説明

害虫駆除組成物

【課題】食品又は食品添加物を主成分として含有し、殺虫効果の速効性及び優れた捕獲効果を示す害虫駆除組成物を提供する。
【解決手段】下記(a)、(b)及び(c)を含有し、a成分とb成分の含有量の和[a+b]が組成物全量に対し0.1〜15質量%、a成分とb成分の質量比[a/b]が1/2〜4/1、c成分の含有量が組成物全量に対し60〜99.5質量%である害虫駆除組成物。
(a)ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン
(b)アシル基の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドにおいて、b成分全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライド
(c)水、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の水性溶媒

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除組成物に関し、詳しくは、食品又は食品添加物を主成分とし、殺虫成分を全く含まない害虫駆除組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴキブリ等の不快害虫の駆除方法としては、1)殺虫成分を含む液体、気体、あるいは粉末を噴霧あるいは散布、2)餌中に殺虫成分を混入した毒餌剤を使用、3)捕獲容器の中に誘引剤を用いて害虫を誘引する等の方法が採られてきた。これらの方法は、いずれも殺虫成分を使用するので、食器、食品、料理器具等を汚染する懸念があり、台所では使いづらい側面があった。
かかる実情から、例えば特許文献1では、ステアリン酸のトリエタノールアミン塩にヒドロキシエチルセルロースを配合した水溶液をエアゾール缶で発泡させ、泡によって害虫を捕獲し窒息させる方法が提案されている。しかしながら、特許文献1の方法では、殺虫効果の速効性及び泡による害虫の捕獲性能の点で満足できる水準ではなかった。また、非食品添加物である界面活性剤を用いており、食品等が汚染されるおそれのある台所での使用は安全衛生上好ましいものとはいえなかった。
特許文献2には、食品添加物であるショ糖脂肪酸エステルや経口毒性が低い糖の脂肪酸エステルを界面活性剤として使用し、エアゾールを使用して害虫に泡を付着させて使用する害虫捕獲剤組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献2の方法では、実施例にて脂肪酸トリグリセライドを配合するなど、泡が速やかに消えるような処方設計がなされているため、泡が命中しても害虫が逃げてしまう場合があり、捕獲性能の点で満足できる水準ではなかった。
特許文献3には、界面活性剤としてポリソルベート60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル)等や、泡安定剤としてセチルアルコール等を含有した害虫捕獲エアゾールが提案されている。特許文献3の製剤は、泡質が堅く捕獲能力には優れるものの、殺虫効果の速効性の点で不十分であった。また、工業的に使用される通常の界面活性剤を用いているため、食品等が汚染されるおそれのある台所での使用は安全衛生上好ましいものとはいえなかった。
このように、泡によって害虫を捕獲するタイプの駆除剤組成物において、食品又は食品添加物を主成分として含有し、堅い泡質による優れた捕獲効果と殺虫効果の速効性とを両立した害虫駆除組成物は未だ提供されていないのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56−32944号公報
【特許文献2】特開平5−221804号公報
【特許文献3】特開2010−263831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、食品又は食品添加物を主成分として含有し、殺虫効果の速効性及び優れた捕獲効果を示す害虫駆除組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討した結果、本願の構成とすることで、殺虫効果の速効性かつ捕獲効果に優れる害虫駆除組成物を見出すに至った。すなわち、本発明は、以下に示すものである。
(I) 下記(a)、(b)及び(c)を含有し、a成分とb成分の含有量の和[a+b]が組成物全量*に対し0.1〜15質量%、a成分とb成分の質量比[a/b]が1/2〜4/1、c成分の含有量が組成物全量に対し60〜99.5質量%である害虫駆除組成物。
(a)ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン
(b)アシル基の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドにおいて、b成分全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライド
(c)水、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の水性溶媒
(II) さらに、
(d)1分子内に2〜4個のカルボキシル基又はホスホリル基を含有する有機酸又はその塩
を組成物全量に対し0.05〜5.0質量%含有する、上記(I)に記載の害虫駆除組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の害虫駆除組成物は、殺虫成分を含まず、食品又は食品添加物を主成分としているため、安全性が高く、人体や環境に対する有害作用が少ない。そのため、食品や、食器、料理器具、家具等に付着する可能性のある台所での使用にも適する。本発明の害虫駆除組成物をエアゾール容器に充填して噴射すると、堅く安定な泡が形成されて、害虫に対する優れた捕獲性を発揮することができる。害虫は、噴射液が付着することによって気門が閉塞され、短時間に窒息死するが、泡による捕捉性に優れ逃亡が抑制されるため、ティッシュ等により、直ちに捕獲して廃棄することもできるなど、衛生的で使用性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のa成分であるポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタンは、ソルビトール又はソルビタンとラウリン酸との部分エステルであるソルビタン脂肪酸エステルに、エチレンオキシドを付加させた非イオン性界面活性剤である。
エチレンオキシドの付加モル数は特に限定されるものではないが、一般的に5〜50モル、好ましくは10〜30モル、より好ましくは20モルであり、エチレンオキシドの20モル付加物はポリソルベート20として食品添加物公定書に収載されている。エチレンオキシドの付加モル数が5モル未満では害虫の捕獲効果が不十分であり、50モルを超えると殺虫効果の速効性が発揮されない場合がある。
a成分のラウリン酸を炭素数が12未満の脂肪酸に変更すると、害虫の捕獲効果が低下する傾向がある。また、炭素数が12を超える脂肪酸では、殺虫効果の速効性が得られにくい傾向がある。ただし、全脂肪酸量に対するラウリン酸の比率が50質量%以上であれば混合脂肪酸であっても構わない。また、ラウリン酸を主成分とするヤシ油・パーム核油等の天然油脂由来の脂肪酸でもよい。
【0008】
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルの構造は特に限定されるものではないが、Griffinの算定式(参考;新・界面活性剤入門、藤本武彦著)に基づくHLBとしては14〜19、好ましくは15〜18、より好ましくは16〜17である。HLBが14未満では害虫の捕獲効果が不十分であり、HLBが19を超えると殺虫効果の速効性が発揮されない場合がある。
【0009】
本発明のb成分は、アシル基の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドにおいて、b成分全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライドである。脂肪酸グリセライドは、脂肪酸とグリセリンのエステル化反応、又は油脂及び脂肪酸エステルとグリセリンとのエステル交換反応によって得られる。反応によって得られたものは反応グリセライドと呼ばれる。
反応グリセライドは、一般に、主成分として1−モノグリセライド、副成分として2−モノグリセライド、1,3−ジグリセライド、1,2−ジグリセライド、トリグリセライド、そしてグリセリンを含む混合物である。反応グリセライドを蒸留することで、モノグリセライド純度を高めることが可能であり、得られたものは蒸留モノグリセライドと呼ばれる。
本発明のb成分は、b成分全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上であり、好ましくは88質量%以上であり、より好ましくは92質量%以上である。b成分全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%未満であると、害虫の捕獲効果、殺虫効果の速効性のいずれにおいても不十分である。なお、モノグリセライドの含有量は、前処理として試料をシリルエーテル化した後、ガスクロマトグラフィー等で測定することができる。
【0010】
本発明のb成分において、モノグリセライド全量に対する1−モノグリセライドの質量分率は特に限定されるものではないが、好ましくは0.9〜1.0であり、より好ましくは0.92〜1.0、さらに好ましくは0.94〜1.0である。モノグリセライドは、1−モノグリセライドと2−モノグリセライドの2種の構造異性体に分類され、1−モノグリセライドと2−モノグリセライドとの質量の和に対する1−モノグリセライドの質量分率が、モノグリセライド全量対する1−モノグリセライドの質量分率である。
2−モノグリセライドの水酸基はグリセロールの両末端(1位と3位)に分散して存在するのに対し、1−モノグリセライドの水酸基は局在化して(2位と3位)存在することから、分子全体の極性が高まる。これは、シリカプレートを用いた薄層クロマトグラフィーで、1−モノグリセライドのスポットが2−モノグリセライドのスポットより下に現れる(親水性が高く、シリカとの相互作用が大きい)ことからも確認できる。本発明において、モノグリセライド全量に対する1−モノグリセライドの質量分率が0.9〜1.0であるb成分を使用することで、害虫の捕獲効果及び殺虫効果の速効性をさらに高めることができる。
モノグリセライド全量に対する1−モノグリセライドの質量分率は、1H−NMRを用いてグリセロールの2位の炭素(下記図中1及び2で示す)に位置するプロトンの存在比から算出することができる。尚、1−モノグリセライドにおける1の水素原子は3.9ppmに、2−モノグリセライドにおける2の水素原子は4.9ppmに確認される。
【0011】
【化1】

1−モノグリセライド 2−モノグリセライド

【0012】
本発明のb成分のアシル基は、炭素数8〜12であり、より好ましくは炭素数8〜10、さらに好ましくは炭素数8である。原料となる炭素数8〜12の脂肪酸の好ましい純度としては88質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは92質量%以上である。炭素数が8未満の脂肪酸が主成分である場合、害虫の捕獲効果が不十分であり、炭素数が12を超える脂肪酸が主成分である場合、殺虫効果の速効性が不十分となる。
【0013】
本発明のc成分は水、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の水性溶媒であり、食品添加物公定書に収載された成分を好ましく用いることができる。水は蒸留水やイオン交換水等の精製水を好ましく用いることができる。エタノールはアルコール発酵によって得られたものでも、有機合成的手法によって得られたものでもよい。プロパノールは主に有機合成的手法によって合成されるが、構造異性体である1−プロパノール及び2−プロパノールのいずれも使用することができる。またプロピレングリコールは、酸化プロピレンの加水分解等で得られる1,2−プロパンジオール及び糖の微生物還元等によって得られる1,3−プロパンジオールの2種類の構造異性体に分類されるが、食品添加物公定書に収載されている点で1,2−プロパンジオールを用いることが好ましい。
【0014】
本発明のd成分は、1分子内に2〜4個のカルボキシル基又はホスホリル基を含有する有機酸又はその塩であり、d成分を含有することで殺虫効果の速効性をさらに高めることができる。d成分は食品添加物公定書に収載された成分を好ましく用いることができ、具体例としては、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸又はそれらの塩等が挙げられ、好ましくはエチレンジアミン四酢酸、クエン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸又はそれらの塩、さらに好ましくはエチレンジアミン四酢酸又はその塩である。
【0015】
組成物全量に対するa成分とb成分の含有量の和[a+b]は、0.1〜15質量%であり、好ましくは0.3〜12質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。[a+b]が15質量%を超えると、活性剤有効分が必要以上に高すぎてコスト的に不利である。一方、[a+b]が0.1質量%未満では、害虫の捕獲効果及び殺虫効果の速効性のいずれにおいても不十分である。
a成分とb成分の質量比[a/b]は、1/2〜4/1であり、好ましくは2/3〜3/1、より好ましくは2/3〜2/1である。[a/b]が4/1を超えると、害虫の捕獲効果において不十分であり、[a/b]が1/2未満の場合、害虫の捕獲効果及び殺虫効果の速効性において不十分である。
c成分の組成物全量に対する含有量は60〜99.5質量%であり、好ましくは70〜97.0質量%、より好ましくは80〜95.0質量%である。
d成分を使用する場合、含有量は組成物全量に対し0.05〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3.0質量%である。d成分の配合量が5.0質量%を超えると、製剤の保存安定性に対する悪影響が懸念される。
【0016】
本発明の害虫駆除組成物のpHは、特に限定されるものではないが、25℃、原液で好ましくは5.0〜8.0、より好ましくは5.5〜7.8、さらに好ましくは6.0〜7.5である。pHが中性から大きく外れると、食器やシンクへの悪影響が懸念される。
本発明の害虫駆除組成物には発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を添加することができ、その他添加成分としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の本発明以外の界面活性剤、植物油脂、動物油脂などの油脂類、スクワレン、流動パラフィンなどの炭化水素油、グリセリンなどの溶剤、トコフェロールなどの抗酸化剤、多糖類、防腐剤、香料、着色剤などを適宜配合することができる。
本発明の害虫駆除組成物は、噴射容器に充填され、泡状に噴射されることにより用いられる。この噴射様式は特に限定されないが、エアゾールタイプ、トリガー式スプレータイプ、蓄圧式スプレータイプ等が挙げられる。噴射様式として、エアゾールタイプを使用する場合、噴射剤としてLPG、炭酸ガス、窒素ガス等が用いられ、その使用割合は全組成中、0.1〜40質量%程度である。
本発明の害虫駆除組成物の対象生物は、例えば、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ等のゴキブリ類が主体であるが、アブラムシ類、ハダニ類、ノミ類、ダニ類、シラミ類等の昆虫類などの気門を有する陸性節足動物であれば特に限定されることなく広く使用することができる。
【実施例】
【0017】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
表1の配合液9質量部に対し、LPG1質量部を加え、これをエアゾール缶に詰め、バルブを取り付けてエアゾールを調製した。調製したエアゾールについて、1)殺虫効果の速効性、及び捕獲性能の指標として2)泡粘度について評価し、結果を表1に示した。
【0018】
<エアゾールの評価>
1)殺虫効果の速効性
i) 対象 ワモンゴキブリ雄成虫(新成虫を1週間飼育したもの)を各5匹使用
ii) 操作 透明のPET容器に入れたゴキブリに対して10mLの泡を噴射し、1分間放置した。その後、ゴキブリを水洗いし、水洗い直後、1分後、5分後、10分後、そして10分を超えた後のゴキブリの生存を物理的衝撃法(容器を叩いて、ゴキブリが動くか確認する)によって評価した。
判定は下記の基準で行い、AA及びAを合格とした。
(評点) : (評価)
AA : 水洗い直後に全てのゴキブリにおいて反応なし
A : 水洗い1分後に全てのゴキブリにおいて反応なし
B : 水洗い5分後に全てのゴキブリにおいて反応なし
C : 水洗い10分後に全てのゴキブリにおいて反応なし
D : 水洗い10分を超えてもゴキブリ1匹以上の生存が確認される
【0019】
2)泡粘度
捕獲性能の評価基準として、泡粘度を評価した。泡粘度が高いほど堅く安定な泡が形成され、害虫をしっかりと捕獲することができる。泡粘度はエアゾールで吐出した泡を、E型粘度計を用いて測定した。標準ローター(M2−21)を使用し、測定温度25℃、測定時間30秒後、回転数20〜100rpmのうち、装置が許容する最高回転数の条件で測定した。
判定は下記の基準で行い、AA及びAを合格とした。
(評点) : (評価)
AA : 泡粘度が5000mPa・s超
A : 泡粘度が2500〜5000mPa・s
B : 泡粘度が1000〜2500mPa・s
C : 泡粘度が500〜1000mPa・s
D : 泡粘度が500mPa・s未満
【0020】
【表1】

【0021】
なお、b成分及びb’成分(比較成分)として使用した市販の各脂肪酸グリセライドの、脂肪酸残基、モノグリセライド含量、及び1−モノグリセライド質量分率は、表2のとおりである。
【0022】
【表2】

【0023】
モノグリセライド含量はガスクロマトグラフィー(GC)によって測定した。GCの条件を以下に示す。
Column : OV−1 1.1m
Oven temp : 130℃(3min hold)→340℃(6min hold)
Inj・det temp : 350℃
Carriergas : He 50ml/min
Rate : 10℃/min
Detector : FID
前処理 : シリルエーテル化
【0024】
また、1−モノグリセライドの質量分率は、NMRスペクトルから下記の式に基づいて算出した(式(1)1、式(2)2は、段落[0010]参照)。
【0025】
【数1】

【0026】
表1において、比較例1は、a成分に代えて、脂肪酸残基の異なるポリオキシモノステアリン酸ソルビタンを、比較例2は、a成分に代えて、陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを、比較例3は、b成分に代えてモノグリセライドの含有量が85質量%よりも低いモノカプリル酸モノグリセリル(3)を、比較例4は、b成分に代えて炭素数が12を超える脂肪酸に由来するモノステアリン酸モノグリセリルを、比較例5は、b成分に代えてモノカプリル酸プロピレングリコールを、それぞれ配合した組成物であり、比較例6は、a成分とb成分の含有量の和[a+b]が0.1質量%より少なく、比較例7は、a成分とb成分の含有量の質量比[a/b]が1/2より小さく、比較例8は、a成分とb成分の含有量の質量比[a/b]が4/1より大きく、比較例9は、b成分又はそれに代わる成分を含まず、比較例10は、a成分又はそれに代わる成分を含まない組成物である。
表1の結果から明らかなとおり、実施例の組成物が、殺虫効果の速効性及び泡粘度の点で優れた成績を与えたのに対し、本発明の構成要件のいずれかを満たさない比較例の組成物は、殺虫効果の速効性、あるいは泡粘度の一方又は両方につき、有効な結果が得られなかった。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)、(b)及び(c)を含有し、a成分とb成分の含有量の和[a+b]が組成物全量に対し0.1〜15質量%、a成分とb成分の質量比[a/b]が1/2〜4/1、c成分の含有量が組成物全量に対し60〜99.5質量%である害虫駆除組成物。
(a)ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン
(b)アシル基の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドにおいて、b成分全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライド
(c)水、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の水性溶媒
【請求項2】
さらに、
(d)1分子内に2〜4個のカルボキシル基又はホスホリル基を含有する有機酸又はその塩
を組成物全量に対し0.05〜5.0質量%含有する、請求項1に記載の害虫駆除組成物。



【公開番号】特開2012−246273(P2012−246273A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121511(P2011−121511)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】