説明

室内用物干し装置

【課題】簡単な構造でかつポールを容易に取り付けることができる室内用物干し装置を提供する。
【解決手段】室内用物干し装置1は、下方に開口した挿入穴22aを有するベース2と、挿入穴22aに挿入されることによりベース2に対して着脱可能に取り付けられるヘッド部31を有するポール3とを備える。ベース2には、挿入穴22aの内周面から径内方向へ突出付勢された突出部27を設ける。ポール3のヘッド部31には、突出部27と干渉することなく挿入穴22aに挿入されるとともに、当該挿入された状態から軸線回りに回転させることで突出部27に係合して当該突出部27を径外方向へ強制的に移動させる第1被係合溝312eと、ヘッド部31を軸線回りにさらに回転させることで突出部27の径内方向への突出付勢を許容して突出部27と係合する第2被係合溝312fとを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の天井等に取り付けられる室内用物干し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば雨天の日に室内で洗濯物を干すことができるように、室内用物干し装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の室内用物干し装置は、室内の天井に固定されたベース(支持具)と、このベースに対して上端が着脱可能に取り付けられるポール(吊掛具)とを備え、ポールの下端には、物干し竿等を支持するリング(引掛具)が設けられている。そして、ポールをベースに取り付ける際は、ポールの上端を、ベースの挿入穴に挿入して軸線回りに回転させると、ベース内に設けられた突出部(支持具)が挿入穴の径内方向へ突出し、この突出部にポールの上端が係合するようになっている。
【0003】
しかし、この室内用物干し装置は、ポールの回転運動を突出部の径内方向への突出運動に変換するための運動変換機構(伝達具等)が必要になるため、構造が複雑になり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0004】
上記問題点を解決するものとして、構造を簡素化した室内用物干し装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の室内用物干し装置は、突出部(連結突起)がベースの挿入穴(挿入筒部)に突出した状態で固定されており、ポールの上端には前記突出部に係合されるJ字状の被係合溝(連結溝)が形成されている(特許文献2の図3及び図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−110254号公報(図1及び図6参照)
【特許文献2】特開2008−220447号公報(図2及び図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2の室内用物干し装置は、ベースにポールの上端を取り付ける際に、ベースの突出部がポールの被係合溝のJ字形状に沿うように、ポールを軸線回りに回転させたり上下移動させたりする必要があるため、ポールの取り付け操作が煩雑になるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造でかつポールを容易に取り付けることができる室内用物干し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の室内用物干し装置は、下方に開口した挿入穴を有するベースと、前記挿入穴に挿入されることにより前記ベースに対して着脱可能に取り付けられるヘッド部を有するポールと、を備えた室内用物干し装置であって、前記ベースは、前記挿入穴の内周面から径内方向へ突出付勢された突出部を有し、前記ポールのヘッド部には、前記突出部と干渉することなく前記挿入穴に挿入されるとともに、当該挿入された状態から軸線回りに回転させることで前記突出部に係合して当該突出部を径外方向へ強制的に移動させる第1被係合溝と、前記ヘッド部を前記軸線回りにさらに回転させることで、前記突出部の径内方向への突出付勢を許容して当該突出部と係合する第2被係合溝とが形成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、ベースの挿入穴に突出部を突出付勢させ、この突出部に係合する第1被係合溝及び第2被係合溝をポールのヘッド部に形成したので、従来のように運動変換機構を設ける必要がなく、室内用物干し装置を簡単な構造とすることができる。また、ポールのヘッド部をベースの挿入穴に挿入して軸線回りに回転させるだけで、突出部と第2被係合溝とを係合させることができ、これによってポールのヘッド部がベースから脱落するのを規制することができる。したがって、ベースに対してポールを容易に取り付けることができる。
【0009】
また、前記第1被係合溝と前記第2被係合溝とは、前記ヘッド部の周方向に交互に複数形成されていることが好ましい。
この場合は、ポールのヘッド部を軸線回りに正逆どちらの方向へ回転させても、突出部と第2被係合溝とを係合させることができるため、ポールの取り付けをさらに容易に行うことができる。
【0010】
また、前記突出部は、前記挿入穴の周方向に複数設けられていることが好ましい。
この場合は、ポールのヘッド部がベースの挿入穴から脱落するのを効果的に規制することができる。
【0011】
また、前記ベースには、前記挿入穴の径内方向へ突出したフランジ部が形成されており、前記ヘッド部には、当該ヘッド部が前記挿入穴に挿入された状態で前記フランジ部と干渉することなく前記軸線回りに回転するのを許容するとともに、前記突出部と前記第2被係合溝とが係合した状態で前記フランジ部に係合される第3被係合溝が形成されていることが好ましい。
この場合は、突出部と第2被係合溝とを係合させた状態で、フランジ部と第3被係合溝とが係合しているため、経年使用により突出部を突出させる付勢力が低下することによって、突出部と第2被係合溝との係合が解除されても、フランジ部と第3被係合溝との係合を維持することができる。したがって、ポールのヘッド部がベースの挿入穴から脱落するのをさらに効果的に規制することができる。
【0012】
また、前記ポールは、前記ヘッド部の下端部に軸方向へ移動可能に取り付けられたポール本体部を有し、前記ヘッド部には、下方に開口する係止穴が形成され、前記ポール本体部は、軸方向へ移動することにより前記係止穴に係脱されるとともに当該係止穴に係止された状態で前記ヘッド部とともに前記軸線回りに回転可能な係止部を有し、前記係止部は、付勢手段によって、前記ポール本体部の自重に抗して前記係止穴に係止される方向へ付勢されていることが好ましい。
この場合、ポール本体部は、その自重に抗して付勢手段により常にヘッド部に係止されているため、ポール本体部の回転操作によってヘッド部を軸線回りに回転させる際に、ポール本体部をヘッド部に係止する操作が不要になる。したがって、ポールの取り付けをさらに容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の室内用物干し装置によれば、ポールのヘッド部をベースの挿入穴に挿入して軸線回りに回転させるだけで、ポールのヘッド部がベースから脱落するのを規制することができる。したがって、簡単な構造でかつポールを容易に取り付けことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態である室内用物干し装置の正面図である。
【図2】ベースの底面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】ベース本体部の底面図である。
【図5】ベース本体部の平面図である。
【図6】ポールのみを示す正面図である。
【図7】ポールのヘッド部を示す一部断面正面図である。
【図8】ヘッド部とポール本体部とが係止解除された状態を示す一部断面図である。
【図9】(a)は(b)の平面図、(b)はヘッド部の右側面図、(c)は(b)のB−B断面図である。
【図10】(a)はベースにポールを挿入した状態におけるベース本体部の平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)はベース本体部の底面図である。
【図11】(a)は図10の状態からポールを45度回転させた状態におけるベース本体部の平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)はベース本体部の底面図である。
【図12】(a)は図11の状態からポールをさらに45度回転させた状態におけるベース本体部の平面図、(b)は(a)のE−E断面図、(c)はベース本体部の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る室内用物干し装置の正面図である。本実施形態の室内用物干し装置1は、室内の天井Aに固定されるベース2と、このベース2に対して着脱可能に取り付けられるポール3とを備えている。
【0016】
図2はベース2の底面図であり、図3は図2のA−A断面図である。図3において、ベース2は、天井Aに当接される円板状の基板部21と、基板部21に設けられたベース本体部22と、基板部21に固定された環状の固定部23と、固定部23を下方から覆う環状のカバー部24とを備えている。
【0017】
基板部21には、取付溝21aが形成されており、この取付溝21aにベース本体部22が嵌め込まれている。基板部21の中心部にはベース本体部22の挿入穴22a(後述)内において下方に突出するガイドピン21bが形成されており、このガイドピン21bは、後述するガイド穴312hに挿入されるようになっている。
【0018】
固定部23は、ベース本体部22の下方に配置された状態で、図2に示すように、一対のボルト25により基板部21に固定されている。また、固定部23は、一対のボルト26により、基板部21を貫通して天井Aにも固定されている。
【0019】
図4は、ベース本体部22の底面図である。図3及び図4において、ベース本体部22は、底面視において略矩形に形成されており、その中央部には下方に開口する挿入穴22aが形成されている。また、ベース本体部22の挿入穴22aの開口には、径内方向へ突出する一対のフランジ部22bが周方向に180度の位相差で相互に対向する位置に形成されている。このフランジ部22bは、平面視において円弧状に形成されており、後述する第3被係合溝312gに係合するようになっている(図12(b)参照)。
【0020】
図5は、ベース本体部22の平面図である。図3及び図5において、ベース本体部22の上面には、挿入穴22aの左右両側に一対の窪み部22cが形成されている。各窪み部22cは、平面視において矩形に形成されており、その長手方向の一端部は挿入穴22aに連通している。
【0021】
各窪み部22c内には、挿入穴22aの内周面から径内方向へ突出付勢された一対の突出部27が設けられている。各突出部27の先端には、平面視において円弧状に形成された係合部27aが突出形成されている。各係合部27aは、図4に示すように、平面視において前記フランジ部22bの直上位置に配置されており、後述する第1被係合溝312e及び第2被係合溝312fに係合するようになっている。
【0022】
図5において、突出部27の後端部27bは、平面視においてコ字状に形成されており、この後端部27bには、窪み部22c内に設けられた弾性部材である圧縮コイルばね28の一端部が当接している。圧縮コイルばね28の他端部は、窪み部22cの外側面22c1に当接しており、これにより突出部27の係合部27aは、常に径内方向へ突出付勢されている。
【0023】
図6は、ポール3のみを示す正面図である。ポール3は、ベース本体部22の挿入穴22aに挿入されるヘッド部31と、ヘッド部31の下端部に軸方向へ移動可能に取り付けられたポール本体部32とを備えている。
【0024】
ポール本体部32は、外筒32aと、この外筒32aに挿入されている内筒32bと、内筒32bの下端部に取り付けられたリング32cを有している。内筒32bは、外筒32aに対して軸方向へ移動可能に挿入されており、内筒32bを外筒32aの下方において伸縮させることにより、ポール本体部32の軸方向の長さを調整することができる。リング32cは、略環状に形成されており、洗濯物等を吊るすハンガーや物干し竿等を支持するようになっている。外筒32aの上端には係止ピン32dの下端部が固定されている(図7参照)。
【0025】
図7は、ポール3のヘッド部31の一部断面正面図である。ヘッド部31は、ポール本体部32が連結されている連結部311を有している。連結部311は、筒状に形成された筒体311aの上端に蓋体311bが固定されたものであり、蓋体311bの下面には下方に開口する六角穴からなる係止穴311cが形成されている。
【0026】
筒体311a内には、ポール本体部32の係止ピン32dの上部が軸方向に移動可能に取り付けられている(図8参照)。係止ピン32dの上端部には椀状に形成された当接部32d1が形成されており、この当接部32d1の上端には、前記係止穴311cに係脱可能な六角柱状の係止部32d2が一体形成されている。この係止部32d2が、図7に示すように係止穴311cに係止されることにより、ポール本体部32は、ヘッド部31とともに軸線回りに回転可能となる。
【0027】
筒体311aの下端には、その開口直径が漸次縮径するように絞り部311dが形成されている。この絞り部311dには、図8に示すように、当接部32d1の下端が当接するようになっており、これにより係止ピン32dが筒体311aから脱落するのを防止している。
【0028】
当接部32d1と絞り部311dとの間には、付勢手段である圧縮コイルバネ33が設けられている。この圧縮コイルバネ33は、図7に示すように、ポール本体部32の自重に抗して、係止部32d2を係止穴311cに係止させる方向へ常に付勢している。これにより、ポール本体部32の係止ピン32dは、ヘッド部31の連結部311に連結された状態で保持されている。
【0029】
そして、ポール本体部32のリング32cに物干し竿等が支持されると、この物干し竿等の自重が加わることによって、図8に示すように、圧縮コイルバネ33の付勢力に抗して係止部32d2が下方に移動する。これにより、係止部32d2と係止穴311cとの係止状態が解除され、ポール本体部32の係止ピン32dとヘッド部31の連結部311との連結が解除される。
【0030】
図9において、(a)は(b)の平面図であり、(b)はヘッド部31の右側面図、(c)は(b)のB−B断面図である。ヘッド部31は、ベース本体部22の挿入穴22aに一部挿入されることにより、ベース本体部22に対して着脱可能に取り付けられる挿入部312をさらに有している。この挿入部312は、断面小判状に形成された支持部312aと、断面小判状に形成された拡径部312bと、円柱状に形成された小径部312cと、平面視において鼓状に形成された被係合部312dとを有している。
【0031】
支持部312aは、前記蓋体311bの上端に一体形成されている。拡径部312bは、支持部312aの上端に一体形成されており、その長手方向(図9(b)の左右方向)両端部は、上方に向かうに従って漸次拡径している。拡径部312bの短手方向(図9(c)の上下方向)の幅は、小径部312cの直径と同一長さに形成されている。
【0032】
小径部312cは、拡径部312bの上端に一体形成されており、この小径部312cの上端に被係合部312dが一体形成されている。この拡径部312b、小径部312c及び被係合部312dによって、図9(b)に示すように、径方向外側に開口する断面凹状の第3被係合溝312gが形成されている。この第3被係合溝312gは、図12(b)に示すように、突出部27と後述する第2被係合溝312fとが係合した状態でフランジ部22bに係合されるようになっている。
【0033】
被係合部312dの外周面には、図9(b)に示すように、その軸方向全長に亘って第1被係合溝312eが形成されている。この第1被係合溝312eは、図9(a)に示すように、前記外周面の周方向2箇所に180度の位相差で相互に対向する位置に形成されている。また、各第1被係合溝312eは、突出部27の係合部27a及びベース本体部22のフランジ部22bの円弧形状よりも若干大径の円弧状に形成されている(図10(a)及び(c)参照)。
【0034】
また、被係合部312dの外周面には、図9(a)に示すように、その周方向2箇所に180度の位相差で相互に対向する位置に第2被係合溝312fが形成されている。この第2被係合溝312fと前記第1被係合溝312eとは、被係合部312dの外周面の周方向に90度の位相差で交互に形成されている。
【0035】
また、第2被係合溝312fは、図9(b)に示すように、被係合部312dの軸方向の一部である中間部において円弧状に形成されており、突出部27の係合部27aの円弧形状よりも若干大径に形成されている(図12(a)参照)。被係合部312dの上端面の中心部には、前記基板部21のガイドピン21bの直径よりも若干大径に形成されたガイド穴312hが形成されている。
【0036】
次に、ベース2にポール3を取り付ける手順について、図面を参照しながら説明する。
図10において、(a)はベース本体部22の平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)はベース本体部22の底面図である。まず、図10(c)に示すように、ヘッド部31の挿入部312をベース本体部22の挿入穴22aに挿入する。具体的には、被係合部312dの第1被係合溝312eとベース本体部22のフランジ部22bとの周方向の位置を一致させた状態で、挿入部312をベース本体部22の挿入穴22aに挿入する。これにより、挿入部312は、フランジ部22b及びその直上位置に位置する突出部27の係合部27aと干渉することなく挿入穴22aに挿入することができる(図10(a)参照)。その際、被係合部312dのガイド穴312hには、基板部21のガイドピン21bが挿入される。
【0037】
次に、ヘッド部31の挿入部312を、軸線回りに図10(a)の矢印a方向に回転させる。その際、図10(b)に示すように、挿入部312の被係合部312dは、そのガイド穴312hにガイドピン21bが挿入された状態で回転するため、回転中心位置がずれないように回転させることができる。また、挿入部312の回転は、ポール本体部32を回転させることにより行うが、ポール本体部32の係止ピン32dは、図7に示すように、圧縮コイルバネ33の付勢力によりヘッド部31の連結部311に連結された状態に保持されているため、挿入部312を軸線回りに回転させる際に、ポール本体部32をヘッド部31に係止する操作が不要になる。
【0038】
ヘッド部31の挿入部312が回転すると、被係合部312dの第1被係合溝312eが突出部27の係合部27aに係合しながら回転することによって、突出部27は、圧縮コイルばね28の付勢力に抗して挿入穴22aの径外方向へ強制的に移動される。
【0039】
図11において、(a)は、図10の状態からヘッド部31の挿入部312を軸線回りに45度回転させた状態におけるベース本体部22の平面図であり、(b)は、(a)のD−D断面図、(c)はベース本体部22の底面図である。挿入部312を図11(a)の状態まで回転させると、被係合部312dの外周面が突出部27の係合部27aに係合し、突出部27は挿入穴22aの径外方向へ移動した状態に保持される。また、フランジ部22bは、図11(b)に示すように、第3被係合溝312g内に位置しているため、挿入部312の回転によって、拡径部312bや被係合部312dと干渉することはない。
【0040】
図11(a)の状態から、ヘッド部31の挿入部312をさらに矢印a方向へ回転させると、図12(a)の状態となる。図12において、(a)は、図11(a)の状態からヘッド部31の挿入部312を軸線回りにさらに45度回転させた状態におけるベース本体部22の平面図であり、(b)は、(a)のE−E断面図、(c)はベース本体部22の底面図である。
【0041】
挿入部312を図12(a)の状態まで回転させると、被係合部312dの第2被係合溝312fと突出部27との周方向の位置が一致する。これにより、径外方向へ強制的に移動された突出部27の径内方向への突出付勢が許容されるため、突出部27は圧縮コイルばね28の付勢力によって径内方向へ移動し、図12(b)に示すように、係合部27aが第2被係合溝312fに係合される。その際、フランジ部22bは、図12(b)に示すように、依然として第3被係合溝312g内に位置しているため、挿入部312の回転によって、拡径部312bや被係合部312dと干渉することはない。
【0042】
以上の操作手順により、ポール3の取り付け操作が終了する。なお、この取り付け操作は、図10(a)の矢印a方向と逆方向に90度回転させても、図12(a)の状態にすることができる。また、ベース2からポール3を取り外す際は、図12(a)の状態から、前記矢印a方向又はその逆方向に90度回転させれば、図10(a)の状態となり、ポール3のヘッド部31をベース本体部22の挿入穴22aから取り外すことができる。
【0043】
以上のように構成された本実施形態の室内用物干し装置によれば、ベース本体部22の挿入穴22aに突出部27を突出付勢させ、この突出部27に係合する第1被係合溝312e及び第2被係合溝312fをポール3のヘッド部31に形成したので、従来のように運動変換機構を設ける必要がなく、室内用物干し装置1を簡単な構造とすることができる。また、ポール3のヘッド部31をベース本体部22の挿入穴22aに挿入して軸線回りに回転させるだけで、突出部27と第2被係合溝312fとを係合させることができ、これによってポール3のヘッド部31がベース2から脱落するのを規制することができる。したがって、ベース2に対してポール3を容易に取り付けることができる。
【0044】
また、第1被係合溝312eと第2被係合溝312fとが、被係合部312dの周方向に交互に複数形成されているため、ポール3のヘッド部31を軸線回りに正逆どちらの方向へ回転させても、突出部27と第2被係合溝312fとを係合させることができるため、ポール3の取り付けをさらに容易に行うことができる。
【0045】
また、突出部27が挿入穴22aの周方向に複数設けられているため、ポール3のヘッド部31がベース本体部22の挿入穴22aから脱落するのを効果的に規制することができる。
【0046】
また、突出部27と第2被係合溝312fとが係合した状態で、フランジ部22bと第3被係合溝312gとが係合しているため、経年使用により突出部27を突出付勢する圧縮コイルばね28の付勢力が低下することによって、突出部27と第2被係合溝312fとの係合が解除されても、フランジ部22bと第3被係合溝312gとの係合を維持することができる。したがって、ポール3のヘッド部31がベース2の挿入穴22aから脱落するのをさらに効果的に規制することができる。
【0047】
また、ポール本体部32の係止部32d2は、ポール本体部32の自重に抗して圧縮コイルバネ33により常にヘッド部31の係止穴311cに係止されているため、ポール本体部32の回転操作によってヘッド部31を軸線回りに回転させる際に、ポール本体部32をヘッド部31に係止する操作が不要になる。したがって、ポール3の取り付けをさらに容易に行うことができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、突出部27及びフランジ部22bは、ベース本体部22の周方向にそれぞれ2個設けられているが、その個数は限定されるものではなく、少なくも1個ずつ設けられていればよい。
【0049】
また、第1被係合溝312e及び第2被係合溝312fは、被係合部312dの周方向の2箇所にそれぞれ形成されているが、これらの溝数も限定されるものではなく、少なくとも1箇所ずつ形成されていればよい。
【0050】
さらに、フランジ部22bは、ベース本体部22の挿入穴22aの開口に形成されているが、挿入穴22aの内部に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 室内用物干し装置
2 ベース
3 ポール
22a 挿入穴
22b フランジ部
27 突出部
31 ヘッド部
32 ポール本体部
32d2 係止部
33 圧縮コイルバネ(付勢手段)
311c 係止穴
312e 第1被係合溝
312f 第2被係合溝
312g 第3被係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開口した挿入穴を有するベースと、前記挿入穴に挿入されることにより前記ベースに対して着脱可能に取り付けられるヘッド部を有するポールと、を備えた室内用物干し装置であって、
前記ベースは、前記挿入穴の内周面から径内方向へ突出付勢された突出部を有し、
前記ポールのヘッド部には、前記突出部と干渉することなく前記挿入穴に挿入されるとともに、当該挿入された状態から軸線回りに回転させることで前記突出部に係合して当該突出部を径外方向へ強制的に移動させる第1被係合溝と、
前記ヘッド部を前記軸線回りにさらに回転させることで、前記突出部の径内方向への突出付勢を許容して当該突出部と係合する第2被係合溝とが形成されていることを特徴とする室内用物干し装置。
【請求項2】
前記第1被係合溝と前記第2被係合溝とが、前記ヘッド部の周方向に交互に複数形成されている請求項1に記載の室内用物干し装置。
【請求項3】
前記突出部が、前記挿入穴の周方向に複数設けられている請求項2に記載の室内用物干し装置。
【請求項4】
前記ベースには、前記挿入穴の径内方向へ突出したフランジ部が形成されており、
前記ヘッド部には、当該ヘッド部が前記挿入穴に挿入された状態で前記フランジ部と干渉することなく前記軸線回りに回転するのを許容するとともに、前記突出部と前記第2被係合溝とが係合した状態で前記フランジ部に係合される第3被係合溝が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の室内用物干し装置。
【請求項5】
前記ポールは、前記ヘッド部の下端部に軸方向へ移動可能に取り付けられたポール本体部を有し、
前記ヘッド部には、下方に開口する係止穴が形成され、
前記ポール本体部は、軸方向へ移動することにより前記係止穴に係脱されるとともに当該係止穴に係止された状態で前記ヘッド部とともに前記軸線回りに回転可能な係止部を有し、
前記係止部は、付勢手段によって、前記ポール本体部の自重に抗して前記係止穴に係止される方向へ付勢されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の室内用物干し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−245039(P2011−245039A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121340(P2010−121340)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000140306)株式会社奥田製作所 (50)
【Fターム(参考)】