説明

室温硬化性シリコーンシーラント

【課題】流動性と硬化特性とに優れたシーラントを提供する。
【解決手段】(a)(i)加水分解性置換基を有するオルガノポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物を含有する湿気硬化性オルガノポリシロキサン成分、(b)充填剤、及び(c)炭化水素流体100重量部当り40重量部を上回る環式パラフィン系炭化水素と60重量部未満の非環式パラフィン系炭化水素とを含有する炭化水素流体を含むシリコーンシーラント組成物は、優れた引張特性、伸び及び接着性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一液型室温加硫性シリコーンシーラント、特に流動性と硬化特性とに優れたシーラントに関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥条件下で保存可能で湿気にさらすと硬化してエラストマーを生成するシリコーン組成物は、建築・建設用途でシーラント及びコーキング材として広く用いられている。こうした組成物は一液型室温加硫性(RTV)組成物と呼ばれ、典型的には、湿気硬化性ポリオルガノシロキサンポリマー、充填剤及び縮合硬化触媒を含んでいる。シーラントとして使用する場合、かかる組成物は典型的には防湿チューブに充填され、充填チューブから押出して基材に塗工される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平01−287169号公報
【特許文献2】特開昭60−115660号公報
【特許文献3】特開昭59−140260号公報
【特許文献4】特開平06−136342号公報
【特許文献5】特開平05−230436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シーラント組成物から形成されるエラストマーの性能特性を改良するための方策の一つは、組成物中の充填剤含量を増すことである。しかし、シーラント組成物の充填剤含量を増すと組成物の粘度も上昇し、パッケージから押出すのが困難になる。そこで、当技術分野では、組成物の押出しができるほど十分低い粘度を有する一方で、組成物に添加し得る充填剤量に制限のないシーラント組成物に対するニーズが依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(i)加水分解性置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物からなる一液型湿気硬化性ポリシロキサン成分、充填剤、及び炭化水素流体100重量部当り40重量部を上回る環式パラフィン系炭化水素と60重量部未満の非環式パラフィン系炭化水素とを含有する炭化水素流体を含んでなる硬化性シリコーンシーラント組成物に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の組成物は容易に押出すことができ、しかも硬化すると優れた引張特性、伸び及び接着性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
好ましい実施形態では、湿気硬化性シーラントは、シーラント組成物100重量部当り20〜90重量部、さらに好ましくは30〜75重量部、さらに一段と好ましくは40〜60重量部の湿気硬化性オルガノポリシロキサンポリマー、1〜80重量部、さらに好ましくは2〜78重量部、さらに一段と好ましくは3〜65重量部の充填剤、及び1〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部、さらに一段と好ましくは15〜35重量部の炭化水素流体を含んでなる。
【0008】
湿気硬化性ポリシロキサン成分は、(i)加水分解性置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物からなる。
【0009】
適当な官能性ポリシロキサンは、構造式(I)の構造単位を有するシリコーンポリマー又はコポリマーを1種以上含む。
【0010】
SiO4−a/2 (I)
式中、Rは各々独立にヒドロキシ、加水分解性有機基又は一価炭化水素基であり、0≦a≦4であり、1分子当り1以上のR基はヒドロキシ基又は加水分解性有機基であり、さらに好ましくはヒドロキシ基である。
【0011】
適当な加水分解性有機基は、湿気及び縮合硬化触媒の存在下、室温加硫条件下での反応が可能でシーラント組成物を湿気硬化させることのできる有機基であり、例えばアルコキシ、オキシモ、アミノ、アミノキシ又はアシルオキシ基である。
【0012】
適当な一価炭化水素基としては、一価非環式炭化水素基、一価脂環式炭化水素基及び一価芳香族炭化水素基がある。
【0013】
本明細書中で用いる「一価非環式炭化水素基」という用語は、一価線状又は枝分れ炭化水素基で、好ましくは1基当りの炭素原子数が1〜20のものを意味するが、これらは飽和基でも不飽和基でもよく、例えば1以上のハロゲン基で適宜置換されていてもよい。適当な一価非環式炭化水素基としては、例えばメチル、エチル、s−ブチル、t−ブチル、オクチル、ドデシル、ステアリル、エイコシルなどのアルキル基、トリフルオロプロピルなどのハロアルキル基、エテニル、プロペニルなどのアルケニル基、及びプロピニル、ブチニルなどのアルキニル基がある。
【0014】
本明細書中で用いる「脂環式炭化水素基」という用語は、1基当たり1以上の飽和炭化水素環を含む基で、好ましくは環1個当たりの炭素原子数が6〜10のものを意味するが、1以上の環が1以上のアルキル基(好ましくは1基当たりの炭素原子数が2〜6のもの)で適宜置換されていてもよく、2以上の環を含む場合には縮合環であってもよい。適当な一価脂環式炭化水素基としては、例えばシクロヘキシル及びシクロオクチルがある。
【0015】
本明細書中で用いる「単環式芳香族炭化水素基」という用語は、1基当り1つの芳香族環を含む炭化水素基を意味し、芳香族環は1以上のアルキル基(好ましくは1基当たりの炭素原子数が2〜6のもの)で適宜置換されていてもよい。適当な一価芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル、トリル、キシリル、2,4,6−トリメチルフェニル及びナフチルがある。
【0016】
好ましい実施形態では、オルガノポリシロキサンポリマーは、構造式(II)の2種以上の線状ポリマー又はコポリマーの混合物を含有する。
【0017】
【化1】

【0018】
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は各々独立に加水分解性有機基又は一価炭化水素基であり、1分子当りR、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10の1以上がヒドロキシであるか或いは1分子当りR、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10の2以上が加水分解性有機基であり、x及びyは各々25℃における粘度が5000〜500000cpのポリマーを与えるように選択された数である。
【0019】
好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立にC1−8アルキル、フルオロアルキル又はフェニルであり、R及びR10は各々独立にヒドロキシル、C1−8アルキル、フルオロアルキル又はフェニルである。
【0020】
適当な多官能性有機ケイ素化合物は、1分子当り2以上の加水分解性基を有するものである。適当な多官能性有機ケイ素化合物には、シラン類又はシランの部分加水分解生成物があり、例えばビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル(トリ(メチルエチルケトキシモ)シラン、エチル(トリ(N,N−ジエチルアミノ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、メチルトリ(N−メチルアセトアミド)シラン、n−プロピルオルトシリケート及びエチルポリシリケート、並びにこれらの化合物の二量体及び三量体が挙げられる。
【0021】
好ましい実施形態では、多官能性有機ケイ素化合物は構造式(III)を有する。
【0022】
11Si (III)
式中、R11は、1以上のR11基がH、アルコキシ又はアルケニルで2以上のR11基が加水分解性基であることを条件として、各々独立に加水分解性基又は一価炭化水素基である。
【0023】
好ましい実施形態では、R11置換基の3以上は各々、アルコキシ、オキシモ、アミノ、アミノキシ又はアシルオキシ、さらに好ましくはアルコキシ又はアシルオキシ、さらに一段と好ましくはC1−8アルコキシ又はC1−8アシルオキシであり、残りのR11置換基がある場合はC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又はフルオロアルキルである。好ましい多官能性有機ケイ素化合物としては、例えばビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン又はこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
各ケイ素含有成分の相対量は当業者が容易に決定できる。一般に、湿気硬化性オルガノポリシロキサンポリマーは、100重量部のオルガノポリシロキサンポリマーと、約0.1〜15重量部、さらに好ましくは約1.0〜10重量部、最も好ましくは約2〜7重量部の多官能性有機ケイ素化合物との反応で製造される。
【0025】
少なくとも若干の湿気硬化性オルガノポリシロキサンポリマーは、本発明の組成物の配合時に、オルガノポリシロキサンポリマーと多官能性有機ケイ素化合物とのその場での縮合反応によって形成されると考えられる。
【0026】
本発明の組成物は、任意成分として縮合硬化触媒をさらに含んでいてもよい。適当な縮合硬化触媒には、湿気の存在下、架橋性オルガノポリシロキサンポリマーの室温架橋を触媒するものがあり、例えばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、スズ2−エチルヘキサノエートなどのジアルキルスズカルボキシレート、テトラブチルスズチタネート、テトラ−n−プロピルチタネートなどのアルキルチタネート及びオルガノシロキシチタン化合物が挙げられる。その他各種の縮合触媒が当技術分野で公知である。
【0027】
多官能性有機ケイ素化合物がアシルオキシ置換基を含む場合、組成物は、組成物100重量部当り0〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部のジアルキルスズカルボキシレート縮合硬化触媒を含む。
【0028】
多官能性有機ケイ素化合物がアシルオキシ基以外の加水分解性有機基を含む場合、組成物は、組成物100重量部当り0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜7重量部、さらに一段と好ましくは1〜5重量部のアルキルチタネート又はオルガノシロキシチタン化合物の縮合硬化触媒を含む。
【0029】
多官能性有機ケイ素化合物がアシルオキシ基以外の加水分解性有機基を含む場合、組成物は、組成物100重量部当り0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜0.3重量部のジアルキルスズカルボキシレート縮合硬化触媒を含む。
【0030】
炭化水素流体は通例1分子当りの炭素原子数が5〜24の環式炭化水素を1種以上含み、任意には1分子当りの炭素原子数が5〜24の非環式パラフィン系炭化水素を1種以上含有する。好ましい実施形態では、炭化水素流体の環式炭化水素及び非環式炭化水素は各々1分子当りの炭素原子数が8〜20、さらに好ましくは10〜15である。適当な環式パラフィン系炭化水素としては、例えばシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン及びシクロドデカンがある。適当な非環式パラフィン系炭化水素としては、例えばn−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、イソドデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−エイコサン、イソエイコサンがある。好ましい実施形態では、炭化水素流体は芳香族炭化水素含量約0.5重量%未満である。
【0031】
好ましい実施形態では、炭化水素流体は、炭化水素流体100重量部当り約42〜100重量部、さらに好ましくは約45〜75重量部、さらに一段と好ましくは約50〜70重量部、特に好ましくは約55〜65重量部の環式パラフィン系炭化水素と、0〜58重量部、さらに好ましくは約25〜55重量部、さらに一段と好ましくは約30〜50重量部、特に好ましくは約30〜45重量部の非環式(すなわち線状又は枝分れ)パラフィン系炭化水素を含む。好ましい実施形態では、炭化水素流体はノルマル(すなわち線状)パラフィン系炭化水素の含量が15重量部未満、さらに好ましくは10重量部未満である。
【0032】
充填剤成分は概して補強充填剤、半補強充填剤、非補強充填剤又はこれらの混合物である。好ましくは、充填剤は補強型であり、例えばヒュームドシリカ、疎水化ヒュームドシリカ、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化アルミニウムその他の金属酸化物である。これらの充填剤は、多くの供給元から市販されている。ヒュームドシリカが好ましい。硬化性シリコーンシーラント組成物は、シーラント組成物100重量部当り1〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部の補強充填剤を含有し得る。
【0033】
硬化性シーラント組成物に使用する充填剤は、適宜半補強充填剤又は非補強充填剤をさらに含んでいてもよい。適当な半補強充填剤又は非補強充填剤としては、例えば石英、沈降シリカ、疎水化沈降シリカ及び炭酸カルシウムがあり、これらは多くの供給元から市販されている。好ましい実施形態では、半補強充填剤又は非補強充填剤は炭酸カルシウムである。半補強充填剤又は非補強充填剤を含有する場合、シリコーンシーラント組成物は、シーラント組成物100重量部当り0〜70重量部、さらに好ましくは30〜60重量部、さらに一段と好ましくは40〜60重量部の半補強充填剤、非補強充填剤又はこれらの混合物を含有する。
【0034】
硬化性シリコーンシーラント組成物は、任意成分として、その他の公知成分、例えば染料、顔料、酸化防止剤、UV安定剤、接着増強剤、ステアリン酸アルミニウムなどの熱安定剤、殺生剤、非シリコーン系ポリマー、及びポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのチキソトロープ剤を含んでいてもよい。
【0035】
硬化性シーラント組成物は組成物の各種成分を一緒に混合することで製造される。混合は回分法でも連続法でも実施でき、成分の混合にはプラネタリーミキサーなど適当な混合装置を使用すればよい。好ましい実施形態では、組成物は、押出機、好ましくは二軸押出機で組成物を連続的に配合することにより製造される。
【0036】
使用に当たり、組成物を例えば押出して周囲湿気にさらして硬化させる。好ましくは、組成物は使用時まで防湿性パッケージ中に保持する。好ましい実施形態では、本発明の組成物は第2基材が第1基材から離間して隙間をなしている第1基材と第2基材との間の隙間を封止するのに使用され、組成物を隙間を埋めるのに有効な量塗工し、組成物をその場で硬化させて基材間にエラストマーシールを形成する。
【0037】
本発明のさらに他の実施形態は、第1基材と、第1基材から離間した第2基材と、請求項1のシリコーンシーラント組成物の硬化物とを含んでなるアセンブリに関する。
【実施例】
【0038】
以下の非限定的な実施例で本発明をさらに例示する。
【0039】
[実施例]
本実施例のシーラント組成物はアセトキシシーラントであって、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンポリマー67.2重量%、炭化水素流体20重量%、未処理ヒュームドシリカ9重量%、触媒溶液3.5重量%及び他の添加剤0.3重量%からなる。触媒溶液はアセトキシ官能性シラン架橋剤及び縮合硬化触媒を含んでいた。炭化水素流体(Conosol(商標)C−200炭化水素流体)の公称組成は、環式パラフィン系炭化水素約60重量%、n−パラフィン系炭化水素5〜6重量%及び残部のイソパラフィン系炭化水素からなり、芳香族炭化水素含量は約0.5重量%未満であった。シーラント組成物を75℃、相対湿度50%で7日間硬化した後、物性について試験した。使用したASTM試験及び試験結果を表1及び表2に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
上記のデータから分かるように、上記硬化性組成物は優れた物性を有する。
【0043】
好ましい実施形態を示し説明したが、本発明の要旨から逸脱することなく、種々の変更及び代替が可能である。したがって、本発明の説明は例示のためのものであって、限定のためのものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)加水分解性置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物からなる一液型湿気硬化性ポリシロキサン成分、
充填剤、
縮合硬化触媒、及び
炭化水素流体100重量部当り40重量部を上回る環式パラフィン系炭化水素と60重量部未満の非環式パラフィン系炭化水素とを含有し、芳香族炭化水素の含量が0.5重量%未満であり、芳香族炭化水素以外は環式パラフィン系炭化水素と非環式パラフィン系炭化水素のみからなり、ノルマルパラフィン系炭化水素の含量が炭化水素流体100重量部当り15重量部未満である炭化水素流体を含んでなる硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項2】
当該シーラント組成物100重量部当り20〜90重量部の湿気硬化性オルガノポリシロキサンポリマー、1〜80重量部の充填剤及び1〜50重量部の炭化水素流体を含んでなる、請求項1記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項3】
前記湿気硬化性ポリシロキサン成分が(i)加水分解性置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物からなる、請求項1記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項4】
前記官能性ポリシロキサンが、次の構造式(I)の構造単位を有する1以上のシリコーンポリマー又はコポリマーを含む、請求項3記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
SiO4−a/2 (I)
式中、Rは各々独立にヒドロキシ、加水分解性有機基又は一価炭化水素基であり、0≦a≦4であり、1分子当り1以上のR基はヒドロキシ又は加水分解性有機基である。
【請求項5】
前記オルガノポリシロキサンポリマーが構造式(II)の2以上の線状ポリマー又はコポリマーの混合物を含む、請求項4記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【化1】

式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は各々独立に加水分解性有機基又は一価炭化水素基であり、1分子当りR、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10の1以上がヒドロキシであるか或いは1分子当りR、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10の2以上が加水分解性有機基であり、x及びyは各々25℃における粘度が5000〜500000cpのポリマーを与えるように選択された数である。
【請求項6】
前記多官能性有機ケイ素化合物が1分子当り2以上の加水分解性基を有する、請求項3記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項7】
前記多官能性有機ケイ素化合物が構造式(III)を有する、請求項6記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
11Si (III)
式中、R11は、1以上のR11基がH、アルコキシ又はアルケニルで2以上のR11基が加水分解性基であることを条件として、各々独立に加水分解性基又は一価炭化水素基である。
【請求項8】
3以上のR11置換基が各々、アルコキシ、オキシモ、アミノ、アミノキシ又はアシルオキシである、請求項7記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項9】
3以上のR11置換基がC1−8アルコキシ又はC1−8アシルオキシであり、残りのR11置換基がC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又はフルオロアルキルである、請求項7記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項10】
前記多官能性有機ケイ素化合物がビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン又はこれらの混合物である、請求項7記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項11】
前記炭化水素流体が、1分子当りの炭素原子数が5〜24の環式パラフィン系炭化水素を1以上含んでおり、1分子当りの炭素原子数が5〜24の非環式パラフィン系炭化水素を1以上含んでいる、請求項1記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項12】
前記環式パラフィン系炭化水素がシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン又はシクロドデカンであり、前記非環式パラフィン系炭化水素がn−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、イソドデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−エイコサン又はイソエイコサンである、請求項11記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項13】
前記充填剤が補強充填剤であり、全シーラント組成物100重量部当り1〜20重量部の量で存在する、請求項1記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項14】
さらに半補強充填剤、又は非補強充填剤を含む、請求項13記載の硬化性シリコーンシーラント組成物。
【請求項15】
一液型室温硬化性シーラント組成物の製造方法であって、
(i)加水分解性置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物からなる一液型湿気硬化性ポリシロキサン成分と、
充填剤と、
縮合硬化触媒と、
炭化水素流体100重量部当り40重量部を上回る環式パラフィン系炭化水素と60重量部未満の非環式パラフィン系炭化水素とを含有し、芳香族炭化水素の含量が0.5重量%未満であり、芳香族炭化水素以外は環式パラフィン系炭化水素と非環式パラフィン系炭化水素のみからなり、ノルマルパラフィン系炭化水素の含量が炭化水素流体100重量部当り15重量部未満である炭化水素流体とを混合する工程を含んでなる方法。
【請求項16】
第2基材が第1基材から離間して隙間をなしている第1基材と第2基材との間の隙間を封止する方法であって、
(i)加水分解性置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2以上の加水分解性置換基を有する多官能性ケイ素化合物との混合物又は反応生成物からなる一液型湿気硬化性ポリシロキサン成分、充填剤、縮合硬化触媒、及び炭化水素流体100重量部当り40重量部を上回る環式パラフィン系炭化水素と60重量部未満の非環式パラフィン系炭化水素とを含有し、芳香族炭化水素の含量が0.5重量%未満であり、芳香族炭化水素以外は環式パラフィン系炭化水素と非環式パラフィン系炭化水素のみからなり、ノルマルパラフィン系炭化水素の含量が炭化水素流体100重量部当り15重量部未満である炭化水素流体を含んでなる室温硬化性シーラント組成物を上記隙間を埋めるのに有効な量塗工し、次いで
上記組成物をその場で硬化させて基材間にエラストマーシールを形成する工程を含んでなる方法。
【請求項17】
第1基材と、第1基材から離間した第2基材と、請求項1のシリコーンシーラント組成物の硬化物とを含んでなるアセンブリ。

【公開番号】特開2013−100519(P2013−100519A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−283504(P2012−283504)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2001−553888(P2001−553888)の分割
【原出願日】平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】