説明

室内外装飾用材

【課題】アピール効果、癒し効果のある室内外装飾材を提供する。
【解決手段】蛍光を出す顔料を用いてカーテンやのれん等の室内外装飾材自体に発光する機能を持たせて、カーテンやのれん等の室内外装飾材を見やすくすると共にアピール性を高めて、また、癒し効果のあるものとする。具体的には光ファイバーを編みこんで布地にしたものに蛍光体、有機色素、無機色素、着色剤等顔料を用いて絵や文字を形成し、光ファイバーに光を通して布から光が出るようにした布や布地に蛍光体単体、または蛍光体に有機色素、無機色素、着色剤等顔料を混ぜたものを用いて絵や文字を形成し、その布地に紫外線を含む光を照射することにより蛍光が出るようにした布を室内外装飾材や家具、電気製品等の部材として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はのれんやカーテン等の室内外装飾材に紫外線を含む光を照射することにより、蛍光を出し機能やデザイン処理を施した、癒し効果やアピールのある室内外装飾材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のものは、カーテンやのれん自体が発光する効果を持たないために、例えばのれんの場合には夜になると見にくく、そのために白色ランプでのれんに書かれている絵や字をアピールしていた。またカーテンも絵や字が暗くなると見にくく、光を当てて見る以外になかった。一般的にはこれらのものは、その他の機能が施されていないため、間仕切りや目隠し用途で使用されることが多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【0004】
従来のものは、カーテンやのれん自体が発光する効果を持たないために、特にのれんの場合には夜になると見にくく、アピール効果が期待できなった。また、その他の機能が施されていないため、間仕切りや目隠し用途で使用されることが多く、癒し効果による需要拡大が期待できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
蛍光を出す顔料を用いてカーテンやのれん等の室内外装飾材自体に発光する機能を持たせて、カーテンやのれん等の室内外装飾材を見やすくすると共にアピール性を高めて、また、癒し効果のあるものとする。
【0006】
光ファイバーを含んだ布地を用いた場合には、光ファイバーに紫外線を通じて、その光で布地に蛍光体を含んだ顔料で形成された絵や文字から蛍光を出させるようにすることができる。または光ファイバーに可視光を通じて光ファイバーから入射した光が出るようにして、布地自体が光を出すようにするものである。
【0007】
光ファイバーを用いて布地に編む際は光ファイバーの径としては2mm以下、好ましくは1mm以下が縫いやすく、また作製された布地の柔らかさがあって好ましいものとなる。光ファイバーを用いて編む場合には、麻やナイロン、ポリエチレン、ポリエステル等の繊維と共に編むことにより、光ファイバー単体だけで編むのに比較して、デザイン性を増やすことができる。また、光ファイバーからなる布地に、光ファイバーを含まない、一般的な麻やナイロン等からなる繊維で作製された布地と重ねることも同様にデザイン性を増やすことができる。特に光ファイバーからなる布地の後ろにアルミやガラス素材等の反射膜を備えた布地を重ねることにより、片面の方に蛍光を出す量を増やすこともできる。
【0008】
布地に編んだ光ファイバーに光を通す方法として、布地の端部に光導波路のロッドを設置し、この光導波路のロッドに布地の光ファイバーの端部、または一部を接触、もしくは接合固定して、ロッドに流している光を布地の光ファイバーに導波させるものである。このような光ファイバーとして、一般的には石英ガラスのようなSiO2を主成分とするガラス系の光ファイバーでもよく、またはプラスチックの光ファイバーでも良い。
【0009】
光ファイバーの布地に色を付ける方法としては、光ファイバーを編む前に光ファイバーに蛍光塗料や顔料塗料を塗布したり、光ファイバーの原料に顔料や蛍光顔料等を添加して光ファイバー自体に色を付けたり、蛍光を出すようにするものである。または、光ファイバーで編んだ布地にスクリーン印刷やインクジェット、スプレー法、刷毛等の塗布による方法でも良い。
【0010】
光ファイバーを含まない場合には、一般的な麻・綿・絹・ウール・化学繊維からなる布に紫外線により蛍光を出す蛍光体を含んだ有機色素や無機色素、着色剤等の顔料と混ぜたものをスクリーン印刷、またはスプレー印刷、刷毛、熱転写印刷、インクジェットプリント等で柄として付けてデザインを施し、この布地に紫外線を含むランプにより蛍光を出させるものである。
【0011】
蛍光を出すものとして、紫外線を含む光を照射することにより例えば赤色光を発光する無機蛍光体、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、Y2O2S:Eu、3.5MgO、0.5MgF2GeO2:Mn、(Y,Gd)BO3:Eu、Y(P,V)O4:Euや緑色光を発光する無機蛍光体、ZnO:Zn、Zn3SiO2:Mn、Zn3S:Cu,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Ag,Cu、(Zn,Cd)S:Cu、ZnS:Cu、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、Y2SiO5:Ce,Tb、Zn2GeO4:Mn、CeMgAl11O13:Tb、SrGa2S4:Eu2+、ZnS:Cu,Co、MgO・nB2O3:Ce,Tb、LaOBr:Tb,Tm、La2O2S:Tb、ZnS:Cu(Mn)、青色光を発光する無機蛍光体、ZnS:Ag、CaWO4、Y2SiO5:Ce、ZnS:Ag,Ga,Cl、Ca2B5O3Cl:Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、Sr3(PO2)3Cl:Eu等があり、基本的な構成元素としてはMg,Sr,Ba等のアルカリ土類金属やLa,Nd,Er,Eu等La系元素、Al,Zn,Si,Y等の中から少なくとも1種以上を含んだ化合物である。また、有機蛍光体としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環のような六員環や五員環を持つ化合物などを用いることができる。これらの蛍光体を有機色素や無機色素、着色剤等の顔料と混ぜることにより、色の具合を変えることができ、また紫外線を含む光を当てることによっても色の具合を変えることができる。この蛍光体が入った塗料を光ファイバーを含んだ布、または光ファイバーを含んでいない一般的な布地に塗布して、絵や文字を布の表面に形成し、この布に紫外線を含む光を照射することによって蛍光を出させるものである。
【0012】
このように光ファイバーを用いて布地を形成することにより、布自体からの発光、蛍光を出すことが可能であり、または一般的な布地に蛍光顔料を含む塗料によりデザインを施し、この蛍光体に紫外線を含むランプで蛍光を出させて、夜間の薄暗いところでもアピール性を高めることができる。また、癒し効果もあるものである。
【発明の効果】
【0013】
蛍光を出す顔料を用いてカーテンやのれん等の室内外装飾材自体に発光する機能を持たせて、カーテンやのれん等の室内外装飾材を見やすくすると共にアピール性を高めて、また、癒し効果のあるものとする。このような布を用いることにより、間仕切りや目隠し用途以外の癒し効果のあるものとすることにより継続的な需要拡大が可能となり、無機質になりがちな合成繊維の商品が馴染み深い商品となり、天然染色のみの商品と比較して機能性の高い商品の供給が可能となる。
また、同素材、同系色素材(同素材・異素材)をのれんやカーテン以外の壁面商品や雑貨、寝具や床面に使用する商品等、他に応用することも可能であることから、空間全体にやすらぎ感と機能美を演出することが可能となる。様々な蛍光色を用いることにより、カラーバリエーションが増えて個々の嗜好性に対応することが可能となり、トータル展開での継続的な需要拡大が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
麻・綿・絹・ウール・ポリエチレンやナイロン等の化学繊維の中に石英製かプラスチック製の数百ミクロンの光ファイバーを含んだ布地、もしくは光ファイバー単体からなる布に染色、或いは着色して描いたもので、間仕切り、のれん、スクリーン、ブラインド、洋風ベッドの蚊帳、電気スタンドのかさ、電灯のかさ、つい立て、舞台衣装、芸術作品、帽子、傘(ガーデン用パラソル、ビーチパラソル、雨傘、日傘)、カーテン、ヨットの帆、テントに用いるものである。この光ファイバーに様々な色を含んだ光、または単色光を導入して、布から光が漏れるようにするものである。光ファイバーとしては、光ファイバー端部から漏れる光量が多いので、光ファイバーの長さを変えて布の中で光を漏洩することも良い。
【0015】
麻・綿・絹・ウール・ポリエチレンやナイロン等の化学繊維の中に光ファイバーを含んだ布地、もしくは光ファイバーからなる布地に色を付ける方法として、作製された布地にスクリーン印刷、またはスプレー印刷、刷毛、熱転写印刷、インクジェットプリント等で色を付けてデザインを施し、各種用途に用いる。
【0016】
麻・綿・絹・ウール・ポリエチレンやナイロン等の化学繊維の中に光ファイバーを含んだ布地、もしくは光ファイバーからなる布地において、光ファイバーに赤や青、緑、黄色になるように有機色素系、また無機顔料系、蛍光顔料等の透明顔料、不透明顔料を含ませたり、もしくは表面にコーティングして光ファイバーを作製し、この光ファイバーを用いて布地に含ませることにより、光を導入して布地が様々な色に発光、蛍光を出すようにしたものである。
【0017】
一般的な麻・綿・絹・ウール・ポリエチレンやナイロン等の化学繊維からなる布地に紫外線により蛍光を出す蛍光体を含んだ有機色素や無機色素、着色剤等の顔料と混ぜたものをシルクスクリーン印刷、またはスプレー印刷、刷毛、熱転写印刷、インクジェットプリント等で、柄として付けてデザインを施し、この布に紫外線を含むランプにより蛍光を出させ、間仕切り、のれん、スクリーン、ブラインド、洋風ベッドの蚊帳、電気スタンドのかさ、電灯のかさ、つい立て、舞台衣装、芸術作品、帽子、傘(ガーデン用パラソル、ビーチパラソル、雨傘、日傘)、カーテン、ヨットの帆、テント、天井、床、ついたて、椅子の背、舞台装置。屋内・野外の芸術作品として用いるものである。
【0018】
光ファイバーに紫外線を通じて、布地に含む蛍光体を蛍光発光させることでも良く、または紫外線を含むランプ、例えばブラックライトを同時に用いても良い。光ファイバーに光を導波させなくてもブラックライト単体でも同様な効果が得られる。いづれの場合も、布地或いは他の素材を切り替えて、或いは一部分だけを用いて製品とすることも可能である。
【実施例1】
【0019】
径200ミクロンのプラスチック光ファイバーを縦横に編みこんで、縦1メートル幅二メートルの布地にしたてた後に、この光ファイバーの端部を図1に示すように光を導入するために太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドに接着剤で固定した。この光ファイバーロッドを用いて軸として布地を支えることに利用することもできる。この布地にスプレー法により、紫外線により発光する発光する蛍光を発する顔料を含んだアクリル樹脂に分散した塗料を塗って、赤色や青色に発光する蛍光塗料で柄や字を形成した。この布地に紫外線を図2のように照射した結果、布地が蛍光塗料で描いた模様で発光した。また、同様に図3のように光ファイバーに紫外線を導入した結果でも布地が発光した。
【実施例2】
【0020】
径200ミクロンのプラスチック光ファイバーを麻からできた縦1メートル幅二メートルの布地に縦方向に縫いこんで、図4に示すような布を作製した。この際に光ファイバーは模様に合わせて長さを変えて、光ファイバーの端部から光が漏れるようにした。この光ファイバーの端部を図1に示すように光を導入するために太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドに接着剤で固定した。この光ファイバーロッドを用いて軸として布地を支えることに利用することもできる。この布地にスプレー法により、紫外線により発光する発光する蛍光を発する顔料を含んだアクリル樹脂塗料を塗って、赤色や青色に発光する蛍光塗料で柄や字を形成した。この布地に紫外線を図2のように照射した結果、布地が蛍光で描いた模様で発光した。また、同様に図3のように光ファイバーに紫外線を導入した結果でも布地が発光した。実施例1よりも光ファイバーの端部から光が多く漏れることにより、鮮明になる特徴があった。
【実施例3】
【0021】
径1000ミクロンのプラスチック光ファイバーをナイロン繊維からできた縦1メートル幅二メートルの布地に横縦方向に縫いこんで、図4に示すような布を作製した。この際に光ファイバーは研磨紙で研磨し、光ファイバーの研磨部から光が漏れるようにした。この光ファイバーの端部を図1に示すように光を導入するために太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドに溶着して固定した。この布地を太さ1cmの木の棒に固定した。この布地に熱転写により字を書き込み、この上に刷毛を用いて、紫外線により発光する蛍光を発する顔料を含んだアクリル樹脂塗料を塗って、赤色や緑色、青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この布地に紫外線を図2のように照射した結果、布地が蛍光塗料で描いた模様で発光した。また、同様に図3のように光ファイバーに紫外線を導入した結果でも布地が発光した。
【実施例4】
【0022】
径750ミクロンのプラスチック光ファイバーをポリエチレン繊維からできた縦1メートル幅二メートルの布地に横縦方向に縫いこんで、図4に示すような布を作製した。この際に光ファイバーは研磨紙で研磨し、光ファイバーの研磨部から光が漏れるようにした。この光ファイバーの端部を図1に示すように光を導入するために太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドに溶着して固定した。この布地は太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドを用いて固定した。この布地に熱転写により字を書き込み、この上にパテを用いて、紫外線により発光する蛍光を発する顔料を含んだエポキシ接着剤を塗って、赤色や緑色、青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この布地に紫外線を図2のように照射した結果、布地が蛍光塗料で描いた模様で発光した。また、同様に図3のように光ファイバーに紫外線を導入した結果でも布地が発光した。
【実施例5】
【0023】
径200ミクロンのプラスチック光ファイバーをポリエチレン繊維からできた縦1メートル幅二メートルの布地に横縦方向に縫いこんで、図4に示すような布を作製した。この際に光ファイバーは長さを変えて縫いこみ、光ファイバーの端部から光が漏れるようにした。この布地に縫いこんだ片側の光ファイバーの端部を図1に示すように光を導入するために太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドに溶着して固定した。この布地は太さ1cmのプラスチック製の光ファイバーロッドを用いて固定した。この布地に蛍光顔料以外の色顔料や色素、染色等で模様を形成した。この上にパテを用いて、紫外線により発光する蛍光を発する顔料を含んだエポキシ接着剤を塗って、赤色や緑色、青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この結果、紫外線を照射した時と、紫外線を照射しない時で模様の違いを出せることが分かった。
【実施例6】
【0024】
径200ミクロンのプラスチック光ファイバーをポリエチレン繊維からできた30センチ幅の布地に横縦方向に縫いこんだ布を作製した。この際に光ファイバーは長さを変えて縫いこみ、光ファイバーの端部から光が漏れるようにした。この布地に縫いこんだ片側の光ファイバーの端部を図3に示すように光を導入するために太さ0.5cmのプラスチック製の光ファイバーロッドに溶着して固定した。この布地を扇子に貼り付けて固定した。この布地に蛍光顔料以外の色顔料や色素、染色等で模様を形成した。この光ファイバーに光を通した結果、扇子が光で模様が形成できた。
【実施例7】
【0025】
ポリエチレン繊維からできた縦2メートル横1メートル幅の布地に蛍光顔料以外の色顔料や色素、染色等で模様を形成した。この上にパテを用いて、紫外線により発光する蛍光を発する顔料を含んだエポキシ接着剤を塗って、赤色や緑色、青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この布地を飲食関連のお店の中の天井に掛けて、図5のように布地を吊るした上側から紫外線ランプを照射して、布地から蛍光を出させた。この際に、蛍光以外の顔料や染料で色づけした場合には紫外線ランプを用いて照射しても蛍光が出なかった。
【実施例8】
【0026】
ナイロン繊維からできた縦2メートル横1メートル幅の布地に蛍光顔料以外の色顔料や色素、染色等で模様を形成した。この上にスプレー法により紫外線により発光する蛍光を発する顔料を含んだアクリル塗料を塗って、赤色や緑色、青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この布地を室内のスタンド灯の傘に使用して、図6のように傘の中に紫外線ランプと一般の白色ランプを置き、紫外線ランプを付けたときにスタンド傘から蛍光発光による模様が出るようにした。ナイロン繊維に光ファイバーを縫いこんで、光ファイバーに光を入射して光ファイバーの端部から光が漏れるようにしたスタンド灯でも、この光により模様が形成できた。
【実施例9】
【0027】
ナイロン繊維に光ファイバーを縫いこんだナイロン繊維からできた縦2メートル横1メートル幅の布地に蛍光顔料を含まない顔料塗料で模様を形成した。この布地を日傘に使用して、傘の柄の部分に電池を入れて、傘の布地の光ファイバー中に光を入射して光ファイバーの端部から光が漏れるようにした日傘でも、この光により模様が形成できた。
【実施例10】
【0028】
Y2O3:Euを10重量パーセント含んだ10ミクロン径のナイロン繊維からできた縦2メートル横1メートル幅の布地にZnS:Agの蛍光顔料を含んだアクリル塗料を塗って、青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この布地を室内のスタンド灯の傘に使用して、傘の中に紫外線ランプと一般の白色ランプを置き、紫外線ランプを付けたときにスタンド傘から蛍光発光による模様が出るようになった。ナイロン繊維に光ファイバーを縫いこんで、光ファイバーに光を入射して光ファイバーの端部から光が漏れるようにしたスタンド灯でも、この光により模様が形成できた。ポリエチレン樹脂も同様な効果が得られた。
【実施例11】
【0029】
0.1,0.5,1.0,3.0mmの麻の糸にZnS:Agの蛍光顔料を含んだアクリル塗料を塗ってナイロン繊維からできた縦2メートル横1メートル幅の布地に編みこんで青色に発光する蛍光で柄や字を形成した。この際に縫いこんだ部分の糸の太さとすると1mm以下にした方は柔軟性があることが分かった。作製した刺繍の入った布地を室内のスタンド灯の傘に使用して、傘の中に紫外線ランプと一般の白色ランプを置き、紫外線ランプを付けたときにスタンド傘から蛍光発光による模様が出るようになった。ナイロン繊維に光ファイバーを縫いこんで、光ファイバーに光を入射して光ファイバーの端部から光が漏れるようにしたスタンド灯でも、この光により模様が形成できた。ポリエチレン樹脂も同様な効果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の方法により発光する絵柄や文字を持つ布地により、暗いところでもアピール性の高い表現が可能になり、家具やのれん、カーテン等の内外装飾用に広く展開できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る布地の光ファイバーの端部に光を導入する方法に関する図を示した。
【図2】本発明の実施の形態に係る布地に紫外線を照射する方法に関する図を示した。
【図3】本発明の実施の形態に係る光ファイバーに紫外線を導入して布地の蛍光顔料を発光させる図を示した。
【図4】本発明の実施の形態に係るプラスチック光ファイバーをポリエチレン繊維からなる布地に横縦方向に縫いこんだ図を示した。
【図5】本発明の実施の形態に係る布地を吊るした上側から紫外線ランプを照射して蛍光発光させる図を示した。
【図6】本発明の実施の形態に係る布地を用いて傘の中に紫外線ランプと一般の白色ランプを置き、紫外線ランプを付けて蛍光発光させる図を示した。
【符号の説明】
【0032】
1光ファイバーロッド
2光源
3光ファイバー
4光ファイバー端部の接合部
5布地
6紫外線の照射方向
7紫外線を含んだ光源
8紫外線ランプ
9ポリエチレン繊維の布地
10蛍光塗料で模様が作製された布地
11蛍光発光
12蛍光塗料で模様が作製された電灯傘
13ブラックライト
14白色蛍光灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーを編みこんで布地にしたものに蛍光体、有機色素、無機色素、着色剤等顔料を用いて絵や文字を形成し、光ファイバーに光を通して布から光が出るようにしたことを特徴とする布。
【請求項2】
布地に蛍光体単体、または蛍光体に有機色素、無機色素、着色剤等顔料を混ぜたものを用いて絵や文字を形成し、その布地に紫外線を含む光を照射することにより蛍光が出るようにしたことを特徴とする布。
【請求項3】
請求項1及び2において布地を構成する樹脂材料に蛍光体単体、または蛍光体に有機色素、無機色素、着色剤等顔料を混ぜたものを用いて繊維を形成したもの単体、またはその布地に絵や文字を形成させたものに紫外線を含む光を照射することにより蛍光が出るようにしたことを特徴とする布。
【請求項4】
請求項1及び2、3において布地に蛍光体単体、または蛍光体に有機色素、無機色素、着色剤等顔料を混ぜたものを用いて絵や文字を形成する際に、下地に蛍光体を含まない顔料や染料で模様や字を書き込み、紫外線ランプの照射の仕方により蛍光の強度を変えて下地の模様を強調させることを特徴とする方法
【請求項5】
請求項1の光ファイバーの径として2mm以下であるものを用いて編んだことを特徴とする布地
【請求項6】
請求項1及び2の布地を用いたカーテンやのれん等の室内外装飾材。
【請求項7】
請求項1及び2の布地を用いて作製した電気製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−37323(P2006−37323A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244463(P2004−244463)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(504171570)
【出願人】(504321773)
【Fターム(参考)】