説明

害虫駆除における使用のための4‐シアノ‐3−ベンゾイルアミノ‐N‐フェニル‐ベンズアミド

本発明は、式(I)のビスアミド誘導体、それらを調製するためのプロセスおよび中間体、昆虫、ダニ、線虫、および軟体動物の害虫を駆除するためにそれらを使用する方法、ならびにそれらを含む殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性、および殺軟体動物性の組成物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫性活性を有する新規ビスアミド誘導体、それらを調製するためのプロセスおよび中間体、昆虫、ダニ、線虫、および軟体動物の害虫を駆除するためにそれらを使用する方法、ならびにそれらを含む殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性、および殺軟体動物性の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫特性を有する化合物は、欧州特許第1,714,958号、日本国特許第2006/306771号、国際公開第2006/137376号、欧州特許第1,916,236号、国際公開第2007/017075号、国際公開第2008/000438号、国際公開第2008/074427号、および国際公開第2009/049845号に開示されている。害虫を駆除する代替方法の必要性が存在する。好ましくは、新規化合物は、広範囲の害虫に対する有効性の向上、選択性の向上、抵抗性または活性を生じる傾向の軽減等の、改良された殺虫特性を保有することができる。化合物は、より有利に製剤化され得るか、またはより効率的な送達および作用部位にける滞留を提供することができるか、またはより容易に生分解可能であり得る。
意外なことに、末端フェニル基上に特定の置換パターンを有するビスアミド誘導体が、以前に開示した化合物よりも予想外に優れた殺虫特性を有することが現在分かっている。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明は、式(I)
【0004】
【化1】

【0005】
の化合物であって、式中、
1は、水素、C1‐C8アルキル、C1‐C8アルキルカルボニル、もしくはC1‐C8アルコキシカルボニルであり、
2は、水素、C1‐C8アルキル、C1‐C8アルキルカルボニル、もしくはC1‐C8アルコキシカルボニルであり、
各R3は、独立してハロゲンであり、
nは、0、1、2もしくは3であり、
2は、式(II)
【0006】
【化2】

【0007】
の基であり、Y1およびY5は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1‐C4アルキル、C1‐C4ハロアルキル、C1‐C4アルコキシ、C1‐C4ハロアルコキシ、C1‐C4アルコキシ‐C1‐C4アルキル、C1‐C3アルキルチオ、C1‐C3ハロアルキルチオ、C1‐C3アルキルスルフィニル、C1‐C3ハロアルキルスルフィニル、C1‐C3アルキルスルホニルおよびC1‐C3ハロアルキルスルホニルから選択され、
3は、C2‐C6ペルフルオロアルキル、C2‐C6ペルフルオロシクロアルキル、ヒドロキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、C1‐C4アルキルカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、C1‐C4ハロアルキルカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、C1‐C6ペルフルオロアルキルチオ、C1‐C6ペルフルオロアルキルスルフィニル、C1‐C6ペルフルオロアルキルスルホニル、アリールカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキルおよびアリールカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキルから選択され、上記アリール基は、同じかまたは異なっていてもよい1〜5個のR4基によって置換され得、
2およびY4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンおよびC1‐C4アルキルから選択され、
4は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1‐C4アルキル、C1‐C4ハロアルキル、C1‐C4アルコキシもしくはC1‐C4ハロアルコキシである、化合物、
またはその農薬として許容される塩もしくはN‐オキシドを提供する。
【0008】
式(I)の化合物は、異なる幾何異性体または光学異性体(鏡像異性体および/もしくはジアステレオ異性体)あるいは互変異性型として存在することができる。本発明は、全てのそのような異性体および互変異性体、ならびにあらゆる比率のそれらの混合物、また、重水素化合物等の同位体の形態を包含する。
【0009】
別途記載のない限り、アルキルは、単独で、またはアルコキシ、アルキルカルボニル、もしくはアルコキシカルボニル等の別の基の一部として、直鎖または分岐鎖であってもよく、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個、最も好ましくは1〜3個を含有することができる。アルキルの例として、メチル、エチル、n‐プロピル、イソ‐プロピル、n‐ブチル、sec‐ブチル、イソ‐ブチル、およびtert‐ブチルが挙げられる。
【0010】
ヒドロキシアルキルは、1つ以上のヒドロキシ基によって置換されたアルキル基であり、例えば、ヒドロキシメチルおよび1,3‐ジヒドロキシプロピルを含む。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0011】
ハロアルキル基は、1つ以上の同一のまたは異なるハロゲン原子を含有することができ、例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2‐トリフルオロエチル、および2,2‐ジフルオロエチルを含む。ペルフルオロアルキル基は、フッ素原子で完全に置換されたアルキル基であり、例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル、およびノナフルオロブト‐2‐イルを含む。
【0012】
ヒドロキシペルフルオロアルキル基は、あらゆる可能な位置でフルオリン原子によって置換されたヒドロキシアルキル基であり、例えば、ヘキサフルオロ‐2‐ヒドロキシプロプ‐2‐イルおよびオクタフルオロ‐2‐ヒドロキシブト‐2‐イルを含む。
【0013】
シクロアルキル基は、単環式または二環式であってもよく、好ましくは3〜8個の炭素原子、より好ましくは4〜7個、最も好ましくは5〜6個を含有し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[2.2.1]ヘプタン‐2‐イルを含む。
【0014】
ペルフルオロシクロアルキル基は、あらゆる可能な位置でフルオリン原子によって置換されたシクロアルキル基であり、例えば、ウンデカフルオロシクロヘキシルを含む。
アリールは、フェニル、ナフチル、アントラセニル、インデニル、フェナントレニル、およびビフェニルを含み、好ましくはフェニルである。
【0015】
1、R2、R3、n、Q2、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5およびR4の好ましい値は、以下に記載するような任意の組み合わせである。
好ましくは、R1は水素である。
好ましくは、R2は水素である。
好ましくは、R3はフルオロである。
1つの好ましい態様において、nは0である。
別の好ましい態様において、nは1である。nが1である場合、R3基は、好ましくはフェニル環の2位で置換される。
【0016】
好ましくは、Y1は、ハロゲン、シアノ、C1‐C4アルキル、C1‐C4アルコキシ、C1‐C4アルコキシ‐C1‐C4アルキルまたはC1‐C3アルキルチオである。より好ましくは、Y1は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、またはメトキシメチルである。最も好ましくは、Y1は、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、またはシアノである。
【0017】
好ましくは、Y2は、水素、クロロ、フルオロ、またはメチルである。より好ましくは、Y2は、水素またはフルオロである。最も好ましくは、Y2は水素である。
【0018】
好ましくは、Y3は、C2‐C6ペルフルオロアルキル、C2‐C6ペルフルオロシクロアルキル、ヒドロキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、アリールカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、またはアリールカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキルであり、上記アリール基は、同じかまたは異なっていてもよい1〜5個のR4基によって置換され得る。より好ましくは、Y3は、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロシクロヘキシル、ヘプタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルスルフィニル、またはヘプタフルオロプロピルスルホニルである。さらにより好ましくは、Y3は、ヘプタフルオロプロプ‐1‐イル、ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル、ノナフルオロブト‐2‐イルまたはウンデカフルオロシクロヘキシルである。最も好ましくは、Y3は、ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル、ノナフルオロブト‐2‐イルまたはウンデカフルオロシクロヘキシルである。
【0019】
好ましくは、Y4は、水素、クロロ、フルオロ、またはメチルである。より好ましくは、Y4は、水素またはフルオロである。最も好ましくは、Y4は水素である。
【0020】
好ましくは、Y5は、ハロゲン、シアノ、C1‐C4アルキル、C1‐C4アルコキシ、C1‐C4アルコキシ‐C1‐C4アルキルまたはC1‐C3アルキルチオである。より好ましくは、Y5は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、またはメトキシメチルである。最も好ましくは、Y5は、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、またはシアノである。
【0021】
好ましくは、R4は、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、またはトリフルオロメトキシである。
【0022】
最も好ましくは、Q2は、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ベンゾイルオキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ヒドロキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐エチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐メチルチオ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ウンデカフルオロシクロヘキシル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(オクタフルオロ‐2‐ヒドロキシブト‐2‐イル)フェニル、
2‐メトキシメチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、および
2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニルから選択される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、
1およびR2は、両方とも水素であり、
nは、0または1であり、
1は、ハロゲン、シアノ、C1‐C4アルキル、C1‐C4アルコキシ、C1‐C4アルコキシ‐C1‐C4アルキルまたはC1‐C3アルキルチオであり、
2およびY4は、両方とも水素であり、
3は、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロシクロヘキシル、ヘプタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルスルフィニル、またはヘプタフルオロプロピルスルホニルであり、
5は、ハロゲン、シアノ、C1‐C4アルキル、C1‐C4アルコキシ、C1‐C4アルコキシ‐C1‐C4アルキルまたはC1‐C3アルキルチオである。
【0024】
本発明のより好ましい実施形態において、
1およびR2は、両方とも水素であり、
nは、0または1であり、
1は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、またはメトキシメチルであり、
2およびY4は、両方とも水素であり、
3は、ヘプタフルオロプロプ‐1‐イル、ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル、ノナフルオロブト‐2‐イルまたはウンデカフルオロシクロヘキシルであり、
5は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、またはメトキシメチルである。
【0025】
本発明のさらにより好ましい実施形態において、
1およびR2は、両方とも水素であり、
nは、0または1であり、
3はフルオロであり、
1は、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、またはシアノであり、
2およびY4は、両方とも水素であり、
3は、ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル、ノナフルオロブト‐2‐イルまたはウンデカフルオロシクロヘキシルであり、
5は、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、またはシアノである。
【0026】
本発明の第1の好ましい態様において、
1およびR2は、両方とも水素であり、
nは1であり、
3は2‐フルオロであり、
2は、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ベンゾイルオキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ヒドロキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐エチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐メチルチオ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ウンデカフルオロシクロヘキシル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(オクタフルオロ‐2‐ヒドロキシブト‐2‐イル)フェニル、
2‐メトキシメチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、および
2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニルから選択される。
【0027】
本発明の第2の好ましい態様において、
1およびR2は、両方とも水素であり、
nは0であり、
2は、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ベンゾイルオキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ヒドロキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐エチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐メチルチオ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ウンデカフルオロシクロヘキシル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(オクタフルオロ‐2‐ヒドロキシブト‐2‐イル)フェニル、
2‐メトキシメチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、および
2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニルから選択される。
【0028】
最も好ましい式(I)の化合物は、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチル‐ベンゾイルアミド)‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)‐フェニル]‐ベンズアミド、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐2‐フルオロベンズアミド、
N‐[2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド、
N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐[1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプロパン‐2‐オル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド、
N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド、および
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミドから選択される。
【0029】
本発明の化合物は、種々の方法によって、例えば、国際公開第2008/074427号に開示される方法によって作製することができる。
【0030】
1)式(I)の化合物は、式(V)(式中、RはOH、C1‐C6アルコキシ、Cl、F、またはBrである)の化合物を、式NHR22のアミンで処理することによって作製することができる。
【0031】
【化3】

【0032】
RがOHである場合、そのような反応は、DCC(N,N’‐ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1‐エチル‐3‐[3‐ジメチルアミノ‐プロピル]カルボジイミド塩酸塩)もしくはBOP‐Cl(ビス(2‐オキソ‐3‐オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド)等のカップリング試薬の存在下で、ピリジン、トリエチルアミン、4‐(ジメチルアミノ)‐ピリジン、もしくはジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で、また任意選択的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール等の求核性触媒の存在下で実行することができる。RがClである場合、そのような反応は、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、4‐(ジメチルアミノ)‐ピリジンもしくはジイソプロピルエチルアミンの存在下等の塩基性条件下において、任意選択的に、求核性触媒の存在下において実行することができる。代替として、反応は、好ましくは酢酸エチルである有機溶媒と、好ましくは炭酸水素ナトリウムの溶液である水性溶媒とを含む二相系において実施することができる。RがC1‐C6アルコキシである場合、熱プロセスにおいてエステルおよびアミンを一緒に熱することによって、エステルを直接アミドに変換することができる。
【0033】
2)式(V)(式中、RはCl、F、もしくはBrである)の酸ハロゲン化物は、塩化チオニルまたは塩化オキサリルでの処理等の標準条件下において、式(V)(式中、RはOHである)のカルボン酸から作製することができる。
【0034】
3)式(V)(式中、RはOHである)のカルボン酸は、エタノールおよび/または水等の溶媒中で、エステルを水酸化ナトリウム等のアルカリ性水酸化物で処理することによって、式(V)(式中、RはC1‐C6アルコキシである)のエステルから形成することができる。
【0035】
4)式(V)(式中、RはC1‐C6アルコキシである)のエステルは、1)に記載されるような標準条件下において、2−メチル−4−シアノ安息香酸または2−メチル−4−シアノ安息香酸からの酸ハロゲン化物誘導体(ここで、ハロゲン化物はCl、F、もしくはBrである)でアシル化することにより、式(IV)(RはC1‐C6アルコキシである)の化合物を処理することによって作製することができる。
【0036】
5)式(V)(式中、RはC1‐C6アルコキシである)の酸は、1)に記載されるような標準条件下において、2‐メチル‐4‐シアノ安息香酸または2‐メチル‐4‐シアノ安息香酸から誘導された酸ハロゲン化物(上記ハロゲン化物は、Cl、FもしくはBrである)でアシル化することにより式(IV)(式中、RはOHである)の化合物を処理することによって作製することができる。
【0037】
6)式(IV)(式中、RはC1‐C6アルコキシである)の化合物は、酸性条件下におけるアルコールR‐OHを用いた連続処理、およびその後のN‐R1結合の形成によって、式(VI)の化合物から作製することができる。
【0038】
【化4】

【0039】
例えば、対応するアルデヒドおよびケトン等の、アルコールの酸化形態に基づく反応、または対応するハロゲン化物もしくはスルホン酸塩等の、アルコールのより活性化された類似体に基づく反応が用いられてもよい。代替として、アルデヒドまたはケトン、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムもしくは水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤でアミンを処理することによって、還元的アミノ化を達成することができる。代替として、アルキル化は、任意選択的に塩基の存在下で、ハロゲン化アルキル等のアルキル化剤でアミンを処理することによって達成することもできる。代替として、アリール化は、好適な触媒/リガンド系、多くはパラジウム(0)錯体の存在下で、ハロゲン化アリールまたはスルホン酸アリールでアミンを処理することによって達成することもできる。式(VI)の化合物および式R−OHのアルコールは、既知の化合物であるか、または当業者に知られる既知の方法によって作製することができる。
【0040】
7)代替として、式(IV)(式中、RはC1‐C6アルコキシである)の化合物は、式R1‐NH2のアミンによる脱離基の求核置換を介して、式(VII)(式中、RはC1‐C6アルコキシであり、LGはフルオロ、クロロ、もしくはスルホネート等の脱離基である)の化合物から作製することもできる。
【0041】
【化5】

【0042】
式(VII)の化合物および式R1‐NH2のアミンは、既知の化合物であるか、または当業者に知られる既知の方法によって作製することができる。
【0043】
8)代替として、式(I)の化合物は、1)に記載されるような標準条件下において、2‐メチル‐4‐シアノ安息香酸または2‐メチル‐4‐シアノ安息香酸から誘導された酸ハロゲン化物(上記ハロゲン化物は、Cl、FもしくはBrである)で式(IX)の化合物を処理することによって作製することもできる。
【0044】
【化6】

【0045】
9)式(IX)の化合物は、1)に記載されるような標準条件下における式NHR22のアミンとのアミド結合形成、それに続く標準条件下における保護基Pの除去によって、式(VIII)(式中、Pは好適な保護基であり、RはOH、Cl、またはC1‐C6アルコキシである)の化合物から作製することができる。
【0046】
【化7】

【0047】
10)式(VIII)(式中、RはOHまたはC1‐C6アルコキシである)の化合物は、式(IV)(式中、RはOHまたはC1‐C6アルコキシである)の化合物においてアミン官能性を保護することによって作製することができる。好適な保護基として、tert‐ブチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、およびベンジルオキシカルボニル等のカルバミン酸塩、tert‐ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、およびアセチル等のアシル基が挙げられる。そのような基の形成および除去は、広く文献に報告されており、当業者に既知である。
【0048】
11)式(VIII)の化合物および式(IV)の化合物について、エタノール等の溶媒中で、水酸化ナトリウム等のアルカリ性水酸化物で処理することによって、エステル(式中、RはC1‐C6アルコキシである)を酸(式中、RはOHである)に加水分解することができる。酸は、2)および3)に記載されるように、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで処理することによって、酸塩化物(式中、RはClである)に変換することができる。
【0049】
12)代替として、式(IV)(式中、RはOH、Cl、F、Br、またはC1‐C6アルコキシである)の化合物は、1)に記載されるような標準条件下における式NHR22のアミンとのアミド結合形成によって、式(IX)の化合物に直接変換することができる。
【0050】
13)代替として、式(IX)の化合物は、式R1‐NH2の化合物による、または金属触媒を用いた他のイミン類似体による脱離基の置換と、それに続く加水分解によって、式(XI)(式中、LGはヨード、ブロモ、クロロ、もしくはスルホネート等の脱離基である)の化合物から作製することができる。例えば、Chemical Communications(2009),(14),1891‐1893またはJournal of Organic Chemistry(2000),65(8),2612‐2614を参照のこと。式(X)および式(IV)の化合物は、既知の化合物であるか、または当業者に既知の方法によって作製することができる。
【0051】
【化8】

【0052】
14)代替として、式(IX)の化合物は、6)に記載される方法を用いた式(IX’)の化合物におけるN‐R1結合の形成によって調製することもできる。
【0053】
【化9】

【0054】
15)式(IX’)の化合物は、酸性条件下における塩化スズによる処理、または炭素上のパラジウム等の貴金属によって触媒される水素添加等の、式(XIII)のニトロ化合物の還元によって作製することができる。
【0055】
16)式(XIII)の化合物は、1)に記載されるような標準条件下において式NHR22のアミンでアシル化することにより、式(XII)(式中、RはOH、Cl、またはC1‐C6アルコキシである)の化合物から誘導することができる。
【0056】
17)式(XII)の化合物について、3)に記載されるようなエタノール等の溶媒中で、水酸化ナトリウム等のアルカリ性水酸化物で処理することによって、エステル(式中、RはC1‐C6アルコキシである)を酸(式中、RはOHである)に加水分解することができる。酸は、2)に記載されるように、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで処理することによって、酸塩化物(式中、RはClである)に変換することができる。式(XII)の化合物は、既知であるか、または当業者に既知の方法によって作製することができる。
【0057】
18)式(XII)の化合物は、任意選択的に炭酸カリウム等の塩基の存在下における、シアン化カリウム等のシアン化塩との反応によって、フッ化物または塩化物等の式(XII’)(式中、LGはハロゲンである)の化合物から作製することができる。
【0058】
【化10】

【0059】
ハロゲンのシアン化物との置換もまた、式(XIII)の中間体上で実行することができ、シアノ基がフッ化物または塩化物等の脱離基によって置換される。どちらの場合も、ニトロ基の存在が、シアン化物イオンによる脱離基の置換を促進する。
【0060】
19)式(XII)の化合物は、ジアゾ化反応を介したシアン化銅等のシアン化塩との反応によって、式(XII’)(式中、LGはアミンである)の化合物から作製することができる。アミンのシアン化物との置換もまた、式(XIII)の中間体上で実行することができ、シアノ基がアミン等の脱離基によって置換される。
【0061】
20)式(XII)の化合物は、パラジウム触媒等の触媒反応を介したシアン化銅またはシアン化亜鉛等のシアン化塩との反応によって、式(XII’)(式中、LGはBrまたはI等のハロゲンである)の化合物から作製することができる。例えば、Synthetic Communications(1994),24(6),887‐90)を参照のこと。ハロゲンのシアン化物との置換もまた、式(XIII)の中間体上で実行することができ、シアノ基が臭化物またはヨウ化物等の脱離基によって置換される。
【0062】
21)式(I)、(V)、(IV)、(VI)、(VII)、(IX)、(VIII)の化合物は、式(I)、(V)、(IV)、(VI)、(VII)、(IX)、(VIII)の化合物から作製することができ、20)に記載したのと同じ反応によって、シアノ基が臭化物またはヨウ化物等の脱離基によって置換される。
【0063】
式(I)の化合物は、鱗翅目、双翅目、半翅目、総翅目、直翅目、防翅目、鞘翅目、ノミ目、膜翅目および等翅目等の昆虫の害虫、ならびに他の無脊椎害虫、例えば、ダニ、線虫、および軟体動物の害虫の寄生を抑制するために使用することができる。昆虫、ダニ、線虫、および軟体動物は、これ以降、害虫と総称される。本発明化合物の使用によって駆除することができる害虫は、農業(この用語は、食物および繊維製品のための作物栽培を含む)、園芸および畜産、ペット、山林学、および植物起源(果実、穀物および木材等)の製品の保存に関連する害虫、人工構造物の破損ならびにヒトおよび動物の疾病の伝播に関連する害虫、そしてまた迷惑害虫(ハエ等)を含む。
【0064】
式(I)の化合物によって駆除することができる害虫種の例として、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)(アブラムシ)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)(アブラムシ)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)(アブラムシ)、カスミカメムシ(Lygus)属の数種(カスミカメムシ)、アカホシカメムシ(Dysdercus)属の数種(カスミカメムシ)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)(ウンカ)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)(ヨコバイ)、アオカメムシ(Nezara)属の数種(カメムシ)、ユースキスツス(Euschistus)属の数種(カメムシ)、ユースキスツス(Leptocorisa)属の数種(カメムシ)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)(アザミウマ)、アザミウマ属の数種(アザミウマ)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)(ワタミハナゾウムシ)、アオニジエラ(Aonidiella)属の数種(カイガラムシ)、トリアレウロデス(Trialeurodes)属の数種(コナジラミ)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)(コナジラミ)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)(ヨーロッパアワノメイガ)、スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)(ハスモンヨトウ近縁種)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ幼虫)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ幼虫)、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)(アメリカタバコガ幼虫)、ワタノメイガ(Sylepta derogata)(ワタノメイガ)、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae)(オオモンシロチョウ)、コナガ(Plutella xylostella)(コナガ)、ヤガ(Agrotis)属の数種(ヨトウムシ)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)(ニカメイガ)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)(イナゴ)、オーストラリアトビバッタ(Chortiocetes terminifera)(イナゴ)、ディアブロチカ(Diabrotica)属の数種(ハムシ)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)(リンゴハダニ)、ミカンハダニ(Panonychus citri)(ミカンハダニ)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)(ニセナミハダニ)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)(ミカンサビダニ)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)(チャノホコリダニ)、ブレヴィパルプス(Brevipalpus)属の数種(ヒメハダニ)、オウシマダニ(Boophilus microplus)(ウシマダニ)、アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)(アメリカイヌカクマダニ)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)、リリオミザ(Liriomyza)属の数種(ハモグリバエ)、イエバエ(Musca domestica)(イエバエ)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(カ)、ハマダラカ(Anopheles)属の数種(カ)、イエカ(Culex)属の数種(カ)、キンバエ(Lucillia)属の数種(クロバエ)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)(ゴキブリ)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)(ゴキブリ)、東洋ゴキブリ(Blatta orientalis)(ゴキブリ)、ゲンシロアリ科のシロアリ(例えば、ムカシシロアリ(Mastotermes)属の数種)、レイビシロアリ(Kalotermitidae)(例えば、コウシュンシロアリ(Neotermes)属の数種)、ミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)(例えば、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、土壌シロアリ(Reticulitermes flavipes)、ヤマトシロアリ(R. speratu)、R. バージニカス(R. virginicus)、西洋シロアリ(R.hesperus)、およびR.サントネシス(R.santonensis)ならびにシロアリ科(例えば、キイロマルガシラシロアリ(Globitermes sulfureus))、アカカミアリ(Solenopsis geminata)(ヒアリ)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)(ファラオアリ)、ダマリニア(Damalinia)属の数種およびケモノホソジラミ(Linognathus)属の数種(刺咬性および吸血性のシラミ)、ネコブセンチュウ属の数種(ネコブセンチュウ(root knot nematodes))、グロボデラ(Globodera)属の数種およびヘテロデラ(Heterodera)属の数種(シストセンチュウ)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus)属の数種(ネグサレセンチュウ)、バナナネモグリセンチュウ(Rhodopholus)属の数種(バナナネモグリセンチュウ)、ティレンクルス(Tylenchulus)属の数種(ミカンネセンチュウ)、捻転胃虫(Haemonchus contortus)(バーバーポールワーム)、セノラブディティスエレガンス(Caenorhabditis elegans)(スセンチュウ)、トリコストロンギルス(Trychostrongylus)属の数種(消化管内線虫)、およびノハラナメクジ(Deroceras reticulatum)(ナメクジ)が挙げられる。
【0065】
したがって、本発明は、昆虫、ダニ、線虫、もしくは軟体動物を駆除する方法であって、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に、もしくは殺軟体動物的に有効な量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含む組成物を、害虫、害虫の居場所(好ましくは植物)、または害虫による攻撃を受けやすい植物に施用することを含む方法を提供する。式(I)の化合物は、好ましくは昆虫またはダニに対して使用される。
【0066】
用語「植物」は、本明細書で使用される場合、苗、潅木、および木を含む。
【0067】
作物は、従来の育種方法または遺伝子工学によって、除草剤または除草剤のクラス(例えば、ALS‐、GS‐、EPSPS‐、PPO‐およびHPPD‐阻害剤)に対する耐性が付与された作物も含むものと理解されたい。従来の育種方法によって、イミダゾリノン、例えばイマザモックスに対する耐性が付与された作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子工学的方法によって除草剤に対する耐性が付与された作物の例として、例えば、RoundupReady(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)の商品名で市販されるグリホサートおよびグルホシネートに対して抵抗性を有するトウモロコシの変種が挙げられる。
【0068】
作物はまた、遺伝子工学的方法によって有害な昆虫に対する抵抗性が付与されたもの、例えば、Btトウモロコシ(ヨーロッパアワノメイガに対して抵抗性)、Btワタ(ワタミハナゾウムシに抵抗性)、またBtジャガイモ(コロラドハムシに対して抵抗性)であると理解されたい。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)のBt176トウモロコシハイブリッド(Syngenta Seeds)である。殺虫剤抵抗性をコードし、かつ1つ以上の毒素を発現する1つ以上の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(ワタ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)、およびProtexcta(登録商標)である。
【0069】
植物の作物またはその種子材料は、除草剤に対して抵抗性であること、そして同時に、昆虫の摂食に対して抵抗性であることの両方が可能である(「積み重なった」形質転換事象)。例えば、種子は、殺虫性Cry3タンパク質を発現する能力を有し得る一方で、同時にグリホサートに対して耐性である。
【0070】
作物はまた、従来の育種方法または遺伝子工学的方法によって得られ、いわゆる出力形質(例えば、貯蔵安定性の向上、より高い栄養価、および風味の改良)を含むものと理解されたい。
【0071】
式(I)の化合物を、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、または殺軟体動物剤として、害虫、害虫の居場所、または害虫による攻撃を受けやすい植物に施用するために、式(I)の化合物は、通常、式(I)の化合物に加えて、好適な不活性の希釈剤または担体、および任意選択的に界面活性剤(SFA)を含む組成物中に製剤化される。SFAは、界面張力を低下させ、それにより他の特性(例えば、分散、乳化、および湿潤)に変化をもたらすことによって、界面(例えば、液体/固体、液体/空気、または液体/液界面)の特性を改変することができる化学薬品である。全ての組成物(固体製剤および液体製剤の両方)が、0.0001〜95重量%、より好ましくは1〜85重量%、例えば5〜60重量%の式(I)の化合物を含むことが好ましい。組成物は、式(I)の化合物が、1ヘクタール当たり0.1g〜10kg、好ましくは1ヘクタール当たり1g〜6kg、より好ましくは1ヘクタール当たり1g〜1kgの割合で施用されるように、害虫の駆除のために一般的に使用される。
【0072】
種子粉衣において使用される場合、式(I)の化合物は、種子1キログラム当たり0.0001g〜10g(例えば、0.001gまたは0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、より好ましくは0.005g〜4gの割合で使用される。
別の態様において、本発明は、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に、または殺軟体動物的に有効な量の式(I)の化合物と、そのための好適な担体または希釈剤とを含む、殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性、または殺軟体動物性の組成物を提供する。組成物は、好ましくは殺虫性または殺ダニ性組成物である。
【0073】
組成物は、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、顆粒水溶剤(SG)、顆粒水和剤(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放性または即放性)、液剤(SL)、油剤(OL)、微量散布剤(UL)、乳剤(EC)、分散剤(DC)、エマルジョン剤(水中油型(EW)および油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルジョン剤(ME)、懸濁剤、(SC)、エアロゾル、塗布剤/燻煙剤、カプセル懸濁剤(CS)、および種子処理剤を含む、多くの剤型から選択することができる。いずれの場合においても、選択される剤型は、意図する特定の目的と、式(I)の化合物の物理的、化学的、および生物学的特性とに依存する。
【0074】
粉剤(DP)は、式(I)の化合物を、1つ以上の固形希釈剤(例えば、天然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キーゼルグール、白亜、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク、ならびに他の有機および無機固形担体)と混合し、該混合物を機械的に粉砕して微粉末にすることによって調製することができる。
水溶剤(SP)は、式(I)の化合物を、1つ以上の水溶性無機塩(重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、もしくは硫酸マグネシウム等)または1つ以上の水溶性有機固形物(多糖等)、および任意選択的に1つ以上の湿潤剤、1つ以上の分散剤、あるいは上記物質の混合物と混合して、水分散性/溶解度を向上させることによって調製することができる。次いで、混合物を粉砕して微粉末にする。同様の組成物を造粒して顆粒水溶剤(SG)を形成することもできる。
【0075】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を、1つ以上の固形希釈剤もしくは担体、1つ以上の湿潤剤(好ましくは1つ以上の分散剤)、任意選択的に1つ以上の懸濁化剤と混合して、液体中の分散を促進することによって調製することができる。次いで、混合物を粉砕して微粉末にする。同様の組成物を造粒して顆粒水和剤(WG)を形成することもできる。
粒剤(GR)は、式(I)の化合物と、1つ以上の粉末状の固形希釈剤もしくは担体との混合物を造粒することによって形成することができるか、あるいは、多孔質の粒状材料(軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、キーゼルグール、珪藻土、もしくは粉砕したトウモロコシの穂軸等)に式(I)の化合物(もしくは好適な物質中のその溶液)を吸収させるか、または砕石材(砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩、もしくはリン酸塩等)上に式(I)の化合物(もしくは好適な物質中のその溶液)を吸着させ、必要に応じて乾燥させることによって、予め形成されたブランクの顆粒から形成することができる。吸収または吸着を補助するために一般的に使用される物質として、溶媒(脂肪族および芳香族石油溶媒、アルコール、エーテル、ケトンおよびエステル等)、ならびに固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、砂糖および植物油等)が挙げられる。顆粒には1つ以上の他の添加剤(例えば、乳化剤、湿潤剤、または分散剤)が含まれてもよい。
【0076】
分散剤(DC)は、式(I)の化合物を、水中、またはケトン、アルコール、もしくはグリコールエーテル等の有機溶媒中に溶解することによって調製することができる。これらの溶液は、界面活性剤(例えば、水の希釈を向上するため、または噴霧タンク中の結晶化を防ぐため)を含有してもよい。
【0077】
乳剤(EC)または水中油型エマルジョン(EW)は、式(I)の化合物を、有機溶媒(1つ以上の湿潤剤、1つ以上の乳化剤、または上記物質の混合物を任意選択的に含有する)に溶解することによって調製することができる。ECに使用するのに好適な有機溶媒として、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150およびSOLVESSO 200によって例示されるアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレン等、SOLVESSOは登録商標である)、ケトン((シクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノン等)およびアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、またはブタノール等)、N‐アルキルピロリドン(N‐メチルピロリドンまたはN‐オクチルピロリドン等)、脂肪酸のジメチルアミド(C8‐C10脂肪酸ジメチルアミド等)、ならびに塩素化炭化水素が挙げられる。EC製品は、水に添加すると瞬時に乳化することができ、適切な器具を用いた噴霧施用を可能にするのに十分な安定性を有するエマルジョンを生じる。EWの調製は、液体(室温では液体でなくとも、適切な温度、通常70℃未満で溶融できる)として、または(適切な溶媒に溶解することによって)溶液中に、式(I)の化合物を得ること、そして、得られた液体または溶液を、次いで、高剪断力下で1つ以上のSFAを含有する水に乳化してエマルジョンを生成することを含む。EWに使用するのに好適な溶媒として、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼン等)、芳香族溶媒(アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレン等)、および水中での溶解度が低い他の適切な有機溶媒が挙げられる。
【0078】
マイクロエマルジョン(ME)は、水と、1つ以上のSFAを含む1つ以上の溶媒の混合物とを混合して、熱力学的に安定した等方性の液体製剤を瞬時に生成することによって調製することができる。式(I)の化合物は、最初、水中または溶媒/SFAの混合物中のいずれかに存在する。MEに使用するのに好適な溶媒として、ECまたはEWにおける使用について本明細書で上述したものが挙げられる。MEは、水中油系または油中水系のどちらであってもよく(どの系が存在するかは伝導率の測定値によって決定することができる)、同じ製剤中で水溶性および油溶性の殺虫剤を混合するのに好適であってもよい。MEは、水中で希釈するに好適であり、マイクロエマルジョンとして残るか、または従来の水中油型エマルジョンを形成する。
【0079】
懸濁剤(SC)は、式(I)の化合物の微粉化した不溶性固形微粒子の水性または非水性の懸濁液を含有することができる。SCは、任意選択的に1つ以上の分散剤とともに、好適な媒体中で式(I)の固体化合物をボール製粉またはビーズ製粉して、化合物の微粒子懸濁液を生成することによって調製することができる。1つ以上の湿潤剤が組成物に含まれてもよく、粒子が沈降する速度を低下させるために懸濁化剤が含まれてもよい。代替として、式(I)の化合物は、乾式製粉して水に加えることもでき、所望の最終産物を生成するために、本明細書において後述する物質を含有する。
【0080】
エアゾル製剤は、式(I)の化合物と、好適な噴射薬(例えば、n‐ブタン)とを含む。また、式(I)の化合物は、非加圧式の手動噴霧ポンプに使用するための組成物を提供するように、好適な媒体(例えば、水、またはn‐プロパノール等の水混和性の液体)に溶解または分散させることもできる。
【0081】
式(I)の化合物は、化合物を含有する煙を密閉空間で発生させるのに好適な組成物を形成するために、乾燥した状態で火工混合物と混合することができる。
カプセル懸濁剤(CS)は、EW製剤の調製法と同様の様式で調製することができるが、油滴の水分散液が得られるように追加の重合段階が加わり、各油滴が重合体シェルによって封入され、式(I)の化合物、および任意選択的に、そのための担体または希釈剤を含有する。重合体シェルは、界面重縮合反応によって、またはコアセルベーション法のいずれかによって生成することができる。組成物は、式(I)の化合物の制御放出を提供し、また種子処理に使用することができる。式(I)の化合物は、化合物の徐放、制御放出を提供するように、生分解性重合体マトリックス中に製剤化することもできる。
【0082】
組成物は、(例えば、表面上での湿潤、滞留、もしくは分布、処理面上での雨に対する抵抗性、または式(I)の化合物の取り込みもしくは流動性を改善することによって)組成物の生物学的性能を向上するために、1つ以上の添加剤を含むことができる。そのような添加剤として、界面活性剤、(油剤、例えば特定の鉱油または天然植物油(大豆および菜種油等)に基づく)噴霧添加剤、他の生物強化アジュバント(式(I)の化合物の作用を補助または改変できる成分)を含むこれらの混合物が挙げられる。
【0083】
式(I)の化合物は、例えば、乾燥種子処理用の粉剤(DS)、水溶性粉剤(SS)、もしくはスラリー処理用の水和剤(WS)を含む粉末組成物として、またはフロアブル剤(FS)、液剤(LS)、もしくはカプセル懸濁剤(CS)を含む液体組成物として、種子処理剤としての使用のために製剤化することもできる。DS、SS、WS、FS、およびLS組成物の調製法は、それぞれ、上述したDP、SP、WP、SC、およびDC組成物の調製法と非常に類似している。種子処理のための組成物は、組成物の種子への付着を補助するための物質(例えば、鉱油または膜を形成するバリア)を含むことができる。
湿潤剤、分散剤、および乳化剤は、カチオン型、アニオン型、両性型、または非イオン型の表面SFAであってもよい。
【0084】
カチオン型の好適なSFAとして、四級アンモニウム化合物(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、イミダゾリン、およびアミン塩が挙げられる。
好適なアニオン性SFAとして、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えば、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、ブチルナフタレンスルホネート、ならびにナトリウムジイソプロピルおよびトリ‐イソプロピル‐ナフタレンスルホネートの混合物)、エーテルスルファート、アルコールエーテル硫酸塩(例えば、ナトリウムラウレス‐3‐スルファート)、エーテルカルボン酸塩(例えば、ナトリウムラウレス‐3‐カルボキシレート)、リン酸エステル(1つ以上の脂肪族アルコールとリン酸(優位にはモノエステル)または五酸化リン(優位にはジエステル)との反応の産物、例えば、ラウリルアルコールと四リン酸との反応、さらに、これらの産物はエトキシ化されてもよい)、スルホスクシナメート、パラフィンまたはオレフィンスルホネート、タウレート、ならびにリグノスルホネートが挙げられる。
【0085】
両性型の好適なSFAとして、ベタイン、プロピオネート、およびグリシネートが挙げられる。
【0086】
非イオン型の好適なSFAとして、脂肪族アルコール(オレイルアルコールもしくはセチルアルコール等)またはアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール、もしくはオクチルクレゾール等)と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、もしくはそれらの混合物等のアルキレンオキシドとの縮合物;長鎖脂肪酸またはヘキシトール無水物から誘導される部分的エステル;上記部分的エステルとエチレンオキシドとの縮合物;ブロック重合体(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単一エステル(例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド)、ならびにレシチンが挙げられる。
【0087】
好適な懸濁化剤として、親水コロイド(多糖、ポリビニルピロリドン、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム等)および膨潤粘土(ベントナイトまたはアタパルジャイト等)が挙げられる。
【0088】
式(I)の化合物は、殺虫性化合物を施用する既知の手段のいずれかによって施用することができる。例えば、害虫、または害虫の居場所(害虫の生息場所、もしくは害虫が寄生しやすい生育中の植物等)、または葉、茎、枝、もしくは根を含む植物のいずれかの部分、播種前の種子、または植物が生育しているかもしくは植えられるべき他の媒体(根の周りの土壌、一般的な土壌、水田の水もしくは水耕栽培システム等)に、(製剤化してまたは製剤化せずに)直接施用することができるか、あるいは、噴霧するか、散布するか、浸漬により施用するか、クリームもしくはペースト製剤として施用するか、蒸気として施用するか、または組成物(粒状組成物もしくは水溶性のバッグに充填された組成物等)の土壌もしくは水性環境における分布もしくは組込みを介して施用することができる。
式(I)の化合物はまた、植物内に注射することもできるか、または電気力学的な噴霧技術もしくは他の微量散布法を用いて植生に噴霧することもできるか、または地上もしくは空中の灌漑システムによって施用することもできる。
【0089】
水性調製物(水溶液または分散液)として使用するための組成物は、一般的に、高い比率で活性成分を含有する濃縮物の形態で供給され、該濃縮物は、使用前に水に加えられる。DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG、およびCSを含み得るこれらの濃縮物は、長期間の保存に耐えること、そして、そのような保存の後で、水に添加して、従来の噴霧器具で施用可能な十分な時間均質性を保持する水性調製物を形成できることを必要とされることが多い。そのような水性調製物は、使用される目的によって、種々の量の式(I)の化合物(例えば、0.0001〜10重量%)を含有することができる。
式(I)の化合物は、肥料(例えば、窒素、カリウム、またはリンを含有する肥料)を含む混合物中に使用することができる。好適な剤型として、肥料の顆粒が挙げられる。混合物は、好ましくは最高で25重量%の式(I)の化合物を含有する。
【0090】
したがって、本発明は、肥料と式(I)の化合物とを含む肥料組成物も提供する。
本発明の組成物は、生物学的活性を有する他の化合物、例えば、殺真菌活性を有するか、もしくは植物成長調整活性、除草活性、殺虫活性、殺線虫活性、または殺ダニ活性を保持する、微量栄養素または化合物を含有することができる。
【0091】
式(I)の化合物は、組成物の唯一の活性成分であってもよいか、または必要に応じて、殺虫剤、殺真菌剤、共力剤、除草剤、もしくは植物成長調整剤等の1つ以上の追加の活性成分と混合されてもよい。追加の活性成分は、より広い活性スペクトルまたは害虫の居場所における高い残留性を有する組成物を提供することができ、(例えば、効果を加速させるもしくは撥水性を克服することによって)式(I)の化合物の活性に相乗作用を与えるかまたは該活性を補完することができるか、あるいは個々の構成成分に対する抵抗性の発生を克服または防ぐのに役立つことができる。具体的な追加の活性成分は、意図する組成物の用途に依存する。好適な殺虫剤の例として、以下が挙げられる:
a)ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレラート、エスフェンバレラート、デルタメトリン、シハロトリン(具体的にはλ‐シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚類に安全なピレスロイド(例えば、エトフェンプロックス)、天然ピレトリン、テトラメトリン、S‐バイオアレスリン、フェンフルトリン、プラレトリン、または5‐ベンジル‐3‐フリルメチル‐()‐(1R,‐3S)‐2,2‐ジメチル‐3‐(2‐オキソチオラン‐3‐イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド、
b)プロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホスメチル、デメトン‐s‐メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス‐メチル、ピリミホス‐エチル、フェニトロチオン、ホスチアゼート、またはダイアジノン等の有機リン酸エステル、
c)ピリミカーブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロクス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、メトミル、またはオキサミル等のカルバメート(アリールカルバメートを含む)、
d)ジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノキスロン、またはクロルフルアズロン等のベンゾイル尿素、
e)シヘキサチン、フェンブタチンオキシド、またはアゾシクロチン等の有機スズ化合物、
f)テブフェンピラドおよびフェンピロキシメート等のピラゾール、
g)アベルメクチンもしくはミルベマイシン等のマクロライド、例えば、アバメクチン、エマメクチンベンゾエート、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド、アザジラクチン、またはスピネトラム、
h)ホルモンまたはフェロモン、
i)エンドスルファン(具体的にはα‐エンドスルファン)、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルデン、またはジエルドリン等の有機塩素化合物、
j)クロルジメホルムまたはアミトラズ等のアミジン、
k)クロロピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチル、またはメタム等の燻蒸剤、
l)イミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、スルホキサフロール、チアメトキサム、クロチアニジン、ニチアジン、またはフロニカミド等のネオニコチノイド化合物、
m)テブフェノジド、クロマフェノジド、またはメトキシフェノジド等のジアシルヒドラジン、
n)ジオフェノランまたはピリプロキシフェン等のジフェニルエーテル、
o)インドキサカルブ、
p)クロルフェナピル、
q)ピメトロジン、
r)スピロテトラマト、スピロジクロフェン、またはスピロメシフェン、
s)フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、またはシアントラニリプロール等のジアミド、
t)スルホキサフロール、
u)メタフルミゾン。
【0092】
意図する組成物の用途に適切である場合は、上に列挙した殺虫剤の主要な化学的分類に加えて、特定の標的を有する他の殺虫剤が組成物中に使用されてもよい。例えば、特定の作物に選択的な殺虫剤、例えば、イネに使用するためのニカメイガに特異的な殺虫剤(カルタップ等)またはバッタに特異的な殺虫剤(ブプロフェジン等)が用いられてもよい。代替として、特定の昆虫種/段階に特異的な殺虫剤または殺ダニ剤(例えば、クロフェンテジン、フルベンジミン、ヘキシチアゾクス、またはテトラジホン等の殺ダニ性の卵・幼虫駆除剤;ジコホルまたはプロパルギット等の運動阻害性殺ダニ剤(acaricidal motilicides);ブロモプロピラートまたはクロロベンジラート等の殺ダニ剤;ヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロン、またはジフルベンズロン等の成長抑制剤)が組成物に含まれていてもよい。
【0093】
本発明の組成物に含むことができる殺虫性化合物の例は、()‐N‐メチル‐2‐[2‐(‐2,‐5‐ジメチルフェノキシメチル)フェニル]‐2‐メトキシ‐イミノアセトアミド(SSF‐129)、4‐ブロモ‐2‐シアノ‐N,N‐ジメチル‐6‐トリフルオロメチルベンズイミダゾール‐1‐スルホンアミド、α‐[N‐(3‐クロロ‐2,6‐キシリル)‐2‐メトキシアセトアミド]‐γ‐ブチロラクトン、4‐クロロ‐2‐シアノ‐N,N‐ジメチル‐5‐p‐トリルイミダゾール‐1‐スルホンアミド(IKF‐916、シアミダゾスルファミド)、3‐5‐ジクロロ‐N‐(3‐クロロ‐1‐エチル‐1‐メチル‐2‐オキソプロピル)‐4‐メチルベンズアミド(RH‐7281、ゾキサミド)、N‐アリル‐4,5,‐ジメチル‐2‐トリメチルシリルチオフェン‐3‐カルボキサミド(MON65500)、N‐(1‐シアノ‐1,2‐ジメチルプロピル)‐2‐(2,4‐ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(AC382042)、N‐(2‐メトキシ‐5‐ピリジル)‐シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラール(CGA245704)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾール、ビテルタノール、ブラスチシジンS、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルハイドレート、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396、CGA41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、銅含有化合物(塩基性塩化銅、銅オキシキノレート、硫酸銅、銅タラート、およびボルドー混合物等)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ‐2‐ピリジルジスルフィド1,1’‐ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、O,O‐ジ‐イソ‐プロピル‐S‐ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモール、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン(doguadine)、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモール、エチル‐()‐N‐ベンジル‐N([メチル(メチル‐チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)‐β‐アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル、フルオロイミド、フルキノコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム‐メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム‐亜鉛、メトミノストロビン、マイクロブタニル、ネオアソジン、ジメチルジチオカルバミド酸ニッケル、ニトロタールイソプロピル、ヌアリモール、オフラセ、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、フェナジンオキシド、ホセチル‐Al、リン含有酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキノン、ピロキシフル、ピロールニトリン、四級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シプコナゾール(F‐155)、ナトリウムペンタクロロフェネート、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2‐(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート‐メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロホス‐メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリホリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、ジネブ、およびジラムである。
【0094】
式(I)の化合物は、種子伝染病、土壌伝染病、または葉の真菌性病から植物を保護するために、土壌、ピート、または他の発根媒体と混合することができる。
組成物において使用するための好適な共力剤の例として、ピペロニルブトキシド、セサメックス、サフロキサン、およびドデシルイミダゾールが挙げられる。
組成物に包含するのに好適な除草剤および植物成長調整剤は、意図する標的および要求される効果に依存する。
【0095】
包含することのできるイネ選択的除草剤の例は、プロパニルである。ワタにおいて使用するための植物成長調整剤の例は、PIX(商標)である。
【0096】
いくつかの混合物は、それらが従来の同じ剤型に容易に適用されないように、有意に異なる物理的、化学的、または生物学的特性を有する活性成分を含んでもよい。これらの状況では、他の剤型が調製されてもよい。例えば、一方の活性成分が水溶性の固形であり、他方が水溶性の液体である場合であっても、(SCと同様の調製法を用いて)固形活性成分を懸濁液として分散させる一方で、(EWと同様の調製法を用いて)液体活性成分をエマルジョンとして分散させることにより、各活性成分を同じ連続した水相中に分散させることが可能であり得る。得られる組成物は、サスポエマルジョン(SE)製剤である。
調製例
本項目では以下の略語を使用した:s=一重線、bs=幅広一重線、d=二重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、t=三重線、tt=三重の三重線、q=四重線、sept=七重線、m=多重線、Me=メチル、Et=エチル、Pr=プロピル、Bu=ブチル、M.p.=融点、RT=滞留時間、[M+H]+=分子カチオンの分子量、[M−H]-=分子アニオンの分子量。
以下のLC‐MS法を使用して化合物を特徴付けた。
方法1
【0097】
【表1】

【0098】
方法2
【0099】
【表2】

【0100】
方法3
【0101】
【表3】

【0102】
方法4
【0103】
【表4】

【0104】
方法5
【0105】
【表5】

【0106】
方法D
【0107】
【表6】

【実施例】
【0108】
1.中間体の調製
実施例1.1N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミド
【0109】
【化11】

【0110】
1,2‐ジクロロエタン(660mL)中の2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルl‐プロピル)フェニルアミン(実施例3.3)(70g、165mmol)の溶液に、トリエチルアミン(50.09g、495mmol)を加え、続いて、4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号のように作製した)(63.4g、330mmol)およびビス(2‐オキソ‐3‐オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド(「BOP‐Cl」)(84g、330mmol)を加えた。反応混合物を90℃で6時間撹拌した。塩酸水溶液(1M)(500mL)の添加により反応を停止させ、相を分離した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および鹹水で洗浄した。水相を1,2−ジクロロエタンで2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル7:3)により残渣を精製し、N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミドを得た(89g、収率90%)。1H NMR(400MHz,CDCl3):8.89(s,1H),8.40(d,1H),8.12(d,1H),7.88(m,2H),7.72(s,1H)
実施例1.24‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐エチル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド
ピリジン
【0111】
【化12】

【0112】
ジクロロメタン(40mL)中の2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニルアミン(実施例3.2)(3.48g、10mmol)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号のように作製した)(3.84g、20mmol)の溶液に、ピリジン(4.17mL、30mmol)およびビス(2‐オキソ‐3‐オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド(「BOP‐Cl」)(5.09g、20mmol)を加えた。反応混合物を6時間加熱還流した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、塩酸水溶液(1N)(50mL)の添加により反応を停止させた。次いで、ジクロロメタンで混合物を3回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル7:3)により残渣を精製し、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを得た(4.76g、収率91%)。LC‐MS(方法2):RT=2.08、[M‐H]=520
【0113】
同様に、2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン(実施例3.2)および4‐シアノ‐2,3‐ジフルオロ‐安息香酸(国際公開第2008/074427号のように作製した)から4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐2,3‐ジフルオロベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=2.11、[M‐H]=543
【0114】
同様に、2‐(4‐アミノ‐3‐エチル‐5‐メチルフェニル)‐1,1,1,3,3,4,4,4‐オクタフルオロブタン‐2‐オル(実施例3.5)および4‐シアノ‐3‐ニトロ‐安息香酸(国際公開第2008/074427号のように作製した)から4‐シアノ‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(2,2,3,3,3‐ペタンフルオロ‐1‐ヒドロキシ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。1H NMR(400MHz,CDCl3):8.85(s,1H),8.37(dd,1H),8.09(d,1H),7.78(s,1H),7.52(s,2H),3.82(bs,1H),2.64(q,2H),2.30(s,3H),1.20(t,3H).
【0115】
同様に、安息香酸1‐(4‐アミノ‐3‐ブロモ‐5‐クロロフェニル)‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステル(実施例3.8)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号のように作製した)から安息香酸1‐[3‐ブロモ‐5‐クロロ‐4‐(4‐シアノ‐3‐ニトロベンゾイルアミノ)‐フェニル]‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステルを作製した。1H NMR(400MHz,CDCl3):8.85(s,1H),8.37(d,1H),8.12(m,3H),77.8‐7.65(m,3H),7.57(m,3H)
【0116】
同様に、2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニルアミン(実施例3.3)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号のように作製した)からN‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。化合物は、ワークアップ後さらに精製せずに使用した。
実施例1.34‐シアノ‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド
2.ピリジン
【0117】
【化13】

【0118】
ジクロロメタン(150mL)中の4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)(30g、156mmol)の溶液に、塩化オキサリル(15.88mL、187mmol)を周囲温度で加え、続いてN,N‐ジメチルホルムアミド(「DMF」)(0.2mL)を加えた。反応混合物を周囲温度で30分撹拌し、次いで30分加熱還流した。反応混合物を周囲温度まで冷却して濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン(150mL)に懸濁させた。テトラヒドロフラン(150mL)およびピリジン(12.57mL、156.4mmol)の混合物中の2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニルアミン(実施例3.2)(55g、117.3mmol)の溶液を0℃まで冷却し、4‐シアノ‐3‐ニトロベンゾイルクロリドの溶液を加えた。反応混合物を周囲温度で12時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(2×200mL)で有機相を2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)により残渣を精製し、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを得た(28g、収率37%)。LC‐MS(方法2):RT=2.24、[M‐H]=642
【0119】
同様に、4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メトキシ‐6‐メチルフェニルアミン(実施例3.1)および4‐シアノ‐3‐ニトロ‐安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐N‐[2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロ‐メチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.04、[M‐H]=528
【0120】
同様に、2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン(実施例3.2)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=2.08、[M‐H]=553
【0121】
同様に、2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロ‐メチルエチル)フェニルアミン(国際公開第2009/030457号に記載されるように調製した)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法3):RT=2.06、[M‐H]=502(M‐H+
実施例1.4N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐2,3‐ジフルオロベンズアミド
2.ピリジン
【0122】
【化14】

【0123】
窒素雰囲気下のジクロロメタン(100mL)中の4‐シアノ‐2,3‐ジフルオロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)(1.831g、10mmol)およびN,N‐ジメチルホルムアミド(「DMF」)(2滴)の溶液に、塩化オキサリル(1.27mL、15mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン(75mL)に溶解した。その溶液を、ピリジン(1.6mL、20mmol)およびテトラヒドロフラン(25mL)の混合物中の2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン(実施例3.3)(4.245g、10mmol)の溶液に滴下して加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)に注入し、酢酸エチルで混合物を3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル8:2)により残渣を精製し、N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐ヘニル]‐4‐シアノ‐2,3‐ジフルオロベンズアミドを得た(4.18g、収率71%)。
LC‐MS(方法2):RT=2.14、[M‐H]=587
【0124】
同様に、2,6‐ジメチル‐4‐ウンデカフルオロシクロヘキシルフェニルアミン(実施例3.1)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐N‐(2,6‐ジメチル‐4‐ウンデカフルオロシクロヘキシルフェニル)‐3‐ニトロ‐ベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.16、[M‐H]=574
【0125】
同様に、2,6‐ジメチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン(実施例3.1)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジメチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=2.07、[M‐H]=512
【0126】
同様に、2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニルアミン(実施例3.4)および4‐シアノ‐3‐ニトロ安息香酸(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)からN‐[2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.12、[M‐H]=564
実施例1.53‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐4‐シアノベンズアミド
【0127】
【化15】

【0128】
テトラヒドロフラン(800mL)中のN‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.1)(92.7g、154.8mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(0.1M)(270mL)、ハイドロサルファイトナトリウム(80.9g、464.4mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(「TBAB」)(4.99g、15.5mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で90分撹拌した。相を分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機抽出物を水、炭酸水素ナトリウム水溶液(10%w/v)(400mL)および鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル5:1)により残渣を精製し、3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノベンズアミドを得た(69g、収率78.4%)。1H NMR(400MHz,CDCl3):7.82(s,1H),7.75(s,1H),7.71(s,1H),7.51(m,1H),7.35(s,1H),7.21(m,1H),4.7(s,2H)
【0129】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.2)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.00、[M‐H]=490
【0130】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロ‐1‐ヒドロキシ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.2)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロ‐1‐ヒドロキシ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=1.87、[M+H]+=498
【0131】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.3)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=2.06、[M+H]+=614.
【0132】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.3)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法1):RT=1.99、[M‐H]=498
【0133】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.3)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=2.01、[M+H]+=524/526
【0134】
同様に、4‐シアノ‐N‐(2,6‐ジメチル‐4‐ウンデカフルオロシクロヘキシルフェニル)‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.4)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐(2,6‐ジメチル‐4‐ウンデカフルオロシクロヘキシルフェニル)‐ベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.10、[M+H]+=546
【0135】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジメチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.4)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2,6‐ジメチルフェニル]ベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.00、[M‐H]=482
【0136】
同様に、安息香酸1‐[3‐ブロモ‐5‐クロロ‐4‐(4‐シアノ‐3‐ニトロベンゾイルアミノ)フェニル]‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステル(実施例1.2)から安息香酸1‐[4‐(3‐アミノ‐4‐シアノベンゾイルアミノ)‐3‐ブロモ‐5‐クロロ‐フェニル]‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステルを作製した。1H NMR(CDCl3,400MHz):8.12(d,2H),7.72(m,1H),7.68(s,1H),7.51‐7.59(m,4H),7.32(s,1H),7.20(d,1H),4.64(bs,2H)
【0137】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.3)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐エチル)フェニル]ベンズアミドを作製した。
LC‐MS(方法3、陽性):RT=1.98、[M‐H]=474(M+H+)
【0138】
同様に、N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.2)から3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐エチル)フェニル]‐4‐シアノベンズアミドを作製した。
1H NMR(CDCl3,400MHz):7.83(s,1H),7.71(s,1H),7.54(m,2H),7.32(s,1H),7.22(d,1H),4.64(bs,2H)
実施例1.63‐アミノ‐N‐[2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニル]‐4‐シアノベンズアミド
【0139】
【化16】

【0140】
イソプロパノール(110mL)中のN‐[2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニル]‐4‐シアノ‐3‐ニトロベンズアミド(実施例1.4)(13.0g、23mmol)の溶液に、塩化スズ(15.69g、82.8mmol)を加えた。混合物を0℃まで冷却し、塩酸水溶液(37%w/v)(22mL)を徐々に加えた。混合物を80℃で1時間撹拌した。イソプロパノールの全体積の約3分の1を蒸発させた。混合物に水(100mL)、その後水酸化ナトリウム水溶液(4N)を加えて、pHを8〜9に調整した。酢酸エチル(20mL)で水相を3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/シクロヘキサン1:2〜1:1)により残渣を精製し、3‐アミノ‐N‐[2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニル]‐4‐シアノベンズアミドを得た(5.65g、収率45.8%)。LC‐MS(方法1):RT=2.03、[M‐H]‐=536
実施例1.73‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐2‐フルオロベンズアミド
【0141】
【化17】

【0142】
ジメチルスルホキシド(69mL)中のN‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐2,3‐ジフルオロベンズアミド(実施例1.4)(4.08g、6.92mmol)の溶液に炭酸アンモニウム(1.529g、15.92mmol)を加えた。反応混合物を16時間100℃まで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いで水と酢酸エチルとに分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル8:2)により残渣を精製し、3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐2‐フルオロベンズアミドを得た(1.88mg、収率46.3%)。
LC‐MS(方法2):RT=2.06、[M‐H]=584
【0143】
同様に、4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐2,3‐ジフルオロベンズアミド(実施例1.2)から3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐2‐フルオロベンズアミドを作製した。LC‐MS(方法2):RT=2.03、[M‐H]=540
2.式(I)の化合物の調製
実施例2.1:4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド
(表Aの化合物番号A4)
2.ピリジン
【0144】
【化18】

【0145】
ジクロロメタン(5mL)中の4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸(実施例3.7)(0.5g、3.10mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.315mL、3.72mmol)を周囲温度で加え、続いてN,N‐ジメチルホルムアミド(「DMF」)(2滴)を加えた。反応混合物を周囲温度で30分撹拌し、次いで30分加熱還流した。反応混合物を周囲温度まで冷却して濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン(5mL)に懸濁させた。テトラヒドロフラン(5mL)およびピリジン(0.498mL、6.2mmol)の混合物中の3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)(1.43g、2.30mmol)の溶液を0℃まで冷却し、4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸クロリドの溶液を加えた。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで、混合反応物を80℃で16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(2×20mL)で混合物を2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)により残渣を精製し、表Aの化合物番号A4を得た(0.752g、収率43%)。
【0146】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(国際公開第2008/074427のように作製した)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A1)を作製した。
【0147】
同様に、3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐(実施例1.5)からN‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)(表Aの化合物番号A2)を作製した。
【0148】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐エチル)フェニル]ベンズアミド(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A3)を作製した。
【0149】
同様に、3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐エチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノベンズアミド(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)からN‐[2‐ブロモ‐6‐エチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド(表Aの化合物番号A5)を作製した。
【0150】
同様に、3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐2‐フルオロベンズアミド(実施例1.7)からN‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐2‐フルオロベンズアミド(表Aの化合物番号A6)を作製した。
【0151】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A8)を作製した。
【0152】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メトキシメチル‐6‐メチルフェニル]ベンズアミド(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチル‐ベンゾイルアミド)‐N‐[4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メトキシメチル‐6‐メチルフェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A9)を作製した。
【0153】
同様に、3‐アミノ‐N‐[2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニル]‐4‐シアノベンズアミド(実施例1.6)からN‐[2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド(表Aの化合物番号A10)を作製した。
【0154】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A11)を作製した。
【0155】
同様に、安息香酸1‐[4‐(3‐アミノ‐4‐シアノ‐ベンゾイルアミノ)‐3‐ブロモ‐5‐クロロフェニル]‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステル(実施例1.5)から安息香酸1‐{3‐ブロモ‐5‐クロロ‐4‐[4‐シアノ‐3‐(4‐シアノ‐2‐メチル‐ベンゾイルアミド)ベンゾイルアミノ]フェニル}‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステル(表Aの化合物番号A12)を作製した。1H NMR(CDCl3,400MHz):9.08(s,1H),8.11(m,3H),7.78(s,1H),7.88(m,1H),7.82(m,1H),7.52‐7.75(m,8H),2.60(s,3H)
【0156】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A14)を作製した。
【0157】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロ‐1‐ヒドロキシ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチル‐ベンゾイルアミド)‐N‐[2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロ‐1‐ヒドロキシ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A15)を作製した。
【0158】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジメチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチル‐ベンゾイルアミド)‐N‐[2,6‐ジメチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A16)を作製した。
【0159】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジメチル‐4‐(ウンデカフルオロシクロヘキシル)フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジメチル‐4‐(ウンデカフルオロシクロヘキシル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A17)を作製した。
【0160】
同様に、3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニル]ベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A19)を作製した。
【0161】
同様に、3‐アミノ‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐エチル)フェニル]‐4‐シアノベンズアミド(実施例1.5)から4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド(表Aの化合物番号A20)を作製した。
1H NMR(CDCl3,400MHz):9.08(s,1H),8.24(sb,1H),8.15(sb,1H),7.92‐7.82(m,3H),7.74(s,1H),7.68(m,1H),7.62(m,2H),2.59(s,3H)
実施例2.2:4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐2‐フルオロベンズアミド
(表Aの化合物番号A18)
【0162】
【化19】

【0163】
N,N‐ジメチルアセトアミド(「DMA」)(1mL)中の3‐アミノ‐4‐シアノ‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐2‐フルオロベンズアミド(実施例1.7)(0.054g、0.10mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(55%w/v)(0.018g、0.40mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で30分撹拌し、次いで4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸クロリド(実施例2.1の最初の部分を参照)(0.10mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(2×20mL)で有機相を2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル7:3)により残渣を精製し、表Aの化合物番号A18を得た(0.010g、収率15%)。
実施例2.3:N‐[2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド
(表Aの化合物番号A7)
【0164】
【化20】

【0165】
窒素雰囲気下のN,N‐ジメチルホルムアミド(12mL)中の表Aの化合物番号A2(実施例2.1)(1g、1.4mmol)の溶液に、シアン化亜鉛(II)(0.26g、2.25mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.195g、0.17mmol)を加えた。反応混合物を130℃で2時間撹拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、相を分離した。水相をトルエンで2回抽出した。合わせた有機相を鹹水および飽和水酸化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/シクロヘキサン1:5)により残渣を精製し、表Aの化合物番号A7を得た(0.421g、収率45.5%)。
実施例2.4:N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐[1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプロパン‐2‐オル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド
(表Aの化合物番号A13)
【0166】
【化21】

【0167】
テトラヒドロフラン(10mL)および水(2.5mL)の混合物中の表Aの化合物番号A12(実施例2.1)(0.252g、0.33mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.030g)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、相を分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/シクロヘキサン1:3)により残渣を精製し、表Aの化合物番号A13を得た(0.09g、収率41%)。1H NMR(CDCl3,400MHz):9.09(s,1H),8.08(s,1H),7.95(s,1H),7.82‐7.93(m,4H),7.62‐7.70(m,3H),4.02(bs,OH),2.62(s,3H)
3.ビルディングブロックの調製
実施例3.14‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メトキシ‐6‐メチル‐フェニルアミン
【0168】
【化22】

【0169】
水(60mL)およびtert‐ブチルメチルエーテル(60mL)の混合物中の2‐メトキシ‐6‐メチルフェニルアミン(8.23g、60mmol)の溶液に、2‐ヨードノナフルオロブタン(24.9g、11.86mL、72mmol)、ハイドロサルファイトナトリウム(15.29g、72mmol)、炭酸水素ナトリウム(6.05g、72.0mmol)およびテトラブチル硫酸水素アンモニウム(「TBAHS」)(2.24g、6.60mmol)を連続的に加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物を濾過し、tert‐ブチルメチルエーテルで濾液を2回抽出した。合わせた有機相を塩酸水溶液(1N)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して、4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メトキシ‐6‐メチルフェニルアミンを得、さらに精製することなく使用した。LC‐MS(方法2):RT=2.05、[M+H]+=356
【0170】
同様に、3‐フルオロフェニルアミンおよび2‐ヨードヘキサフルオロプロパンから3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニルアミンを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=1.86、[M+H]+=280
【0171】
同様に、2‐メチルチオフェニルアミンおよび2‐ヨードノナフルオロブタンから4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メチルチオ‐フェニルアミンを作製した。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.59(s,1H),7.29(m,1H),6.79(d,1H)
【0172】
同様に、2,6‐ジメチルフェニルアミンおよびヨードペルフルオロシクロヘキサンから2,6‐ジメチルl‐4‐ウンデカフルオロシクロヘキシルフェニルアミンを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.18、[M+H]+=402
【0173】
同様に、2,6‐ジメチルフェニルアミンおよび2‐ヨードノナフルオロブタンから2,6‐ジメチルl‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニルアミンを作製した。
LC‐MS(方法2):RT=2.06、[M+H]+=340
実施例3.22,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン
【0174】
【化23】

【0175】
ジクロロメタン(500mL)中の4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン(欧州特許第1,006,102号に記載されるように調製した)(56g、180mmol)の溶液に、N‐ブロモ‐スクシンイミド(「NBS」)(76.9g、432mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(200mL)と水(200mL)とに分配した。相を分離し、酢酸エチルで水相を2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル8:2)により残渣を精製し、2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミンを得た(51.6g、収率61.1%)。1H NMR(400MHz,CDCl3):7.58(s,2H),4.90(bs,2H)
【0176】
同様に、4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニルアミン(欧州特許第1,006,102号に記載されるように調製した)およびN‐クロロスクシンイミド(「NCS」)から2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニルアミンを作製した。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.39(s,2H),4.76(bs,2H)
【0177】
同様に、3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニルアミン(実施例3.1)およびN‐クロロスクシンイミド(「NCS」)から2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニルアミンを作製した。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.40(d,1H),4.92(bs,2H)
実施例3.32‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐フェニルアミン
【0178】
【化24】

【0179】
4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミン(欧州特許第1,006,102号に記載のように調製)(175.8g、565mmol)をアセトニトリル(1000mL)に溶解し、N‐クロロ‐スクシンイミド(「NCS」)(76.2g、570.7mmol)を加えた。反応混合物を90分加熱還流した。反応混合物を濃縮し、ジエチルエーテルに残渣を懸濁させ、濾過により固体を除去した。濾液を濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/ジクロロメタン9:1)により残渣を精製し、2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミンを得た。N‐ブロモスクシンイミド(「NBS」)(100.5g、565mmol)を試薬として使用して、同じ手順を繰り返した。今回は、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/ジクロロメタン2:1)により残渣を精製し、2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニルアミンを得た(143.3g、収率59.7%)。1H NMR(400MHz,CDCl3):7.70(s,1H),7.42(s,1H),4.82(s,2H).
【0180】
同様に、[4‐[2,2,2‐トリフルオロ‐1‐ヒドロキシ‐1‐(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]アミンから2‐(4‐アミノ‐3‐ブロモ‐5‐クロロフェニル)‐1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプロパン‐2‐オルを作製した。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.68(s,1H),7.46(s,1H),4.72(bs,2H).
【0181】
同様に、4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニルアミン(欧州特許第1,006,102号に記載されるように調製した)から2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)‐フェニルアミンを作製した。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.58(s,1H),7.45(s,1H),4.82(bs,2H).
実施例3.42‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオ‐フェニルアミン
【0182】
【化25】

【0183】
アセトニトリル(170mL)中の4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐2‐メチルチオ‐フェニルアミン(実施例3.1)(21.85g、61.16mmol)の溶液に、N‐クロロスクシンイミド(「NCS」)(8.578g、64.22mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)とに分配した。相を分離し、酢酸エチルで水相を2回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)により残渣を精製し、2‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチルチオフェニルアミンを得た(12.0g、収率50%)。LC‐MS(方法2):RT=2.17、[M‐H]‐=392
実施例3.52‐(4‐アミノ‐3‐エチル‐5‐メチルフェニル)‐1,1,1,3,3,4,4,4‐オクタフルオロブタン‐2‐オル
【0184】
【化26】

【0185】
アセトニトリル(320mL)および水(80mL)の混合物中の2‐エチル‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)‐6‐メチル‐フェニルアミン(国際公開第2008/074427号に記載されるように調製した)(3.88g、11mmol)の溶液に、水酸化カリウム(46.2g、827mmol)を加えた。反応混合物を70℃で2日間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で混合物を3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/シクロヘキサン1:3)により残渣を精製し、2‐(4‐アミノ‐3‐エチル‐5‐メチルフェニル)‐1,1,1,3,3,4,4,4‐オクタフルオロブタン‐2‐オルを得た(2.31g、収率60%)。LC‐MS(方法1):RT=1.87、[M‐H]‐=352
実施例3.6:4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸メチルエステルの調製
【0186】
【化27】

【0187】
窒素雰囲気下のN,N‐ジメチルホルムアミド(4L)中の4‐ブロモ‐2‐メチル安息香酸メチルエステル(108g、471mmol)の溶液に、シアン化亜鉛(II)(88.5g、753.6mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(65g、56.60mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、相を分離した。水相をトルエンで2回抽出した。合わせた有機相を鹹水および飽和水酸化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/シクロヘキサン1:5)により残渣を精製し、4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸メチルエステルを得た(73g、収率89%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.78(d,1H),7.52(m,2H),3.92(s,3H),2.62(s,3H).
実施例3.74‐シアノ‐2‐メチル‐安息香酸
【0188】
【化28】

【0189】
水(0.360mL)およびテトラヒドロフラン(1.4L)の混合物中の4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸メチルエステル(実施例3.6)(61g、348mmol)の溶液に、水酸化リチウム水和物(31.4g、748.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。塩酸水溶液(1N)の添加により残渣を酸性化し、メタノールおよびクロロホルムの混合物(5:95)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物中で残渣を結晶化し、4‐シアノ‐2‐メチル安息香酸を得た(55.5g、収率99%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3):7.89(d,1H),7.80(s,1H),7.72(d,1H),2.51(s,3H).
実施例3.8安息香酸1‐(4‐アミノ‐3‐ブロモ‐5‐クロロフェニル)‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステル
ピリジン
【0190】
【化29】

【0191】
ジクロロメタン(30mL)中の2‐(4‐アミノ‐3‐ブロモ‐5‐クロロフェニル)‐1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプロパン‐2‐オル(実施例3.3(3.725g、10.0mmol)および安息香酸(1.28g、10.5mmol)の溶液に、ピリジン(4.18mL、30mmol)およびビス(2‐オキソ‐3‐オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド(「BOP‐Cl」)(2.80g、11mmol)を加えた。反応混合物を24時間加熱還流した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、塩酸水溶液(1N)(50mL)の添加により反応を停止させた。次いで、ジクロロメタンで混合物を3回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲル(BuchiフラクションコレクターC‐660、Silicagel 60を予め充填したカートリッジ、粒径:40〜63μm、D40×150mm、15分間にわたるトルエン中のメタノールの勾配99:1%、60mL/分、画分20mL)上のカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、安息香酸1‐(4‐アミノ‐3‐ブロモ‐5‐クロロフェニル)‐2,2,2‐トリフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチルエステルを得た(2g、収率42%)。1H NMR(400MHz,CDCl3):8.18(d,1H),8.11(d,1H),7.68(m,1H),7.53(m,2H),7.41(s,1H),7.29(s,1H),4.74(bs,2H)
表A:
【0192】
【化30】

【0193】
【表7】

【0194】
【表8】

【0195】
生物学的実施例
これらの実施例は、式(I)の化合物の殺虫特性および殺ダニ特性を示す。検査は以下の通りに行った。
【0196】
スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)(エジプト産ハスモンヨトウ近縁種幼虫)
24ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上にワタのリーフディスクを配置し、200ppmの散布量で試験液を噴霧した。乾燥後、リーフディスクに5匹のL1幼虫を寄生させた。処理後(DAT)3日目に、死亡率、摂食行動、および成長抑制について試料を調べた。
【0197】
以下の化合物が、スポドプテラ・リトラリスを少なくとも80%駆除した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20。
【0198】
ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ幼虫)
人工飼料上の24ウェルマイクロタイタープレート上に卵(0〜24時齢)を配置し、ピペッティングにより200ppmの散布量の試験液(ウェルの濃度は18ppm)で処理した。4日間のインキュベーション期間後、卵死亡率、幼虫死亡率、および成長抑制について試料を調べた。
【0199】
以下の化合物が、ヘリオチス・ビレセンスを少なくとも80%駆除した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20。
【0200】
プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ)
人工飼料を含む24ウェルマイクロタイタープレート(MTP)を、ピペッティングにより200ppmの散布量の試験液(ウェルの濃度は18ppm)で処理した。乾燥後、MTPにL2幼虫を寄生させた(1ウェル当たり7〜12匹)。6日間のインキュベーション期間後、幼虫死亡率および成長抑制について試料を調べた。
【0201】
以下の化合物が、プルテラ・キシロステラを少なくとも80%駆除した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20。
【0202】
ジアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)(ウリハムシ幼虫)
人工飼料を含む24ウェルマイクロタイタープレート(MTP)を、ピペッティングにより200ppmの散布量の試験液(ウェルの濃度は18ppm)で処理した。乾燥後、MTPにL2幼虫を寄生させた(1ウェル当たり6〜10匹)。5日間のインキュベーション期間後、幼虫死亡率および成長抑制について試料を調べた。
【0203】
以下の化合物が、ジアブロチカ・バルテアタを少なくとも80%駆除した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A16、A17、A18、A19、A20。
【0204】
スリップス・タバキ(Thrips tabaci)(ネギアザミウマ)
24ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上にヒマワリのリーフディスクを配置し、200ppmの散布量で試験液を噴霧した。乾燥後、リーフディスクに混合齢のアブラムシ集団を寄生させた。7日間のインキュベーション期間後、死亡率について試料を調べた。
【0205】
以下の化合物が、スリップス・タバキを少なくとも80%駆除した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A14、A16、A17、A18、A19、A20。
【0206】
テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)
24ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上のマメのリーフディスクに、200ppmの散布量で試験液を噴霧した。乾燥後、リーフディスクに混合齢のダニ集団を寄生させた。8日後、卵死亡率、幼虫死亡率、および成虫死亡率についてディスクを調べた。
【0207】
以下の化合物が、テトラニクス・ウルチカエを少なくとも80%駆除した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A19、A20。
【0208】
2‐メチル‐4‐シアノフェニルを有する化合物と、2‐メチルフェニルまたは4‐シアノフェニルを有する化合物との間の比較データは、2‐メチル‐4‐シアノフェニルを有する化合物は、予想外に、より高い殺虫活性を有することを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物であって、式中、
1は、水素、C1‐C8アルキル、C1‐C8アルキルカルボニル、もしくはC1‐C8アルコキシカルボニルであり、
2は、水素、C1‐C8アルキル、C1‐C8アルキルカルボニル、もしくはC1‐C8アルコキシカルボニルであり、
各R3は、独立してハロゲンであり、
nは、0、1、2もしくは3であり、
2は、式(II)
【化2】

の基であり、Y1およびY5は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1‐C4アルキル、C1‐C4ハロアルキル、C1‐C4アルコキシ、C1‐C4ハロアルコキシ、C1‐C4アルコキシ‐C1‐C4アルキル、C1‐C3アルキルチオ、C1‐C3ハロアルキルチオ、C1‐C3アルキルスルフィニル、C1‐C3ハロアルキルスルフィニル、C1‐C3アルキルスルホニルおよびC1‐C3ハロアルキルスルホニルから選択され、
3は、C2‐C6ペルフルオロアルキル、C2‐C6ペルフルオロシクロアルキル、ヒドロキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、C1‐C4アルキルカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、C1‐C4ハロアルキルカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキル、C1‐C6ペルフルオロアルキルチオ、C1‐C6ペルフルオロアルキルスルフィニル、C1‐C6ペルフルオロアルキルスルホニル、アリールカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキルおよびアリールカルボニルオキシ‐C2‐C6ペルフルオロアルキルから選択され、前記アリール基は、同じかまたは異なっていてもよい1〜5個のR4基によって置換され得、
2およびY4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲンおよびC1‐C4アルキルから選択され、
4は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1‐C4アルキル、C1‐C4ハロアルキル、C1‐C4アルコキシもしくはC1‐C4ハロアルコキシである、化合物、
またはその農薬として許容される塩もしくはN‐オキシド。
【請求項2】
1およびR2は、両方とも水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3は、フルオロである、請求項1または請求項2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
nは、0または1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
1およびY5は、それぞれ独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、メチルチオ、およびメトキシメチルから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
2およびY4は、それぞれ独立して、水素、クロロ、フルオロ、およびメチルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
3は、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロシクロヘキシル、ヘプタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルスルフィニル、またはヘプタフルオロプロピルスルホニルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
2は、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ベンゾイルオキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ヘキサフルオロ‐2‐ヒドロキシプロプ‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐ブロモ‐6‐エチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐クロロ‐6‐メチルチオ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジブロモ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐4‐(ヘプタフルオロプロプ‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジクロロ‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2,6‐ジメチル‐4‐(ウンデカフルオロシクロヘキシル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、
2‐エチル‐6‐メチル‐4‐(オクタフルオロ‐2‐ヒドロキシブト‐2‐イル)フェニル、
2‐メトキシメチル‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニル、および
2‐メトキシ‐6‐メチル‐4‐(ノナフルオロブト‐2‐イル)フェニルから選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチル‐ベンゾイルアミド)‐N‐[2,6‐ジブロモ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチル‐プロピル)‐フェニル]‐ベンズアミド、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐2‐フルオロベンズアミド、
N‐[2‐クロロ‐6‐シアノ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド、
N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐[1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプロパン‐2‐オル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド、
N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]‐4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)ベンズアミド、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐1‐トリフルオロメチルプロピル)フェニル]ベンズアミド、
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2,6‐ジクロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド、および
4‐シアノ‐3‐(4’‐シアノ‐2’‐メチルベンゾイルアミノ)‐N‐[2‐ブロモ‐6‐クロロ‐4‐(1,2,2,2‐テトラフルオロ‐1‐トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミドから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
害虫、害虫の居場所、または害虫による攻撃を受けやすい植物に、請求項1〜9のいずれか1項に記載される式(I)の化合物を施用することを含む、昆虫、ダニ、線虫、または軟体動物を駆除する方法。
【請求項11】
農薬として許容される希釈剤または担体とともに、請求項1〜9のいずれか1項に記載される式(I)の化合物を含む、殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性、または殺軟体動物性の組成物。
【請求項12】
1つ以上の追加の殺虫性、殺ダニ性、殺線虫性、または殺軟体動物性の化合物をさらに含む、請求項11に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−526065(P2012−526065A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508972(P2012−508972)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054862
【国際公開番号】WO2010/127926
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】