説明

室内用タバコ煙ガード装置

【課題】より単純な構成で、室内に浮遊するタバコ煙から使用者を保護することができる室内用タバコ煙ガード装置を提供する。
【解決手段】下方端に形成された吸気口14と、上方端に形成された排気口15とを備えた筒状のハウジング13と、前記ハウジング内に配置され、前記吸気口から吸入した空気を前記排気口から導出させる送風手段とを備え、前記ハウジングは、前記吸気口を使用者の胸部よりも下方に配置固定できるように位置保持手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ煙ガード装置に関するものであり、具体的には、室内で使用する室内用タバコ煙ガード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気中の花粉や埃、病原菌、その他の浮遊微粒子などの浮遊物を除去または不活化して空気を浄化することができる携帯型空調装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された従来の携帯型空調装置は、軽量小型化された空気清浄機と該空気清浄機によって浄化された空気を、鼻孔の下方を鼻筋に対して略直角となる方向に流す通気管を備え、この通気管は、鼻孔が位置する部位に形成された開口部を有している。
【0004】
このように構成された携帯型空調装置は、通気管により、浄化された空気を鼻孔の下方を鼻筋に対して略直角となる方向に流すことができるので、鼻孔から、外部の浄化されていない空気を巻き込むことなく浄化された空気を吸引することができ、花粉や埃、病原菌、その他の浮遊微粒子などが体内に侵入することを防止することができる。
【0005】
また、特許文献2に記載された従来の携帯型空気浄化装置は、正イオンと負イオンを発生するイオン発生素子と、これらのイオンを外部に放出するための送風装置と、外部機器からの駆動信号を受信する通信装置とを備え、携帯中、常に使用者の顔面近傍に正イオンと負イオンを供給できるように、駆動信号に応じて正イオンと負イオンの放出が制御されるという構成を備えている。また、この携帯型空気浄化装置は、マスク型やペンダント型の他、帽子や衣服などに取り付けて使用する場合が記載されている。
【0006】
このように構成された携帯型空気浄化装置は、室外において、立ち止まっているときだけでなく、ウオーキングやジョギング中にあっても、移動状態に関係なく鼻や口の周りを放出された正負イオンで十分に満たすことができるので、空気中のカビや浮遊菌やウイルス、花粉及びダニ等のアレルゲン成分を除去・不活化することができ、これらに起因する感染症やアレルギー性疾患を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−151823号公報
【特許文献2】特開2005−261713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載された携帯型空調装置にあっては、空気清浄機によって浄化された空気を鼻孔の下方に導出させるために、通気管を用いているので、通気管が空気清浄機と鼻孔の間に這設されるので、装着時に煩わしいといった問題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された携帯型空気浄化装置は、正負イオンを発生するイオン発生素子を備えており、正負イオンの放出が常に制御されているので、装置全体が複雑な構成となってしまい、安価で且つ簡便な携帯型空気浄化装置を提供することができないといった問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、より単純な構成で、室内に浮遊するタバコ煙から使用者を保護することができる室内用タバコ煙ガード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置は、下方端に形成された吸気口と、上方端に形成された排気口とを備えた筒状のハウジングと、前記ハウジング内に配置され、前記吸気口から吸入した空気を前記排気口から導出させる送風手段とを備え、前記ハウジングは、前記吸気口を使用者の胸部よりも下方に配置固定できるように位置保持手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置は、前記位置保持手段は、前記ハウジングを首から下げられるように取り付けられた首紐であることができる。
【0013】
さらに、本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置は、前記位置保持手段は、前記ハウジングを使用者の胸部に取り付けるクリップであることができる。
【0014】
またさらに、本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置は、前記ハウジングは、略円錐形に形成すると好適である。
【0015】
また、本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置は、前記ハウジングは、略四角錐形に形成すると好適である。
【0016】
さらに、本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置は、前記ハウジングは、前記吸気口と前記排気口とを連通する通気通路を備え、前記通気通路には、フィルタが介在されないと好適である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通常タバコ煙は使用者の胸部よりも上方を浮遊しているので、使用者の胸部より下方のタバコ煙の浮遊していない空気を、使用者の胸部から上方に導出することにより、使用者の胸部よりも上方を浮遊するタバコ煙を吹き飛ばすことができ、より単純な構成で室内に浮遊するタバコ煙から使用者を保護することができる室内用タバコ煙ガード装置を提供することができる。
【0018】
また、本発明によれば、ハウジングを首から下げて吸気口の位置を保持することができるので、装着時の煩わしさを解消することができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、ハウジングを使用者の胸部にクリップによって取り付けることができるので、装着時の煩わしさを解消することができる。
【0020】
またさらに、本発明によれば、ハウジングを略円錐形に形成しているので、排気口から導出される空気を鼻孔近傍の幅広い範囲に導出することができる。
【0021】
また、本発明によれば、ハウジングを略四角錐形に形成しているので、ハウジングの転がりを防止することができ、ハウジングの位置をより確実に保持することができる。
【0022】
さらに、本発明によれば、ハウジング内の通気通路にフィルタを介在させないので、通気通路の通気抵抗を大幅に下げることができ、送風手段を小型化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る室内用タバコ煙ガード装置について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の使用状態を示す図であり、図2は、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の構造を説明するための図であり、図3は、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の変形例を示す図であり、図4は、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の第2の変形例を示す図である。なお、図2において、紙面の上下方向を図の上下方向として説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置1は、使用者の胸部にその位置を保持して使用する。このように位置の保持を行うと、タバコ煙の浮遊していない空気を使用者の鼻孔近傍に導出することができ、より単純な構造で室内に浮遊するタバコ煙から使用者を保護できるようになっている。即ち、タバコ煙は通常、机上に置かれた灰皿及び喫煙者の口元の間から上方に浮遊している。従って、机上に置かれた灰皿よりも下方の空気はタバコ煙の浮遊していない綺麗な空気であるから、この空気を使用者の鼻孔近傍に導出することで、使用者の鼻孔付近に浮遊するタバコ煙を使用者の鼻孔付近から排除することができるのである。
【0026】
次に、図2を参照して本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置1の構成について説明する。本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置1は、下方端に形成された吸気口14と、上方端に形成された排気口15とを備えた筒状のハウジング13を備えている。
【0027】
ハウジング13は、中空の略円錐形に形成されており、ハウジング13の内部には、上述した吸気口14と排気口15とを連通する通気通路が形成され、該通気通路にファン10,スイッチ11及び駆動電池12からなる送風手段が配置されている。ファン10は、スイッチ11を操作することにより、駆動電池12によって回転駆動することができるように配線されており、ファン10の回転駆動により、吸気口14からハウジング13下方の空気を通気通路内に導入し、通気通路を通って排気口15から導出することができるようになっている。なお、ハウジング13は、上述したように、吸気口14と排気口15との間でタバコ煙が通過することができれば、どのような材料で形成しても構わないが、例えば紙で形成すると、安価且つ軽量にハウジング13を形成することができる。
【0028】
さらに、図2に示すように、通気通路には、フィルタ等の空気の濾過手段が介在されていないので、通気通路の通気抵抗を下げることができ、これによりファン10が微小回転であっても上述したハウジング13下方の空気の導出を行うことができるので、ファン10及び駆動電池12の小型化を図ることができ、ひいては、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置1全体の小型化に寄与することができる。
【0029】
また、ハウジング13には、ハウジング13を首から下げることができるように位置保持手段として首紐16が取り付けられている。このように、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置1は、首紐16によってハウジング13の位置を保持することができ、吸気口14の位置を使用者の胸部よりも下方に保持することができる。
【0030】
なお、本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置1は、首紐16によって位置保持手段を構成した場合について説明したが、位置保持手段は、図3に示すように、固定部17をクリップを介して使用者の着衣の胸部に取り付けて室内用タバコ煙ガード装置2を形成しても構わない。
【0031】
また、室内にタバコ煙が充満し、胸部の下方にもタバコ煙が浮遊しているような場合には、図4に示すようにハウジング13の下方端に延長管18を取り付けて吸気口19の位置をより下方に配置することもできる。このように、延長管18を取り付ければ、より下方からタバコ煙が浮遊していない空気を導入することができ、使用者を室内のタバコ煙から保護することができる。
【0032】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0033】
例えば、上記実施形態においては、ハウジング13は、略円錐形状である場合について説明したが、ハウジング13の形状は多角錐形状に形成しても構わないし、使用者の鼻孔に向けて下部対流空気を排出できるように排出口15の形状を適宜変更しても構わない。
【0034】
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の使用状態を示す図である。
【図2】本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の構造を説明するための図である。
【図3】本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の変形例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る室内用タバコ煙ガード装置の第2の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1,2,3 室内用タバコ煙ガード装置, 10 ファン, 11 スイッチ, 12 電池, 13 ハウジング, 14,19 吸気口, 15 排気口, 16 首紐, 17 固定部, 18 延長管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方端に形成された吸気口と、上方端に形成された排気口とを備えた筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記吸気口から吸入した空気を前記排気口から導出させる送風手段とを備え、
前記ハウジングは、前記吸気口を使用者の胸部よりも下方に配置固定できるように位置保持手段を備えることを特徴とする室内用タバコ煙ガード装置。
【請求項2】
前記位置保持手段は、前記ハウジングを首から下げられるように取り付けられた首紐であることを特徴とする請求項1に記載の室内用タバコ煙ガード装置。
【請求項3】
前記位置保持手段は、前記ハウジングを使用者の胸部に取り付けるクリップであることを特徴とする請求項1に記載の室内用タバコ煙ガード装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、略円錐形に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の室内用タバコ煙ガード装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、略四角錐形に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の室内用タバコ煙ガード装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記吸気口と前記排気口とを連通する通気通路を備え、
前記通気通路には、フィルタが介在されないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の室内用タバコ煙ガード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−220931(P2010−220931A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73634(P2009−73634)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(501246802)
【Fターム(参考)】