説明

宝石の評価装置及び評価方法

【課題】 小型の装置で宝石(ダイヤモンドなど)の屈折反射光(散乱光)を鮮明に観察でき、宝石の品質を簡便かつ効率よく評価できる装置及び評価方法を提供する。
【解決手段】 評価装置は、一方の端部が開口した暗箱1と、この暗箱内に配設され、ダイヤモンド3を保持するための保持部材2と、保持部材2と暗箱1の開口部との間に位置する半透明のドーム状スクリーン部材4とを備えている。暗箱1の開口部側の光源6により、スクリーン部材4の頂部に形成された透光部5を通じて、ダイヤモンド3に対してビーム状白色光線を照射すると、スクリーン部材4にダイヤモンド3からの屈折反射模様が投影される。この投影像を、暗箱1の開口部から投影像として観察する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンドなどの宝石、特に宝石用ダイヤモンドの品質を評価するために有用な装置(又は輝度映像装置)及び評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブリリアントカットされたダイヤモンドは、通常、頂部に平坦に形成された正多角形状のテーブル面と、このテーブル面から側方へ傾斜したカット面を備えたクラウン部と、このクラウン部から傾斜して狭るカット面を備えたパビリオン部とで構成されている。このようなダイヤモンドの品質は、通常、カラット(重量)、カラー(色の等級)、クラリティ(透明度の等級)及びカット(形及び磨きに関する等級)で評価され、前記カットの良否は、輝きを総称するブリリアンシー、白色光が分散して虹の7色に分かれるデイスパージョン(又はファイアー)、および表面でキラキラ輝くシンチレーションに大きな影響を及ぼす。
【0003】
このようなダイヤモンドの品質を客観的に高い信頼性で評価するため種々の装置が提案されている。特開2002−48721号公報(特許文献1)には、光源からの光が透過可能な透明板と、この透明板上に配置され、かつダイヤモンドを載置するための取付台と、この取付台を覆い、かつ前記光源からの光を反射してダイヤモンドのクラウン各面とテーブル面に照射するための凹面鏡(ドーム状鏡)と、この凹面鏡(ドーム状鏡)の上部中央に形成され、かつダイヤモンドによる屈折反射光を観察するための開口とを備えた装置が記載されている。しかし、この装置では、光源からの光を反射してダイヤモンドを照射するためのドーム状鏡を必要とするとともに、観察側に対して反対側に光源を配置する必要があるため、装置が複雑化するとともに大型化する。さらに、ダイヤモンドからの屈折反射光を開口を通じて観察するため、前記屈折反射光を観察するための視野角が狭くなり、ダイヤモンドの品質を高い精度で評価できない場合がある。
【0004】
特開平7−333158号公報(特許文献2)には、光透過性材料で構成された半球状又はドーム状の本体と、この本体の中心に形成された観察用開孔と、前記本体のうち前記開孔の周縁部に形成された上端部分と、前記本体のうち前記上端部分を除く残余部とを備えており、前記本体の残余部よりも上端部分の光透過率が大きく、上端部分の外縁と基台部のうちダイヤモンドを載置するための載置部とを結ぶ直線が、前記本体の軸線に対して10〜25°の角度で傾斜している観察又は撮影用器具が開示されている。しかし、この器具では、外光を利用し、開孔を通じてダイヤモンドの屈折反射模様を観察又は撮影するため、鮮明な模様を形成することができず、ダイヤモンドの品質評価精度を高めることが困難である。
【0005】
特表平11−509630号公報(特許文献3)には、ダイヤモンドがその上に堆積された合成ダイヤモンドの層を有するか否かを試験するため、紫外線光源とダイヤモンドとの間にスクリーンを配し、スクリーンの透孔を通じてダイヤモンドに紫外線を照射し、ダイヤモンドにより屈折及び反射された放射パターンを、前記スクリーンで観察することが開示されている。しかし、この方法では、目を損傷しやすい紫外線を利用するため、安全性が危惧される。
【0006】
特開2003−42964号公報(特許文献4)には、ダイヤモンドのクラウン部及び/又はパビリオン部に光を当て、その屈折反射光をスクリーン上に撮像し、その撮像パターンによってダイヤモンドの品質評価を行う装置に関し、ダイヤモンドを垂下支持するホルダと、前記ダイヤモンドと相対向し水平方向に沿って配置されるスクリーンと、垂下されている前記ダイヤモンドの真下において前記スクリーン側に配置される光源とを備えた品質評価装置も開示されている。この装置では、光源からダイヤモンドに光を当てると、ダイヤモンドのカット部により複雑な屈折反射光が生じ、前記スクリーンにダイヤモンドからの白色光や虹色の光の軌跡が表示され、スクリーン上の投影像をダイヤモンド側から観察できる。しかし、この装置でも、スクリーン上の投影像をダイヤモンド側から観察するため、装置が大型化し、コンパクトな装置でダイヤモンドを高い精度で効率よく評価できない。さらに、ダイヤモンドは入射光が複雑に屈折反射するため、ダイヤモンドからの屈折反射光の全体をスクリーンに投影させることが困難である。
【0007】
さらに、「GEMS & GEMOLOGY」fall 2001, p180-182(非特許文献1)には、ダイヤモンドからの分散光を観察するため、観察表面としての白色プラスチック製半球状ドームと、このドームの頂部(又は中央部)に形成され、前記ドームの後方(頂部側)からの光線を通過して、前記ドームの前方に位置するダイヤモンドのテーブル面に照射するための開孔と、前記ダイヤモンドを前記ドームの前方で保持するための保持部とを備えた装置が図示されている。この装置では、前記ドームの湾曲した内面に、ダイヤモンドからの屈折反射光を投影できる。しかし、この装置でもドームの後方に光源を必要とするため、装置を小型化することが困難である。しかも、暗室内で投影像を観察する必要があり、簡便かつ効率よくダイヤモンドの品質を評価できない。
【特許文献1】特開2002−48721号公報(特許請求の範囲、段落番号[0019])
【特許文献2】特開平7−333158号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特表平11−509630号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2003−42964号公報(特許請求の範囲)
【非特許文献1】「GEMS & GEMOLOGY」fall 2001, p180-182
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、ダイヤモンドなどの宝石の品質を簡便かつ効率よく評価できる装置(又は輝度映像装置)および評価方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、小型化が可能であるとともに、小型でコンパクトな装置であっても宝石(特にダイヤモンド)を精度よく高い信頼性で評価できる装置(又は輝度映像装置)および評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ドーム状などのスクリーン部材を半透明部材で構成すると、宝石からの散乱光(屈折反射光)の投影像を、半透明なスクリーン部材を通じて投影像(又は透過像)として鮮明に観察でき、装置(又はダイヤモンドの輝度映像装置)をコンパクト化できることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の評価装置(例えば、ダイヤモンドの輝度映像装置)は、開口部を有する暗箱(又は遮光容器)と、この暗箱内に配設され、かつカット面を有する宝石を保持するための保持部と、この保持部と前記暗箱の開口部との間に配設されたスクリーン部材とを備えている。このスクリーン部材は、前記暗箱の開口部側から前記保持部で保持された宝石に対して光線を照射するための透光部を有するとともに、照射光線による前記宝石からの散乱光を投影するための半透明スクリーン部材で構成されている。そのため、前記暗箱の開口部側に光源を位置させて、前記保持部で保持された宝石に対して光線を照射すると、照射光線による前記宝石からの散乱光(屈折反射模様又はパターン)をスクリーン部材の内面に投影できる。なお、スクリーン部材は、前記暗箱(又は遮光容器)内のうち前記宝石と光源(又は暗箱の開口部)との間に位置し、かつ前記光線が通過又は透過して前記宝石を照射可能な透光部を有していてもよい。
【0012】
このような装置では、半透明スクリーン部材に投影された前記宝石からの散乱光(屈折反射模様又はパターン)を、半透明スクリーン部材を通じて透過光として鮮明に観察できる。また、光源を暗箱(遮光容器)の開口部側に位置させればよいため、装置を小型化又はコンパクト化できる。
【0013】
前記装置において、スクリーン部材は、暗箱(又は遮光容器)の開口側に膨出したドーム状(例えば、半球状、円錐台状など)に形成してもよく、宝石からの散乱光は暗箱(又は遮光容器)の開口部側から透過光として観察可能である。スクリーン部材は扁平なドーム状であってもよい。このようなドーム状スクリーン部材を用いると、広範囲に亘る宝石からの散乱光(屈折反射模様)をスクリーン部材に投影でき、この投影像を透過像として観察可能である。また、ドーム状スクリーン部材においては、その頂部に第1の透光部を形成し、この透光部から半径方向に連続して又は所定間隔をおいて第2の透光部を形成してもよい。このようなスクリーン部材を利用すると、種々の方向から宝石に光線を入射させることができ、スクリーン部材には、種々の角度で眺めたのと同じ状態の投影像を投影できる。前記保持部は、ダイヤモンドのテーブル面を光源に向けて保持可能であるとともに回転可能であってもよい。さらに、保持部により、ドーム状スクリーン部材の底辺よりも高い位置で宝石を保持してもよい。このような形態では、宝石からの散乱光(屈折反射模様)の全体をスクリーン部材に投影できる。さらに、光源は、回転可能な保持部に支持された宝石に対して、ビーム状白色光線を照射可能であってもよく、宝石からの散乱光を白色半透明なスクリーン部材(例えば、扁平なドーム状スクリーン部材)の内面に投影し、この投影像をスクリーン部材を通して暗箱の開口部側から観察可能であってもよい。
【0014】
本発明は、開口部を有する暗箱(又は遮光容器)内で保持された宝石に対して光線を照射し、前記暗箱(又は遮光容器)内のうち前記宝石と光源との間に位置する半透明スクリーン部材に前記宝石からの散乱光を投影し、この投影像に基づいて宝石の品質を評価する方法であって、前記スクリーン部材のうち前記光線が通過又は透過可能な透光部を通じて、前記宝石に対して光線を照射し、前記宝石からの散乱光を前記スクリーン部材の内面に投影し、投影像を前記暗箱(又は遮光容器)の開口部側から観察する評価方法も包含する。
【0015】
なお、本明細書において、宝石からの表面反射及び内部に入射した光が出射する屈折光を総称して「宝石からの散乱光」という場合がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、半透明スクリーン部材を通して宝石の屈折反射光(散乱光)を暗箱内で鮮明に観察できるので、ダイヤモンドなどの宝石の品質を簡便かつ効率よく評価できる。しかも、暗箱の開口部側に光源を配置し、半透明スクリーン部材に投影された散乱光を暗箱の開口部から観察できるので、スクリーン部材の裏側から光線を照射したり投影像を観察するスペースが必要でなくなり、装置の小型化が可能である。しかも、ドーム状のスクリーン部材を利用すると、ダイヤモンドなどの宝石からの散乱光全体をスクリーンに投影できる。さらに、小型でコンパクトな装置であっても宝石(特にダイヤモンド)を精度よく高い信頼性で評価できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の装置の一例を示す概略断面図である。図1に示す宝石の評価装置(ダイヤモンドの輝度映像装置)は、有底の中空円筒状で一方の端部が開口した暗箱(遮光容器)1と、この暗箱内に配設され、かつ宝石(ダイヤモンド)3を保持(又は載置)するための板状保持部材2と、前記暗箱1内のうち前記宝石3(又は保持部材2)と前記暗箱1の開口部との間に位置するスクリーン部材4とを備えている。なお、スクリーンに投影された模様(パターン)を暗所で観察するため、この例では、スクリーン部材4は、暗箱1の開口部側よりも中間部に位置している。また、この例では、前記保持部材2は暗箱1の下部と一体に形成されて第1の筒状体1aを構成し、スクリーン部材4は暗箱1の上部と一体に形成されて第2の筒状体1bを構成し、両者は互いに装着可能である。
【0019】
前記保持部材2の径方向の中央部には、宝石(ダイヤモンド)3のキューレット部を載置可能な凹状又は開口した載置部2aを有しており、この載置部により宝石(ダイヤモンド)3をそのテーブルを暗箱の開口部に向けて配置可能である。また、前記スクリーン部材4は、半透明のドーム状(又は半球状)に形成されており、スクリーン部材4の径方向の中央部(この例では、頂部)には、前記暗箱1の開口部側に位置する光源6により、前記保持部材2で保持された宝石(ダイヤモンド)3に対して集光した白色光線(ビーム状白色光線)を照射するための透光部(この例では、円形状開口部)5が形成されている。
【0020】
このような装置では、光源6から白色光線を宝石(ダイヤモンド)3のテーブルに照射すると、宝石(ダイヤモンド)3により屈折反射された散乱光が前記スクリーン部材4の内面に投影される。しかも、スクリーン部材4がドーム状であるため、宝石(ダイヤモンド)3を屈折反射した散乱光(散乱模様)の全体を前記スクリーン部材4の内面に投影できる。そして、スクリーン部材4が半透明であるため、投影像をプラレタリュームのように光の斑点模様(屈折反射模様又はパターン)を投影像として浮かび上がらせることができる。しかも、暗箱1により暗室で観察できるため、光の斑点模様を鮮明に判別できる。さらには、光の照射を暗箱1の開口部側から行うことができるので、装置を小型化できる。
【0021】
なお、暗箱は、ダイヤモンドなどの宝石に光線を照射するとともにスクリーン部材に投影された反射模様を観察可能な開口部を有していればよい。例えば、前記暗箱は必ずしも有底筒状である必要はなく、暗箱の底部も開口していてもよく、暗箱の底部はメッシュ状又は細孔状の開口部を有していてもよい。暗箱は、必ずしも円筒状でなくてもよく、平面形状が楕円形状や多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形など)の多角筒状であってもよい。暗箱は遮光部材で構成すればよく、明色であってもよいが暗色(例えば、黒色)であってもよい。
【0022】
保持部は、光線の反射を防止するため、暗色(特にグレー乃至黒色)であるのが好ましい。保持部は、宝石を保持可能であれば必ずしも全体が板状である必要はなく、全体又は少なくとも周辺部がフレーム状(格子状)であってもよい。また、保持部は、頂部で宝石の保持する構造、例えば、支柱上の保持部(柱状載置台)や円錐台(又は角錐台)状の保持部(錐台状載置台)であってもよい。特に、クラウン部の角度によって種々の方向に反射光が反射するため、少なくともダイヤモンドのガードルは、保持部により、ドーム状スクリーン部材の底辺よりも高い位置で保持するのが好ましい。特に、宝石(ダイヤモンドなど)は、保持部により、ドーム状スクリーン部材の底辺よりも高い位置で保持するのが好ましい。
【0023】
図2は本発明の保持部の一例を示す概略図である。この例では、保持部は、保持部材12と、この保持部材の中心部から暗箱の開口部方向に突出して柱状に形成され、かつ頂部にダイヤモンドを載置可能な載置部(載置凹部)12aを有する柱状載置部材(又は載置台)12bとで構成されており、前記載置部12a(ダイヤモンドのキューレットなどの宝石の底部)の高さ位置は、ドーム状スクリーン部材14の底辺よりも高く設定されている。このような構造では、宝石(ダイヤモンドなど)13をドーム状スクリーン部材14の底辺から浮かせた状態で、透光部15を通じて宝石(ダイヤモンドなど)13に光線を照射することにより、宝石(ダイヤモンドなど)13の側面(カット面)からの反射光(斜め下方に進行する反射光を含む)もスクリーン部材14に投影できる。そのため、宝石(ダイヤモンドなど)13からの屈折反射光全体をスクリーン部材14に投影できる。
【0024】
なお、前記載置台は、保持部材に形成された螺旋溝と螺旋棒との組み合わせなどの回転運動を直線運動に変換する機構を利用して、暗箱の開口部方向に進退動可能であってもよい。また、宝石の回転に伴う輝度模様をスクリーン部材に投影するため、前記載置台は、直線運動することなく回転可能であってもよい。
【0025】
さらに、保持部は、暗箱の高さに応じて、暗箱の高さ方向の適所に配設でき、通常、暗箱の底部から暗箱の高さの60%までの高さ位置(特に底部から50%までの高さ位置)の範囲に配設する場合が多い。保持部は、例えば、暗箱の底部に配設してもよい(換言すれば、前記第2の筒状体は必ずしも必要ではない)。
【0026】
宝石の保持形態は、宝石の形状やサイズ、光線に対する宝石の向きなどに応じて選択でき、図1に示すような宝石の側面に接触又は掛止して保持可能な開口部や載置凹部であってもよく、宝石の底部及び/又は側部(例えば、ダイヤモンドのキューレット部及び/又はパビリオン部)を支持又は保持してもよい。例えば、ガードルが保持部材から遊離した状態でダイヤモンドを保持してもよい。また、宝石の保持部は、平坦部から立設し、かつ宝石を保持可能な爪状体(例えば、複数の爪)で構成してもよく、宝石を把持可能なキャッチング機構又はホールド機構で構成してもよい。図3は本発明の他の例を示す概略図である。
【0027】
この例では、宝石(この例では、ダイヤモンド)23を載置するための保持部は、宝石23を支持可能な脚状支持部(脚状保持部)22aで構成されており、この脚状支持部は、円周方向に間隔をおいて配設され、かつ暗箱の開口部方向にいくにつれて狭まった複数の脚体で構成されている。この例では、脚状支持部(脚状保持部)22aは平板状保持部材22の上に配置可能である。
【0028】
さらに、前記宝石23を覆うスクリーン部材24は、扁平なドーム状に形成されている。すなわち、スクリーン部材24は、面積が大きく、しかも平坦又は緩やかに湾曲した上部(又は頂部の天井壁)24aと、両側周縁から湾曲して立ち上がる立ち上がり部(側壁部)24cと、上部24aと立ち上がり部24bとの間に介在し、湾曲したコーナー部(コーナー壁)24bとで構成されており、全体として連続して湾曲し、高さの低い扁平状ドームを形成している。なお、スクリーン部材24の中央部には、透光部25が形成されている。また、宝石23の底部は、スクリーン部材24の底辺よりも高い位置で、脚状支持部(脚状保持部)22aにより支持されている。
【0029】
このような装置を利用すると、宝石23の底部が保持部材22よりも高い位置で支持され、脚状支持部(脚状保持部)22aによる宝石23の下部が中空であるため、パビリオン側から光が漏れているか否かを判断できる。すなわち、宝石(ダイヤモンド)23に入射した光は必ずしもスクリーン部材の方向に出射するとは限らず、パビリオン側から光が漏れてしまうことが起きる。特に、精度よくカットされていない宝石では、パビリオン側からの光の漏れが大きくなる。そのため、上記脚状支持部22aを利用すると、宝石のカットの良否を有効に判別できる。また、宝石23の底部が保持部材22よりも高い位置で支持されているため、宝石からの光(例えば、反射光)が下方に反射しても、宝石からの散乱光をスクリーン部材の投影できる。さらに、スクリーン部材24が扁平なドーム状であるため、宝石からの散乱光の全体を投影できるとともに、深度が小さいため投影像が見やすく、写真により撮影しても、投影像に焦点が合わせ易く鮮明な投影像を撮影できる。
【0030】
なお、脚状支持部又は保持部は、宝石の下部に中空部を形成できればよく、上部に宝石の載置部又は保持部を有する透明な中空筒状体(中空支持部材)で構成してもよく、円周方向に間隔をおいて配設され、かつ上部で交差して上部に凹状の宝石の載置部又は保持部が形成された複数の脚体(又は棒状体)で構成してもよい。さらに、脚状支持部又は保持部は、直径が異なり、かつ宝石を載置するための凹状部を形成する複数のリング状支持部材(同心円状のリング部材)と、これらの支持部材を支持するための支持脚とで構成してもよい。
【0031】
保持部は、宝石の保持性を高めたり緩衝性を高めるため、宝石との接触部に緩衝部材を有していてもよい。なお、宝石は、光源からの入射光線に対して種々の方向に向けて配置可能である。例えば、ダイヤモンドは、テーブル面を入射光線に向けて配置してもよく、クラウン部やパビリオン部を入射光線に向けて配置してもよい。
【0032】
さらに、保持部と暗箱とは互いに相対的に回転可能であってもよく、保持部は、暗箱の周方向に回転可能であってもよい。図4は、暗箱に対して回転可能な保持部の回転機構を説明するための概略図であり、図4(A)は回転機構の概略斜視図、図4(B)は回転機構の概略平面図である。この例において、回転可能な保持部は、暗箱31の内周面に形成された周溝31aと、この周溝内に周縁部が回転可能に配設された保持部材32と、前記周溝31aのうち周方向の一部を貫通して周方向に延びる案内孔31bと、前記保持部材32の外周壁から外方向に延出し、かつ前記案内孔31bに沿って摺動可能な摺動片32aとで構成してもよい。なお、保持部材32には宝石(ダイヤモンドなど)が保持されている。
【0033】
また、回転可能な保持部は、暗箱に形成された螺旋溝(暗箱の内壁に形成された螺旋溝)と、この螺旋溝に螺合可能な保持部材とで構成してもよく、この保持部材は、前記暗箱の螺旋溝に対して螺合可能な筒体と、この筒体に形成され、かつ宝石を保持可能な保持部材とで構成してもよい。
【0034】
回転可能な保持部を利用すると、宝石の所定部(例えば、ダイヤモンドのテーブル面)を光源に向けて保持しつつ回転可能であるため、宝石の回転変位による反射輝度模様を簡便に観察できる。
【0035】
なお、保持部と暗箱とが互いに相対的に回転可能な装置においては、基準位置を示す基準マーカーと、この基準位置からの変位角度を示す角度マーカー(又は変位マーカー)を暗箱に施してもよい。このような角度表示を施すと、宝石の回転に伴う反射模様を簡便に判断できる。
【0036】
スクリーン部材は、前記保持部と前記暗箱の開口部との間(又は前記暗箱内のうち前記宝石と光源との間)に配設すればよく、暗箱の高さ及び保持部の位置に応じて、暗箱の高さ方向の適所に配設できる。通常、暗室で投影パターンを観察するため、スクリーン部材は、通常、暗箱の底部からの70%の高さ位置(特に底部から50%までの高さ位置)の範囲に配設する場合が多く、例えば、暗箱の底部に配設してもよい。
【0037】
前記スクリーン部材は、宝石からの散乱光を暗箱の開口部側から透過光として観察するため、半透明である。このようなスクリーン部材は、種々の半透明部材、例えば、紙(パラフィン紙など)、プラスチック(例えば、ポリプロピレンなどの結晶性樹脂、体質顔料や白色顔料を含む透明樹脂など)、半透明セラミックス(すりガラスなどの半透明ガラスなどを含む)で構成できる。半透明部材は、透明性を維持できる限り、黄色、赤色、青色などの適当な色に着色していてもよい。スクリーン部材は白色半透明である場合が多い。スクリーン部材の可視光線透過率は、例えば、20〜80%(例えば、30〜70%)、好ましくは40〜60%程度であってもよい。
【0038】
前記スクリーン部材は、前記保持部の宝石を覆い、かつ宝石からの屈折反射模様(又はパターンや像)を投影可能であればよく、前記保持部から所定間隔をおいて暗箱の開口部側に配設された平板状部材であってもよいが、全体として暗箱の開口側に膨出した湾曲状又はドーム状部材である場合が多い。このドーム状部材は、両側周縁の立ち上がり部が直線状であったり、上部又は頂部が平坦状であってもよいが、通常、両側周縁の立ち上がり部及び上部(又は頂部)のうち少なくとも一方の部位は湾曲している場合が多く、双方の部位が湾曲しているのが好ましい。例えば、断面台形状、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、紡錘状などであってもよい。特に、両側周縁の立ち上がり部及び上部(又は頂部)が連続して湾曲したドーム状(特に半球状ドーム)や、図3に示すように、コーナー部を介して平坦な上部(又は頂部)と両側周縁の立ち上がり部とが連続して湾曲したドーム状(例えば、円錐台状、特にコーナー部が湾曲した円錐台状ドーム)であるのが好ましい。後者では、平坦な上部(又は頂部)の面積を大きくするのが有利である。全体として湾曲状又はドーム状の形態のスクリーン部材では、宝石からの屈折反射模様全体をスクリーン部材の内面に投影でき、宝石の評価精度を高めることができる。なお、全体として湾曲状又はドーム状の形態のスクリーン部材において、スクリーン部材の底辺から頂部までの深度(距離)が大きいと、投影像を観察しにくくなり、写真を撮っても投影像全体に焦点を当てることができず、投影像全体を撮影できなくなる。そのため、スクリーン部材の底辺から頂部までの深度(距離)は過度に大きくないのが好ましい。このような点からも扁平なドーム状スクリーン部材(特に、前記頂部に平坦面又は緩やかな湾曲面が形成されたドーム状スクリーン部材、例えば、半球状ドームや円錐台状ドームを形成するスクリーン部材)が好ましい。
【0039】
なお、スクリーン部材の底辺(下部)は、周方向に湾曲した平面状である必要はなく、周方向に所定間隔ごとに形成された脚部で構成してもよい。
【0040】
前記スクリーン部材は、前記暗箱の開口部側から前記保持部で保持された宝石に対して光線を照射するための透光部を有している。この透光部は、前記光線が通過又は透過可能であればよく、前記光線が通過可能な開口で構成してもよく、透過可能な透明部で構成してもよい。透光部の形状は宝石に対して光線が入射可能であれば特に制限されず、通常、円形状である場合が多い。前記透光部は、宝石の保持部位に応じて、スクリーン部材の適所に形成できるが、通常、スクリーン部材の中央部(ドーム状スクリーン部材では頂部)に形成する場合が多い。
【0041】
保持部に宝石に対して種々の角度から光線を照射するため、スクリーン部材には、前記透光部から半径方向に延びる透光部を形成してもよい。図5はスクリーン部材の他の例を示す概略図である。このスクリーン部材44は、ドーム状(半球状)の半透明部材で構成されており、ドーム状スクリーン部材44の頂部には円形状透光部(第1の透光部)45aが形成され、この透光部から半径方向に延びる領域にはスリット状透光部(第2の透光部)45bが形成されている。この例では、第1及び第2の透光部45a,45bはそれぞれ円形状開口部と、この円形状開口部と略同じ幅で延びるスリット状開口部とで構成されている。このようなスクリーン部材44を暗箱41内に備えた装置では、前記と同様にして円形状透光部(第1の透光部)45aを利用して、保持部材42の載置台42aに載置された宝石43に光線を照射できるだけでなく、保持部で宝石の向きを変えることなく、スリット状透光部(第2の透光部)45bを利用して、宝石に対する光線の照射角度や宝石に対する照射部位を変えることができる。そのため、宝石を種々の角度からみたときの屈折反射模様を、スクリーン部材44に投影でき、暗箱41内で投影模様(輝度模様)に基づいて宝石の品質を効率よく観察し評価できる。
【0042】
なお、第2の透光部は、第1の透光部から一方の半径方向に形成してもよく、第1の透光部を横断して半径方向に形成してもよく、単一の方向に限らず複数の方向(放射方向)に形成してもよい。第2の透光部は、第1の透光部を中心として半径方向に形成する場合が多い。なお、第2の透光部の面積が大きくなると、宝石からの屈折反射模様を精度よく投影できない場合がある。そのため、第2の透光部はスリット状透光部などのように幅狭の透光部として形成する場合が多い。
【0043】
さらに、第2の透光部は、第1の透光部から半径方向に所定間隔ごとに形成してもよい。例えば、宝石(ダイヤモンドなど)を中心として、ドーム状スクリーン部材の頂部(宝石を中心として90°の角度位置)に第1の透光部を形成し、この第1の透光部からの半径方向において前記宝石(ダイヤモンドなど)から所定の角度位置(例えば、角度30°、40°、45°、60°などの位置)に1又は複数の第2の透光部を形成してもよい。また、必要であれば、第2の透光部は、スクリーン部材の周方向に所定の間隔をおいて形成してもよい。
【0044】
前記保持部(又はダイヤモンドなどの宝石)とスクリーン部材との距離は調整可能であってもよい。図6は距離調整機構を示す概略図である。この距離調整機構は、例えば、暗箱を、透光部55が形成されたスクリーン部材54を有する第1の筒状体51aと、宝石(ダイヤモンド)53の載置台52aが形成された保持部(又は保持部材)52を有する第2の筒状体51bとで構成し、第1の筒状体51aと第2の筒状体51bとの間にスライド機構を形成することにより構成できる。より具体的には、例えば、第1の筒状体51aと第2の筒状体51bとが互いに軸方向に摺動可能又は装着可能(又は遊嵌可能)な暗箱51a,51bにおいて、前記第1の筒状体51a及び第2の筒状体51bのうち一方の筒状体に軸方向(高さ方向)に延びる摺動溝57aを形成し、他方の筒状体に前記摺動溝57aに沿って摺動可能な凸状部58aを形成することによりスライド機構を構成できる。なお、また、前記摺動溝57aに沿って凸状部58aを暗箱51の軸方向に摺動させ、所定の高さ位置で周方向に回動させて凸状部58aを仮止めするため、前記スライド機構は、係止機構と組み合わせて構成してもよい。例えば、前記摺動溝57aに、暗箱51(又は筒状体51a,51b)の周方向に延び、かつ前記凸状部58aが係止可能な少なくとも1つの係止溝57b、又は所定間隔をおいて形成された複数の係止溝57bにより前記係止機構を構成してもよい。
【0045】
さらに、保持部とスクリーン部材との距離を調整する機構は、回転運動を直線運動に変換する種々の機構、例えば、カメラのズーム機構などのように、第1の筒状体及び第2の筒状体の回動機構と、この回動機構の回動操作により第1の筒状体と第2の筒状体とを相対的にスライド移動させるためのスライド機構とを組み合わせて構成してもよい。例えば、第1の筒状体と第2の筒状体との間に摺動可能に介在する回動変位部材(第3の筒状体)を備えた装置において、この第3の筒状体及び第1の筒状体(又は第2の筒状体)のうち一方の筒状体に形成された螺旋溝と、他方の筒状体に形成され、かつ前記螺旋溝に沿って移動可能な摺動部とで回動機構を構成し、前記第3の筒状体及び第2の筒状体(又は第1の筒状体)のうち一方の筒状体に軸方向に延びる摺動溝と、他方の筒状体に形成され、かつ前記摺動溝に沿って摺動可能な摺動部とでスライド機構を構成してもよい。このような構造の装置では、回動機構による回動運動を前記スライド機構によるスライド運動に変換でき、第1の筒状体と第2の筒状体とを相対的にスライド移動させることができる。また、顕微鏡の焦点調整機構などのように、第1の筒状体と第2の筒状体とを相対的にスライド移動させるためのスライド機構と、第1の筒状体及び第2の筒状体の一方の筒状体に形成されたラック(又はピン・ラック)と、このラック(又はピン歯車)に噛み合いながら回転可能なピニオン(又はピン歯車)との組み合わせなどで構成してもよい。
【0046】
このような距離調整機構を備えた装置を用いると、保持部とスクリーン部材との距離の調整により焦点深度を調整でき、屈折反射模様の結像距離、換言すれば、光線の宝石の深さ位置(入射位置)による光線の屈折反射部位による模様を前記スクリーン部材に結像させて投影できる。そのため、宝石の深部からの反射模様、中間部からの反射模様、表層部からの反射模様なども観察できる。
【0047】
本発明の装置は、前記暗箱、保持部及びスクリーン部材で構成すればよく、光源は必ずしも本発明の装置を構成しなくてもよいが、光源を備えていてもよい。例えば、本発明の装置は、暗箱の開口部側に光源を装着可能な装着部を備えていてもよい。この装着部は、暗箱の開口部側からの投影像の観察に支障のない形態で形成するのが好ましく、例えば、暗箱から開口部の内方へ延びる1又は複数のアーム状部材に形成してもよい。
【0048】
宝石に光線を照射するための光源は、前記暗箱の開口部側に位置し、かつ前記保持部で保持された宝石に対して光線を照射可能であればよく、通常、集束した光線、例えば、ビーム状白色光線やレーザ光線を照射する場合が多い。光源としてはペンライト式などの携帯式光源が利用できる。
【0049】
このような装置を用い、暗箱内で保持された宝石に対して光線を照射すると、前記暗箱内のうち前記宝石と暗箱の開口部(又は光源)との間に位置する半透明スクリーン部材の内面に前記宝石からの散乱光(斑点状の屈折反射模様又は輝度模様)を投影できる。そして、スクリーン部材が半透明であるため、スクリーン部材を通して前記斑点状の散乱光を透過模様として観察できる。しかも、暗箱内で観察できるため、装置が小型であっても、透過模様を鮮明に観察できる。そのため、暗箱の開口部側からスクリーン部材の投影像を投影像として観察し、宝石の品質を評価できる。
【0050】
なお、必要であれば、スクリーン部材に投影された屈折反射模様は、暗箱の開口部から透過模様としてカメラで撮影又は撮像してもよく、カメラとしてはアナログ式カメラ(銀塩方式フィルムを備えたカメラなど)、ディジタル式カメラも利用できる。また、投影像の撮影において、必要であれば、暗箱内のカメラ、例えば、暗箱の開口部とスクリーン部材との間に配設され、スクリーン部材に投影された投影像を投影像として撮影するためのカメラ、保持部材とスクリーン部材との間に配設され、スクリーン部材に投影された投影像を撮影するためのカメラ、保持部材の下部に配設され、かつ保持部材に形成された透光部を通じてスクリーン部材に投影された投影像を撮影するためのカメラを利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、入射光が屈折反射する種々の宝石(例えば、サファイヤ、ルビーなどの宝石、特にカット面(好ましくは複数のカット面)を有する宝石)の品質を評価するのに有用である。特に、ダイヤモンドを観察し、カットの良否(ブリリアンシー、デイスパージョン(又はファイアー)、およびシンチレーション)を評価するのに有効である。また、小型化できるため、携帯して店頭で宝石(ダイヤモンドなど)の輝度模様を観察でき、顧客の満足度も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明の装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は本発明の保持部の一例を示す概略図である。
【図3】図3は本発明の他の例を示す概略図である。
【図4】図4は暗箱に対して保持部が回転可能な回転機構を説明するための概略図である。
【図5】図5はスクリーン部材の他の例を示す概略図である。
【図6】図6は保持部とスクリーン部材との距離の調整機構を示す概略図である。
【符号の説明】
【0053】
1,31,41…暗箱
1a,51a…第1の筒状体
1b,51b…第2の筒状体
2,12,22,32,42,52…保持部材
2a,12a,42a,52a…載置部
22a…脚状支持部(脚状保持部)
3,13,23,33,43,53…宝石(ダイヤモンド)
4,14,24,44,54…スクリーン部材
5,15,25,55…透光部
45a…円形状透光部
45b…スリット状透光部
6…光源
57a…摺動溝
57b…係止溝
58a…凸状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する暗箱と、この暗箱内に配設され、かつカット面を有する宝石を保持するための保持部と、この保持部と前記暗箱の開口部との間に配設されたスクリーン部材とを備えており、前記スクリーン部材が、前記暗箱の開口部側から前記保持部で保持された宝石に対して光線を照射するための透光部を有するとともに、照射光線による前記宝石からの散乱光を投影するための半透明スクリーン部材で構成されている宝石の評価装置。
【請求項2】
スクリーン部材が、暗箱の開口側に膨出したドーム状に形成されており、宝石からの散乱光を暗箱の開口部側から透過光として観察可能である請求項1記載の評価装置。
【請求項3】
保持部が、ダイヤモンドのテーブル面を光源に向けて保持可能であるとともに回転可能である請求項1記載の評価装置。
【請求項4】
保持部により、ドーム状スクリーン部材の底辺よりも高い位置で宝石が保持されている請求項2記載の評価装置。
【請求項5】
ドーム状スクリーン部材の頂部に第1の透光部が形成されており、この透光部から半径方向に連続して又は所定間隔をおいて第2の透光部が形成されている請求項2記載の評価装置。
【請求項6】
光源が、回転可能な保持部に保持されたダイヤモンドに対してビーム状白色光線を照射可能であり、宝石からの散乱光が白色半透明で扁平なドーム状スクリーン部材の内面に投影され、この投影像がスクリーン部材を通して暗箱の開口部側から観察可能である請求項1記載の評価装置。
【請求項7】
開口部を有する暗箱内で保持された宝石に対して光線を照射し、前記暗箱内のうち前記宝石と光源との間に位置する半透明スクリーン部材に前記宝石からの散乱光を投影し、この投影像に基づいて宝石の品質を評価する方法であって、前記スクリーン部材のうち前記光線が通過又は透過可能な透光部を通じて、前記宝石に対して光線を照射し、前記宝石からの散乱光を前記スクリーン部材の内面に投影し、投影像を前記暗箱の開口部側から観察する評価方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−145280(P2006−145280A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333055(P2004−333055)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(504425680)
【Fターム(参考)】