説明

定量塗布容器

【課題】 作動部材を計量室外方へ引き出して計量し、次いで、作動部材を内方に押し込む動作で使用可能な状態となるとともに、計量室上端の押込み棒を頭皮に押し当てたときのみ液体を塗布でき、使い勝手が良い定量塗布容器を提供する。
【解決手段】容器体口頸部上面に付した流入弁付き底板と口頸部外面へ装着した注出キャップとで計量室を形成し、該注出キャップ上端の注出口を挿通させて上方付勢した押込み棒の押下げにより吐出弁が開くように設けた定量塗布容器において、該底板12に穿設した流入弁孔20を液密に閉じる弁板42の上面から案内筒44を起立する作動部材40を有し、該案内筒44内に、該押込み棒62の下部を上方付勢して可動に挿入させた押込み部材60について、押込み棒を介して弁板42を引上げ可能に案内筒44と連係することで、押込み棒62の引上げにより吐出弁80が閉じたままで流入弁54が開き、かつ押込み棒62の押下げにより流入弁54が閉じるとともに吐出弁80が開くように設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量塗布容器、特に頭髪に塗布する薬剤を収納するのに適した定量塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
育毛剤などの定量塗布容器として、容器体の口頸部に、頂壁及び底壁にそれぞれ吐出弁孔及び流入弁孔を上方から見て同心状に穿設した略筒形の計量部を装着し、該計量室内に、吐出弁孔及び流入弁孔に対応した弁体を弁棒の上下両端に付設した作動部材を昇降可能に設け、作動部材の上昇により吐出弁が閉じるとともに流入弁が開き、また作動部材の下降により流入弁が閉じて吐出弁が開くように構成したものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−337910号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし特許文献1の容器では、作動部材を外方へ引き出して内容液を計量後に作動部材を内方に押込み、流入弁を閉じた状態で常に計量室内部と外部とが連通しているため、逆さにして頭髪に薬剤を塗布する際に過剰に注出されるおそれがあった。
【0004】
そこで本発明は、作動部材を計量室外方へ引き出して計量し、次いで、作動部材を内方に押し込む動作で使用可能な状態となるとともに、計量室上端の押込み棒を頭皮に押し当てたときのみ液体を塗布でき、使い勝手が良い定量塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、容器体口頸部上面に付した流入弁付き底板と口頸部外面へ装着した注出キャップとで計量室を形成し、該注出キャップ上端の注出口を挿通させて上方付勢した押込み棒の押下げにより吐出弁が開くように設けた定量塗布容器において、該底板12に穿設した流入弁孔20を液密に閉じる弁板42の上面から案内筒44を起立する作動部材40を有し、該案内筒44内に、該押込み棒62の下部を上方付勢して可動に挿入させた押込み部材60について、押込み棒を介して弁板42を引上げ可能に案内筒44と連係することで、押込み棒62の引上げにより吐出弁80が閉じたままで流入弁54が開き、かつ押込み棒62の押下げにより流入弁54が閉じるとともに吐出弁80が開くように設けている。
【0006】
本手段では、流入弁を開閉するための作動部材と、吐出弁を開閉するための押込み棒とを別体とするとともに、相互に連係するように設け、これにより一動作で流入弁及び吐出弁を開閉させること、及び、押込み棒を頭皮に押し付けて離したときにその都度吐出弁が閉じるようにすることができるようにしている。
【0007】
「作動部材」は、計量室内で昇降することで上記吐出弁孔、及び流入弁孔を開閉する機能を有し、押込み棒と連係して引き上げられ、かつ押し下げることができるとともに、その引上げ時に計量室内の適所と係止してその引上げ状態を維持するための係止部を有する。好適な後述の実施形態では、小外径に形成した案内筒上端部を係止部とし、注出口の内面を該係止部と嵌まり合って作動部材の引上げ状態を支える支持部としているが、同様の係止部及び支持部を、例えば後述の底板陥没部内面と該陥没部内に挿入される弁板の外周部とに形成しても良く、その他作動部材と計量室内の適所に設けても良い。
【0008】
「押込み棒」は、作動部材と連係して、該作動部材を引き上げ、或いは押し下げる機能を有する。即ち、「連係」とは、注出キャップから液体を吐出するために一定の上下巾内で押込み棒を押し込むときには、作動部材を不動として押込み棒のみを上下動させることができ、又、その上下巾を超えて押込み棒を引き上げ、或いは押し下げるときには、該引上げ乃至押下げに追随して作動部材を上下動することができる。この作用を達成するためには、後述の如く案内筒と押込み棒との対向面の一方に、係合凹部を、他方に、上記上下巾に相当する遊びを存して係合凹部内に挿入された係合凸部とを形成すれば良い。
【0009】
尚、本明細書において、「上」及び「下」という言葉は特に断わらない限り、容器体の成立状態での向きを指すものとする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ該案内筒44の内面と押込み棒62外面との何れか一方に、案内筒に対する押込み棒の上下方向の可動巾を規制する係合凹部50を、他方に該係合凹部に挿入される係合凸部72をそれぞれ設け、その上下巾を超えて押込み棒62を上下動させたときに係合凹部50の上下各端に係合凸部72が係止して案内筒44が連動するように構成している。
【0011】
本手段では、押込み棒と案内筒とがその筒軸方向に連動させ、連係するための手段として上述の係合凹部及び係合凸部を提案している。これら係合凹部及び係合凸部は案内筒乃至押込み棒の周面に周設させても良い。
【0012】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ該計量室36を覆い、該注出口34を閉塞する有頂筒形の外キャップ84を設けるとともに、該押込み棒62を下端閉塞の筒状に形成して、その筒孔68内へ外キャップ84の天板裏面から垂下した栓状部86を挿入させ、該栓状部の外面と押込み棒62の筒壁内面との間に、相互に係合可能に配置された、外キャップ84の離脱による案内筒引上げ用の係合条70,88を設け、更に案内筒44と弁板42とで形成する作動部材40の一部に、案内筒44がある程度引き上げられたときに計量室36の適所と係合するストッパ46を設け、該ストッパの係合により上記両係合条の一方が他方を強制的に乗り越るように構成している。
【0013】
本手段では、キャップの引上げ力の一部を利用して案内筒を引き上げることができるように相互に係合し合う係合条を提案している。これら係合条相互の係合力は、ストッパの係合により係合条の一方が他方を乗り越えるように設ける。
【0014】
第4の手段は、第1の手段乃至第3の手段の何れかを有し、かつ該案内筒44の上端部を、作動部材40の引上げ状態を維持するための係止部48として、注出キャップ30の注出口34内へ押込み棒62の押込みによる離脱可能に嵌着させている。
【0015】
本手段では、該係止部を設けることで作動部材の引上げ状態(換言すれば流入弁の開状態)を維持するとともに、押込み棒の押込み操作の際にその押込みの勢いを適切に調整できるように形成している。
【0016】
「係止部」は、上端部を除く案内筒部分から上向き段部を介して縮径する小外径部とするとよく、そうすると、上向き段差部を上記第3の手段のストッパとすることで、第3、第4の手段の構造を容易に実現することができる。
【0017】
第5の手段は、第1の手段乃至第4の手段の何れかを有し、かつ該底板12は外周部を容器体口頸部6へ固定するとともに、その中央部を有底筒形に陥没させて該陥没部の底壁部に流入弁孔20を穿設し、かつ該陥没部の周壁部分で該弁板42の外周部を引抜き可能に抱持させている。
【0018】
本手段では、該陥没部の周壁部分で弁板の外周部を抱持することで流入弁の閉弁機能を高めたものである。
【発明の効果】
【0019】
第1の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○流入弁54を開閉するための作動部材40と、吐出弁80を開閉するための押込み棒62とを別体とし、作動部材40に対して押込み棒62を上方付勢させたから、頭皮に押込み棒の先端部を押しつけて離すと、その都度吐出弁を閉塞して液体が過剰に洩れることを防止できる。
○作動部材と押込み棒62とを連係させたから、押込み棒を大きく引き出し、押し込む動作で吐出弁及び流入弁を所要の状態とすることができる。
○押込み棒62を案内筒44内に嵌合させたから押込み棒62の傾斜やがたつきを防止でき、頭皮に押込み棒を当接するときに、均一なタッチ感が得られる。
【0020】
第2の手段に係る発明によれば、押込み棒62外面及び案内筒44内面に係合凹部及び係合凸部を設けたから、簡易な構成で押込み棒と案内筒とを連係させることができる。
【0021】
第3の手段に係る発明によれば、容器体2から外キャップ84を除去する作業により流入弁を開にすることができ、操作が簡略化されるので使い勝手が良い。
【0022】
第4の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○案内筒44上端で形成する係止部48を注出口に差込み嵌着させるだけで作動部材40の引上げ状態を維持することができるから、構造を複雑化せずに容易かつ確実に流入弁孔の開状態を維持することができる。
○押込み棒62を引き上げた後に頭皮に押し当てる際、係止部48が注出口34内面から離脱するまでの間は係止部48外面と注出口34内面との摩擦力で、また作動部材40の弁板42が底板12に当接した後は弾性部材74の弾性力で押込み棒の勢いを減勢することができ、これら両者がダブルクッションとなって、そうした緩衝なしに作動部材が底板に衝突する場合と比較して、頭皮への押込み棒62先端の当たりを和らげるので使用感が良い。
【0023】
第5の手段に係る発明によれば、押込み棒62を頭皮に当てる操作の反動で弁板42が流入弁孔20から離れ、流入弁の閉鎖が不完全となることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る定量塗布容器は、容器体2と、底板部材10と、注出キャップ30と、作動部材40と、押込み部材60と、外キャップ84とで構成されている。これら各部材は合成樹脂材で形成することができる。
【0025】
容器体2は、胴部から肩部4を介して口頸部6を起立している。該口頸部の基部外面には環状リブを周設して、該環状リブの上面に第1回り止め凸部8を付設している。
【0026】
底板部材10は、底板12の外周部を該口頸部6の上端面に載置させるとともに、該底板12裏面から口頸部6上端部内面に嵌着する栓筒14を垂下することで口頸部6に固定している。該栓筒14内方の底板部分は、有底筒形に陥没させており、該陥没部16は、その底壁部18に、その外周部分を弁座として残して流入弁孔20を穿設している。又、該陥没部16の筒壁部22は、周方向複数箇所に筒壁部の下端部分に流通溝24を縦設している。また該筒壁部22は、少なくともその筒壁部の下端部分を、後述の弁板の抱持筒として該弁板の外周を嵌着可能な大きさ(直径)として、上記流入弁孔20を確実に閉塞することができるように、また下端部分を除く筒壁部分は、下端部分よりも若干大径に形成して、該下端部分を離脱した弁板を筒壁部22内から容易に引き上げることができるように構成すると良い。また図示例では、該底板12の外縁部からシール筒26を起立させている。
【0027】
注出キャップ30は、周壁32の下半部を上記口頸部6の外面に嵌合するとともに、該口頸部6の上方に周壁32の上半部を起立し、該周壁32の上部分を上内方へ弯曲させて上端小径に形成し、該上端にノズル状の注出口34を形成している。また周壁32の下端部は、既述第1回り止め凸部8付きの環状リブを収納できる程度に大内径に形成して、該第1回り止め凸部8と係合する第2回り止め凸部35を周壁下端部内面に突設している。また、該周壁32の中間部内面には上記シール筒26を液密に嵌着している。
【0028】
該注出キャップ30の周壁32上半部と底板部材10とは計量室36を形成している。
【0029】
作動部材40は、弁板42の上面から案内筒44を起立しており、該弁板42を上記陥没部16の筒壁部22下端部分に嵌合させて流入弁孔20を液密に閉塞するとともに、後述の押込み棒を介する引上げにより流入弁孔20を開口することができるように設け、これら流出弁孔20と弁板42とで流入弁54を形成している。又、案内筒44は、筒壁上端部を、ストッパ46である上向き段差部を介して小外径に形成して、上記引上げ状態を保持するための係止部48として、上記注出口34の内面へ差し込んで嵌着させることが可能に設けている。また、案内筒44内面の中間部にはやや大外径の係合凹部50を凹溝として周設している。この係合凹部の構造については後述する。
【0030】
押込み部材60は、中空棒状(或いは筒形)で下端閉塞の押込み棒62の下端からスプリングで形成する弾性部材74を下方へ突設してなり、該押込み棒62の下半部及び弾性部材74を上記案内筒44内に嵌挿している。
【0031】
該押込み棒62は、下端閉塞の有底筒形に形成し、その上部を、上記係止部48とほぼ同外径の大外径部64として、該大外径部の上端部分を外方突出させて、上記注出口34内へ摺動自在に挿通している。該大外径部64は、その下端部を除く外面部分に複数の縦溝66を縦設しており、これら大外径部64外面と注出口34内面とで吐出弁80を形成している。又、押込み棒の筒孔68の上端部内面は後述の栓状部収納用のためにやや大内径に形成し、この大内径面に案内筒引上げ用の第1の係合条70を周設している。
【0032】
また、該押込み棒62の下端部外面には案内筒の係合凹部50内に嵌合される係合凸部72を周設する。係合凹部の上下巾は、該巾から係合凸部の上下巾を除いた長さが押込み棒62の所要押込み長さに対応するように定めると良い。
【0033】
該弾性部材74は、押込み棒62と一体として合成樹脂で形成することが望ましい。
【0034】
外キャップ84は、有頂筒形であって、その筒壁下部を注出キャップ30の周壁32下部に螺合させるとともに、天板裏面の中央部から垂設した栓状部86を上記押込み棒62の筒孔68内面に嵌合し、該栓状部86の外面に第1係合条70と係合して案内筒44を引き上げるための第2係合条88を周設する。これら第1、第2係合条70,88は、上記ストッパ46の注出口34への係合により、第2係合条が第1係合条70を乗越え可能に形成する。
【0035】
上記構成において、図1の状態では流入弁54及び吐出弁80はともに閉じている。図1の状態から、外キャップ84を開方向へ回転させると、該外キャップが螺上昇して、外キャップ84の栓状部86が第1、第2係合条70,88の係合により押込み棒62を引き上げ、更に該押込み棒が係合凸部72と係合凹部50上端との係合により作動部材40の案内筒44を引き上げるので、弁板42が流入弁孔20から離れ、流入弁54が開く。又、上記案内棒の引き上げにより、ストッパ46が注出口34の口縁に突き当たると、案内筒44が停止し、係合凸部72と係合凹部50上端との係合により更に押込み棒62も停止するので、図2に示す如く第2係合条88が第1係合条70を強制的に乗り越え、栓状部86が押込み棒62の筒孔68内から離脱する。
【0036】
このようにして外キャップ84を外した後に、容器体2を上下反転させると、図3に示す如く吐出弁80は閉じており、他方、流入弁54は開いているから、容器体2内の液体が流入弁54から流通溝24を通って計量室36に入り、該計量室を満たすことで計量が完了する。次に押込み棒62を頭皮Sに突き当てると、該押込み棒が計量室内方へ押し込まれ、これと同時に弾性部材74を介しての押し込み力などで案内筒44も注出口内面と摺動して内方へ押し込まれる。該案内筒と連設された弁板42が陥没部16の底壁部18に突き当たると、案内筒44も停止し、押込み棒62のみが弾性部材74の弾性力に逆らって該案内筒に対して計量室内方へ摺動する。このとき押込み棒62の係合凸部72も係合凹部50内を、その注出口寄りの端部から底板寄り端部へと移動し、該底板寄り端部に突き当たることで、押込み棒62も案内筒44に対して停止し、図4の状態に至る。同図状態で、流出弁54は閉じ、吐出弁80は開いているので、この吐出弁を介して計量室36内の液体が頭皮Sに塗布される。塗布作業の途中で、押込み棒62の先端を頭皮から離すと、図5に示す如く弾性部材74が弾性復元して吐出弁80が閉じる。
【0037】
塗布作業を終了したときには、図5の状態から容器を正立状態として、外キャップ84を嵌合すれば、栓状部86が押込み棒62の筒孔68内に挿入され、図1の状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る容器の縦断面図である。
【図2】図1容器から外キャップを外す状態を示す縦断面図である。
【図3】図1容器において、外キャップを外した後反転させて計量室内に液体を充填する様子を示す図である。
【図4】図1容器において、頭皮に押込み棒を押し当てて計量室内の液体を塗布する状態を示す図である。
【図5】図1容器において、図4の塗布作業中に一時的に押込み棒を頭皮から放した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
2…容器体 4…肩部 6…口頸部 8…回り止め突条 10…底板部材
12…底板 14…栓筒 16…陥没部 18…底壁部 20…流入弁孔 22…筒壁部
24…流通溝 26…シール筒 30…注出キャップ 32…周壁 34…注出口
35…第2回り止め凸部 36…計量室 40…作動部材 42…弁板 44…案内筒
46…ストッパ 48…係止部 50…係合凹部 54…流入弁 60…押込み部材
62…押込み棒 64…大外径部 66…縦溝 68…筒孔 70…第1係合条
72…係合凸部 74…弾性部材 80…吐出弁
84…外キャップ 86…栓状部 88…第2係合条 S…頭皮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体口頸部上面に付した流入弁付き底板と口頸部外面へ装着した注出キャップとで計量室を形成し、該注出キャップ上端の注出口を挿通させて上方付勢した押込み棒の押下げにより吐出弁が開くように設けた定量塗布容器において、該底板12に穿設した流入弁孔20を液密に閉じる弁板42の上面から案内筒44を起立する作動部材40を有し、該案内筒44内に、該押込み棒62の下部を上方付勢して可動に挿入させた押込み部材60について、押込み棒を介して弁板42を引上げ可能に案内筒44と連係することで、押込み棒62の引上げにより吐出弁80が閉じたままで流入弁54が開き、かつ押込み棒62の押下げにより流入弁54が閉じるとともに吐出弁80が開くように設けたことを特徴とする、定量塗布容器。
【請求項2】
該案内筒44の内面と押込み棒62外面との何れか一方に、案内筒に対する押込み棒の上下方向の可動巾を規制する係合凹部50を、他方に該係合凹部に挿入される係合凸部72をそれぞれ設け、その上下巾を超えて押込み棒62を上下動させたときに係合凹部50の上下各端に係合凸部72が係止して案内筒44が連動するように構成したことを特徴とする、請求項1記載の定量塗布容器。
【請求項3】
該計量室36を覆い、該注出口34を閉塞する有頂筒形の外キャップ84を設けるとともに、該押込み棒62を下端閉塞の筒状に形成して、その筒孔68内へ外キャップ84の天板裏面から垂下した栓状部86を挿入させ、該栓状部の外面と押込み棒62の筒壁内面との間に、相互に係合可能に配置された、外キャップ84の離脱による案内筒引上げ用の係合条70,88を設け、更に案内筒44と弁板42とで形成する作動部材40の一部に、案内筒44がある程度引き上げられたときに計量室36の適所と係合するストッパ46を設け、該ストッパの係合により上記両係合条の一方が他方を強制的に乗り越るように構成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の定量塗布容器。
【請求項4】
該案内筒44の上端部を、作動部材40の引上げ状態を維持するための係止部48として、注出キャップ30の注出口34内へ押込み棒62の押込みによる離脱可能に嵌着させたことを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の定量塗布容器。
【請求項5】
該底板12は外周部を容器体口頸部6へ固定するとともに、その中央部を有底筒形に陥没させて該陥没部の底壁部に流入弁孔20を穿設し、かつ該陥没部の周壁部分で該弁板42の外周部を引抜き可能に抱持させたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の定量塗布容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−8551(P2007−8551A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193190(P2005−193190)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】