説明

実質的にポリシロキサンを含有する親水性繊維及びそれから作られるティッシュ製品

【課題】パルプ繊維とポリシロキサンとを含むポリシロキサン前処理パルプ繊維を提供する。
【解決手段】本発明は、パルプ繊維とポリシロキサンとを含むポリシロキサン前処理パルプ繊維である。ポリシロキサン前処理パルプ繊維のポリシロキサン含量は、乾燥パルプ繊維の重量で約0.4%又はそれよりも大きく、シリコーン保持係数は、約0.6又はそれよりも大きく、初期水滴吸収値は、約180秒以下である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル、及び食事用ナプキンなどのようなティッシュ製品の製造では、化学添加剤を用いることにより、様々な製品特性が完成製品に付与される。化学添加剤を用いることによってティッシュシートに付与される一般的な属性の1つは柔らかさである。化学添加剤を用いることによってティッシュシートに典型的に付与される柔らかさには2種類ある。この2種類とは、嵩柔らかさ及び局所又は表面柔らかさである。
【0002】
嵩柔らかさは、化学剥離剤により達成することができる。このような剥離剤は、一般的に長鎖アルキル基を含有する四級アンモニウム実体である。陽イオン性四級アンモニウム実体により、この薬剤は、セルロース繊維上の陰イオン性基にイオン結合することを通じてセルロース上に留まることができる。長鎖アルキル基は、ティッシュシート内の繊維間の水素結合を分裂させることにより、ティッシュシートに柔らかさをもたらす。
【0003】
このように繊維間の結合を分裂することには、ティッシュシートの柔らかさを増大させるのに二重の目的がある。第1に、水素結合が減少すると、引張強度が減少し、これによってティッシュシートの剛性が減少する。第2に、剥離繊維によってティッシュシートに表面の毛羽がもたらされ、ティッシュシートの「毛羽立ち」が高められる。このティッシュシートの毛羽立ちは、外側ティッシュ表面で十分な繊維間結合が破壊されてティッシュ表面上に多量の自由繊維端が生じるしぼ寄せを用いることによっても生成することができる。
多層ティッシュ構造を用いて、ティッシュシートの柔らかさを向上させることができる。この実施形態では、中心層に強力な軟材繊維の薄い層を用いてティッシュ製品に必要な引張強度を与える。このような構造の外側層は、化学的剥離剤を含有することも含有しないこともある短い硬材繊維で構成することができる。
【0004】
ティッシュシート、及び最終的に得られるティッシュ製品の局所又は表面柔らかさは、ティッシュシート又はティッシュ製品の表面に軟化剤を局所的に付加することにより達成することができる。軟化剤という用語は、本明細書では、ティッシュシートのざらつき又は角々しさを低減するという意味で用いられる。このような軟化剤の1つはポリシロキサンである。ポリシロキサン処理ティッシュは、1990年8月21日にWalter他に付与された米国特許第4,950,545号、1993年7月13日にWalter他に付与された第5,227,242号、1996年9月24日にFunk他に付与された第5,558,873号、2000年4月25日にGoulet他に付与された第6,054,020号、2001年5月15日にGarvey他に付与された第6,231,719号、及び2002年8月13日にLiu他に付与された第6,432,270号に説明されており、これらは、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に含まれるものとする。様々な置換及び非置換ポリシロキサンを用いることができる。
【0005】
ポリシロキサンにより、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさを改善することができるが、それを用いることには、いくつかの欠点があると考えられる。第1に、ポリシロキサンは、一般的に疎水性であり、すなわち、水をはじく傾向がある。ポリシロキサンで処理したティッシュシート及び/又はティッシュ製品は、ポリシロキサンを含有しないティッシュシート及び/又はティッシュ製品よりも吸収性が小さい傾向がある。これは、多くの用途、特にトイレットペーパーでは、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品に柔らかさを生じさせるためのポリシロキサンの有用性を相当に低減する。当業技術では親水性のポリシロキサンも公知であるが、このような親水性のポリシロキサンは、疎水性のポリシロキサンよりも一般的に水溶性が高く、従って、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品に付加した時に、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のz方向により多く移動する傾向があることになる。また、典型的な親水性のポリシロキサンは、通常は疎水性のポリシロキサンよりも割高な価格で販売されている。また、ポリジアルキルポリシロキサン部分と呼ばれるポリシロキサンの疎水性部分も、柔らかさを改善することにより有意な影響を及ぼす傾向がある。従って、親水性のポリシロキサンはまた、疎水性のポリシロキサンよりも軟化する有効性に劣り、用いるのに高価である傾向がある。
ポリシロキサンを用いることに対する付加的な欠点は、疎水性に関するエージングの影響である。高温及び時間により、処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の疎水性が有意に増大する可能性があり、トイレットペーパー等の場合には、ある一定の期間の後又はある一定の環境条件下では、所定の用途に対してトイレットペーパー製品が不適格になる場合がある。
【0006】
ポリシロキサンは、ティッシュ工程のウェットエンドでパルプ繊維のスラリーに付加されても良好に保持されない傾向がある。保持されなったポリシロキサン、並びに乳剤をウェットエンドでの付加に対して適切にするのに必要な付加的な界面活性剤は、ティッシュ製造工程に有意な問題を引き起こし、ポリシロキサンをウェットエンドで付加することを実行不能にする可能性がある。更に、ティッシュ製造工程のウェットエンドで付加する場合には、親水性のポリシロキサンは、水溶性が高いために、疎水性のポリシロキサンよりもパルプ繊維に更に保持されにくい。
【0007】
水不溶性ポリシロキサンに対しては、ティッシュ機械のウェットエンドでポリシロキサンが良好に保持されないことは、ティッシュシートを最終的に乾燥させる前にパルプ製造機でポリシロキサンを用いてパルプ繊維を処理することによって回避することができる。このような工程は、2003年6月24日にRunge他に付与された米国特許第6,582,560号に説明されており、これは、本明細書に矛盾しない範囲で引用により組み込まれている。ティッシュシート及び/又はティッシュ製品に用いる場合には、ポリシロキサンで前処理したパルプ繊維は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさを有意に向上させることができる。
【0008】
残念ながら、ティッシュシート又はティッシュ製品中のこれらのポリシロキサン前処理パルプ繊維により、低レベルのポリシロキサンを用いる場合でも、許容不能に高レベルの疎水性がもたらされる場合がある。いくつかの場合では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を用いてティッシュシートに導入される疎水性の程度は、同じレベルのポリシロキサンを当業技術で公知の方法でティッシュシートに局所的に付加する時よりも大きい。更に、ポリシロキサン前処理パルプ繊維及び/又はポリシロキサン前処理パルプ繊維から作られたティッシュ製品の両方でも熱老化により疎水性が増大する。
【0009】
2002年11月6日出願で現在特許出願中の米国特許出願出願番号第10/289557号は、ティッシュシートの層構造を変化させることにより、疎水性ポリシロキサンで前処理されたパルプ繊維を用いることに付随する疎水性を低減する方法を説明している。より詳細には、ポリシロキサン繊維をティッシュシートの外面の方向に濃縮することにより、疎水性ポリシロキサンで前処理したパルプ繊維を吸収性ティッシュシートに用いることによる疎水性限界が克服される。この方法では、ティッシュシートの疎水性を低減することは有意に改善されるが、層状ティッシュシートの使用が制限され、また、付加することができる総ポリシロキサン量も一般的に減少する。更に、疎水性は大幅に改善するが、ウェットアウト時間は、トイレットペーパー及び同様のティッシュ製品に対しては依然として許容不能なほど高い場合がある。
【0010】
2002年12月19日出願で現在特許出願中の米国特許出願出願番号第10/325484号は、ベースティッシュウェブに界面活性剤を局所的に付加し、疎水性ポリシロキサンで前処理されたパルプ繊維で調製されたティッシュシートを含むティッシュシートの疎水性を軽減する方法を説明している。この方法でも、このようなティッシュシートの疎水性を改善するが、界面活性剤をティッシュシートに局所的に付加することが必要であり、従って、付加的な費用及びティッシュ製造工程に複雑さを加えることを必要とする。外部界面活性剤を用いることに対する付加的な欠点は、破砕再パルプ化作業で界面活性剤の少なくとも一部が失われることである。従って、バージンティッシュ製品が親水性であっても、この材料を破砕流に組み込むと、ティッシュ製品が許容不能な疎水性を有することになる可能性があると考えられる。
【0011】
従って、親水性が改善される一方で、依然としてポリシロキサン前処理パルプ繊維が組み込まれたティッシュシート及びティッシュ製品の柔らかさが向上したポリシロキサン前処理パルプ繊維が必要とされている。更に、ポリシロキサンが紙又はティッシュ製造工程のウェットエンドを通じて良好に保持されるようにすることが必要とされている。更に、界面活性剤、又はポリシロキサン前処理パルプ繊維で作られたティッシュシート又はティッシュ製品の親水性を改善するための他の薬剤を加えることなく、このようなポリシロキサン前処理パルプ繊維を用いることができるようにすることが必要とされている。更に、ポリシロキサン前処理パルプ繊維が、再利用されるか又は破砕物で用いられる時に親水性を維持し、ポリシロキサン前処理パルプ繊維及びポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有するティッシュシート又はティッシュ製品が、疎水性に関して良好な熱及びエージング安定性を示すようにすることが必要とされている。
【0012】
製紙工程のウェットエンドを通じてポリシロキサンを良好に維持するポリシロキサン前処理パルプ繊維を生成し、この繊維を含有する製品の柔らかさを向上させ、しかも疎水性ポリシロキサンを単独で用いる場合に比較して親水性の改善が見られるようにすることに関心が寄せられている。現在、ある一定のアミノ官能性ポリエーテルポリシロキサンで前処理したパルプ繊維は、優れた親水性を有するにも関わらず、製紙工程のウェットエンドを通じて非常に良好に保持することができることが見出されている。更に、このようなポリシロキサン前処理パルプ繊維は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有するティッシュシート又はティッシュ製品の柔らかさを改善し、疎水性の生成に比較して熱安定性を向上させるのに有効である。更に、これらのポリシロキサンを疎水性ポリシロキサンと併せて用いて、パルプ繊維及びポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有する関連のティッシュシート又はティッシュ製品の親水性を有意に改善することができることも見出されている。
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,950,545号
【特許文献2】米国特許第5,227,242号
【特許文献3】米国特許第5,558,873号
【特許文献4】米国特許第6,054,020号
【特許文献5】米国特許第6,231,719号
【特許文献6】米国特許第6,432,270号
【特許文献7】米国特許第6,582,560号
【特許文献8】米国特許出願出願番号第10/289557号
【特許文献9】米国特許出願出願番号第10/325484号
【発明の開示】
【0014】
本発明のパルプ繊維は、様々な製品に有用とすることができるが、ティッシュ及びタオル製品に特に関連するものである。「ティッシュシート」という用語は、本明細書で用いる場合、ティッシュ及びタオルシートを意味することは理解されるものとする。「ティッシュ製品」という用語は、本明細書で用いる場合、ティッシュ及びタオル製品を意味する。ティッシュ及びタオル製品は、本明細書で用いる場合、その嵩の点から他の紙製品と区別される。本発明のティッシュ及びタオル製品の嵩は、ミクロンで表すキャリパー(以下に定める)をグラム/平方メートルで表される坪量で割った商として計算される。得られる嵩は、立方センチメートル/グラムで表される。筆記用紙、新聞用紙、及び他のこのような紙は、所定の坪量に対してキャリパーが遥かに大きい傾向があるティッシュ及びタオル製品に比較して強度、剛性、及び密度が大きい(嵩が低い)。本発明のティッシュ及びタオル製品の嵩は、約2cm3/g又はそれよりも大きく、より詳細には、約2.5cm3/g又はそれよりも大きく、より詳細には、約3cm3/g以上のとすることができる。
【0015】
「層状ティッシュシート」という用語は、本明細書で用いる場合、多層ティッシュ製品を構成する特定のティッシュシート又はティッシュシートがz方向の繊維勾配を含む、層状ティッシュシートの形成を意味する。層状ティッシュシートを形成する1つの方法では、パルプ繊維の個々のスラリーが分割されたヘッドボックスに送られ、移動ベルトに付加され、そこで、パルプ繊維が様々な工程のいずれかで脱水され、更に乾燥されて個々の完成紙料の分割に基づきz方向の特定の繊維分布を有するティッシュシートが形成される。2つ又はそれよりも多くの層が、多層ティッシュ製品の所定のティッシュシートに存在することができる。「配合シート」という用語は、本明細書で用いる場合、シートのz方向に繊維の一様な分布が存在する単層状又は多層状シートが形成されることを意味する。配合ティッシュシートはまた、無層状又は非層状ティッシュシートと呼ばれることもある。「無処理パルプ繊維」という用語は、本明細書で用いる場合、本発明のポリシロキサンで前処理していないパルプ繊維を意味する。パルプ繊維は、ティッシュ製造工程に用いられる他の化学添加剤で処理することができることは理解されるものとする。
「実質的に固定する」という用語は、本明細書で用いる場合、最終製品を作るためにパルプ繊維が通るその後の全ての工程を通してポリシロキサン分子がパルプ繊維上に高度に保持される方法で、ポリシロキサン分子上の基がポリシロキサン分子を基体パルプ繊維に結合する機能を意味する。
【0016】
本発明のポリシロキサンの特定の構造により、望ましい製品特性をパルプ繊維及びそれから作られたティッシュシート及び/又はティッシュ製品に付与することができる。ポリシロキサンは、非常に広い部類の化合物を含む。これらは、以下のバックボーン構造を有するという特徴を有する。
【0017】
【化1】

【0018】
ここで、R’及びR”は、広い範囲の有機基及び非有機基とすることができてこのような基の混合物を含み、nは、≧2の整数である。これらのポリシロキサンは、直鎖、分岐又は環状とすることができる。これらは、様々な組成の官能基を含有する様々なポリシロキサンコポリマーを含むことができ、従って、R’及びR”は、実際には、同じポリマー分子内で多くの異なる種類の基を表すことができる。この有機基又は非有機基は、パルプ繊維と反応してポリシロキサンをパルプ繊維に共有結合、イオン結合、又は水素結合することができると考えられる。これらの官能基はまた、互いに反応してパルプ繊維と架橋マトリックスを形成することができる場合がある。本発明の範囲は、このポリシロキサン構造によって上述の製品利点がパルプ繊維、ティッシュシート、及び/又は最終的なティッシュ製品に供給される限り、特定のポリシロキサン構造に限定されるように解釈すべきではない。本発明のポリシロキサンの態様の1つは、製紙工程のウェットエンドで保持されるようにパルプ繊維にそれ自体を実質的に固定することができる機能である。
【0019】
理論に縛られることは望まないが、本発明のポリシロキサンで前処理したパルプ繊維に対してポリシロキサンが供給する柔らかさの恩典は、部分的には、ポリシロキサンの分子量に関連するであろう。正確な数値の平均又は重量平均の分子量を判断するのは困難であると考えられるために、多くの場合に、ポリシロキサンの分子量を示すものとして粘度が用いられる。本発明のポリシロキサンの粘度は、約25センチポアズ又はそれよりも大きく、より詳細には、約50センチポアズ又はそれよりも大きく、最も詳細には、約100センチポアズ以上のとすることができる。「粘度」という用語は、本明細書で用いる場合、純ポリシロキサン自体の粘度を意味し、そのように述べられた場合でも乳剤の粘度ではない。また、本発明のポリシロキサンは、希釈剤を含有する溶液として供給することができることも理解すべきである。このような希釈剤は、上述の限界未満までポリシロキサン溶液の粘度を低下させる場合があるが、ポリシロキサンの有効部は、上に挙げた粘度の範囲に適合すべきである。このような希釈剤の例には、以下に限定されるものではないが、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びデカメチルテトラシロキサンなど、及びこれらの希釈剤の混合物のようなオリゴマー及びシクロオリゴマーポリシロキサンが含まれる。
【0020】
ポリシロキサン前処理パルプ繊維の製造において本発明のポリシロキサンがパルプ繊維に供給される特定の形態は、当業技術で公知のいずれかの形態とすることができる。本発明に有用なポリシロキサンは、純流体、水性又は非水性溶液、水性又は非水性分散液、及び乳剤ミセルに変化をもたらすことができる適切な界面活性剤システムによって安定化された、マイクロ乳剤を含む乳剤として供給することができる。非イオン、陽イオン、及び陰イオンシステムを用いることができる。ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の製造工程の間にポリシロキサンが最大に保持されるようにするために、ポリシロキサンを純流体としてパルプ繊維に加えることが望ましい場合がある。湿式堆積ティッシュシートの製造工程の間に保持されるポリシロキサンの量は、シリコーン保持係数により測定することができる。シリコーン保持係数は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維中のポリシロキサンのレベル(Sif)を測定し、ポリシロキサンパルプ繊維が組み込まれたティッシュシート及び/又はティッシュ製品(典型的にはティッシュハンドシート)を形成し、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品(ティッシュハンドシート)に存在するポリシロキサンの量(Sih)を測定することにより判断される。次に、以下の式を用いてシリコーン保持係数を計算する。
シリコーン保持係数=(Sih)/(Sif
本発明のシリコーン保持係数は、約0.6又はそれよりも大きく、約0.7又はそれよりも大きく、又は約0.8以上の範囲とすることができる。
【0021】
本発明に用いる無処理パルプ繊維は、本発明のポリシロキサンで処理されたパルプ繊維と同じ種類であってもよく又はそうでなくてもよい。本発明のポリシロキサン前処理パルプ繊維は、以下に限定されるものではないが、硬材パルプ繊維、軟材パルプ繊維、又はその組合せを含む、あらゆるパルプ繊維の種類又はその組合せを含むことができる。無処理パルプ繊維を含む層は、以下に限定されるものではないが、硬材パルプ繊維、軟材パルプ繊維、又はその組合せを含む、シリコーン前処理パルプを含有する外側層と同じか又は異なるあらゆるパルプ繊維の種類又はその組合せで構成することができる。本発明の無処理パルプ繊維を含むパルプ繊維は、本発明のポリシロキサン前処理パルプ繊維又はその組合せと同じであっても又はそうでなくてもよいことは理解されるものとする。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、親水性ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む柔らかくて経済的な吸収性ティッシュ製品を作る方法にあると考えられる。本方法は、(a)ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むパルプ繊維の第1の水性懸濁液を形成する段階、(b)任意的に、無処理パルプ繊維を含むパルプ繊維の少なくとも第2の水性懸濁液を形成する段階、(c)ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むパルプ繊維の第1の水性懸濁液を単層ヘッドボックス又は層状ヘッドボックスに進める段階、(d)パルプ繊維の第2の懸濁液が内側層に導かれるように、無処理パルプ繊維を含むパルプ繊維の任意的な第2の水性懸濁液を層状ヘッドボックスに進める段階、(e)パルプ繊維の第1及び任意的な第2の水性懸濁液を形成布上に堆積させて湿潤層状ティッシュシートを形成する段階、(f)ティッシュシートを脱水して脱水層状ティッシュシートを形成する段階、及び(g)脱水ティッシュシートを乾燥して乾燥層状ティッシュシートを形成する段階を含むことができる。乾燥層状ティッシュシートは、ティッシュ製品に変換することができる。層状ヘッドボックスを用いる場合には、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、乾燥ティッシュシートの少なくとも1つの外側層に導かれることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明では、ポリシロキサンが高レベルの親水性を有するにも関わらず、ティッシュ製造工程を通して高レベルのポリシロキサンがポリシロキサン前処理パルプ繊維に保持される。湿式堆積ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を作るのに必要な処理中に保持されるポリシロキサンの量は、シリコーン保持係数により測定することができる。シリコーン保持係数は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維中のポリシロキサンのレベル(Sif)を測定し、ポリシロキサンパルプ繊維を組み込んだティッシュシート及び/又はティッシュ製品(典型的にはティッシュハンドシート)を形成し、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品(ティッシュハンドシート)に存在するポリシロキサンの量(Sih)を測定することによって判断される。次に、以下の式を用いてシリコーン保持係数を計算する。
シリコーン保持係数=(Sih)/(Sif
【0024】
シリコーン保持係数は、約0.6又はそれよりも大きく、約0.7又はそれよりも大きく、又は約0.8以上の範囲とすることができる。理論に縛られることは望まないが、本発明でポリシロキサンが保持されるのは、少なくとも部分的には、親水性ポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができる官能基が親水性ポリシロキサン上に存在することによると考えられる。例示的な基はアミノ基である。これらのアミノ基は、ティッシュ製造工程のウェットエンドを通じてポリシロキサンを保持することができるようにパルプ繊維と結合することができる。
【0025】
本発明のポリシロキサン前処理パルプ繊維は、優れた親水性を有することが見出されている。ポリシロキサン前処理パルプ繊維の親水性は、本明細書で後に説明する水滴試験を用いて測定することができる。水滴試験では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維で調製されたハンドシートが所定の量の水を吸収するのにかかる時間の長さを測定する。ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、エージング水滴試験により測定すると、熱老化されてもその親水性特性を保持する。本発明の一実施形態では、約85℃で1時間エージングさせた後のポリシロキサン前処理パルプ繊維の水滴試験時間は、約180秒以下である。本発明の別の実施形態では、約85℃で1時間エージングさせた後のポリシロキサン前処理パルプ繊維の水滴試験時間は、約120秒以下である。本発明の別の実施形態では、約85℃で1時間エージングさせた後のポリシロキサン前処理パルプ繊維の水滴試験時間は、約60秒以下である。本発明の更に別の実施形態では、約85℃で1時間エージングさせた後のポリシロキサン前処理パルプ繊維の水滴試験時間は、約30秒以下である。
【0026】
理論に縛られることは望まないが、パルプ繊維含有製品に供給される柔らかさの恩典は、部分的には、ポリシロキサンの分子量に関連すると考えられている。正確な数値又は重量平均分子量を判断するのは困難であることが多いために、多くの場合、ポリシロキサンの分子量を示すものとして粘度が用いられる。本発明のポリシロキサンの粘度は、約25センチポアズ又はそれよりも大きく、より詳細には、約50センチポアズ又はそれよりも大きく、最も詳細には約100センチポアズ以上の。「粘度」という用語は、本明細書で用いる場合、純ポリシロキサン自体の粘度を意味し、そのように述べられた場合でも乳剤の粘度ではない。また、本発明のポリシロキサンは、希釈剤を含有する溶液として供給することができることも理解すべきである。このような希釈剤により、上述の限界未満までポリシロキサン溶液の粘度が低下する場合があるが、ポリシロキサンの有効部は、上に挙げた粘度の範囲に適合すべきである。このような希釈剤の例は、以下に限定されるものではないが、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びデカメチルテトラシロキサンなど、及びこれらの化合物の混合物のようなオリゴマー及びシクロオリゴマーポリシロキサンを含むことができる。
【0027】
ポリシロキサン前処理パルプ繊維中の総ポリシロキサンレベルは、当業技術で公知のあらゆる方法で判断することができる。ポリシロキサン前処理パルプ繊維に付加された特定のポリシロキサンが既知であれば、ポリシロキサンの総量は、本明細書に説明するように、BF3を用いてポリシロキサン成分を対応するジアルキルジフルオロシランに変換し、続いてジアルキルポリシロキサンをGC定量化することにより測定することができる。
【0028】
また、ポリシロキサン前処理パルプ繊維に付加された特定のポリシロキサンが既知でない場合には、「X線蛍光分光法(XRF)」を用いることができる。適切な器具の例は、イリノイ州エルクグローブヴィレッジ所在の「Oxford Instruments Analytical、LTD」から入手可能な「Lab−X3500X線蛍光分析計(XRF)」である。XRF分光法を用いる場合には、サンプル中のポリシロキサンの正確な濃度を知る必要はない。処理パルプ繊維とハンドシートとの間でX線計数を比較し、ハンドシートの計数対パルプ繊維の計数の比から保持計数を判断する。
【0029】
シリコーンを非均一な方法でティッシュシート及び/又はティッシュ製品に付加する場合には、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の繰返しパターンを再現するように試験試料を取り、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のサンプルがティッシュシート及び/又はティッシュ製品の残りと同じ%被覆面積を有するようにすることが必要である。例えば、図1を参照すると、影付部分a1、a2、a3は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品(p)のシリコーン処理部分を表し、部分b1〜b4は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の無処理部分を表す。図1では、シリコーンは、機械方向に縞状に付加される。この場合、試験されるティッシュシート及び/又はティッシュ製品のサンプルの処理領域対無処理領域の比率が全ティッシュシート及び/又はティッシュ製品と同じであり、従って、ポリシロキサン対ポリシロキサン前処理パルプ繊維の比率がティッシュシート及び/又はティッシュ製品(p)と同じであるように、試験サンプルストリップ(C)は、横方向に取られる。
【0030】
代替的に、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品又はその一部分は、試験するサンプル中にシリコーンの一様な分布を得るために乾燥繊維化することができる。乾燥繊維化は、精砕機と同じく、寸断したパルプ繊維ラップが装置を通される乾燥機械処理であり、得られる材料はフラフパルプ繊維である。特定の機器及び条件は、良好な均一性が達成されるようにアンビル間隙及び供給通過量のようなパラメータが制御される限り、重要ではない。本方法は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品に存在するポリシロキサンの量を判断するのにXRF分光法を用いる場合に必要になると考えられる。
【0031】
パルプ繊維シートのx−y方向のポリシロキサンの均一性は、「Micro−XRF」撮像技術を用いて判断することができる。X−Yシリコーン分布を判断するための適切な器具の1つは、ウィスコンシン州マジソン所在の「ThermoNoran,Inc.」から入手可能な「Omnicron EDXRF」システムである。パルプ繊維シート内のポリシロキサン分布の均一性を「Micro−XRF」撮像技術で確認することができない場合には、別の満足できる代替法は、全パルプ繊維シートを5分間浸漬した後、2.5%稠度で5分間パルプ化することである。次に、本明細書で後に説明するように、ティッシュハンドシートを調製するのにほぼ2リットルのパルプ繊維スラリーを取って用いる必要がある。
【0032】
本発明の別の驚くべき要素は、アミノ官能性ポリジアルキルシロキサンのような疎水性のポリシロキサンと共に用いても親水性を保持するパルプ繊維の機能である。高レベルのポリジアルキルシロキサンにより、ポリシロキサン前処理パルプ繊維で作られたティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさを改善することができる。本発明の一実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維に存在するポリジアルキルシロキサンの量は、重量で総繊維重量の約0.2%以上のとすることができる。本発明の別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維に存在するポリジアルキルシロキサンの量は、重量で総繊維重量の約0.5%以上のとすることができる。本発明の別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維に存在するポリジアルキルシロキサンの量は、重量で総繊維重量の約0.8%以上のとすることができる。本発明の更に別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維に存在するポリジアルキルシロキサンの量は、重量で総繊維重量の約1%以上のとすることができる。本発明の更に別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維に存在するポリジアルキルシロキサンの量は、重量で総繊維重量の約0.3%〜約10%とすることができる。
【0033】
本発明のポリシロキサン前処理繊維には、硬材又は軟材、麦わら、亜麻、トウワタ種子繭毛羽繊維、マニラ麻、麻、ケナフ、バガス、綿、及びアシなどを含む多くのセルロースパルプ繊維の種類を用いることができる。全漂白及び無漂白繊維、天然由来繊維(木材繊維、綿繊維、及び他のセルロース繊維、セルロース誘導体、及び化学的補剛又は架橋繊維を含む)、合成セルロース繊維(レーヨン、リヨセル)、バージン及び再生又は古紙パルプ、硬材及び軟剤、及び機械的にパルプ化された繊維(例えば、砕木パルプ)、化学的にパルプ化された繊維(限定はしないが、クラフト及び亜硫酸パルプ処理を含む)、サーモメカニカルパルプ化繊維、及びケミサーモメカニカルパルプ化繊維などを含む全ての公知のセルロース製紙パルプ繊維を用いることができる。上に説明するか又はその関連繊維の部類のあらゆる部分集合の混合物を用いることもできる。パルプ繊維は、当業技術で有利であることが公知の多数の方法で調製することができる。繊維を調製するのに有用な方法には、1994年9月20日に付与された米国特許第5,348,620号及び1996年3月26日に付与された第5,501,768号(いずれもM.A.Hermans他に付与)、及び1997年8月12日にFarrington,Jr.他に付与された米国特許第5,656,132号に開示されているようなカールを付与して乾燥特性を改善する分散が含まれる。
【0034】
ポリシロキサン前処理パルプ繊維の製造で本発明のポリシロキサンがパルプ繊維に供給される特定の形態は、当業技術で公知のあらゆる形態とすることができる。本発明に有用なポリシロキサンは、純流体、水性又は非水性溶液、水性又は非水性分散液、及び乳剤ミセルに変化をもたらすことができる適切な界面活性剤システムにより安定化された乳剤として供給することができる。非イオン、陽イオン、及び陰イオンシステムを用いることもできる。ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の製造工程の間にポリシロキサンが最大に保持されるようにするために、ポリシロキサンを純流体としてパルプ繊維に加えることが望ましいと考えられる。本発明の一実施形態では、パルプ繊維は、2003年6月24日にRunge他に付与された米国特許第6,582,560号に説明するように前処理することができる。
【0035】
疎水性ポリシロキサンで処理した物品の疎水性を低減するために、ポリシロキサン界面活性剤及び湿潤剤をポリシロキサンと共に用いることができる。これらのポリシロキサン界面活性剤及び湿潤剤は、非常に高レベルのエチレンオキシド側鎖を有し、もしあっても非常に少数のポリジアルキルシロキサン単位を有する低分子量低粘度の材料である。低粘度で高レベルの置換及び低レベルのポリジアルキルシロキサン単位は、これらのポリシロキサン界面活性剤が、これらのポリシロキサンで処理されるか又はポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有するティッシュシート及び/又はティッシュ製品に対して顕著な柔らかさの恩典をもたらすことを妨げる。更に、それらは、パルプ繊維に固定することができる基を有さず、従って、ティッシュ製造工程のウェットエンドで保持されない。界面活性剤ポリシロキサンが失われると、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、疎水性のティッシュシート及び/又はティッシュ製品を形成する場合がある。理論に縛られることは望まないが、本発明の親水性ポリシロキサンは、それが高分子量であり、ポリジアルキルシロキサン単位がポリシロキサン分子上に存在し、親水性ポリシロキサンがティッシュシート及び/又はティッシュ製品に保持されるようにポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができるアミノ基又は他の基がシリコーン分子上に存在するために、濡れ性及び柔らかさの両方を改善すると考えられている。
【0036】
本発明のポリシロキサン前処理パルプ繊維は、以下に限定されるものではないが、ティッシュ、タオル、ワイプ、湿潤ワイプ、及びパルプ繊維を用いる他のパーソナルケア製品を含む様々な用途に用いることができる。このようなティッシュシート及び/又はティッシュ製品を作るためには、以下に限定されるものではないが、湿式堆積、空気堆積、及び水圧交絡などを含むあらゆる工程を用いることができる。上述のように、前処理繊維は、湿式堆積ティッシュシートを調製するのに特によく適合し、このようなシートには、ティッシュ及びタオルシート及び得られるティッシュ及びタオル製品が含まれる。ティッシュシート及び/又はティッシュ製品は、本明細書で用いる場合、その嵩の点から他のティッシュ製品と区別される。本発明のティッシュシート及び/又はティッシュ製品の嵩は、ミクロンで表すキャリパー(以下に定める)をグラム/平方メートルで表す坪量で割った商として計算される。得られる嵩は、立方センチメートル/グラムで表される。筆記用紙、新聞用紙、及び他のこのような紙は、所定の坪量に対してキャリパーが遥かに大きい傾向がある本発明のティッシュ製品に比較して、強度、剛性、及び密度が大きい(嵩が低い)。本発明のティッシュシート及び/又はティッシュ製品の嵩は、約2cm3/g又はそれよりも大きく、より詳細には、約2.5cm3/g又はそれよりも大きく、より詳細には、約3cm3/g以上のとすることができる。
【0037】
本発明の多層ティッシュ製品の坪量及びキャリパーには、大きな幅があり、これは、特に層(ティッシュシート)の数に依存すると考えられる。無処理パルプ繊維を含む層のキャリパー及び嵩は、あらゆる値とすることができる。ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む1つ又は複数の層の個々のもののキャリパーは、約1200ミクロン以下、より詳細には、約1000ミクロン以下、より詳細には、約800ミクロン以下とすることができる。ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む1つ又は複数の層の個々のものの嵩は、約2g/cm3/又はそれよりも大きく、より詳細には、約2.5g/cm3又はそれよりも大きく、より詳細には、約3g/cm3以上のとすることができる。
【0038】
ポリシロキサンで前処理されていないパルプ繊維は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む1つ又は複数の層でポリシロキサンで前処理されたパルプ繊維と配合することができる。ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシートのあらゆる層でのポリシロキサン前処理パルプ繊維対無処理パルプ繊維の比は、大幅に変化させることができ、乾燥繊維ベースで重量で約5%〜約100%の範囲、より詳細には、乾燥繊維ベースで重量で約10%〜約100%の範囲、最も好ましくは、乾燥繊維ベースで重量で約10%〜約90%の範囲とすることができる。ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシート内のパルプ繊維(ポリシロキサン前処理パルプ繊維及び無処理パルプ繊維の両方)の総重量に対するポリシロキサン前処理パルプ繊維の総重量は、大幅に変化させることができ、乾燥パルプ繊維ベースで重量で約0.5%〜約100%の範囲、より詳細には、乾燥パルプ繊維ベースで重量で約5%〜約90%の範囲、最も詳細には、乾燥パルプ繊維ベースで重量で約10%〜約80%の範囲とすることができる。
【0039】
ティッシュシート内のポリシロキサンの総量は、大幅に変化させることができるが、ティッシュシートの総乾燥パルプ繊維重量の重量で約0.01%〜約5%の範囲、より詳細には、ティッシュシートの総乾燥パルプ繊維重量の重量で約0.02%〜約3%の範囲、最も好ましくは、ティッシュシートの総乾燥パルプ繊維重量の重量で約0.03%〜約2%の範囲と考えられる。
【0040】
本発明の特定的な実施形態では、ティッシュ製品は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有する非層状(配合)ティッシュシートを含む単層(single-ply)又は多層(multi-ply)ティッシュ製品である。本発明の別の実施形態では、ティッシュ製品は、多層製品の両方の外側ティッシュシートが、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む層状ティッシュシートである、2つの外面を有する多層ティッシュ製品である。ティッシュ製品の外面は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む層から成る。本発明の別の特定的な実施形態では、ティッシュ製品は、両方の外側層が前処理ポリシロキサンパルプ繊維を含み、少なくとも1つの内側層が無処理パルプ繊維を含む、少なくとも3層ティッシュシートを含む単層ティッシュ製品である。
【0041】
本発明の一実施形態では、3層構造を用いることができる。図2は、3つの層14、16、及び18から成るティッシュシート12を示す。図3は、多層ティッシュ製品10の2つの外側ティッシュシート12及び12aを示しており、外側ティッシュシート12及び12aは、3層構造を含む。ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有するティッシュシート12及び/又は12aの1つ又は複数の層は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有しない層に隣接している。無処理パルプ繊維を含有する隣接層の幅に対するポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有する1つ又は複数の層の相対幅は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む層内のパルプ繊維の重量%及びポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有しない隣接層内の無処理パルプ繊維の重量%から計算することができる。この重量比は、繊維分割としても公知であり、個々の層の幅を表すのに用いられる。
【0042】
単層又は多層ティッシュ製品10は、層状ティッシュシート12から作ることができる。図2を参照すると、単層層状ティッシュ製品10では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、ティッシュ製品10のティッシュシート12の第1の外側層14又は第2の外側層16又は第1及び第2の外側層14及び16の両方に存在することができる。単層ティッシュ製品10の一実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、第1及び第2の外側層14及び16に配置され、内側層18は、ポリシロキサンで前処理されていないパルプ繊維を含む。単層ティッシュ製品10の別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、第1及び第2の外側層14及び16の一方に配置され、内側層は、ポリシロキサンで前処理されないパルプ繊維を含み、他方の外側層16又は14は、無処理パルプ繊維を含む。本発明の別の実施形態では、図4に示すように、2層単層ティッシュ製品10では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、第1及び第2の外側層14又は16の一方のみに配置され、他方の外側層16又は14は、無処理パルプ繊維を含むことになる。このような2層実施形態では、内側層18は、2層単一ティッシュシート12に存在しないことは理解されるものとする。
【0043】
図3を参照すると、多層ティッシュ製品10では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、多層ティッシュ製品10の外面、それぞれ30及び32を形成するティッシュシート12及び12aの外側の第1の層14及び22の少なくとも一方に配置することができる。本発明の別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、多層ティッシュ製品10の外面30及び32を形成するティッシュシート、それぞれ12及び12aの第1の外側層14及び22に配置することができる。また、図3は、多層ティッシュ製品10の外側ティッシュシート12及び12aのみを表すことを認識すべきである。2つの外側シート12及び12aの間には、あらゆる数の付加的なティッシュシート12を含むことができる。付加的なティッシュシート12は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有してもしなくてもよい。無処理パルプ繊維を含むティッシュシート12は、層状とすることも非層状とすることもできる。
【0044】
本発明の一部の実施形態では、図3に示すように、第1の外側層14及び22の説明が第2の外側層16及び20にも当て嵌めることができることは理解されるものとする。更に、本発明の一部の実施形態では、第1の外側層14及び22、第2の外側層16及び20、及び内側層18及び24の説明は、多層ティッシュ製品10に組み込むことができる付加的なティッシュシート12にも当て嵌めることができる。
【0045】
ティッシュシート12は、ティッシュシート12aと同じでも同じでなくてもよいが、12及び12aという呼称は、本発明の多層ティッシュ製品10内の様々なティッシュシート12の間を更に明確に区別するために与えられることは理解されるものとする。また、本発明のティッシュシート12(及びティッシュシート12及び12a)は、ティッシュシート12(又はティッシュシート12及び12a)が異なるパルプの種類及び/又はパルプの種類の異なる%及び無処理パルプ繊維に対するポリシロキサン前処理パルプ繊維の異なる%を含むことができるという点で同じであっても又はそうでなくてもよいことも理解されるものとする。
【0046】
本発明の別の実施形態では、多層ティッシュ製品10では、2つの外側ティッシュシート12及び12aの第1の外側層14及び22にポリシロキサン前処理パルプ繊維を配置することができ、ティッシュシート12及び12aの内側層16、18、20、及び24の少なくとも1つは、ポリシロキサンで前処理されていないパルプ繊維から成る。本発明の別の実施形態では、多層ティッシュ製品10は、2つの外側ティッシュシート12及び12aの第1の外側層14及び22、並びに第2の外側層16及び20にポリシロキサン前処理パルプ繊維を配置することができ、ティッシュシート12及び12aの内側の1つ又は複数の層18及び24を無処理パルプ繊維で構成することができる。
【0047】
本発明の一部の実施形態では、ティッシュ製品10は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む外側の1つ又は複数の層14及び/又は22(又は、外側層14及び/又は16)が、無処理パルプ繊維を含む内側層(例えば、図3に示すような内側層18及び/又は24又は図2に示すような内側層18)に隣接するようにティッシュシート12及び/又は12aのポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む外側の1つ又は複数の層(例えば、図3に示すような外側層14及び/又は22又は図2に示すような外側層14及び/又は16)を位置決めすることが望ましい。本発明の別の実施形態では、層状単層ティッシュ製品10の第1及び第2の外側層14及び16の一方は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むことができ、他方の外側層16又は14は、無処理パルプ繊維を含み、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む外側層14又は16に隣接している。
【0048】
ティッシュ製品10及び/又はティッシュシート12の吸収性は、「ウェットアウト時間」で判断することができる。本明細書で用いる場合、「ウェットアウト時間」という用語は、吸収性に関連し、これは、ティッシュシート12の所定のサンプルが水に入れられた時に完全に湿潤するのにかかる時間である。本発明のティッシュシート12に対する「ウェットアウト時間」(以下では、定義されたものとする)は、約180秒以下、より詳細には、約120秒以下、より詳細には、約60秒以下、より詳細には、約30秒以下とすることができる。
【0049】
多層ティッシュ製品10では、互いに対するティッシュシート12及び12aの全体的な配向を変えることができる。しかし、ポリシロキサン処理は、一般的にティッシュシート12又は最終的なティッシュ製品10の局所的又は表面柔らかさを改善するために施されるために、本発明の多層ティッシュ製品10の実施形態は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む層(例えば、図3に示すような14及び/又は22、又は図2に示すような14及び/又は16)を含む少なくとも1つの外面30及び/又は32を有し、従って、高レベル又は最高レベルのポリシロキサンを含むティッシュシート12及び12aの少なくとも一方の層が使用者の皮膚に接触する外面30及び/又は32に位置するように外向きに位置決めされる。
【0050】
本発明の別の実施形態では、ティッシュ製品10は、硬材及び軟材クラフトパルプ繊維を含むことができる。本発明の他の実施形態では、少なくとも1つのティッシュシート12が、硬材及び軟材クラフトパルプ繊維を含むことができる。一部の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維が硬材クラフトパルプ繊維を含むことが望ましい場合がある。また、本発明の一部の実施形態では、ティッシュ製品10の外面30及び/又は32を形成するティッシュシート12の外側層の少なくとも1つに硬材クラフトパルプ繊維で構成されたポリシロキサン前処理パルプ繊維を配置することも望ましい場合がある。本発明のこの実施形態の変形では、ティッシュ製品10のティッシュシート12の残りの層は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含んでも含まなくてもよく、層及び/又はティッシュシート12の順序は、どのような順序でもよい。本発明のティッシュ製品10には、あらゆる数の付加的な層及び/又はティッシュシート12を用いることができる。より詳細には、一実施形態によれば、ティッシュ製品10は、単層製品である。ティッシュシート12は、3つの層14、16、及び18から成る構造を有する。第1の外側層14は、硬材クラフトパルプ繊維から成るポリシロキサン前処理パルプ繊維を含み、ティッシュ製品10の外面30を形成する。内側層18は、ポリシロキサンで前処理されていない軟材クラフトパルプ繊維を含む。第2の外側層16は、硬材クラフトパルプ繊維から成る無処理パルプ繊維を含み、ティッシュ製品10の外面32を形成する。本発明の別の実施形態では、ティッシュシート12は、3つの層14、16、及び18から成る構造を有する。第1の外側層14は、硬材クラフトパルプ繊維から成るポリシロキサン前処理パルプ繊維を含み、ティッシュ製品10の外面30を形成する。内側層18は、硬材クラフトパルプ繊維から成る無処理パルプ繊維を含む。第2の外側層16は、軟材クラフトパルプ繊維から成る無処理パルプ繊維を含み、ティッシュ製品10の外面32を形成する。
【0051】
本発明の別の実施形態では、単層ティッシュ製品10は、図2に示すような第1及び第2の外側層14及び16がポリシロキサン前処理パルプ繊維を含み、内側層18が無処理パルプ繊維を含む、3層ティッシュシート12を含むことができる。
本発明の別の態様では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品は、界面活性剤を積層するか又は2次的に付加することを必要とせずに親水性が改善したことを示すものである。高レベルのポリシロキサン前処理パルプ繊維を本発明のティッシュシート及び/又はティッシュ製品に組み込むことができ、従って、これを用いてこれらのティッシュ製品に付加的な柔らかさの恩典を与えることができる。
【0052】
本発明のポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の1つの特定の態様は、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品が高レベルのポリジアルキルシロキサンを含有することができ、しかもティッシュシート及び/又はティッシュ製品のポリシロキサン前処理パルプ繊維が、破砕再パルプ化工程を通して、シリコーン保持係数で測定されるポリジアルキルシロキサン、及びエージング水滴試験で測定されるその親水性の両方を保持することができることである。これらの特性は、本明細書で後に説明する方法により、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のポリジアルキルシロキサン含量及びウェットアウト時間を測定し、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を再パルプ化して再パルプ化ティッシュパルプ繊維100%でハンドシートを調製し、再パルプ化ティッシュパルプ繊維で作られたハンドシートのポリジアルキルシロキサン含量及びエージングしたウェットアウト特性の両方を測定することによって判断することができる。
【0053】
本発明の別の態様では、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のポリジアルキルシロキサン含量は、約0.2%を超える量〜約2%を超える量とすることができる。本発明の別の態様では、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のシリコーン保持係数は、約60%以上のとすることができる。本発明の別の態様では、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のシリコーン保持係数は、約75%以上のとすることができる。本発明の別の態様では、ポリシロキサン前処理ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のシリコーン保持係数は、約90%以上のとすることができる。
【0054】
パルプ繊維
本発明のティッシュシート及び/又はティッシュ製品に用いるのに、様々な天然及び合成パルプ繊維が適切である。パルプ繊維には、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、サーモメカニカルパルプなどのような様々なパルプ化工程で形成された繊維を含むことができる。更に、パルプ繊維は、いずれかの平均繊維長さが長いパルプ、平均繊維長さが短いパルプ、又はその混合物から成ることができる。天然パルプ繊維種のいずれも、本発明のポリシロキサンで前処理することができる。
【0055】
適切な平均長さが長いパルプ繊維の一例には、軟材クラフトパルプ繊維が含まれる。軟材クラフトパルプ繊維は、針葉樹由来であり、以下に限定されるものではないが、北方軟材、南方軟材、レッドウッド、ベイスギ、アメリカツガ、マツ(例えば、南方マツ)、トウヒ(例えば、クロトウヒ)、及びその組合せなどのようなパルプ繊維が含まれる。本発明には、北方軟材クラフトパルプ繊維を用いることができる。本発明に用いるのに適する市販の北方軟材クラフトパルプ繊維の一例には、ウィスコンシン州ニーナ所在の「Kimbery−Clark Corporation」から商品名「Longlac−19」で入手可能なものが含まれる。
【0056】
平均長さが短い繊維は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさを増大させるのに用いられることが多い。適切な平均長さの短いパルプ繊維の例は、いわゆる硬材クラフトパルプ繊維である。硬材クラフトパルプ繊維は、落葉樹由来であり、以下に限定されるものではないが、ユーカリ、カエデ、カバノキ、及びポプラなどのようなパルプ繊維が含まれる。いくつかの例では、ティッシュシートの柔らかさを増大させるのに、ユーカリクラフトパルプ繊維が特に望ましいことがある。また、ユーカリクラフトパルプ繊維は、白色度を増大させ、不透明度を増大させ、ティッシュシートの孔構造を変化させてその吸上げ機能を増大させることができる。更に、必要に応じて、例えば新聞用紙、再生板紙、及び事務廃棄物のような供給源からの繊維パルプのような再生材料から得られる2次的パルプ繊維を用いることもできる。
【0057】
本発明の一部の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、硬材クラフトパルプ繊維から、軟材クラフトパルプ繊維から、又は硬材及び軟材クラフトパルプ繊維の配合物から構成することができる。本発明の一実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維の長さは、短い平均長さとすることができ、硬材クラフトパルプ繊維が含まれる。一部の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、ユーカリ、カエデ、カバノキ、ポプラのような単一種とすることができ、又はその様々な硬材パルプ繊維種の配合物とすることができる。層状ティッシュシートが用いられる本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つの外側層(例えば、図2に示すような14及び/又は16、及び図3に示すような14及び/又は22)は、主に硬材クラフトパルプ繊維から成るポリシロキサン前処理パルプ繊維で構成することができる。本発明の他の層状ティッシュシート実施形態では、外側層(例えば、図2に示すような14及び/又は16、及び図3に示すような14及び/又は22)は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維、無処理パルプ繊維、又はポリシロキサン前処理パルプ繊維と無処理パルプ繊維との配合物とすることができる軟材クラフトパルプ繊維と配合することができる硬材クラフトパルプ繊維から成るポリシロキサン前処理パルプ繊維で構成することができる。本発明の一部の実施形態では、存在する場合には、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有する層内の軟材クラフトパルプ繊維(ポリシロキサン前処理又は無処理)の量は、層内の総乾燥パルプ繊維の重量で約20%以下、層内の総乾燥パルプ繊維の重量で約15%以下、又は層内の総乾燥パルプ繊維の重量で約10%以下とされることになる。本発明の別の実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、北方硬材クラフトパルプ繊維及びユーカリ硬材クラフトパルプ繊維を含む硬材クラフトパルプ繊維である。
【0058】
ティッシュ製品又はティッシュシート内の硬材クラフトパルプ繊維の軟材クラフトパルプ繊維に対する全体的な比率は、広く変化させることができる。しかし、本発明の一部の実施形態では、ティッシュ製品は、硬材クラフトパルプ繊維の軟材クラフトパルプ繊維に対する比率が約9:1〜約1:9、より詳細には、約9:1〜約1:4、最も詳細には、約9:1〜約1:3である硬材クラフトパルプ繊維及び軟材クラフトパルプ繊維(ポリシロキサン前処理パルプ繊維及び/又は無処理パルプ繊維)の配合物を含むことができる。本発明の一実施形態では、硬材クラフトパルプ繊維及び軟材クラフトパルプ繊維(ポリシロキサン前処理パルプ繊維及び/又は無処理パルプ繊維)は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のz方向に硬材クラフトパルプ繊維及び軟材クラフトパルプ繊維の不均一な分布をもたらすように層状にすることができる。別の実施形態では、硬材クラフトパルプ繊維(ポリシロキサン前処理パルプ繊維及び/又は無処理パルプ繊維)は、ティッシュ製品10の外側層(ティッシュ製品10の外面30及び32を形成する図2に示す14及び/又は16、又は図3に示す14及び/又は22のような外側層)の少なくとも1つに位置することができ、少なくとも1つの内側層は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有しない軟材クラフトパルプ繊維を含むことができる。
【0059】
更に、合成繊維を用いることもできる。ポリシロキサンで前処理していないパルプ繊維に関する本明細書の説明は、合成繊維を含むように理解されるものとする。合成繊維を形成するのに用いることができるいくつかの適切なポリマーには、以下に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレンなどのようなポリオレフィンと、ポリエチレンテレフタレート、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリβ−マレイン酸(PMLA)、ポリε−カプロラクトン(PCL)、ポリp−ジオキサノン(PDS)、及びポリ3−ヒドロキシブチレート(PHB)などのようなポリエステルと、ナイロンなどのようなポリアミドとが含まれる。本発明には、以下に限定されるものではないが、セルロースエステルと、セルロースエーテルと、セルロースニトレートと、セルロースアセテートと、セルロースアセテートブチレートと、エチルセルロースと、ビスコースと、レーヨンなどのような再生セルロースと、綿と、亜麻と、麻と、その混合物とを含む合成又は天然セルロースポリマーを用いることができる。合成繊維は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品の層、無処理パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品の層、又はティッシュシート及び/又はティッシュ製品のいずれか又は全ての層に位置することができる。ティッシュシートに関して説明したように、本発明の多層ティッシュ製品では、合成繊維は、多層ティッシュ製品のいずれか又は全てのティッシュシートに位置することができる。
【0060】
ポリシロキサン
本発明のポリシロキサンの特定の構造により、パルプ繊維及びティッシュシート及び/又はティッシュ製品に望ましいティッシュ製品特性を付与することができる。ポリシロキサンは、非常に広い部類の化合物を含む。これらは、以下のバックボーン構造を有することを特徴とする。
【0061】
【化2】

【0062】
ここで、R’及びR”は、このような基の混合物を含む広範囲の有機及び非有機基とすることができ、nは、整数≧2である。これらのポリシロキサンは、直鎖、分岐状、又は環状とすることができる。これには、様々な組成の官能基を含有する様々なポリシロキサンコポリマーを含むことができ、従って、R’及びR”は、実際には、同じポリマー分子内の多くの異なる種類の基を表すことができる。有機基又は非有機基は、パルプ繊維と反応し、ポリシロキサンをパルプ繊維に共有結合、イオン結合、又は水素結合することができる。また、これらの官能基は、それ自体と反応してパルプ繊維と架橋マトリックスを形成することができる。本発明の範囲は、そのポリシロキサン構造により上述の製品の恩典がティッシュシート及び/又は最終的なティッシュ製品に与えられる限り、特定のポリシロキサン構造に限定されるように解釈すべきではない。
【0063】
「ポリジアルキルシロキサン」という用語は、本明細書で用いる場合、上に定めたポリシロキサン分子の部分を意味し、ただし、R’及びR”は、C1〜C30の脂肪族炭化水素基である。本発明の一実施形態では、R’及びR”は、いわゆるポリジメチルシロキサン単位を形成するメチル基とすることができる。理論に縛られることは望まないが、ポリジアルキルシロキサン単位は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさを増大させることができると考えられる。本発明の目的には、ポリジアルキルシロキサン単位を含む官能性ポリシロキサンを用いることができる。ポリシロキサンポリマー上には、ジアルキルシロキサン単位に加えて様々な官能基が存在することができる。更に、ポリシロキサンの組合せを用いて望ましいティッシュシート及び/又はティッシュ製品を精製することができる。
【0064】
親水性ポリシロキサンと配合される本発明に用いるのに適する特定の部類の疎水性ポリシロキサンは、以下の一般式を有することができる。
【0065】
【化3】

【0066】
ここで、R1〜R8成分は、独立に、C1以上のアルキル基、アリール基、エーテル、ポリエーテル、ポリエステル、アミン、イミン、アミド、又はこのような基のアルキル及びアルケニル類似物を含む他の官能基を含むあらゆる有機官能基とすることができ、yは、整数>1である。より詳細には、R1〜R8成分は、独立に、アルキル基の混合物を含むあらゆるC1以上のアルキル基とすることができる。本発明に有用とすることができるポリシロキサンの例は、ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Corning,Inc.」で製造販売される「DC−200」流体シリーズ及び「HMW−2200」に含まれるものである。
【0067】
本発明に用いることが特に適切な疎水性ポリシロキサンの付加的な例は、いわゆるアミノ官能性ポリシロキサンである。本発明では、以下の一般構造を有するこれらのアミノ官能性ポリシロキサンを有用とすることができる。
【0068】
【化4】

【0069】
ここで、x及びyは、整数>0である。xの(x+y)に対するモル比は、約0.001〜約0.25とすることができる。R1〜R9成分は、独立に、C1以上のアルキル基、アリール基、エーテル、ポリエーテル、ポリエステル、アミン、イミン、アミド、又はこのような基のアルキル及びアルケニル類似物を含む他の官能基を含むあらゆる有機官能基とすることができる。R10成分は、以下に限定されるものではないが、一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アミン、非置換アミド、及びその混合物を含むアミノ官能基とすることができる。一実施形態では、R10成分は、C1以上の直鎖又は分岐アルキル鎖で分離された少なくとも1つのアミン基/構成成分又は2つ又はそれよりも多くのアミン基/置換基を含むことができる。本発明に有用とすることができるいくつかのポリシロキサンの例には、以下に限定されるものではないが、ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Corning,Inc.」から市販されている「DC2−8220」、「DC−8175」、及び「DC−8182」、コネチカット州グリニッチ所在の「Crompton,Corp.」から市販されている「Y−14344」、及びミシガン州エイドリアン所在の「Wacker,Inc.」から市販されている「AF−23」を含むことができる。
【0070】
本発明のポリシロキサン前処理パルプ繊維には、少なくとも1つの親水性ポリシロキサンが組み込まれている。このようなポリシロキサンは、他の官能性ポリシロキサンに全体的又は部分的に組み込まれ、パルプ繊維及びティッシュシート及び/又はティッシュ製品に必要な親水性をもたらすことができる。よく用いられる部類の1つの親水性ポリシロキサンは、いわゆるポリエーテルポリシロキサンである。このようなポリシロキサンは、一般的に、以下の構造を有する。
【0071】
【化5】

【0072】
ここで、zは、整数>0であり、xは、整数≧0である。xの(x+z)に対するモル比は、約0〜約0.95とすることができる。R0〜R9成分は、独立に、C1以上のアルキル又はアリール基、又はこのような基の混合物を含むあらゆる有機官能基とすることができる。R11は、一般式:−R12−(R13−O)a−(R14O)b−R15を有するポリエーテル官能基とすることができ、ここで、R12、R13、及びR14は、独立に、直鎖又は分岐C1〜C4アルキル基、R15は、H又はC1〜30アルキル基、「a」及び「b」は、約1〜約100、より詳細には、約5〜約30の整数である。市販のポリエーテルポリシロキサンの例は、「Dow Corning」から入手可能な「DC−1248」である。これらのポリシロキサンは、当業技術で広く教示されており、疎水性ポリシロキサンと組み合わせて用いられるが、以下の例で明らかにするように、前処理パルプ繊維の場合は、これらを親水性を付与するために用いることは不可能である。この特定の構造の親水性ポリシロキサンは、ポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができる官能基を欠いている。従って、ポリエーテルポリシロキサンは、ティッシュ又は製紙のような湿式堆積工法に用いられると、ポリシロキサン前処理パルプ繊維から除去される。ポリエーテルポリシロキサンが失われると、ポリエーテルポリシロキサンによってポリシロキサン前処理パルプ繊維で作られた最終的なティッシュシート及び/又はティッシュ製品に与えることが意図されていた柔らかさ又は親水性の恩典が幾分又は全て失われるであろう。
【0073】
本発明で用いるのに特に適する官能性を持たせた親水性ポリシロキサンの部類は、親水性ポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができる付加的な官能基を含むポリエーテルポリシロキサンである。従って、親水性ポリシロキサンは、湿式堆積製紙工程中にポリシロキサン前処理パルプ繊維に保持される。このようなポリシロキサンは、一般的に、次の構造を有することができる。



【0074】
【化6】

【0075】
ここで、zは、整数>0であり、x及びyは、整数≧0である。xの(x+y+z)に対するモル比は、約0〜約0.95とすることができる。yの(x+y+z)に対する比は、約0〜約0.4とすることができる。R0〜R9成分は、独立に、C1以上のアルキル基、アリール基、エーテル、ポリエーテル、ポリエステル、又はこのような基のアルキル及びアルケニル類似物を含む他の官能基を含むあらゆる有機官能基とすることができる。R10成分は、ポリシロキサンをセルロースに実質的に固定することができる成分である。本発明の特定的な実施形態では、R10成分は、以下に限定されるものではないが、一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アミン、非置換アミド、及びその混合物を含むアミノ官能基である。例示的なアミノ官能基は、C1以上の直鎖又は分岐アルキル鎖で分離された少なくとも1つのアミン基/構成成分又は2つ又はそれよりも多くのアミン基/置換基を含有することができる。R11は、一般式:−R12−(R13−O)a−(R14O)b−R15を有するポリエーテル官能基とすることができ、ここで、R12、R13、及びR14は、独立に直鎖又は分岐C1〜C4アルキル基、R15は、H又はC1〜30アルキル基、「a」及び「b」は、約1〜約100、より詳細には、約5〜約30の整数である。本発明で有用とすることができるアミノ官能性ポリシロキサンの例には、ミシガン州エイドリアン所在の「Wacker,Inc.」により製造販売され、商品名「Wetsoft CTW」群で供給されるポリシロキサンを含むことができる。このようなポリシロキサンの他の例は、2002年8月13日Liu他に付与された米国特許第6,432,270号、2003年6月29日にLiu他に付与された米国特許第6,599,393号、2003年1月28日Liuに付与された米国特許第6,511,580号、2003年2月4日にLiuに付与された米国特許第6,514,383号、2001年5月22日にSchroeder他に付与された米国特許第6,235,155号、及び2003年10月14日にSchroeder他に付与された米国特許第6,632,904号に見ることができ、この開示内容は、本明細書に矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。本発明の別の態様では、ポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができる成分は、ポリシロキサンポリマーの親水性セグメント内に又は他のR0〜R11成分の1つの上に組み込むことができる。このような場合には、親水性ポリシロキサンに対する上述の構造のyの値は、0とすることができる。
【0076】
ポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができるR10又は他の成分の特定の量は、本発明では、望ましいシリコーン保持係数が満たされるように変えることができ、実質的に固定する基の量又は性質は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維で作られたティッシュシート及び/又はティッシュ製品においてニットの存在が減少するようにすべきである。これらのニットは、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品中に白斑を出現させる繊維/ポリマー束として説明されるものである。これらの白斑は、一般的に、大きさが1平方ミリメートル以上の程度であることになる。ニット数とは、ポリシロキサン前処理パルプ繊維で調製した7.5”×7.5”ハンドシートのニットの数を意味する。ポリシロキサン前処理パルプ繊維で作られたハンドシートのニット数は、より詳細には、約10以下、より詳細には、約5以下、より詳細には、約3以下とすべきである。
【0077】
本発明の親水性ポリシロキサンは、パルプ繊維上で疎水性ポリシロキサンと配合することにより、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を生成することができ、ポリシロキサン前処理パルプ繊維により、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を組み込んだティッシュシート及び/又はティッシュ製品に許容可能な親水性が付与される。処理剤として用いられる親水性ポリシロキサンに対する疎水性ポリシロキサンの比は、約0:1〜約9.9:0.1、別の態様では、約0:1〜約9:1、更に別の態様では、約0:1〜約4:1の範囲とすることができる。
【0078】
ポリシロキサン前処理パルプ繊維
ポリシロキサン前処理パルプ繊維の調製は、2003年6月24日にRunge他に付与された米国特許第6,582,560号に説明されているような方法により達成することができる。このようにポリシロキサンで処理されたパルプ繊維は、ティッシュ製造工程を通してポリシロキサンの良好な保持を示すことが見出されている。更に、ティッシュ製造工程で繊維から脱着する場合があるポリシロキサンは、無処理パルプ繊維に吸着される傾向がほとんどないか全くないことが見出されている。ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、重量で約0.1%〜約20%ポリシロキサン、より詳細には、重量で約0.2%〜約10%のポリシロキサン、最も詳細には、重量で約0.3%ポリシロキサン〜約5%ポリシロキサンを含有することができる。
【0079】
ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品の層内の乾燥パルプ繊維に基づき重量で約2%〜約100%、より詳細には、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む1つ又は複数の層内の乾燥パルプ繊維の重量で約10%〜約100%、最も詳細には、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む層の乾燥パルプ繊維の重量で約15%〜約100%を構成することができる。
【0080】
付加の方法
本発明のポリシロキサンは、主張する製品の恩典が損なわれない限り、あらゆる方法及び形態によりパルプ繊維に付加することができる。ポリシロキサンは、水性乳剤又は分散液として、有機流体又は非有機流体媒体の溶液として、又は付加された溶媒、乳化剤、又は他の薬剤を含まない純ポリシロキサンとしてパルプ繊維に供給することができる。
ポリシロキサンをパルプ繊維に加えてポリシロキサン前処理パルプ繊維を形成することができる方法は、当業技術で公知のあらゆる方法とすることができる。1つの方法は、稠度が約95%又はそれよりも大きくなるまでパルプ繊維を乾燥させ、続いてパルプ繊維をティッシュ機械で水に再び分散させる前にポリシロキサンをパルプ繊維に付加することである。ポリシロキサンは、パルプ製造機でパルプ繊維に加えることができる。パルプ繊維は、ティッシュ製造工程中にパルプ繊維を分散する前に一度乾燥するだけである。ポリシロキサンをパルプ繊維に加えるための他の実施形態には、ポリシロキサンのエーロゾル又はスプレーと組み合わせて粉砕又はフラッシュ乾燥したパルプ繊維が空気流で連行される段階が組み込まれ、以下に限定はしないが、ポリシロキサン前処理パルプ繊維がティッシュシート及び/又はティッシュ製品に組み込まれる前に個々のパルプ繊維が処理されるようにした工程が含まれる。本発明と共に2次的工程が含まれる他の実施形態を用いることもできる。このような工程の例には、以下が含まれるが、これに限定はされない。
・無処理の一度乾燥したパルプ繊維のスラリーを調製し、無処理パルプ繊維を脱水及び乾燥して無処理パルプ繊維の部分乾燥又は乾燥ウェブを形成し、無処理パルプ繊維の部分乾燥又は乾燥ウェブをポリシロキサンで処理して部分乾燥又は乾燥ポリシロキサン前処理パルプ繊維ウェブを形成し、上記の部分乾燥又は乾燥ポリシロキサン前処理パルプ繊維ウェブを更に乾燥してポリシロキサン前処理パルプ繊維を含む乾燥ポリシロキサン前処理パルプ繊維ウェブを形成する段階、及び
・乾燥又は部分乾燥無処理パルプ繊維のロールにポリシロキサンを直接付加し、ポリシロキサン前処理パルプ繊維のロールを形成する段階。
このような2次的工程を用いてパルプ繊維をポリシロキサンで前処理することができるが、このような工程を用いると、全体的なティッシュ製品特性又は特質に対する相当な経済的不利益のような望ましくない問題が引き起こされる場合があることを理解すべきである。
【0081】
ポリシロキサンを部分乾燥又は乾燥パルプ繊維ウェブに付加してポリシロキサン前処理パルプ繊維を形成する段階は、以下を含むがこれに限定されない当業技術で公知のあらゆる方法で達成することができる。
・グラビア印刷、オフセットグラビア印刷、及びフレキソ印刷などのような密着焼付け法。
・パルプ繊維ウェブに付加するスプレー。例えば、スプレーノズルを移動パルプ繊維ウェブの上方に装着し、望ましい用量の溶液を湿潤パルプ繊維ウェブに付加することができる。更に、ネプライザを用いてパルプ繊維ウェブの表面に軽い霧を付加することもできる。
・インクジェット印刷、及びあらゆる種類のデジタル印刷などのような非密着焼付け法。
・パルプ繊維ウェブの片側又は両側表面へのコーティング、例えば、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、ショートドエルコーティング、キャストコーティング、及びサイズプレスなど。
・テネシー州ジャクソン所在の「ITW Dynatec」から入手可能な「UFD」スプレーチップのようなダイヘッドから溶液、分散液又は乳剤、又は粘度混合物の形態でポリシロキサンを押し出すこと。
・ポリシロキサンをパルプ繊維ウェブに差圧の影響下で局所的に付加するか又は含浸する(例えば、発泡材の真空補助含浸)ためにポリシロキサンを湿潤又は乾燥パルプ繊維ウェブに泡状態で付加すること(例えば、発泡仕上げ)。結合剤のような添加剤の泡状態付加の原理は、1981年11月3日にPacifici他に付与された米国特許第4,297,860号及び1988年9月27にG.J.Hopkinsに付与された米国特許第4,773,110号に説明されており、この両特許の開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。
・S.Eichhornの名前の下で2001年6月12日に公開されたWO01/49937に開示しているように、スプレー又は他の手段により移動ベルト又は布にポリシロキサンが付加され、これが次にパルプ繊維ウェブに接触してポリシロキサンがパルプ繊維ウェブに付加されること。
【0082】
ティッシュの調製
ティッシュ機械では、乾燥ポリシロキサン前処理パルプ繊維が水と混合され、ポリシロキサン前処理パルプ繊維の少なくとも1つのパルプ繊維スラリーが形成され、この場合、ポリシロキサンは、ポリシロキサンで前処理された個々のパルプ繊維に保持することができる。また、無処理パルプ繊維も、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むパルプ繊維スラリーに加えることができる。ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むパルプ繊維スラリーと同じように、無処理又はポリシロキサン前処理パルプ繊維を用いてあらゆる数の任意的なパルプ繊維スラリーを調製することができる。本発明の一実施形態では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むパルプ繊維スラリー及び無処理パルプ繊維を含む少なくとも1つのパルプ繊維スラリーを層状ヘッドボックスまで通すことができる。パルプ繊維スラリーは、層状ヘッドボックスから移動ワイヤ又はベルト上に堆積することができ、そこで、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むパルプ繊維スラリーを層状ヘッドボックスの外側層の少なくとも1つに導くことができる。パルプ繊維スラリーが堆積して湿潤層状ティッシュシート12を形成するが、ポリシロキサン前処理パルプ繊維は、湿潤ティッシュシート12の外側層の少なくとも1つ(例えば、図2に示す外側層14及び/又は16、又は図3に示す外側層14、16、20、及び/又は22)を含むことができる。湿潤層状ティッシュシート12は、脱水、乾燥、及び処理して乾燥ティッシュシート12を形成することができる。乾燥ティッシュシート12は、ティッシュ製品10に変換することができる。
【0083】
処理されるティッシュシート12は、当業技術で公知のあらゆる方法で作ることができる。ティッシュシート12は、希薄な水性繊維スラリーを移動ワイヤ上に配置して繊維を濾過して除き、初期ウェブを形成し、これが次に吸込み箱、ウェットプレス、及び乾燥ユニットなどを含むユニットの組合せにより脱水される公知の製紙技術で形成されたティッシュシート12のように湿式堆積させることができる。公知の脱水及び他の作業の例は、1997年8月12日にFarrington他に付与された米国特許第5,656,132号に与えられている。また、共にS.C.Chuang他に付与された1997年2月4日付けの米国特許第5,598,643号及び1985年12月3日付けの第4,556,450号に開示しているように、毛管脱水を用いてウェブから水を除去することができる。
【0084】
本発明のティッシュシート及び/又はティッシュ製品には、しぼ寄せ及び非しぼ寄せの製造法を用いることができる。非しぼ寄せティッシュ生成は、1998年6月30日にFarrington,Jr.に付与された米国特許第5,772,845号に開示されており、その開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。しぼ寄せティッシュ生成は、Ampulski他に1997年6月10日に付与された米国特許第5,637,194号、1985年7月16日にTrokhanに付与された米国特許第4,529,480号、2000年8月15日にOriaran他に付与された米国特許第6,103,063号、及び1984年4月3日にWells他に付与された米国特許第4,440,597号に開示されており、その全ての開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。また、上述のポリシロキサンの付加に適するものは、1985年4月30日にJohnson他に付与された米国特許第4,514,345号、1985年7月9日にTrokhanに付与された第4,528,239号、1992年に3月24日に付与された第5,098,522号、1993年11月9日にSmurkoski他に付与された第5,260,171号、1994年1月4日にTrokhanに付与された第5,275,700号、19947月12日にRasch他に付与された第5,328,565号、1994年8月2日にTrokhan他に付与された第5,334,289号、1995年7月11日にRasch他に付与された第5,431,786号、1996年3月5日にSteltjes,Jr.他に付与された第5,496,624号、1996年3月19日にTrokhan他に付与された第5,500,277号、1996年5月7日にTrokhan他に付与された第5,514,523号、1996年9月10日にTrokhan他に付与された第5,554,467号、1996年10月22日にTrokhan他に付与された第5,566,724号、1997年4月29日にTrokhan他に付与された第5,624,790号、及び1997年5月13日にAyers他に付与された第5,628,876号のいずれかに開示されたウェブのようなパターン緻密化又は刻印されたティッシュシート及び/又はティッシュ製品であり、これらの全ての開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。このような刻印ティッシュシート及び/又はティッシュ製品は、刻印布によりドラムドライヤに対して刻印された緻密領域の網状組織、及び刻印布のたわみ溝に対応する比較的緻密化されていない領域(例えば、ティッシュシートの「ドーム」)を有することができ、たわみ溝の上に重なったティッシュシート及び/又はティッシュ製品が、たわみ溝にわたって気圧差により撓み、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品に低密度枕状領域又はドームを形成している。
【0085】
本発明のティッシュシート及び/又はティッシュ製品の製造では、様々な乾燥作業が有用である場合がある。このような乾燥方法の例には、以下に限定されるものではないが、1994年10月11日にOrloffに付与された米国特許第5,353,521号及び1997年2月4日にOrloff他に付与された米国特許第5,598,642号に開示されたようなドラム乾燥、通気乾燥、過熱蒸気乾燥のような蒸気乾燥、排水脱水、ヤンキー乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、一般的な高周波乾燥、及び衝撃乾燥が含まれ、この両特許の開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。他の乾燥技術を用いることもでき、例えば、気体圧力差を用いる方法は、2000年8月1にHermans他に付与された米国特許第6,096,169号及び2000年11月7日にHada他に付与された米国特許第6,143,135号に開示されたような空気圧縮の使用が含まれ、この両特許の開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。また、1993年7月27日にAndersson他に付与された米国特許第5,230,776号に開示された製紙機械も関連性がある。
【0086】
任意的な化学添加剤
また、本発明の水性パルプ繊維スラリー及び/又は初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品には、任意的な化学添加剤を加えてティッシュシート及び/又はティッシュ製品及び工程に付加的な恩典を付与することができ、かつ本発明の意図する恩典に拮抗しない。以下の化学添加剤は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含むティッシュシートティッシュ製品に付加することができる付加的な化学処理剤の例である。化学添加剤は、例示的に含まれるものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。このような化学添加剤は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の形成の前又は後の製紙工程のあらゆる時点で加えることができる。更に、化学添加剤は、パルプ繊維の前処理の間にポリシロキサンと共に加えることによってポリシロキサン前処理パルプ繊維を形成することができ、従って、化学添加剤は、ポリシロキサン前処理パルプ繊維と併せて加えることができる。任意的に、化学添加剤は、パルプ化工程中に、ポリシロキサンで前処理されていないパルプ繊維、従って無処理パルプ繊維に加えることができる。
【0087】
また、任意的な化学添加剤は、当業技術で公知のようにティッシュシート及び/又はティッシュ製品の特定の層に用いることができ、又はティッシュシート及び/又はティッシュ製品全体に用いることができることは理解されるものとする。例えば、層状ティッシュシート構成では、軟材パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品の層のみに強化剤を加えることができ、及び/又は硬材パルプ繊維を含むティッシュシート及び/又はティッシュ製品の層のみに嵩剥離剤を加えることができる。化学添加剤は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の他の無処理層に相当移動することがあるが、化学添加剤がティッシュシート及び/又はティッシュ製品の全ての層に対等に加えられる時よりも多くの恩典を達成することができる。任意的な化学添加剤をこのように層状にすることは、本発明において有用であろう。
【0088】
荷電制御剤
荷電促進剤及び制御剤は、製紙工程では、工程のウェットエンドで製紙完成紙料のゼータ電位を制御するために一般的に用いられる。これらの化学種は、陰イオン性又は陽イオン性とすることができるが、通常は陽イオン性であり、ミョウバンのような天然由来材料又は一般的に分子量が500,000未満の低分子量高荷電密度合成ポリマーのいずれかとすることができる。また、完成サンプルには、形成、排水、及び微粉保持を改善するために排水及び保持助剤も加えることができる。保持及び排水助剤に含まれるものは、表面積が大きくて陰イオン性荷電密度が大きい材料を含有する微小粒子システムである。
【0089】
強度添加剤
また、湿潤及び乾燥強化剤もティッシュシート及び/又はティッシュ製品に加えることができる。本明細書で用いる場合、「湿潤強化剤」という用語は、湿潤状態でパルプ繊維間の結合を固定化するのに用いられる材料である。一般的に、パルプ繊維をティッシュシート及びティッシュ製品内で互いに保持するための手段には、水素結合、並びに時に水素結合と共有及び/又はイオン結合との組合せが含まれる。本発明では、繊維間の結合点を固定するような方法でパルプ繊維を結合することができ、かつ湿潤状態でパルプ繊維を分裂しにくくすることになる材料を提供することが有用であると考えられる。この例では、湿潤状態は、通常はティッシュシート又はティッシュ製品が水又は他の水溶液で大部分飽和される時を意味することになるが、尿、血液、粘液、月経、下痢、リンパ液、及び他の身体滲出物のような体液でかなり飽和されることも意味することができる。
【0090】
ティッシュシート又はティッシュ製品に加えるとティッシュシート又はティッシュ製品の平均湿潤幾何学的引張強度:乾燥幾何学的引張強度比が0.1を超えるあらゆる材料は、本発明の目的に対して湿潤強化剤と呼ばれることになる。一般的に、これらの材料は、永久的な湿潤強化剤又は「一時的」湿潤強化剤のいずれかで呼ばれる。永久的な湿潤強化剤と一時的湿潤強化剤とを区別するために、永久的な湿潤強化剤は、ティッシュシート又はティッシュ製品に組み込まれると少なくとも5分間水に飽和した後に本来の湿潤強度の約50%を超えて保持するティッシュ製品を提供することになる樹脂と定められることになる。一時的湿潤強化剤は、5分間水で飽和した後に本来の湿潤強度の約50%未満を保持するティッシュ製品を提供するものである。本発明では、両方の部類の材料に用途を見出すことができる。パルプ繊維に加えることができる湿潤強化剤の量は、パルプ繊維の乾燥重量に基づき、約0.1乾燥重量%又はそれよりも大きく、より詳細には、約0.2乾燥重量%又はそれよりも大きく、より詳細には、約0.1〜約3乾燥重量%とすることができる。
永久的な湿潤強化剤は、ティッシュシート又はティッシュ製品の構造に程度の差はあっても長期間の湿潤弾力をもたらすことになる。これとは対照的に、一時的湿潤強化剤は、一般的に、低密度で高弾力性のティッシュシート又はティッシュ製品構造をもたらすが、水又は体液への長期間の露出に対する抵抗性がない構造をもたらすことになる。
【0091】
湿潤及び一時的湿潤強度添加剤
一時的湿潤強度添加剤は、陽イオン性、非イオン性、又は陰イオン性とすることができる。このような一時的湿潤強度添加剤の例には、ニュージャージー州ウエストピーターソン所在の「Cytec Industries」から入手可能な陽イオン性グリオキシル化ポリアクリルアミドである「PAREZ(登録商標)631 NC」及び「PAREZ(登録商標)725」一時的湿潤強化樹脂が含まれる。これら及び同様の樹脂は、Coscia他に付与された米国特許第3,556,932号及びWilliams他に付与された米国特許第3,556,933号に説明されている。デラウェア州ウィルミントン所在の「Hercules,Inc.」により製造されている「Hercobond 1366」は、本発明で用いることができる別の市販の陽イオン性グリオキシル化ポリアクリルアミドである。一時的湿潤強度添加剤の追加の例には、「National Starch and Chemical Company」から市販されている「Cobond 1000(登録商標)」のようなジアルデヒドデンプン、及び2001年5月1日にSchroeder他に付与された米国特許第6,224,714号、2001年8月14日にShannon他に付与された米国特許第6,274,667号、2001年9月11日にSchroeder他に付与された米国特許第6,287,418号、及び2002年4月2日にShannon他に付与された米国特許第6,365,667号に説明されているような他のアルデヒド含有ポリマーが含まれ、これら全ての開示内容は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書において引用により組み込まれている。
【0092】
本発明には、陽イオンオリゴマー又はポリマー樹脂を含む永久的な湿潤強化剤を用いることができる。デラウェア州ウィルミントン所在の「Hercules,Inc.」により販売されている「KYMENE 557H」のようなポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン型樹脂は、最も広く用いられている永久的な湿潤強化剤であり、本発明に用いるのに適している。このような材料は、1972年10月24日にKeimに付与された米国特許第3,700,623号、1973年11月13日にKeimに付与された第3,772,076号、1974年12月17日にPetrovich他に付与された第3,855,158号、1975年8月12日にPetrovich他に付与された第3,899,388号、1978年12月12日にPetrovich他に付与された第4,129,528号、1979年4月3日にPetrovich他に付与された第4,147,586号、及び1980年9月16日にvan Eenamに付与された第4,222,921号に説明されている。他の陽イオン性樹脂には、ホルムアルデヒドをメラミン又は尿素と反応させることにより得られるポリエチレンイミン樹脂及びアミノプラスト樹脂が含まれる。永久的及び一時的湿潤強化樹脂は、ティッシュシート及びティッシュ製品を製造する時に一緒に用いることができ、このように用いることも本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0093】
乾燥強度添加剤
また、開示した本発明のポリシロキサンの性能に影響を及ぼすことなく、乾燥強化樹脂もティッシュシートに付加することができる。このような材料には、以下に限定されるものではないが、加工デンプン、及び陽イオン性、両性、及び陰イオン性デンプンのような他の多糖類、及びグアール及びローカストビーンガム、改質ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、糖類、ポリビニルアルコール、及びキトサンなどを含むことができる。このような乾燥強度添加剤は、一般的に、ティッシュシートを形成する前又はしぼ寄せ包装の一部としてパルプ繊維スラリーに加えられる。
【0094】
付加的な柔らかさ添加剤
付加的な剥離剤又は軟化化学物質をティッシュシートに加えることが望ましい場合がある。このような柔らかさ添加剤は、更に、完成ティッシュ製品の親水性を向上させることが見出される場合がある。剥離剤及び軟化化学物質の例には、一般式:(R1'4-b−N+−(R1”b-を有する単純四級アンモニウム塩を含むことができ、ここで、R1'はC1-6アルキル基、R1”はC14−C22アルキル基、bは、1〜3の整数、X-は、あらゆる適切な対イオンである。他の同様の化合物には、単純四級アンモニウム塩のモノエステル、ジエステル、モノアミド、及びジアミド誘導体を含むことができる。これらの四級アンモニウム化合物のいくつかの変形は、当然本発明の範囲に含まれると見なされる。付加的な軟化組成物には、イリノイ州ユニバーシティーパーク所在の「McIntyre Ltd.」から「Mackernium CD−183」として市販されているメチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチルスルフェートのような陽イオン性オレイルイミダゾリン材料、及び「Hercules,Inc.」から入手可能な「Prosoft TQ−1003」が含まれる。また、このような軟化剤には、低分子量ポリエチレングリコール(分子量が約4,000ドルトン以下)又はグリセリン又はプロピレングリコールのようなポリヒドロキシ化合物などの湿潤剤又は可塑剤を組み込むことができる。これらの柔軟剤は、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を形成する前にパルプ繊維スラリーにある間にパルプ繊維に付加し、嵩柔らかさを助けることができる。
【0095】
他の薬剤
ティッシュシートに加えることができる付加的な種類の化学添加剤には、以下に限定されるものではないが、通常は陽イオン性、陰イオン性、又は非イオン性界面活性剤の形態の吸収助剤、湿潤剤、及び可塑剤、例えば、低分子量ポリエチレングリコール及びグリセリン及びプロピレングリコールのようなポリヒドロキシ化合物が含まれる。また、鉱物油、アロエ抽出物、及びビタミンeなどのような皮膚の健康に利益をもたらす材料もティッシュシート及び/又はティッシュ製品に組み込むことができる。
【0096】
一般的に、本発明のポリシロキサン前処理パルプ繊維は、その意図する用途に拮抗しないあらゆる公知の材料及び化学添加剤と併せて用いることができる。このような材料の例には、以下に限定されるものではないが、臭気吸収体、活性炭繊維及び粒子、ベビーパウダー、ベーキングソーダ、キレート剤、ゼオライト、香料又は他の臭気隠蔽剤、シクロデキストリン化合物、及び酸化剤などのような臭気調整剤が含まれる。また、超吸収性粒子、合成繊維、又はフィルムを用いることもできる。付加的な選択肢には、陽イオン性染料、蛍光増白剤、湿潤剤、及び皮膚軟化剤などが含まれる。本発明のティッシュシートには、ティッシュ製造の分野で公知の様々な他の材料及び化学添加剤を含めることができる。
これらの材料及び化学添加剤を付加する時点は、本発明に特に関連するものではなく、このような材料及び化学添加剤は、ティッシュ製造工程のどの時点でも付加することができる。これには、パルプの前処理、工程のウェットエンドでの付加、乾燥後であるがティッシュ機械上での後処理、及び局所的後処理の時点が含まれる。
【0097】
解析方法
シート内の総ポリシロキサン
パルプ繊維基体上の総ポリシロキサン含量は、以下の手順を用いて判断された。純粋なジメチルポリシロキサンのサンプルをヘッドスペースバイアルに入れ、三フッ化ホウ素試薬を加え、バイアルを密封する。約100℃で約15分間反応させた後に、バイアルのヘッドスペース内に得られるジフルオロジメチルシロキサンをFID検出器を用いてガスクロマトグラフィーにより測定する。
3Me2SiO+2BF3O(C252→3Me2SiF2+B22+2(C252
【0098】
本明細書に説明する方法は、FID及び「Hewlett−Packard 7964」オートサンプラーを備えた「Hewlett−Packard Model 5890ガスクロマトグラフ」を用いて開発されたものである。同等のガスクロマトグラフィーシステムで置換することもできる。
計器は、「Perkin−Elmer Nelson Turbochrom」ソフトウエア(バージョン4.1)により制御し、これを用いてデータを収集した。同等のソフトウエアプログラムで置換することもできる。カタログ番号115−3432のフィルム厚さが0.25μmを有する「J&W Scientific GSQ」(内径30m×0.53mm)円柱を用いた。同等の円柱で置換することもできる。
【0099】
ガスクロマトグラフには、「Hewlett−Packard」ヘッドスペースオートサンプラー「HP−7964」を装備し、これを以下の条件に設定した。
浴温度:100℃、ループ温度:110℃
移送ライン温度:120℃、GCサイクル時間:25分
バイアル平衡時間:15分、加圧時間:0.2分
ループ充填時間:0.2分、ループ平衡時間:0.05分
注入時間:1.0分、バイアル振盪:1(低)
【0100】
「ガスクロマトグラフ」は、以下の計器条件に設定した。
同伴ガス:ヘリウム
流量:円柱を通して16.0mL、及び検出器では14mL補給
注入器温度:150℃
検出器温度:220℃
クロマトグラフィー条件:
50℃で4分間、勾配10℃/分で150℃まで
最終的な温度で5分間保持
保持時間:DFDMSに対して7.0分
【0101】
付加するほぼ5000μgのポリシロキサンを含有する原液を以下のように調製した。ほぼ1.25グラムのポリシロキサン又はポリシロキサン乳剤をほとんど0.1mgまで秤量し、250ml容量フラスコに入れる。実際の重量(Xと表す)を記録する。蒸留水を加え、フラスコをかき混ぜて乳剤を溶解/分散する。乳剤を水で希釈して容積を増大させて混合する。ポリシロキサン乳剤のppm(Yで表す)を次の式から計算する。
PPMポリシロキサン乳剤Y=X/0.250
【0102】
0(ブランク)、50、100、250、及び500μLの「原液」(μLによる容積VCを記録)を0.1±0.001グラムの無処理対照ティッシュシートを含有する連続する20mLヘッドスペースバイアルに加えることにより、「較正基準」を作って目標濃度を一括する。ヘッドスペースバイアルを約60〜約70℃の範囲の温度のオーブンに15分間入れることにより溶媒を蒸発させる。各較正基準に対する乳剤のμg(Zで表す)は、以下の式から計算する。
Z=Vc*Y/1000
【0103】
次に、以下の手順により較正基準を分析する。0.100±0.001gのティッシュシートのサンプルをほとんど0.1mgまで秤量して20mlヘッドスペースバイアルに入れる。mgのサンプル重量(Wsで表す)を記録する。標準及びサンプルに取るティッシュシートの量は同じとすべきである。
各ティッシュシートサンプル及び較正基準に100μLのBF3試薬を加える。各バイアルは、BF3試薬を加えると直ぐに密封する。
密封したバイアルをヘッドスペースオートサンプラーに入れ、上述の条件を用い、各ティッシュシートサンプル及び較正基準からヘッドスペースガス1mLを注入して分析する。
【0104】
μg乳剤対被分析物ピーク面積の較正曲線を用意する。
次に、ティッシュシートサンプルの被分析物ピーク面積を較正曲線と比較し、ティッシュシート上のμgのポリシロキサン乳剤の量((A)と表す)を判断する。
ティッシュサンプル上の重量%のポリシロキサン乳剤の量((C)と表す)を以下の式を用いて計算する。
(C)=(A)/(WS*104
ティッシュシートサンプル上の重量%のポリシロキサンの量((D)と表す)を以下の式と乳剤中の重量%ポリシロキサン((F)と表す)とを用いて計算する。
(D)=(C)*(F)/100
【0105】
ポリジアルキルシロキサン含量
以下の手順を用いてセルロース繊維基体上のポリジメチルシロキサン含量を判断した。ポリジメチルシロキサンを含有するサンプルをヘッドスペースバイアルに入れ、三フッ化ホウ素試薬を加え、バイアルを密封する。約100℃で約15分間反応させた後に、バイアルのヘッドスペース内に得られるジフルオロジメチルシロキサンをFID検出器を備えたガスクロマトグラフィーにより測定する。
3Me2SiO+2BF3O(C252→3Me2SiF2+B22+2(C252
【0106】
本明細書に説明する方法は、FID及び「Hewlett−Packard 7964」オートサンプラーを備えた「Hewlett−Packard Model 5890ガスクロマトグラフ」を用いて開発されたものである。同等のガスクロマトグラフィーシステムで置換することもできる。
計器は、「Perkin−Elmer Nelson Turbochrom」ソフトウエア(バージョン4.1)により制御し、これを用いてデータを収集した。同等のソフトウエアプログラムで置換することもできる。カタログ番号115−3432のフィルム厚さが0.25μmを有する「J&W Scientific GSQ」(内径30m×0.53mm)円柱を用いた。同等の円柱で置換することもできる。
【0107】
ガスクロマトグラフには、「Hewlett−Packard」ヘッドスペースオートサンプラー「HP−7964」を装備し、これを以下の条件に設定した。
浴温度:100℃、ループ温度:110℃
移送ライン温度:120℃、GCサイクル時間:25分
バイアル平衡時間:15分、加圧時間:0.2分
ループ充填時間:0.2分、ループ平衡時間:0.05分
注入時間:1.0分、バイアル振盪:1(低)
【0108】
ガスクロマトグラフは、以下の計器条件に設定した。
同伴ガス:ヘリウム
流量:円柱を通して16.0mL、及び検出器では14mL補給
注入器温度:150℃
検出器温度:220℃
クロマトグラフィー条件:
50℃で4分間、勾配10℃/分で150℃まで
最終的な温度で5分間保持
保持時間:DFDMSに対して7.0分
【0109】
原液の調製
本方法は、ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Corning」から入手可能な「DC−200」流体を用いて純粋なPDMSに対して較正される。約1250μgの「DC−200」流体を含有する原液は、以下のように調製される。約0.3125グラムの「DC−200」流体をほとんど0.1mgまで秤量し、250mlの容量フラスコに入れる。実際の重量(Xで表す)を記録する。メタノール、MIBK、又はクロロホルムのような適切な溶媒を加え、フラスコを掻き混ぜて流体を溶解/分散させる。溶解すると、溶液を溶媒で希釈して容積を大きくし、混合する。ジメチルポリシロキサンのppm(Yで表す)を以下の式から計算する。
ジメチルポリシロキサンのPPM(Y)=X/0.250
【0110】
較正基準の調製
0(ブランク)、50、100、250、及び500μLの「原液」(μLによる容積VCを記録)を0.1±0.001グラムの無処理対照ティッシュウェブ又はティッシュ製品を含有する連続する20mLヘッドスペースバイアルに加えることにより、「較正基準」を作って目標濃度を一括する。ヘッドスペースバイアルを約60〜約70℃の範囲の温度のオーブンに15分間入れることにより溶媒を蒸発させる。各較正基準に対するジメチルポリシロキサンのμg(Zで表す)は、以下の式から計算する。
Z=Vc*Y/1000
【0111】
分析手順
以下の手順により較正基準を分析する。0.100±0.001gのティッシュサンプルをほとんど0.1mgまで秤量して20mlのヘッドスペースバイアルに入れる。mgのサンプル重量(Wsで表す)を記録する。標準及びサンプルに取るティッシュウェブ及び/又はティッシュ製品の量は同じとすべきである。
各サンプル及び較正基準に100μLのBF3試薬を加える。各バイアルは、BF3試薬を加えると直ぐに密封する。
密封したバイアルをヘッドスペースオートサンプラーに入れ、上述の条件を用い、各ティッシュシートサンプル及び標準からヘッドスペースガス1mLを注入して分析する。
【0112】
計算
μgのジメチルポリシロキサン対被分析物ピーク面積の較正曲線を用意する。
次に、ティッシュサンプルの被分析物ピーク面積を較正曲線と比較し、ティッシュウェブ及び/又はティッシュ製品上のμgのポリジメチルシロキサンの量((A)と表す)を判断する。
ティッシュサンプル上の重量%のポリジメチルシロキサンの量((C)と表す)を以下の式を用いて計算する。
(C)=(A)/(WS*104
ティッシュサンプル上の重量%のポリジメチルシロキサンの量((D)と表す)を以下の式を用いて計算する。
(D)=(C)/100
【0113】
ジメチルポリシロキサン以外のポリジアルキルシロキサンが存在する場合には、較正基準は、存在する純粋なポリジアルキルシロキサンの代表サンプルから作られ、各ポリジアルキルシロキサンの量は、ポリジメチルシロキサンに対する上述の方法で判断される。次に、個々のポリジアルキルシロキサン量の合計をティッシュウェブ及び/又はティッシュ製品に存在するポリジアルキルシロキサンの総量に用いる。
【0114】
坪量判断(ティッシュ)
ティッシュシート試料の坪量及び完全乾燥坪量は、修正「TAPPI T410」手順を用いて判断された。そのままの坪量サンプルは、23℃±1℃、50±2%相対湿度で最低4時間調整した。調整後、ダイプレス及び関連するダイを用いて16個の3”×3”サンプルのスタックを切断した。これは、ティッシュシートサンプル面積が144in2であることを表している。適切なダイプレスの例は、ニューヨーク州イスランディア所在の「Testing Machines,Inc.」により製造されている「TMI DGD」ダイプレス、又はマサチューセッツ州ウィルミントン所在の「USM Corporation」により製造されている「Swing Beam」試験機械である。ダイの大きさの許容性は、双方向に±0.008インチである。次に、風袋を差し引いた分析天秤で試料のスタックをほとんど0.001グラムまで秤量する。次に、以下の式を用いて坪量(ポンド/2880ft2)を計算する。
坪量=グラムのスタック重量/454*2880
【0115】
サンプル缶及びサンプル缶蓋をほとんど0.001グラムまで秤量することにより完全乾燥坪量が得られる(この重量はAである)。サンプルのスタックをサンプル缶に入れ、蓋を外して放置する。蓋を外したサンプル缶及びスタックは、サンプル缶蓋と共に105℃±2℃のオーブンに、10グラム未満の重さのサンプルのスタックに対しては1時間±5分間、10グラム以上の重さのサンプルのスタックに対しては少なくとも8時間入れる。指定のオーブン時間が経過した後、サンプル缶の蓋をサンプル缶の上にのせ、サンプル缶をオーブンから取り除く。サンプル缶は、ほぼ周囲温度まで冷却させるが、長くて10分である。次に、サンプル缶、サンプル缶蓋、及びサンプルのスタックをほとんど0.001グラムまで秤量する(この重量はCである)。以下の式を用いて完全乾燥坪量(ポンド/2880ft2)を計算する。
完全乾燥BW=(C−A)/454*2880
【0116】
乾燥張力(ティッシュ)
「幾何学的平均張力(GMT)」強度試験の結果は、グラム力/3インチサンプル幅で表される。GMTは、23.0℃±1.0℃、50.0±2.0%相対湿度の実験室条件で、ティッシュシートがこの試験条件に4時間以上平衡にされた後に得られるMD(機械方向)及びCD(機械横断方向)張力曲線のピーク荷重値から計算される。試験は、一定の伸長率を維持する引張試験機械で行い、試験する各試料の幅は3インチであった。「顎スパン」又は顎間の距離は、時にゲージ長さとも呼ばれ、2.0インチ(50.8mm)である。クロスヘッド速度は、10インチ/分(254mm/分)である。ロードセル又はフルスケール荷重は、全てのピーク荷重の結果がフルスケール荷重の10と90%の間になるように選択される。特に、本明細書に説明した結果は、「486クラス」パーソナルコンピュータ上で実行されるIMAPソフトウエアを用いる「Sintech」データ取得及び制御システムに連結された「Instron 1122」張力フレーム上で生成される。このデータシステムは、少なくとも毎秒20個の荷重及び伸長点を記録する。総計で10試料/サンプルを試験し、サンプル平均を記録引張試験値として用いる。幾何学的平均張力は、次の式から計算される。
GMT=(MD張力*CD張力)1/2
坪量に僅かな偏差が計上されるために、GMT値は、次に、以下の式を用いて18.5ポンド/2880ft2の目標坪量に補正される。
補正GMT=測定GMT*(18.5/完全乾燥坪量)
【0117】
ウェットアウト時間
本発明により処理されたティッシュシートのウェットアウト時間は、20シートのティッシュシートサンプルを2.5インチの正方形に切断することにより判断される。試験に用いるティッシュシートサンプルのシート数は、ティッシュシートサンプルのシートあたりの層数とは無関係である。ティッシュシートサンプルの20の正方形シートを互いに積み重ね、各コーナをステープルで止めてティッシュシートサンプルのパッドを形成する。ティッシュシートサンプルのパッドは、ティッシュシートサンプルの飽和パッドが水浴容器の底面及び水浴の蒸留水の上面に同時には確実に接触しない適切な大きさ及び深さである一定温度の蒸留水浴の表面近くに保持され、ティッシュシートサンプルのパッドのステープル点が下を向くように蒸留水の表面に平坦に落とされる。ティッシュシートサンプルのパッドが完全に飽和されるのに必要な時間(秒で測定)が、ティッシュシートサンプルのウェットアウト時間であり、ティッシュシートサンプルの吸収量を表している。ウェットアウト時間が増大することは、ティッシュシートサンプルの吸収量が減少することを表すものである。この試験は300秒で止め、この期間で湿潤していないシートには、約300秒以上の値を与える。
【0118】
キャリパー
「キャリパー」という用語は、本明細書で用いる場合、単一ティッシュシートの厚さであり、これは、単一ティッシュシートの厚さとして測定することができ、又は10個のティッシュシートのスタックの厚さとして測定して10個のティッシュシート厚さを10で割ることができ、この場合、スタック内の各シートは同じ側を上にして置かれる。キャリパーは、ミクロンで表される。キャリパーは、「TAPPI」試験法T402「紙、厚紙、パルプハンドシート、及び関連製品のための標準調整及び試験環境」及び任意的なスタックティッシュシートのための注3を有する「T411 om−89」の「紙、厚紙、及び結合厚紙の厚さ(キャリパー)」に従って測定した。「T411 om−89」を行うために用いるマイクロメータは、「バルクマイクロメータ」(TMIモデル49−72−00、ニューヨーク州アミティービル)、又はアンビル直径が4と1/16インチ(103.2リメートル)でアンビル圧力が220グラム/平方インチ(3.3gキロパスカル)の均等物である。
【0119】
知覚的柔らかさ
知覚的柔らかさは、手触りの柔らかさのティッシュシートの評価である。このためのパネルは、消費者が与えるであろう評価に近い評価が与えられるように軽く訓練を受けている。消費者集団に一般化が可能であるところが強みである。この柔らかさの測定は、ティッシュシートの属性の全体論的概観を得て、ティッシュシートの差が人に感知可能であるか否かを判断することが目的である時に用いられる。
以下は、浴室用、顔用、及びタオル製品の知覚的柔らかさを評価する時にパネリストが用いる特定の柔らかさ測定手順である。ティッシュシート又はティッシュ製品のサンプルは、利き腕ではない方の腕に、コードを付けた側を上向きに置く。次に、利き手の親指、人差し指、及び中指のパッドをサンプルのいくつかの領域にわたって軽く円運動で移動させる。ティッシュシート又はティッシュ製品のサンプルのビロード状、絹状、及び毛羽立った感触を評価する。サンプルの両側を同じように評価する。次に、各追加のサンプルに対して、対になった比較分析でこの手順を繰り返す。
【0120】
知覚的柔らかさデータの結果は、「ランクによるフリードマン分散2方向解析(ANOVA)」を用いて解析する。この解析は、ランクデータに用いられるノンパラメトリック検定である。この目的は、異なる実験的処置間に差があるか否かを判断することである。異なる実験的処置間にランク差がない場合には、1つの処理に対する中央値の反応が他の処理に対する中央値の反応と統計的差がなく、すなわち、いずれの差も偶然であると考えられる。サンプル間の差は、比率100として1つのコードが他のコードよりもプリファレンスが高いことに関して報告することができる。例えば、サンプルを対照に比較する場合には、柔らかさのプリファレンスは、x/yに関して表すことができ、ここで、xは、対になった比較試験で100人のうちでxの方がyよりも柔らかいと説明するパネリストの数であり、yは、100人のうちでyの方がxよりも柔らかいと説明するパネリストの数である。
【0121】
知覚的柔らかさは、反復なしのランク順序規範を適用して10〜12の間のパネリストによって評価される。各個々の属性に対して、ほぼ24〜72のデータ点が生成される。最大6つのコードを一度にランク分けすることができる。複数の試験で多くのコードを評価することができるが、複数の試験を通してコードを比較する必要がある場合は、共通の基準を設けるために各試験に対照コードを存在させる必要がある。
【0122】
パネルによる柔らかさ
パネル試験によりティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさが判断される。この試験は、訓練されたパネリストが、形成されたティッシュシート及び/又はティッシュ製品を擦り、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の様々な柔らかさ属性を高い及び低い柔らかさ対照基準の同じ柔らかさ属性に比較することにより行われる。3つの柔らかさのパラメータであるa)剛性、b)毛羽立ち、及びc)ざらつきが評価される。これらの特徴を基準に比較した後、パネリストは、対照基準に比較し、各ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の柔らかさ属性の値を割り当てる。数が大きくなれば、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品が有する属性が増大する。柔らかさに比較して剛性及びざらつきに対する値は小さいことが好ましく、毛羽立ち属性には高い数が好ましい。サンプルは、統計的有意差が解析され、数値的ランクに加えて、互いに有意差があるか否かを判断する文字の値が与えられる。例えば、(a)値は、95%の信頼水準で(b)値と統計的な差があることになる。(a)にランク分けされた全ての値は、統計的な差はないであろうが、数値の差は、方向的なプリファレンスを示している。
【0123】
水滴試験
初期の水滴値は、サンプルを23.0℃±1.0℃、相対湿度50.0±2.0%で少なくとも4時間調整した後に測定する。エージングした水滴値は、ハンドシートを強制空気対流オーブンに1時間エージングした後に測定する。エージング後、サンプルを冷却し、23.0℃±1.0℃、相対湿度50.0±2.0%で少なくとも4時間調整する。
エージングするか又は調整したハンドシートの2”×2”以上のサンプルをハンドシートから切り取る。実際の寸法は、水滴を吸収して全領域が湿潤しなければ決定的なものではない。試験サンプルを実験台又は平坦なアクリル又はガラス板のような乾燥した非多孔性の表面に置く。試験試料の表面の僅かに上方に位置決めした「Eppendorf」式ピペットから100マイクロリットル、0.1±0.01mlの蒸留水(23.0℃±1.0℃)を直接分取する。液滴は、試料の中心近くに配置すべきである。水滴は、試験試料の表面に水平な平面上で見る。水が試験試料上に分取された直後にストップウォッチを開始する。水滴がサンプルに完全に吸収される秒による時間は、水滴が水平方向に完全に見えなくなるまで、すなわち、サンプルを水平面から見る時に水滴に垂直要素がなくなるまでにかかる時間を記録することにより判断する。この時間は、水滴試験値と呼ばれる。この手順を3回繰返し、水滴試験値に平均時間を記録する。3分後にサンプルが完全に吸収されていなければ、試験を中止し、時間は>3分と記録する。
【0124】
ハンドシート調製
50グラムの化学処理パルプをほぼ2リットルの水道水に5分間浸漬し、その後、ジョージア州アトランタ所在の「Lorentzen and Wettre」から入手可能なもののような「英国式パルプディスインテグレータ」内で5分間分散した。代替的に、25グラムよりも多くの繊維を用いることが必要である場合には、ほぼ2.5%稠度のパルプ化シリコーン前処理繊維スラリー2リットルを用いることができる。次に、スラリーを容積8リットルまで水で希釈し(0.625%稠度)、中程度の撹拌度で5分間機械的撹拌機を用いて混合する。ハンドシートは、坪量60gsmに作られた。ハンドシートを形成する間に、60gsmシートを作るのに必要な適切な量の繊維(0.625%稠度)スラリーを測定してメスシリンダに入れた。次に、このスラリーをメスシリンダから適切なレベルまで水を予め満たした8.5インチ×8.5インチの「Valley」ハンドシートモールド(Valley Laboratory Equipment,Voith,Inc.)に注入した。スラリーをモールドに注入した後、メスシリンダを濯ぐのに用いた水を含む水でモールドを完全に満たした。次に、スラリーは、標準穿孔混合板をスラリーに挿入して上下に7回移動した後に除去し、穏やかに撹拌した。次に、繊維を保持して初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を形成するモールド底部のワイヤアセンブリを通して水を排水した。形成ワイヤは、90×90のメッシュステンレス鋼ワイヤクロスである。ティッシュシート及び/又はティッシュ製品は、モールドワイヤから出して横たわらせ、吸い取り紙の滑らかな側がティッシュシート及び/又はティッシュ製品に接触するように2つの吸い取り紙をティッシュシート及び/又はティッシュ製品の上面に置く。吸い取り紙を除去し、初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品をそれが取付けられた下側吸い取り紙で持ち上げる。初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を下側吸い取り紙に取付けたままで下側吸い取り紙を他方の吸い取り紙から分離する。吸い取り紙は、初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品が上に向くように位置決めし、この吸い取り紙を2つの他の乾燥した吸い取り紙の上に置く。また、更に2つの乾燥吸い取り紙も初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品の上面に置く。初期ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を有する吸い取り紙のスタックを「Valley」液圧プレスに入れ、100psiをティッシュシート及び/又はティッシュ製品に印加して1分間プレスする。プレスしたティッシュシート及び/又はティッシュ製品を吸い取り紙から除去し、ティッシュシート及び/又はティッシュ製品のワイヤ側表面が金属乾燥表面に隣接し、張力をかけたフェルトがティッシュシート及び/又はティッシュ製品の反対側になるように、2.5psig圧の蒸気を含む「Valley」蒸気乾燥機に置いて2分間加熱した。フェルト張力は、湾曲金属乾燥機表面の縁を超えて延びるフェルトの端部に付けた17.5lbsの重りを下向きに引張ることにより与えた。乾燥ハンドシートは、ペーパーカッターで7.5インチ正方形に裁ち落とされる。
【実施例】
【0125】
実施例1〜実施例14では、以下の手順の1つに従い、前処理パルプ繊維を調製した。全てのシリコーンは、純流体として又は、説明した場合には、低分子量シリコーン希釈剤に入れた流体として加えた。
「ユーカリ硬材クラフト」繊維から成り、稠度70%のオーブン乾燥重量に基づく200グラムのクラムパルプを「Hobart」ミキサに加えた。2〜4グラムのシリコーン固形物(乾燥繊維の重量で1%〜2%)を混合しながらゆっくりとパルプに加えた。シリコーン及びパルプの組合せを「Hobart」ミキサに入れて30分間混合した。30分間混合した後、浅いガラス皿にサンプルを広げ、換気フードに2週間入れて空気乾燥した。処理して乾燥し、エージングしたクラムパルプサンプルは、上に概説したGC−BF3法を用いて総シリコーン含量及び%ポリジメチルシロキサンに関して試験した。エージング後、上に概説した手順に従って、60g/m2のハンドシートを調製した。次に、上に概説したGC−BF3法を用いてハンドシートの総シリコーン含量及び%ポリジメチルシロキサンを解析することにより保持係数を得た。また、このハンドシートに対するニット値、初期及びエージング水滴試験値も得られた。
【0126】
pH値4.5の完全漂白ユーカリパルプ繊維スラリーが、少なくとも約85%固形物までプレスして乾燥した坪量150グラムオーブン乾燥パルプ/平方メートルのマットに形成された。次に、対応する純ポリジメチルシロキサンをスプレー又は流れとして繊維マットに付加した。ぜん動ポンプを通してシリコーンをポンプで汲み上げて付加ヘッダーに入れた。ヘッダーは、9つの出口バルブを備えた銅パイプから成るものであった。付加率は、ポンプ速度及び開放する出口バルブの数を変化させることにより制御した。機械速度は、18フィート/分であり、シリコーンは、4.4〜5.0ミリリットル/分で付加された。マットに付加される化学物質の量は、乾燥ユーカリパルプ繊維の重量でほぼ1.5%であった。次に、パルプ繊維サンプルは、周囲条件で2週間エージングした。2週間後、処理して乾燥し、エージングしたパルプ繊維サンプルは、上に概説したGC−BF3法を用いて総シリコーン含量及び%ポリジメチルシロキサンに関して試験した。次に、上に概説した手順を用いて60g/m2のハンドシートを調製した。次に、上に概説したGC−BF3法を用いて、ハンドシートの総シリコーン含量及び%ポリジメチルシロキサンを解析することにより保持係数を得た。次に、ハンドシートに対する初期及びエージング水滴試験値を得た。
【0127】
実施例7及び実施例8には、ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Corning」から入手される市販の疎水性高分子量(250cps)アミノ官能性ポリジメチルシロキサン流体を用いる。表1に示すように、これらのポリシロキサンは、優れた保持係数を示すが、水滴試験値は3分を超える。
実施例1及び実施例14は、ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Corning」から入手可能な市販の親水性アミノ官能性ポリシロキサンの例である。この材料は、エポキシ官能性ポリシロキサン及びアミノ官能性ポリエーテルポリシロキサンの組合せであると考えられている。初期水滴値及び保持係数は良好である。しかし、「8600」流体は、エージングに対して相当により敏感である。
【0128】
実施例2は、いずれも「Dow Corning」から入手可能な疎水性のアミノ官能性ポリシロキサン及び低分子量ポリエーテルポリシロキサン湿潤流体の組合せである。表に示すように、初期及びエージング水滴値は3分を超える。実施例3は、低分子量非アミノ官能性湿潤流体「DC−193」である。この流体は、ポリシロキサンをセルロース繊維に実質的に固定することができる基を持たない。表1に示すように、このポリシロキサンの保持係数は不良である。
実施例6は、高粘度の非アミノ官能性ポリエーテルポリシロキサンである。従って、この材料は、ポリシロキサンをセルロース繊維に実質的に固定することができる基を含有しない。この材料は、非常に不良な保持係数を示す。実施例3は、非アミノ官能性である高粘度エポキシ官能性ポリエーテルである。良好な親水性が注目されるが、保持係数は不良である。
【0129】
実施例9は、市販のアミノ官能性ポリエーテルポリジメチルシロキサンターポリマーの例であり、ミシガン州アドリアン所在の「Wacker,Inc.」から入手可能な「Wetsoft CTW」である。この材料は、優れた保持係数及び優れた初期及びエージング水滴試験値を示している。この結果を実施例4及び実施例6の結果に比べると、親水性ポリシロキサンをパルプ繊維に実質的に固定することができる基を有することが重要であることを示している。「Wetsoft CTW」は高度に置換されているために、ポリジアルキルシロキサンのレベルは、総シリコーンの%としては幾分低い。実施例10〜実施例13は、高分子量アミノ官能性ポリエーテルポリシロキサンを高分子量疎水性アミノ官能性ポリシロキサンと組み合わせて用いることを示している。この組合せを用いると、高レベルのポリジアルキルシロキサンを有するが、それでも初期及びエージング水滴試験値が良好であるポリシロキサン前処理パルプ繊維が達成される。この材料の性能は、実施例2の非アミノ官能性湿潤流体を用いるよりも改善されることに注意されたい。

































【0130】
(表1)

【0131】
実施例15〜実施例18
実施例15〜実施例18は、2層ティッシュペーパー製品の製造及び前処理パルプ繊維を含有しない対照サンプルとの比較に前処理パルプを用いることを示している。低付加レベルでも、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を加えると、柔らかさが有意に増大し、しかも親水性ポリシロキサン前処理パルプ繊維が疎水性ポリシロキサン前処理パルプ繊維と同じ程度に有効であることが見出されている。
【0132】
ティッシュシートは、以下の手順に従って製造した。ポリシロキサン前処理パルプ繊維(約1.0〜1.5%ポリシロキサンを含有する)は、シート中の総ポリシロキサン含量が乾燥パルプ繊維の重量で0.2%の比率により無処理ユーカリパルプ繊維と配合した。処理及び無処理ユーカリパルプ繊維は、パルパーに入れて30分間分散し、稠度が約3%のユーカリ硬材パルプクラフト繊維スラリーを形成した。次に、ユーカリ硬材パルプ繊維スラリーを機械箱に移して稠度約0.75%まで希釈した。
【0133】
「LL−19」北方軟材クラフトパルプ繊維をパルパーに30分間分散して、稠度3%の北方軟材クラフトパルプ繊維スラリーを形成した。軟材クラフトパルプ繊維には、6分間低レベルの精製が行われた。北方軟材クラフトパルプ繊維を分散してスラリーを形成した後、北方軟材クラフトパルプ繊維を機械箱に移して稠度約0.75%まで希釈した。1.8ポンド/トンの市販のグリオキシル化PAMである「Parez 631NC」を機械箱の軟材パルプ繊維に加え、ヘッドボックスに進める前に5分間混合した。
「Hercules,Inc.」から入手される市販のPAE湿潤強化樹脂である「Kymene 6500」を4ポンドの乾燥化学物/乾燥パルプ繊維トンの割合で機械箱のユーカリ硬材及び北方軟材クラフトパルプ繊維スラリーの両方に加えた。
【0134】
原液パルプ繊維スラリーは、形成する前にほぼ0.1%稠度まで更に希釈し、3層ヘッドボックスから速度約50フィート/分の細目の形成布上に堆積し、17”幅のティッシュシートを形成した。フロースプレッダ内への原液パルプ繊維スラリーの流速は、目標ティッシュシート坪量である約12.7gsmになって層分割が乾燥機及びフェルト側層上に32.5%ユーカリ硬材クラフトパルプ繊維及び中心層に35%「LL−19」北方軟材クラフトパルプ繊維になるように調節した。原液パルプ繊維スラリーを形成布上で排水し、層状初期ティッシュシートが作られた。初期ティッシュシートは、第2の布である製紙フェルトに移送した後、真空箱で稠度が約15と約25%の間になるまで更に脱水した。次に、初期ティッシュシートは、加圧ロールを介し、温度220°F、蒸気圧17PSIで運転される蒸気加熱ヤンキー乾燥機に移送された。次に、乾燥ティッシュシートをヤンキー乾燥機よりも30%遅い速度で移動するリールに移送して1.3:1のしぼ寄せ比になるようにし、それによって層状ティッシュシート及び/又はティッシュ製品を生成した。
【0135】
「Celanese」によって製造され、商品名「Celvol 523」で入手可能なポリビニルアルコール(PVOH)(88%加水分解物。20℃6%溶液で粘度23〜27cps)を重量で0.635%、及び商品名「Kymene 6500」で「Hercules,Inc.」から入手可能なPAE樹脂を重量で0.05%含有する水性しぼ寄せ組成物を調製した。全ての重量%は、説明している化学物質の乾燥ポンドに基づいている。しぼ寄せ組成物は、各化学物質の特定の量を50ガロンの水に加え、よく混合することにより調製した。PVOHは6%水溶液として、「Kymene 557」は12.5%水溶液として得られた。次に、しぼ寄せ組成物を圧力60psi及びほぼ0.25g固形物/m2ティッシュ製品の割合でスプレーブームを通じてヤンキー乾燥機表面に付加した。完成層状ティッシュシートは、次に、各層の乾燥機側層が外向きになった2層C字折りティッシュ製品に変換された。
【0136】
表2は、ポリシロキサンを有しない場合、疎水性ポリシロキサンを有する場合、親水性ポリシロキサンを有する場合、及び疎水性及び親水性ポリシロキサンの重量で50/50の配合物を有する場合の対照の知覚的値及びパネル値を比較するものである。表2に示すように、知覚的柔らかさでは、全てのコードが対照基準に比較して有意に柔らかいことが示されている。しかし、ポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有する3コードの柔らかさには統計的有意差がない。パネル柔らかさ属性(剛性、毛羽立ち、ざらつき)では、ポリシロキサン前処理パルプ繊維で剛性及び毛羽立ち属性が95%信頼度で有意に改善されることが示されている。サンプルのざらつきに関しては数値に差は見られない。
【0137】
(表2)

【0138】
本明細書に説明した本発明の実施形態は、現時点で好ましいものであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び改良を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示されており、均等物の意味及び範囲に該当する全ての変更は、本発明に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明を含むティッシュ製品の平面図である。
【図2】3つの層を有する本発明のティッシュシートの図である。
【図3】各ティッシュシートが3つの層を有する本発明の2つのティッシュシートの図である。
【図4】2つの層を有する本発明のティッシュシートの図である。
【符号の説明】
【0140】
1、a2、a3 シリコーン処理部分
1、b2、b3、b4 無処理部分
C 試験サンプルストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)パルプ繊維、及び
b)ポリシロキサン、
を含み、
乾燥パルプ繊維の重量で約0.4%以上のポリシロキサン含量と、約0.6以上のシリコーン保持係数と、約180秒以下の初期水滴吸収値とを有する、
ことを特徴とするポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項2】
前記ポリシロキサンが、疎水性ポリシロキサン及び親水性ポリシロキサンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項3】
前記ポリシロキサン含量が、乾燥パルプ繊維の重量で約1.0%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項4】
前記ポリシロキサン含量が、乾燥パルプ繊維の重量で約0.6%以上のことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項5】
前記初期水滴吸収値が、約30秒以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項6】
更に無処理パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項7】
一度乾燥されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項8】
前記ポリシロキサンが、以下の式で表される親水性ポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【化1】

(式中、zは整数>0であり、
x及びyは、整数≧0であり、
xの(x+y+z)に対するモル比は、約0から約0.95であり、
yの(x+y+z)に対するモル比は、約0から約0.25であり、
各R0−R9は、独立に、有機官能基又はその混合物を含み、
10は、前記ポリシロキサンを前記パルプ繊維に実質的に固定することができる官能基又はその混合物を含み、
11は、親水性官能基を含み、
y=0である場合には、前記R0−R11成分の1つは、前記ポリシロキサンを前記パルプ繊維に実質的に固定することができる官能基を含む。)
【請求項9】
各R0−R9が、独立に、C1以上のアルキル基、アリール基、エーテル、ポリエーテル又はポリエステル基、又はその混合物を含むことを特徴とする請求項8に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項10】
各R7及びR8が、CH3であることを特徴とする請求項8又は9に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項11】
前記疎水性ポリシロキサンが、以下の式で表される官能性ポリシロキサンであることを特徴とする請求項2に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【化2】

(式中、x及びyは、整数>0であり、
xの(x+y)に対するモル比は、約0.001から約0.25であり、
各R1−R9成分は、独立に、有機官能基又はその混合物を含み、
10は、前記ポリシロキサンを前記パルプ繊維に実質的に固定することができる官能基を含む。)
【請求項12】
各R1−R9が、独立に、C1以上のアルキル基、アリール基、エステル、置換アミド、又はその混合物を含むことを特徴とする請求項11に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項13】
前記R10が、アミノ官能基を含むことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項14】
前記アミノ官能基が、一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アミン、非置換アミド、及びその混合物から選択されることを特徴とする請求項13に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項15】
前記R10が、−R20−NH−R21−NH2であり、ただし、R20及びR21は、C2以上の直鎖又は分岐アルキル基であることを特徴とする請求項13又は14に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項16】
11が、以下の式を有するポリエーテル官能基を含むことを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
−R12−(R13−O)a−(R14O)b−R15
(式中、各R12、R13、及びR14は、独立に、分岐C1〜4アルキル基、直鎖C1〜4アルキル基、又はその混合物を含み、
15は、H、C1-30アルキル基、又はその混合物を含み、
a及びbは、約1から約100までの整数である。)
【請求項17】
各ポリシロキサンの25℃での粘度が、約25センチポアズ以上であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項18】
前記パルプ繊維が、本質的に、軟材クラフトパルプ繊維、硬材クラフトパルプ繊維、合成セルロース繊維、及びその混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項19】
85℃で24時間のエージング後に約180秒以下の水滴試験値を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項20】
約10以下のニット計数値を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項21】
乾燥パルプ繊維の重量で約0.3%以上のポリジアルキルシロキサン含量を有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有する単層又は多層ティッシュ製品。
【請求項23】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のポリシロキサン前処理パルプ繊維を含有するワイプ製品。
【請求項24】
乾燥パルプ繊維の重量で約0.15%以上のポリジアルキルシロキサン含量を有することを特徴とする請求項22に記載の単層又は多層ティッシュ製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−517141(P2007−517141A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545325(P2006−545325)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/029341
【国際公開番号】WO2005/068710
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】