説明

定着部材、定着装置および画像形成装置

【課題】耐磨耗性および柔軟性に優れた定着部材を提供すること。
【解決手段】少なくとも表面に数平均分子量が30万以上の超分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする定着部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式により画像を形成する複写機等に用いられる定着部材、これを用いた定着装置、および、この定着装置を用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真用の定着部材の表面は、通常、トナーとの離型性を確保するために、シリコーンゴム、フッ素ゴム及びフッ素樹脂などを含む離型層から構成されている。
シリコーンゴムやフッ素ゴムは柔軟性に富むため、定着時に紙等の記録シートと定着部材の表面とが接触した場合に加わる急激な応力によって発生する傷に対しては強いが、耐磨耗性に劣る。一方、フッ素樹脂は柔軟性に乏しいため、傷には弱いが、耐磨耗性は優れている。
【0003】
このため、定着部材の表面には、優れた柔軟性および耐磨耗性を兼ね備えた材料を用いることが求められている。このような、材料としては、より柔軟性を付与したPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)が提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)
一方、分子量の極めて大きい超分子量のポリエチレン(以下、「超分子量ポリエチレン」と称す)は、耐磨耗性に優れることから電子写真用の被摺動部材として利用されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、超分子量ポリエチレンは、定着部材には未だ利用されていない。
【特許文献1】特開平10−195302号公報
【特許文献2】特開2001−11273号公報
【特許文献3】特開昭64−37566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、
超分子量ポリエチレンを用い、耐磨耗性および柔軟性に優れた定着部材およびこれを用いた定着装置、並びに、この定着装置を用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために、従来のフッ素系やシリコン系以外で、定着部材の離型層に求められる優れた耐磨耗性および柔軟性を兼ね備えた材料として、超分子量ポリエチレンに着目した。しかし、超分子量ポリエチレンは、今まで定着部材としては利用されていない。これは、トナーに対する離型性の点では、フッ素系やシリコン系材料に劣るため、画像を形成した場合の画質の劣化を招く恐れがあると認識されていたためであると考えられる。例えば、従来の粉砕法で作製されたような離型剤を含まないトナーを用いた場合には、定着部材のトナーに対する離型性は、定着部材表面を構成する材料そのものの特性に支配されることになるためである。
【0006】
しかしながら、本発明者らは、離型性がフッ素系やシリコン系材料に劣るとしても、超分子量ポリエチレンを定着部材の離型層として十分に利用することが可能である上に、更に、超分子量ポリエチレンの優れた特性である耐磨耗性や柔軟性を利用して、総合的には従来よりも優れた性能を有する定着部材を提供することが可能であると考え、以下の本発明を見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、
<1>
少なくとも表面に数平均分子量が30万以上の超分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする定着部材である。
【0008】
<2>
前記表面が、フッ素系化合物またはシリコーン系化合物を含むことを特徴とする<1>に記載の定着部材である。
【0009】
<3>
前記超分子量ポリエチレンが、架橋構造を有することを特徴とする<1>または<2>に記載の定着部材である。
【0010】
<4>
互いに圧接しニップ部を形成す1対の定着部材を少なくとも有し、前記ニップ部に未定着トナー像が形成された記録シートを通過させ、前記未定着トナー像を加熱加圧することにより前記記録シート上に定着する定着装置において、
前記1対の定着部材の少なくとも一方が<1>〜<3>のいずれか1つに記載の定着部材であることを特徴とする定着装置である。
【0011】
<5>
前記未定着トナー像を構成するトナーが、離型剤を含むことを特徴とする<4>に記載の定着装置である。
【0012】
<6>
前記1対の定着部材のうち、前記ニップ部に未定着トナー像が形成された記録シートを通過させた際に、前記記録シートの前記未定着トナー像が形成された側の定着部材の表面に、シリコーンオイルを供給するオイル供給手段を備えたことを特徴とする<4>に記載の定着装置である。
【0013】
<7>
静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像し未定着トナー像を形成する現像手段と、前記静電荷像担持体表面上の前記未定着トナー像を記録シート上に転写する転写手段と、前記未定着トナー像を加熱加圧することにより前記記録シート上に定着する定着装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、
前記定着装置が<4>〜<6>のいずれか1つに記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
以上に説明したように本発明によれば、超分子量ポリエチレンを用いた耐磨耗性および柔軟性に優れた定着部材およびこれを用いた定着装置、並びに、この定着装置を用いた画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<定着部材>
本発明の定着部材は、少なくとも表面に数平均分子量が30万以上の超分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする。従って、本発明の定着部材は、耐磨耗性および柔軟性に優れ、長期に渡って使用しても傷の発生や磨耗を抑制することができる。それゆえ、本発明の定着部材を用いた定着装置や画像形成装置によって画像を形成しても、経時的な画質の劣化が起こりにくい。
なお、超分子量ポリエチレンは少なくとも表面に含まれるが、当該表面とは、定着時に記録シートと接する面を意味し、定着部材がロール状である場合は外周面を、無端ベルト状である場合は外周面を意味する。また、通常、定着部材は、基体上に少なくとも離型層が設けられ、必要に応じて弾性層等の中間層が基体と離型層との間に設けられる構成からなる。この場合、超分子量ポリエチレンは離型層に含まれる。以下、超分子量ポリエチレンが離型層に含まれることを前提として本発明をさらに説明する。
【0016】
−離型層−
離型層は、超分子量ポリエチレンだけから構成されてもよく、超分子量ポリエチレンと他の材料とを混合したものであってもよい。なお、他の材料と混合する場合には、離型層中に含まれる超分子量ポリエチレンの含有量は60重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。超分子量ポリエチレンの含有量が60重量%未満の場合には十分な柔軟性と耐磨耗性とが得られなくなる場合がある。
【0017】
また、離型層表面の離型性を向上させることにより、定着時のオフセットの発生をより抑制・防止するために離型層の少なくとも表面には、フッ素系化合物またはシリコーン系化合物が含まれていることが好ましい。
なお、離型層表面の離型性を向上させる方法としては、〔1〕一旦形成された離型層の表面をフッ素系化合物やシリコーン系化合物で表面処理する方法;具体的には、一旦形成された離型層表面にフッ素系化合物やシリコーン系化合物を含む溶液を用いてディッピングコートやスプレイコート等、公知の塗布法を利用して離型層表面を表面処理する方法を挙げることができる。
また〔2〕超分子量ポリエチレンと、フッ素系化合物またはシリコーン系化合物とを含む混合材料を用いて離型層を形成する方法;具体的には、溶媒中に超分子量ポリエチレンと、フッ素系化合物またはシリコーン系化合物とを溶解させた溶液を用いて離型層を塗布形成することができる。
なお、塗布法以外にも、プラズマによる処理をしてもよい。
【0018】
ここで、フッ素系化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体などのフッ素樹脂、ビニリデンフルオライドなどのフッ素ゴム、また、フッ素を含有するシリコーンカップリング剤、フッ素含有カルボン酸などの反応基を有する低分子フッ素化合物などが上げられる。
【0019】
また、シリコーン系化合物としてはポリメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサンなどのシリコーン樹脂またはシリコーンゴム、SiH及びSi−ORなどの反応基をもつ、低分子シリコーン化合物などを挙げることができる。
【0020】
次に、本発明に用いられる超分子量ポリエチレンについてより詳細に説明する。本発明に用いられる超分子量ポリエチレンとは、下記構造式(1)中の整数nで示される数平均分子量が30万以上のポリエチレンを意味する。数平均分子量が30万未満のポリエチレンでは十分な耐磨耗性が得られないためである。
なお、耐磨耗性の点から数平均分子量は大きい方が好ましくその上限は特に限定されないが、加工性等、実用上の観点からは200万以下であることが好ましい。また数平均分子量は好ましくは50万〜150万の範囲内である。
・構造式(1) −(CH2−CH2n
【0021】
この超分子量ポリエチレンは、従来、定着部材に用いられていたシリコーンゴムやフッ素ゴムと比較して耐磨耗性に優れている上に、従来のフッ素樹脂と比較して柔軟性に富むため、定着部材表面の傷の発生を防止することができる。それゆえ、本発明の定着部材は、従来のシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂を用いた定着部材と比べると、耐磨耗性や柔軟性に優れているため、より長期に渡って定着部材表面の磨耗や傷に起因する画質の劣化を抑制・防止することができる。
【0022】
数平均分子量30万以上である超分子量ポリエチレンとしては、市販品を利用でき、例えばリュブマー(三井化学製)やハイゼックスミリオン(三井化学製)などを利用することができる。
また、超分子量ポリエチレンを用いた離型層の好適な形成方法としては、〔1〕予め円筒状に加工された超分子量ポリエチレンを含む塊をかつら剥きする等によってシート片を作製し、これを離型層として基体や、基体と離型層との間に設けられる弾性層等の中間層上に貼り付ける方法や、〔2〕超分子量ポリエチレンをデカリン等の溶剤に溶解させた溶液を用いて、デッピングコートやスプレーコート、フローコート(円筒状部材を、その回転軸が重力方向と略直交するようにして回転させた状態で、この円筒状部材の外周面に略上方から液を垂らして塗布する方法)等の公知の塗布法を利用して塗布形成する方法が挙げられる。
【0023】
なお、後者の方法に適した超分子量ポリエチレンとしては数平均分子量50万以上の超分子量ポリエチレンを用いることが好ましい。これは、数平均分子量50万以上の超分子量ポリエチレンは塊状に加工できないという理由にもよる。
また、塗布形成の場合には、基体上に塗膜を形成後、室温で生乾きさせた後、溶媒の沸点よりも低温で、プリベークさせてゆっくり温度を上げるようにするとよい。最終的な乾燥温度や、乾燥時間としては、昇温速度、空気の対流状態等により、適宜設定すればよいが、およそ150〜200℃、10〜300分程度が好ましい。
塗布形成やシート片を貼り付けて形成される離型層の厚みとしては5〜150μmの範囲内が好ましく、10〜100μmの範囲であることがより好ましい。なお、この超分子量ポリエチレンを含む離型層の厚みが、例えば200μm程度と十分に厚い場合には後述する弾性層を設けなくてもよい。
【0024】
また、本発明に用いられる超分子量ポリエチレンは、架橋構造を有することが好ましい。定着部材は定着時に加熱されるため、耐熱性も要求されるが、架橋構造を有する超分子量ポリエチレンを用いることによってより優れた耐熱性を得ることができる。このため、定着部材の熱による劣化を抑制したり、より高温での定着が可能となる。
なお、超分子量ポリエチレンに架橋構造を付与する方法としては、第3ブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、2,5−ジメトルメキサン2,5−ジヒドロペルオキシド、ジ−第3ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、第3ブチルクミルペルオキシド、1,1−ビス(第3ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(第3ブチルペルオキシ)オクタンなどの過酸化物、及びトリアリルイソシアネートなどの架橋助剤を利用することができる。
【0025】
−基体−
本発明の定着部材に用いられる基体は、円筒状ロール、あるいは、無端ベルト状のものが用いられる。本発明に用いられる基体が円筒状ロールの場合、該基体としては、金属としてアルミニウム、鉄、銅、等の円筒状ロール、ガラス製円筒状ロールが用いられる。
本発明に用いられる基体が無端ベルト状の場合、該基体としては、金属(アルミニウム、鉄、銅等)、あるいは、耐熱性樹脂(ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等)からなるベルトが用いられる。
なお、これら基体の大きさ(外径、幅、ベルト長さ等)、厚み(肉厚、シート厚)等は、定着部材として必要な寸法を適宜選択すればよい。
【0026】
−弾性層−
本発明の定着部材には、上記基体上に、離型層を形成することにより得られるが、基体上に、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料を用いて弾性層を形成した後に離型層を形成することもできる。
【0027】
弾性層の形成に用いられる弾性材料としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等、公知の弾性材料が使用できる。
例えばシリコーンゴムとしては、ビニルメチルシリコーンゴム、メチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等が利用できる。またフッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフロロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フロロポリエーテル、およびその他のフッ素ゴムが利用できる。これらは、それぞれ単独でもまたは2種以上組み合せてもよい。
【0028】
また、弾性層の形成に際しては上述した弾性材料の他に、無機あるいは有機の各種充填剤も利用できる。
無機充填剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、炭化ケイ素、タルク、マイカ、カオリン、酸化鉄、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また有機充填剤としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド等が利用できる。このほか特殊な弾性体として、フッ素樹脂としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFAも利用できる。
【0029】
弾性層に用いる弾性材料としては、反発弾性として比較的高いものがよく、40%以上、好ましくは50%以上のものが有効であり、かかる反発弾性の観点よりシリコーンゴムが最も好ましい。
【0030】
<定着装置>
次に、本発明の定着部材を用いた定着装置について説明する。
本発明の定着装置は、互いに圧接しニップ部を形成す1対の定着部材を少なくとも有し、前記ニップ部に未定着トナー像が形成された記録シートを通過させ、前記未定着トナー像を加熱加圧することにより前記記録シート上に定着する定着装置であり、前記1対の定着部材の少なくとも一方に本発明の定着部材が用いられる。
ここで、1対の定着部材のうち、少なくとも一方は、加熱源を内蔵、あるいは、外部の加熱源によって加熱される加熱部材であり、1対の定着部材は、2つの加熱部材、または、加熱部材および加圧部材(加熱源を内蔵しない、あるいは、外部の加熱源によって加熱されない定着部材)の組合せからなる。
【0031】
なお、本発明の定着装置により定着を行う場合、未定着トナー像を構成するトナーが、離型剤を含むことが好ましい。
この場合、定着時の加熱加圧によって、個々のトナー粒子に含まれる離型剤が、未定着トナー像と、定着部材表面との間に溶出する。このため、定着時に未定着トナー像と接触する定着部材が超分子量ポリエチレンを用いた本発明の定着部材であったとしても、従来の定着部材と同様に十分な離型性を確保することができ、オフセット等の発生を抑制・防止することができる。
【0032】
また、離型剤を含まないトナーを用いるような場合には、1対の定着部材のうち、ニップ部に未定着トナー像が形成された記録シートを通過させた際に、この記録シートの未定着トナー像が形成された側の定着部材の表面に、シリコーンオイルを供給するオイル供給手段が設けられていることが好ましい。
この場合、定着時に未定着トナー像と、定着部材表面とが接触しても、その間にシリコーンオイルが介在するため、未定着トナー像と接触する側の定着部材として本発明の定着部材を用いても、従来の定着部材と同様に十分な離型性を確保することができ、オフセット等の発生を抑制・防止することができる。
さらに、未定着トナー像と接触する側の定着部材が本発明の定着部材である場合には、既述したように離型層にシリコーン系化合物が含まれていることがより好ましい。この場合、オイル供給手段から供給されるシリコーンオイルを、離型層の表面により安定して保持できるため、離型性をより向上させることができる。
【0033】
次に、本発明の定着装置の具体例について図面を用いてより詳細に説明するが、本発明の定着装置は、以下の具体例のみに限定されるものではない。
−2ロール方式の定着装置−
2ロール方式の定着装置は、加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ部を形成する加圧ロールとを少なくとも備えたものであり、ここで、本発明の定着部材は、加熱ロールおよび/または加圧ロールとして用いられる。
【0034】
図1は2ロール方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略模式図であり、図1中、10は加熱ロール、10aは円筒状芯金(基体)、10bは弾性層、10cは離型層、11は加熱ロール、11aは円筒状芯金(基体)、11bは弾性層、11cは離型層、12、13はヒーターランプ、14は未定着トナー像、15は記録シート、16はオイル供給手段、18はインレット、19はアウトレットを表す。
【0035】
ここで、加熱ロール10は、基体10表面上に弾性層10b、離型層10cがこの順に積層され、基体10内部にはヒーターランプ12が内蔵されており、この加熱ロールとニップ部を形成するように対抗配置された加熱ロール11は、基体11表面上に弾性層11b、離型層11cがこの順に積層され、基体11内部にはヒーターランプ13が内蔵されている。なお、ヒータランプ13は省略してもよい。
加熱ロール10、11はいずれか一方が不図示の駆動手段により駆動回転し、他方が従動回転することによりそれぞれ矢印B、C方向に回転可能であり、定着時にニップ部の用紙挿入側(矢印B,C方向と反対方向側)から、不図示の搬送手段によって矢印A方向に搬送される未定着トナー像14が形成された記録シート15(未定着トナー像14は、記録シート15の加熱ロール10と接触する側に形成)がニップ部に突入し、ニップ部の用紙排出側(矢印B,C方向側)へと排出されるようになっている。
【0036】
また、記録シート15のニップ部近傍での詰まり等、搬送トラブルを防止するために、記録シート15の搬送をガイドするインレット18が、加熱ロール11の用紙挿入側に、記録シート15の搬送をガイドするように設けられている。また、記録シート15の搬送をガイドする1対の部材からなるアウトレット19が、ニップ部の用紙排出側に、記録シート15の搬送をガイドするように設けられている。さらに、シリコーンオイルを供給するオイル供給手段16が、加熱ロール10表面に当接して配置されている。なお、離型剤を含むトナーを用いる場合にはオイル供給手段16は省略してもよい。
【0037】
この定着装置においては、記録シート15がニップ部を通過する際に未定着トナー像14が、加熱加圧されることによって定着される。この際、加熱ロール10表面には、オイル供給手段16によってシリコーンオイルが供給されているため、十分な離型性が確保される。
【0038】
−ベルトニップロール定着方式の定着装置−
ベルトニップロール定着方式の定着装置は、加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ部を形成する加圧ベルトと、前記加圧ベルトを介して加熱ロールに対向し加圧する加圧ロールとを少なくと備えたものであり、ここで本発明の定着部材は、加熱ロールおよび/または加圧ベルトとして用いられる。
【0039】
図2はベルトニップロール定着方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略模式図であり、図2中、20は加熱ロール、20aは円筒状芯金(基体)、20bは弾性層、20cは離型層、22はヒーターランプ、24は未定着トナー像、25は記録シート、26はオイル供給手段、27aは張架ロール、27bはステアリングロール、27cは圧力ロール、28は加圧パッド、29は加圧ベルトを表す。
【0040】
ここで、加熱ロール20は、基体20a表面上に弾性層20b、離型層20cがこの順に積層され、基体20内部にはヒーターランプ22が内蔵されている。
また、この加熱ロール20とニップ部を形成するように対抗配置された加圧ベルト29は、張架ロール27a、ステアリングロール27bおよび圧力ロール27cにより張架され、加圧ベルト29の内周面には、加圧ベルト29を加熱ロール20に押しつける加圧パッド28が配され、圧力ロール27cとともにニップ部を形成している。
加圧ベルト29は、ポリイミド樹脂等の無端ベルト状の基体を含むものであり、必要に応じて、この基体の外周面に弾性層、離型層が設けらてもよい。また、加圧パッド28は、例えば、シリコーンゴムベース上にシリコーンスポンジを載せ、さらにその上にフッ素樹脂製のシートを被せたもの等が用いられる。
【0041】
加熱ロール20は不図示の駆動手段により矢印B方向に回転し、それにつれて加圧ベルト29も矢印C方向に従動回転する(なお、加圧ベルト29が駆動され、加熱ロール20が従動回転してもよい)。また、定着時にニップ部の用紙挿入側(矢印B,C方向と反対方向側)から、不図示の搬送手段によって矢印A方向に搬送される未定着トナー像24が形成された記録シート25(未定着トナー像24は、記録シート25の加熱ロール20と接触する側に形成)がニップ部に突入し、ニップ部の用紙排出側(矢印B,C方向側)へと排出されるようになっている。
さらに、シリコーンオイルを供給するオイル供給手段26が、加熱ロール20表面に当接して配置されている。なお、離型剤を含むトナーを用いる場合にはオイル供給手段26は省略してもよい。
【0042】
この定着装置においては、記録シート25がニップ部を通過する際に未定着トナー像24が、加熱加圧されることによって定着される。この際、加熱ロール20表面には、オイル供給手段26によってシリコーンオイルが供給されているため、十分な離型性が確保される。
【0043】
図3はベルトニップロール定着方式の本発明の定着装置の他の構成例を示す概略模式図であり、図3中、50は加熱ロール、50aは円筒状芯金(基体)、50bは弾性層、50cは離型層、52はヒーターランプ、54は未定着トナー像、55は記録シート、56はオイル供給手段、57はガイド、58は加圧パッド、59は加圧ベルトを表す。
図3中、ガイド57以外の符号番号の下一桁が図2中の符号番号の下一桁と一致する各部材は、図2中に示す部材と同様であり、また、図3に示す定着装置の構成は、加圧ベルト59をその内周面から支持する部材がガイド57であることと、引き回しの方法が異なる点を除いては、図2に示す定着装置と同様である。
【0044】
この加圧ベルト59は、その内周面側に配置された加圧パッド28により加熱ロール50に押しつけられニップ部を形成すると共に、加圧パッド28の両側に配置された1対のガイド57によってニップ部前後の加圧ベルト59を内周面から支持されているが、図2に示す定着装置のように張架ロール等による張架はされず、テンションフリーの状態になっている。
図3に示す定着装置は、加圧ベルト59を張架する複数の張架ロールが省略されているため、安価に製造でき、また定着装置の小型化を図ることができる。
【0045】
−ベルト定着方式の定着装置−
ベルト定着方式の定着装置は、加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接する加圧部材と、前記加熱ベルトを介して前記加圧部材に対向し加圧する加圧ロールとを少なくとも備え、ニップ部が加熱ベルトと加圧ロールとの間に形成される。ここで、本発明の定着部材は、加熱ベルトおよび/または加圧ロールとして用いられる。
【0046】
図4はベルト定着方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略断面図であり、図4中、30は加熱ベルト(定着ベルト)、31は加圧ロール、31aは円筒状芯金(基体)、31bは弾性層、31cは離型層、32はヒーターランプ、33は加圧部材、33aは圧力ロール、33bは圧力印加部材、33cは金属パッド、34は未定着トナー像、35は記録シートを表す。
ここで、加圧ロール31は、基体31a表面上に弾性層31b、離型層31cがこの順に積層されたものである。
また、この加熱ロール20とニップ部を形成するように対抗配置された加熱ベルト30の内周面側には、加圧ロール31と対向する位置に、例えば鉄製の圧力ロール33aが配置されている。この圧力ロール33aの内周面には加圧ロール31と対向する位置に金属パッド33cが配置されており、金属バッド33cの加圧ロール31が設けられた反対側に、逆T字型をした圧力印加部材33bが、金属バッド33cおよび圧力ロール33aを介して加熱ベルト30を加圧ロール31に押しつけるように配置されている。
【0047】
ここで、金属パッド33cの圧力ロール33aと接する面に潤滑剤が含浸させてあるため、圧力ロール33aが矢印D方向に回転した場合、金属パッド33cは、圧力ロール33aの内周面を滑りながらニップ部にニップ圧を印加することができる。なお、圧力ロール33aの内周面には潤滑性のある耐熱オイルがコーティングされていることが好ましい。
さらに加熱ベルト30の内周側には、加熱ベルト30のニップ部を加熱するためのヒータランプ32が2つ配されている。
【0048】
圧力ロール33aは不図示の駆動手段によって矢印D方向に回転可能であり、圧力ロール33aに従動して加熱ベルト30は矢印B方向に回転し、それにつれて加圧ロール31も矢印C方向に従動回転することができる。また、定着時にニップ部の用紙挿入側(矢印B,C方向と反対方向側)から、不図示の搬送手段によって矢印A方向に搬送される未定着トナー像34が形成された記録シート35(未定着トナー像34は、記録シート35の加熱ベルト30と接触する側に形成)がニップ部に突入し、ニップ部の用紙排出側(矢印B,C方向側)へと排出されるようになっている。
この定着装置においては、記録シート35がニップ部を通過する際に未定着トナー像34が、加熱加圧されることによって定着される。
【0049】
−ベルト対方式の定着装置−
ベルト対方式の定着装置は、加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接する加圧部材と、前記加熱ベルトと圧接しニップ部を形成する加圧ベルトと、前記加熱ベルトおよび加圧ベルトのニップ部を介して前記加圧部材に対向し加圧する加圧ロールとを少なくとも備えたものである。ここで本発明の定着部材は、加熱ベルトおよび/または加圧ベルトとして用いることができる。
【0050】
図5はベルト対方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略断面図であり、図5中、40は加熱ベルト(定着ベルト)、42はヒーターランプ、43は加圧部材、43aは圧力ロール、43bは圧力印加部材、43cは金属パッド、44は未定着トナー像、45は記録シート、48は加圧ロール、49は加圧ベルトを表す。
図5中、加圧ロール48および加圧ベルト49以外の符号番号の下一桁が図4中の符号番号の下一桁と一致する各部材は、図4中に示す部材と同様であり、また、図5に示す定着装置の構成は、加熱ベルト40に対向配置された加圧部材が加圧ロールではなく加圧ベルト49である点を除いては、図4に示す定着装置と同様である。ここで、この加圧ベルト49の内周面には、その内周面を押圧し、加圧ベルト49および加熱ベルト40を介して加圧部材43と対向するように加圧ロールが配置されている。
【0051】
<画像形成装置>
次に、本発明の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像し未定着トナー像を形成する現像手段と、前記静電荷像担持体表面上の前記未定着トナー像を記録シート上に転写する転写手段と、前記未定着トナー像を加熱加圧することにより前記記録シート上に定着する定着装置とを少なくとも備えたものであり、定着装置として本発明の定着装置が用いられる。
また、必要に応じて、公知の他の部材を備えていてもよく、例えばトナー画像を転写体に転写した後の感光体表面をクリーニングするクリーニングブレード等のクリーニング手段や、静電荷像担持体から記録媒体への未定着トナー像の転写に際して、ベルト状やロール状の中間転写体を利用して、静電荷像担持体から中間転写体を経て、記録媒体へと未定着トナー像を転写してもよい。
【0052】
−トナー(および現像剤)−
次に、本発明の定着装置/画像形成装置による未定着トナー像の定着に際して、この未定着トナー像を構成するトナーについて説明する。
未定着トナー像を構成するトナーは、顔料等の色材と結着樹脂とを少なくとも含み、必要に応じて離型剤や帯電制御剤等の種々の添加剤を内添または外添したものが利用でき、その製造方法としては粉砕法等の乾式製法や、乳化重合凝集法等の湿式製法等、公知の製造方法が利用できる。但し、離型剤を含むトナーを用いる場合には乳化重合凝集法等の湿式製法で作製されたトナーを用いることが好ましい。
【0053】
また、離型剤としては公知の離型剤が利用でき、いずれの離型剤を用いても、トナー中に通常と同程度に適量の離型剤が含まれていれば、定着時に、本発明の定着部材表面と未定着トナー像との間の離型性を十分に確保することができる。
なお、離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
また、現像剤は、上述のトナーを含むものであれば、トナーからなる一成分系の現像剤、あるいは、トナーとキャリアとからなる二成分系の現像剤のいずれであってもよく、キャリアとしても公知のキャリアを利用することができる。
【0054】
−シリコーンオイル−
オイル供給手段により定着部材表面に供給されるシリコーンオイルとしては、公知のシリコーンオイルが利用でき、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイルなどを利用できる。なお、シリコーンオイルの代わりに、フッ素オイルを利用してもよい。
【実施例】
【0055】
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において「部」は「重量部」を意味する。
−定着装置−
評価に用いた定着装置としては、図1に示す2ロール方式の定着装置(DocuCentre Color500の定着装置)を用いた。但し、定着テストに際しては、加熱ロール10(但し、実施例では、基体上に離型層のみを設けた加熱ロール)として以下に説明する方法により作製した各種の加熱ロールを取り付けて、この加熱ロールの耐磨耗性と、画像のグロスとを評価した。また加熱ロール表面にオイルを供給する場合には、オイル塗布ウエッブを用いて1ml/minにてロール上に塗布した。
【0056】
−加熱ロールの作製−
<加熱ロール(A1)>
未架橋の超分子量ポリエチレン(三井化学製、リュブマー030S、数平均分子量=50万)100部、ジクミルパーオキサイド1部、および、酸化亜鉛3部をデカリンに溶解させた溶液を、不活性ガス雰囲気中でフローコートにより、内径100mm、肉厚2mmの金属ロールの外周面に塗布した。
続いて、160℃で3時間一次架橋させた後、200℃で4時間ポストキュアし、金属ロール外周面に厚み200μmの離型層を設けた加熱ロール(A1)を得た。
【0057】
<加熱ロール(A2)>
未架橋の超分子量ポリエチレン(三井化学製、ハイゼックスミリオン340M、数平均分子量=340万)を架橋したものをかつら剥きにして作製した厚みが200μmのシート(作新工業製ニューライト(架橋タイプ))を、内径100mm、肉厚2mmの金属ロールの外周面にシランカップリング剤(日本ユニカ製:A−151)を用いて貼り付け、金属ロール外周面に厚み200μmの離型層を設けた加熱ロール(A2)を得た。
【0058】
<加熱ロール(A3)>
未架橋の超分子量ポリエチレン(三井化学製、ハイゼックスミリオン340M、数平均分子量=340万)をかつら剥きにして得られた厚みが200μmのシート(作新工業製ニューライト)を内径100mm、肉厚2mmの金属ロールの外周面にシランカップリング剤(日本ユニカ製:A−151)を用いて貼り付け、金属ロール外周面に厚み200μmの離型層を設けた加熱ロール(A3)を得た。
【0059】
<加熱ロール(A4)>
未架橋の超分子量ポリエチレン(三井化学製、リュブマー030S、数平均分子量=50万)100部とフッ素系化合物(フッ素系相溶材モディバーF3035、日本油脂社製)5部とをデカリンに溶解させた溶液を、不活性ガス雰囲気中でフローコートにより、内径100mm、肉厚2mmの金属ロールの外周面に塗布した。
続いて、200℃で1時間加熱処理し、金属ロール外周面に厚み200μmの離型層を設けた加熱ロール(A4)を得た。
【0060】
<加熱ロール(B1)>
ポリオール架橋型フッ素ゴム(ダイキン製)100部および酸化マグネシウム(協和化学製、キューワマグMF−150)5部をメチルエトンケトン(MEK)中に分散させた溶液を用いて、フローコートにより内径100mm、肉厚2mmの金属ロールの外周面に塗布した。
続いて、160℃で3時間一次架橋させた後、200℃で4時間ポストキュアし、金属ロール外周面に厚み200μmの離型層兼弾性層を設けた加熱ロール(B1)を得た。
【0061】
<加熱ロール(B2)>
加熱ロール(B1)の外周面に厚さ30μmのチューブ状PFA(旭硝子製、66P)をかぶせて、PFA離型層を持つ加熱ロール(B2)を得た
【0062】
−未定着トナー像の形成−
定着装置による定着テストを実施するために、定着装置を取り除いた画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCenter Color500)により、記録シートとして富士ゼロックス社製J紙を用いて未定着トナー像(黒文字の文書)が形成された記録シート(定着用サンプル)を準備した。
なお、定着用サンプルは、以下の2種類のトナーを用いて作製したものを2水準準備した。
<トナーA>
粉砕法で作製された離型剤を含まない黒色トナー(富士ゼロックス社製、AColor630用黒トナー)
<トナーB>
乳化重合凝集法で作製された離型剤を含む黒色トナー(富士ゼロックス社製、DocuCentre Color500用黒トナー(離型剤1重量%含有))
【0063】
−評価−
評価は、表1に示すように定着装置に取り付けた加熱ロールの種類、定着装置のオイル供給手段の使用(オイル供給有り)/不使用(オイル供給無し)、および、定着に用いた定着サンプルの種類(未定着トナー像の形成に用いたトナーの種類)の組合せを変えて実施した。なお、オイル供給手段用のシリコーンオイルとしてはジメチルシリコーン(KF96L−0.65cs、信越化学製)を用い、定着温度を100〜150℃、定着用サンプルの搬送速度を30枚/分に設定して定着を実施した。
ここで、定着テストによる評価は、定着用サンプルを2万枚連続して定着した後の加熱ロール表面の耐磨耗性、および、定着された画像のグロスについて実施した。結果を以下の表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
なお、表1中に示す耐磨耗性、グロスの評価方法および評価基準は以下の通りである。
−耐磨耗性−
加熱ロールの耐磨耗性は2万枚のコピー通紙を行ったのち、加熱ロールを取り出しその表面を目視により評価した。評価基準は以下の通りである。
○:ほとんど表面が削れていない。
△:若干削れが認められる。
×:表面がささくれ立ち、相当量の磨耗跡(傷)が認められる。
【0066】
−グロス−
定着された画像のグロスは、目視により評価した。評価基準は以下の通りである。
A:グロスむらは全く確認されない。
B:わずかにグロスむらが認められるが、許容できる範囲である。
C:グロスむらが若干認めらられる。
D:グロスむらが顕著に認められる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】2ロール方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略模式図である。
【図2】ベルトニップロール定着方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略模式図である。
【図3】ベルトニップロール定着方式の本発明の定着装置の他の構成例を示す概略模式図である。
【図4】ベルト定着方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略断面図である。
【図5】ベルト対方式の本発明の定着装置の一構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0068】
10…加熱ロール、10a…円筒状芯金(基体)、10b…弾性層、10c…離型層、11…加熱ロール、11a…円筒状芯金(基体)、11b…弾性層、11c…離型層、12、13…ヒーターランプ、14…未定着トナー像、15…記録シート、16…オイル供給手段、18…インレット、19…アウトレット

20…加熱ロール、20a…円筒状芯金(基体)、20b…弾性層、20c…離型層、22…ヒーターランプ、24…未定着トナー像、25…記録シート、26…オイル供給手段、27a…張架ロール、27b…ステアリングロール、27c…圧力ロール、28…加圧パッド、29…加圧ベルト

30…加熱ベルト(定着ベルト)、31…加圧ロール、31a…円筒状芯金(基体)、31b…弾性層、31c…離型層、32…ヒーターランプ、33…加圧部材、33a…圧力ロール、33b…圧力印加部材、33c…金属パッド、34…未定着トナー像、35…記録シート

40…加熱ベルト(定着ベルト)、42…ヒーターランプ、43…加圧部材、43a…圧力ロール、43b…圧力印加部材、43c…金属パッド、44…未定着トナー像、45…記録シート、48…加圧ロール、49…加圧ベルト

50…加熱ロール、50a…円筒状芯金(基体)、50b…弾性層、50c…離型層、52…ヒーターランプ、54…未定着トナー像、55…記録シート、56…オイル供給手段、57…ガイド、58…加圧パッド、59…加圧ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表面に数平均分子量が30万以上の超分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする定着部材。
【請求項2】
前記表面が、フッ素系化合物またはシリコーン系化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
【請求項3】
前記超分子量ポリエチレンが、架橋構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着部材。
【請求項4】
互いに圧接しニップ部を形成す1対の定着部材を少なくとも有し、前記ニップ部に未定着トナー像が形成された記録シートを通過させ、前記未定着トナー像を加熱加圧することにより前記記録シート上に定着する定着装置において、
前記1対の定着部材の少なくとも一方が請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着部材であることを特徴とする定着装置。
【請求項5】
前記未定着トナー像を構成するトナーが、離型剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記1対の定着部材のうち、前記ニップ部に未定着トナー像が形成された記録シートを通過させた際に、前記記録シートの前記未定着トナー像が形成された側の定着部材の表面に、シリコーンオイルを供給するオイル供給手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
【請求項7】
静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像し未定着トナー像を形成する現像手段と、前記静電荷像担持体表面上の前記未定着トナー像を記録シート上に転写する転写手段と、前記未定着トナー像を加熱加圧することにより前記記録シート上に定着する定着装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、
前記定着装置が請求項4〜6のいずれか1つに記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−84950(P2006−84950A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271452(P2004−271452)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】