説明

実質的に無音のメディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる方法および装置

【課題】実質的に無音のメディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる方法および装置を開示する。
【解決手段】本明細書で開示する、メディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる例示的方法は、透かしと、可聴周波数帯に実質的に集中しているエネルギを有するノイズ信号とを含む透かし入りノイズ信号を取得し、前記透かし入りノイズ信号を、個別の音声信号に結合することなく、実質的に不可聴であるように減衰させ、一つ以上のメディアコンテンツ構成要素を含むメディアコンテンツ表現のうちの実質的に無音のコンテンツ構成要素に前記透かし入りノイズ信号を対応付け、前記実質的に無音のコンテンツ構成要素の提示中に、前記透かし入りノイズ信号を出力することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して音声透かしに関し、より具体的には、実質的に無音のメディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声透かしは、テレビ放送、ラジオ放送、ダウンロードされたメディアコンテンツ、ストリーミング方式のメディアコンテンツ、プレパッケージ方式のメディアコンテンツなど、メディアの消費者に提示されるメディアコンテンツを識別するために利用される一般的な技法である。既存の音声透かし技術では、音声透かしを隠すのに十分な信号レベルを有する可聴音声構成要素内に、識別情報やコード信号などの音声透かしを埋め込むことによってメディアコンテンツを識別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,272,176号明細書
【特許文献2】米国特許第6,504,870号明細書
【特許文献3】米国特許第6,621,881号明細書
【特許文献4】米国特許第6,968,564号明細書
【特許文献5】米国特許第7,006,555号明細書
【特許文献6】米国特許公開第2009/0259325号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、対象とするメディアコンテンツ表現の多くは、音声透かしを埋め込める音声構成要素を含んでいなかったり、音声が消音された状態、または平均的な人間が知覚可能な信号レベルをほぼ下回るまで音声が減衰された状態で提示されたりするため、音声透かしを十分に隠せるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本明細書に記載する方法および装置の少なくともいずれかに従って、実質的に無音のメディアコンテンツ表現の音声透かし設定を実行できる例示的利用環境を示すブロック図である。
【図2】図1の環境内で実質的に無音のメディアコンテンツ表現に音声透かしを設定する透かし入りノイズ信号の生成に利用できる例示的透かし作成装置を示すブロック図である。
【図3】図1の環境内で実質的に無音のメディアコンテンツ表現に音声透かしを設定する透かし入りノイズ信号を提示するために利用できる例示的メディア提示装置を示すブロック図である。
【図4】図1の環境内で音声透かしの検出に利用できる例示的監視装置を示すブロック図である。
【図5】図2の透かし作成装置を実現するために実行できる、透かし入りノイズ信号を生成する例示的プロセスを表したフローチャートである。
【図6】図3のメディア提示装置を実現するために実行できる、透かし入りノイズ信号を提示する例示的プロセスを表したフローチャートである。
【図7】図4の監視装置を実現するために実行できる、音声透かしを監視する例示的プロセスを表したフローチャートである。
【図8】図5〜図7のプロセスのうちのいずれか、一部、または全てを実施して、図2の透かし作成装置、図3のメディア提示装置、図4の監視装置、および図1の例示的環境のうちの少なくともいずれかを実現するために用いられる例示的機械可読命令を実行できる処理システムの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、実質的に無音のメディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる方法および装置が開示される。下記では、例示的方法と、構成要素の中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェアを含む装置とを開示するが、このような方法および装置は、単に説明のためのものであり、限定事項として見なされるべきではないことに留意されたい。たとえば、ハードウェアおよびソフトウェア構成要素のうちのいずれか、または全ては、ハードウェアのみにおいて、ソフトウェアのみにおいて、ファームウェアのみにおいて、またはハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアのうちの一つ以上の組み合わせにおいて実装できることが意図される。したがって、下記に例示的方法および装置を記載するが、当業者であれば、提示する例は、このような方法および装置を実施する唯一の方式ではないことを容易に理解されよう。
【0008】
本明細書に記載するように、単一のメディアコンテンツ表現またはマルチメディアコンテンツ表現を含むメディアコンテンツ表現は、一つ以上のコンテンツ構成要素(より簡潔に構成要素とも呼ばれる)を含み、この構成要素は、組み合わされたときに、その結果としてメディアコンテンツ表現(media content presentation)を形成する。メディアコンテンツ表現は、たとえば、映像コンテンツ構成要素および音声コンテンツ構成要素を含み得る。また、映像コンテンツ構成要素および音声コンテンツ構成要素は、それぞれ複数のコンテンツ構成要素を含むことができる。たとえば、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の形式のメディアコンテンツ表現は、複数の映像コンテンツ構成要素を(可能な場合は一つ以上の音声コンテンツ構成要素と共に)含み、その各映像コンテンツ構成要素が、GUIによって表現され得る各GUIウィジェット(たとえば、ウィンドウ/画面、メニュー、テキストボックス、埋め込み広告など)に対応する。他の例として、ビデオゲームは、背景画像要素、前景画像要素、登場人物/スプライト、重ね書き通知などの複数の映像コンテンツ構成要素と共に、複数の特殊効果、音楽トラックなどの複数の音声コンテンツ構成要素を含むことができ、これらのコンテンツ構成要素は、現在のゲーム再生内容に基づいて選択的に提示される。
【0009】
本明細書に記載するように、メディアコンテンツ表現、またはメディアコンテンツ表現のコンテンツ構成要素が実質的に無音であると見なされるのは、たとえば、音声構成要素を含まない場合、消音されている一つ以上の音声構成要素を含む場合、平均的な人間の可聴閾値より低いか、もしくはその近くのレベルまで減衰された一つ以上の音声構成要素を含む場合、または、メディアコンテンツが提示される環境の周囲もしくは背景の音声ノイズレベルより低いか、もしくはその近くのレベルまで減衰された一つ以上の音声構成要素を含む場合である。たとえば、メディア提示装置によって提示されるGUIは、音声要素を含まないために実質的に無音である、各種異なるGUIウィジェットと、可能な場合は埋め込み広告とを提示することができる。他の例として、ビデオゲーム表現の関連において、ゲームコンソールは、ユーザによって実行されているゲームの内容に応じて、無音(または実質的に無音)のゲームコンテンツを提示する場合がある。
【0010】
下記で詳細に説明するように、メディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる技法について開示する例は、透かし入りノイズ信号を取得することを含み、この透かし入りノイズ信号は、透かしと、可聴周波数帯に実質的に集中しているエネルギを有するノイズ信号とを含む。従来の音声透かし技法とは異なり、開示する本例の技法では、透かし入りノイズ信号は、メディアコンテンツ表現を構成する個別の音声信号内に埋め込まれずに(たとえば、隠されずに)、実質的に不可聴であるように減衰される。また、開示する本例の技法は、メディアコンテンツ表現の実質的に無音のコンテンツ構成要素に、透かし入りノイズ信号を対応付けることを含む。前述したように、メディアコンテンツ表現は、通常、一つ以上のメディアコンテンツ構成要素を含んでおり、本例示の技法は、透かし入りノイズ信号を、実質的に無音であるコンテンツ構成要素に対応付ける。また、本例の技法は、実質的に無音のコンテンツ構成要素の提示中に透かし入りノイズ信号を出力して、メディアコンテンツ表現を構成する実質的に無音のコンテンツ構成要素に透かしを設定することを含む。
【0011】
少なくとも一部の実施例において、透かし入りノイズ信号の形成に用いられるノイズ信号は、所望の可聴周波数帯域に対応する通過帯域を有する帯域フィルタを用いて、ホワイトノイズ信号または疑似ランダムノイズ信号をフィルタリングすることによって生成される。その結果得られるのは、ピンクノイズ信号とも呼ばれる、濾波ノイズ信号である。また、少なくとも一部の実施例において、透かしは、振幅と周波数の少なくともいずれかが変調された信号であり、この信号は、透かしの設定対象である実質的に無音のコンテンツ構成要素を識別するデジタル情報を伝達するように変調された周波数を有する。
【0012】
前述したように、メディアコンテンツを識別するために、従来の音声透かし技法は、メディアコンテンツを知覚している人間には不可聴であるが、透かし検出器では検出できる状態で埋め込み透かしを隠せる十分な信号強度(たとえば、音声レベル)を持つ、メディアコンテンツの音声構成要素に依拠している。このような従来の技法とは異なり、本明細書で開示する音声透かし技法の少なくとも一部の例は、メディアコンテンツの既存の音声構成要素に依拠して、メディアコンテンツ(または特定のメディアコンテンツ構成要素)の識別に利用される透かしを隠すのではない。代わりに、開示する例示的音声透かし技法は、濾波(たとえば、ピンク)ノイズ信号に透かしを埋め込むものであり、このノイズ信号は、可聴周波数帯域内に存在しているが、他の音声信号が存在しない場合であっても、人間にとって不可聴であるように減衰されている。すなわち、結果的に得られる透かし入りノイズ信号は、メディアコンテンツが提示されている環境内の他の周囲雑音または背景雑音よりも微弱である。透かし情報を埋め込む音声信号に依存しないことにより、開示する音声透かし技法の少なくとも一部の例では、実質的に無音のメディアコンテンツ(または特定のメディアコンテンツ構成要素)に透かしを入れることができる。これとは対照的に、従来の多くの音声透かし技法では、実質的に無音のメディアコンテンツに透かしを入れることは不可能である。このように、開示する音声透かし技法の例を利用して、GUIおよびビデオゲームなど、従来の音声透かし技法ではマーキングおよび識別を行えない可能性のある実質的に無音のコンテンツ構成要素を含むメディアコンテンツのマーキングおよび識別を行うことができる。
【0013】
図面を参照すると、本明細書に開示する方法および装置の少なくともいずれかに係る音声透かしを実行して利用する例示的利用環境100のブロック図が、図1に記載されている。環境100は、例示的テレビ108に接続された例示的コンソール104を含む。たとえば、コンソール104は、環境100内でビデオゲームを再生できるようにするゲームコンソールであってよい。このようなゲームコンソール104は、標準的な専用ゲームコンソール(たとえば、MicrosoftのXボックス(登録商標)、任天堂のウィー(登録商標)、ソニーのプレイステーション(登録商標)など)、携帯型のゲーム専用装置(たとえば、任天堂のゲームボーイ(登録商標)やDS(登録商標))など、ビデオゲームを再生できる各種の装置であってよい。他の例として、コンソール104は、携帯型情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、デジタルビデオレコーダ(DVR)、パーソナルビデオレコーダ(PVR)、セットトップボックス(STB)、ケーブル放送受信機、衛星放送受信機、セル方式携帯電話、セル以外の携帯電話など、各種のメディア提示装置であってよい。一般性を喪失するものではないが、便宜上、下記の説明では、コンソール104は、ゲームコンソール104に該当するものとする。
【0014】
テレビ108は、各種のテレビ、または、より一般的な各種のメディア提示装置であってよい。たとえば、テレビ108は、全米テレビジョン放送方式標準化委員会(National Television Standards Committee,NTSC)規格、位相入換え回線(Phase Alternating Line,PAL)規格、セカム方式(Systeme Electronique pour Couleur avec Memoire,SECAM)規格、高品位テレビ(HDTV)などの新型テレビジョンシステム委員会(Advanced Television Systems Committee,ATSC)によって開発された規格、地上デジタルテレビ放送プロジェクト(Digital Video Broadcasting(DVB) Project)によって開発された規格に対応するテレビと表示装置の少なくともいずれかであっても、または、マルチメディアコンピュータシステム、PDA、セル方式/セル以外の携帯電話などであってもよい。
【0015】
図示した例において、ゲームコンソール104から出力される映像信号112および音声信号116は、テレビ108に接続される。例示的環境100は、テレビ108の音声入力部に接続される提示音声信号124、および例示的監視装置132に接続される監視音声信号128に音声信号116を分離する例示的スプリッタ120も含む。下記で詳述するように、監視装置132は、ゲームコンソール104とテレビ108の少なくともいずれかによって出力されるメディアコンテンツ表現(または、メディアコンテンツ表現の特定のコンテンツ構成要素)に含まれる音声透かしを検出する動作を行う。また、下記で詳述するように、例示的透かし作成装置136は、本明細書に記載する技法例に従って音声透かしを生成する。この音声透かしは、ゲームや他のメディアコンテンツ(またはコンテンツ構成要素)に挿入されることに加え、またはこれに代えて、ゲームコンソール104(および/またはテレビ108もしくは他のSTB(図示せず))に提供されて保存され、後に、ゲームコンソール104によって提示されて、監視装置132によって検出される。
【0016】
スプリッタ120は、たとえば、アナログ音声出力信号116の場合のアナログスプリッタ、デジタル音声出力信号116の場合のデジタルスプリッタ(たとえば、高品位マルチメディアインターフェイス(High−Definition Multimedia Interface,HDMI)スプリッタなど)、光学音声出力の場合の光学スプリッタなどであってよい。追加または代替の構成として、ゲームコンソール104およびテレビ108が単一のユニットに統合される例などにおいて、監視音声信号128は、ゲームコンソール104、テレビ108、統合ユニットなどのアナログ音声ライン出力またはデジタル音声ライン出力によって提供されてよい。このように、監視装置132に提供される監視信号128は、通常、ライン品質の音声信号である。
【0017】
図1に示すように、制御情報を送信(場合によっては送受信)できる例示的ゲームコントローラ140は、ユーザがゲームコンソール104を用いた操作を行えるように、ゲームコンソール104に連結される。たとえば、ゲームコントローラ140は、ゲームコンソール104上でユーザがビデオゲームを再生することを可能にする。これに加え、または代えて、ゲームコントローラ140は、ゲームコンソール104によって提示(たとえば、テレビ108を介して提示)される一つ以上のGUIを用いた操作をユーザが行うことを可能にする。たとえば、ゲームコンソール104は、ユーザによるゲームコンソール104の設定、ゲーム環境の設定とゲームの開始の少なくともいずれか、ゲーム用ネットワークへのアクセスなどを可能にするGUIを一つ以上提示することができる。ゲームコントローラ140は、各種のゲームコントローラ、または、ゲームコンソール104と互換性のあるユーザインターフェイス技術を利用して実装することができる。
【0018】
同様に、制御情報を送信(場合によっては送受信)できる例示的遠隔制御装置144が環境100に組み込まれており、ユーザはテレビ108を用いた操作を行うことができる。遠隔制御装置144は、特に限定するものではないが、赤外線(IR)通信、無線周波数(RF)通信、無線/ケーブル接続などを含む各種の技術を利用して、制御情報を送信(場合によっては送受信)することができる。ゲームコントローラ140と同様に、遠隔制御装置144は、テレビ108によって提示される一つ以上のGUIを用いた操作をユーザが行うことを可能にする。たとえば、テレビ108(または、テレビ108に接続されたゲームコンソール104や、他のSTB(図示せず)など)は、ユーザによるテレビ108の設定、電子番組ガイド(Electronic Program Guide,EPG)へのアクセス、ビデオオンデマンド(Video On Demand,VOD)番組ガイドへのアクセス、および提示するVOD番組の選択などのうちの少なくともいずれかを可能にするGUIを一つ以上提示できる。ゲームコンソール104とテレビ108とが単一のユニットに組み込まれる例において、ゲームコンソール104および遠隔制御装置144は、同一の装置であっても、または異なる装置であってもよい。
【0019】
図示した例において、ゲームコンソール104は、ゲームコンソール104が例示的ネットワーク152にアクセスすることを可能にする例示的ネットワーク接続148を含む。ネットワーク接続148は、たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル、イーサネット(登録商標)接続、無線(たとえば、802.11、ブルートゥースなど)接続、電話回線接続、同軸ケーブル接続などであってよい。ネットワーク152は、たとえば、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ゲームまたは他のサービスプロバイダによって提供される固有ネットワークなどであってよい。
【0020】
ネットワーク接続148を利用して、ゲームコンソール104は、ネットワーク148にアクセスして、一つ以上の例示的ゲームコンテンツ(または他のサービス)プロバイダ156に接続することができる。このようなゲームコンテンツプロバイダの例は、Xboxライブ(Xbox LIVE(登録商標))サービスで、このサービスにより、ゲームコンテンツおよび他のデジタルメディアをゲームコンソール104にダウンロードすることができ、また、オンラインの多人数参加型ゲームもサポートされる。このような例において、ゲームコンソール104は、一つ以上のGUIを実装しており、この各GUIは、ユーザが、ゲームコントローラ140からXboxライブサービスにアクセスして操作を行うことを可能にする一つ以上のGUIウィジェットを提示する。
【0021】
ゲームコンソール104とテレビ108の少なくともいずれかによって出力されるメディアコンテンツ、もしくは特定のコンテンツ構成要素、またはその両方を監視するために、監視装置132は、監視音声信号128と、テレビ108の一つ以上のスピーカ(図示せず)からの音声放射を検出するように配置可能な一つ以上の例示的音声センサ160(たとえば、一つ以上のマイク、音響変換器など)によって取得される一つ以上の監視音声信号と、のうちの少なくとも一方に含まれる音声透かしを検出するように構成される。下記で詳述するように、監視装置132は、ゲームコンソール104およびテレビ108の少なくとも一方によって出力されるメディアコンテンツ表現に含まれる、実質的に無音のメディアコンテンツ、もしくは一つ以上の実質的に無音のメディアコンテンツ構成要素、またはその両方の識別に使用される音声透かしを復号することができる。また、監視装置132は、ゲームコンソール104およびテレビ108の少なくとも一方によって出力される可聴音声信号に埋め込まれた従来の音声透かしを検出するように構成されてもよい。
【0022】
監視装置132は、ネットワーク接続148と同様であり得る例示的ネットワーク接続164を含み、このネットワーク接続164により、監視装置132は、ネットワーク152と同一のネットワークまたは異なるネットワークであり得る例示的ネットワーク168にアクセスすることができる。ネットワーク接続164を利用して、監視装置132は、ネットワーク168にアクセスして、検出された音声透かしおよび復号された透かし情報の少なくとも一方(さらに、各種のチューニング情報、もしくは収集されたその他の情報、またはその両方)を例示的中央施設172に報告して、更なる処理および分析に供することができる。たとえば、中央施設172は、監視装置132よって報告された、検出された音声透かし、および復号された透かし情報の少なくとも一方を処理して、ゲームコンソール104およびテレビ108の少なくとも一方によって提示されているメディアコンテンツまたは特定のコンテンツ構成要素がどれであるのかを特定し、環境100におけるユーザによるコンテンツの消費および対話操作を推測することできる。
【0023】
前述したように、透かし作成装置136は、本明細書に記載の例示的技法に従って音声透かしを生成する。この音声透かしは、ゲームまたは他のメディアコンテンツ(またはコンテンツ構成要素)に挿入されることに加えて、またはこれに代えて、ゲームコンソール104(および/またはテレビ108もしくは他のSTB(図示せず))に提供されて、保存および後の提示が行われ、監視装置132によって検出される。下記で詳述するように、透かし作成装置136は、実質的に無音であるため、従来の音声透かし技法には対応しない個別のメディアコンテンツ、もしくは個別のコンテンツ構成要素、またはその両方に対応付けできる透かし入りノイズ信号を生成する。したがって、透かし入りノイズ信号を利用して、特定のメディアコンテンツ、または特定のコンテンツ構成要素のマーキングおよび識別(可能な限り一意の識別)を行うことができる。図1に示すように、透かし作成装置136によって生成される透かし入りノイズ信号、およびコンテンツ対応関係情報は、ゲームコンテンツプロバイダ156、ネットワーク152、およびネットワーク接続148の少なくともいずれかを介してダウンロードして、ゲームコンソール104に保存することができる。この後、ゲームコンソール104は、各透かし入りノイズ信号に対応付けられていることが判明した特定のメディアコンテンツまたは特定のコンテンツ構成要素を出力するときに、メモリから適切な透かし入りノイズ信号を取り出し、取り出した透かし入りノイズ信号を、個別のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素と共に出力する。透かし入りノイズ信号は、実質的に不可聴であるように減衰されるため、この透かし入りノイズ信号は、出力される各メディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素が実質的に無音である場合であっても、ゲームコンソール104とテレビ108の少なくともいずれかの近くの周囲音声ノイズや背景音声ノイズを上回ってユーザに知覚可能になることはない。ただし、監視装置132は、透かし入りノイズ信号に含まれる透かしを検出(たとえば、監視音声信号128を処理している場合、および/または、監視対象のスピーカ付近へのセンサ160が配置されている場合に検出)することができ、これにより、実質的に無音のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素を識別することができる。
【0024】
追加または代替の構成として、ゲームコンソール104は、一つ以上の透かし入りノイズ信号(たとえば、コンソール設定GUIによって提示される個別の事前設定GUIウィジェットに対応付けられた透かし入りノイズ信号など)を用いて事前設定(たとえば、プレロード)することができる。このような事前設定は、図1において、点線176で示されている。これに加え、または代えて、一つ以上の透かし入りノイズ信号は、実質的に無音のメディアコンテンツやコンテンツ構成要素そのものと共に組み込むことができる(たとえば、実質的に無音のメディアコンテンツやコンテンツ構成要素を表す一つ以上のデータファイル内に挿入されるなど)。これに加え、または代えて、ゲームコンソール104が、透かし作成装置136の一部または全ての機能を実施してもよく、ゲームコンソール104は、たとえば、出力音声が消音されているか、または可聴閾値より下に低減されていることをゲームコンソール104が特定したときに、透かし入りノイズ信号を生成(たとえば、リアルタイムで生成)して、「オンザフライ式」に出力することができる。図1に示すように、透かし作成装置136も、透かし入りノイズ信号およびコンテンツ対応関係情報を中央施設172に提供する。これらの信号と情報は、監視装置136によって報告された、検出された音声透かしおよび復号された透かし情報の少なくとも一方処理に利用される。
【0025】
図1の例示的環境100は、ゲームコンソール104およびテレビ108によって提示されるコンテンツを監視するという文脈で本明細書に開示する音声透かし技法の例を示したものであるが、開示する音声透かし技法の例を利用して、各種のメディア提示装置によって出力される、実質的に無音のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素に音声透かしを入れることができる。たとえば、透かし作成装置136は、透かし入りノイズ信号のダウンロードと事前設定のいずれかを行って、その透かし入りノイズ信号を、実質的に無音のメディアコンテンツもしくはコンテンツ構成要素を提示できるテレビ108、個別のSTB(図示せず)、または各種の他のメディア提示装置に保存するように構成されてもよい。
【0026】
図1の透かし作成装置136の実施例のブロック図を図2に示す。図2の例示的透かし作成装置136は、ノイズ信号(たとえば、データストリームや、ファイルなど)を生成する例示的ノイズ生成部204を含み、このノイズ信号は、特に、実質的に無音である(または無音であると予想される)特定のメディアコンテンツや、特定のコンテンツ構成要素のマーキングまたは識別に利用される透かし入りノイズ信号の土台になる。ノイズ生成部204は、ホワイトノイズや、疑似ランダムノイズや、他のタイプのノイズを生成できる各種のノイズ生成技法を実施することができる。図2の透かし作成装置136は、ノイズ生成部204によって生成されたノイズをフィルタリングする例示的ノイズフィルタ208も含む。一例において、ノイズフィルタ208は、可聴周波数帯域(たとえば、300Hzから3000Hzまでの周波数帯のうちの任意の一部分や、人に聞こえると考えられるいずれか他の周波数範囲)に対応する通過帯域を有する帯域フィルタを実現する。ノイズフィルタ208の出力は、濾波ノイズ信号であり(ピンクノイズ信号とも呼ばれる)、この濾波ノイズ信号は、特定のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素をマーキングまたは識別する音声透かしと結合される。
【0027】
ノイズフィルタ208からの濾波ノイズ信号に音声透かしを入れるために、図2の透かし作成装置136は、濾波ノイズ信号が生成されている特定のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素を識別する音声透かしを生成する例示的透かし生成部212を更に含む。たとえば、透かし生成部212は、特定のメディアコンテンツやコンテンツ構成要素をマーキングまたは識別するためのコンテンツマーキング情報、コンテンツ識別情報、または他の各種の適切な情報を情報入力216から取得する。次に、情報入力216から取得した情報に基づいて、透かし生成部212は、音声透かし生成処理または音声技術を利用して音声透かしを生成する。たとえば、透かし生成部212は、取得したマーキング/識別情報を利用して、振幅と周波数の少なくともいずれかが変調された信号を生成することができ、この信号は、前述のマーキング/識別情報を伝達するように変調された一つ以上の周波数を有する。このような例において、透かし生成部212は、濾波ノイズ信号自体を振幅変調する、もしくは周波数変調する、またはその両方で変調するように構成されても、または、濾波ノイズ信号と結合されることになる個別の信号の周波数成分を変調もしくは生成するように構成されてもよい。透かし生成部212で実施できる音声透かし生成技術の例は、特に限定するものではないが、2001年8月7日に発行された特許文献1、2003年1月7日に発行された特許文献2、2003年9月16日発行された特許文献3、2005年11月22日に発行された特許文献4、および2006年2月28日に発行された特許文献5においてスリニバサン(Srinivasan)によって記述された例や、2009年10月15日に公開された特許文献6においてトップチイ(Topchy)他によって記述された例を含み、これら全ての特許および特許公開は、その開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【0028】
透かし生成部212が、濾波ノイズ信号と結合される個別の透かし信号(たとえば、振幅と周波数の少なくともいずれかが変調された透かし信号)を生成する実施例において、図2の透かし作成装置136は、ノイズフィルタ208からの濾波ノイズ信号と、透かし生成部212からの個別の透かし信号とを組み合わせる例示的結合器220を含む。たとえば、結合器220は、濾波ノイズ信号に、透かし信号を加算する、混合する、多重化する、または他の方式で埋め込むように構成でき、各種の適切なスケーリング(たとえば、濾波ノイズ信号の平均出力または最大出力に基づいたスケーリング)を用いて、濾波ノイズ信号内に透かし信号が確実に埋め込まれるようにする。
【0029】
また、図2の透かし作成装置136は、結合器220からの透かし入りノイズ信号、または、(たとえば、濾波ノイズ信号が、透かし情報を伝達するように変調される場合に)透かし生成部212によって直接生成された透かし入りノイズ信号をスケーリングする例示的スケーラ224を含む。このスケーラ224は、メディアコンテンツ表現を構成する別の音声信号内に透かし入りノイズ信号を埋め込む(たとえば、隠す)ことを必要とせずに、実質的に不可聴になるように透かし入りノイズ信号をスケーリングする(たとえば、減衰させる)ように構成される。たとえば、スケーラ224は、平均的人間の聴覚閾値と同程度以下のレベル、または、メディアコンテンツもしくはコンテンツ構成要素が提示されることが予測される環境の周囲音声ノイズレベルもしくは背景音声ノイズレベルと同程度以下のレベルまで、(たとえば、心理音響的マスキングに基づいて)透かし入りノイズ信号を減衰させるように構成することができる。
【0030】
生成された透かし入りノイズ信号を、特定のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素に対応付けるために、図2の透かし作成装置136は、例示的コンテンツ対応付け部228を含む。一実施例において、コンテンツ対応付け部228は、透かし入りノイズ信号を表す一つ以上のデータファイルと共に、情報入力216から取得したマーキング/識別情報、および他の説明情報の少なくともいずれかを含む。そして、透かし入りノイズ信号と、その信号それぞれのコンテンツ対応関係情報とを出力するために、図2の透かし作成装置136は、例示的透かし入りノイズ信号出力ユニット232を更に含む。一実施例において、透かし入りノイズ信号出力ユニット232は、透かし入りノイズ信号と、その信号それぞれのコンテンツ対応関係情報とを、たとえば、図1のコンソール104(またはいずれか他のメディア提示装置)に送信して保存し、後に、対応付けられたメディアコンテンツとコンテンツ構成要素の少なくともいずれかがコンソール104に表示されるときに出力できるようにすると共に、図1の中央施設172にも同様に前記透かし入りノイズ信号と前記コンテンツ対応関係情報とを送信する。追加または代替の構成として、透かし入りノイズ信号出力ユニット232を利用して、透かし入りノイズ信号と、その信号それぞれのコンテンツ対応関係情報とを、たとえば、コンソール104(またはいずれか他のメディア提示装置)に事前設定することができる。これに加え、または代えて、透かし入りノイズ信号出力ユニット232を利用して、メディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素そのものと共に透かし入りノイズ信号を挿入することもできる。
【0031】
図1の透かし作成装置136を実装する例示的方式を図2に示したが、図2に記載した要素、プロセス、もしくは装置、またはこれら全ての一つ以上に対して、結合、分割、再配置、省略、除去、および他の方式での実施のうちの少なくともいずれかを行うことができる。また、図2の例示的ノイズ生成部204、例示的ノイズフィルタ208、例示的透かし生成部212、例示的結合器220、例示的スケーラ224、例示的コンテンツ対応付け部228、例示的透かし入りノイズ信号出力ユニット232、もしくはより包括的な例示的透かし作成装置136、またはこれら全ては、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアと、ソフトウェアと、ファームウェアとのうちの少なくともいずれかの任意の組み合わせ、またはこれら全てによって実施されてよい。したがって、たとえば、例示的ノイズ生成部204、例示的ノイズフィルタ208、例示的透かし生成部212、例示的結合器220、例示的スケーラ224、例示的コンテンツ対応付け部228、例示的透かし入りノイズ信号出力ユニット232、もしくはより包括的な例示的透かし作成装置136、またはその全ては、一つ以上の回路、一つ以上のプログラマブル処理装置、一つ以上の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、一つ以上のプログラマブル論理回路(Programmable Logic Device,PLD)、および一つ以上のフィールドプログラマブル論理回路(Field Programmable Logic Device,FPLD)などのうちの少なくともいずれかによって実施されてよい。添付された、方法の請求項のいずれかに、純粋なソフトウェア実装、もしくはファームウェア実装、またはその両方を包含することが記載されている場合、例示的透かし作成装置136、例示的ノイズ生成部204、例示的ノイズフィルタ208、例示的透かし生成部212、例示的結合器220、例示的スケーラ224、例示的コンテンツ対応付け部228、もしくは例示的透かし入りノイズ信号出力ユニット232、またはこれら全ては、前述のソフトウェアとファームウェアの少なくともいずれかを保存する有形的表現媒体、たとえば、メモリ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)などを含むことが、本明細書により明示的に定義される。また、図2の例示的透かし作成装置136は、図2に記載したものに加え、またはその代替として、一つ以上の要素、一つ以上のプロセス、および一つ以上の装置のうちの少なくともいずれかを含んでよいことに加え、または、これに代えて、例示した要素、プロセス、および装置のうちのいずれか、または全てを一つより多く含むことができる。
【0032】
図1のコンソール104の実施例のブロック図を図3に示す。図示した例示的コンソール104は、たとえば、図1のゲームコンテンツプロバイダ156からメディアコンテンツおよびコンテンツ構成要素を受け取る例示的受取ユニット304を含む。この受取ユニット304は、たとえば、図1と図2の少なくともいずれかに記載された透かし作成装置136から、透かし入りノイズ信号およびコンテンツ対応関係情報も受け取る。したがって、一実施例において、受取ユニット304は、図1のネットワーク接続148およびネットワーク152に適合する各種の適切なネットワーク技術を実装することができる。
【0033】
図3のコンソール104は、受取ユニット304から受け取る、ダウンロードされたメディアコンテンツとコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを保存する例示的コンテンツ記憶装置308も含む。追加または代替の構成として、コンテンツ記憶装置308は、コンソールに予め読み込まれているメディアコンテンツとコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを格納してもよい。これに加え、または代えて、コンテンツ記憶装置308は、DVD読取装置、CD読取装置、カートリッジ読取装置などのローカルの入力元から取得されるメディアコンテンツとコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを格納することができる。コンテンツ記憶装置308に格納され得るメディアコンテンツの例としては、特に限定するものではないが、ビデオゲームコンテンツ、映画および他の映像コンテンツ、音楽および他の音声コンテンツ、一つ以上のGUIなどが挙げられ、このGUIは、たとえば、装置設定、ゲームコンテンツの設定およびナビゲーション、コンテンツプロバイダサービスの設定およびナビゲーション、EPGナビゲーションに関連付けられたものである。コンテンツ記憶装置308に格納され得るコンテンツ構成要素の例としては、特に限定するものではないが、格納されているメディアコンテンツを構成する個々の映像コンテンツ構成要素および音声コンテンツ構成要素が挙げられる。このようなビデオコンテンツ構成要素の例は、特に限定するものではないが、背景画像構成要素、前景画像構成要素、登場人物/スプライト、重ね書き通知などの形式のビデオゲーム構成要素、もしくは各種異なるGUIウィンドウ/画面、メニュー、テキストボックス、図形表示などを実現するGUIウィジェットの形式のGUI構成要素、またはその両方の構成要素を含む。前述の音声コンテンツ構成要素の例は、特に限定するものではないが、音楽トラック、特殊効果、音声通知などを含む。コンテンツ記憶装置308は、各種のメモリまたは記憶装置技術を用いて実装することができる。
【0034】
図3のコンソール104は、広告を格納する例示的広告記憶装置312を更に含み、この広告は、外部供給元(たとえば、一つ以上のコンテンツプロバイダ156など)からダウンロードされるか、ローカルの供給元(たとえば、DVD読取装置や、CD読取装置や、カートリッジ読取装置など)から取得されるか、広告記憶装置312に予め読み込まれている。一実施例において、広告記憶装置312に格納された広告は、コンソール104によって、そのメディアコンテンツ表現に埋め込むことができる。広告記憶装置312に格納され得る広告の例としては、特に限定するものではないが、映像の広告、音声の広告、静止画像の広告、図形ロゴマークなどが挙げられる。広告記憶装置312は、各種のメモリまたは記憶装置技術を用いて実装することができる。
【0035】
図3のコンソール104は、たとえば透かし作成装置136からダウンロードされた透かし入りノイズ信号と、たとえば透かし作成装置136を用いて予め読み込まれた透かし入りノイズ信号との少なくとも一方を格納する透かし入りノイズ信号記憶装置316も含む。また、透かし入りノイズ信号記憶装置316は、個々のメディアコンテンツまたはコンテンツ構成要素に各透かし入りノイズ信号を対応付けるコンテンツ対応関係情報を格納する。コンテンツ対応関係情報は、たとえば透かし作成装置136からダウンロードされてもよいし、もしくは、たとえば透かし作成装置136を用いて予め読み込まれてもよいし、または、その両方であってもよい。透かし入りノイズ信号記憶装置316は、各種のメモリまたは記憶装置技術を用いて実装することができる。また、コンテンツ記憶装置308、広告記憶装置312、および透かし入りノイズ信号記憶装置316は、単一のメモリ/記憶装置ユニットによって実現されても、または2つ以上のメモリ/記憶装置ユニットによって実現されてもよい。
【0036】
コンソール104には、図1のゲームコントローラ140と遠隔制御装置144の少なくともいずれかなどの入力装置、または他の各種のユーザ入力装置からのユーザの操作を支援するユーザインターフェイス320が含まれている。追加または代替の構成として、ユーザインターフェイス320は、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラス、タッチスクリーンなど、コンソール104に組み込まれるローカルのユーザインターフェイスを提供してもよい。ユーザインターフェイス320から取得したユーザ入力に基づいて、図3のコンソール104は、コンテンツ処理装置324、広告処理装置328、もしくはGUI処理装置332、またはこれら全ての一つ以上を利用して、メディアコンテンツ表現を準備して出力する。
【0037】
コンテンツ処理装置324は、コンソール140によって出力されるメディアコンテンツ表現に挿入する映像コンテンツと音声コンテンツの少なくともいずれかを選択して加工するように構成される。一実施例において、コンテンツ処理装置324は、ユーザインターフェイス320から受け取ったユーザ入力に基づいて、コンテンツ記憶装置308から、映像コンテンツ、音声コンテンツ、およびコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを選択して取得する。追加または代替の構成として、コンテンツ処理装置324は、選択した映像コンテンツ、音声コンテンツ、およびコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを、一つ以上のコンテンツプロバイダ156などの外部供給元からの直接のダウンロードもしくはストリーミング、またはその両方の方式で取得することができる。これに加え、または代えて、コンテンツ処理装置324は、たとえば、保存されている機械可読プログラム命令に基づいてオンザフライ式に、音声コンテンツ、映像コンテンツ、およびコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを生成(たとえば、レンダリング処理)することができる。また、図示した例のコンテンツ処理装置324は、取得した映像コンテンツ、音声コンテンツ、およびコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを処理してメディアコンテンツ表現に挿入するように構成される。このような処理は、特に限定するものではないが、コンテンツおよびコンテンツ構成要素のどれをいつ(たとえば、どのようなコンテンツ構成要素順序で)提示するのかの決定、コンテンツ構成要素の同期化(たとえば、映像構成要素と音声構成要素の同期化など)、他のメディアコンテンツおよびコンテンツ構成要素(たとえば、広告処理装置328によって提供される広告、GUI処理装置332によって提供されるGUIなど)との統合(たとえば、オーバーレイ)、後処理(たとえば、画像品質の改善、特殊効果、音量調節などの処理)などを含む。
【0038】
広告処理装置328は、コンソール104によって出力されるメディアコンテンツ表現に挿入する広告を選択して加工するように構成される。一実施例において、広告処理装置328は、ユーザインターフェイス320から受け取ったユーザ入力、もしくは他の選択基準(たとえば、ランダム選択、選択されている音声/映像コンテンツに連動した選択など)、またはその両方に基づいて、広告記憶装置312から広告または広告構成要素を選択して取得する。追加または代替の構成として、広告処理装置328は、一つ以上のコンテンツプロバイダ156など、外部供給元からの直接のダウンロードもしくはストリーミング、またはその両方の方式で広告を取得することができる。これに加え、または代えて、広告処理装置328は、(たとえば、ロゴマークや静止画像広告などの場合、)たとえば、保存されている機械可読プログラム命令に基づいて、オンザフライ式に広告を生成(たとえば、レンダリング処理)することができる。また、図示した例の広告処理装置328は、広告を処理して、メディアコンテンツ表現に挿入することも行うように構成される。このような処理は、特に限定するものではないが、スケーリング、トリミング、音量調節などを含む。
【0039】
GUI処理装置332は、コンソール104によって出力されるメディアコンテンツ表現に挿入するGUIを選択して加工するように構成される。一実施例において、GUI処理装置332は、ユーザインターフェイス320から受け取ったユーザ入力、もしくは他の選択基準(たとえば、GUIまたはGUIウィジェットの自動提示またはポップアップ提示など)、またはその両方に基づいて、コンテンツ記憶装置308から、GUIもしくは一つ以上のGUIコンテンツ構成要素(たとえば、GUIウィジェット)、またはその両方を選択して取得する。追加または代替の構成として、GUI処理装置332は、選択したGUIおよびGUIコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを、一つ以上のコンテンツプロバイダ156などの外部供給元からの直接のダウンロードもしくはストリーミング、またはその両方の方式で取得することができる。これに加え、または代えて、GUI処理装置332は、たとえば、保存されている機械可読プログラム命令に基づいて、オンザフライ式にGUIおよびGUIコンテンツ構成要素の少なくともいずれかを生成(たとえば、レンダリング処理)することができる。また、図示した例のGUI処理装置332は、取得したGUIおよびGUIコンテンツの少なくともいずれかを処理して、メディアコンテンツ表現に挿入することも行うように構成される。このような処理としては、特に限定するものではないが、どのGUI構成要素(たとえば、ウィジェット)をいつ提示するのかの決定、他のメディアコンテンツおよびコンテンツ構成要素との統合(たとえば、オーバーレイ)(たとえば、GUIのウィンドウ内への広告の挿入、GUIのウィンドウ内への映像コンテンツの挿入など)、後処理(たとえば、ウィンドウ、テキスト、メニュー、ボタン、および他の特殊効果のうちの少なくともいずれかの強調表示)などが挙げられる。
【0040】
実質的に無音のメディアコンテンツもしくはコンテンツ構成要素、またはその両方に音声透かしを設定できるようにするために、図3のコンソール104は、例示的透かし処理装置336を含む。この透かし処理装置336は、メディアコンテンツ表現に挿入されるメディアコンテンツもしくはコンテンツ構成要素、またはその両方が、透かし入りノイズ信号記憶装置316に格納された透かし入りノイズ信号にも対応付けられているかどうかを特定するように構成される。一実施例において、透かし処理装置336は、コンソール104によって出力されるメディアコンテンツ表現に挿入されるコンテンツ構成要素のうちのいずれか、その一部、またはその全てについて、コンテンツ対応関係情報が、透かし入りノイズ信号記憶装置316に格納されているかどうかを判定する。透かし処理装置336によって検査されるコンテンツ構成要素は、たとえば、コンテンツ処理装置324、広告処理装置328、またはGUI処理装置332によって取得/生成されたコンテンツ構成要素であってよい。少なくともいくつかの実施例において、透かし処理装置336は、このような検査を、実質的に無音であるコンテンツ構成要素に限定(たとえば、処理負荷を抑制するために限定)することができる。たとえば、透かし処理装置336が、コンテンツ構成要素は実質的に無音であると判定できるのは、そのコンテンツ構成要素が音声構成要素を全く含まない場合、またはコンテンツ処理装置324、広告処理装置328、またはGUI処理装置332のうちの少なくとも一つが、後処理によってそのコンテンツ構成要素の実質的な無音化(たとえば、音量調節のための音声消音など)を行っていた場合である。
【0041】
検査したコンテンツ構成要素が透かし入りノイズ信号に対応付けられていると判定された場合、透かし処理装置336は、検査したコンテンツ構成要素に対応付けられている固有の透かし入りノイズ信号を透かし入りノイズ信号記憶装置316から取得する。また、透かし処理装置336は、取得した透かし入りノイズ信号に対して、音声の減衰または増幅、対応するコンテンツ構成要素の提示処理との同期化などの後処理を実行して、コンソール104から出力される透かし入りノイズ信号を加工することができる。たとえば、取得した透かし入りノイズ信号に対し、個別の音声信号に結合する(隠す)ことなく実質的に不可聴になるようにするためのスケーリングが行われていない場合、透かし処理装置336は、そのスケーリングを実行することができる。これに加え、または代えて、透かし処理装置336は、取得した透かし入りノイズ信号を、設定の入力に基づいてスケーリングすることができ、また、音声センサ(図示せず)が存在する場合は、設定の入力に加えて前記音声センサにも基づいて、または設定の入力の代わりに前記音声センサに基づいてスケーリングを行い、コンソール104付近の周囲音声または背景音声を考慮することができる。たとえば、騒々しい環境では、透かし入りノイズ信号の音声レベルを上げられるが、静かな環境では、透かし入りノイズ信号の音声レベルを下げる必要があるかもしれない。
【0042】
少なくともいくつかの実施例において、透かし処理装置336は、メディアコンテンツ表現の中に特定の(たとえば、実質的に無音の)コンテンツ構成要素が含まれているかどうかを基準とする代わりに、またはこれに加えて、コンソール104の動作状態に基づいて、透かし入りノイズ信号記憶装置316から透かし入りノイズ信号を選択して取得(または、透かし作成装置136の機能の一部、または全てを実施することによってオンザフライ式に透かし入りノイズ信号を生成)してもよい。たとえば、透かし処理装置336において、コンソール104は、出力音声が消音されている消音状態や、出力音声が聴覚閾値より低い低音量状態などの実質的に無音の状態で動作していると判定された場合、透かし処理装置336は、特定の動作状態(たとえば、消音状態)に対応付けられてその状態であることを示す透かし入りノイズ信号を取得して、コンソール104がその特定の状態で動作している間、その透かし入りノイズ信号を出力することができる。透かし入りノイズ信号は、コンソール104が、透かし入りノイズ信号を出力させる特定の動作状態(たとえば、消音状態)にある間に、コンソール104によって実行される一つ以上の活動(たとえば、アプリケーション、演算など)を識別することもできる。これに加え、または代えて、透かし処理装置336は、透かし入りノイズ信号記憶装置316から透かし入りノイズ信号を取得する代わりに、またはこれに加えて、図2の透かし作成装置136の機能の一部または全てを実施して、透かし入りノイズ信号(およびコンテンツ対応関係情報)をオンザフライ式に生成するように構成されてよい。
【0043】
メディアコンテンツ表現(たとえば、ビデオゲーム表現、GUI、埋め込み広告などのうちの一つ、一部、または全て)を出力するために、図3のコンソール104は、コンソール104から出力される映像信号112を加工および生成する映像処理装置340と、コンソール104から出力される音声信号を加工および生成する音声処理装置344とを含む。また、音声処理装置344は、各種の適切な結合演算(たとえば、加算、混合、多重化など)を実行して、出力対象のメディアコンテンツ表現に、透かし処理装置336によって取得された一つ以上の透かし入りノイズ信号を組み合わせる。任意の適切な映像技術および音声技術を利用して、映像処理装置340および音声処理装置344を実装することができる。
【0044】
図3の例について、図1のコンソール104を実現するという文脈で説明したが、図3に記載した要素/構成部品のうちの一つ、一部、または全てを利用して、各種のメディア提示装置を実現することができる。たとえば、例示的受取ユニット304、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、例示的ユーザインターフェイス320、例示的コンテンツ処理装置324、例示的広告処理装置328、例示的GUI処理装置332、例示的透かし処理装置336、例示的映像処理装置340、および例示的音声処理装置344のうちの少なくともいずれか、一部、または全ては、STB、パソコン、PDA、携帯電話などや、他の各種のメディア提示装置を実現するために利用されても、または、これらのSTB、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話などや、他の各種のメディア提示装置によって実施されてもよい。
【0045】
図1のコンソール104を実装する例示的方式を図3に示したが、図3に記載した要素、プロセス、もしくは装置、または、これら全ての一つ以上に対して、結合、分割、再配置、省略、除去、および他の方式での実施のうちの少なくともいずれかを行うことができる。また、図3の例示的受取ユニット304、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、例示的ユーザインターフェイス320、例示的コンテンツ処理装置324、例示的広告処理装置328、例示的GUI処理装置332、例示的透かし処理装置336、例示的映像処理装置340、例示的音声処理装置344、もしくはより包括的な例示的コンソール104、またはこれら全ては、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアと、ソフトウェアと、ファームウェアとのうちの少なくともいずれかの任意の組み合わせ、またはこれら全てによって実施されてよい。したがって、たとえば、例示的受取ユニット304、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、例示的ユーザインターフェイス320、例示的コンテンツ処理装置324、例示的広告処理装置328、例示的GUI処理装置332、例示的透かし処理装置336、例示的映像処理装置340、例示的音声処理装置344、もしくはより包括的な例示的コンソール140、またはこれら全ては、一つ以上の回路、一つ以上のプログラマブル処理装置、一つ以上のASIC、一つ以上のPLD、および一つ以上のFPLDなどのうちの少なくともいずれかによって実施されてよい。付属の方法請求項のいずれかに、純粋なソフトウェア実装、もしくはファームウェア実装、またはその両方を包含することが記載されている場合、例示的コンソール104、例示的受取ユニット304、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、例示的ユーザインターフェイス320、例示的コンテンツ処理装置324、例示的広告記憶装置328、例示的GUI処理装置332、例示的透かし処理装置336、例示的映像処理装置340、および例示的音声処理装置344のうちの少なくとも一つは、前述のソフトウェアとファームウェアの少なくともいずれかを保存する有形的表現媒体、たとえば、メモリ、DVD、CDなどを含むことが、本明細書により明示的に定義される。更に、図3の例示的コンソール104は、図3に記載したものに加え、またはその代替として、一つ以上の要素、一つ以上のプロセス、および一つ以上の装置のうちの少なくともいずれかを含んでよいことに加え、または、これに代えて、例示した要素、プロセス、および装置のうちのいずれか、または全てを一つより多く含むことができる。
【0046】
図1の監視装置132の実施例のブロック図を図4に示す。図示した例示的監視装置132(計量器132とも呼ばれる)は、例示的音声インターフェイス404を含み、この音声インターフェイス404は、たとえば、図1のコンソール104(または、監視対象である各種の他のメディア提示装置)から監視音声信号128を受け取る。これに加え、または代えて、音声インターフェイス404は、たとえば図1のセンサ160の一つ以上から監視音声信号を受け取るように構成されてよい。音声インターフェイス404は、後の処理のために、受け取った監視音声信号の増幅、調整、結合、および他の方式での加工のうちの少なくともいずれかを行う。
【0047】
図4の監視装置132は、音声インターフェイス404から取得した監視音声信号内の音声透かしを検出するように構成される例示的透かし検出装置408も含む。たとえば、透かし検出装置408は、図1と図3の少なくともいずれかに記載のコンソール104から出力された透かし入りノイズ信号に含まれる透かしを検出することができる。実質的に不可聴の音声透かし信号から透かし検出装置408によって検出される透かしは、監視装置132による監視対象である実質的に無音のメディアコンテンツとコンテンツ構成要素の少なくともいずれかの提示および消費を許可するものである。たとえば、透かし入りノイズ信号から検出された透かしは、ビデオゲームの特定の部分が、ユーザから接触またはアクセスされたこと、提示されたゲームコンテンツまたは提示されたGUIに特定の埋め込み広告が挿入されていること、特定のGUIウィジェットが提示またはアクセスされたことなどをマーキングまたは識別することができる。
【0048】
また、少なくともいくつかの実施例において、透かし検出装置408は、たとえば、コンソール104によって提示されるメディアコンテンツ内に埋め込まれた(たとえば、隠された)従来の音声透かしを検出することができる。更に、少なくともいくつかの実施例において、透かし検出装置408は、検出した音声透かしを復号して、その透かしによって表されるマーキング情報および他の識別情報の少なくともいずれかを特定するように構成される。透かし検出装置408で実施できる透かし検出技術の例は、特に限定するのもではないが、上記で参照した特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6の少なくともいずれかに開示された例を含む。
【0049】
図4の監視装置132は、検出された音声透かしと、復号された透かし情報の少なくとも一方を、たとえば、図1の中央施設172に通知するように構成される例示的レポート通知ユニット412を更に含む。たとえば、レポート通知ユニット412は、一つ以上のデータファイル、データレコードなどに、検出された音声透かしと、復号された透かし情報の少なくともいずれかをバッファリングして、ネットワーク接続164およびネットワーク168を介して中央施設172に送信することができる。各種の適切なデータ保存技術およびレポート通知技術を利用して、レポート通知ユニット412を実装することができる。
【0050】
図1の監視装置132を実装する例示的方式を図4に示したが、図4に記載した要素、プロセス、もしくは装置、またはこれら全ての一つ以上に対して、結合、分割、再配置、省略、除去、および他の方式での実施のうちの少なくともいずれかを行うことができる。また、図4の例示的音声インターフェイス404、例示的透かし検出装置408、例示的レポート通知ユニット412、もしくはより包括的な例示的監視装置132、またはこれら全ては、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアと、ソフトウェアと、ファームウェアとのうちの少なくともいずれかの任意の組み合わせ、またはこれら全てによって実施されてよい。したがって、たとえば、例示的音声インターフェイス404、例示的透かし検出装置408、例示的レポート通知ユニット412、もしくはより包括的な例示的監視装置132、またはこれら全ては、一つ以上の回路、一つ以上のプログラマブル処理装置、一つ以上のASIC、一つ以上のPLD、および一つ以上のFPLDなどのうちの少なくともいずれかによって実施されてよい。付属の方法請求項のいずれかに、純粋なソフトウェア実装、もしくはファームウェア実装、またはその両方を包含することが記載されている場合、例示的監視装置132、例示的音声インターフェイス404、例示的透かし検出装置404、および例示的レポート通知ユニット412のうちの少なくとも一つは、前述のソフトウェアとファームウェアの少なくともいずれかを保存する有形的表現媒体、たとえば、メモリ、DVD、CDなどを含むことが、本明細書により明示的に定義される。更に、図4の例示的監視装置132は、図4に記載したものに加え、またはその代替として、一つ以上の要素、一つ以上のプロセス、および一つ以上の装置のうちの少なくともいずれかを含んでよいことに加え、または、これに代えて、例示した要素、プロセス、および装置のうちのいずれか、または全てを一つより多く含むことができる。
【0051】
例示的環境100、例示的コンソール104、例示的監視装置132、例示的透かし作成装置136、例示的ノイズ生成部204、例示的ノイズフィルタ208、例示的透かし生成部212、例示的結合器220、例示的スケーラ224、例示的コンテンツ対応付け部228、例示的透かし入りノイズ信号出力ユニット232、例示的受取ユニット304、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、例示的ユーザインターフェイス320、例示的コンテンツ処理装置324、例示的広告処理装置328、例示的GUI処理装置332、例示的透かし処理装置336、例示的映像処理装置340、例示的音声処理装置344、例示的音声インターフェイス404、例示的透かし検出装置408、および/または例示的レポート通知ユニット412を実装するために実行できる例示的プロセスを表すフローチャートを図5から図7に示す。これらの例おいて、各フローチャートに示されるプロセスは、一つ以上のプログラムによって実行されてよく、このプログラムは、(a)図8との関連で後述する例示的処理システム800に図示された処理装置812などの処理装置、(b)制御装置、もしくは(c)各種他の適切な装置、またはこれら全てによって実行される機械可読命令を含む。この一つ以上のプログラムは、たとえば、フラッシュメモリ、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、DVD、または処理装置812に関連付けられたメモリなどの有形的表現媒体に格納されたソフトウェアにおいて具現化されてよい。ただし、一つ以上のプログラムの全体、もしくは一つ以上のプログラムの一部、またはその両方は、処理装置812以外の装置によって代わりに実行されてよいことに加え、またはこれに代えて、ファームウェアや専用ハードウェアにおいて具現化(たとえば、ASIC、PLD、FPLD、離散論理などによって実装)されてもよい。
【0052】
たとえば、例示的環境100、例示的コンソール104、例示的監視装置132、例示的透かし作成装置136、例示的ノイズ生成部204、例示的ノイズフィルタ208、例示的透かし生成部212、例示的結合器220、例示的スケーラ224、例示的コンテンツ対応付け部228、例示的透かし入りノイズ信号出力ユニット232、例示的受取ユニット304、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、例示的ユーザインターフェイス320、例示的コンテンツ処理装置324、例示的広告処理装置328、例示的GUI処理装置332、例示的透かし処理装置336、例示的映像処理装置340、例示的音声処理装置344、例示的音声インターフェイス404、例示的透かし検出装置408、および例示的レポート通知ユニット412のうちの少なくともいずれかの一部、または全ては、ソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェアのうちの少なくともいずれかの任意の組み合わせによって実施されてよい。また、図5〜図7のフローチャートに示されたプロセスの一部または全ては、手動で実施されてもよい。更に、例示的プロセスについて、図5〜図7に記載したフローチャートを参照しながら説明するが、本明細書に記載した例示的方法および装置を実現する多数の他の技法が代わりに利用されてもよい。たとえば、図5〜図7に記載したフローチャートに関して、各ブロックの実行順序を変更することができることに加え、または代えて、記載したブロックのうちの一部に対して、変更、除去、結合、および複数ブロックへの分割のうちの少なくともいずれかを行うことができる。
【0053】
図2の例示的透かし作成装置136を実施する際に実行され得る例示的プロセス500を図5に示す。プロセス500は、たとえば、一つ以上の実質的に無音のコンテンツ構成要素に、透かし入りノイズ信号を作成するときに実行され得る。図2および上記に提示した図2の関連記述を参照しながら説明すると、図5のプロセスは、ブロック505において実行が開始し、このブロック505において、透かし作成装置136が、音声透かしを入れる、一連の実質的に無音のメディアコンテンツ構成要素を識別する。たとえば、一連の実質的に無音のメディアコンテンツ構成要素は、ゲームコンテンツプロバイダ、コンソール製造業者などで指定することができる。次に、識別された各コンテンツ構成要素に対して(ブロック510)、透かし作成装置136に含まれるノイズ生成部204は、個々のコンテンツ構成要素に透かしを入れるために使用される透かし入りノイズ信号の土台となる、ホワイトノイズ信号または疑似ランダムノイズ信号(たとえば、データストリームや、データファイルなど)を生成する。次に、ブロック520において、透かし作成装置136に含まれるノイズフィルタ208は、ブロック515において生成されたノイズ信号をフィルタリングして、濾波(ピンク)ノイズ信号を決定する。
【0054】
ブロック525において、透かし作成装置136は、情報入力216を介して、各コンテンツ構成要素の識別情報、または他のマーキング情報を取得する。次に、ブロック530において、透かし作成装置136に含まれる透かし生成部212は、ブロック525において取得した情報を表す音声透かしを、コンテンツ構成要素ごとに生成する。たとえば、ブロック525において、透かし生成部212は、ブロック525において取得した情報を伝達するように変調された一つ以上の周波数を有する、振幅と周波数の少なくともいずれかが変調された信号を生成できる。他の例では、ブロック525において、透かし生成部212は、ブロック525において取得した識別情報を伝達するように、ブロック520において決定された濾波ノイズ信号を直接変調することができる。
【0055】
ブロック535において、透かし作成装置136に含まれる結合器220は、濾波ノイズ信号に個別の透かし信号を結合して、透かし入りノイズ信号を形成する(たとえば、透かし入りノイズ信号を決定するために、濾波ノイズ信号が、透かし生成部212によって直接変調されていない場合)。また、ブロック535において、透かし作成装置136に含まれるスケーラ224は、透かし入りノイズ信号をスケーリングして、メディアコンテンツ表現を構成する個別の音声信号内に埋め込む(たとえば、隠す)ことなく、透かし入りノイズ信号を実質的に不可聴にする。次に、識別された構成要素に、透かしの入っていないものが存在する場合(ブロック540)、処理はブロック510に戻り、それ以降のブロックで、残りの実質的に無音のコンテンツ構成要素に音声透かしを入れる。ただし、全ての構成要素に透かしが入れられた場合(ブロック540)は、ブロック545において、透かし作成装置136に含まれるコンテンツ対応付け部228は(場合によっては、透かし入りノイズ信号出力ユニット232と協働して)、コンテンツ対応関係情報(たとえば、ブロック515で取得した情報に対応する情報)を透かし入りノイズ信号と共に、たとえば、コンソール104に格納して、各透かし入りノイズ信号が、それぞれ対応するメディアコンテンツ構成要素に対応付けられるようにする。例示的プロセス500の実行はここで終了する。
【0056】
図3の例示的コンソール104を実施する際に実行され得る例示的プロセス600を図6に示す。このプロセス600は、たとえば、バックグラウンド処理として継続的に実行されてよく、コンソール104によって出力されるメディアコンテンツ表現に含まれる、一つ以上の実質的に無音のコンテンツ構成要素に対応付けられた透かし入りノイズ信号を出力することができる。図3および上記に提示した図3の関連記述を参照しながら説明すると、図6のプロセス600は、ブロック605において実行が開始し、このブロック605において、コンソール104に含まれるコンテンツ処理装置324、広告処理装置328、もしくはGUI処理装置、またはこれら全てが、出力されるメディアコンテンツ表現に挿入される一連のメディアコンテンツ構成要素を決定する。次に、ブロック610において、コンソール104に含まれる透かし処理装置336は、結果的に得られるメディアコンテンツ表現が、実質的に無音で、透かし入りノイズ信号を検出できるものであるかどうかを判定する。メディアコンテンツ表現が実質的に無音でない場合(ブロック610)、処理はブロック615に進む。これについては、後で詳細に説明する。一方、メディアコンテンツ表現が実質的に無音である場合(ブロック610)、透かし処理装置336は、メディアコンテンツ表現に挿入される各コンテンツ構成要素を検査する(ブロック620)。少なくともいくつかの実施例において、ブロック610における決定を省略して、ブロック605から直接ブロック620に処理を進めることができる。
【0057】
ブロック620において、透かし処理装置336は、メディアコンテンツ表現に挿入される各コンテンツ構成要素を検査する。具体的には、ブロック625において、透かし処理装置336は、透かし入りノイズ信号記憶装置316に格納されている、もしくは透かし処理装置336によってオンザフライ式に生成される、またはその両方である個々の透かし入りノイズ信号に、各コンテンツ構成要素が対応付けられているかどうかを判定する。たとえば、透かし処理装置336は、透かし入りノイズ信号記憶装置316に格納されているコンテンツ対応関係情報を検査して、特定の(実質的に無音の)コンテンツ構成要素が、固有の透かし入りノイズ信号に対応付けられているかどうかを判定する。特定のコンテンツ構成要素が、固有の透かし入りノイズ信号に対応付けられていると判定された場合(ブロック625)は、ブロック630において、透かし処理装置336が、その固有の透かし入りノイズ信号を取得する(たとえば、透かし入りノイズ信号記憶装置316から、またはオンザフライ式生成によって取得する)。次に、ブロック635において、音声処理装置344は、ブロック630において取得した透かし入りノイズ信号を、コンソール104から出力される全音声信号と結合する。
【0058】
検査すべきコンテンツ構成要素が依然として残っている場合(ブロック640)、処理はブロック620に戻り、次のコンテンツ構成要素が透かし処理装置336によって検査される。これとは逆に、コンテンツ構成要素が全て検査されていた場合(ブロック640)、処理はブロック645に進み、音声処理装置344が、ブロック635の処理によって結合されたとおりに、個々の実質的に無音のコンテンツ構成要素全てに対応する透かし入りノイズ信号全ての組み合わせを出力する。このように、複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素に対応付けられた、複数の重複する透かし入りノイズ信号を、コンソール104からほぼ同時に出力することができる。次に、ブロック615において、音声処理装置344は、結合された音声ノイズ信号を、メディアコンテンツ表現と共に出力される各種の可聴音声コンテンツに結合する。ブロック615の処理は省略可能であり、特に、ブロック610における判定が組み込まれ、その結果、メディアコンテンツ表現が実質的に無音である場合にのみ音声ノイズ信号を出力される実施例において省略することができる。
【0059】
次に、コンソール104が、メディアコンテンツの提示を継続することを決定した場合(ブロック650)、処理はブロック605に戻り、それ以降のブロックを実行する。そうでない場合は、例示的プロセス600の実行が終了する。
【0060】
図4の例示的監視装置132を実施する際に実行され得る例示的プロセス700を図7に示す。このプロセス700は、たとえば、バックグラウンド処理として継続的に実行されてよく、監視メディアコンテンツ表現に含まれる一つ以上の実質的に無音のコンテンツ構成要素に対応付けられた透かし入りノイズ信号内の透かしと、監視メディアコンテンツ表現の一つ以上の可聴音声構成要素内に埋め込まれた(たとえば、隠された)音声透かしとを検出することができる。図4と上記に提示した図4の関連記述を参照しながら説明すると、図7のプロセス700は、ブロック705において実行が開始し、監視装置132に含まれる音声インターフェイス404が、監視音声信号(たとえば、コンソール104からの監視音声128、コンソール104の近くに配置される音声センサ160からの監視音声信号、または、監視対象である各種の他のメディア提示装置に対応する各種の他の監視音声信号など)を取得する。
【0061】
次に、ブロック710において、監視装置132に含まれる透かし検出装置408は、ブロック705において取得した監視音声信号に含まれる全ての透かしを検出する。たとえば、ブロック710において、透かし検出装置408は、コンソール104、または監視対象の他のメディア提示装置から出力された透かし入りノイズ信号に含まれる透かしを検出することができる。これに加え、または代えて、ブロック710において、透かし検出装置408は、コンソール104、または(前述したような)他のメディア提示装置によって提示された可聴音声コンテンツに埋め込まれた(たとえば、隠された)音声透かしを検出してもよい。たとえば、可聴音声コンテンツのパワーは、どの透かし入りノイズ信号のパワーよりも上回り得るため、可聴音声コンテンツに埋め込まれた(たとえば、隠された)従来の音声透かしは、各種の透かし入りノイズ信号が存在する場合であっても、透かし検出装置408で検出することができる。いずれかの透かしが検出された場合(ブロック715)は、ブロック720において、監視装置132に含まれるレポート通知ユニット412が、検出された透かし、もしくは復号された透かし情報、またはその両方を、たとえば、(前述したような)中央施設172に通知する。次に、監視処理を継続する場合(ブロック725)、処理はブロック705に戻ってそれ以降のブロックを実行する。そうでない場合は、例示的プロセス700の実行が終了する。
【0062】
図8は、本明細書に開示した装置および方法を実施できる例示的処理システム800のブロック図である。処理システム800は、たとえば、サーバ、パソコン、携帯型情報端末(PDA)、インターネット家電、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、デジタルビデオレコーダ、パーソナルビデオレコーダ、セットトップボックス、または他の各種の演算装置であってよい。
【0063】
本例のシステム800は、汎用プログラマブル処理装置などの処理装置812を含む。処理装置812は、ローカルメモリ814を含み、そのローカルメモリ814、もしくは他のメモリデバイス、またはその両方に存在するコード化された命令816を実行する。処理装置812は、特に、機械可読命令を実行して、図5〜図7に示したプロセスを実施することができる。処理装置812は、任意のタイプの処理ユニット、たとえば、インテル(Intel)(登録商標)セントリーノ(Centrino)(登録商標)系のマイクロプロセッサ、インテル(Intel)(登録商標)ペンティアム(Pentium)(登録商標)系のマイクロプロセッサ、インテル(Intel)(登録商標)アイテニアム(Itenium)(登録商標)系のマイクロプロセッサ、およびインテル(Intel)XScale(登録商標)系のプロセッサのうちの少なくともいずれかの一つ以上のマイクロプロセッサなどであってよい。もちろん、他の系のプロセッサでも適している。
【0064】
処理装置812は、揮発性メモリ818および不揮発性メモリ820を含むメインメモリと、バス822を介して接続される。揮発性メモリ818は、スタティックRAM(Static Random Access Memory,SRAM)、同期DRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory,SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM)、ラムバスDRAM(RAMBUS Dynamic Random Access Memory,RDRAM)、および各種の他のランダムアクセスメモリデバイスのうちの少なくともいずれかによって実施されてよい。不揮発性メモリ820は、フラッシュメモリ、もしくは各種の他の望ましいメモリデバイス、またはその両方によって実施されてよい。メインメモリ818,820へのアクセスは、一般に、メモリコントローラ(図示せず)によって制御される。
【0065】
処理システム800は、インターフェイス回路824も含む。インターフェイス回路824は、イーサネット(登録商標)インターフェイス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および第三世代の入出力(Third Generation Input/Output(3GIO))インターフェイスなど、各種のインターフェイス規格で実施されてよい。
【0066】
一つ以上の入力装置826は、インターフェイス回路824に接続される。入力装置826は、ユーザが処理装置812にデータおよびコマンドを入力できるようにする。この入力装置は、たとえば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント(isopoint)、もしくは音声認識システム、またはこれら全てによって実現されてよい。
【0067】
一つ以上の出力装置828もインターフェイス回路824に接続される。出力装置828は、たとえば、表示装置(たとえば、液晶ディスプレイ、陰極線管(CRT)ディスプレイ)、プリンタ、もしくはスピーカ、またはこれら全てによって実現されてよい。したがって、インターフェイス回路824は、通常、グラフィックスドライバカードを含む。
【0068】
インターフェイス回路824は、ネットワーク(たとえば、イーサネット(登録商標)接続、デジタル加入者回線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、携帯電話システムなど)を介して外部コンピュータと容易にデータ交換を行えるようにするモデムや、ネットワークインターフェイスカードなどの通信装置も含む。
【0069】
処理システム800は、ソフトウェアおよびデータを格納する一つ以上の大容量記憶装置830も含む。このような大容量記憶装置830の例としては、フロッピィ(登録商標)ディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、およびデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブが挙げられる。この大容量記憶装置830は、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、もしくは例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、またはこれら全てを実現できる。これに代えて、揮発性メモリ818が、例示的コンテンツ記憶装置308、例示的広告記憶装置312、もしくは例示的透かし入りノイズ信号記憶装置316、またはこれら全てを実現してもよい。
【0070】
図8の処理システムなどのシステムにおいて本明細書に記載した方法および装置の少なくともいずれかを実現する代わりに、本明細書に記載した方法および装置の少なくともいずれかは、処理装置、ASIC(特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit))などの構造体に埋め込まれてもよい。
【0071】
最後に、特定の例示的方法、装置、および製品を本明細書に記載したが、本発明が対象とする範囲はこれらには限定されない。逆に、本発明は、文言上、または均等論における観点のいずれかにおいて付属の請求項の範囲内に入る方法、装置、および製品を全て包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアコンテンツ表現に音声透かしを入れる方法であって、
透かしと、可聴周波数帯に実質的に集中しているエネルギを有するノイズ信号とを含む透かし入りノイズ信号を取得するステップであって、前記透かし入りノイズ信号を、別の音声信号と結合することなく、実質的に不可聴であるように減衰させる、ステップと、
前記透かし入りノイズ信号を、前記メディアコンテンツ表現の実質的に無音のコンテンツ構成要素に対応付けるステップであって、前記メディアコンテンツ表現は、一つ以上のメディアコンテンツ構成要素を含む、ステップと、
前記実質的に無音のコンテンツ構成要素の提示中に前記透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ノイズ信号は、前記可聴周波数帯に対応する通過帯域を有する帯域通過フィルタによってフィルタリングされた、実質的にホワイトノイズの信号、または、前記可聴周波数帯に対応する通過帯域を有する帯域通過フィルタによってフィルタリングされた疑似ランダムノイズ信号の少なくとも一方に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記透かし信号は、前記実質的に無音のコンテンツ構成要素を識別するデジタル情報を伝達するように変調された周波数を有する信号である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチメディア表現は、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)に対応し、前記GUIは、複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素を含み、その各コンテンツ構成要素は、前記GUIによって提示され得る各GUIウィジェットに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記透かし入りノイズ信号は、第1のGUIウィジェットに対応付けられた第1の透かし入りノイズ信号であり、
前記方法は、
第2のGUIウィジェットに、第2の透かし入りノイズ信号を対応付けるステップと、
前記GUIが前記第1のGUIウィジェットを提示するときに、前記第1の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
前記GUIが前記第2のGUIウィジェットを提示するときに、前記第2の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記透かし入りノイズ信号は、第1のGUIウィジェットに対応付けられた第1の透かし入りノイズ信号であり、
前記方法は、
前記GUIによって提示され得る、実質的に無音の埋め込み広告に、第2の透かし入りノイズ信号を対応付けるステップと、
前記GUIが前記第1のGUIウィジェットを提示するときに、前記第1の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
前記GUIが前記実質的に無音の埋め込み広告を提示するときに、前記第2の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記実質的に無音のコンテンツ構成要素、および他の実質的に可聴の音声構成要素と共に、前記透かし入りノイズ信号を出力するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記実質的に可聴の音声構成要素は、前記減衰された透かし入りノイズ信号が更に出力されている間に検出可能な第2の透かしを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の透かし入りノイズ信号を格納するステップであって、前記複数の透かし入りノイズ信号は、それぞれ、前記メディアコンテンツ表現に挿入可能な複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素の一つずつに対応付けられる、ステップと、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの対応する第1のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの第1の透かし入りノイズ信号を選択するステップと、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの前記対応する第1のコンテンツ構成要素と共に、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの前記第1の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの対応する第2のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの第2の透かし入りノイズ信号を選択するステップと、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの前記対応する第1および第2のコンテンツ構成要素と共に、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの前記第1および第2の透かし入りノイズ信号の組み合わせを出力するステップと、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
機械可読命令を格納する有形の製品であって、
前記機械可読命令は、実行されたときに、
透かしと、可聴周波数帯に実質的に集中しているエネルギを有するノイズ信号とを含む透かし入りノイズ信号を取得するステップであって、前記透かし入りノイズ信号を、別の音声信号と結合することなく、実質的に不可聴であるように減衰させる、ステップと、
メディアコンテンツ表現の実質的に無音のコンテンツ構成要素、またはメディア提示装置の実質的に無音の動作状態の少なくとも一方に、前記透かし入りノイズ信号を対応付けるステップであって、前記メディアコンテンツ表現は、一つ以上のメディアコンテンツ構成要素を含む、ステップと、
前記実質的に無音のコンテンツ構成要素が提示されているとき、または前記メディア提示装置が前記実質的に無音の動作状態であると判定されたときの少なくともいずれかにおいて、前記透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を機械に実行させる、有形の製品。
【請求項12】
前記ノイズ信号は、前記可聴周波数帯に対応する通過帯域を有する帯域通過フィルタによってフィルタリングされた実質的にホワイトノイズの信号、または、前記可聴周波数帯に対応する通過帯域を有する帯域通過フィルタによってフィルタリングされた疑似ランダムノイズ信号の少なくとも一方に対応し、前記透かし信号は、前記実質的に無音のコンテンツ構成要素を識別するデジタル情報を伝達するように変調された周波数を有する信号である、請求項11に記載の有形の製品。
【請求項13】
前記マルチメディア表現は、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)に対応し、前記GUIは、複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素を含み、その各コンテンツ構成要素は、前記GUIによって提示され得る各GUIウィジェットに対応し、
前記機械可読命令は、実行されたときに、
第2のGUIウィジェットに、第2の透かし入りノイズ信号を対応付けるステップと、
前記GUIが前記第1のGUIウィジェットを提示するときに、前記第1の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
前記GUIが前記第2のGUIウィジェットを提示するときに、前記第2の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を前記機械に更に実行させる、請求項11に記載の有形の製品。
【請求項14】
前記機械可読命令は、実行されたときに、
前記GUIによって提示され得る実質的に無音の埋め込み広告に、第3の透かし入りノイズ信号を対応付けるステップと、
前記GUIが前記実質的に無音の埋め込み広告を提示するときに、前記第3の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を前記機械に更に実行させる、請求項13に記載の有形の製品。
【請求項15】
前記機械可読命令は、実行されたときに、
複数の透かし入りノイズ信号を格納するステップであって、前記複数の透かし入りノイズ信号は、それぞれ、前記メディアコンテンツ表現に挿入可能な複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素の一つずつに対応付けられる、ステップと、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの対応する第1のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの第1の透かし入りノイズ信号を選択するステップと、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの前記対応する第1のコンテンツ構成要素と共に、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの前記第1の透かし入りノイズ信号を出力するステップと、
を前記機械に更に実行させる、請求項11に記載の有形の製品。
【請求項16】
前記機械可読命令は、実行されたときに、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの対応する第2のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの第2の透かし入りノイズ信号を選択するステップと、
前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの前記対応する第1および第2のコンテンツ構成要素と共に、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの前記第1および第2の透かし入りノイズ信号の組み合わせを出力するステップと、
を前記機械に更に行わせる、請求項15に記載の有形の製品。
【請求項17】
メディア提示装置であって、
透かしと、可聴周波数帯に実質的に集中しているエネルギを有するノイズ信号とを含む透かし入りノイズ信号であって、別の音声信号に結合されることなく、実質的に不可聴であるように減衰された透かし入りノイズ信号を格納するメモリと、
一つ以上のメディアコンテンツ構成要素を含むメディアコンテンツ表現のうちの実質的に無音のコンテンツ構成要素に前記透かし入りノイズ信号が対応付けられていることを判定する透かし処理装置であって、前記実質的に無音のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記透かし入りノイズ信号を選択する透かし処理装置と、
前記メディア提示装置によって提示される前記メディアコンテンツ表現に前記実質的に無音のコンテンツ構成要素が含まれるときに、前記透かし入りノイズ信号を出力する音声処理装置と、
を備える、メディア提示装置。
【請求項18】
前記メディア提示装置はゲームコンソールであり、
前記マルチメディア表現は、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)に対応し、前記GUIは、複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素を含み、その各コンテンツ構成要素は、前記GUIによって提示され得る各GUIウィジェットに対応し、
前記メディア提示装置は、第1のGUIウィジェットまたは第2のGUIウィジェットのいずれが前記GUIによって提示されるかを判定するGUI処理装置を更に含み、
前記透かし処理装置は、前記GUIによって前記第1のGUIウィジェットが提示されると前記GUI処理装置が判定した場合に、メモリに格納された第1の透かし入りノイズ信号を選択し、
前記透かし処理装置は、前記GUIによって前記第2のGUIウィジェットが提示されると前記GUI処理装置が判定した場合に、メモリに格納された第2の透かし入りノイズ信号を選択し、
前記音声処理装置は、前記GUIが前記第1のGUIウィジェットを提示するときに、前記第1の透かし入りノイズ信号を出力し、
前記音声処理装置は、前記GUIが前記第2のGUIウィジェットを提示するときに、前記第2の透かし入りノイズ信号を出力する、
請求項17に記載のメディア提示装置。
【請求項19】
前記メモリに格納され、前記GUIによって提示される実質的に無音の広告を選択する広告処理装置を更に備え、
前記透かし処理装置は、前記広告処理装置が、前記GUIによって前記実質的に無音の広告が提示されると判定した場合に、メモリに格納された第3の透かし入りノイズ信号を選択し、
前記音声処理装置は、前記GUIが前記実質的に無音の広告を提示するときに、前記第3の透かし入りノイズ信号を出力する、請求項18に記載のメディア提示装置。
【請求項20】
前記メモリは、複数の透かし入りノイズ信号を格納し、前記複数の透かし入りノイズ信号は、それぞれ、前記メディアコンテンツ表現に挿入可能な複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素の一つずつに対応付けられ、
前記透かし処理装置は、前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの対応する第1のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの第1の透かし入りノイズ信号を選択し、
前記透かし処理装置は、前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの対応する第2のコンテンツ構成要素が前記メディアコンテンツ表現に挿入されるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの第2の透かし入りノイズ信号を選択し、
前記音声処理装置は、前記複数の実質的に無音のコンテンツ構成要素のうちの前記対応する第1および第2のコンテンツ構成要素が前記メディア提示装置によって提示されるメディアコンテンツ表現に含まれるときに、前記複数の透かし入りノイズ信号のうちの前記第1および第2の透かし入りノイズ信号の組み合わせを出力する、請求項17に記載のメディア提示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−209723(P2011−209723A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−62768(P2011−62768)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(510130723)ザ ニールセン カンパニー (ユー エス) エルエルシー (22)