態であるので、まず、定着ベルト1の端縁は規制フランジ7により規制される。
【0040】
本実施形態においては、更に、規制フランジ7による加圧ベルト2の端縁をも規制する。この構成について図3を用いて以下に説明する。図3は定着ニップNを通過し図中G方向に搬送される加圧ベルト2を上方から見た図である。
【0041】
図3において、定着ベルト1により駆動される加圧ベルト2に、ベルトの寄りが発生した状態を、加圧ベルト2aとして示す。ベルトの寄りの要因としては、ベルト両端部における周長差、定着ニップ両端での加圧力差や温度差等が挙げられる。
【0042】
ベルトの寄りが発生している状態の加圧ベルト2aは、図3に示すように傾き角度αをもって走行する。このため、定着ニップNにおいて、加圧ベルト2aが定着ベルト1から受ける搬送力Fは、加圧ベルト2aの回転方向の力Frと軸方向の力Faに分解される。即ち、加圧ベルト2aは軸方向の力Faの力によって寄ることとなる。
【0043】
規制フランジ7は、定着ニップより距離Lの位置で加圧ベルト2の端縁を規制し、規制力Naで加圧ベルト2aの端縁を加圧ベルトガイド3の軸の内側方向に移動させる。このようにして、加圧ベルト2aを通常の加圧ベルト2の姿勢へと戻すことによって、ベルトの寄りを抑えている。ここで、規制力Naに対する座屈耐力が加圧ベルト2にあれば、図3に示す規制方法で、加圧ベルト端縁の座屈によるシワや折れ等は生じることはない。
【0044】
また、本構成によれば、定着ニップNを中心とするモーメント(L・Na・cosα)により加圧ベルト2の姿勢を変える。このため、定着ニップNの中心から加圧ベルト2の端縁の距離Lを大きくすることにより、加圧ベルト端縁に加わる規制力Naを小さくすることができる。この結果、耐久等による加圧ベルト端縁の磨耗を軽減することができる。
【0045】
本実施形態には以下の効果がある。
【0046】
本実施形態では、定着ベルト1の走行をガイドする加圧ベルトガイド3の軸方向延長線上に、定着ベルト1と加圧ベルト2とを同一面で規制する規制フランジ7を設ける。これにより、定着ベルト1と加圧ベルト2との幅・長さを同じくすることが可能となる。また、この結果同一部品を定着ベルト1と加圧ベルト2との双方使うことができ、部品管理上のコストを削減できる。また、同一部品とすることで、ベルトの誤った組付けを防止することもできる。
【0047】
また、同一面で定着ベルト1と加圧ベルト2の双方を規制することができる。このため、上下のベルト規制位置の精度を向上させることができ、先述した画像不良を軽減することができる。
【0048】
また、本実施形態では、定着ニップN域外に設けた規制フランジによって、加圧ベルト端縁を規制する。このため、加圧ベルト端縁への規制力を小さくすることができる。更に、加圧ベルト2が定着ニップNに拘束されていない状態、すなわち軸方向に自由度を持つ状態で規制力を受けることができる。従って、加圧ベルト2端縁の規制力による磨耗を軽減することも可能となる。この結果、加圧ベルト2の延命化を図ることもできる。
【0049】
本実施形態では定着ベルトガイドの軸方向延長線上の両端に規制フランジを設けた構成を例示したが、これに限るものではない。加圧ベルトガイド3に対して同様の規制フランジ7を設けた場合も、またベルトガイドの一方の端部にのみ設けた場合も、同様の効果がある。更には、本実施形態では定着ベルトガイド4と規制フランジ7とを別体として例示したが、これらを一体的に構成してもよい。この場合も、同様の効果を得ることができる。
【0050】
〔第2実施形態〕
図を用いて本発明の第2実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図4は第2実施形態における定着装置の斜視図及び側面図である。
【0051】
図4に示すように、本実施形態の定着装置22も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド(ガイド部材)9が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド(ガイド部材)8が配設される。
【0052】
本実施形態における加圧ベルトガイド8及び定着ベルトガイド9は、例えばPPSやポリアミド等の耐熱性樹脂で形成された固定ガイドである。各ベルトガイドには、ベルト内周面との接触面積を小さくするため、各々のベルト内面と摺擦する外周面には周方向にリブが設けられる。
【0053】
また、本実施形態においては、2本の加圧ベルトガイド8のうち片方、及び2本の定着ベルトガイド9のうち片方の軸方向の両端部には、それぞれ規制フランジ(規制部材)10が設けられる。また、図4に示すように、ベルトを介して当接する加圧ベルトガイド8と定着ベルトガイド9のうち、片方のベルトガイド端縁に規制フランジ10を配設する。このように互い違いに配設すると、加圧ベルトガイド8及び定着ベルトガイド9に設けられた規制フランジ10が互いに干渉しない。
【0054】
このような構成にしても、第1実施形態と同様に、ベルトの寄りを防止することができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図を用いて本発明の第3実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図5は第3実施形態における定着装置の斜視図である。
【0056】
図5に示すように、本実施形態の定着装置23も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド(ガイド部材)11が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド(ガイド部材)12が配設される。
【0057】
定着ベルトガイド11及び加圧ベルトガイド12は実施形態と同様、回転自在に設けられたローラであるが、回転軸方向が非平行である。具体的には、図5に示すように、上流側のベルトガイドが、下流側のベルトガイドに対し角度θをもって配設されている。即ち、定着装置23を上面から見た場合、ベルトガイドが略ハの字となるように、配設されている。
【0058】
本実施形態によれば、図5に示すように、傾いたベルトガイドに案内されて走行するベルトは、間隔の狭いベルトガイドの片端部方向(図中H方向)にのみ寄る。このように、ベルトの寄る方向が一定となるので、規制フランジ(規制部材)13はベルトガイド軸端部のうち、H方向の端部にのみに配設する。
【0059】
本実施形態の構成においても、規制フランジ13の規制面は定着ベルト1および加圧ベルと2を同一の規制面で規制する構成である。また、本実施形態においては、前記規制面が転写材Pの端縁をも規制する。このため、前記規制面が搬送基準面をも兼ねる。
【0060】
本実施形態には以下の特有な効果がある。
【0061】
定着ベルト1、加圧ベルト2と転写材Pを規制フランジの同一面で規制することができる。このため、上下のベルトと転写材Pの搬送時における位置精度を高めつつ三者を一体にして搬送することができ、ベルトの寄りに起因する画像不良をより軽減することができる。
【0062】
本実施形態では定着ベルトガイドおよび加圧ベルトガイドの一方を他方に対し傾けてベルトが一方向にのみ寄る構成であるが、この構成に限るものではない。例えば、一方のベルトガイドを、寄り進行方向に対し外径が大きくなるようなテーパ形状とし、他方のベルトガイドと中心軸が平行となるように配設してもよい。本実施形態においては、ベルトが一方向にのみ寄る構成を限定するものではなく、各種工夫を施すことができる。
【0063】
〔第4実施形態〕
図を用いて本発明の第4実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図6は第4実施形態における定着装置の斜視図である。
【0064】
図6に示すように、本実施形態の定着装置24も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド4が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド3が配設される。
【0065】
また、2つの加圧ベルトガイド3の軸方向の片方の端部には規制フランジ(規制部材)14が配設され、他方の端部には規制フランジ(規制部材)15が配設される。ここで、規制フランジ14は、第1実施形態と同様に固定配設されている。一方、規制フランジ15は加圧ベルトガイド3の回転軸方向に揺動自在に配設される。そして、不図示の加圧機構により定着ベルト1の軸方向(図中J方向)に押圧されている。
【0066】
従って定着ベルト1の両端縁と加圧ベルト2の両端縁は、規制フランジ15からの押圧によって、常に規制フランジ14、15に接し、姿勢を規制された状態にある。
【0067】
本実施形態はこのような形態において、第3実施形態と同様に規制フランジ14のベルト端縁規制面が転写材Pの搬送基準面をも兼ねていることをも特徴としている。本実施形態には第3実施形態と同様の効果がある。
【0068】
〔第5実施形態〕
図を用いて本発明の第5実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図7は第5実施形態における定着装置の断面図である。
【0069】
図7に示すように、本実施形態の定着装置25も、定着ベルト1と加圧ベルト2の2つのエンドレスベルトを対向させて構成する上下ベルト定着装置である。本実施形態においては、定着ベルト1の内面には、定着ベルト1を張架する2本の定着ベルトガイド4が配設され、加圧ベルト2の内面には、加圧ベルト2を張架する2本の加圧ベルトガイド3が配設される。
【0070】
本実施形態による定着装置25では、規制フランジ(規制部材)7と、定着ベルト1および加圧ベルト2の基層を導電材料により形成する。そして、定着ベルト1及び加圧ベルト2の最表面を電気絶縁材量で形成する。定着ベルト1および加圧ベルト2の内面、すなわち基層面には、図7に示す電気接触部K及び電気接触部Mが設けられる。また、電気接触部Kと電気接触部Mとの電流の導通状態を検知し、不図示の制御回路に検知状態を報知する検知手段16を有する。
【0071】
このような構成において、定着ベルト1と加圧ベルト2が規制フランジ7により同時に規制状態となると、K〜M間、即ち、電気接触部K〜定着ベルト1の基層〜規制フランジ7〜加圧ベルト2の基層〜電気接触部Mに至る電気的導通路が形成される。一方、規制フランジ7により定着ベルト1と加圧ベルト2の両方が規制されていない状態においては、上記導通路は遮断される。
【0072】
この導通路の開閉情報は、例えばK〜M間の電気抵抗等を測定することによって検知可能である。画像形成装置本体の制御回路は、検知手段16の検知情報に基づいて定着装置への転写材搬送制御を行っている。すなわち、定着ベルト1と加圧ベルト2が同時に端縁規制位置にある状態、すなわち前記導通路が形成されている場合にのみ画像形成装置は定着装置への転写材の搬送を行うことが可能となる。
【0073】
本実施形態には以下の特有な効果がある。
【0074】
定着装置における転写材の滞留(JAM)が発生した場合、滞留した転写材Pの排出処理によっては、定着ベルト1と加圧ベルト2とが滞留した転写材Pに連れ動いてしまう。すると、ベルトが軸方向に位置がズレることがある。
【0075】
本実施形態のように両ベルトの規制状態を検知して転写材Pを搬送する制御を用いることにより、上記状態における定着装置25への転写材の搬送を行われなくすることができる。この結果、先述した画像不良を回避することができる。
【0076】
本実施形態では定着ベルトおよび加圧ベルトの規制状態を検知する方法として上記のように電気的導通路の抵抗検知を例示したが、これに限るものではない。例えば、光学式センサ等を用いてベルト端縁の規制状態を検知する等、適宜設計変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1実施形態における定着装置の断面図。
【図2】第1実施形態における定着装置の斜視図。
【図3】第1実施形態における加圧ベルトを上方から見た図。
【図4】第2実施形態における定着装置の斜視図及び側面図。
【図5】第3実施形態における定着装置の斜視図。
【図6】第4実施形態における定着装置の斜視図。
【図7】第5実施形態における定着装置の断面図。
【図8】画像形成装置の概略断面図。
【図9】従来の定着装置の構成を示す図。
【図10】従来の定着装置の構成を示す図。
【図11】従来の定着装置の構成を示す図。
【符号の説明】
【0078】
K…電気接触部、L…露光、M…電気接触部、N…定着ニップ、N0…転写ニップ、P…転写材、1…定着ベルト、2…加圧ベルト、2a…加圧ベルト、3…加圧ベルトガイド、4…定着ベルトガイド、5…セラミックヒータ、6…加圧部材、7…規制フランジ、8…加圧ベルトガイド、9…定着ベルトガイド、10…規制フランジ、11…定着ベルトガイド、12…加圧ベルトガイド、14…規制フランジ、15…規制フランジ、21…定着装置、22…定着装置、23…定着装置、24…定着装置、25…定着装置、50…画像形成装置、51…感光体ドラム、52…帯電器、53…露光装置、54…給送ローラ、55…現像器、56…吸着ローラ、59…記録材搬送ベルト、60…転写ローラ、62…駆動ローラ、64…テンションローラ、66…感光体ドラムクリーナー、70…現像カートリッジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が転写された転写材の未定着画像担持面に外周面を対向するエンドレス状の定着ベルトと、前記転写材の未定着画像の非担持面に外周面を対向するエンドレス状の加圧ベルトと、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトのそれぞれの内面にあって、ベルト走行を案内する複数のガイド部材とを有し、前記定着ベルトと前記加圧ベルトの接触領域に前記転写材を通過させることによって前記転写材上の画像を定着する定着装置において、
前記転写材の搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、
前記ガイド部材の軸方向の延長線上の少なくとも一方には、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトの両端縁を規制する規制部材を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記ガイド部材と前記規制部材とが一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記規制部材が前記転写材の端縁をも規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記定着ベルト又は前記加圧ベルトをガイドする複数の前記ガイド部材のうち、同一のベルトをガイドする2つの前記ガイド部材の軸は互いに非平行であり、
前記規制部材は、同一のベルトをガイドする2つの前記ガイド部材の間隔が狭い方向の端部に配設されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項5】
前記規制部材が、前記ガイド部材の軸方向に揺動可能であり、且つ押圧されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
前記定着ベルトと加圧ベルトが前記規制部材に規制される状態であることを検知する検知手段を有することを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
【請求項1】
画像が転写された転写材の未定着画像担持面に外周面を対向するエンドレス状の定着ベルトと、前記転写材の未定着画像の非担持面に外周面を対向するエンドレス状の加圧ベルトと、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトのそれぞれの内面にあって、ベルト走行を案内する複数のガイド部材とを有し、前記定着ベルトと前記加圧ベルトの接触領域に前記転写材を通過させることによって前記転写材上の画像を定着する定着装置において、
前記転写材の搬送方向で前記定着ニップ域外に設け、
前記ガイド部材の軸方向の延長線上の少なくとも一方には、前記定着ベルト及び前記加圧ベルトの両端縁を規制する規制部材を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記ガイド部材と前記規制部材とが一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記規制部材が前記転写材の端縁をも規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記定着ベルト又は前記加圧ベルトをガイドする複数の前記ガイド部材のうち、同一のベルトをガイドする2つの前記ガイド部材の軸は互いに非平行であり、
前記規制部材は、同一のベルトをガイドする2つの前記ガイド部材の間隔が狭い方向の端部に配設されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項5】
前記規制部材が、前記ガイド部材の軸方向に揺動可能であり、且つ押圧されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
前記定着ベルトと加圧ベルトが前記規制部材に規制される状態であることを検知する検知手段を有することを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−240739(P2007−240739A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61199(P2006−61199)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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