説明

室内側凝縮器

【課題】HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを小さくすることができる室内側凝縮器を提供する。
【解決手段】車両空調ヒートポンプシステムのHVACユニット内に収容する室内側凝縮器(1,32)であって、チューブ(2)及びフィン(4)を積層してなる熱交換のコア(6)と、前記チューブの一端部が接続される冷媒流入出側タンク(10,34)と、前記チューブの他端部が接続される冷媒ターン側タンク(12)と、前記冷媒流入出側タンク内を冷媒流入室(16)と冷媒流出室(18)とに仕切る隔壁(14)と、前記冷媒流入出側タンクに接続され、前記冷媒流入室に連通される冷媒入口管(28)と、前記冷媒流入出側タンクに接続され、前記冷媒流出室に連通される冷媒出口管(30)とを備え、前記冷媒出口管は前記コアよりも下側の位置で前記冷媒流入出側タンクに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内側凝縮器に関し、特に車両空調ヒートポンプシステムのHVACユニット内に収容される室内側凝縮器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の凝縮器として、例えば車両用空調装置の冷媒回路に用いられ、チューブ及びフィンを上下方向に積層してなる熱交換のコアと、チューブの一端部が側部に接続される冷媒流入出側タンクと、チューブの他端部が側部に接続される冷媒ターン側タンクと、冷媒流入出側タンク内を冷媒流入室と冷媒流出室とに仕切る隔壁と、冷媒流入出側タンクに接続され、冷媒流入室に連通される冷媒入口管と、冷媒流入出側タンクに接続され、冷媒流出室に連通される冷媒出口管とを備えた熱交換器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記コアは、冷媒が冷媒入口管から冷媒流入出側タンクを経た後で熱交換を行う往路側コア部と、冷媒が往路側コア部を流通し、冷媒ターン側タンクを経た後で熱交換を行う復路側コア部とから構成され、冷媒が往路側コア部、復路側コア部の順に横流れ方向に流れる、いわゆるカウンタフロー型の冷媒横流れを採用することで、コアに通風される空気と冷媒との間で効率的な熱交換を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4334311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の熱交換器を車両空調ヒートポンプシステムのHVAC(Heating Ventilation & Air Conditioning)ユニット内に収容し、いわゆるサブクール度S.C(deg)を増大した室内側凝縮器として使用することで、コアにおいて冷媒の温度を効果的に低下し、液冷媒を増大することができるため、冷媒回路において上記凝縮器の下流に設けられた膨張弁に液冷媒を確実に流入させることができる。
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、冷媒出口管はコアの下端部よりも上側に接続されているため、冷媒出口管よりも下側に位置するチューブに液冷媒が滞留したり、当該チューブにおいて液冷媒が逆流したりすることにより、復路側コア部における冷媒流れが悪化し、復路側コア部の特に冷媒出口管近傍の低温領域(サブクール領域)の冷媒の温度分布が不均一になる。従って、車両用空調装置の空気吹出口から車室内に吹き出される空気の温度が、例えば運転席側吹出口と助手席側吹出口とによって異なり、HVACユニットにおける吹出空気温度が不均一となるおそれがある。
【0007】
また、上記従来技術では、冷媒入口管は冷媒流入出側タンクの側部の冷媒出口管よりも上側のずれた位置に接続されているため、往路側コア部において比較的高温となる冷媒入口管近傍の高温領域(スーパーヒート領域)と、復路側コア部において比較的低温となる冷媒出口管近傍の低温領域(サブクール領域)とが重ならずにずれた位置に存在することとなる。従って、往路側コア部の上記スーパーヒート領域と復路側コア部の上記サブクール領域との顕熱部同士の熱交換による温度の相殺が円滑に行われないことから、結果として、特に復路側コア部の冷媒出口管近傍の上記サブクール領域の冷媒の温度分布の不均一、ひいては上記吹出空気温度のばらつきを更に助長するおそれがある。
【0008】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを小さくすることができる室内側凝縮器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の室内側凝縮器は、車両空調ヒートポンプシステムのHVACユニット内に収容する室内側凝縮器であって、チューブ及びフィンを積層してなる熱交換のコアと、チューブの一端部が接続される冷媒流入出側タンクと、チューブの他端部が接続される冷媒ターン側タンクと、冷媒流入出側タンク内を冷媒流入室と冷媒流出室とに仕切る隔壁と、冷媒流入出側タンクに接続され、冷媒流入室に連通される冷媒入口管と、冷媒流入出側タンクに接続され、冷媒流出室に連通される冷媒出口管とを備え、冷媒出口管はコアよりも下側の位置で冷媒流入出側タンクに接続される(請求項1)。
【0010】
好ましくは、コアは、冷媒が冷媒入口管から冷媒流入出側タンクを経た後で熱交換を行う往路側コア部と、冷媒が往路側コア部を流通し、冷媒ターン側タンクを経た後で熱交換を行う復路側コア部とから構成され、冷媒入口管と冷媒出口管とは、前記隔壁を対称軸とする点対称位置であり、且つ隔壁の垂直方向からみて互いにオーバーラップする位置において前記冷媒流入出側タンクに接続される(請求項2)。
前記冷媒入口管と前記冷媒出口管とは、隔壁を対称軸とする線対称位置において冷媒流入出側タンクに接続される(請求項3)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、冷媒出口管がコアよりも下側の位置で冷媒流入出側タンクに接続されることにより、コアを流れる冷媒を重力によって冷媒流入出側タンク、冷媒出口管に順次導出することができるため、冷媒出口管よりも下側にチューブが位置付けられることによって生じるチューブへの液冷媒の滞留や当該チューブにおける液冷媒の逆流を防止することができる。従って、すべてのチューブにおいて冷媒を円滑に流すことができるため、復路側コア部の特に冷媒出口管近傍のサブクール領域の冷媒の温度分布の不均一、ひいてはコア全体における冷媒の温度分布の不均一を抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを小さくすることができる(請求項1)。
【0012】
また、本発明によれば、冷媒入口管と冷媒出口管とは、隔壁を対称軸とする点対称位置であり、且つ隔壁の垂直方向からみて互いにオーバーラップする位置において冷媒流入出側タンクに接続されることにより、往路側コア部において比較的高温となる冷媒入口管近傍のスーパーヒート領域と、復路側コア部において比較的低温となる冷媒出口管近傍のサブクール領域との少なくとも一部が重なるようにしてコアを形成することができる。従って、往路側コア部のスーパーヒート領域と復路側コア部のサブクール領域との顕熱部同士の熱交換による温度の相殺によりコア全体における冷媒の温度分布の不均一を効果的に抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを効果的に小さくすることができる(請求項2)。
【0013】
また、本発明によれば、冷媒入口管と冷媒出口管とは、隔壁を対称軸とする線対称位置において冷媒流入出側タンクに接続されることにより、上記スーパーヒート領域と、上記サブクール領域とが完全に重なるようにしてコアを形成することができる。従って、往路側コア部のスーパーヒート領域と復路側コア部のサブクール領域との顕熱部同士の熱交換による温度の相殺により、コア全体における冷媒の温度分布の不均一を更に効果的に抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを更に効果的に小さくすることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る凝縮器の概略構成を示した正面図である。
【図2】図1の凝縮器を下側からみた底面図である。
【図3】図1の凝縮器のA−A方向断面図である。
【図4】従来と本実施形態との凝縮器を通風された出口空気の最大温度差ΔTmax(℃)をサブクール度S.C(deg)の増大に応じて示したグラフである。
【図5】本発明の別の実施形態に係る凝縮器の概略構成を示した正面図である。
【図6】図5の凝縮器を下側からみた底面図である。
【図7】図5の凝縮器を右側からみた側面図である。
【図8】図5の凝縮器のB−B方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の一実施形態に係る凝縮器1について図面を参照して説明する。
図1は凝縮器1の概略構成を模式的に示した正面図であり、図2は図1の凝縮器1を下側からみた底面図であり、図3は図1の凝縮器1のA−A方向断面図である。
凝縮器1は例えば図示しない車両空調ヒートポンプシステムのヒートポンプサイクルを構成する冷媒回路に組み込まれ、当該車両空調ヒートポンプシステムの図示しないHVAC(Heating Ventilation & Air Conditioning)ユニット内に収容される室内側凝縮器である。
【0016】
凝縮器1は、冷媒流路を形成する多数のチューブ2が上下方向に配され、各チューブ2間にはコルゲートフィン(フィン)4が接合されている。フィン4は凝縮器1における空気の通風流路を形成し、各チューブ2内を流れる冷媒と外気との熱交換を促進する。こうしてチューブ2とフィン4とを上下方向に交互に配列して積層することで熱交換のコア6が形成され、コア6の上下端部はサイドプレート8で覆われている。
【0017】
コア6の右端部にはチューブ2の右端部が接続される冷媒流入出側タンク10が配置され、一方、コア6の左端部にはチューブ2の左端部が接続される冷媒ターン側タンク12が配置されている。
図2及び図3に示すように、冷媒流入出側タンク10内は、チューブ2の配列方向、即ち冷媒流入出側タンク10の長手方向に延設される隔壁14によって冷媒流入室16と冷媒流出室18とに完全に仕切られている。一方、冷媒ターン側タンク12内もチューブ2の配列方向、即ち冷媒ターン側タンク12の長手方向に延設される複数の連通孔20が貫通された隔壁22によって冷媒流入室24と冷媒流出室26とに区画されている。
【0018】
また、冷媒流入出側タンク10の底端部10aには冷媒入口管28及び冷媒出口管30が接続され、冷媒入口管28は冷媒流入室16に連通され、冷媒出口管30は冷媒流出室18に連通されている。
また、コア6は、冷媒入口管28から冷媒流入出側タンク10の冷媒流入室16を経た後の冷媒が流入される往路側コア部6Aと、往路側コア部6Aから冷媒ターン側タンク12の冷媒流入室24、連通孔20、冷媒流出室26を経た後の冷媒が流入される復路側コア部6Bとから構成されている。
【0019】
このように構成される凝縮器1では、冷媒が往路側コア部6A、復路側コア部6Bの順に横流れ方向に流れる、いわゆるカウンタフロー型を採用しており、コア6に通風される空気とコア6を流れる冷媒との間で効率的な熱交換が可能である。
ここで、本実施形態では、上述したように、冷媒入口管28及び冷媒出口管30は冷媒流入出側タンク10の底端部10aに接続され、冷媒流入出側タンク10の底端部10aは各チューブ2のうちの最下端チューブ2aよりも下側に位置付けられている。換言すると、冷媒入口管28及び冷媒出口管30はコア6よりも下側の位置で冷媒流入出側タンク10に接続されている。
【0020】
また、図3に示すように、冷媒入口管28と冷媒出口管30とは、隔壁14からの冷媒入口管28及び冷媒出口管30の管中心までの距離dがほぼ同じであって、隔壁14を対称軸とする線対称位置において冷媒流入出側タンク10に接続されている。
更に、冷媒出口管30の内径Doは冷媒入口管28の内径Di以上に予め設定されている。
【0021】
以上のように本実施形態の凝縮器1は、冷媒出口管30がコア6よりも下側の位置で冷媒流入出側タンク10に接続されることにより、コア6を流れる冷媒を重力によって冷媒流入出側タンク10、冷媒出口管30に順次導出することができるため、冷媒出口管30よりも下側にチューブ2が位置付けられることによって生じるチューブ2への液冷媒の滞留や当該チューブ2における液冷媒の逆流を防止することができる。従って、すべてのチューブ2において冷媒を円滑に流すことができるため、復路側コア部の特に冷媒出口管近傍の低温領域(サブクール領域)の冷媒の温度分布の不均一、ひいてはコア6全体における冷媒の温度分布の不均一を抑制し、HVACユニットにおける空気のフット吹出口等の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを小さくすることができる。
【0022】
また、冷媒入口管28と冷媒出口管30とは隔壁14を対称軸とする線対称位置において冷媒流入出側タンク10に接続されることにより、往路側コア部6Aにおいて比較的高温となる冷媒入口管28近傍の高温領域(スーパーヒート領域)と、復路側コア部6Bにおいて比較的低温となる冷媒出口管30近傍の低温領域(サブクール領域)とが完全に重なるようにしてコア6を形成することができる。従って、往路側コア部6Aのスーパーヒート領域と復路側コア部6Bのサブクール領域との顕熱部同士の熱交換による温度の相殺により、コア6全体における冷媒の温度分布の不均一を更に効果的に抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを更に効果的に小さくすることができる。
【0023】
また、冷媒出口管30の内径Doは冷媒入口管28の内径Di以上であることにより、冷媒出口管30から冷媒が流出し易くなり、チューブ2において冷媒を更に円滑に流すことができるため、コア6全体における冷媒の温度分布の不均一を更に効果的に抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを更に効果的に小さくすることができる。
【0024】
具体的には、図4の凝縮器1に通風された後の空気である出口空気の最大温度差ΔTmax(℃)をサブクール度S.C(deg)の増大に応じて示したグラフを参照して説明する。この図における破線は冷媒が縦流れとなるコア6を有するカウンタフロー型の従来凝縮器の場合を示し、実線は本実施形態の場合を示している。尚、従来凝縮器は図1に示す凝縮器1を90°時計回りに回転させた状態で使用した場合を想定しており、冷媒出口管の配置箇所によって重力を利用した冷媒の導出が行えないことから、復路側コア部の冷媒出口管近傍における冷媒は滞留や逆流を生じている。
【0025】
この結果から明らかなように、本実施形態の場合には、サブクール度S.Cが如何なる値であっても、出口空気の最大温度差ΔTmaxを従来凝縮器に比して10℃程度低減することができており、コア6全体における冷媒の温度分布の不均一を効果的に抑制できたことが判る。
本発明は、上述の実施形態に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
【0026】
例えば、上記実施形態では、冷媒入口管28及び冷媒出口管30は冷媒流入出側タンク10の底端部10aに接続されているが、冷媒出口管30がコア6よりも下側の位置で冷媒流入出側タンク10に接続されていれば良く、上記実施形態に限定されない。
具体的には、図5〜図8を参照して本発明の別の実施形態の凝縮器について説明する。 図5は凝縮器32の概略構成を模式的に示した正面図であり、図6は図5の凝縮器32を下側からみた底面図であり、図7は図5の凝縮器32を右側からみた側面図であり、図8は図5の凝縮器32のB−B方向断面図である。尚、図1と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
図5〜図7に示すように、本実施形態の冷媒流入出側タンク34は、その長手方向の長さが冷媒ターン側タンク12よりも長く形成され、冷媒流入出側タンク34の側部34aは最下端チューブ2aよりも下側に十分な長さを有している。従って、冷媒入口管28及び冷媒出口管30は冷媒流入出側タンク34の側部34aの最下端チューブ2aよりも下側の部分、即ちコア6よりも下側の位置で冷媒流入出側タンク34に接続されている。
【0028】
また、図8に示すように、冷媒入口管28と冷媒出口管30とは、隔壁14からの冷媒入口管28及び冷媒出口管30の管中心までの距離dがほぼ同じであって、隔壁14を対称軸とする線対称位置において冷媒流入出側タンク34に接続され、冷媒出口管30の内径Doは冷媒入口管28の内径Di以上に予め設定されている。
このように本実施形態の凝縮器32においても、冷媒出口管30がコア6よりも下側の位置で冷媒流入出側タンク34に接続されることにより、チューブ2への液冷媒の滞留や当該チューブ2における液冷媒の逆流を防止し、しかも、往路側コア部6Aのスーパーヒート領域と復路側コア部6Bのサブクール領域との顕熱部同士の熱交換による温度の相殺によりコア6全体における冷媒の温度分布の不均一を抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを効果的に小さくすることができる。
【0029】
また、上記各実施形態では、冷媒入口管28と冷媒出口管30とは、隔壁14から冷媒入口管28及び冷媒出口管30の管中心までの距離dがほぼ同じであって、隔壁14を対称軸とする線対称位置において冷媒流入出側タンク34に接続される。しかし、これに限らず、冷媒入口管28と冷媒出口管30とを隔壁14を対称軸とする点対称位置であり、且つ隔壁14の垂直方向からみて互いにオーバーラップする位置において冷媒流入出側タンク34に接続するようにしても良い。
【0030】
この場合にも、隔壁14から冷媒入口管28及び冷媒出口管30の管中心までの距離dがほぼ同じとなり、往路側コア部6Aにおいて比較的高温となる冷媒入口管28近傍のスーパーヒート領域と、復路側コア部6Bにおいて比較的低温となる冷媒出口管30近傍のサブクール領域との少なくとも一部が重なるようにしてコア6を形成することができる。従って、往路側コア部6Aのスーパーヒート領域と復路側コア部6Bのサブクール領域との顕熱部同士の熱交換による温度の相殺によりコア6全体における冷媒の温度分布の不均一を更に効果的に抑制し、HVACユニットにおける空気の各吹出口の吹出空気温度のばらつきを効果的に小さくすることができる。
【0031】
また、上記各実施形態では、冷媒が往路側コア部6A、復路側コア部6Bの順に横流れ方向に流れるカウンタフロー型を採用した凝縮器1,32について説明したが、これら凝縮器1,32の形態に限定されない。具体的には、図4の説明で想定した従来凝縮器のような冷媒縦流れのカウンタフロー型の凝縮器の場合であっても、冷媒出口管30をコア6よりも下側の位置で冷媒流入出側タンク10に接続し、冷媒入口管28及び冷媒出口管30を隔壁14を対称軸とする線対称位置、或いは、隔壁14を対称軸とする点対称位置であり、且つ隔壁14の垂直方向からみて互いにオーバーラップする位置において冷媒流入出側タンク10に接続することにより、上記と同様の効果を得ることが可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
1,32 凝縮器(室内側凝縮器)
2 チューブ
2a 最下端チューブ(チューブ)
4 フィン
6 コア
6A 往路側コア部
6B 復路側コア
10,34 冷媒流入出側タンク
12 冷媒ターン側タンク
14 隔壁
16 冷媒流入室
18 冷媒流出室
28 冷媒入口管
30 冷媒出口管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両空調ヒートポンプシステムのHVACユニット内に収容する室内側凝縮器であって、
チューブ及びフィンを積層してなる熱交換のコアと、
前記チューブの一端部が接続される冷媒流入出側タンクと、
前記チューブの他端部が接続される冷媒ターン側タンクと、
前記冷媒流入出側タンク内を冷媒流入室と冷媒流出室とに仕切る隔壁と、
前記冷媒流入出側タンクに接続され、前記冷媒流入室に連通される冷媒入口管と、
前記冷媒流入出側タンクに接続され、前記冷媒流出室に連通される冷媒出口管とを備え、
前記冷媒出口管は前記コアよりも下側の位置で前記冷媒流入出側タンクに接続されることを特徴とする室内側凝縮器。
【請求項2】
前記コアは、冷媒が前記冷媒入口管から前記冷媒流入出側タンクを経た後で熱交換を行う往路側コア部と、冷媒が前記往路側コア部を流通し、前記冷媒ターン側タンクを経た後で熱交換を行う復路側コア部とから構成され、
前記冷媒入口管と前記冷媒出口管とは、前記隔壁を対称軸とする点対称位置であり、且つ隔壁の垂直方向からみて互いにオーバーラップする位置において前記冷媒流入出側タンクに接続されることを特徴とする請求項1に記載の室内側凝縮器。
【請求項3】
前記冷媒入口管と前記冷媒出口管とは、前記隔壁を対称軸とする線対称位置において前記冷媒流入出側タンクに接続されることを特徴とする請求項2に記載の室内側凝縮器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−100924(P2013−100924A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243557(P2011−243557)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)