説明

定量分析装置、定量分析方法および定量分析プログラム

【課題】蛍光顕微鏡で撮影した試料の撮影焦点が一致しているか否かをリアルタイムに判定し、特定物質を高感度で定量分析する定量分析装置を提供する。
【解決手段】蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して撮影した試料の蛍光状態の画像をフレーム画像データとして記憶する画像情報記憶部22と、フレーム画像データの各画素の明るさについて度数分布を求め、度数分布についての尖度を算出する尖度算出部23と、尖度の値が所定の範囲にない場合に画像情報記憶部22に記憶されたフレーム画像データを棄却する画像棄却処理部24と、尖度の値が所定の範囲にある場合にフレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算処理部25と、特定物質の所定の定量値と明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、算出された明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出部27と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれるタンパク質や真核細胞などの特定物質を、蛍光染色法を用いて高感度で定量分析する定量分析装置、定量分析方法および定量分析プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
浮遊細胞および接着細胞を有するすべての体細胞などの細胞の抗体量(タンパク質量)を定量することは、ゲノム解析、タンパク質解析、タンパク質生産、再生医工学、細胞工学などの各研究分野や医療分野などで頻繁に用いられ、きわめて重要な技術である。たとえば、これら体細胞などの抗体量(タンパク質量)の定量では、酵素抗体法が一般的に用いられ、ピコグラムの精度でその質量を定量することができる。また、迅速で精度の高い方法として、フローサイトメータのように体細胞内の抗体に蛍光色素を染色してレーザを照射して、その際発生する蛍光強度から細胞の抗体量を定量する方法が知られている。
【0003】
しかし、酵素抗体法では、定量操作が複雑でかなりの分析技術を必要とし、また、分析に数時間を要するという問題点があった。また、フローサイトメータは、その処理工程でレーザ照射などを行うため、装置構成が複雑で、装置が高価になってしまうという問題点があった。
【0004】
そこで、これらの酵素抗体法やフローサイトメータを使用しないメタン菌などの特定物質の測定方法として、微生物測定方法という技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された微生物測定方法では、プレパラート上での試料厚みを一定とする必要があるために、大きさが数μmを超えるような真核細胞を定量する際に、蛍光顕微鏡の焦点深度が試料厚みや真核細胞の大きさと比べて小さいため、焦点が合わない画像となる場合が発生するという問題点があった。このような問題を解決するために、蛍光顕微鏡画像を用いてその特定物質の質量を高感度で定量分析することができる定量分析装置、定量分析方法および定量分析プログラムが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。この定量分析方法は、画像データ取得工程、画像データ選別工程、蛍光強度算出工程、特定物質定量工程に分かれており、画像データ取得工程では指定された枚数の画像データを撮影し、画像データ選別工程では画像データを2次元フーリエ変換し、取得した振幅スペクトルを解析することにより画像データの有効性を判別している。そして、露光強度算出工程および特定物質定量工程で有効と判定されたデータについて測定処理を行っている。
【0005】
【特許文献1】特許第2947305号公報(特に、段落[0017]、第1図および第2図)
【特許文献2】特開2006−226916号公報(特に、段落[0010]、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載された定量分析プログラムでは、画像データ取得工程にて指定した枚数の画像データ取得後に、画像データ選別工程において、2次元フーリエ変換を用いることにより、一括して画像処理を行うことでデータの有効性を確認している。ところが、2次元フーリエ変換を用いた振幅スペクトルの解析は、たとえ撮影焦点が一致している画像データであっても、棄却されてしまう場合があることや、2次元フーリエ変換処理そのものに時間がかかるため、撮影焦点が一致しているか否かをリアルタイムに判定することが困難であることなどの問題があった。その結果、リアルタイムで画像を撮影した場合に、多くの撮影回数と処理時間を要し、撮影に手間を要するばかりでなく、判定処理の間に蛍光染色された特定物質が退色してしまい、測定精度を悪化させる要因となっていた。
【0007】
さらに、2次元フーリエ変換を用いた振幅スペクトルの解析は、採用する閾値をあらかじめ定めておく必要があり、測定者などの経験や勘を必要としていた。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、蛍光染色法を用いて特定物質を定量分析するにあたり、蛍光顕微鏡で撮影した試料の撮影焦点が一致しているか否かをリアルタイムに判定することにより、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することができる定量分析装置、定量分析方法および定量分析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、第1の発明の定量分析装置は、蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して撮影した前記試料の蛍光状態の画像を取得する画像情報取得手段と、前記画像をフレーム画像データとして記憶する画像情報記憶手段と、前記フレーム画像データの各画素の明るさについて度数分布を求め、前記度数分布についての尖度を算出する尖度算出手段と、前記尖度の値が所定の範囲にない場合に、前記画像情報記憶手段に記憶された前記フレーム画像データを棄却する画像棄却処理手段と、前記尖度の値が所定の範囲にある場合に、前記フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算処理手段と、前記特定物質の所定の定量値と前記明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、前記蛍光強度積算処理手段で算出された前記明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明にかかる定量分析装置は、第1の発明において、蛍光染色した特定物質を含む前記試料に励起光を照射して、その蛍光状態を撮影する撮影手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、第3の発明にかかる定量分析装置は、第1または第2の発明において、前記尖度算出手段は、nを前記フレーム画像データの画素数とし、j(1≦j≦n)を画素番号とし、xjを画素jのピクセル値とし、x’をx1からxnまでの平均値とした場合に、次式(1)を用いて、前記フレーム画像データについての前記尖度Aを算出することを特徴とする。
【0012】
【数1】

【0013】
また、第4の発明にかかる定量分析装置は、第1〜第3の発明のいずれか1つの発明において、前記蛍光強度積算処理手段は、前記フレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、前記フレーム画像データの明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明にかかる定量分析装置は、第1〜第3の発明のいずれか1つの発明において、前記蛍光強度積算処理手段は、前記フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる積算実行領域を抽出し、前記積算実行領域に含まれる各画素の明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする。
【0015】
上述した課題を解決するために、第6の発明にかかる定量分析方法は、蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して撮影した前記試料の蛍光状態の画像を取得する画像情報取得工程と、取得した前記画像をフレーム画像データとして記憶する画像情報記憶工程と、前記フレーム画像データの各画素の明るさについての度数分布を求め、前記度数分布についての尖度を算出する尖度算出工程と、前記尖度の値が所定の範囲にない場合に、記憶された前記フレーム画像データを棄却する画像棄却工程と、前記尖度の値が所定の範囲にある場合に、前記フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算工程と、前記特定物質の所定の定量値と前記明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、前記蛍光強度積算工程で算出された前記明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、第7の発明にかかる定量分析方法は、第6の発明において、前記尖度算出工程では、nを前記フレーム画像データの画素数とし、j(1≦j≦n)を画素番号とし、xjを画素jのピクセル値とし、x’をx1からxnまでの平均値とした場合に、次式(1)を用いて、前記フレーム画像データについての前記尖度Aを算出することを特徴とする。
【0017】
【数2】

【0018】
さらに、第8の発明にかかる定量分析方法は、第6または第7の発明において、前記蛍光強度積算工程では、前記フレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、前記フレーム画像データの明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする。
【0019】
また、第9の発明にかかる定量分析方法は、第6または第7の発明において、前記蛍光強度積算工程では、前記フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる積算実行領域を抽出し、前記積算実行領域に含まれる画素の明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする。
【0020】
上述した課題を解決するために、第10の発明の定量分析プログラムは、蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して前記試料の蛍光状態を撮影した画像データを用いて、前記試料中の前記特定物質を定量する定量分析プログラムであって、前記画像データを取得する画像情報取得手順と、前記画像データをフレーム画像データとして記憶手段に記憶する画像情報記憶手順と、前記フレーム画像データの各画素の明るさについての度数分布を求め、前記度数分布についての尖度を算出する尖度算出手順と、前記尖度の値が所定の範囲にない場合に、前記記憶手段中の前記フレーム画像データを棄却する画像棄却手順と、前記尖度の値が所定の範囲にある場合に、前記フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算手順と、前記特定物質の所定の定量値と前記明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、前記蛍光強度積算手順で算出された前記明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
また、第11の発明にかかる定量分析プログラムは、第10の発明において、前記尖度算出手順では、nを前記フレーム画像データの画素数とし、j(1≦j≦n)を画素番号とし、xjを画素jのピクセル値とし、x’をx1からxnまでの平均値とした場合に、次式(1)を用いて、前記フレーム画像データについての前記尖度Aを算出することを特徴とする。
【0022】
【数3】

【0023】
さらに、第12の発明にかかる定量分析プログラムは、第10または第11の発明において、前記蛍光強度積算手順では、前記フレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、前記フレーム画像データの明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする。
【0024】
さらに、第13の発明にかかる定量分析プログラムは、第10または第11の発明において、前記蛍光強度積算手順では、前記フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる積算実行領域を抽出し、前記積算実行領域に含まれる画素の明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
第1、第3、第6、第7、第10および第11の発明によれば、カメラなどの撮影装置のフレームレートで順次撮影されるフレーム画像データについて、フレーム画像データの明るさの尖度という指標に基づいて撮影焦点の良し悪しを判断することができるため、撮影焦点が一致する画像データのみを用いて蛍光強度を算出することができ、結果として、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することができるという効果を有する。
【0026】
また、第2の発明によれば、カメラなどの撮影装置のフレームレートで順次撮影されるフレーム画像データについて、フレーム画像データの明るさの尖度という指標に基づいて撮影焦点の良し悪しを判断することができるため、定量分析を行っている者が、尖度の値を観測しながら蛍光顕微鏡で観察している試料の焦点調整を行うことができ、蛍光染色された特定物質が退色する前に定量分析を終わらせることが可能となり、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することができるという効果を有する。
【0027】
また、第4、第5、第8、第9、第12および第13の発明によれば、撮影焦点の一致しているフレーム画像データの所定値以下の明るさの画素を明るさ0の画素に変換し、あるいは撮影焦点の一致しているフレーム画像データの所定値以上の明るさとなる画素の領域を抽出しているため、フレーム画像データの背景となっている部分のノイズが除去され、特定物質の質量や濃度をより高感度で定量分析することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる定量分析装置、定量分析方法および定量分析プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、蛍光染色されたIgM(Immunoglobulin M type)抗体を含んだ試料を使用した場合を例に挙げて説明する。このIgM抗体は、ブロッキングした抗体をリン酸緩衝液(PBS;Phosphate Buffered Saline)で1回洗浄し、10%FBS(Fetal Bovine Serum)/PBSを3μl、FITC(fluorescein isothiocyanate)標識抗ヒトIgM抗体を3μl加えて懸濁し、暗室下4℃で1時間程度放置して蛍光作用を呈するようにしてから分析を行っている。また、これらの実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】
図1は、この発明の実施例1にかかる定量分析装置の構成例を模式的に示す図である。この定量分析装置1は、蛍光染色した特定物質を含む試料(図示省略)に励起光を照射して、試料からの蛍光を撮影する撮影装置10と、撮影装置10によって撮影された画像を画像処理して定量分析を行う演算装置20と、を備える。
【0030】
撮影装置10は、試料に励起光を照射するための光学系を光学顕微鏡に付加した蛍光顕微鏡11に、その励起光の照射によって試料から発生した蛍光状態を撮影する撮影部12を設けた構成を有する。この図1の例では、撮影部12は、データを送受信するためのケーブルで演算装置20と接続されている場合を示している。
【0031】
撮影部12は、たとえばCCD(Charge-Coupled Device)カメラなどの画像撮影手段によって構成され、蛍光顕微鏡11の対物レンズを含む光学系によって拡大された画像を撮影する。蛍光顕微鏡11の対物レンズの倍率は、定量分析を行う対象物によって適宜選択されるものであり、任意のものでよいが、通常は4倍〜100倍程度の倍率の対物レンズが使用される。
【0032】
演算装置20は、撮影装置10の撮影部12によって撮影された画像データを取得する画像情報取得部21と、取得した画像データを記憶する画像情報記憶部22と、画像データの明るさの度数分布からその尖度を算出する尖度算出部23と、尖度が所定の範囲にない場合にその画像データを棄却する画像棄却処理部24と、尖度が所定の範囲にある場合に、その画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算処理部25と、予め求めた特定物質の所定の定量値と蛍光強度との関係を示す定量値算出用情報を記憶する定量値算出用情報記憶部26と、定量値算出用情報に基づいて、明度積算値から特定物質の所定の定量値を算出する定量結果算出部27と、を備える。
【0033】
画像情報取得部21は、撮影装置10の撮影部12に対して蛍光染色された特定物質の蛍光画像を撮影するように指示を出し、その結果得られる画像データを撮影部12(カメラ)のフレームレートで常時取り込む機能を有する。取り込んだ画像データは、フレーム画像データとして画像情報記憶部22に記憶される。
【0034】
図2は、フレーム画像データの一例を示す図である。この図2に示されるように、蛍光染色された特定物質を含む試料に励起光を照射すると、特定物質41が蛍光し、その状態が撮影部12で撮影され、画像情報取得部21でフレーム画像データとして取り込まれる。このフレーム画像データを、たとえば8ビットグレースケールとした場合には、各画素のピクセル値がとり得る範囲は0〜255となる。
【0035】
尖度算出部23は、画像情報記憶部22に記憶されているフレーム画像データを参照して、その明るさについての度数分布を算出し、さらにこの度数分布についての尖度を算出する。具体的には、フレーム画像データを構成する1画素ごとのピクセル値についての度数分布を求め、その度数分布の形の歪の度合いである尖度Aを所定の式にしたがって算出する。尖度Aを算出する式としては、公知となっている任意のものを使用することができるが、この実施例1では、次式(1)を使用する。ただし、nはフレーム画像データの画素数であり、j(1≦j≦n)は画素番号であり、xjは画素jのピクセル値であり、x’はx1〜xnの平均値である。
【0036】
【数4】

【0037】
この実施例1では、フレーム画像データの明るさの度数分布から、(1)式に基づいて尖度を算出することによって、撮影焦点の一致の有無の判定を行うようにしている。これは、撮影焦点の一致しているフレーム画像データと、そうでないフレーム画像データとでは、フレーム画像データのピクセル値についてのヒストグラムが大きく異なるからである。つまり、フレーム画像データのピクセル値についてのヒストグラムの形を尖度という指標を用いて、撮影焦点が一致しているフレーム画像データであるか否かを選別するようにしている。そこで、この尖度算出部23は、選別を行うために用いるフレーム画像データのピクセル値についてのヒストグラムの尖度を算出する機能を有している。
【0038】
画像棄却処理部24は、尖度算出部23によって算出された尖度Aが、所定の範囲内にない場合には、検査対象となっているフレーム画像データは撮影焦点の一致していないフレーム画像データであると判断し、そのフレーム画像データを棄却する処理を行う。具体的には、画像情報記憶部22中に記憶された対応するフレーム画像データを消去する処理を行う。
【0039】
蛍光強度積算処理部25は、尖度算出部23によって算出された尖度Aが、所定の範囲内にある場合には、検査対象となっているフレーム画像データは撮影焦点の一致しているフレーム画像データであると判断し、画像情報記憶部22から対応するフレーム画像データを参照し、その各画素の明るさを積算する。積算した値(明度積算値)は、蛍光強度を表す指標となる。
【0040】
明度積算値を算出するにあたり、フレーム画像データのすべての画素を用いてもよいが、演算処理を速やかに行うために、そして高感度の分析を行うために、演算処理を工夫することができる。たとえば、この実施例1では、蛍光強度積算処理部25は、フレーム画像データの各画素について、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、そのフレーム画像データの明るさを積算する場合について説明する。このように、撮影焦点の一致しているフレーム画像データ中の画素のうち、所定値以下の明るさの画素を明るさ0の画素に変換することによって、フレーム画像データの背景となっている部分のノイズが除去され、特定物質の質量や濃度をより高感度で定量分析することができる。
【0041】
定量値算出用情報記憶部26は、予め求められた蛍光強度の積算値(明度積算値)とその蛍光染色された特定物質の質量または濃度との間の対応関係を示す蛍光強度−質量対応情報または蛍光強度−濃度対応情報を定量値算出用情報として格納する。図3は、定量値算出用情報の一例を示す図である。この定量値算出用情報は、蛍光強度−濃度対応情報であり、横軸に特定物質の濃度をとり、縦軸にフレーム画像データの明度積算値をとっている。このような蛍光強度−濃度対応情報が、予め定量を行う特定物質ごとに作成されている。なお、この例では、蛍光強度−濃度対応情報は、グラフとなっているが、グラフに限られず計算式であってもよいし、表であってもよい。もちろん、定量値算出用情報として、蛍光強度−濃度対応情報に代えて、蛍光強度−質量対応情報を作成し、蛍光強度と質量との対応についての情報を定量値算出用情報記憶部26に記憶させてもよい。
【0042】
定量結果算出部27は、定量値算出用情報記憶部26に格納されている検査対象の定量値算出用情報を参照して、フレーム画像データの各画素の明るさを積算した明度積算値(蛍光強度)から特定物質を定量する。具体的には、蛍光強度−質量対応情報または蛍光強度−濃度対応情報を参照して、明度積算値に対応する質量対応情報または濃度対応情報を求め、その結果を質量または濃度とする。
【0043】
上述した説明で、画像情報記憶部22と定量値算出用情報記憶部26とは、物理的に別々に設けてもよいし、たとえば図1のように1つの記憶部28内に別々の領域として設けてもよい。
【0044】
このように、カメラのフレームレートで順次撮影されるフレーム画像データについて、フレーム画像データの明るさの尖度という指標に基づいて撮影焦点の良し悪しを判断することができるため、撮影焦点が一致する画像データのみを用いて蛍光強度を算出することができ、結果として、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することができる。また、尖度算出部23で算出された尖度Aを表示出力する表示手段をさらに設けることで、定量分析を行っている者が、尖度の値を観測しながら蛍光顕微鏡で観察している試料の焦点調整を行うことができるので、蛍光染色された特定物質が退色する前に定量分析を終わらせることが可能となり、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することもできる。
【0045】
なお、図1では、撮影装置10と演算装置20とは一体的に構成されている場合を示しているが、撮影装置10と演算装置20とを別々に構成するようにしてもよい。この場合には、たとえば、撮影装置10に撮影部12で撮影した画像データを記憶する記憶領域(図示省略)を設けておき、撮影の終わった後で、記憶された画像データを持ち運び可能な記憶媒体(図示省略)などに複製して、演算装置20の記憶部28(画像情報記憶部22)に読込ませるようにすればよいし、または、撮影部12で撮影した画像データを、フレキシブルディスクやCD−R/RW(Compact Disc Recordable/ReWritable)、メモリカードなどの持ち運び可能な記憶媒体に記憶させ、その記憶媒体を演算装置20に読み取らせるようにすればよい。
【0046】
ここで、このような定量分析装置による定量分析方法について図4のフローチャートを参照しながら説明する。まず、蛍光染色した特定物質を含む試料を蛍光顕微鏡11の所定位置に設置し、この試料に励起光を照射して、撮影部12が蛍光染色された特定物質の蛍光画像を撮影する(ステップS11)。そして、画像情報取得部21が撮影された画像を取得して、画像情報記憶部22にフレーム画像データとして記憶する(ステップS12)。以上のステップS11〜S12によって、蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して、その蛍光状態を撮影したことによって取得された画像を、フレーム画像データとして記憶する画像情報取得・記憶工程が完了する。
【0047】
ついで、尖度算出部23は、画像情報記憶部22に記憶されたフレーム画像データについて、1画素ごとの明るさを取得して、明るさの度数分布を求め、その度数分布の形状についての尖度Aを、たとえば上記した式(1)を用いて算出する(ステップS13)。その結果が、画像棄却処理部24に渡される。このステップS13が、尖度算出工程である。
【0048】
その後、画像棄却処理部24は、尖度算出部23で算出されたフレーム画像データの尖度Aの値が所定の範囲にあるか否かを判定する(ステップS14)。フレーム画像データの尖度Aの値が所定の範囲にない場合(ステップS14でNoの場合)には、画像棄却処理部24は、画像情報記憶部22にあるフレーム画像データを消去して、そのフレーム画像データを棄却する(ステップS15)。その後、再びステップS11に戻って新たなフレーム画像データの取得を再開する。以上のステップS14〜S15が、画像棄却工程である。
【0049】
ステップS14で、フレーム画像データの尖度Aの値が所定の範囲内にある場合(ステップS14でYesの場合)には、蛍光強度積算処理部25は、画像情報記憶部22に記憶された対応するフレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換し(ステップS16)、その後、フレーム画像データ全体についての明るさを積算して明度積算値を算出する(ステップS17)。つまり、所定値以上の明るさとなる画素についてその値(明るさ)を積算する。これらのステップS16〜S17によって、フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算工程が完了する。
【0050】
本実施例1で用いた蛍光染色されたIgM抗体を含んだ試料では、尖度Aの値が25から65までの間にある場合についてのみ明度積算値を算出するようにし、尖度Aの値がその範囲を外れる場合には、フレーム画像データを棄却するようにした。その結果、明度積算値(蛍光強度)と質量との間で高い相関関係を示すようになった。なお、尖度Aの値を、45から65までの間にある場合についてのみ明度積算値を算出するようにすると、明度積算値(蛍光強度)と質量との間でより高い相関関係を示すようになった。
【0051】
ついで、定量結果算出部27は、定量値算出用情報記憶部26中から定量値算出用情報として蛍光強度−質量対応情報または蛍光強度−濃度対応情報を参照し、明度積算値に対応する特定物質の質量または濃度を算出する(ステップS18)。以上のステップS18が、定量結果算出工程である。
【0052】
その後、分析を続ける場合(ステップS19でNoの場合)には、ステップS11へと戻り、上述した処理が繰り返し実行され、また分析を終了する場合(ステップS19でYesの場合)には、定量分析装置による定量分析方法が終了する。
【0053】
この実施例1によれば、実測値(実際の抗体量)と撮影画像のヒストグラム尖度との間に相関関係が認められるため、IgM抗体のような大きな真核細胞を撮影する場合でも、上述した定量分析方法で、ヒストグラム尖度を算出することによって、熟練技術により行っていた蛍光顕微鏡画像の焦点の合致判定を、人手によることなく自動で行うことが可能になるという効果を有する。また、尖度算出部23による演算処理は、従来の2次元フーリエ変換を用いた振幅スペクトルの解析に比して、測定精度が高く、高速に処理を行うことができるので、定量分析を行っている者による蛍光顕微鏡で撮影した試料の撮影焦点が一致しているか否かを、尖度算出部23で算出した結果に基づいて、リアルタイムに判定することができ、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することができる。さらに、フレーム画像データ中の画素の明るさが所定値以下の場合に、その画素の明るさを0とするようにしたので、フレーム画像データ中の画素全体について算出する場合に比して、明度積算値の算出時間を短縮することができるという効果も有する。
【実施例2】
【0054】
この実施例2では、実施例1の場合とは異なる方法で明度の積算処理を行う場合について説明する。この場合の定量分析装置の構成は、蛍光強度積算処理部25が、フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる領域を積算実行領域として抽出し、この積算実行領域の明るさのみを積算する点が実施例1の定量分析装置1と異なり、その他の点は、実施例1と同一の構成を有する。
【0055】
図5は、積算実行領域の抽出の一例を示す図である。この図5は、図2のフレーム画像データにおいて、蛍光強度積算処理部25が、所定値以上の明るさを有する画素からなる領域を積算実行領域42として抽出した結果を示している。このように、蛍光強度積算処理部25で、撮影焦点の一致しているフレーム画像データの所定値以上の明るさとなる画素の領域(積算実行領域42)を抽出することによって、フレーム画像データの背景となっている部分のノイズが除去され、特定物質の質量や濃度をより高感度で定量分析することができる。なお、この積算実行領域42は、図2のほぼ特定物質41と重なっている。
【0056】
つぎに、このような定量分析装置による定量分析方法について図6のフローチャートを参照しながら説明する。実施例1の図4のステップS11〜S15に示したように、蛍光染色された特定物質の蛍光画像を撮影し、各画素について明るさについての度数分布から尖度を算出し、度数分布の尖度が所定の範囲内にあるフレーム画像データを残す処理を行う(ステップS31〜S35)。
【0057】
ついで、尖度が所定の範囲内にある場合(ステップS35でYesの場合)には、蛍光強度積算処理部25は、画像情報記憶部22に記憶された対応するフレーム画像データについて、所定値以上の明るさとなる領域を積算実行領域として抽出する(ステップS36)。その後、蛍光強度積算処理部25は、フレーム画像データに含まれる積算実行領域内の画素の明るさを積算して明度積算値を算出する(ステップS37)。たとえば、図5に示されるフレーム画像データ中の所定値以上の明るさとなる積算実行領域42内の各画素についてその値(明るさ)を積算する。これらのステップS36〜S37によって、フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算工程が完了する。
【0058】
その後、実施例1の図4のステップS18以降に示した明度積算値から特定物質の質量または濃度を算出する定量結果算出工程が行われ、同じ試料について分析を続行する場合には、ステップS31へと戻り、分析を終了する場合には、定量分析方法が終了する(ステップS38〜S39)。
【0059】
この実施例2によっても、実施例1と同様に、熟練技術により行っていた蛍光顕微鏡画像の焦点の合致判定を、人手によることなく自動で行うことができるとともに、尖度算出部23で算出した結果に基づいて、リアルタイムに判定することができ、特定物質の質量や濃度を高感度で定量分析することができるという効果を有する。さらに、フレーム画像データ中の画素の明るさが所定値以上の画素を積算実行領域としたので、フレーム画像データ中の画素全体について算出する場合に比して、明度積算値の算出時間を短縮し、分析精度を上げることができるという効果も有する。
【0060】
なお、上述した実施例1,2では、蛍光染色されたタンパク質や真核細胞の質量や濃度の定量分析に適用する場合を例に挙げて説明したが、これらに限られるものではなく、蛍光染色された物質であれば、同じ方法によって実施することが可能である。
【0061】
また、実施例1,2に示される演算装置20は、撮影装置10によって撮影された画像データを通信手段または記憶媒体を介して読込む手段、ハードディスクドライブなどの記憶手段やメモリ、CPU(Central Processing Unit)を有するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成することができる。この場合に、図4や図6で説明した定量分析方法における各ステップで実行される手順、つまり、画像情報取得部21、尖度算出部23、画像棄却処理部24、蛍光強度積算処理部25および定量結果算出部27で実行される処理手順を、コンピュータに実行させるための定量分析プログラムとして情報処理装置の記憶手段に格納させ、メモリ上に呼び出して実行させることによって、これらの処理を実行させることが可能となる。
【0062】
また、この定量分析プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク、DVD(Digital Versatile DiscまたはDigital Video Disc)、メモリカードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させて提供することが可能である。このほかにも、この定量分析プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる定量分析方法は、タンパク質や真核細胞のほか、広く蛍光物質を含む特定物質の定量分析に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の実施例1にかかる定量分析装置の構成例を模式的に示す図である。
【図2】フレーム画像データの一例を示す図である。
【図3】定量値算出用情報の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施例1にかかる定量分析方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】積算実行領域の抽出の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施例2にかかる定量分析方法の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10 撮影装置
11 蛍光顕微鏡
12 撮影部
20 演算装置
21 画像情報取得部
22 画像情報記憶部
23 尖度算出部
24 画像棄却処理部
25 蛍光強度積算処理部
26 定量値算出用情報記憶部
27 定量結果算出部
28 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して撮影した前記試料の蛍光状態の画像を取得する画像情報取得手段と、
前記画像をフレーム画像データとして記憶する画像情報記憶手段と、
前記フレーム画像データの各画素の明るさについて度数分布を求め、前記度数分布についての尖度を算出する尖度算出手段と、
前記尖度の値が所定の範囲にない場合に、前記画像情報記憶手段に記憶された前記フレーム画像データを棄却する画像棄却処理手段と、
前記尖度の値が所定の範囲にある場合に、前記フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算処理手段と、
前記特定物質の所定の定量値と前記明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、前記蛍光強度積算処理手段で算出された前記明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出手段と、
を備えることを特徴とする定量分析装置。
【請求項2】
蛍光染色した特定物質を含む前記試料に励起光を照射して、その蛍光状態を撮影する撮影手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の定量分析装置。
【請求項3】
前記尖度算出手段は、nを前記フレーム画像データの画素数とし、j(1≦j≦n)を画素番号とし、xjを画素jのピクセル値とし、x’をx1からxnまでの平均値とした場合に、次式(1)を用いて、前記フレーム画像データについての前記尖度Aを算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定量分析装置。
【数1】

【請求項4】
前記蛍光強度積算処理手段は、前記フレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、前記フレーム画像データの明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定量分析装置。
【請求項5】
前記蛍光強度積算処理手段は、前記フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる積算実行領域を抽出し、前記積算実行領域に含まれる各画素の明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定量分析装置。
【請求項6】
蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して撮影した前記試料の蛍光状態の画像を取得する画像情報取得工程と、
取得した前記画像をフレーム画像データとして記憶する画像情報記憶工程と、
前記フレーム画像データの各画素の明るさについての度数分布を求め、前記度数分布についての尖度を算出する尖度算出工程と、
前記尖度の値が所定の範囲にない場合に、記憶された前記フレーム画像データを棄却する画像棄却工程と、
前記尖度の値が所定の範囲にある場合に、前記フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算工程と、
前記特定物質の所定の定量値と前記明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、前記蛍光強度積算工程で算出された前記明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出工程と、
を含むことを特徴とする定量分析方法。
【請求項7】
前記尖度算出工程では、nを前記フレーム画像データの画素数とし、j(1≦j≦n)を画素番号とし、xjを画素jのピクセル値とし、x’をx1からxnまでの平均値とした場合に、次式(1)を用いて、前記フレーム画像データについての前記尖度Aを算出することを特徴とする請求項6に記載の定量分析方法。
【数2】

【請求項8】
前記蛍光強度積算工程では、前記フレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、前記フレーム画像データの明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の定量分析方法。
【請求項9】
前記蛍光強度積算工程では、前記フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる積算実行領域を抽出し、前記積算実行領域に含まれる画素の明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の定量分析方法。
【請求項10】
蛍光染色した特定物質を含む試料に励起光を照射して前記試料の蛍光状態を撮影した画像データを用いて、前記試料中の前記特定物質を定量する定量分析プログラムであって、
前記画像データを取得する画像情報取得手順と、
前記画像データをフレーム画像データとして記憶手段に記憶する画像情報記憶手順と、
前記フレーム画像データの各画素の明るさについての度数分布を求め、前記度数分布についての尖度を算出する尖度算出手順と、
前記尖度の値が所定の範囲にない場合に、前記記憶手段中の前記フレーム画像データを棄却する画像棄却手順と、
前記尖度の値が所定の範囲にある場合に、前記フレーム画像データの明るさを積算して明度積算値を算出する蛍光強度積算手順と、
前記特定物質の所定の定量値と前記明度積算値との対応関係を示す定量値算出用情報を参照して、前記蛍光強度積算手順で算出された前記明度積算値に対応する定量値を算出する定量結果算出手順と、
をコンピュータに実行させるための定量分析プログラム。
【請求項11】
前記尖度算出手順では、nを前記フレーム画像データの画素数とし、j(1≦j≦n)を画素番号とし、xjを画素jのピクセル値とし、x’をx1からxnまでの平均値とした場合に、次式(1)を用いて、前記フレーム画像データについての前記尖度Aを算出することを特徴とする請求項10に記載の定量分析プログラム。
【数3】

【請求項12】
前記蛍光強度積算手順では、前記フレーム画像データについて、所定値以下の明るさとなる画素を明るさ0の画素に変換した後に、前記フレーム画像データの明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の定量分析プログラム。
【請求項13】
前記蛍光強度積算手順では、前記フレーム画像データから、所定値以上の明るさの画素からなる積算実行領域を抽出し、前記積算実行領域に含まれる画素の明るさを積算して前記明度積算値を算出することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の定量分析プログラム。

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−41953(P2009−41953A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204673(P2007−204673)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、経済産業省委託研究、地域新生コンソーシアム研究開発事業「細胞内タンパク質高速定量解析顕微鏡の開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(399076312)安川情報システム株式会社 (77)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】