説明

宝くじ販売支援システム、宝くじ販売支援方法及び宝くじ販売支援プログラム

【課題】顧客の希望やキャリーオーバー状況に応じて、効率的に宝くじを販売するための宝くじ販売支援システム、宝くじ販売支援方法及び宝くじ販売支援プログラムを提供する。
【解決手段】くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバー情報の取得処理を実行する。更に、制御部21は、キャッシュカード50のメモリ51に記録された登録ナンバー、申込タイプ、基準購入枚数に関するデータを取得する。そして、基準購入枚数から、キャリーオーバーに応じた購入枚数を決定する。次に、制御部21は、口座残高情報を取得し、購入必要金額以上の口座残高がない場合、制御部21は、口座残高に応じて購入枚数を修正する。そして、制御部21は、購入確認画面を表示し、登録ナンバーが選択された場合には、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、宝くじ販売処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に対して効率的に宝くじを販売するための宝くじ販売支援システム、宝くじ販売支援方法及び宝くじ販売支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宝くじを購入する場合、宝くじ販売所や所定の金融機関の窓口を利用することが多いが、宝くじ購入の利便性を向上させるための券類販売総合管理システムも検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この券類販売総合管理システムにおいては、現金自動預払機は「くじ」券の保護預りによる販売機能を有し、「くじ」券の購入操作により本人の確認及び預金口座の残高確認を行ない、その口座から購入代金を引き落として利用明細票を発行する。そして、販売データを金融機関を経由して金融機関統合センタに送信する。この金融機関統合センタは、受信した「くじ」の販売データを集計処理して「くじ」購入データとする。そして、「くじ」センタは、現物販売分と統合センタからの購入分とを合計し、抽選の結果に基づいて当せん金額等の当せん情報を統合センタに送信する。統合センタは、当せん者リストを作成し、各金融機関を経由して当せん者の預金口座へ当せん金の振り込みを行なう。
【0003】
また、宝くじには、普通くじと数字選択式とがあり、後者の場合には、希望の数字を指定して購入することができる。そこで、インターネット上で宝くじ等を販売し、利便性を高める宝くじ販売システムに関する技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。この特許文献2では、「数字選択式宝くじ」の購入申込画面において、申込数字、申込口数、及び反復購入回数等の購入申込条件を入力する。そして、宝くじ販売システムの受付管理部がインターネットを介して会員端末からの宝くじの購入申込を受け付けると、その購入申込がデータベースに格納される。数字選択式宝くじの申込の場合、申込データが中継センタに送られ、データ転送管理部は、宝くじの購入申込をJLSホストシステムに転送する。
【特許文献1】特開平08−202785号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2002−123646号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現金自動預払機を利用して数字選択式の宝くじを購入する場合、購入を希望する数字(ナンバー)を操作画面に入力する必要がある。この場合、定期的に同じ番号を購入する利用者にとっては入力が煩雑になることがある。また、定期的に購入していた数字の選択を間違える場合もある。そして、現金自動預払機は、各種取引に利用されているため、混雑している場合があり、できるだけ速やかに宝くじを購入できると便利である。
【0005】
また、一般的に、くじには当たりがあり、また当たり方によって当せん金の総額に大きな差の出ることがないように作られる。しかし、上述した数字選択式くじのように特定の結果(ここでは、特定の数字の組み合わせ)を予測するような宝くじでは、当たりが少なかったり、当たりが1本も無かったりする場合がある。そのような場合には、当せん金ファンドが余るため、当せん金ファンドの残余を次回の当せん金ファンドへの積立を行なうことがある(キャリーオーバー方式)。この方式では、次の回の宝くじでは、当せん率は同じであっても、当せん金額の期待値が上がることになる。宝くじの購入者は、このような状況に応じて購入枚数を変更したい場合もある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、顧客の希望やキャリーオーバー状況に応じて、効率的に宝くじを販売するための宝くじ販売支援システム、宝くじ販売支援方法及び宝くじ販売支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、顧客毎に予め設定された購入条件及び基準購入枚数を記録した購入条件記憶手段、キャリーオーバー金額に応じて購入枚数を補正するキャリーオーバー補正値についての補正テーブルを記録した補正情報記憶手段、宝くじのキャリーオーバー金額を蓄積する宝くじ管理サーバ及び顧客の口座を管理するホストシステムに接続されて、顧客の宝くじ購入の支援を行なう制御手段、顧客毎に口座識別子を記録した顧客情報記憶手段を備えた宝くじ販売支援システムであって、前記制御手段が、宝くじの購入指示を受けた場合、前記購入条件記憶手段から購入条件及び基準購入枚数を取得する登録情報取得手段、前記宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて前記補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得し、前記基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する購入枚数決定手段、前記顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から前記購入条件に対して前記購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信するくじ販売処理手段を備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の宝くじ販売支援システムにおいて、前記制御手段が、ホストシステムから、この顧客の口座残高を取得する口座情報取得手段を更に備え、前記購入枚数決定手段は、算出した購入枚数の購入必要金額を算出し、購入必要金額が口座残高より高い場合には、前記口座残高を用いて、購入枚数を変更することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の宝くじ販売支援システムにおいて、前記購入条件記憶手段はキャッシュカードに設けられており、現金自動預払機にキャッシュカードが挿入された場合、このキャッシュカードに記録された購入条件を取得することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の宝くじ販売支援システムにおいて、前記補正情報記憶手段はキャッシュカードに設けられており、現金自動預払機にキャッシュカードが挿入された場合、このキャッシュカードに記録されたキャリーオーバー補正値を取得することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の宝くじ販売支援システムにおいて、前記補正情報記憶手段には、顧客毎にキャリーオーバー補正値が記録されていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の宝くじ販売支援システムにおいて、前記購入条件記憶手段は携帯電話端末に設けられており、現金自動預払機において携帯電話端末を検知した場合、この携帯電話端末に記録された購入条件を取得することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、顧客毎に予め設定された購入条件及び基準購入枚数を記録した購入条件記憶手段、キャリーオーバー金額に応じて購入枚数を補正するキャリーオーバー補正値についての補正テーブルを記録した補正情報記憶手段、宝くじのキャリーオーバー金額を蓄積する宝くじ管理サーバ及び顧客の口座を管理するホストシステムに接続されて、顧客の宝くじ購入の支援を行なう制御手段、顧客毎に口座識別子を記録した顧客情報記憶手段を備えた宝くじ販売支援システムを用いて、宝くじの販売を支援する方法であって、前記制御手段が、宝くじの購入指示を受けた場合、前記購入条件記憶手段から購入条
件及び基準購入枚数を取得する登録情報取得段階、前記宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて前記補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得し、前記基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する購入枚数決定段階、前記顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から前記購入条件に対して前記購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信するくじ販売処理段階を実行することを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、顧客毎に予め設定された購入条件及び基準購入枚数を記録した購入条件記憶手段、キャリーオーバー金額に応じて購入枚数を補正するキャリーオーバー補正値についての補正テーブルを記録した補正情報記憶手段、宝くじのキャリーオーバー金額を蓄積する宝くじ管理サーバ及び顧客の口座を管理するホストシステムに接続されて、顧客の宝くじ購入の支援を行なう制御手段、顧客毎に口座識別子を記録した顧客情報記憶手段を備えた宝くじ販売支援システムを用いて、宝くじの販売を支援するプログラムであって、前記制御手段を、宝くじの購入指示を受けた場合、前記購入条件記憶手段から購入条件及び基準購入枚数を取得する登録情報取得手段、前記宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて前記補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得し、前記基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する購入枚数決定手段、前記顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から前記購入条件に対して前記購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信するくじ販売処理手段として機能させることを要旨とする。
【0015】
(作用)
請求項1、7又は8に記載の発明によれば、制御手段が、宝くじの購入指示を受けた場合、購入条件記憶手段から購入条件及び基準購入枚数を取得する。次に、宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて。補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得する。次に、基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する。そして、顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から購入条件に対して購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信する。これにより、予め設定された購入条件及び基準購入枚数を用いて、効率的に宝くじを販売することができる。また、キャリーオーバー状況を考慮して宝くじを販売することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、購入枚数決定手段は、算出した購入枚数の購入必要金額を算出し、購入必要金額が口座残高より高い場合には、口座残高を用いて、購入枚数を変更する。これにより、口座残高に応じて宝くじを販売することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、購入条件記憶手段はキャッシュカードに設けられている。そして、現金自動預払機にキャッシュカードが挿入された場合、このキャッシュカードに記録された購入条件を取得する。これにより、キャッシュカードを用いて、所望の宝くじを効率的に販売することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、補正情報記憶手段はキャッシュカードに設けられている。そして、現金自動預払機にキャッシュカードが挿入された場合、このキャッシュカードに記録されたキャリーオーバー補正値を取得する。これにより、キャッシュカードを用いて、所望の宝くじを効率的に販売することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、補正情報記憶手段には、顧客毎にキャリーオーバー補正値が記録されている。これにより、宝くじ管理サーバが、顧客が希望する宝くじを効率的に販売することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、購入条件記憶手段は携帯電話端末に設けられている。そして、現金自動預払機において携帯電話端末を検知した場合、この携帯電話端末に記録された購入条件を取得する。これにより、携帯電話端末を用いて、所望の宝くじを効率的に販売することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、顧客の希望やキャリーオーバー状況に応じて、効率的に宝くじを販売するための宝くじ販売支援システム、宝くじ販売支援方法及び宝くじ販売支援プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。本実施形態では、宝くじの販売機関が、顧客から受け付けた宝くじ購入依頼に基づいて宝くじの販売サービスを提供する場合に用いる宝くじ販売支援システム、宝くじ販売支援方法及び宝くじ販売支援プログラムとして説明する。
【0023】
本実施形態では、購入者が3桁又は4桁の申し込み数字を自由に選ぶことができる数字選択式宝くじ(ナンバーズ(商品名))等の販売を行なうサービスに適用する。例えば、「000」から「999」まで1000通りある3桁の数字から自由に選んで申し込む「ナンバーズ3(商品名)」や「0000」から「9999」まで10000通りある4桁の数字から自由に選んで申し込む「ナンバーズ4(商品名)」に適用する。
【0024】
本実施形態では、図1に示すように、現金自動預払機10、くじ販売支援サーバ20、銀行のホストシステム30、宝くじ管理サーバ40を用いる。
現金自動預払機10(ATM:automated-teller machine)は、ネットワークを介して、くじ販売支援サーバ20に接続されている口座振込等の取引を行なうための金融機関端末である。この現金自動預払機10は、制御手段としてのCPU、RAM及びROM等(図示せず)を有し、後述する処理(キャッシュカードからデータを読み込む段階、くじ販売支援サーバ20や銀行のホストシステム30との通信段階、キャッシュカードにデータを書き込む段階等を含む処理)を行なう。このためのプログラムを実行することにより、現金自動預払機10は、キャッシュカードのデータ読み書き手段、くじ販売支援サーバ20や銀行のホストシステム30との通信手段等として機能する。
【0025】
現金自動預払機10は、タッチパネルディスプレイを備える。このタッチパネルディスプレイを介して、利用者に対して情報を表示したり、利用者から指示を受け付けたりする。さらに、現金自動預払機10は、現金収容部、キャッシュカード挿入部や取引明細出力部が設けられている。現金収容部は、利用者との間で紙幣や硬貨の受け渡しを行なう。キャッシュカード挿入部は、利用者のキャッシュカードを収容する。取引明細出力部は取引明細を出力する。
【0026】
くじ販売支援サーバ20は、現金自動預払機10を利用しての宝くじの販売を管理するためのコンピュータシステムである。くじ販売支援サーバ20は、図1に示すように制御部21を備えている。制御部21は、現金自動預払機10からの要求を受信し、既存のホストシステム30や宝くじ管理サーバ40にアクセスするデータの管理処理等を行なう。そして、制御部21は、制御手段としてのCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(登録情報取得段階、個別販売処理段階、ナンバー確認段階、繰越情報取得段階、口座情報取得段階、購入枚数決定段階、くじ販売処理段階、ナンバー登録処理段階、当せん通知処理段階等を含む処理)を行なう。このための宝くじ販売支援プログラム実行するこ
とにより、制御部21は、図1に示すように、登録情報取得手段210、個別販売処理手段211、ナンバー確認手段212、繰越情報取得手段213、口座情報取得手段214、購入枚数決定手段215として機能する。更に、制御部21は、くじ販売処理手段216、ナンバー登録処理手段217、当せん通知処理手段218等として機能する。
【0027】
登録情報取得手段210は、現金自動預払機10において挿入されたキャッシュカード50のメモリ51に記録されたカード情報を取得する処理を実行する。
個別販売処理手段211は、メモリ51に記録された登録情報を利用せずに個別に宝くじを販売するための販売処理を実行する。
【0028】
ナンバー確認手段212は、購入する宝くじを利用者に確認させるための処理を実行する。
繰越情報取得手段213は、数字選択式宝くじにおいて、当せん金の繰り越し(キャリーオーバー)の有無を確認するための処理を実行する。
【0029】
口座情報取得手段214は、キャッシュカード50の名義人の預金口座の残高を確認するための処理を実行する。
購入枚数決定手段215は、この利用者に対して販売する宝くじの枚数を決定する処理を実行する。更に、この購入枚数決定手段215は、宝くじの販売価格に関するデータ(単価、申込タイプに応じた価格算出関数)を保持しており、宝くじを購入するために必要な金額を算出する処理を実行する。
【0030】
くじ販売処理手段216は、宝くじ管理サーバ40に対して、宝くじの販売データを送信する処理を実行する。
ナンバー登録処理手段217は、キャッシュカード50のメモリ51に、宝くじを購入するための条件を設定する処理を実行する。
当せん通知処理手段218は、顧客の連絡先に当せん通知を送信する処理を実行する。
【0031】
また、くじ販売支援サーバ20は、顧客管理情報記憶部22、販売管理情報記憶部23を備えている。
【0032】
顧客管理情報記憶部22には、図2(a)に示すように、顧客管理レコード220が記録される。本実施形態では、顧客管理情報記憶部22は顧客情報記憶手段として機能する。この顧客管理レコード220は、このサービスを利用する顧客の登録が行なわれた場合に記録される。顧客管理レコード220は、顧客識別子、預金口座識別子、連絡先に関するデータを含んで構成される。
【0033】
顧客識別子データ領域には、このサービスの利用者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
預金口座識別子データ領域には、この顧客が保有する預金口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。この顧客口座識別子は、本支店コード、預金種別コード、口座番号から構成されている。
連絡先データ領域には、この顧客に対して連絡を行なう場合に用いる連絡先に関するデータが記録される。本実施形態では、顧客の電子メールアドレスを用いる。
【0034】
販売管理情報記憶部23には、図2(b)に示すように、販売管理レコード230が記録される。本実施形態では、販売管理情報記憶部23は販売管理情報記憶手段として機能する。この販売管理レコード230は、顧客から宝くじの購入依頼を受けた場合に登録される。販売管理レコード230は、顧客識別子、抽選回、購入ナンバー、申込タイプ、購入枚数に関するデータを含んで構成される。
【0035】
顧客識別子データ領域には、宝くじを購入した顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
抽選回データ領域には、販売した宝くじの回別を特定するためのデータに関するデータが記録される。
【0036】
購入ナンバーデータ領域には、この顧客が購入した宝くじにおいて選択された数字に関するデータが記録される。
申込タイプデータ領域には、数字選択式全国自治宝くじの「ナンバーズ」(商品名)のように、選択された数字の組み合わせ方(申込タイプ)を特定するための識別子に関するデータが記録される。この申込タイプには、申込数字が抽せん数字、並び順ともに一致するものが当せんとなる「ストレート」、申込数字が抽せん数字に一致すれば、並びの順序は異なってもよい「ボックス」、ストレートとボックスに半分ずつ申し込む「セット」がある。なお、数字選択式全国自治宝くじの「ロト6」(商品名)のように、申込タイプがない場合には空欄となる。
購入枚数データ領域には、この顧客が購入した宝くじの枚数に関するデータが記録される。
【0037】
また、本実施形態では、キャッシュカード50を用いて宝くじを購入する。このキャッシュカード50はメモリ51を備えている。本実施形態では、メモリ51が、購入条件記憶手段、補正情報記憶手段として機能する。
【0038】
このメモリ51には、図2(c)に示すように、預金口座識別子データ511、登録ナンバーデータ512、キャリーオーバー補正テーブル513が記録される。この預金口座識別子データ511は、顧客に対してキャッシュカードを発行した場合に登録される。登録ナンバーデータ512は登録ナンバー、申込タイプ、基準購入枚数に関するデータを含んで構成される。
【0039】
預金口座識別子データ領域には、キャッシュカード50の名義人の預金口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。
登録ナンバーデータ領域には、このキャッシュカード50を所有する名義人が購入する宝くじの選択番号に関するデータが記録される。
【0040】
申込タイプデータ領域には、選択された数字の組み合わせ方(申込タイプ)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
基準購入枚数データ領域には、キャリーオーバーがない通常時において、購入する宝くじの枚数(基準購入枚数)に関するデータが記録される。
【0041】
キャリーオーバー補正テーブル513には、キャリーオーバーが発生している場合に購入する宝くじのデフォルト購入枚数を決定するための補正テーブルが記録される。このキャリーオーバー補正テーブル513には、各キャリーオーバー金額範囲に対して、基準購入枚数に乗算する値が記録される。例えば、キャリーオーバー金額範囲:「3億円以上4億円未満」に対して補正値「2」が記録されている。この場合、基準購入枚数:「10枚」であって、キャリーオーバー金額「3.5億円」の場合には、デフォルト購入枚数として、20枚(=10枚×2)が算出される。
【0042】
ホストシステム30は、銀行のコンピュータシステムであって、この銀行において開設された口座の口座名義人や口座残高に関するデータを管理する。このホストシステム30は、預金口座情報記憶部を備えている。この預金口座情報記憶部には、銀行において開設された預金口座に関しての口座管理レコードが記録されている。この口座管理レコードは
、銀行に口座が開設された場合に登録される。口座管理レコードは、口座識別子、暗証番号、口座名義人、入出金履歴、口座残高等に関するデータを含んで構成されている。
【0043】
口座識別子データ領域には、開設された口座を特定するための識別子に関するデータが記録されている。暗証番号データ領域には、この口座を利用する場合に本人認証するためのデータが記録されている。口座名義人データ領域には、この口座に関する口座名義人を特定するためのデータが記録されている。入出金履歴や口座残高データ領域には、この口座の入出金明細や残高に関するデータが記録されている。
【0044】
また、宝くじ管理サーバ40は、宝くじの販売を管理するコンピュータシステムである。この宝くじ管理サーバ40は、販売された宝くじの抽選処理を行なう。そして、販売された宝くじの中に当せん番号がない場合には、当せん金の繰り越し(キャリーオーバー)を行なう。そして、宝くじ管理サーバ40は、繰り越された金額(キャリーオーバー金額)に関する情報を公開する。
【0045】
上記のように構成されたシステムを用いて、利用者に対して宝くじの販売を行なう場合の処理手順について説明する。
(くじ販売処理)
本実施形態では、金融機関の現金自動預払機10を利用して宝くじ販売を行なう。具体的には、現金自動預払機10のタッチパネル式のディスプレイには、金融機関が提供するサービスに関するメニュー項目について、項目毎にサービス選択ボタンが表示されたメニュー画面が出力されている。ここでは、この中から「宝くじ購入」のサービス選択ボタンを押す。
【0046】
この場合、現金自動預払機10のディスプレイには、キャッシュカードの挿入、暗証番号の入力を促す表示画面が出力される。そして、現金自動預払機10は、認証要求をホストシステム30に送信する。この認証要求には、キャッシュカード50のメモリ51から読み取った預金口座識別子、番号ボタンを用いて入力された暗証番号を含める。
【0047】
この場合、ホストシステム30は、預金口座情報記憶部を用いて、本人認証処理を行なう。具体的には、認証要求に含まれる預金口座識別子と暗証番号とが、預金口座情報記憶部に記録されているかどうかを確認する。ここで、認証要求に含まれる預金口座識別子と暗証番号とが記録されておらず、本人認証ができない場合には、認証ができないことを現金自動預払機10のディスプレイに表示させて処理を終了する。一方、本人認証ができた場合には、預金口座識別子を、くじ販売支援サーバ20に転送する。
【0048】
そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、カード情報の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の登録情報取得手段210は、認証された預金口座識別子を用いて、宝くじの購入を希望する顧客の顧客管理レコード220を特定する。
【0049】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバー情報の取得処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の繰越情報取得手段213は、宝くじ管理サーバ40にアクセスして、キャリーオーバーについての情報を取得する。そして、キャリーオーバーが発生している場合には、繰越情報取得手段213は、宝くじ管理サーバ40から、キャリーオーバー金額に関するデータを取得する。
【0050】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバー情報の出力処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の繰越情報取得手段213は、現金自動預払機10のディスプレイに、キャリーオーバー金額を出力する。
【0051】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、宝くじのナンバー登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21のナンバー確認手段212は、キャッシュカード50のメモリ51に、登録ナンバーに関するデータが記録されているかどうかを確認する。
【0052】
ここで、キャッシュカード50のメモリ51に記録されている登録ナンバーを検知した場合(ステップS1−4において「YES」の場合)には、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、後述するように登録ナンバー利用処理を実行する(ステップS1−5)。
【0053】
一方、キャッシュカード50のメモリ51に登録ナンバーが記録されていない場合(ステップS1−4において「NO」の場合)には、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、宝くじ購入設定処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の個別販売処理手段211は、宝くじ購入画面を現金自動預払機10のディスプレイに出力する。この宝くじ購入画面には、購入を希望する宝くじのナンバーの入力欄や、購入枚数の入力欄が設けられている。更に、申込タイプが設定可能な宝くじについては、申込タイプを特定する設定欄が設けられている。そして、宝くじ購入画面において、購入を希望する宝くじのナンバーや申込タイプ、購入枚数が設定されて、購入ボタンが選択された場合、現金自動預払機10は、購入依頼データを、くじ販売支援サーバ20に送信する。この購入依頼データには、宝くじ購入画面において設定されたナンバーや申込タイプ、購入枚数に関する情報を含める。
【0054】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、ナンバー登録希望の有無についての判定処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の個別販売処理手段211は、現金自動預払機10のディスプレイに今回購入したナンバーや申込タイプ、購入枚数についての登録希望の有無を確認するための登録希望確認画面を出力する。
【0055】
ここで、登録希望確認画面において登録希望ボタンが選択された場合、現金自動預払機10は登録希望情報を、くじ販売支援サーバ20に送信する。この場合(ステップS1−7において「YES」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、後述するようにナンバー登録処理を実行する(ステップS1−8)。
【0056】
一方、登録希望確認画面において登録不要ボタンが選択された場合、現金自動預払機10は登録不要情報を、くじ販売支援サーバ20に送信する。この場合(ステップS1−7において「NO」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、宝くじ販売処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21のくじ販売処理手段216は、現金自動預払機10から取得した購入依頼データに基づいて、宝くじ管理サーバ40にくじ購入依頼データを送信する。このくじ購入依頼データには、ナンバーや申込タイプ、購入枚数に関するデータを含める。更に、くじ販売処理手段216は、顧客識別子に対して、抽選回、購入ナンバーや申込タイプ、購入枚数を含めた販売管理レコード230を生成し、販売管理情報記憶部23に記録する。
【0057】
(ナンバー登録処理)
次に、ナンバー登録処理について、図4を用いて説明する。
ここでは、現金自動預払機10は、ナンバー記録処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、現金自動預払機10は、宝くじ購入画面において設定されたナンバーや申込タイプ、購入枚数を、キャッシュカード50のメモリ51に記録する。そして、現金自動預払機10は、くじ販売支援サーバ20にナンバーの登録を行なったことを通知する。
【0058】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバーテーブル設定希望の
有無についての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のナンバー登録処理手段217は、現金自動預払機10のディスプレイに、キャリーオーバー状況に応じて購入枚数の変更の希望有無を確認するための確認画面を出力する。なお、キャリーオーバーが発生しない宝くじ(例えば、「ナンバーズ」)については、以下のキャリーオーバー補正テーブルを設定するための処理は行なわない。
【0059】
この確認画面においてキャリーオーバー補正テーブルの設定を希望しない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、ナンバー登録処理を終了する。一方、キャリーオーバー補正テーブルの設定を希望する場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバー補正テーブルの出力処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のナンバー登録処理手段217は、現金自動預払機10のディスプレイにキャリーオーバー補正登録画面を出力する。このキャリーオーバー補正登録画面においては、キャリーオーバー金額範囲に応じて、基準購入枚数に乗算する値を設定するための補正値欄が設けられている。
【0060】
そして、キャリーオーバー補正登録画面において補正値が設定された場合、現金自動預払機10は、キャリーオーバー補正テーブルの登録処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、現金自動預払機10は、キャリーオーバー補正登録画面において設定されたキャリーオーバー補正テーブル513を、キャッシュカード50のメモリ51に記録する。そして、現金自動預払機10は、くじ販売支援サーバ20にナンバーの登録を行なったことを通知する。
この場合、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、前述したように宝くじ販売処理を実行する(ステップS1−9)。
【0061】
(登録ナンバー利用処理)
次に、登録ナンバー利用処理を、図5を用いて説明する。
【0062】
ここでは、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、登録情報の取得処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の登録情報取得手段210は、キャッシュカード50のメモリ51に記録された登録ナンバー、申込タイプ、基準購入枚数に関するデータを取得する。
【0063】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバーに応じて購入枚数の決定処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の購入枚数決定手段215は、繰越情報取得手段213が取得したキャリーオーバー金額と、キャリーオーバー補正テーブル513に記録された金額範囲とを照合する。そして、購入枚数決定手段215は、特定された金額範囲に関連付けられている補正値を取得する。そして、購入枚数決定手段215は、基準購入枚数にキャリーオーバー補正値を乗算して、今回のデフォルト購入枚数を算出する。
【0064】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高情報の取得処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の口座情報取得手段214は、キャッシュカード50のメモリ51に記録された預金口座識別子を用いて、ホストシステム30から口座残高に関するデータを取得する。
【0065】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、購入必要金額以上の口座残高があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の購入枚数決定手段215は、算出したデフォルト購入枚数を購入するために必要な金額を算出する。そして、この金額以上の預金残高が残っているかどうかを判定する。
【0066】
購入必要金額以上の口座残高がない場合(ステップS3−4において「NO」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高に応じて購入枚数の修正処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の購入枚数決定手段215は、預金残高を宝くじ単価で除算して、この預金口座を用いて購入することができる枚数を算出し、デフォルト購入枚数を変更する。なお、購入必要金額以上の口座残高がある場合(ステップS3−4において「YES」の場合)には、ステップS3−5の処理は行なわない。
【0067】
そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、購入確認表示処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21のナンバー確認手段212は、確認画面を現金自動預払機10のディスプレイに出力する。この確認画面においては、キャッシュカード50のメモリ51に記録された登録ナンバー、申込タイプ及びデフォルト購入枚数に関する表示を行なう。ここで、メモリ51に複数の登録ナンバーが登録されている場合には、登録ナンバー毎に申込タイプ及びデフォルト購入枚数に関する表示を行なう。そして、この確認画面には、各登録ナンバーに対して、購入を希望するナンバーを設定するためのナンバー選択ボタンが表示される。更に、登録ナンバーを使用しないことを選択するための不使用選択ボタンも表示される。
【0068】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、ナンバー登録を利用して購入するかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21のナンバー確認手段212は、登録ナンバー利用の希望の有無を確認するための登録ナンバー利用確認画面を出力する。
【0069】
ここで、利用する登録ナンバーのナンバー選択ボタンが選択された場合(ステップS3−7において「YES」の場合)には、現金自動預払機10は、購入依頼データを、くじ販売支援サーバ20に送信する(ステップS3−8)。この購入依頼データには、登録ナンバー利用確認画面において選択されたナンバーや申込タイプ、購入枚数に関する情報を含める。そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、前述したように宝くじ販売処理を実行する(ステップS1−9)。
【0070】
一方、不使用選択ボタンが選択された場合(ステップS3−7において「NO」の場合)には、現金自動預払機10は、個別販売指示を、くじ販売支援サーバ20に送信する。この場合、くじ販売支援サーバ20は、前述したように宝くじ購入設定処理を実行する(ステップS1−6)。
【0071】
(当せん通知処理)
次に、当せん通知処理を説明する。
くじ販売支援サーバ20の制御部21は、宝くじの抽選が行なわれた場合には、当せん番号を取得する。具体的には、制御部21の当せん通知処理手段218は、宝くじ管理サーバ40から当せん番号を取得する。
【0072】
そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、当せん番号の照合処理を実行する。具体的には、当せん通知処理手段218は、販売管理情報記憶部23に記録された購入ナンバーと、当せんナンバーとを照合する。
【0073】
ここで、当せんナンバーが一致する販売管理レコード230を特定できた場合、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、当せん通知を送信する。具体的には、制御部21の当せん通知処理手段218は、このレコードに記録されている顧客識別子を取得する。そして、当せん通知処理手段218は、この顧客識別子が記録された顧客管理レコード220から連絡先情報を取得する。次に、当せん通知処理手段218は、この連絡先に対して、当せん通知を送信する。
【0074】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、登録希望確認画面において登録希望ボタンが選択された場合、現金自動預払機10は登録希望情報を、くじ販売支援サーバ20に送信する。この場合(ステップS1−7において「YES」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、ナンバー登録処理を実行する(ステップS1−8)。そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、登録情報の取得処理を実行する(ステップS3−1)。これにより、キャッシュカードに記録された登録ナンバーを利用して、効率的かつ迅速に宝くじを購入することができる。
【0075】
・ 上記実施形態では、キャリーオーバー補正登録画面において補正値が設定された場合、現金自動預払機10は、キャリーオーバー補正テーブルの登録処理を実行する(ステップS2−4)。そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバーに応じて購入枚数の決定処理を実行する(ステップS3−2)。これにより、キャリーオーバー状況を考慮して、宝くじの購入を行なうことができる。
【0076】
・ 上記実施形態では、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高情報の取得処理を実行する(ステップS3−3)。そして、購入必要金額以上の口座残高がない場合(ステップS3−4において「NO」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高に応じて購入枚数の修正処理を実行する(ステップS3−5)。これにより、利用者の口座残高に応じて、宝くじを購入することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、キャッシュカード50のメモリ51にナンバーを登録し、顧客が現金自動預払機10を用いて宝くじを購入する場合を想定した。第2の実施形態では、くじ販売支援サーバ20が、宝くじを自動購入する場合を説明する。この場合のくじ管理処理を、図6を用いて説明する。ここでは、キャッシュカード50のメモリ51に代えて、顧客管理情報記憶部22を購入条件記憶手段、補正情報記憶手段として機能させる。そして、顧客管理情報記憶部22に、顧客識別子に関連付けて、登録ナンバー、申込タイプ、基準購入枚数やキャリーオーバー補正テーブルを記録する。
【0078】
そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、登録ナンバーの取得処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の登録情報取得手段210は、各回のくじ販売期間に、顧客管理情報記憶部22に記録された登録ナンバー、申込タイプ、基準購入枚数を取得する。
【0079】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバー情報の取得処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の繰越情報取得手段213は、宝くじ管理サーバ40にアクセスして、キャリーオーバーについての情報を取得する。そして、キャリーオーバーが発生している場合には、繰越情報取得手段213は、キャリーオーバー金額に関するデータを取得する。
【0080】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバーに応じて購入枚数の決定処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の購入枚数決定手段215は、繰越情報取得手段213が取得したキャリーオーバー金額と、キャリーオーバー補正テーブルに記録された金額範囲とを照合する。そして、購入枚数決定手段215は、特定された金額範囲に関連付けられている補正値を取得する。そして、購入枚数決定手段215は、基準購入枚数にキャリーオーバー補正値を乗算して、今回の購入枚数を算出する。
【0081】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高情報の取得処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の口座情報取得手段214は、顧客管理情報記憶部22に記録された口座識別子を用いて、ホストシステム30から口座残高に関するデータを取得する。
【0082】
次に、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、購入必要金額以上の口座残高があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の購入枚数決定手段215は、算出した購入枚数を購入するために必要な金額を算出する。そして、この金額以上の預金残高が残っているかどうかを判定する。
【0083】
購入必要金額以上の口座残高がない場合(ステップS4−5において「NO」の場合)、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高に応じて購入枚数の修正処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の購入枚数決定手段215は、預金残高を宝くじ単価で除算して、この預金口座を用いて購入することができる枚数を算出し、購入枚数を変更する。なお、購入必要金額以上の口座残高がある場合(ステップS4−5において「YES」の場合)には、ステップS4−6の処理は行なわない。
そして、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、ステップS1−9と同様に、宝くじ販売処理を実行する(ステップS4−7)。
【0084】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
【0085】
・ 上記実施形態では、くじ販売支援サーバ20が、宝くじを自動購入する。宝くじの販売期間はあらかじめ定められているため、この期間を途過してしまうと、宝くじを購入することができない。上記実施形態においては、宝くじを自動購入するので、購入忘れを防止することができる。
【0086】
また、この場合においても、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、キャリーオーバーに応じて購入枚数の決定処理を実行する(ステップS4−3)。これにより、キャリーオーバー状況を考慮して、宝くじを購入することができる。
【0087】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記各実施形態では、購入必要金額以上の口座残高がない場合、くじ販売支援サーバ20の制御部21は、口座残高に応じて購入枚数の修正処理を実行する(ステップS3−5、S4−6)。具体的には、預金残高を宝くじ単価で除算して、この預金口座を用いて購入することができる枚数を算出する。ここで、口座残高に応じて購入枚数を決定する方法はこれに限定されるものではない。口座残高を所定の関数に代入することによって、購入枚数を設定することも可能である。
【0088】
○ 上記各実施形態では、宝くじ販売支援方法を数字選択式宝くじの販売に適用したが、くじの対象はこれに限定されるものではなく、当せん金がキャリーオーバーされる宝くじに適用することが可能である。
【0089】
○ 上記各実施形態では、キャリーオーバー状況によって、購入枚数を変更したが、変更対象は購入枚数に限定されるのではない。例えば、申込タイプを変更することも可能である。
【0090】
○ 上記各実施形態では、宝くじを購入する場合にナンバーを登録するようにしたが、ナンバー登録のタイミングは、これに限定されるものではない。宝くじの購入とは別のタイミングで、登録できるようにしてもよい。
【0091】
○ 上記各実施形態では、現金自動預払機10を用いてナンバーの登録を行なったが、ナンバーを登録するために用いる装置は、現金自動預払機10に限定されるものではない。例えば、携帯電話端末やインターネットに接続可能なコンピュータ端末を利用することも可能である。
【0092】
○ 上記各実施形態では、キャッシュカード50のメモリ51や顧客管理情報記憶部22に登録ナンバーを記憶させたが、ナンバーを記憶させる記録媒体は、これらに限定されるものではない。携帯可能なコンピュータ端末(例えば、携帯電話端末)を用いることも可能である。この場合には、現金自動預払機10が、携帯電話端末から登録ナンバーを読み取るとともに、口座識別子については、キャッシュカード50のメモリ51から読み取るようにする。これによっても、事前に登録されたナンバーを利用して効率的に宝くじを販売することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】各情報記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は顧客管理情報記憶部、(b)は販売管理情報記憶部、(c)はキャッシュカードのメモリに記録されたデータの説明図。
【図3】本実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本実施形態の処理手順の説明図。
【図6】他の実施形態の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0094】
10…現金自動預払機、20…くじ販売支援サーバ、21…制御部、210…登録情報取得手段、211…個別販売処理手段、212…ナンバー確認手段、213…繰越情報取得手段、214…口座情報取得手段、215…購入枚数決定手段、216…くじ販売処理手段、217…ナンバー登録処理手段、218…当せん通知処理手段、22…顧客管理情報記憶部、23…販売管理情報記憶部、30…ホストシステム、40…宝くじ管理サーバ、50…キャッシュカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客毎に予め設定された購入条件及び基準購入枚数を記録した購入条件記憶手段、
キャリーオーバー金額に応じて購入枚数を補正するキャリーオーバー補正値についての補正テーブルを記録した補正情報記憶手段、
宝くじのキャリーオーバー金額を蓄積する宝くじ管理サーバ及び顧客の口座を管理するホストシステムに接続されて、顧客の宝くじ購入の支援を行なう制御手段、
顧客毎に口座識別子を記録した顧客情報記憶手段を備えた宝くじ販売支援システムであって、
前記制御手段が、
宝くじの購入指示を受けた場合、前記購入条件記憶手段から購入条件及び基準購入枚数を取得する登録情報取得手段、
前記宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて前記補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得し、前記基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する購入枚数決定手段、
前記顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から前記購入条件に対して前記購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信するくじ販売処理手段
を備えたことを特徴とする宝くじ販売支援システム。
【請求項2】
前記制御手段が、ホストシステムから、この顧客の口座残高を取得する口座情報取得手段を更に備え、
前記購入枚数決定手段は、算出した購入枚数の購入必要金額を算出し、購入必要金額が口座残高より高い場合には、前記口座残高を用いて、購入枚数を変更することを特徴とする請求項1に記載の宝くじ販売支援システム。
【請求項3】
前記購入条件記憶手段はキャッシュカードに設けられており、
現金自動預払機にキャッシュカードが挿入された場合、このキャッシュカードに記録された購入条件を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の宝くじ販売支援システム。
【請求項4】
前記補正情報記憶手段はキャッシュカードに設けられており、
現金自動預払機にキャッシュカードが挿入された場合、このキャッシュカードに記録されたキャリーオーバー補正値を取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の宝くじ販売支援システム。
【請求項5】
前記補正情報記憶手段には、顧客毎にキャリーオーバー補正値が記録されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の宝くじ販売支援システム。
【請求項6】
前記購入条件記憶手段は携帯電話端末に設けられており、
現金自動預払機において携帯電話端末を検知した場合、この携帯電話端末に記録された購入条件を取得することを特徴とする請求項1に記載の宝くじ販売支援システム。
【請求項7】
顧客毎に予め設定された購入条件及び基準購入枚数を記録した購入条件記憶手段、
キャリーオーバー金額に応じて購入枚数を補正するキャリーオーバー補正値についての補正テーブルを記録した補正情報記憶手段、
宝くじのキャリーオーバー金額を蓄積する宝くじ管理サーバ及び顧客の口座を管理するホストシステムに接続されて、顧客の宝くじ購入の支援を行なう制御手段、
顧客毎に口座識別子を記録した顧客情報記憶手段を備えた宝くじ販売支援システムを用いて、宝くじの販売を支援する方法であって、
前記制御手段が、
宝くじの購入指示を受けた場合、前記購入条件記憶手段から購入条件及び基準購入枚数を取得する登録情報取得段階、
前記宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて前記補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得し、前記基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する購入枚数決定段階、
前記顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から前記購入条件に対して前記購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信するくじ販売処理段階
を実行することを特徴とする宝くじ販売支援方法。
【請求項8】
顧客毎に予め設定された購入条件及び基準購入枚数を記録した購入条件記憶手段、
キャリーオーバー金額に応じて購入枚数を補正するキャリーオーバー補正値についての補正テーブルを記録した補正情報記憶手段、
宝くじのキャリーオーバー金額を蓄積する宝くじ管理サーバ及び顧客の口座を管理するホストシステムに接続されて、顧客の宝くじ購入の支援を行なう制御手段、
顧客毎に口座識別子を記録した顧客情報記憶手段を備えた宝くじ販売支援システムを用いて、宝くじの販売を支援するプログラムであって、
前記制御手段を、
宝くじの購入指示を受けた場合、前記購入条件記憶手段から購入条件及び基準購入枚数を取得する登録情報取得手段、
前記宝くじ管理サーバからキャリーオーバー金額を取得し、このキャリーオーバー金額に応じて前記補正テーブルからキャリーオーバー補正値を取得し、前記基準購入枚数及びキャリーオーバー補正値を用いて購入枚数を算出する購入枚数決定手段、
前記顧客情報記憶手段を用いて、この顧客の口座を特定し、この口座から前記購入条件に対して前記購入枚数の宝くじを購入するための金額の引落指示をホストシステムに送信するくじ販売処理手段
として機能させることを特徴とする宝くじ販売支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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