説明

室内物緑化装置

【課題】簡単な構造で、自然の風景を再現でき、かつ室内に容易に配置が可能で、室内の緑化が低コストで、しかも特別な配置スペースの確保を必要としない室内物緑化装置を提供する。
【解決手段】室内物緑化装置10は、草木などの植物40を植えた緑化園20と、緑化園20を収納するための収納ケース30とを備え、収納ケース30は、緑化園20が載置される載置台30aと、載置台30aに設けられて緑化園20を囲むための透明ケース30bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建造物の室内を緑化する室内緑化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
夏期、建物で覆われている都市部は、周辺部と比較して気温が異常に上昇するヒートアイランド現象がみられ、このようなヒートアイランド現象を回避するために建物の屋上に構築可能な緑化システムが開示されている(特許文献1)。
【0003】
また、建造物の屋上やベランダなどの建造物の外部、居間、応接間、待合室などの室内に適用可能な建造物緑化方法及び緑化装置が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−49226号公報
【特許文献2】特開2005−295963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、建物の屋上や室内の緑化が行われているが、装置が複雑であり、室内の緑化にはコストがかかり、しかも特別な配置スペースの確保を必要とするなどの問題がある。
【0006】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、簡単な構造で、自然の風景を再現でき、かつ室内に容易に配置が可能な室内緑化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、その目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、草木などの植物を植えた緑化園と、前記緑化園を収納するための収納ケースとを備え、前記収納ケースは、前記緑化園が載置される載置台と、前記載置台に設けられて前記緑化園を囲むための透明ケースとを有することを特徴とする室内物緑化装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記収納ケースに、水を供給する水供給パイプが連結され、前記水供給パイプに、前記緑化園に水を散布する水散布装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の室内緑化装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記収納ケースに、前記緑化園に風を送る送風装置を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の室内緑化装置である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記収納ケースに、前記緑化園に光を当てる照明装置を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の室内緑化装置である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記収納ケースに、液晶表示装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の室内緑化装置である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記収納ケースを、室内を区画するように配置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の室内緑化装置である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記収納ケースを、室内の壁面に沿わせて配置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の室内緑化装置である。
【発明の効果】
【0015】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0016】
この請求項1に記載の発明によれば、草木などの植物を植えた緑化園と、緑化園を収納するための収納ケースとを備え、収納ケースは載置台と透明ケースとを有し、緑化園によって自然の風景を再現でき、かつ室内に容易に配置することができ、さらに室内の緑化が低コストで、しかも特別な配置スペースの確保を必要としない。
【0017】
この請求項2に記載の発明によれば、水供給パイプから水散布装置により緑化園に水を散布し、緑化園の草木などの植物に水を供給することができる。
【0018】
この請求項3に記載の発明によれば、送風装置により緑化園に風を送ることで、緑化園の草木などの植物が風でそよぐ感じになり、しかも植物に酸素の供給が促進される。
【0019】
この請求項4に記載の発明によれば、照明装置により緑化園に光を当てることで、緑化園の草木などの植物が光合成できる環境を作り出し、植物の発育を促すことができる。
【0020】
この請求項5に記載の発明によれば、液晶表示装置に雲や山の風景などの映像を映し出すことで、緑化園全体的な深みや奥行きを再現することができ、また液晶表示装置に広告などの映像を映し出すことができる。
【0021】
この請求項6に記載の発明によれば、収納ケースによって室内を区画し、室内緑化し、かつ特別なく隔壁が不要である。
【0022】
この請求項7に記載の発明によれば、収納ケースによって壁面を装飾し、かつ室内緑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】緑化園の斜視図である。
【図2】収納ケースの分解斜視図である。
【図3】水散布装置、送風装置、照明装置の斜視図である。
【図4】水散布装置、送風装置、照明装置を設けた室内緑化装置の斜視図である。
【図5】液晶表示装置を設けた室内緑化装置の斜視図である。
【図6】室内緑化装置で室内を区画する状態を示す図である。
【図7】室内緑化装置で壁面を装飾する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の室内物緑化装置の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されるものではない。この実施の形態の室内物緑化装置10は、図1乃至図4に示すように、草木などの植物を植えた緑化園20と、収納ケース30とを備える。
【0025】
この緑化園20としては、例えば図1(a)に示すように、草木などの植物40を植えた植物園20a、また図1(b)に示すように、草木などの植物40を植えられて池や川、丘などを有する里山の風景を再現した庭園20bなどが用いられる。この庭園20bでは、循環ポンプ20b1とパイプ20b2とを備え、循環ポンプ20b1を駆動してパイプ20b2によって水を循環させる。
【0026】
収納ケース30は、図2に示すように、緑化園20を収納するためのケースであり、載置台30aと、透明ケース30bとを有する。載置台30aは、樹脂、木材などで長方形に形成され、上部30a1に緑化園20が載置され、上部30a1の外周に透明ケース30bを取り付ける取付部30a2が設けられている。透明ケース30bは、板状の透明樹脂、透明ガラスなどで形成され、この実施の形態では、4枚の板状透明体30b2を取付部30a2に取り付けて緑化園20を囲む。
【0027】
収納ケース30には、図3(a)に示すように、水散布装置50が設けられ、水散布装置50は操作部50aを操作することで、噴射ノズル50bから水を植物40に散布することができるようになっている。水散布装置50は、連結部50cによって水供給パイプ51に連結され、この水供給パイプ51によって水道管から水が供給される。このように、水散布装置50により緑化園20に水を散布し、緑化園20の草木などの植物40に水を供給する。
【0028】
また、収納ケース30には、図3(b)に示すように、送風装置80が設けられ、送風装置80はモータ811によりプロペラ82を回転し、緑化園20に風を送る。このように、送風装置80により緑化園20に風を送ることで、緑化園20の草木などの植物が風でそよぐ感じになり、しかも植物に酸素の供給が促進される。
【0029】
また、収納ケース30には、図3(c)に示すように、照明装置90が設けられ、照明装置90は支持軸91に設けたLED92を点灯することで、緑化園20に光を当てる。このように、照明装置90により緑化園20に光を当てることで、緑化園20の草木などの植物が光合成できる環境を作り出し、植物の発育を促すことができる。
【0030】
この実施の形態では、図4(a)に示すように、室内物緑化装置10は、緑化園20として草木などの植物を植えた植物園20aが収納ケース30に備えられ、図4(b)に示すように、室内物緑化装置10は、緑化園20として池や川、丘などを有する里山の風景を再現した庭園20bが収納ケース30に備えられている。
【0031】
この収納ケース30には、水散布装置50、送風装置80、照明装置90を設けているが、水散布装置50、送風装置80、照明装置90のいずれも設けなくてもよく、あるいは水散布装置50、送風装置80、照明装置90のいずれかを組み合わせて設けてもよい。
【0032】
この室内物緑化装置10には、図5(a),(b)に示すように、収納ケース30に液晶表示装置60を備えることができ、再生装置61の操作によって液晶表示装置60に映像を映し出す。
【0033】
図5(a)に示す液晶表示装置60は、緑化園20に対向する位置に配置され、液晶表示装置60に雲や山の風景などの映像を映し出すことで、緑化園全体的な深みや奥行きを再現することができる。また、図5(b)に示す液晶表示装置60は、緑化園20より上方位置に配置され、液晶表示装置60に広告などの映像を映し出すことができる。
【0034】
この室内物緑化装置10は、図6に示すように、1個の室内物緑化装置10を、収納ケース30が室内70を区画するように配置しているが、2個の室内物緑化装置10を、収納ケース30が室内70を区画するように配置するようにしてもよい。この室内物緑化装置10の配置によって室内を区画し、かつ室内緑化し、特別なく隔壁が不要である。
【0035】
また、この室内物緑化装置10は、図7に示すように、室内物緑化装置10を、収納ケース30が室内70の壁面に沿わせて配置する。この室内物緑化装置10の配置によって壁面を装飾し、かつ室内緑化することができる。
【0036】
このように、室内物緑化装置10は、草木などの植物を植えた緑化園20と、緑化園20を収納するための収納ケース30とを備え、収納ケース30は載置台30aと透明ケース30bとを有し、緑化園20によって自然の風景を再現でき、かつ室内に容易に配置することができ、さらに室内の緑化が低コストで、しかも特別な配置スペースの確保を必要としない。また、室内物緑化装置10は、収納ケース30によって室内70を区画し、室内緑化し、かつ特別なく隔壁が不要である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
この発明は、建造物の室内を緑化する室内緑化装置に適用でき、簡単な構造で、自然の風景を再現でき、かつ室内に容易に配置が可能で、室内の緑化が低コストで、しかも特別な配置スペースの確保を必要としない。
【符号の説明】
【0038】
10 室内物緑化装置
20 緑化園
30 収納ケース
30a 載置台
30b 透明ケース
40 植物
50 水散布装置
60 液晶表示装置
80 送風装置
90 照明装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
草木などの植物を植えた緑化園と、
前記緑化園を収納するための収納ケースとを備え、
前記収納ケースは、
前記緑化園が載置される載置台と、
前記載置台に設けられて前記緑化園を囲むための透明ケースとを有することを特徴とする室内物緑化装置。
【請求項2】
前記収納ケースに、水を供給する水供給パイプが連結され、
前記水供給パイプに、前記緑化園に水を散布する水散布装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の室内緑化装置。
【請求項3】
前記収納ケースに、前記緑化園に風を送る送風装置を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の室内緑化装置。
【請求項4】
前記収納ケースに、前記緑化園に光を当てる照明装置を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の室内緑化装置。
【請求項5】
前記収納ケースに、液晶表示装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の室内緑化装置。
【請求項6】
前記収納ケースを、室内を区画するように配置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の室内緑化装置。
【請求項7】
前記収納ケースを、室内の壁面に沿わせて配置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の室内緑化装置。





【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−244788(P2011−244788A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124173(P2010−124173)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(506099982)シュウ インコーポレーション (6)
【Fターム(参考)】