説明

実験を計画するシステム及び方法

【課題】本願は、実験が真の実験であるかどうかを判定するためにコンピュータを使用する、実験を計画する方法及びシステムについて開示する。
【解決手段】開示された方法等によって、真の実験計画の複雑性に精通していないユーザーが、実質的に交絡のない結果を生み出す、独立変数と従属変数との間の因果関係を判定且つ定量化するために使用できる実験を計画且つ展開できるようになる。コンピュータは、実験の1つ以上の独立変数及び/又は従属変数を選択することができ、或いはユーザーが独立変数及び/又は従属変数の選択をするのを支援することができる。ユーザーからの入力の有無に関わらず、対照群及び処置群の形成、交絡変数の効果を低減するためのランダム化及び/又はブロック化を、コンピュータによって実施することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真の実験を計画する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
実験は、通常、2つ以上の変数の間に関係があるかどうかを実験的に判定するために実施される。実験は、通常、1つ以上の独立変数と1つ以上の従属変数との間に関係があると仮定する、1つ以上の仮説の形成から始まる。例えば、製薬会社の研究者は、患者が摂取する新薬の量が患者の血圧と関連するという仮説を立てることがある。独立変数は、実験中に実験者によって定義又は操作される変数(例えば、患者に投与される薬物の量及び/又は頻度)である。従属変数は、独立変数の値に依存すると仮定される変数(例えば、患者の血圧)である。実験者は、次いで、独立変数と従属変数との間に実際に関係があるかどうか(例えば、患者が受け取る薬物の量が患者の血圧と関連するかどうか)を判定するために実験を実施する。
【0003】
また、交絡変数(独立変数のレベルとともに体系的に変化するもの)も、従属変数に影響を与えることがある。これらの交絡変数は、実験における主要な関心事ではないが、それでも従属変数に影響を与える可能性がある。交絡変数のいくつかの例としては、平均値への回帰、順序効果、床効果、天井効果、ホーソン効果、及び要求特性が挙げられる。交絡変数は、どの因子(変数)が(1つ又は複数の)従属変数における観察された変化を引き起こしたかを知ることを不可能にする。ゆえに、実験中に適正に制御されない交絡変数の存在が、独立変数と従属変数との間の因果関係についての統計的推論を立てることを不可能にする。実験の様々な種類は、実験が交絡変数の効果を低減又は削除できる方法及び程度によって区別することができる。用語「真の実験」は、下記を含む実験を意味する。
1.独立変数の少なくとも2つのレベルが存在する。
2.サンプルが独立変数のレベルにランダムに割り当てられる、すなわち、実験における各サンプルは、独立変数のレベルに同等の確率で割り当てられる。
3.交絡(confounds)を制御又は削除するいくつかの方法が存在する。
【0004】
以上の3つの特徴のいずれかを欠く実験は、真の実験ではなく、しばしば準実験又は相関的計画と呼ばれる。真の実験だけが、独立変数と従属変数との間の因果関係に関する統計的推論を引き出せるようにする。準実験及び相関的計画は、独立変数と従属変数との間の関係を確立させることができるが、それらの関係が因果関係であるかどうかを判定することは不可能である。様々な種類の実験計画(真の実験を含める)が、例えば、キャンベル・D・T(Campbell, D. T.)及びスタンレー・J・C(Stanley, J. C.)(1963)、研究のための実験及び準実験計画(Experimental and quasi-experimental designs for research)、シカゴ:ランド・マクナリー(Rand McNally)に記載されている。真の実験によって生成されたデータは、実質的に交絡変数の影響を受けない。しかし、交絡変数を適切に制御又は削除する真の実験を計画する複雑さは、特筆すべきことがある。
【0005】
また、十分な程度の内部及び外部妥当性を有する実験を計画することも望ましい。内部妥当性は、独立変数が従属変数内で観察された差異を引き起こしたという確かさを指す。外部妥当性は、実験における独立変数と従属変数との間の観察された関係が、設定した実験以外の設定又は状況にも当てはまるという確かさを指す。十分な内部妥当性及び外部妥当性を有する真の実験を計画することは、統計的及び実験的計画原理に関して限られた知識しかもたない研究者にとっては厄介な場合がある。研究者に真の実験を計画するための簡単な手法を提供するシステム及び方法が望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、実験を計画するシステム及び方法を対象とする。本発明の一実施形態は、実験が真の実験であるかどうかを判定するためにコンピュータを使用して実験を計画する方法を伴う。
【0007】
様々な手法によれば、コンピュータは、実験の1つ以上の独立変数を選択することができ、及び/又は1つ以上の従属変数を選択することができる。コンピュータは、処置群又は対照群を自動的にランダム化することを含め、実験の1つ以上の対照群及び/又は実験の1つ以上の処置群を自動的に形成することができる。一部の実装形態では、コンピュータは、1つ以上の交絡変数の効果を低減するために技術(例えば、ブロック化及びカウンターバランシング)を適用することができる。
【0008】
他の手法によれば、コンピュータは、実験に関わる様々な工程でユーザーを支援することができる。例えば、コンピュータは、1つ以上の独立変数及び/又は1つ以上の従属変数をユーザーが選択するのを支援することができる。コンピュータは、対照群及び処置群のうちの少なくとも1つをユーザーが形成するのを支援することができる。コンピュータは、ユーザーがサンプルを対照群及び処置群へとランダム化するのを支援することができ、また、代替的に又は追加的に、実験の1つ以上の交絡変数の効果を低減するために技術を適用することができる。
【0009】
本発明の他の態様は、実験を実施することを伴う。コンピュータは、実験を自動的に実行することができ、又はユーザーが実験を実行するのを支援するために様々な機能を果たすことができる。
【0010】
本発明の他の態様は、真の実験の結果を分析することを対象とする。いくつかの実装形態は、分析をコンピュータによって自動的に実施できるようにする。他の実装形態では、コンピュータは、ユーザーが実験の結果を分析するのを支援する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、実験計画のためのシステムを対象としており、該システムは、実験が真の実験であるかどうかを判定するように構成された計画プロセッサを含む。一部の実装形態では、計画プロセッサは、実験の独立変数及び従属変数のうちの少なくとも1つを選択するように構成されてよい。計画プロセッサは、ランダム化及びブロック化を実施することを含めて、実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つを形成するように構成されてよい。
【0012】
一部の実装形態では、システムは、実験に関係した様々な機能においてユーザーを支援することができる。これらの実装形態では、システムは、ユーザーからの入力を受け取るように構成されたユーザーインターフェースを含む。計画プロセッサは、ユーザー入力を使用して実験の独立変数及び従属変数のうちの少なくとも1つをユーザーが選択するのを支援するように構成されてよい。計画プロセッサは、ユーザー入力に基づいて実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つをユーザーが選択するのを支援するように構成されてよく、またさらに、ユーザーが群をランダム化し、ユーザー入力に基づいて実験の1つ若しくはそれより多くの交絡変数の効果を低減するためにブロック化を適用するのを支援することができる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、システムは、実験を実行するように構成された展開ユニット、及び/又は実験の結果を分析するように構成された分析ユニットを含むことができる。実験の展開及び/又は分析は、システムによって自動的に実施されてもよく、又はユーザーからの入力を使用して実施されてもよい。
【0014】
一実装形態では、実験は、デジタルサイネージ実験を含む。他の実装形態では、実験は、広告に関わる。
【0015】
本発明の以上の概要は、本発明の各実施形態もあらゆる実施態様も記載しようと意図していない。本発明の利点及び効果、並びに本発明に対する一層の理解は、添付図面と共に下記の発明を実施するための形態及び請求項を参照することによって明らかになり、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】真の実験に必要な要素を示す。
【図2A】本発明の諸実施形態による、真の実験を計画する能力を組み込むことのできるデジタルサイネージシステムのブロック図。
【図2B】本発明の諸実施形態による、真の実験を計画するシステムのブロック図。
【図3】本発明の諸実施形態による真の実験の計画を含む方法を示すフローチャート。
【図4A】本発明の諸実施形態による、デジタルサイネージ実装のための実験を計画する工程を組み込んだ方法のフローチャート。
【図4B】本発明の諸実施形態による、デジタルサイネージ実装のための実験を計画する工程を組み込んだ方法のフローチャート。
【図4C】本発明の諸実施形態による、デジタルサイネージ実装のための実験を計画する工程を組み込んだ方法のフローチャート。
【図5】本発明の諸実施形態に従って実装できる、天候/ニュースパネル、店舗ロゴ、テキストクロール、及びビデオ広告用の領域を含む、デジタルサイネージ表示についての代表的なレイアウトを示す。
【図6】本発明の諸実施形態による、半自動デジタルサイネージシステムの機能を概念的に示す。
【図7】本発明の諸実施形態による、デジタルサイネージシステムの構成要素及び機能を使用してコンテントを作成且つ展開するプロセスフローを示す。
【図8】本発明の一実施形態による、スポーツ用品の小売業者についてのデジタルサイネージシステムの代表的な実装を示すフローチャート。
【図9】本発明の諸実施形態による、実験計画が実験から交絡を削除するかどうかを判定する方法を示すフローチャート。
【0017】
本発明は様々な変更例及び代替形状が可能であるが、その具体例を一例として図面に示すとともに詳細に説明する。しかし本発明を説明する特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解されよう。逆に、添付の請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる変更、均等物、及び代替物を含むことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に示す実施形態の説明において、本明細書の一部をなすとともに、本発明を実施するための各種の実施形態を示す添付図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく実施形態が利用されてもよく、そして構造的変更が行われてもよいことは理解されるだろう。
【0019】
本発明は、実験の計画が真の実験であるかどうかを判定するためにコンピュータを使用する、方法及びシステムを対象とする。真の実験に必要な要素は、図1に示されている。真の実験は、仮説又は目的の進展を含む。従属及び独立変数が識別され、独立変数の少なくとも2つのレベルが使用される。サンプルは、独立変数のレベルにランダムに割り当てられる。交絡変数を制御又は削除する、ある種の方法が存在する。これらの要素すべてが適切に適用される場合、実験は、従属変数と独立変数との間の関係についての統計的推論を立てるために使用できる結果を生み出す。本明細書に記載の方法及びシステムによって、真の実験計画の複雑性に精通していないユーザーが、実質的に交絡のない結果を生み出す、独立変数と従属変数との間の因果関係を判定且つ定量化するために使用できる実験を計画且つ展開できるようになる。
【0020】
真の実験は、独立変数の少なくとも2つのレベルを有する。本明細書に記載のように、本発明のいくつかの実施形態は、ユーザーが実験についての独立変数を選び、内部妥当性と外部妥当性との間のバランスを取るのを支援する、方法及びシステムを提供する。例えば、内部妥当性に対する脅威に関して、本発明の方法及びシステムは、内部妥当性に対する脅威を識別するプロセスを通じてユーザーを支援し、カウンターバランシング及び/又はブロック化などを通じて、これらの脅威を制御する方法を提案及び/又は自動化することができる。本明細書のいくつかの実施形態は、実験における各サンプルが独立変数のレベルに同等の確率で割り当てられるように、ユーザーを支援し、及び/又はサンプルを群にランダムに割り当てるプロセスを自動化する。一部の構成では、ランダム化、カウンターバランシング、及び/又はブロック化は、自動的に実施されてよい。システムは、内部及び/又は外部妥当性に関係した因子に基づいて、独立変数(若しくは独立変数のレベル)及び従属変数を選択することができ、又はそれらの変数をユーザーが選択するのを支援することができる。
【0021】
さらに他の諸実施形態では、本発明の方法及びシステムを使用して、既に計画又は実施された実験を評価することができる。これらの実施形態では、実験が予めどのように計画又は実施されたかに関するユーザーからの入力に基づいて、システムは、実験が実際に真の実験(準実験でも相関的研究でもなく)であるかどうかを判定し、且つ/又は実験における交絡の存在を識別する。一部の実装形態では、本発明の手法を使用して、実験計画の内部及び/又は外部妥当性を判定することができる。
【0022】
一部の実施形態では、コンピュータは、半自動モードで動作することができ、その際、ユーザーは、真の実験から得られたデータを計画、展開、及び/又は分析するように1つ若しくはそれより多くの対話セッションを通じてコンピュータによって誘導される。他の諸実施形態では、コンピュータは、ユーザーとの対話なしに完全に自動的に動作するようにプログラムされる。完全自動モードでは、コンピュータベースのシステムは、実験を計画する工程、実験を展開する工程、実験によって生成されるデータを取得する工程、データを分析する工程、実験の内部妥当性を判定する工程、実験の外部妥当性を判定する工程、及び/又は分析に基づいて1つ以上のプロセスを修正若しくは実装する工程のうちの1つ以上を実施することができる。さらに他の実施形態では、システムは、前述の工程のうちの1つ以上を半自動的に実施することができ、工程の他の1つ以上を完全に自動的に実施することができる。実験計画へのコンピュータベースのアプローチは、本明細書では、コンピュータ化されたサイネージ情報システムに基づいて記載される。ただし、本発明は、通信システム又はサイネージの分野だけに限定されない。本発明の手法は、関心分野に関わらず、真の実験の計画に適用することができる。例えば、本明細書に記載の方法及びシステムは、これらに限定するものではないが、生物学、化学、言語学、医学、認知科学、社会科学、教育学、経済学、及び/又は他の科学分野を含めたあらゆる対象領域の実験の計画に適用することができる。諸実施例について、読者が科学的活動の概ねすべての分野にわたる本発明の原理の理解を深めることができるように、デジタルサイネージ情報システムの状況で説明する。
【0023】
図2Aは、本発明の諸実施形態による、真の実験を計画する能力を組み込むことのできるデジタルサイネージシステム(DSS)のブロック図である。図2Aのブロック図は、機能ブロックへと分割されたDSSの一構成を示す。代替的に異なる機能ブロックを使用してDSSを示すこともでき、また、DSSの様々な構成要素を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアのいずれかの組み合わせとして実装できることが、当業者には理解されよう。
【0024】
図2Aに示されるDSSは、音声、視覚、及び/又は他のメディアフォーマットを通じて情報コンテントを提示するように構成された、コンピュータ化されたシステムである。DSSは、提示されるべき情報コンテントのリストを提供するプレイリストと、コンテントの提示順序を規定するスケジュールとを自動的又は半自動的に生成する機能を含むことができる。半自動モードでは、ユーザーは、対話型ユーザーインターフェース210を通じてDSS制御プロセッサ205にアクセスすることができる。DSS制御プロセッサ205によって支援されて、ユーザーは、提示されるべきコンテントを識別し、1つ以上のDSSプレイヤー215上での提示のタイミング及び順序を制御するプレイリスト並びにスケジュールを生成することができる。各プレイヤー215は、そのプレイヤーについて作り上げられたプレイリスト及びスケジュールに従って受信者にコンテントを提示する。情報コンテントは、例えば、グラフィック、テキスト、ビデオクリップ、静止画、音声クリップ、ウェブページ、及び/又は映像コンテント及び/又は音声コンテントのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0025】
一部の実装形態では、プレイリスト及びスケジュールが作り上げられた後、DSS制御プロセッサ205は、プレイリストに必要なコンテントを決定し、このようなコンテントをコンテントサーバからダウンロードし、このようなコンテントをプレイリスト及びスケジュールと共に、コンテントをプレイヤー215に配布するプレイヤー制御装置220へと転送する。図2Aは、1つのプレイヤー制御装置220だけを示しているが、多数のプレイヤー制御装置を単一のDSS制御プロセッサ205に結合させてよい。各プレイヤー制御装置220は、単一のプレイヤー215又は多数のプレイヤー215を制御することができる。コンテント及び/又はプレイリスト、及びスケジュールは、コンテント/プレイリスト/スケジュールがそれを対象とするプレイヤー215を識別する情報を提供する適切なアドレス指定によって、DSS制御プロセッサ205から1つ以上のプレイヤー制御装置220へと圧縮されたフォーマットで転送されることができる。一部の用途では、プレイヤー215を店舗内に分配することができ、プレイヤー215上に提示されるコンテントを広告とすることができる。
【0026】
他の実装形態では、DSS制御プロセッサ205は、プレイリスト及びスケジュールだけをプレイヤー制御装置220へと転送することができる。コンテントがプレイヤー制御装置220上に常駐しない場合、プレイヤー制御装置220は、提示されるべきコンテントを得るためにコンテントストレージ225にアクセスすることができる。一部のシナリオでは、コンテントストレージ225を含めた、DSSシステムの様々な構成要素の1つ以上は、イントラネット又はインターネット接続などのネットワーク接続を通じてアクセス可能な場合がある。プレイヤー制御装置220は、所望のコンテントをアセンブルすることができ、ないしは別の方法で、プレイリスト及びスケジュールに従うプレイヤー上での所望のコンテントの表示を促進することができる。プレイリスト、スケジュール、及び/又はプレイヤー215上に提示されるコンテントは、定期的に、又は、例えば、プレイヤー制御装置220若しくはDSS制御プロセッサ205を通じて、ユーザーに望まれるよう修正することができる。
【0027】
一部の実装形態では、DSS制御プロセッサ205は、プレイヤー上で再生されるべきコンテントのプログラムの開発及び/又はフォーマット処理を促進する。例えば、DSS制御プロセッサ205は、テンプレートの使用を通じてオーディオビジュアルプログラムのフォーマット処理を促進することができる。テンプレートは、提示されるべきオーディオビジュアルプログラムの開発において適用されるフォーマット制約及び/又は規則を含む。例えば、テンプレートは、特定の種類のコンテントに使用されるスクリーンの部分、各セグメントでどんな種類のコンテントを再生できるか、及びどんな順序、フォントサイズで再生できるかに関係した規則、及び/又はプログラムの表示に適用可能な他の制約若しくは規則を含むことができる。表示構成ごとに、規則及び/又は制約の別個の組が望ましいことがある。一部の実施形態では、様々な表示のためのプログラムのフォーマット処理を、DSS制御プロセッサ205によって自動的に実施することができる。
【0028】
一部の実施形態では、DSSは、認知科学領域での研究及び実験を通じて得られる情報に基づいて、テンプレートを作成する、コンテントを生成する、コンテントを選択する、プログラムをアセンブルする、及び/又は表示されるべきプログラムをフォーマットすることができる。認知科学は、人間の知覚のメカニズムを理解しようとする。認知及び視覚科学の学問分野は、人間の知覚システムがどのように情報を処理するか、注意の基礎となるメカニズム、人間の脳がどのように情報を記憶に格納して表現するか、並びに言語及び問題解決の認知基準に関する、広大な知識基盤を生み出してきた。コンテント設計、レイアウト、フォーマット処理、及び/又はコンテント提示への認知科学の適用は、人間の知覚システムによって容易に処理され、理解が容易で、且つ人間の記憶に容易に格納される情報をもたらす。認知科学から得られ、認知科学データベース230に格納される知識を使用して、自動的又は半自動的に、テンプレートの作成、コンテント設計、コンテントの選択、コンテントの配布、プログラムのアセンブリ、及び/又は表示のためのプログラムのフォーマット処理を含めた、DSSの1つ以上のプロセスを通知することができる。DSSのプログラミングと併せて使用される認知科学データベース230は、システムユーザーをその分野の特殊な訓練の必要から解放しながら、認知科学の教示によって拡張された広告又は他のデジタルサイネージプログラムをもたらす。
【0029】
デジタルサイネージプログラム、例えば、広告キャンペーンなどの開発では、DSS制御プロセッサ205は、認知科学を通じて得られる知識を使用して拡張される様々なプロセスを通してユーザーを導くことができる。例えば、認知科学データベース230に格納された情報は、最適なプログラムレイアウトを生み出すためのテンプレートの選択に適用することができ、及び/又はコンテント要素がグラフィックであるべきか、テキストであるべきか、動き、色、サイズを伴うかどうかなど、コンテントの選択に適用することができ、及び/又はプログラム開発の他の態様の実装に適用することができる。
【0030】
DSSは、様々な表示タイプ及び視聴条件に対応するために、デジタルサイネージプログラムの代替バージョンを設計する能力を含むことができる。表示技術は、多様であり、デジタルサイネージネットワーク上にコンテントを提示するために使用される表示の種類には大きな差がある。例えば、サイズ、形状、明るさ、及び視聴条件は、デジタルサイネージネットワーク上で大きく異なる(例えば、一部のディスプレイは、小さく、フレキシブルで、非直線的であるのに対し、他のディスプレイは、標準的な大型液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイである)。表示タイプ及び視聴条件の多様性は、コンテント断片のいずれの単一のバージョンも、ネットワーク上のすべてのディスプレイに最適ではないことを意味する。この問題を克服するためには、表示タイプ及び視聴環境ごとに各コンテント断片のバージョンを生成し、コンテントのこれらのバージョンをネットワーク内のそれらの対応するスクリーンへと選択的に配布する必要がある場合がある。ただし、大きなDSSネットワーク上の表示タイプ及び視聴条件に関するそのような詳細な知識をコンテント設計者が有することを期待するのは、現実的ではない。さらに、そのようなコンテント設計者がそのような詳細な知識を有するとしても、ディスプレイごとにコンテントのバージョンを手作業で作成し、適切な時点で対応する各ディスプレイ上にコンテントを再生するスケジュールを手作業で立てるのは、時間がかかる。
【0031】
DSSは、展開されたコンテントの有効性を改善するために使用されるデータを収集するデータ取得ユニット235を含むことができる。データ取得ユニット235は、デジタルサイネージネットワークの有効性の基礎となる配布因子(distribution factors)を、コンテントの展開中にリアルタイムで連続的に集められるようにする。得られる情報は、DSSのコンテント有効性の連続的な改善、並びにコンテント断片の個々のバージョンの改善を促進することができる。リアルタイムデータを使用して、例えば、どのセンサ又は販売イベントが特定のタイプのコンテントの表示をトリガするか知ることができる。
【0032】
任意のコンテントプログラム内の個々のコンテント断片は、それぞれ特定の目標(例えば、特定の製品を売ること)を有する。デジタルサイネージネットワークのユーザーに対する各目標の値にばらつきがあるのが一般的である。例えば、製品についての目標の値を考慮に入れる各製品の利益率及び在庫水準にはばらつきが存在することがある。各目標を達成する値は、デジタルサイネージプログラムが展開されている時間中に連続的に変化する。例えば、製品の在庫水準が変化し、従って製品の売上げについての目標に影響を及ぼすことがある。
【0033】
DSSの有効性を全体として向上させることは、1)デジタルサイネージプログラムに関係した目標に対するデジタルサイネージプログラムを展開する影響の精確な予測、並びに2)コンテント断片に対応する個々の目標それぞれの値が変化するにつれて、個々のコンテント断片の配布パターン(タイミング、頻度、及び場所)を連続的に変化させることを伴う。多くの場合、DSSのユーザーが、コンテントを展開する影響を予測すること、並びに各コンテント断片に関係した目標の値を連続的に変化させることに基づいてコンテント配布パターンを手作業で変化させることは、実現不可能である。DSSは、デジタルサイネージプログラムの影響を予測し、予測に基づいてコンテントの配布を変更する機能を提供する。
【0034】
前述のように、コンテントは、人間の行動に影響を及ぼす目的で(例えば、購買行動に影響を与えるために)プレイヤー215上に表示される。しかし、従来のデジタルサイネージシステムは、サイネージコンテントと人間の行動との間の因果関係を実証することも、因果関係の強さを測定することも不可能である。コンテントがそれによって現在のデジタルサイネージネットワーク上に配信される方法が、人間の行動のいずれか測定された変化が、サイネージコンテントによって引き起こされたか、又は何らかの交絡因子(例えば、天候の変化、製品の一般需要の変化、製品の価格の変化)の結果によって引き起こされたかという判定を裏付けないので、この問題が生じる。サイネージコンテントと人間の行動との間の因果関係を決定的に判定する唯一の方法は、複雑な実験計画を使用してサイネージコンテントがその間に体系的に操作される、真の実験を実施することであり、人間の行動に対するそれらの操作の効果が慎重に測定される。そのような実験を手作業で実施することは、時間がかかり、真の実験を計画する科学的方法に関するかなりの知識及び訓練を必要とする。デジタルサイネージシステムのユーザーは、交絡のない結果を得るために真の実験を計画する方法を理解するのに十分な訓練を受けていないことがある。
【0035】
DSSは、真の実験から得られたデータを設計、展開、及び/又は分析する能力を提供する構成要素を含むことができる。前述のように、この機能を提供する構成要素は、DSSに組み込まれてもよく、又は他のタイプのシステムによって実装されてもよい。真の実験の計画、展開、及び/又は分析で使用できる構成要素を、それらが実装されるシステムの特定のタイプに関わらず、図2Bのブロック図で別々に記載する。本発明によるシステムは、本明細書に記載の特徴、構造、方法、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでよい。例えば、システムは、図2A又は図2Bに示される有利な特徴及び/又はプロセスのうちの1つ以上を含むように実装されてよい。そのようなシステムが本明細書に記載の特徴すべてを含む必要はないが、有用な構造及び/又は機能を提供する選択された特徴を含むように実装されてよいことが意図されている。
【0036】
図2Bは、真の実験の計画を保証するように構成された実験計画プロセッサを含む実験計画システム(EDS:experiment design system)を示す。前述のように、実験計画プロセッサ240は、完全に自動的に、又はユーザーとの対話を伴って半自動的に動作するように構成されてよい。半自動モードでは、実験計画プロセッサ240は、ユーザーインターフェース210によって行われる様々な対話セッションを通じてユーザーに真の実験を計画させることができる。そのようなプロセスでは、実験計画プロセッサ240は、交絡のないデータを生成する真の実験の計画を保証する。ゆえに、ユーザーは、実験計画プロセッサ240のプログラミングに頼ることができ、真の実験を計画する知識又は経験をもつことは要求されない。EDSは、実験計画プロセッサ240だけを含んでもよく、実験展開ユニット245、データ取得ユニット235、及びデータ分析ユニット250など、追加の要素を含んでもよい。
【0037】
実験計画プロセッサ240は、自動的に又は半自動的に、実験についての目的若しくは仮説を進展させ、実験の独立変数及び従属変数を識別し、適切なランダム化、カウンターバランシング、及び/又はブロック化を適用する対照群及び処置群を形成することができる。DSSとの関連で、例えば、実験の目的は、特定の製品の売り上げを促進する広告キャンペーンにおけるコンテント要素の有効性を評価することができる。(1つ又は複数の)独立変数は、コンテント要素のいくつかの表示態様に付随させることができる。(1つ又は複数の)従属変数は、製品の売り上げにおける増加に付随させることができる。
【0038】
実験計画プロセッサ240は、実験コンテント及び対照コンテントが表示されるべきDSSシステムの様々な開催場所の選択を含めて、適切な処置群及び対照群を形成することができる。コンテントフォーマット、スケジュール、提示位置、及び/又は実験プロセス内に交絡を引き起こし得る他の因子を含めて、実験コンテントの提示は、実験計画プロセッサ240によって制御される。実験計画プロセッサ240は、交絡のない実験結果を達成するために、対照群及び処置群の適切なランダム化、カウンターバランシング、並びにブロック化を保証することができる。DSSシステムの状況での実験の計画は、例えば、実験を通じて試験されるべきコンテントの提示のための適切なプレイリスト及びスケジュールを生成することを伴うことがあり、またさらに、対照コンテントの提示のためのプレイリスト及びスケジュールを生成することを伴うことがある。
【0039】
EDSは、さらに、実験展開ユニット245を含むことができる。実験展開ユニット245は、実験の展開を促進するように構成される。代表的なDSSシステムの状況では、実験展開ユニット245は、様々なプレイヤー構成について実験コンテント及び対照群コンテントをフォーマットし、プレイリスト及びスケジュールによって指定されるようにプレイヤー215上に提示するためのプレイヤー制御装置220への実験コンテント及び対照コンテントの転送を促進する。
【0040】
データ取得ユニット235は、対照群及び処置群から実験データを収集するように構成されてよい。データ取得ユニット235は、任意の手段を通じて実験に関係したデータの取得を実施又は促進することができる。例えば、代表的なDSSの状況では、データ取得ユニット235は、製品の動向、製品の売上げ、顧客の行動若しくは反応、及び/又は他の情報を含めた情報を集める、様々なセンサ又はデータ取得デバイス262、264、266に結合されてよい。センサ262は、例えば、顧客が製品を手に取るかどうか、又はコンテントが表示されているときに顧客がディスプレイの付近にいるかどうかを検出するために使用されてよい。売上げは、販売時点情報管理(POS:point of sales)システム264によって得られた情報に基づいて決定することができる。また、従属変数を測定する他のデバイス266も使用することができる。製品の在庫水準の変化は、在庫管理システムを通じて入手可能な場合がある。顧客反応は、アンケートを通じて得ることができる。実施された実験が真の実験である場合、データ取得ユニット235によって得られるデータは、ほぼ交絡がない。
【0041】
データ取得ユニット235は、このようなデータ取得ユニット235によって収集される実験データを分析するように構成されたデータ分析モジュール250に結合されてよい。データ分析モジュール250は、実験の独立変数と従属変数との間の因果関係を判定及び/又は定量化することができる。ここに示されるDSSでは、分析の結果を使用して、コンテントが製品の売上げに影響を与えるのに効果的であるかどうかを判定することができる。
【0042】
分析の結果は、追加的に又は代替的に、様々なプロセスを実装若しくは修正するために使用されてもよい。例えば、コンテントが製品の売上げに影響を与えるのに効果的であった場合、コンテントを組み込んだ広告キャンペーンに進展させることができる。売上げを増加させる有効性に基づいて、コンテント評価プロセス272によってコンテントに値を割り当てることができる。コンテントを使用する広告主には、コンテントの値に従って請求処理ユニット274によってインボイスを送ることができる。データ分析モジュール250は、また、在庫管理276に情報を提供することができる。さらに、データ分析モジュール250は、広告キャンペーンが展開されるときに売上げの予測を生み出す予測ユニット278に情報を提供することができる。予測ユニット278は、追加的に又は代替的に、広告キャンペーンによって生み出される売上げを支えるために必要な製品在庫を予測することもできる。
【0043】
図3に示されるフローチャートは、本発明の諸実施形態による、DSS(図2A)及び/又はEDS(図2B)によって実装できる方法の概観を提供する。方法は、真の実験の計画(310)及び実施(320)を含む。実験によって生成されるデータは、収集され(330)、分析される(340)。1つ以上のプロセスが、データ分析に基づいて修正又は実装されてよい(350)。
【0044】
図4A〜4Cのフローチャートは、本発明の諸実施形態による、デジタルサイネージの状況でのこれらのプロセスのより具体的な実施例を提供する。この実施例では、実験の目的は、製品Xの売上げに対する、コンテントAを組み込んだDSSについてのビデオ広告の効果を判定することである。例えば、コンテントAは、俳優、運動選手、又は他の有名人のビデオを呼び物にする広告であってよい。試験されるべきコンテント(コンテントA)が識別され(402)、対照コンテントが選択される(404)。コンテントAを組み込んだビデオ広告が、ローカルメモリに格納されたテンプレート規則を使用して作成される(406)。テンプレート規則は、また、対照群に使用されるべきビデオコンテントを作成するために適用されてよい。テンプレート規則は、ディスプレイ上にコンテントのレイアウトを配置する構造を提供するために使用されてよい。ある場合には、テンプレート規則は、認知科学から導き出される情報に基づく。天候/ニュースパネル、店舗ロゴ、テキストクロール、及びビデオ広告用の領域を含む、デジタルサイネージ表示についての代表的なレイアウトが、図5に示されている。
【0045】
コンテントA及び対照コンテントを組み込んだビデオ広告について、プレイリスト及びスケジュールが指定される(412、414)。広告及び対照コンテントのための開催場所が選択される(416、418)。例えば、広告及び対照コンテントの開催場所は、レストラン、店舗、ショッピングモール、又は他の場所であってよい。プレイリスト及びスケジュールの進展(412、414)、並びに開催場所の選択(416、418)は、実験結果における交絡変数を排除又は低減するために適切なランダム化及びブロック化を使用して実施される。
【0046】
広告及び対照コンテントは、いくつもの開催場所に展開されてよく、各開催場所が視聴特徴の特定の組を有する。例えば、開催場所は、ディスプレイサイズ、ディスプレイ形状、視聴距離、周囲の照明、騒音レベル、及び他の視聴条件に関して異なるものであってよい。広告は、広告がその上に展開される各ディスプレイの属性に準拠するように調整される(422)。対照コンテントについて、同様の調整が実施される(424)。広告及び対照コンテントが、それらそれぞれのプレイリスト及びスケジュールに従って示される(426、428)。
【0047】
データは、広告及び/又は対照コンテントの表示前、表示中、及び表示後に各開催場所で収集されてよい。データは、センサ、販売時点情報管理端末、在庫管理システム、及び/又は他の入力デバイスを通じて収集されてよい。例えば、広告提示時のディスプレイ付近での視聴者の存在が検出されてよい。広告が表示された回数(432)、対照コンテントが表示された回数(434)、広告が視聴された回数(436)、又は対照コンテントが視聴された回数(438)が検出されてよい。視聴者の動き、眼球運動、及び/又は製品Xとの関わり合い(interaction)が感知されてよい(442)。製品Xの売上げの量及びタイミングが、販売時点情報管理端末から決定されてよい(444)。広告に対する視聴者の反応が、アンケートを通じて取得されてよい。例えば、アンケートを使用して、視聴者が広告に対して概ね肯定的な反応を報告したか概ね否定的な反応を報告したかを判定することができる。事前事後アンケートを使用して、広告が製品Xに対する消費者の親しみのレベルを変化させたかどうかを判定することができる。製品Xの在庫水準の変化が判定されてよい。
【0048】
収集されたデータを分析して(446)、コンテントAを含む広告の表示と製品Xの売上げとの間の因果関係を判定することができる。分析に基づいて、コンテントAに値を割り当てることができる(448)。コンテントAが売上げ増加に成功している場合、コンテントAを組み込んだ広告キャンペーンを作成することができる(452)。広告キャンペーンについての投資収益率(ROI:return on investment)を決定することができる(454)。広告キャンペーンを提供するビジネス又は広告キャンペーンを提示するシステムは、実験によって決定されたコンテントAの値又は予測されるROIに従って、それらの顧客に請求書を送ることができる(456)。製品Xの売り手は、実験の結果に基づいて、コンテントAを組み込んだ広告キャンペーンの間の製品Xについての在庫要件を予測することができる(458)。システムは、実験結果に基づいて1つ若しくはそれより多くのプロセスを繰り返し修正することができる(462)。
【0049】
図5は、本発明のDSSによって制御できるデジタルサイネージ表示についての代表的なレイアウトを示す。デジタルサイネージ表示は、天候/ニュースパネル、店舗ロゴグラフィック、テキストクロール、及びビデオ広告用の領域など、いくつもの領域を含むように構成することができる。
【0050】
図6は、本発明の諸実施形態による、図2Aに示されたシステムなど、半自動DSSの機能を概念的に示す。DSSは、機能的に大まかに4つの領域にグループ分けすることができる。図6に示される第1の機能的領域は、デジタルサイネージに対して認知及び視覚科学の適用610をもたらす。コンテント有効性を改善するために、視覚及び認知科学における高度な訓練なしにコンテント設計者がコンテント作成プロセスの間にこれらの学問分野からの原理を適用できるようにする、プログラミングツールが提供される。システムは、コンテント断片ごとに目標及び所期のメッセージ(重要な情報)の両方を入力するようにユーザーにプロンプトを出す。ユーザーは、デジタルサイネージネットワーク上で、コンテント設計について影響を及ぼすキー属性の識別を支援される。システムは、目標及びデジタルサイネージネットワークのキー属性に基づいてコンテントを設計するように、認知及び視覚科学を適用するプロセスを通してユーザーを導く。例えば、システムは、サイン(signs)上に表示するために、ユーザーがテンプレート(すなわち、最良のレイアウト)及び要素(例えば、要素をグラフィックとすべきかテキストとすべきか、要素が動き、色、サイズを伴うかなど)を選ぶのを助ける。
【0051】
DSSの他の機能的構成要素は、コンテント有効性測定620を提供する。DSSのプログラミングによって、実験を実施する訓練若しくは技能をほとんど又は全くもたないユーザーが、複雑な実験計画を生成できるようになる。実験計画を使用して、効果的なデジタルサイネージネットワークの基礎となるコンテント設計及び配布因子(distribution factors)を調査し、人間の行動に対するコンテントの影響を測定することができる。ユーザーは、コンテント有効性に重要である可能性が高い独立変数と、それらの独立変数に対応する従属変数とを識別するのを支援される。適切な対照及び実験条件の識別、適切なブロック化、カウンターバランシング、及びランダム化を含めて、適切な実験計画が、それらの独立変数と従属変数との間のあらゆる因果関係の強さを決定するために、システムによって生成される。実験が実施され、データがセンサ及び/又は他のプロセスを通じて収集され、データが分析される。実験の結果は、システムの他の様々な構成要素によって使用されてよく、及び/又はユーザーに報告されてよい。
【0052】
真の実験の使用は、非常にクリアな(交絡のない)データの収集を可能にするコンテントを配信するための複雑且つ厳密な方法を提供する。これは、交絡を伴うデータを分析且つ使用するために極めて複雑な分析方法(すなわち、行動分析学)を必要とする、準実験を使用する手法とは対照的である。
【0053】
DSSは、自動的に新しいテンプレートを生成し、既存の要素に変換を適用する、自動コンテント設計630を提供する。コンテント有効性を改善するために、及び/又は前述の実験計画の要求を満たすように適切なコンテントを作成するために、新しいテンプレート及び要素が生成されてよい。DSSによって提供されるツールは、システム内のプレイヤーごとにコンテント断片の固有のバージョンを生成することができる。DSSシステムは、入力を提供するようにユーザーにプロンプトを出すこともでき、又はコンテント有効性の基礎となるネットワーク属性及び因子に関する、他の構成要素から供給される情報を使用することもできる。認知及び視覚科学からの知識を使用して、システムが拡張させようとする特定のコンテント断片についての情報空間を外挿する、埋める、及びその他の方法で調査することができる。DSSの機能は、コンテントの展開済みバージョンに関係した展開済みテンプレート又は要素の単なる再構成ではない、完全に新しいコンテントを生成する能力を提供する。すなわち、DSSは、データが効果的であると示唆する展開済みテンプレート及び要素のハイブリダイゼーション(hybridization)/ブレンド(blending)に単純に頼っているわけではないが、システムは、ハイブリダイゼーション/ブレンドが可能である。
【0054】
DSSシステムは、システムレベルの(すなわち、上位の)目標を高めるためにディスプレイのネットワーク上で様々なコンテント断片を配布するコンテント配布機能640を含む。例えば、コンテント断片は、様々な商品の売上げを調整するために、又は様々な地理的場所での様々な在庫水準(売上率、利益率)に対処するために、システム全体にわたって配布されてよい。
【0055】
図6に示される機能的構成要素610〜640は、個々に有用である。しかし、構成要素610〜640が統合システムへと組み合わされるときには、組み合わされたシステムからいくつもの他の重要な利益が生じる。認知及び視覚科学の適用610によって、認知及び視覚科学の知識がほとんど又は全くないユーザーが、より効果的なコンテントを作成するためにこれらの学問分野を適用できるようになる。この機能は、シングル又はマルチスクリーン環境のいずれかで使用することができる。システム全体のレベルでは、認知及び視覚科学の適用は、スクリーンごとにコンテントを調整するために自動コンテント設計システムに入力及び制約を与える。例えば、平均視聴距離がネットワークサインごとに既知である場合、認知及び視覚科学を適用する構成要素は、サインごとに理想的なフォントサイズを決定し、この情報が、それらのフォントサイズパラメータをもつテキストを生成するために自動コンテント設計構成要素によって使用される。システムは、実験プロセスの間に操作されるべき重要なパラメータを提案することができ、それらのパラメータの上限及び下限を与えることができる。
【0056】
コンテント有効性測定620は、実験計画を生成し、いずれかの測定可能な人間の行動に対するコンテントの影響に関するデータを分析するために、シングル又はマルチスクリーン環境のいずれかで動作することができる。コンテント有効性測定620は、サイネージコンテントと人間の行動との間の因果関係を判定することができる。一実施例では、それ自体に精密な値を割り当てることのできるいずれかの人間の行動について、コンテントの(従ってデジタルサイネージシステムの)精密な金融価値を決定することが可能である。最も明らかな既知の値を有する人間の行動は、購買行動である。ただし、人間の他の行動を感知するシステムの能力を通じて、ユーザーは、眼球運動、製品を手に取る行動、ウェイファインディング(wayfinding)時間の短縮など、多種多様な行動に対してドル価値を割り当てることができる。
【0057】
他の実施例では、市場調査員は、同一製品の様々な特徴の組を記述するコンテントを生成することによって、製品において特徴のどの組合せが最も価値があるかに関する彼らの仮説を試験することができる。どのコンテント断片が最も効果的であるかを決定することによって、どの特徴の組合せが消費者にとって最も価値があるかに関する推論を立てることが可能である。
【0058】
システムレベルでは、コンテント有効性測定620は、設計パラメータの有効性に関する入力を自動コンテント設計構成要素に提供し、それによって自動コンテント設計構成要素が展開されたコンテントの有効性を連続的に改善できるようになる。さらに、特定のコンテント配布パターンが所与の目標状態に対して有する影響をコンテント配布構成要素が予測できるように、連続的に更新される入力を提供することができる。
【0059】
コンテント配布機能640は、デジタルサイネージネットワークの目標を達成する又は最大にするために、個々のコンテント断片がそれによってネットワーク上に提示される相対頻度の連続的な変化をもたらす。相対頻度を変化させることは、個々のコンテント断片が個々のサイン上に示される回数を増減させることを伴う。特定のスクリーン上に示されるコンテント断片のバージョンなど、他のコンテント配布因子(distribution factors)すべては、同一のままである。例えば、システムは、より低い在庫水準を有する製品に対応するコンテント断片を提示する頻度を減少させ、より高い在庫水準をもつ製品に対応するコンテントを提示する頻度を増加させることができる。
【0060】
システム全体では、コンテント配布構成要素640は、コンテント有効性測定構成要素620からの入力を受け取り、その入力を利用して、コンテント有効性測定構成要素によって集められた因果関係情報から得られる予測に基づいてスクリーンごとにコンテントを戦略的に配布することができる。
【0061】
図7は、前述のDSSの構成要素及び機能を使用してコンテントを作成且つ展開するプロセスフローを示す。第1のサイクル、若しくは初期化の間、プロセスは、システム外からのデータを使用してシステム目標を最適化する。後続サイクルの間、プロセスは、システム目標の修正及び/又は向上を、システム自体によって取得されるデータに頼ることができる。詳述すれば、第1のサイクルの間、図7に示されるプロセスは、認知及び視覚科学からの予備知識を使用して目標を最適化し、後続サイクルは、認知及び視覚科学、またさらにリアルタイム実験データからの結果を使用して、システム目標を最適化する。ゆえに、初期化の間、プロセスは、先天的な(a priori)データのソースを使用する。後続サイクルの間、ユーザーとの対話は必要ではない。後続サイクルの間、先天的な(a-priori)及び後天的な(a-postiori)データの両方が使用される。
【0062】
プロセスは、ユーザーに一連のツール及びスクリプトを経験させ、コンテント要素のカテゴリーがどのようにスクリーン上に現れるか(例えば、テキスト、グラフィック、及びビデオなどの要素の場所、サイズ、並びに向き)を指定するいくつもの代替的なテンプレートを作成する(710)。ツール及びスクリプトは、情報の3つの組、すなわち、a)情報の効果的な表示に関する認知及び視覚科学からの原理、b)コンテントについての目標(例えば、ウェイファインディング(way-finding)、広告)、及びc)デジタルサイネージネットワークの既知の属性(例えば、様々なディスプレイのサイズ及び形状、様々な視聴距離、及びネットワーク上の視聴者の個体群統計)を利用することによって、推奨されるテンプレートを提案する。例えば、ツール及びスクリプトは、要素がグラフィックによって表されるべきかテキストによって表されるべきかをユーザーが判定するのを助ける場合がある。ツール及びスクリプトは、また、ネットワーク上の視聴条件、コンテントについての目標、及び利用可能な場合、以前のキャンペーンで効果的であったテンプレートの種類に関するメトリクスを所与として、予め定義された多数のテンプレートのどれが適切であるかをユーザーが判定するのを助ける可能性がある。
【0063】
プロセスは、ブロック710で作成されるテンプレート内に後で置かれることになる特定のコンテント要素を生成する(720)ために、ユーザーに一連のツール及びスクリプトを経験させる。個々のコンテント要素としては、特定のテキストメッセージ、静止画像、アニメーション、ムービークリップ、サウンドバイトなどを挙げることができる。各要素は、多くの変形形態を有することができ、ソフトウェアは、コンテントのどの要素をテンプレート内で組み合わせることができるか、それらの要素をどのように組み合わせることができるかに関する規則、及びコンテント作成プロセスの間にコンテント要素をそれに関して操作できるパラメータを、ユーザーが判定するのを助ける。例えば、展開中にフォントの色を変更することは合法的であるかもしれないが、テンプレート内で使用される有名人の顔の色を変更することは合法的ではない。
【0064】
ソフトウェアツール及びスクリプトは、情報の3つの組、すなわち、a)以前のキャンペーンで効果的であったコンテント要素の種類に関するデータ、b)認知及び視覚科学からの原理、及びc)デジタルサイネージネットワークの既知の属性を利用することによって、コンテント生成を促進する。コンテントが作成された後、この実施例では、ユーザーとの対話は、もはや必要ではない。
【0065】
コンテント作成は、拡張される(730)。プロセスは、コンテントのいくつものバージョンを作成するために要素及びテンプレートを組み合わせるための様々な制約を伴うことがある。このプロセスを初めて通るときには、制約は、a)前述のテンプレート及びコンテント要素の作成で既に使用された因子、b)要素とテンプレートとをどのように組み合わせるかについての予めプログラムされた指針、c)展開されているコンテント断片についての目標、及びd)実験計画のパラメータに基づくことになる。その後このブロックを通るときには、プロセスは、やはり有効性データを使用して、既存のものを変更する、又はコンテントの新しいバージョンを作成する前に新規のテンプレート(補間を通じて)及び要素を作成する。ネットワーク内の各ディスプレイが異なる属性(例えば、異なる照明レベル、騒音レベル、形状、サイズ、及び平均視聴距離)を有することがあるので、コンテントの固有のバージョンをネットワーク内のディスプレイごとに作成することができる。
【0066】
コンテントは、デジタルサイネージネットワーク上に配布される(740)。コンテント配布は、a)コンテントと視聴者の行動との間の因果関係を判定できるようにするため、b)アクティブサイネージネットワークのシステムレベルの目標、従ってネットワーク全体の投資収益率を高めるため、c)特定のテンプレート及びコンテント要素の有効性の精確な測定を可能にするために、個々のコンテント断片のどれが、どこで、いつ表示されるかに関する決定を伴う。
【0067】
コンテント配布プロセスによって、適切なブロック化及びカウンターバランシング手順を使用してコンテントのバージョンを配布できるようになる。さらに、適切なベースライン制御条件が、ネットワーク上のサインの既知の属性に使用され、コンテントのバージョンは、未知の因子について適正にランダム化される。これらのアルゴリズムは、サイネージネットワーク属性、例えば、属性の数及び属性間の関係を所与として、適切な実験計画を決定する。この機能は、プレイバックの頻度及びタイミング、並びにシステム上での個々のコンテント断片のプレイバックの場所など、プレイバック要件を調整する。
【0068】
センサデータ、販売場所、在庫データ、及び/又は他のデータを、コンテントを配布するために使用される実験手順と併せて使用して、コンテントの影響が計算且つ分析される(750)。この工程を知覚実験の点から記述するために、コンテント要素及びテンプレートのエフェクトサイズが計算される。エフェクトサイズは、任意の定義済み変数がそれを説明できる、データのばらつきの量を指す。プロセスは、ネットワーク上の所与の属性にどのコンテントが効果的であるかを分析し、予測する。また、センサデータの共起、コンテント提示、及び目標に向かう動きが検出される。従って、いくつかの検出されたイベントが、コンテントと対にされたときに、目標に向かう方向を増加させることを知ることが可能である。これらの共起は、次いで、新しいデジタルサイネージネットワーク属性になる。コンテントは、センサデータの共起、コンテント提示、及び目標状態に向かう動きを活用するように配布されてよい。
【0069】
ブロック750で実施される分析は、投資収益率(ROI)、将来のコンテント作成、及び将来のコンテント展開を報告する基礎となる。予め識別された従属変数に対して、推測統計学が実施されてよい。これらの推測統計学から、システムは、コンテント要素、テンプレート、及び展開の効果を含め、エフェクトサイズ並びに因果関係における信頼度を計算することができる。
【0070】
図8は、本発明の一実施形態によるDSSシステムの代表的な実装を示すフローチャートである。実装は、200店舗をもつスポーツ用品の小売業者に関与する。小売業者は、4つの在庫過剰製品と、在庫過剰ではないが、在庫過剰製品よりも高い利益率を有する4つの製品とを広告することを望んでいる。キャンペーンの上位レベルの目標は、在庫過剰商品の過度の在庫をなくしながら売上総利益を最大にすることである。すなわち、過度の在庫がなくなった後には、目標は、単に各店舗の場所でバランスの取れた在庫を維持することになる。
【0071】
認知及び視覚科学駆動型ソフトウェアを使用して、小売業者のサイネージマネージャは、8つの製品ラインそれぞれについてコンテントを開発するために使用されるいくつもの異なるテンプレートを作成する(810)。これらのテンプレートは、メッセージのレイアウト、カラースキーム、及び/又はプログラムを構成する他の変数を含む。これらのテンプレートは、8つの製品ラインそれぞれに使用することができ、単一の製品に固有のものではない。さらに、既存の又はストックテンプレートが、この段階で使用可能である。
【0072】
このキャンペーンのための基本テンプレートを作成した後、サイネージマネージャは、テンプレートを投入するために必要な個々のコンテント要素を作成する820。個々の要素は、宣伝されている製品ラインに固有のものであり、所与の製品についての製品ブランド及びメッセージを含む。テンプレート作成プロセスと同様に、個々の要素の作成は、認知及び視覚科学駆動型ソフトウェアを使用してソフトウェアウィザードによって導かれる。
【0073】
テンプレートは、サイネージネットワークが宣伝している8つの製品それぞれについていくつもの異なるコンテントパッケージを生成するために、個々のコンテント要素と共に自動的に投入される(830)。潜在的に、スクリーンサイズ又は視聴距離などの様々なサイネージ属性に対応するために、要素をテンプレートとマージすることによって、各コンテント断片の数百もの異なるバージョンが製品ラインごとに作成される。
【0074】
サイネージネットワークに関する既存の又は学習された知識を使用して、コンテントは、個々のコンテント断片について成功メトリクスの収集を可能にするアルゴリズムを用いて配布される(840)。コンテントは、適正なカウンターバランシング、ブロック化、及び交絡のない測定を実施できることを保証する方法で、ネットワーク上に配布される。さらに、展開アルゴリズムは、ネットワーク属性、視聴者個体群統計、及び視聴条件をとりわけ考慮して、関連コンテントがネットワーク内の適切なサインに送られることを保証する。
【0075】
販売場所及びセンサデータによって、どのテンプレート及びコンテント要素並びにそれらの組み合わせがネットワーク上の各スクリーンに最も効果的であるかを判定するために、様々なコンテントパッケージの影響を監視し(850)、且つ分析できるようになる。この情報から、原因と結果、並びに投資収益率を分析して、価値に基づいた請求処理を可能にすることができる。この実施例は、全200店舗にわたってサイネージシステム自体が利益のX%増及び過剰な在庫のY%減を担ったかどうかを判定することができる。予備的なデータ分析が、可能な新しいネットワーク属性を生成する。例えば、顧客が製品Xを手に取るとき、且つコンテントYが同時に示されているときに、売上げにスパイクが存在する。次の繰返しの際には、この新しいネットワーク属性が、単に相関研究から測定されるのではなく、実験的に試験される。例えば、システムは、X型スクリーン上に提示されるコンテント断片がY型テンプレートを使用すると最も効果的であるかどうか、並びに最も効果的なコンテント要素がXYZ特性を有することを判定することができる。
【0076】
有効性データに基づいて、システムは、新しいテンプレート、新しいコンテント要素、及びそれらの新しい組み合わせを自動的に生成する(860)。この場合もやはり、サイネージネットワーク属性(古いものと新しいもの両方)を使用して、ソフトウェアは、ネットワーク上にこれらの新しいコンテント断片を展開する。
【0077】
残りのキャンペーンの間、例えば、ブロック830〜860に記載のプロセスが、ユーザーとの対話なしに繰り返される。サイネージネットワークマネージャは、キャンペーン中のいずれか所与の時点でコンテントが売上げに対して有する影響を監視することができ、一方、システムは、キャンペーン目標を自動的に達成しようとする。
【0078】
このキャンペーンが完了したら、キャンペーンの間に手作業又は自動で生成されたテンプレート及び要素は、同様に将来のキャンペーンにも利用可能である。さらに、特定のディスプレイ、個体群統計、又は他の因子に効果的なテンプレート及び要素の種類に関して得られた知識は、将来のキャンペーン中にネットワーク上でより効果的にコンテントを作成且つ配布するために使用される。
【0079】
実験が真の実験であるかどうかの判定は、実験の実行に対して事前に(proactively)又は事後に(retroactively)実施することができる。一部の実施形態によれば、コンピュータを使用して、まだ実施されていない実験が真の実験であるかどうかを判定することができる。他の実施形態によれば、コンピュータを使用して、既に実施された実験が真の実験であるかどうかを判定することができる。図9に示される手法によれば、コンピュータは、ユーザーによって提供される情報に基づいて、実験計画が交絡を削除又は制御するかどうかを判定する。この実施例では、ユーザーは、実験の独立変数及び従属変数を含めた実験に関する情報を入力する(910)。コンピュータは、実験において交絡を生み出す虞のある状況を識別する(920)。ユーザーは、実験の前後関係に存在する、コンピュータによって識別された交絡を生み出す状況を選択する(930)。コンピュータは、識別された交絡を削除又は制御するために行われる諸工程を識別するようにユーザーにプロンプトを出す(940)。コンピュータは、諸工程の組み合わせが実験における交絡を削除するのに十分であるかどうかを判定する(950)。
【0080】
本発明の様々な実施形態についての上述の説明は、例示及び説明を目的として提示したものである。それは、包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。以上の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能である。例えば、本発明の諸実施形態は、多種多様な用途で実装されてよい。本発明の範囲は、この詳細な説明によって制限されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって制限されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験が真の実験であるかどうかを判定するためにコンピュータを使用して実験を計画する工程を含む方法。
【請求項2】
前記実験を計画する工程は、前記実験の1つ以上の独立変数を選択するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実験を計画する工程は、前記実験の1つ以上の独立変数をユーザーが選択するのを支援するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記実験を計画する工程は、前記実験の1つ以上の従属変数を選択するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記実験を計画する工程は、前記実験の1つ以上の従属変数をユーザーが選択するのを支援するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記実験を計画する工程は、前記実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つを形成するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記実験を計画する工程は、前記実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つをランダム化するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記実験を計画する工程は、前記実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つをユーザーが形成するのを支援するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記実験を計画する工程は、前記実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つをユーザーがランダム化するのを支援するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記実験を計画する工程は、前記実験の1つ以上の交絡変数の効果を低減するためにブロック化を適用するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記実験を計画する工程は、前記実験の1つ以上の交絡変数の効果を低減するためにユーザーがブロック化を適用するのを支援するために前記コンピュータを使用して前記実験を計画する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記実験を実施する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記実験を実行する工程は、前記実験を自動的に実行するために前記コンピュータを使用する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記実験を実行する工程は、ユーザーが前記実験を実行するのを支援するために前記コンピュータを使用する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記真の実験の結果を分析する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記実験の前記結果を分析する工程は、前記コンピュータを通じて前記結果を自動的に分析する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記実験の前記結果を分析する工程は、ユーザーが前記実験の前記結果を分析するのを支援するために前記コンピュータを使用する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
実験が真の実験であるかどうかを判定するように構成された計画プロセッサを含む、真の実験を計画するシステム。
【請求項19】
前記計画プロセッサは、前記実験の独立変数及び従属変数のうちの少なくとも1つを選択するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記計画プロセッサは、前記実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つを形成するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記計画プロセッサは、前記実験の1つ以上の交絡変数の効果を低減するためにブロック化を適用するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
ユーザーからの入力を受け取るように構成されたユーザーインターフェースをさらに含み、前記計画プロセッサは、前記実験を計画するために前記入力を使用するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記計画プロセッサは、前記ユーザー入力を使用して前記実験の独立変数及び従属変数のうちの少なくとも1つを前記ユーザーが選択するのを支援するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記計画プロセッサは、前記ユーザー入力に基づいて前記実験の対照群及び処置群のうちの少なくとも1つを前記ユーザーが選択するのを支援するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記計画プロセッサは、前記ユーザー入力に基づいて前記実験の1つ以上の交絡変数の効果を低減するために前記ユーザーがブロック化を適用するのを支援するように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記実験を実行するように構成された展開ユニットをさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記実験の結果を分析するように構成された分析ユニットをさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項28】
前記分析ユニットは、ユーザーからの入力なしに前記実験の結果を分析するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記分析ユニットは、ユーザーからの入力を使用して前記実験の結果を分析するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記実験は、デジタルサイネージ実験を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項31】
前記実験は、広告に関わる、請求項18に記載のシステム。
【請求項32】
実験が真の実験であるかどうかを判定するためにコンピュータを使用して前記実験を計画する手段と、
前記実験の従属変数及び独立変数のうちの1つ以上を選択する手段と、を含むシステム。
【請求項33】
前記実験の対照群及び処置群のうちの1つ以上を形成する手段をさらに含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記実験の1つ以上の交絡変数の効果を低減するためにブロック化を適用する手段をさらに含む、請求項32に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−69329(P2013−69329A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−264984(P2012−264984)
【出願日】平成24年12月4日(2012.12.4)
【分割の表示】特願2008−548590(P2008−548590)の分割
【原出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)