説明

定規

【課題】長尺の対象表面に正確に直線を引くことや長尺の対象表面の測長を正確に行うことが容易であって、多様な収納スペースに対応して収容可能な定規、を提供する。
【解決手段】定規1は、第1定規片2及び第2定規片4を備えている。第1定規片2の一端21と第2定規片4の他端42とは結合分離自在に形成されている。両定規片2、4を結合することで、両定規片2、4の当接部23,43がともに対象平面9に当接するとともに両定規片2,4の線引きガイド部25,45、及び、26,46が、それぞれ連続的に結合されるよう構成されている。結合された状態の定規片2,4は、第1定規片2の一端21及び第2定規片4の他端42の形状により、図面のX1,X2方向及びY1,Y2方向のいずれの方向にも相対動不能となっているため、対象表面9に載置された状態で、定規片2,4が分離することはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、定規に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺物の測長が容易なコンパクトな物差しとして、たとえば、特許文献1の図1に示す物差しが知られている。この物差しは、弾性を有し、横断面を湾曲させた細長い板材よりなる目盛りを付した複数の物差し片を鳩目により連結したものである。このように構成することで、折り畳み長を超える長尺物の測長を行うことができる。
【0003】
しかしながら、各物差し片は鳩目で階段状に連結されているため、長尺物の測長に際し誤差が生ずる。
【0004】
また、この物差しは、そもそも直線を引くためのガイドとして用いることを想定したものではない。当該特許文献1の図3に示すように、突起を鳩目の両側に設けてクリックストップ機構を強化し、使用時における鳩目での回転をある程度防止できたとしても、上述のように、各物差し片は鳩目で階段状に連結されているため、これをガイドとして物差しの折り畳み長を超える直線を正確に引くことは、容易でない。
【0005】
さらに、この物差しは、従来の物差しに比しコンパクトであるとはいえ、複数の物差し片を鳩目で厚さ方向に重ねた構成からなるものであるから、携帯時の厚さを、剛性の直尺(たとえば、一般的な15cm直線定規)と同等程度にすることは困難である。このため、収納スペースが浅い場合には、収納が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−219701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、このような従来技術における問題点を解決し、長尺の対象表面に正確に直線を引くことや長尺の対象表面の測長を正確に行うことが容易であって、多様な収納スペースに対応して収容可能な定規、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による定規は、第1定規片及び第2定規片を備えた定規であって、前記各定規片は、対象表面に当接する当接部と、当接部が対象表面に当接するよう押圧力を加えるための加圧部と、当接部が対象表面に当接した状態で対象表面に直線を引くためのガイドとなる線引きガイド部と、線引きガイド部と並列的に設けられ、当接部が対象表面に当接した状態で対象表面の測長を行うための目盛部と、を備え、第1定規片の一端と第2定規片の他端とを結合分離自在に形成し、両定規片を結合することで、両定規片の当接部がともに対象表面に当接するとともに両定規片の線引きガイド部が連続的に結合されるよう構成したこと、を特徴とする。
【0009】
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
【0010】
なお、本願の明細書又は特許請求の範囲において、「対象表面」とは、定規による測長又は定規を用いて直線を引く対象となる物の表面であって、典型的にはノートの用紙の表面など平面(この場合の対象表面を「対象平面」という。)であるが、柱面など母線を有する物体の表面その他の曲面(この場合の対象表面を「対象曲面」という。)も含まれる。
【0011】
また、「対象表面に直線を引く」とは、典型的には鉛筆など筆記具をもちいて対象表面に直線を描くことであるが、ケガキ針や刃物を用いて対象表面に直線状の凹み(キズ)をつけたり切断したりすることも含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本願の第1発明による定規は、第1定規片及び第2定規片を備えた定規である。
【0013】
各定規片は、対象表面に当接する当接部と、当接部が対象表面に当接するよう押圧力を加えるための加圧部と、当接部が対象表面に当接した状態で対象表面に直線を引くためのガイドとなる線引きガイド部と、線引きガイド部と並列的に設けられ、当接部が対象表面に当接した状態で対象表面の測長を行うための目盛部と、を備えている。
【0014】
第1定規片の一端と第2定規片の他端とが結合分離自在に形成され、両定規片を結合することで、両定規片の当接部がともに対象表面に当接するとともに両定規片の線引きガイド部が連続的に結合されるよう構成されている。
【0015】
このため、両定規片を結合した状態で、連続的に結合された両定規片の線引きガイド部をガイドにして、対象表面に、各定規片の線引きガイド部の長さを超える直線を段差や歪みなく引くことができる。
【0016】
また、両定規片を結合した状態で、両定規片の線引きガイド部は連続的に結合されているから、当該線引きガイド部と並列的に設けられた両定規片の目盛部も、一直線上に整列している。
【0017】
このため、一直線上に整列した両定規片の目盛部を用いて、各定規片の目盛部の長さを超える対象表面の直線距離を正確に測定することが可能となる。
【0018】
また、両定規片を分離した状態で収納することにより、両定規片を結合した状態で収納する場合に比べ、長さの短い収納スペースに収納することができる。このとき、両定規片を重ねて収納すれば、深くて幅の狭い収納スペースに収納することが可能となる。
【0019】
一方、両定規片を重ねずに収納すれば、浅くて幅の広い収納スペースに収納することが可能となる。
【0020】
すなわち、長尺の対象表面に正確に直線を引くことや長尺の対象表面の測長を正確に行うことが容易であって、多様な収納スペースに対応して収容可能である。
【0021】
本願の第2発明による定規は、本願の第1発明による定規において、第1定規片の一端に一端側結合部が形成され、第2定規片の他端に、一端側結合部と結合分離自在に構成された他端側結合部が形成されている。
【0022】
一端側結合部と他端側結合部とを結合することにより、両定規片を直接的に結合するよう構成されている。
【0023】
このため、他の部材を用いることなく、第1及び第2定規片のみで、当該定規片を結合することができる。
【0024】
したがって、長尺の対象表面に正確に直線を引くことや長尺の対象表面の測長を正確に行うことが容易であって、多様な収納スペースに対応して収容可能な定規を、よりシンプルな構成で、かつ低コストにて実現することができる。
【0025】
本願の第3発明による定規は、本願の第1発明による定規において、第1定規片の一端に一端側結合部が形成され、第2定規片の他端に他端側結合部が形成されている。
【0026】
さらに、当該定規は、一端側結合部及び他端側結合部に対して結合分離自在に構成された結合仲介部材を備えている。
【0027】
結合仲介部材を介して一端側結合部と他端側結合部とを結合することにより、両定規片を間接的に結合するよう構成されている。
【0028】
このため、第1及び第2定規片の長さを線引きガイド部の長さと同じにすることが可能となる。
【0029】
したがって、より短い収納スペースに収容することができる。
【0030】
本願の第4発明による定規は、本願の第2ないし第3のいずれかの発明による定規において、さらに、第1定規片の他端に、第2定規片の他端側結合部と同一形状の他端側結合部が形成され、第2定規片の一端に、第1定規片の一端側結合部と同一形状の一端側結合部が形成されている。
【0031】
第1定規片の他端側結合部と第2定規片の一端側結合部とを結合して両定規片を結合することによっても、両定規片の当接部がともに対象表面に当接するとともに両定規片の線引きガイド部が連続的に結合されるよう構成されている。
【0032】
このため、両定規片を同一形状のものにより構成することができる。
【0033】
このように構成することで、成形金型コスト、在庫・管理コスト等、製造・販売に要するコストを低減することができる。
【0034】
また、3以上の任意の数の定規片を結合することで、より長尺の対象表面に対して、正確に直線を引くことや正確に測長を行うことが容易となる。
【0035】
本願の第5発明による定規は、本願の第1ないし第4のいずれかの発明による定規において、第1定規片と第2定規片とを結合することによって、さらに、両定規片の目盛部の目盛が連続するよう構成されている。
【0036】
このため、第1定規片及び第2定規片を通じて連続した一連の目盛を用いて、当該連続した一連の目盛の範囲内で、いかなる長さの対象表面の測長をも正確かつ容易に行うことができる。
【0037】
本願の第6発明による第1定規片又は第2定規片は、本願の第1ないし第5のいずれかの発明による定規を構成するために用いられる。
【0038】
したがって、これら第1定規片又は第2定規片を用いて、上記第1ないし第5のいずれかの発明による定規を構成することで、上記第1ないし第5のいずれかの発明の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、第1定規片2と第2定規片4とが結合された状態で対象平面9上に載置された定規1を表す平面図である。
【図2】図2は、図1におけるII-II線断面を表す断面図である。
【図3】図3は、定規1の第1定規片2と第2定規片4とが分離された状態を表す平面図である。
【図4】図4Aは、第1定規片2を表す平面図である。図4Bは、第1定規片2を表す底面図である。
【図5】図5Aは、第1定規片2を表す正面図である。図5Bは、第1定規片2を表す左側面図である。図5Cは、第1定規片2を表す右側面図である。図5Dは、第1定規片2を表す背面図である。
【図6】図6は、図4Aに示す第1定規片2の一端21近傍の拡大図である。
【図7】図7Aは、定規101を構成する第1定規片102及び第2定規片104の一部を表す平面図である。図7Bは、定規201を構成する第1定規片202及び第2定規片204の一部を表す平面図である。
【図8】図8は、定規301を構成する第1定規片302及び第2定規片304の一部、並びに結合仲介部材6を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
まず、この発明の第1の実施形態による定規1について説明する。
【0041】
図1は、第1定規片2と第2定規片4とが結合された状態で対象平面9上に載置された定規1を表す平面図である。
【0042】
図2は、図1におけるII-II線断面を表す断面図である。
【0043】
図3は、定規1の第1定規片2と第2定規片4とが分離された状態を表す平面図である。
【0044】
図4Aは第1定規片2を表す平面図、図4Bは底面図である。なお、図4Bにおいては、説明の便宜上、定規片2を透過して底面図に表われる図形等は記載を省略している。
【0045】
図5Aは、第1定規片2を表す正面図である。図5Bは、第1定規片2を表す左側面図である。図5Cは、第1定規片2を表す右側面図である。図5Dは、第1定規片2を表す背面図である。
【0046】
図6は、図4Aに示す第1定規片2の一端21近傍の拡大図である。
【0047】
図1(及び、図2、図3)を用いて、定規1について説明する。
【0048】
図1に示すように、定規1は、第1定規片2及び第2定規片4を備えた直線定規である。第1定規片2の長手方向(図面のX1,X2方向。以下同様)の一方(X1方向)の端部である一端21と、第2定規片4の長手方向の他方(X2方向)の端部である他端42とは、結合分離自在に形成されている。両定規片2、4を結合することで、両定規片2、4の当接部23,43がともに対象平面9に当接するとともに両定規片2,4の線引きガイド部25,45、及び、26,46が、それぞれ連続的に結合されるよう構成されている。
【0049】
結合された状態の定規片2,4は、後述するように、第1定規片2の一端21及び第2定規片4の他端42の形状により、図面のX1,X2方向及びY1,Y2方向(定規片2,4の長手方向に直交する方向。以下同様)のいずれの方向にも相対動不能となっているため、対象表面9に載置された状態で、定規片2,4が分離することはない。
【0050】
一方、結合された状態の定規片2,4は、X1,X2方向及びY1,Y2方向のいずれにも直行する方向(定規片2,4の厚さ方向)には相対動可能となるよう構成されているため、定規片2,4を分離するには、定規片2,4を、その厚さ方向に相対動させればよい。
【0051】
定規片2及び4の材質はとくに限定されるものではないが、軽量性、加工性等の点で、合成樹脂が好ましい。両定規片2、4の結合部分の機械的強度を考慮すれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の他、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂等のエンジニアリングプラスチックが、より好ましい。この実施形態においては、さらに、製造コスト等を考慮し、ポリカーボネート(PC)樹脂を用いている。
【0052】
定規片2及び4の色はとくに限定されるものではないが、定規片2及び4の下にある対象平面9の様子を確認できるよう、透明(無色透明若しくは有色透明)又は半透明(無色半透明若しくは有色半透明)が好ましい。また、定規片2、4を相互に異なる色で構成することもできる。さらに、定規片2及び/又は4の色を多色で構成するようにしてもよい。
【0053】
この実施形態においては、定規片2と定規片4とは、同一形状となるよう構成されている。図4A(及び、図4B、図5A,図5B、図5C,図5D、図6)を用いて、定規片2について説明する。なお、明細書及び図面において、「2」で始まる2桁の符号(補助符合a、b、c等が付加されたものを含む。以下同様)で示される定規片2の構成部分に関する説明は、当該「2」を「4」に読み替えて、定規片4の同一機能を有する構成部分に関する説明として適用するものとする。
【0054】
定規片2は、一般的な直線定規(ものさし)と同様に、その基本的な形状は薄板状の略直方体形状である。
【0055】
すなわち、図4Aに示すように、定規片2は、対象平面9(図2参照)に当接する平面である当接部23と、当接部23が対象平面9に当接するよう押圧力を加えるための加圧部24と、当接部23が対象平面9に当接した状態で対象平面9に直線を引くためのガイドとなる一対の平行な線引きガイド部25,26と、定規片2の長手方向の一端21に形成され、線引きガイド部25,26と直交する平面である一端側端面21aと、長手方向の他端22に形成され、一端側端面21aに平行な平面である他端側端面22aとを備えている。
【0056】
当接部23と加圧部24、線引きガイド部25と26、一端側端面21aと他端側端面22aが、上記基本的な略直方体の3対の対向する面に対応する。
【0057】
定規片2は、さらに、線引きガイド部25,26と一定距離をおいて並列的に設けられ、当接部23が対象平面9に当接した状態で対象平面9の測長を行うための目盛部27を備えている。この例では、目盛部27を構成する目盛27aが、一方の線引きガイド部25寄りに設けられている。
【0058】
定規片2の基本的な形状、構成はこのようなものであるが、さらに、具体的な形状について説明する。
【0059】
当接部23は、略矩形状の一つの平面により構成されている。以後、当接部23を下面23ということがある。
【0060】
加圧部24は、下面23と反対側に設けられ、平面視において下面23と略同一位置に略同一形状に形成されているが、線引きガイド部26寄りに位置する上面24aと、線引きガイド部25寄りに位置する段落ち面24bとにより構成されている。
【0061】
上面24aは下面23と平行な平面である。段落ち面24bは、上面24aと平行な平面であるが、上面24aに対して段落ち状に形成されている。したがって、段落ち面24bの板厚は、上面24aのそれより薄くなっている。
【0062】
上面24aと段落ち面24bとの境界が、上面24aと略直交する面として表される段差部24cである。段差部24cは、少なくとも定規片2の長手方向の端部(一端21及び他端22)以外の部分では、平面視において線引きガイド部25,26と平行な直線となっている。
【0063】
線引きガイド部25、26は、基本的には、下面23、一端側端面21a、他端側端面22aのいずれにも直行する平面である。ただし、当該平面に面取りを施すことで、直線に近いものとなるよう構成することもできる。
【0064】
目盛部27は、目盛27a、主数字27b、補助数字27c、接続マーク27d、補助目盛27eを備えている。目盛り27aは、測長用の主目盛であって、平面視において、加圧部24の線引きガイド部25側の端部に、平面視において線引きガイド部25と平行に設けられている。
【0065】
また、目盛り27aは、加圧部24の長手方向の端から端まで、すなわち、他端側端面22aから一端側端面21aに至る全行程に渡って設けられている。このため、両定規片2,4が結合された状態において、両定規片2,4の目盛り27a、目盛り47aが、途切れることなく連続した一連の目盛として表示され、長尺の対象平面9の測長に好都合である。
【0066】
もちろん、目盛りは、他端側端面22aから一端側端面21aに至る全行程に渡って設けるものでなくともよい。たとえば、定規片2の一端21及び他端22近傍には目盛を設けないよう構成することもできる。
【0067】
なお、この例では、目盛り27aは、段落ち面24bに設けられている。したがって、上面24aに比べて対象平面9により近い位置にある段落ち面24bに目盛り27aを設けることで、測長時における目盛の読取り誤差が少なくなる。
【0068】
目盛り27aは、1mm間隔に設けられた多数の目盛線により構成されている。当該目盛線のうち偶数mmを示す目盛線は、奇数mmを示す目盛線よりも長くなるよう構成されている。10mm間隔を示す目盛線は、さらに長くなるよう構成され、5mm間隔を示す目盛線には別の目印(この例では、平面視において、線引きガイド部25の端部を矢頭側とする矢印)が設けられている。
【0069】
このように、偶数mmを示す目盛線を、奇数mmを示す目盛線よりも長くすることで、測長時における目盛の読み間違い(たとえば7mmと8mmとの読み間違い)を少なくすることができる。また、5mm間隔を示す目盛線には別の目印を入れることで、従来どおり、5mmを示す位置も認識しやすい。
【0070】
主数字27bは、上記10mm間隔を示す目盛線の近く(この例では、主に当該目盛線の略Y2方向近くの段落ち面24b)に、センチメートル単位の数字で、「1」「2」・・・「15」のように記載されている(定規片2が15cm定規の場合)。
【0071】
補助数字27cは、上記主数字27bの末尾の数字に続く数字が、上記主数字27bの近く(この例では、主数字27bの略Y2方向近くの上面24a)に、括弧で括られたセンチメートル単位の数字で、「(16)」「(17)」・・・「(29)」のように記載されている(定規片2が15cm定規の場合)。
【0072】
定規片2,4をこの順で左、右に結合して用いる場合、定規片2の主数字27bと、定規片4の補助数字47cとが、長さ(cm)を表す連続した一連の数字になるので、長尺の対象平面9の測長時の数字の読取が容易となる。
【0073】
接続マーク27dは、定規片2,4をこの順で左、右に結合して用いる場合、定規片2の主数字27bを構成する末尾の数字と、定規片4の補助数字47cを構成する最初の数字とを繋ぐ線分(この例では、定規片2の主数字27bを構成する末尾の数字「15」から、定規片4の補助数字47cを構成する最初の数字「(16)」に向かう矢印(カギ形の矢印))として、構成されている。この例では、接続マーク27dは、定規片2の他端22に設けられている。
【0074】
補助目盛27eは、たとえば、加圧部24に設けられ、原則として、X1,X2方向を行とし、Y1,Y2方向を列とする、多数のドット(点)の行列として構成されている。
【0075】
したがって、たとえば、線引きガイド部25をガイドとして対象平面9(図1参照)に直線を引いたあと、定規1をY1方向にずらせ、当該直線が、補助目盛27eを構成するドットのいずれかの行に一致するよう調整して(すなわち、当該行を目印として)、再び、線引きガイド部25をガイドに対象平面9に直線を引けば、元の直線に平行な直線を引くことができる。
【0076】
この例では、補助目盛27eを構成するドットの列間隔を全て10mmとしており、ドットの各列は、原則として、目盛27aを構成する10mm間隔を示す各目盛線の延長線上に配置されている。したがって、対象平面9に既に引かれている直線を、10mm間隔を示す一本の目盛線及びその延長線上に配置されたいずれかの列を構成するドットに重ね合わせて、たとえば線引きガイド部25をガイドに対象平面9に直線を引けば、元の直線に直交する直線を引くこともできる。
【0077】
なお、特定の行を構成するドットが何らかの障害、たとえば、補助数字27cを構成する数字と重なる場合には、当該行(この例では2行目)のドットを、X1,X2方向に所定距離(この例では5mm)ずらせるようにしてもよい。
【0078】
また、この例では、補助目盛27eを構成するドットの行間隔を、原則として2mmとしている。ただし、ドットを配置すべき特定の行の位置に何らかの障害、たとえば、段差部24c等がある場合には、当該行のドットを設けないようにすることもできる。この例では、ドットの最上行と2行目との間に段差部24cがあるため、最上行と2行目との間隔のみ4mmとなっている。他の行間隔は全て2mmである。
【0079】
この実施形態においては、目盛27aを構成する偶数mmを示す各目盛線のY2方向端は、X1,X2方向の直線上に位置し、10mm間隔を示す各目盛線のY2方向端も、X1,X2方向の直線上に位置する。そして、偶数mmを示す目盛線のY2方向端、10mm間隔を示す目盛線のY2方向端、補助目盛27eを構成するドットの最上行、段差部24c、ドットの2行目、のY1,Y2方向の各間隔は全て2mmに設定されており、ドットの最下行は、線引きガイド部26からY1方向2mmの位置になるよう設定されている。
【0080】
このため、目盛27aを構成する偶数mmを示す目盛線のY2方向端から、線引きガイド部26に至るまで、Y1,Y2方向を2mm間隔に区切りX1,X2方向にのびるこれらの目印を使って、2mm刻みの任意の間隔で、X1,X2方向の平行線を引くことができる。
【0081】
さて、上述のように、図4Aに示す定規片2の一端21には一端側端面21aが形成されているが、平面視において、一端側端面21aの一部(略中央部)をえぐりとるようにアリ溝状の一端側結合部21bが形成されている。一端側結合部21bは、当接部23から加圧部24にかけて、略同一形状となっている。
【0082】
一方、他端22には他端側端面22aが形成されているが、平面視において、他端側端面22aの一部(略中央部)から突出するように、上記一端側結合部21bに対応する位置に、当該アリ溝状の一端側結合部21bにはまり込む形状に形成されたアリ型状の他端側結合部22bが設けられている。他端側結合部22bは、当接部23から加圧部24にかけて、略同一形状となっている。
【0083】
上述のように、定規片2と定規片4とは同一形状に構成されており、定規片4の他端42にも、定規片2の他端22に形成されている他端側結合部22bと同一形状の他端側結合部42bが形成されている。
【0084】
すなわち、図1〜図3に示すように、定規片2の一端21に形成された一端側結合部21bと、定規片4の他端42に形成された他端側結合部42bとは、結合分離自在に構成されており、当該一端側結合部21bと他端側結合部42bとを結合することにより、両定規片2、4を直接的に結合するよう構成されている。
【0085】
両定規片2、4を強固に結合するために、定規片2の一端側結合部21bと定規片4の他端側結合部42bとの嵌め合いは、圧入ぎみに構成することが望ましい。
【0086】
そして、両定規片2,4が結合された状態においては、両定規片2,4の下面23、43が、一端21及び他端42(一端側結合部21b及び他端側結合部42bを含む。以下同様)を含め、連続した一平面をなして対象平面9に当接するとともに、定規片2の一端側端面21aと定規片4の他端側端面42aとが相互に隙間なく当接し、さらに、両定規片2,4の線引きガイド部25,45、及び、26,46が、それぞれ、連続した一平面(一直線)をなすよう構成されている。
【0087】
また、両定規片2,4が結合された状態においては、両定規片2,4の上面24a、44a、及び、段落ち面24b、44bが、一端21及び他端42を含め、それぞれ、連続した一平面をなすとともに、両定規片2,4の段差部24c、44cも、一端21及び他端42で、平面視において連続的に繋がるよう構成されている。
【0088】
したがって、両定規片2,4を結合することで、その継ぎ目を意識させることのない各定規片の2倍の長さを持つ単一の定規と同様の使い勝手の定規を得ることができる。
【0089】
上述のように、定規1においては、図3に示すように、定規片2の一端21に設けられた一端側端面21aの一部をえぐりとるようにアリ溝状の一端側結合部21bを形成するとともに、定規片4の他端42に設けられた他端側端面42aの一部から突出するようにアリ型状の他端側結合部42bを設けている。
【0090】
そして、両定規片2,4が結合した状態で、一端側端面21aと他端側端面42aとを当接させるとともに、一端側結合部21bの抜け止め部である略「ハ」の字状のテーパ部21cと他端側端面42aの抜け止め部である略「ハ」の字状のテーパ部42cとを当接させることで、対象表面9に載置された結合状態にある定規片2,4の相対動を許容しないよう構成している。
【0091】
なお、テーパ部21c、テーパ部42cのテーパ形状はとくに限定されるものではないが、この例では線形テーパとしている。また、テーパ部21cのテーパ角度(「ハ」の字の両開き角度)はとくに限定されるものではないが、好ましくは約50〜90度、より好ましくは約60〜80度である。この例では約70度としている。
【0092】
このように、結合状態において、一端側端面21aと他端側端面42aとを当接させることで、両定規片2,4がX1,X2方向に近づくよう相対動することを阻止している。また、テーパ部21cとテーパ部42cとを当接させることで、両定規片2,4が、X1,X2方向に離間するよう相対動することを阻止するとともに、Y1,Y2方向に相対動することを阻止している。
【0093】
その一方、定規片2の一端21を構成する一端側端面21a及び一端側結合部21b、並びに、定規片4の他端42を構成する他端側端面42a及び他端側結合部42bそれぞれの形状が、平面視において、当接部23から加圧部24にかけて、略同一形状となるよう構成している。これにより、結合状態にある定規片2,4の板厚方向への相対動を許容し、定規片2,4の分離を可能としている。
【0094】
なお、図4B及び図5Aに示すように、他端側結合部22bの先端(X2方向端)側の下面23側に面取り22fが形成され、図4B及び図5Cに示すように、一端側結合部21bの周囲のX1方向端側の下面23側に一対の面取り21fが形成されている。これらの面取りにより、定規片2,4を結合する際に、定規片2,4の板厚方向への相対動が容易になる。
【0095】
さらに、図6に示すように、定規片2の一端21には、一端側結合部21bと線引きガイド部25との間、及び、一端側結合部21bと線引きガイド部26との間に、それぞれ変形吸収溝21dが設けられている。
【0096】
変形吸収溝21dは、定規片2の下面23から上面24a(あるいは段落ち面24b)まで貫通する溝であって、一端側結合部21bのテーパ部21cを構成する各斜面と、ガイド部25、26との間に、それぞれ設けられている。
【0097】
長尺の対象平面9に対する測長精度を上げるために、両定規片2,4が結合された状態において、定規片2の一端側端面21aと定規片4の他端側端面42aとが相互に押圧され隙間なく当接するよう構成されている。
【0098】
このため、両定規片2,4が結合された状態において、定規片2の一端側端面21aは、定規片4の他端側端面42aから図6のX2向きの押圧力を受け、その反作用として、定規片2の一端側結合部21bのテーパ部21cは、定規片4の他端側結合部42bのテーパ部42cからX1方向の引張り力を受ける。
【0099】
このX1方向の引張り力に起因して、定規片2の一端側結合部21bのテーパ部21cが、僅かながらY1,Y2方向に拡がるよう変形する。
【0100】
変形吸収溝21dは、このテーパ部21cの変形を吸収し、当該変形が線引きガイド部25、26に伝播することを防止する。
【0101】
変形吸収溝21dは必須のものではないが、変形吸収溝21dを設けることで、両定規片2,4を強固に結合した場合であっても、定規片2の一端21において、線引きガイド部25、26が、Y1,Y2方向に拡がるよう変形することを防止し、両定規片2,4の線引きガイド部25,45、及び、26,46が、それぞれ、連続した一平面(一直線)をなすよう担保することが容易になる。
【0102】
なお、変形吸収溝21dの向き、形状、X1,X2方向の位置等は、とくに限定されるものではないが、この例では、いずれも、X1,X2方向にのびる直線状の溝であって、定規片2の一端側端面21aに開口端を有し、テーパ部21cの基端部(テーパ部21cの最も広い部分)近くに終端を有する。
【0103】
変形吸収溝21dのY1,Y2方向の位置は、とくに限定されるものではないが、この例では、テーパ部21cの基端部とガイド部25(26)との間であって、テーパ部21cの先端部(テーパ部21cの最も狭い部分)からガイド部25(26)までの距離の略1/2の位置に配置されている。
【0104】
変形吸収溝21dの溝の幅は、とくに限定されるものではないが、この例では、約0.5mmとしている。また、変形吸収溝21dは、この例のように必ずしも2つ設ける必要はなく、1つでもよい。
【0105】
なお、定規片2の寸法はとくに限定されるものではないが、この実施形態においては、一端側端面21a、他端側端面22a間の距離が15cm、線引きガイド部25,26間の距離が30mm、下面23、上面24a間の距離が3mm、下面23、段落ち面24b間の距離が1.5mmである。
【0106】
また、一端側結合部21b、他端側結合部22bの寸法はとくに限定されるものではないが、たとえば、それらのY1、Y2方向寸法は、いずれも、線引きガイド部25,26間の距離の1/3〜2/3倍程度が好ましく、より好ましくは1/2倍程度である。また、それらのX1、X2方向寸法は、いずれも、当該Y1、Y2方向寸法の1/8〜1倍程度が好ましく、より好ましくは1/4〜1/3倍程度である。
【0107】
なお、この実施形態においては、定規片2と定規片4とは同一形状に構成されているから、図1の場合と逆に、定規片4の一端41に形成された一端側結合部41bと、定規片2の他端22に形成された他端側結合部22bとを結合した場合も、図1のように結合した場合と同様の作用効果を生ずる。
【0108】
さらに、定規片を3つ以上結合することが可能となるから、単一の定規と同様の使い勝手の、より長尺の定規を実現することができる。もちろん、定規片2を単体で使用することもできる。
【0109】
上述の実施形態による定規1においては、図3に示すように、第1定規片2と第2定規片4とを結合する手段として、定規片2の一端側端面21aに対して凹状に形成されたアリ溝状の一端側結合部21bと、定規片4の他端側端面42aに対して凸状に形成されたアリ型状の他端側結合部42bとを用いているが、第1定規片と第2定規片とを結合する手段はこれに限定されるものではない。
【0110】
つぎに、この発明の第2の実施形態による定規101について説明する。なお、以後の実施形態においては、説明の便宜上、構成の一部(たとえば、主数字27b、補助数字27c等)の記載を省略することがある。
【0111】
図7Aは、定規101を構成する第1定規片102及び第2定規片104の一部(定規片102の一端121及び定規片104の他端142の近傍)を表す平面図である。
【0112】
定規101においては、第1定規片102の一端121に設けられた一端側端面121aに対して凹状に形成された、抜け止め部121cを有する任意形状の一端側結合部121bと、第2定規片104の他端142に設けられた他端側端面142aに対して凸状に形成された、前記一端側結合部121bに嵌まり込む形状の、抜け止め部142cを有する他端側結合部142bとを嵌め合わせることで、第1定規片102と第2定規片104とを分離可能に結合するようにしている。一端側結合部121b、他端側結合部142bを、たとえば、キャラクターのシルエットに形成することで、使用者の興味をひくことができる。
【0113】
定規101のその余の構成は定規1と同様である。また、定規1におけるバリエーションは、その性質上定規101に適用できないものを除き、定規101にも適用される。なお、原則として、明細書及び図面において、2桁の符号で示される定規1の構成部分に関する説明は、当該2桁の符号の前に符号「1」を加えた3桁の符号に読み替えて、定規101における同一機能を有する構成部分に関する説明として適用するものとする。
【0114】
上述の各実施形態においては、第1定規片の一端に設けられた一端側端面に対して凹状に形成された、抜け止め部を有する一端側結合部と、第2定規片の他端に設けられた他端側端面に対して凸状に形成された、前記一端側結合部に嵌まり込む形状の、抜け止め部を有する他端側結合部とを嵌め合わせることで、第1定規片と第2定規片とを分離可能に結合するようにしているが、この発明はこれに限定されるものではない。
【0115】
つぎに、この発明の第3の実施形態による定規201について説明する。
【0116】
図7Bは、定規201を構成する第1定規片202及び第2定規片204の一部(定規片202の一端221及び定規片204の他端242の近傍)を表す平面図である。
【0117】
定規201において、第1定規片202は、その一端221に設けられた一端側端面221aに対して凹状に形成された、抜け止め部を有する任意形状の一端側結合部221bと、一端側端面221aに対して凸状に形成された、抜け止め部を有する任意形状の一端側結合部221eとを備えている。
【0118】
一方、第2定規片204は、その他端242に設けられた他端側端面242aに対して凸状に形成された、前記一端側結合部221bに嵌まり込む形状の、抜け止め部を有する他端側結合部242bと、他端側端面242aに対して凹状に形成された、前記一端側結合部221eに嵌まり込む形状の、抜け止め部を有する他端側結合部242eとを備えている。
【0119】
第1定規片202の一端側結合部221b、221eと、第2定規片204の他端側結合部242b、242eとを、それぞれ嵌め合わせることで、第1定規片202と第2定規片204とを分離可能に結合するようにしている。抜け止め部を有する複数の結合部をそれぞれ嵌め合わせて両定規片を結合することで、さらに強固に結合することができる。
【0120】
また、この実施形態においては、凸状に形成された一端側結合部221e及び他端側結合部242bに、それぞれ、変形吸収溝221d及び242dが設けられている。
【0121】
変形吸収溝221d(242d)は、定規片202(204)の下面223(243)から上面224a(244a)あるいは段落ち面224b(244b)まで貫通する溝である。
【0122】
なお、変形吸収溝221d(242d)の向き、形状、位置、溝の幅等は、とくに限定されるものではないが、この例では、次のように構成されている。
【0123】
すなわち、変形吸収溝221d(242d)は、X1,X2方向にのびる直線状の溝であって、一端側結合部221e(他端側結合部242b)のX1(X2)方向端に開口端を有し、一端側端面221a(他端側端面242a)近くに終端を有する。変形吸収溝221d(242d)のY1,Y2方向の位置は、一端側結合部221e(他端側結合部242b)のY1,Y2方向略中央に配置されている。変形吸収溝221d(242d)の溝の幅は約0.5mmである。
【0124】
さらに、一端側結合部221e(他端側結合部242b)に設ける変形吸収溝221d(242d)の数はとくに制限されるものではなく、この例のように1つでもよいが、2つ以上設けるよう構成することもできる。
【0125】
定規201のその余の構成は定規1又は定規101と同様である。また、定規1又は定規101におけるバリエーションは、その性質上定規201に適用できないものを除き、定規201にも適用される。なお、原則として、明細書及び図面において、2桁の符号で示される定規1の構成部分に関する説明は、当該2桁の符号の前に符号「2」を加えた3桁の符号に読み替えて、また、3桁の符号で示される定規101の構成部分に関する説明は、当該3桁の符号の最初の符号「1」を符号「2」に置換えた3桁の符号に読み替えて、定規201における同一機能を有する構成部分に関する説明として適用するものとする。
【0126】
上述の各実施形態においては、第1定規片と第2定規片とを結合するための手段として、第1定規片の一端側結合部と第2定規片の他端側結合部とを、直接的に結合するよう構成した手段を用いているが、第1定規片と第2定規片とを結合する手段はこれに限定されるものではない。
【0127】
つぎに、この発明の第4の実施形態による定規301について説明する。
【0128】
図8は、定規301を構成する第1定規片302及び第2定規片304の一部(定規片302の一端321及び定規片304の他端342の近傍)、並びに結合仲介部材6を表す平面図である。
【0129】
定規301において、第1定規片302は、その一端321に設けられた一端側端面321aに対して凹状に形成された、抜け止め部321cを有する任意形状の一端側結合部321bを備えている。
【0130】
一方、第2定規片304は、その他端342に設けられた他端側端面342aに対して凹状に形成された、抜け止め部342cを有する他端側結合部342gを備えている。
【0131】
そして、結合仲介部材6は、第1定規片302の前記一端側結合部321bに嵌まり込む形状の、抜け止め部62cを有する第1嵌合部62と、第2定規片304の前記他端側結合部342gに嵌まり込む形状の、抜け止め部64cを有する第2嵌合部64とを備えている。
【0132】
第1定規片302の一端側結合部321bと結合仲介部材6の第1嵌合部62とを嵌め合わせるとともに、第2定規片304の他端側結合部342gと結合仲介部材6の第2嵌合部64とを嵌め合わせることで、結合仲介部材6を介して、両定規片302、304を、間接的に、分離可能に結合することができる。
【0133】
結合仲介部材6の形状はとくに限定されるものではないが、平板状のものとするとともに、その板厚を、第1定規片302の一端321及び第2定規片304の他端342と同一の板厚とすれば、両定規片を結合したときに、その継ぎ目を意識させることのない各定規片の2倍の長さを持つ単一の定規と同様の使い勝手の定規を得ることができる。
【0134】
なお、この例では、第1定規片302の一端側結合部321bと第2定規片304の他端側結合部342gとを、Y1,Y2方向の直線を対称軸とする鏡面対称の形状とし、結合仲介部材6も、Y1,Y2方向の直線を対称軸とする鏡面対称の形状としているが、これらの形状を、Y1,Y2方向の直線に対して非対称な形状とすることもできる。
【0135】
定規301のその余の構成は定規1と同様である。また、定規1、定規101又は定規201におけるバリエーションは、その性質上定規301に適用できないものを除き、定規301にも適用される。なお、原則として、明細書及び図面において、2桁の符号で示される定規1の構成部分に関する説明は、当該2桁の符号の前に符号「2」を加えた3桁の符号に読み替えて、また、3桁の符号で示される定規101若しくは定規201の構成部分に関する説明は、それぞれ、当該3桁の符号の最初の符号「1」若しくは符号「2」を符号「3」に置換えた3桁の符号に読み替えて、定規301における同一機能を有する構成部分に関する説明として適用するものとする。
【0136】
なお、上述の各実施形態においては、第1定規片及び第2定規片が同一形状のものである場合を例に説明したが、この発明は、これに限定されるものではない。たとえば、第1定規片の一端に一端側結合部を形成し、第2定規片の他端に他端側結合部を形成する一方、第1定規片の他端及び第2定規片の一端には、結合部を形成することなく、それぞれ、平面状の一端側端面及び他端側端部を形成するのみに留めるよう構成することもできる。
【0137】
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付のクレームの範囲において、変更することができるものである。また、上記においては、本発明のいくつかの典型的な実施形態についてのみ詳細に記述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点を逸脱することなしに上記典型的な実施形態において多くの変更が可能であることを、容易に認識するであろう。したがって、そのような変更はすべて、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0138】
1:定規
2:第1定規片
4:第2定規片
9:対象平面
21:第1定規片の一端
23:第1定規片の当接部
25:第1定規片の線引きガイド部
26:第1定規片の線引きガイド部
42:第2定規片の他端
43:第2定規片の当接部
45:第2定規片の線引きガイド部
46:第2定規片の線引きガイド部

特許出願人 株式会社パレット
出願人代理人 弁理士 田川 幸一

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1定規片及び第2定規片を備えた定規であって、
前記各定規片は、
対象表面に当接する当接部と、
当接部が対象表面に当接するよう押圧力を加えるための加圧部と、
当接部が対象表面に当接した状態で対象表面に直線を引くためのガイドとなる線引きガイド部と、
線引きガイド部と並列的に設けられ、当接部が対象表面に当接した状態で対象表面の測長を行うための目盛部と、
を備え、
第1定規片の一端と第2定規片の他端とを結合分離自在に形成し、
両定規片を結合することで、両定規片の当接部がともに対象表面に当接するとともに両定規片の線引きガイド部が連続的に結合されるよう構成したこと、
を特徴とする定規。
【請求項2】
請求項1の定規において、
第1定規片の一端に一端側結合部が形成され、
第2定規片の他端に、前記一端側結合部と結合分離自在に構成された他端側結合部が形成され、
一端側結合部と他端側結合部とを結合することにより、両定規片を直接的に結合するよう構成したこと、
を特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1の定規において、
第1定規片の一端に一端側結合部が形成され、
第2定規片の他端に他端側結合部が形成され、
さらに、一端側結合部及び他端側結合部に対して結合分離自在に構成された結合仲介部材を備え、
結合仲介部材を介して一端側結合部と他端側結合部とを結合することにより、両定規片を間接的に結合するよう構成したこと、
を特徴とするもの。
【請求項4】
請求項2ないし3のいずれかの定規において、
さらに、
第1定規片の他端に、前記第2定規片の他端側結合部と同一形状の他端側結合部が形成され、
第2定規片の一端に、前記第1定規片の一端側結合部と同一形状の一端側結合部が形成され、
第1定規片の他端側結合部と第2定規片の一端側結合部とを結合して両定規片を結合することによっても、両定規片の当接部がともに対象表面に当接するとともに両定規片の線引きガイド部が連続的に結合されるよう構成したこと、
を特徴とするもの。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの定規において、
第1定規片と第2定規片とを結合することによって、さらに、両定規片の目盛部の目盛が連続するよう構成したこと、
を特徴とするもの。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの定規を構成する第1又は第2定規片。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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