説明

定着装置

【課題】発熱体が発する輻射熱を効率よくニップ部材に向けて反射することができる反射板を備えた定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置は、可撓性の定着ベルトと、定着ベルトの内部に配置されるハロゲンランプ120(発熱体)と、定着ベルトの内周面に摺接するニップ板130(ニップ部材)と、定着ベルトの軸方向から見て、ハロゲンランプ120を覆うように、ニップ板130側が開放した略U字状に形成される反射板150と、ニップ板130との間で定着ベルトを挟んでニップを形成する加圧ローラと、軸方向から見て、反射板150を覆うように、ニップ板130側が開放した略U字状に形成され、反射板150を加圧ローラ側とは反対側から支持するステイ160と、を備え、記録シート搬送方向において反射板150の両側に配置される一対の側壁151A,151Bの少なくとも1つは、内面がニップ板130側を向くように傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、筒状の定着ベルトと、定着ベルトの内部に配置され、輻射熱を発するヒータ(発熱体)と、定着ベルトの内周面に摺接するニップ部材と、輻射熱をニップ部材へ向けて反射させる反射板と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、反射板は、定着ベルトの軸方向から見て、ヒータを覆うように、略U字状に形成されており、反射板の記録シート搬送方向における両側に配置される一対の壁部が、ニップ部材に対して垂直に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−95534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した技術では、反射板の一対の壁部により反射された輻射熱が、ニップ部材側に向かわない場合があり、ヒータの輻射熱が効率的にニップ部材へ向けて反射されず、反射板の輻射熱の反射効率が悪かった。
【0005】
そこで、本発明は、発熱体が発する輻射熱を効率よくニップ部材に向けて反射することができる反射板を備えた定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の定着装置は、記録シートに転写された現像剤像を、記録シートを所定の方向に移動させながら熱定着する定着装置であって、可撓性の筒状部材と、筒状部材の内部に配置される発熱体と、筒状部材の内周面に摺接するニップ部材と、筒状部材の軸方向から見て、発熱体を覆うように、ニップ部材側が開放した略U字状に形成される反射板と、ニップ部材との間で筒状部材を挟んでニップを形成するバックアップ部材と、前記軸方向から見て、反射板を覆うように、ニップ部材側が開放した略U字状に形成され、反射板をバックアップ部材側とは反対側から支持するステイと、を備えている。
そして、前記所定の方向において反射板の両側に配置される一対の壁部の少なくとも1つは、内面がニップ部材側を向くように傾斜している。
【0007】
このように構成された定着装置によれば、反射板の内側の面がニップ部材側に向いているので、反射板の輻射熱の反射効率を向上させることができる。
【0008】
そして、前記した定着装置において、反射板の壁部は、被係止部を有し、ステイは、被係止部と係合することで、反射板の壁部のニップ部材側の端部が内側へ移動するのを規制する係止部を有しているのが望ましい。
【0009】
このように構成された定着装置によれば、反射板の内面がニップ部材以外の方向へ向くように反射板の壁部が変形するのを抑制することができる。
【0010】
また、前記した定着装置において、反射板の壁部のニップ部材側の端部には、外側に向かって延びるフランジ部が設けられており、ステイは、フランジ部を支持していてもよい。
【0011】
そして、前記した反射板がフランジ部を有する定着装置において、ステイは、ニップ部材との間でフランジ部を挟むことが望ましい。
【0012】
このように構成された定着装置によれば、ステイとニップ部材がフランジ部を挟むので、例えば、前記した係止部と被係止部が係合する前でも、フランジ部が移動するような反射板の変形を抑制することができる。
【0013】
また、前記した定着装置において、ステイは、前記所定の方向における両側に配置される一対の側壁が、ニップ部材に対して垂直に延びているのが望ましい。
【0014】
このように構成された定着装置によれば、ステイを介してニップ部材をバックアップ部材側へ向けて押圧する場合に、ニップ部材をバックアップ部材へ向けて確実に押すことができる。また逆に、バックアップ部材をニップ部材側へ向けて押圧する場合には、ステイによって荷重を確実に受けることができる。
【0015】
そして、前記した定着装置は、ステイをバックアップ部材へ向けて付勢する付勢手段をさらに備えていてもよい。
また、前記したステイは、反射板よりも剛性の高い板から形成されていてもよい。そして、前記した反射板は、アルミニウムから形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、反射板の内面がニップ部材側を向くように構成されているので、反射板の輻射熱の反射効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る定着装置を備えたレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】定着装置の断面図である。
【図3】ニップ板の斜視図である。
【図4】反射板とステイの斜視図である。
【図5】ハロゲンランプ、ニップ板、反射板およびステイを示す簡略図である。
【図6】反射板が組み付けられたステイを示す斜視図である。
【図7】第2および第3フックと第2および第3被係合部の係合を説明する断面図である。
【図8】変形例に係る定着装置におけるハロゲンランプ、ニップ板、反射板およびステイを示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、本発明の定着装置100を備えたレーザプリンタ1の概略構成について説明した後、定着装置100の詳細な構成について説明する。
【0019】
また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における左側を「前」、右側を「後」とし、手前側を「右」、奥側を「左」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0020】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、記録シートの一例としての用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像(現像剤像)を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置100とを主に備えている。
【0021】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5(感光体ドラム61と転写ローラ63との間)に向けて供給される。
【0022】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0023】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、ドラムユニット6と、現像ユニット7とから構成されている。
【0024】
ドラムユニット6は、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。また、現像ユニット7は、ドラムユニット6に対して着脱可能に装着される構成となっており、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74とを主に備えている。
【0025】
このプロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給され、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0026】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0027】
定着装置100は、プロセスカートリッジ5の後方に設けられている。用紙S上に転写されたトナー像(トナー)は、定着装置100を通過することで用紙S上に熱定着される。トナー像が熱定着された用紙Sは、搬送ローラ23,24によって排紙トレイ22上に排出される。
【0028】
<定着装置の詳細構成>
図2に示すように、定着装置100は、筒状部材の一例としての定着ベルト110と、発熱体の一例としてのハロゲンランプ120と、ニップ部材の一例としてのニップ板130と、バックアップ部材の一例としての加圧ローラ140と、反射板150と、ステイ160と、サイドガイド200(図5参照)と、を主に備えている。
【0029】
定着ベルト110は、耐熱性と可撓性を有する無端状(筒状)のベルトであり、符号を省略して示すガイド部材により回転が案内されている。
【0030】
ハロゲンランプ120は、輻射熱を発してニップ板130および定着ベルト110を加熱することで用紙S上のトナーを加熱するヒータであり、定着ベルト110の内部において定着ベルト110およびニップ板130の内面から所定の間隔をあけて配置されている。
【0031】
ニップ板130は、ハロゲンランプ120からの輻射熱を受ける板状の部材であり、その下面が筒状の定着ベルト110の内周面に摺接するように、定着ベルト110の内部に配置されている。本実施形態において、ニップ板130は、例えば、後述するスチール製のステイ160より熱伝導率が大きい、アルミニウム板などの金属板を加工することで形成されている。
【0032】
図3に示すように、ニップ板130は、ベース部131と、屈曲部132とを有している。
ベース部131は、その下面が定着ベルト110の内周面と摺接する部分であり、ハロゲンランプ120からの熱を、定着ベルト110を介して用紙S上のトナーに伝達するようになっている。屈曲部132は、ベース部131の前後端から上方へ延びるように形成されている。
【0033】
図2に示すように、加圧ローラ140は、弾性変形可能な部材であり、ニップ板130の下方に配置されている。そして、この加圧ローラ140は、弾性変形した状態でニップ板130との間で定着ベルト110を挟むことで、ニップNを形成するようになっている。本実施形態においては、ニップ板130が、後述するバネ170により加圧ローラ140に向けて付勢されることで、ニップ板130と加圧ローラ140が互いに圧接するように構成されている。
【0034】
この加圧ローラ140は、本体筐体2内に設けられた図示しないモータから駆動力が伝達されて回転駆動するように構成されており、回転駆動することで定着ベルト110(または用紙S)との摩擦力により定着ベルト110を従動回転させるようになっている。これにより、トナー像が転写された用紙Sは、加圧ローラ140と加熱された定着ベルト110の間を前後方向(所定の方向)に搬送されることでトナー像(トナー)が熱定着される。
【0035】
反射板150は、ハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130(ニップ板130の上面)に向けて反射する部材であり、ハロゲンランプ120を覆うように、ハロゲンランプ120から所定の間隔をあけて配置されている。
【0036】
具体的に、反射板150は、赤外線および遠赤外線の反射率が大きい金属板、例えば、アルミニウム板などを、定着ベルト110の軸方向(以下、単に「軸方向」という。)から見て、ニップ板130側が開放した略U形状に湾曲させて形成されている。
【0037】
より詳しくは、図4および図5に示すように、反射板150は、湾曲形状(断面視略U形状)をなす反射部151と、反射部151のニップ板130側の両端部から前後方向外側に延びるフランジ部152と、第1フック153と、第2フック154と、第3フック155と、を主に有している。
【0038】
反射部151は、ハロゲンランプ120を挟んで前後方向における両側に配置される一対の壁部の一例としての側壁151A,151Bと、一対の側壁151A,151Bをハロゲンランプ120の上方で連結する上壁151Cとを有している。
【0039】
一対の側壁151A,151Bは、図5に示すように、内側に倒れた形状となっており、その内面がニップ板130側を向くように、ニップ板130のベース部131に対して傾斜している。そして、この一対の側壁151A,151Bは、ステイ160に組み付けられていない状態では、前側の側壁151Aの下端から後側の側壁151Bの下端までの前後方向における距離が、ステイ160の前壁162と後壁163の距離よりも大きくなっている。これにより、反射板150は、ステイ160に圧入されて組み付けられるようになっている。
【0040】
反射部151の上壁151Cは、ニップ板130のベース部131と略平行となるように形成されている。
【0041】
このように、反射部151が構成されることで、ハロゲンランプ120を覆う反射部151(一対の側壁151A,151Bおよび上壁151C)の内面がニップ板130側を向いているので、反射板150は、ハロゲンランプ120からの輻射熱を効率的にニップ板130に集め、ハロゲンランプ120からの輻射熱を効率よく利用し、ニップ板130および定着ベルト110を速やかに加熱することができるようになっている。
【0042】
図4に戻り、第1フック153は、後述するステイ160の第1係合部165Aに係合する被係止部の一例であり、前側のフランジ部152の軸方向における複数箇所に設けられている。第1フック153は、先端が上方に向かって延びた形状を有している。
【0043】
第2および第3フック154,155は、後述するステイ160の第2係合部167(図7参照)に係合する被係止部の一例であり、後側の側壁151Bに設けられている。
【0044】
具体的に、第2フック154は、後側の側壁151Bの軸方向略中央部において、下端を後側に切り起こすことで、フランジ部152よりも上方に形成されている。この第2フック154は、後側の側壁151Bから後方へ向かって延びた後、先端が左右両側へ向かって延びた形状を有している。
【0045】
第3フック155は、後側の側壁151Bの左右2箇所において、下端を後側に切り起こすことで、フランジ部152よりも上方に形成されている。この第3フック155は、後側の側壁151Bから後方へ向かって延びた後、先端が左右方向外側に向かって延びた形状を有している。
【0046】
図2および図4に示すように、ステイ160は、加圧ローラ140とは反対側から前後方向におけるニップ板130の両端部と反射板150を支持する部材であり、定着ベルト110の内側でハロゲンランプ120および反射板150を覆うように配置されている。このステイ160は、反射板150よりも剛性が高い、例えば、鋼板などの金属板を、ニップ板130側に開口を有するとともに反射板150(反射部151)に沿った形状(軸方向から見て、ニップ板130側が開放した略U形状)で屈曲させることにより形成されている。
【0047】
より詳細に、ステイ160は、上壁161と、上壁161の前後端から下方へ延びる前壁162および後壁163を有している。この前壁162および後壁163は、図5に示すように、反射板150を挟んで前後方向における両側に配置される一対の側壁の一例であり、それぞれニップ板130(ベース部131)に対して垂直に延びている。
【0048】
そして、前壁162の下端部には、外側に向かって延びるフランジ164が形成されており、このフランジ164が、反射板150の前側のフランジ部152を介してニップ板130の前端部を上から支持している。また、後壁163の下端部は、反射板150の後側のフランジ部152を介してニップ板130の後端を上から支持している。つまり、ステイ160は、ニップ板130との間で、反射板150のフランジ部152を挟んでいる。これにより、例えば、後述するように第1フック153が第1係合部165Aに係合する前や、第2および第3フック154,155が第2係合部167に係合する前であっても、フランジ部152が移動するような反射板150の変形を抑制することができるようになっている。
【0049】
また、ステイ160は、ニップ板130に対し下方(加圧ローラ140側)から力が作用したときにその力を受け止めてニップ板130を支持するようになっている。このとき、ステイ160の前壁162と後壁163が、ニップ板130のニップNを形成するベース部131に対して垂直に延びているので、ニップ板130のベース部131に垂直方向に加わる力をステイ160により確実に支持することができるようになっている。なお、本実施形態では、後述するように、ニップ板130が、バネ170により加圧ローラ140に向けて付勢されるので、ここでいう力は、ニップ板130が加圧ローラ140を付勢する力の反力をいう。
【0050】
そして、ステイ160の前壁162には、図4および図5に示すように、反射板150の第1フック153が係止する係止部の一例としての第1係合部165Aが設けられている。
【0051】
第1係合部165Aは、前壁162のフランジ164の軸方向における複数の箇所、より詳細には、軸方向における反射板150の第1フック153に対応する位置に設けられている。この第1係合部165Aは、フランジ164に切欠部165を形成することで設けられている。
【0052】
また、ステイ160の後壁163には、図4および図7に示すように、反射板150の第2および第3フック154,155が係止する係止部の一例としての第2係合部167が設けられている。
【0053】
第2係合部167は、後壁163の反射板150の第2および第3フック154,155に対応する位置に設けられている。この第2係合部167は、後壁163の後面であり、後壁163の下端に切欠部166を形成することで設けられている。
【0054】
このように構成されたステイ160に対し、反射板150を下方から組み付けると、第1フック153は、上方に折れ曲がった先端部がステイ160の切欠部165を通り、第1係合部165Aに前後方向で対向する。また、第2および第3フック154,155は、基端側がステイ160の切欠部166を通り、先端側が第2係合部167に前後方向で対向する。
【0055】
このように、反射板150をステイ160に組み付けることにより、反射板150が、一対の側壁151A,151Bの下端を内側に移動させるように撓むと、第1〜第3フック153,154,155がそれぞれ第1係合部165Aおよび第2係合部167に係合するので、一対の側壁151A,151Bの下端(ニップ板130側の端部)が前後方向の内側へ移動するのが規制される。これにより、熱膨脹などにより、反射板150の内面がニップ板130以外の方向(例えば、上方)へ向くように変形するのを抑制することができるようになっている。
【0056】
図5に示すように、サイドガイド200は、ハロゲンランプ120およびステイ160を支持する部材であり、ステイ160の軸方向左右端に設けられている。このサイドガイド200は、バネ170により下方に付勢されている。これにより、ステイ160が加圧ローラ140側、つまり、下側に向かって付勢されるようになっている。
【0057】
このとき、ステイ160は、前壁162と後壁163が、ニップ板130に対して垂直に延びているので、ステイ160が、バネ170から受ける付勢力により、ニップ板130を加圧ローラ140に向けて確実に押すことができるようになっている。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0059】
前記実施形態では、反射板150の一対の側壁151A,151Bを繋ぐ上壁151Cは、ニップ板130のベース部141と略平行に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、反射板250の一対の側壁151A,151Bを繋ぐ上壁251Cは、内面をニップ板130のベース部131側に向けた円弧状に形成されていてもよい。
【0060】
そして、前記実施形態では、反射板150の一対の側壁151A,151Bが、両方とも、内面がニップ板130側に向くように傾斜していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射板の一対の側壁のうち、一方が内面をニップ板130側に向くように傾斜しており、他方がニップ板130に対して垂直に延びていてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、反射板150のフランジ部152が、ステイ160とニップ板130で挟まれることで、ステイ160に支持されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射板150には、ステイ160に対向する面に、ステイ160側に突出する突起を設け、ステイ160には、この突起が係合可能な穴を、反射板150に対向する面に設ける。このように構成することで、反射板150のフランジ部152をステイ160とニップ板130で挟まずに、突起を穴に嵌めることで、反射板150がステイ160に支持されるようにしてもよい。
【0062】
そして、前記実施形態では、反射板150がアルミニウム板から形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射板は、ハロゲンランプ120に対向する内面に、金や銀などが蒸着またはメッキ処理等された板状の部材であってもよい。
【0063】
前記実施形態では、ステイ160が加圧ローラ140側へ付勢されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、加圧ローラ140がステイ160側に付勢されていてもよい。
【0064】
前記実施形態では、発熱体としてハロゲンランプ120を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カーボンヒータなどであってもよい。
【0065】
前記実施形態では、ニップ部材として板状のニップ板130を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、板状でない厚めの部材を採用してもよい。
【0066】
前記実施形態では、バックアップ部材として加圧ローラ140を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ベルト状の加圧部材などであってもよい。
【0067】
前記実施形態では、記録シートとして、普通紙やはがきなどの用紙Sを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、OHPシートなどであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 レーザプリンタ
100 定着装置
110 定着ベルト
120 ハロゲンランプ
130 ニップ板
140 加圧ローラ
150 反射板
151 反射部
151A 側壁
151B 側壁
152 フランジ部
153 第1フック
154 第2フック
155 第3フック
160 ステイ
162 前壁
163 後壁
165A 第1係合部
167 第2係合部
170 バネ
200 サイドガイド
N ニップ
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートに転写された現像剤像を、記録シートを所定の方向に移動させながら熱定着するための定着装置であって、
可撓性の筒状部材と、
前記筒状部材の内部に配置される発熱体と、
前記筒状部材の内周面に摺接するニップ部材と、
前記筒状部材の軸方向から見て、前記発熱体を覆うように、前記ニップ部材側が開放した略U字状に形成される反射板と、
前記ニップ部材との間で前記筒状部材を挟んでニップを形成するバックアップ部材と、
前記軸方向から見て、前記反射板を覆うように、前記ニップ部材側が開放した略U字状に形成され、前記反射板を前記バックアップ部材側とは反対側から支持するステイと、を備え、
前記所定の方向において前記反射板の両側に配置される一対の壁部の少なくとも1つは、内面が前記ニップ部材側を向くように傾斜していることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記反射板の壁部は、被係止部を有し、
前記ステイは、前記被係止部と係合することで、前記反射板の壁部の前記ニップ部材側の端部が内側へ移動するのを規制する係止部を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記反射板の壁部の前記ニップ部材側の端部には、外側に向かって延びるフランジ部が設けられ、
前記ステイは、前記フランジ部を支持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記ステイは、前記ニップ部材との間で前記フランジ部を挟むことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記ステイは、前記所定の方向における両側に配置される一対の側壁が、前記ニップ部材に対して垂直に延びていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項6】
前記ステイを前記バックアップ部材へ向けて付勢する付勢手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項7】
前記ステイは、前記反射板よりも剛性の高い板から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項8】
前記反射板は、アルミニウムからなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−114053(P2013−114053A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260483(P2011−260483)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】