説明

害虫捕獲具

【課題】 カメムシなどの害虫が窓のサッシなど室内のどのような位置にいても容易に捕獲が可能な害虫捕獲具を提供する。
【解決手段】 捕獲具本体2と中栓5を備えた害虫捕獲具1であって、捕獲具本体は、足部21と、足部21の上方に位置する滑落部23と、滑落部23の上方に位置し複数の平面板で構成される捕獲部25と、を備えた略漏斗形状であり、捕獲部25は、高さが等しい8枚の平面板が側端辺で垂直に結合されて上面視略T字状の枠体であり、前記平面板の所定の一枚が第一捕獲面41とされ、第一捕獲面41の両側に接続された平面板が第一捕獲面41よりも幅が狭い第二捕獲面42及び第三捕獲面43とされ、第二捕獲面42及び第三捕獲面43の幅が11mm乃至18mmとされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメムシなどの害虫を捕獲するときに使用する害虫捕獲具に関する。
【背景技術】
【0002】
宅内の害虫を捕獲する用具に関して多くの提案が成されている。例えば、特許文献1では、上方が方形で下方が逆円錐面形状の漏斗体をペットボトルの飲み口に装着することでカメムシを捕集可能な装置の提案が成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3092480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の提案によれば、カメムシを容易に捕獲することができ、また、ペットボトルを捕集容器として使用できるため実用性も高い。しかしながら、特許文献1の提案では、窓のサッシなどにカメムシが入り込んでいるときには捕獲が困難であり、カメムシが壁面の下端(床面の近く)などにいる場合にも捕獲困難であるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、カメムシなどの害虫が窓のサッシなど室内のどのような位置にいても容易に捕獲が可能な害虫捕獲具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、ペットボトルの口に装着し、手作業で害虫を捕獲するときに使用する害虫捕獲具であって、前記ペットボトルに装着する捕獲具本体を有し、該捕獲具本体は、下方に位置する管状の足部と、該足部の上方に位置する略円錐台面形状の滑落部と、該滑落部の上方に位置し複数の平面板で構成される捕獲部と、を備えた略漏斗形状であり、前記捕獲部を形成する所定の平面板の上端縁を害虫が留っている面に当接させて前記害虫を捕獲し、前記捕獲部で捕獲した害虫を前記滑落部及び前記足部を介して前記ペットボトル内に集積して使用されるものであって、前記捕獲部は、高さが等しい少なくとも6枚以上の前記平面板が側端辺で垂直に結合されて形成される枠体であり、前記捕獲部における所定の一面は、広い面に留っている害虫を捕獲する時に使用される第一捕獲面とされ、前記捕獲部における前記第一捕獲面とは異なる所定の一面は、狭いスペースに留っている害虫を捕獲するときに使用する、前記第一捕獲面よりも幅が狭い第二捕獲面とされ、前記滑落部は、前記捕獲部の下端縁から前記足部の上端縁まで収束するように形成され、前記足部の上端近傍の外方には、前記捕獲具本体を前記ペットボトルの口に取り付けるための結合用キャップが設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の害虫捕獲具は、前記捕獲部における前記第一捕獲面及び前記第二捕獲面とは隣接しない所定の一面の上端に、上方内側に向かって延在するフラップが設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の害虫捕獲具は、前記足部の内側上端を封止する着脱自在な中栓を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4の害虫捕獲具は、前記中栓の上面に、前記捕獲部内へ害虫を掃き入れるためのヘラが取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の害虫捕獲具において前記捕獲部は、8枚の平面板が側端辺でそれぞれ結合された上面視略T字状の枠体であり、前記第一捕獲面と前記第二捕獲面とは隣接する面とされ、前記第二捕獲面と対向する面であって前記第一捕獲面と隣接する一面は、前記第一捕獲面よりも幅が狭く、前記第二捕獲面の幅以上の幅を有した第三捕獲面とされることを特徴とする。
【0011】
請求項6の害虫捕獲具において前記フラップは、前記第一捕獲面と対向する面の上端縁に形成され、かつ、当該面に対して110度の角度で形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項7の害虫捕獲具において前記第一捕獲面は、80乃至100mmの幅とされ、前記第二捕獲面及び第三捕獲面は、11乃至18mmの幅とされ、前記フラップが形成された一面は、50乃至70mmの幅とされ、前記第二捕獲面及び第三捕獲面は、前記フラップが形成された面の両側端辺から外方に少なくとも10mm以上突出した位置に形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8の害虫捕獲具において前記足部は、外径が21mm以下に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項9の害虫捕獲具において前記ヘラは、変形可能な樹脂によって形成され、かつ、先端部に複数の切り込みが設けられて櫛状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カメムシなどの害虫が窓のサッシなど室内のどのような位置にいても容易に捕獲が可能な害虫捕獲具を提供することができる。
【0016】
捕獲具本体の上端部分に、比較的広い幅の第一捕獲面と、第一捕獲面よりも幅が狭く、狭いスペースに挿入可能な第二捕獲面を備えているため、サッシの隙間など狭いスペースに留っている害虫であっても容易に捕獲することができる。
【0017】
また、フラップを設けることにより、壁面における床面との交差部分近傍に留っている害虫であっても容易に捕獲することができる。
【0018】
さらに、中栓を備えることにより、ペットボトル内に捕集された害虫から不快な臭いが発せられた場合であっても外部に臭いが漏れ出すことを防止できる。
【0019】
また、中栓の上面にヘラが取り付けられていることにより、害虫捕獲時に中栓を持った状態で害虫を捕獲具本体の内側に掃き入れることができ、また、ヘラを使用しないときには中栓とまとめて収納できる。
【0020】
狭いスペースに留っている害虫を捕獲する時に用いる幅の狭い捕獲面を2つ備えることにより、例えば、窓ガラスが直ぐ側にあってペットボトルや捕獲具本体の背面板が支えて一方の捕獲面が挿入できない状況では他方の捕獲面を使用するといったような、状況に合わせて使い分けることができる。
【0021】
フラップが背面板に対して110度の角度で形成されていることにより、壁面における床面との交差部分近傍に留っている害虫を捕獲具本体内に取り込んだときに害虫が滑落部で滑って床面に落下してしまうことを防止できる。また、捕獲具本体を略寝かせた状態で害虫を捕獲できることとなる。
【0022】
さらに、第二捕獲面及び第三捕獲面は、11乃至18mmの幅とすることにより、一般的なサッシの隙間に容易に挿入できることとなる。また、背面板を50乃至70mmの幅とすることにより、ペットボトルに捕獲具本体を装着したときに、ペットボトルから捕獲具本体が大きく突出することが無くなり、使用性、デザイン性に優れた害虫捕獲具を提供できることとなる。
【0023】
また、前記足部の外径を21mm以下とすることにより、ペットボトルの口から足部を挿入することができる。
【0024】
そして、ヘラの先端部に複数の切り込みを設けることにより、狭い隙間に留っている害虫などを容易にはき出すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態における害虫捕獲具の捕獲具本体及び中栓の斜視図である。
【図2】上記捕獲具本体及び中栓の断面図である。
【図3】上記捕獲具本体の上端面図である。
【図4】上記捕獲具本体をペットボトルに装着した状態の側面図である。
【図5】上記中栓で封をした状態で捕獲具本体をペットボトルに装着した斜視図である。
【図6】壁面にいる害虫を捕獲する参考図である。
【図7】壁面下方にいる害虫を捕獲する参考図である。
【図8】床面にいる害虫を捕獲する参考図である。
【図9】サッシにいる害虫を捕獲する参考図である。
【図10】その他の捕獲具本体の上端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に述べる。図1は、本発明の害虫捕獲具1の斜視図であり、図2は、害虫捕獲具1の縦断面図であり、図3は、捕獲具本体2の上端面図であり、図4及び図5は、捕獲具本体2をペットボトル9に装着した側面図及び斜視図である。なお、以下の説明において、図1における捕獲具本体2の管状(足部)部分を下方とし、捕獲具本体2の開口側を上方とし、上下方向と直行する方向を横方向、又は、側方として述べる。また、以下の説明において、図2における下方を正面、上方を背面として述べる。
【0027】
本実施形態における害虫捕獲具1は、宅内などに侵入した害虫、特にカメムシを捕獲するときに使用するものであり、床面や壁面など広いスペースに留っている害虫は当然のこと、サッシの隙間などに入り込んでいる害虫も容易に捕獲できることを特徴とする。
【0028】
害虫捕獲具1は、図1乃至図5に示すように、略漏斗形状の捕獲具本体2と、中栓5と、中栓5に取り付けられたヘラ7と、を備える。捕獲具本体2は、ペットボトル9に装着し、害虫を掬い取るように捕獲して、ペットボトル9を捕集容器としてペットボトル9内に害虫を捕集する道具である。中栓5は、捕獲具本体2の開口部分を封止するための道具である。ヘラ7は、害虫を捕獲具本体2の内側に掃き入れるときに使用する道具である。
【0029】
捕獲具本体2は、下方に位置する管状の足部21と、足部21の上端から上方に向かって末広がりの滑落部23と、滑落部23の上端から立ち上がる捕獲部25と、を備え、全体が一体に形成されている。また、足部21の上端近傍の外方には、捕獲具本体2をペットボトル9の口91に取り付けるための結合用キャップ27が設けられている。この結合用キャップ27は、図示しないがゴム等の弾性体により足部21の外側面に嵌着されている。なお、捕獲具本体2は、ペットボトル9のように透明で薄く、かつ、一定の強度を有した樹脂で形成されており、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどを使用することができる。
【0030】
捕獲部25は、8枚の平面板が上面視略T字状の枠体となるように側端辺で垂直に結合された形状である。この捕獲部25は、8枚の平面板として、正面板31、第一側面板32、第二側面板33、第一連結板34、第二連結板35、第三側面板36、第四側面板37、背面板38を備える。
【0031】
そして、捕獲部25は、正面板31の左端辺に第一側面板32が後方に向かって垂直に接続され、正面板31の右端辺に第二側面板33が後方に向かって垂直に接続されている。また、捕獲部25は、第一側面板32の後端辺に第一連結板34が内側(右側)に向かって垂直に接続され、第二側面板33の後端辺に第二連結板35が内側(左側)に向かって垂直に接続されている。さらに、捕獲部25は、第一連結板34の右端辺に第三側面板36が後方に向かって垂直に接続され、第二連結板35の左端辺に第四側面板37が垂直に接続されている。そして、捕獲部25は、第三側面板36と第四側面板37の後端辺に背面板38が接続されている。
【0032】
正面板31は、幅(左右方向又は前後方向の長さ)を90mm、第一側面板32は、幅を11mm、第二側面板33は、幅を18mm、第一連結板34及び第二連結板35は、幅を15mm、第三側面板36は、幅を49mm、第四側面板37は、幅を42mm、背面板38は、幅を60mmに形成されている。また、捕獲部25の高さは、20mm乃至30mmとされている。すなわち、捕獲部25は、前後の長さが60mm、左右の長さが最長で90mmである。捕獲部25をこのようなサイズに形成しているのは、500ml入りのペットボトルの直径が約60mmのため、捕獲具本体2を500mlペットボトルに装着したときに捕獲具本体2がペットボトルよりも大きく側方に飛び出さないように鑑みてである。
【0033】
なお、これらの数値に限定されるものではないが、第一側面板32及び第二側面板33は、サッシの隙間に挿入できる11乃至18mmとするのが好適である。また、第一連結板34及び第二連結板35は、第一側面板32及び第二側面板33をサッシの隙間等に挿入したとき、第三側面板36や第四側面板37が挿入時の妨げとならないよう、10乃至20mm程度とするのが好適である。これらのサイズが変ることで正面板31や背面板38のサイズも変化する。すなわち、正面板31は、80乃至100mm程、背面板38は、50乃至70mm程とするのが好適である。
【0034】
また、背面板38の上端辺には、フラップ39が上前方に延在するように取り付けられている。このフラップ39は、水平面(前後方向及び左右方向で形成される面)に対して20度の角度、すなわち、背面板38に対しての内角が110度となるように形成されている。また、フラップ39の自由端側の左右角部分は、角を取って丸く形成されている。
【0035】
捕獲部25において正面板31は、壁面や床面など、障害物の無い広いスペースにいる害虫を捕獲する時に用いられる面であり、以下、第一捕獲面41と称す。また、捕獲部25において第一側面板32及び第二側面板33は、サッシの隙間等狭いスペースにいる害虫を捕獲する時に用いられる面であり、以下、順に第二捕獲面42、第三捕獲面43と称す。また、フラップ39は、壁面の下方にいる害虫を捕獲するときに使用する部位である。
【0036】
このように捕獲部25は、第一捕獲面41と、第一捕獲部41の側方に位置する第二捕獲面42及び第三捕獲面43と、第一捕獲面41と対向する位置に位置する背面板38と、背面板38の側端辺と第二捕獲面42及び第三捕獲面43の後端辺とを繋ぐ2組のL字状の板と、により上面視略T字状の枠体とされている。
【0037】
滑落部23は、捕獲部25で捕獲した害虫を足部21を介してペットボトル9内に滑落させる部位である。この滑落部23は、捕獲部25の下端から徐々に円形に収束する略逆円錐台形状である。そして、この滑落部23の下端から足部21が下方に延在されている。足部21の直径は、21mmであり、ペットボトル9の口91に挿入可能な大きさである。
【0038】
中栓5は、弾性体で形成された略逆円錐台形状であり、下面は曲面形状とされている。また、中栓5の上面の直径は22乃至26mm、中栓の下面の直径は17乃至20mmとされている。そして、中栓5の上面には、ヘラ7が取り付けられている。このヘラ7は、上端に複数の切り込みが入れられており、櫛状に形成されている。ヘラ7の素材は、捕獲具本体2と同じ材質でもよいが、先端の櫛状部分が変形可能であれば特に限定されるものではない。なお、ヘラ7の先端の幅は50mm、高さが75mmに形成されているが、捕獲具本体内に収容できる大きさであれば、この数値に限定されるものではない。
【0039】
このような構成とされた害虫捕獲具1は、図4及び図5に示したように、足部21をペットボトル9の口91に挿入し、結合用キャップ27をペットボトル9の口91の螺子に螺着することでペットボトル9に装着可能である。そして、害虫捕獲具1は、ペットボトル9に装着された状態で使用する。以下、害虫捕獲具1の使用方法について述べる。
【0040】
図6は、壁面に留っている害虫80を捕獲する参考図である。図6に示すように、壁面に害虫80が留っている場合、捕獲具本体2の第一捕獲面41の上端を壁面に当接させ、害虫80の下方から壁面に沿って上方に滑らす。第一捕獲面41の上端が害虫80に触れると、害虫80が自ら捕獲具本体2の内側に滑落し、ペットボトル9の内側まで滑落する。
【0041】
図7は、壁面の下方、すなわち、床面と壁面の交差する位置の近傍に留っている害虫80を捕獲する参考図である。図7に示すように、壁面の下方に害虫80が留っている場合、捕獲具本体2のフラップ39の上端を壁面に当接させ、フラップ39の上端縁を壁面に沿って上方に滑らす。フラップ39の上端縁が害虫80に触れると、害虫80が自ら捕獲具本体2の内側に滑落し、捕獲具本体2をペットボトル9と共に起こすと害虫80がペットボトル9内に滑落する。すなわち、フラップ39を設けることにより、壁面における床面との交差部分近傍に留っている害虫80であっても容易に捕獲することができる。
【0042】
図8は、床面に留っている害虫80を捕獲する参考図である。図8に示すように、床面に害虫80が留っている場合、捕獲具本体2を横に寝かせた状態で正面板31の上端を床面に当接させ、中栓5に取り付けられているヘラ7で害虫80を捕獲具本体2の内側に送り込む。捕獲具本体2の内側に害虫80が入ったら、捕獲具本体2をペットボトル9と共に起こし、害虫80をペットボトル9内に滑落させる。
【0043】
図9は、サッシ93に留っている害虫80を捕獲する参考図である。図9に示すように、サッシ93の隙間に、第一側面板32又は第二側面板33を挿入し(図においては第一側面板32)、ヘラ7で捕獲具本体2の内側に害虫80を送り込む。捕獲具本体2の内側に害虫80が入ったら、捕獲具本体2をペットボトル9と共に起こし、害虫80をペットボトル9内に滑落させる。
【0044】
そして、害虫80を捕獲した後は、図5に示したように、中栓5を閉めることで害虫80が逃げ出すことを防止できると共に、カメムシのような不快な臭いを出す害虫80の臭いが外部に漏れることを防止できる。
【0045】
このように本実施形態における害虫捕獲具1は、捕獲具本体2の上方に狭いスペースに挿入できる部位を形成することにより、サッシの内側に留っている害虫を容易に捕獲することができる。
【0046】
また、捕獲具本体2の上端にフラップ39を設け、このフラップ39を内側上方に斜めに形成することにより、壁面の下方に留っている害虫80を容易に捕獲することができ、また、捕獲具本体2内に滑落した害虫80が外に滑落することを防止できる。
【0047】
また、中栓5を設けることにより、ペットボトル9内に集積されている害虫80の臭いが外部に漏れることを防止できる。
【0048】
さらに、ヘラ7を中栓5に取り付けることにより、ヘラ7を別途用意する必要がなくなり、また、ヘラ7だけを他の場所に収納する必要もなくなり、実用性の高い害虫捕獲具1を提供できることとなる。
【0049】
また、捕獲具本体2を透明な素材で形成しているため、害虫80を捕獲する時に害虫を刺激することがなく、捕獲時に害虫80が不快な臭いを出す確率を下げることができる(カメムシを捕獲する実験では不快な臭いは出さなかった)。
【0050】
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限り設計変更が可能である。例えば、上記実施形態では、サッシの隙間等、狭いスペースで捕獲するのに用いる捕獲面を2つ設けていたが、図10に示すように、狭いスペース用の捕獲面を1つだけ設ける構成としても良い。すなわち、捕獲部25を6枚の平面板が側端辺で垂直に結合されて形成される枠体としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
捕集された害虫を見え難くするために、ラベルが付されたペットボトルを捕集容器とすることが好適である。また、ペットボトルの代わりに専用の捕集容器を設ける構成としても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 害虫捕獲具
2 捕獲具本体
5 中栓
7 ヘラ
9 ペットボトル
21 足部
23 滑落部
25 捕獲部
27 結合用キャップ
31 正面板
32 第一側面板
33 第二側面板
34 第一連結板
35 第二連結板
36 第三側面板
37 第四側面板
38 背面板
39 フラップ
41 第一捕獲面
42 第二捕獲面
43 第三捕獲面
80 害虫
91 口
93 サッシ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットボトルの口に装着し、手作業で害虫を捕獲するときに使用する害虫捕獲具であって、
前記ペットボトルに装着する捕獲具本体を有し、
該捕獲具本体は、下方に位置する管状の足部と、該足部の上方に位置する略円錐台面形状の滑落部と、該滑落部の上方に位置し複数の平面板で構成される捕獲部と、を備えた略漏斗形状であり、前記捕獲部を形成する所定の平面板の上端縁を害虫が留っている面に当接させて前記害虫を捕獲し、前記捕獲部で捕獲した害虫を前記滑落部及び前記足部を介して前記ペットボトル内に集積して使用されるものであって、
前記捕獲部は、高さが等しい少なくとも6枚以上の前記平面板が側端辺で垂直に結合されて形成される枠体であり、
前記捕獲部における所定の一面は、広い面に留っている害虫を捕獲する時に使用される第一捕獲面とされ、
前記捕獲部における前記第一捕獲面とは異なる所定の一面は、狭いスペースに留っている害虫を捕獲するときに使用する、前記第一捕獲面よりも幅が狭い第二捕獲面とされ、
前記滑落部は、前記捕獲部の下端縁から前記足部の上端縁まで収束するように形成され、
前記足部の上端近傍の外方には、前記捕獲具本体を前記ペットボトルの口に取り付けるための結合用キャップが設けられていることを特徴とする害虫捕獲具。
【請求項2】
前記捕獲部における前記第一捕獲面及び前記第二捕獲面とは隣接しない所定の一面の上端には、上方内側に向かって延在するフラップが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の害虫捕獲具。
【請求項3】
前記足部の内側上端を封止する着脱自在な中栓を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の害虫捕獲具。
【請求項4】
前記中栓の上面には、前記捕獲部内へ害虫を掃き入れるためのヘラが取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の害虫捕獲具。
【請求項5】
前記捕獲部は、8枚の平面板が側端辺でそれぞれ結合された上面視略T字状の枠体であり、
前記第一捕獲面と前記第二捕獲面とは隣接する面とされ、
前記第二捕獲面と対向する面であって前記第一捕獲面と隣接する一面は、前記第一捕獲面よりも幅が狭く、前記第二捕獲面の幅以上の幅を有した第三捕獲面とされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の害虫捕獲具。
【請求項6】
前記フラップは、前記第一捕獲面と対向する面の上端縁に形成され、かつ、当該面に対して110度の角度で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の害虫捕獲具。
【請求項7】
前記第一捕獲面は、80乃至100mmの幅とされ、
前記第二捕獲面及び第三捕獲面は、11乃至18mmの幅とされ、
前記フラップが形成された一面は、50乃至70mmの幅とされ、
前記第二捕獲面及び第三捕獲面は、前記フラップが形成された面の両側端辺から外方に少なくとも10mm以上突出した位置に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の害虫捕獲具。
【請求項8】
前記足部は、外径が21mm以下に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の害虫捕獲具。
【請求項9】
前記ヘラは、変形可能な樹脂によって形成され、かつ、先端部に複数の切り込みが設けられて櫛状に形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の害虫捕獲具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−94143(P2013−94143A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241989(P2011−241989)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(512026570)クリアハーツ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】