説明

家具用布帛

【課題】椅子用の荷重支持部材として適用した場合に、快適な座り心地が得られるとともに、パネル用の目隠し部材として適用した場合には、目隠し効果が適切に発揮されるようにした家具用布帛を提供する。
【解決手段】経条18および緯条19により格子状に組成した地組織17aに、緯条19よりも広幅の緯帯条部20を、生地の経方向の一端から他端側へ向けて離間させて、複数配列するとともに、これら互いに経方向に隣り合う緯帯条部20同士の配列間隔d1,d2・・・・dnを、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って漸次小さくし、かつその最小となった部位から漸次大きくなるように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子の背凭れや座体に張設される張材などの椅子用の荷重支持部材、あるいはパネル用の目隠し部材等に適用されて、様々な家具の一部をなすように用いられる家具用布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば椅子において、着座時に、着座者の身体が接する面、すなわち身体を支持する背凭れの背当て面や座体の座面を、メッシュ状に編成または織成することにより地組織を組成した弾性布帛からなる張材を張設することによって構成したものがある(例えば特許文献1および2参照)。
このような張材は、例えば着座者が背凭れに凭れ掛けた際における身体の荷重によって弾性変形する後方への撓み量を、背中の下部を支える下部側に比して、背中の上部を支える上部側を大きくすると、快適な座り心地と同時に、適度な通気性を得ることができる。
【0003】
しかし、上記特許文献1に記載の椅子の背凭れにおいては、枠状をなす背凭れフレームに、全体が均一な密度に組成されたメッシュ状の張材を張設しているため、張材の下部を適当な撓み量とすると、上部側が後方に大きく撓み過ぎ、反対に、張材の上部を適当な撓み量とすると、下部側が大きく撓み過ぎるという問題があり、いずれの場合も快適な座り心地が得られない。
【0004】
また、上記特許文献2に記載の背凭れにおいては、張材(背凭れシート体)を構成している生地の全面に、左右方向を向く帯状のメッシュ状部(低弾性部)を、生地とメッシュ状部とが上下方向に交互に並ぶようにして、上下複数段編み込んでいるので、張材全体としての撓み量は実質的に均一であり、下部側に比して、上部側の後方への撓み量を大きくして、座り心地を向上させるということはできない。
【0005】
さらに、張材は、長い糸をメッシュ状に組成することにより構成されており、それ自体の弾性変形力は、布帛全面のどの部位においても均一になっている。
そのため、この張材を、例えば椅子における背凭れの背当て面や座体の座面に適用した場合、着座者の背中や臀部、足が接する部位の荷重に対する支持強度がそれぞれ異なることから、弾性変形力が均一な張材では、身体の各部位に応じた好ましい着座感が得られない。
【0006】
このような不具合を解消するために、本出願人が先に出願し既に公開された椅子として、背凭れの張材を、強い支持力が必要である着座者の腰部に強い弾性抵抗を付与することができるように構成したものがある(特許文献3)。
【0007】
上記特許文献3に記載の椅子における背凭れに張設された張材は、弾性布帛におけるメッシュ状の地組織と、この地組織よりも密な帯条部とに完全に二分し、強い支持力が必要である着座者の腰部に相当する部位に帯条部を対応させ、その他の部位に対して地組織を対応させるような構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−135200号公報
【特許文献2】特開2006−094995号公報
【特許文献3】特開2009−112360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献3に記載の張材では、メッシュ状の地組織と、この地組織よりも密な帯条部とが隣接し合っていることから、着座者には、腰部の近傍に相当する部位において、地組織と帯条部との境界部における弾性支持力の差が極端に大きく、快適な着座感を得ることができない。
【0010】
また、弾性布帛を、パネル用の目隠し部材として適用した場合、地組織と帯条部との透過性の差が大きいため、パネルに対して見る目線の角度を変えると、目隠しされたパネルの部位が見えてしまい、目隠し効果を適切に発揮させることができないという問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、椅子用の荷重支持部材として適用した場合に、快適な座り心地を得ることができるとともに、パネル用の目隠し部材として適用した場合には、目隠し効果を適切に発揮させることができるようにした家具用布帛を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)単糸または太手撚糸の少なくもいずれか一方からそれぞれなる経糸または緯糸を複数本用いて、それぞれ構成される経条および緯条により格子状に組成した地組織の生地からなる家具用布帛であって、前記地組織に、前記緯条よりも広幅の緯帯条部を、前記生地の経方向の一端から他端側へ向けて離間させて、複数配列するとともに、これら互いに経方向に隣り合う緯帯条部同士の配列間隔を、前記生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から他端側に向って漸次大きくなるように形成する。
【0013】
(2)上記(1)項において、前記緯帯条部同士の配列間隔を、前記緯帯条部を構成する太手緯糸の本数を増加させて、緯帯条部の幅を広くすることにより、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から前記太手緯糸の本数を減少させて、緯帯条部の幅を狭くすることにより、漸次大きくなるようにする。
【0014】
(3)上記(1)項において、前記緯帯条部同士の配列間隔を、隣接する緯帯条部間における地組織の目数を減少させることにより、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から前記目数を増加させることにより、他端側に向って漸次大きくなるようにする。
【0015】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、前記複数本の緯帯条部により形成される配列模様のパターンを、生地の経方向に少なくとも1回以上繰返し連続させる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、経条および緯条により格子状に組成した地組織に、緯条よりも広幅の緯帯条部を、生地の経方向の一端から他端側へ向けて、複数離間させて配列するとともに、これら互いに経方向に隣り合う緯帯条部同士の配列間隔を、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から他端側に向って漸次大きく、換言すれば、生地の経方向の一端または他端から内方へ向うに従って漸次小さくしてあるので、例えば椅子用の荷重支持部材として使用して、緯帯条部同士の配列間隔の小さな部位近傍を、背凭れの腰部または座体の臀部とした場合、地組織の部位と緯帯条部の部位との間に弾性支持力の差のような違和感を受けることがことなく、快適な座り心地を得ることができる。
また、パネル用の目隠し部材として適用した場合には、緯帯条部の部位が広い面積に亘って設けられるので、目隠し効果を適切に発揮することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、緯帯条部同士の配列間隔を、緯帯条部を構成する太手緯糸の本数を増加させるとともに、緯帯条部の幅を広くすることにより、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から太手緯糸の本数を減少させて、緯帯条部の幅を狭くすることにより、他端側に向って漸次大きくなるようにしてあるので、布帛の製作する工程の中で、緯帯条部の幅の変化を、同じ作業の反復回数を増やしたり、減らしたりすることのみで、複数本の緯帯条部による配列模様を、地組織の表面に容易に形成することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、緯帯条部同士の配列間隔を、隣接する緯帯条部間における地組織の目数を減少させることにより、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、かつその最小となった部位から目数を増加させることにより、他端側に向って漸次大きくなるようにしてあるので、布帛の製作する工程の中で、地組織の経方向の目数を減少させたり、増加させたりすることのみで、複数本の緯帯条部による配列模様を、地組織の表面に容易に形成することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、複数本の緯帯条部により形成される配列模様のパターンを、生地の経方向に少なくとも1回以上繰返し連続させて形成することにより、大きな家具などに対しても容易に適用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明における一実施形態の家具用布帛を背凭れの張材に用いた椅子の不使用状態における正面図である。
【図2】同じく使用状態の側面図である。
【図3】同じく後傾状態の側面図である。
【図4】張材を構成する弾性布帛の一部を示す正面図である。
【図5】図4のV−V線における要部拡大縦断側面図である。
【図6】図4の円A部における弾性布帛の生地の地組織を構成する経条と緯条とからなる目形を一部拡大して示す正面図である。
【図7】図6の角枠B部における地組織を構成する経条と緯条との組成状態を、一部拡大して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明における一実施形態の家具用布帛を背凭れの張材に用いた椅子の不使用状態における正面図、図2は、同じく使用状態の側面図、図3は、同じく後傾状態の側面図である。
【実施例】
【0022】
図1〜図3に示すように、椅子1は、先端部にキャスタ2を備える放射状の5本の脚杆3を有する脚体4を備えている。
脚体4の中央には、ガススプリング(図示略)を備える伸縮式の脚柱5が立設され、脚柱5の上端には、支基6の後部が固着されている。
なお、支基6と脚柱5と脚体4とを、一体化することもある。
【0023】
支基6は、前方に向かって拡開する平面視三角形の浅い皿状をなし、側面視において、前上方に向かって傾斜している。
【0024】
座体7は、合成樹脂製の座板8と、その上面に取付けられたクッション材9とからなり、座板8の前端両側部は、支基6の前端両側部に左右方向を向く枢軸10をもって枢着され、座体7は、図1に示す後上向き傾斜する待機状態から、図2に示す水平または後下向き傾斜する使用位置に、枢軸10を中心として回動可能となっている。
これにより、着座者の荷重が脚柱5よりも後方に加わり、座体7の後部により、着座者の臀部を安定よく支持することができる。
【0025】
座板8の後端両側部には、背凭れ12の下端両側部が、左右方向を向く軸11をもって枢着されている。
背凭れ12は、図2に示すほぼ上方を向く起立位置と、この起立位置から、図3に示す後傾位置とに、軸11を中心として回動可能となっている。
【0026】
背凭れ12は、図1に示すように、正面視倒立U字状をなす背凭れフレーム13と、この背凭れフレーム13の上下方向の中間部の下方に横架した中間フレーム14とからなる枠状のフレーム15に、メッシュ状の張材16を張設して構成されている。
【0027】
図4は、張材を構成する弾性布帛の一部を示す正面図、図5は、図4のV−V線における要部拡大縦断側面図、図6は、図4の円A部における弾性布帛の生地の地組織を構成する経条と緯条とからなる目形を一部拡大して示す正面図、図7は、図6の角枠B部における地組織を構成する経条と緯条との組成状態を、一部拡大して示す模式図である。
【0028】
図4に示すように、張材16は、弾性布帛17を、経条18及び緯条19により格子状に組成した地組織17aからなっている。
【0029】
経条18及び緯条19同士は、ほぼ同一の幅をもって格子状に組成することにより、目の均一な地組織17aとされている。
この地組織17aは、図6に示すように、経条18と緯条19とを格子状に組成した際に、例えば幅2mmの経条18と、幅2mmの緯条19とをそれぞれ2mmの間隔を空けて格子状に組成すると、格子の中央に経・緯2mmの四角形の目孔が均一に形成されるような形態を有する。
【0030】
左右に延びる緯条19には、図1、図4に示すように、経方向、すなわち、背凭れ12の上下方向に、緯条19よりも広幅の緯帯条部20が、緯方向、すなわち背凭れ12の左右方向に延びるように形成されている。
前記緯帯条部20は、地組織17aよりも密に構成されている。
【0031】
この緯帯条部20は、生地の経方向に互いに離間させて複数配列され、これらの互いに経糸方向に隣り合う緯帯条部20同士の配列間隔d1,d2・・・・dnを、背凭れ12の上端から下方または座体7の前端から後方のほぼ中央部における着座者の腰部に相当する位置へ向うに従って一旦漸次小さくし、その最小dnとなった部位から漸次大きくなるような配列間隔dn,dn+1・・・・、換言すれば、背凭れ12の上下端から内方に向かって緯帯条部20同士の配列間隔が小さくなるような形態を有し、かつこれらの緯帯条部20を、図5に示すように、地組織17a上の表面に突出させることにより、地組織17a上の表面に、複数本の緯帯条部20により形成される配列模様(以下、これを横段模様と称する)を形成している。
【0032】
この横段模様のパターンは、適用される椅子の背凭れ16の大きさに合わせて、生地の経方向に少なくとも1回以上繰返し連続させて形成することができる。
このような複数本の緯帯条部20の配列によって、着座者の背中を安定して支持することができる。
【0033】
なお、前記緯帯条部20を形成する場合には、後記する地組織17aにおける緯条19の組成において、細手経糸21と太手緯糸23との組み合わせ、太手緯糸23が地組織17aの表面から畝状に突出しうる畝織り組織に組成することにより行われる。
これにより、緯帯条部20は、帯状段部として地組織17aの表面に段差を持たせて突出させることができる。
【0034】
すなわち、前記生地の地組織17aを組成するには、図7に示すように、経条18を、複数本の単糸21、例えば4本の細手経糸21a〜21dと複数本の太手撚糸22、例えば4本の太手経糸22a〜22dとより構成するとともに、これらの太手経糸22a〜22dの両側に、細手経糸21a〜21dをそれぞれ2本ずつ配列する。
一方、緯条19は、複数本の太手撚糸23、例えば3本の太手緯糸23a〜23cにより構成する。
また、これら互いに経方向に隣り合う緯条19の間の目孔となる格子間隙の中には、複数本の単糸24、例えば3本の透明な細手緯糸24a〜24cが、補強糸として配列されている。
【0035】
次に、生地における地組織17aの組成状態を説明する。
経条18を構成する4本の細手経糸21a〜21d中における一方の外側に配列される細手経糸21aに対しては、3本の細手緯糸24a〜24cが、3本の太手緯糸23a〜23cを3越して平織り状態に組織される。
他方の外側に配列される細手経糸21dに対しては、3本の細手緯糸24a〜24c及び3本の太手緯糸23a〜23cが平織り状態に組織される。
【0036】
経条18を構成する4本の太手縦糸22a〜22dに対しては、3本の細手緯糸24a〜24c及び3本の太手緯糸23a〜23cがそれぞれ交互に平織り状態に組織されるとともに、4本の太手縦糸22a〜22d中における外側2本の太手経糸22a,22dは、4本の細手経糸21a〜21d中における内側2本の細手経糸21b及び21dに対して、それぞれ綟織り状態に絡ませて組織される。
これにより、生地の地組織17aを、経条18と緯条19とにより格子状に組成するとともに、組成後の経条18が緯方向にずれたり、緯条19が経方向にずれたりすることなく、格子形態を確実に保持しうるように組織されている。
【0037】
上記した張材16における生地の地組織17aを構成する緯条19を、部分的に地組織17aの表面に突出しうる緯帯条部20に形成するには、例えば図7に示す緯条19における経方向の両側に、太手緯糸23を2本ずつ重ね合わせるとともに、これらの太手緯糸23を、緯条19の織成工程中に、必要に応じて補強糸となる細手緯糸24を補充しながら組み入れて、緯条19を構成する太手緯糸23と共に畝織り組織でもって組成することにより行われる。
また、互いに経方向に隣り合う緯帯条部20同士の配列間隔d1,d2・・・・dnを、背凭れ12の上端から下方のほぼ中央部における着座者の腰部に相当する位置へ向うに従って漸次小さくするには、各緯帯条部20の幅s1,s2・・・・snを、太手緯糸23の本数を部分的に増加させると同時に、緯帯条部20間における経方向の目数を漸次減少させることにより行われる。
さらに、緯帯条部20同士の配列間隔が最小dnで、かつ緯帯条部20の幅が最広snな部位から緯帯条部20同士の配列間隔dn,dn+1・・・を漸次大きくするには、太手緯糸23の本数を部分的に減少させると同時に、緯帯条部20間における地組織17aの経方向の目数を漸次増加させることにより行われる。
この場合、例えば背凭れ12の上部のように、緯帯条部20同士の配列間隔d1,d2が広く、緯帯条部20の幅s1,s2が狭くてほぼ等しい部位においては、互いに経方向に隣り合う緯帯条部20間における地組織17aの経方向の目数のみを減少させることにより、緯帯条部20同士の配列間隔を部分的に漸次小さくすることも可能である。
【0038】
なお、上記の実施形態では、椅子の背凭れに張設される張材を例に説明したが、座体などに張設される張材や大型のパネルなどの大きな家具の目隠し部材にも適用することも可能である。
座体の場合には、横段模様を形成する各緯帯条部20同士の配列間隔d1,d2・・・・dnを、座体の前端から後方のほぼ中央部における着座者の臀部に相当する部位へ向うに従って一旦漸次小さくなるように配列し、その後の配列間隔dn,dn+1・・・・を漸次大きくなるように配列、換言すれば、座体の前後端からほぼ中央部における着座者の臀部に相当する内方に向かって緯帯条部20同士の配列間隔が小さくなるように配列することにより、着座者の臀部を安定して支持することができる。
また、大きな家具の目隠し部材の場合には、大きさに合わせて横段模様を、生地の経方向に少なくとも数回繰返し連続させて形成することにより、容易に適用させることができ、目隠し効果を適切に発揮させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 椅子
2 キャスタ
3 脚杆
4 脚体
5 脚柱
6 支基
7 座体
8 座板
9 クッション材
10 枢軸
11 軸
12 背凭れ
13 背凭れフレーム
14 中間フレーム
15 フレーム
16 張材
17 弾性布帛
17a 地組織
18 経条
19 緯条
20 緯帯条部
21 単糸
21a〜21d 細手経糸
22 太手撚糸
22a〜22d 太手経糸
23 太手撚糸
23a〜23c 太手緯糸
24 単糸
24a〜24c 細手緯糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単糸または太手撚糸の少なくもいずれか一方からそれぞれなる経糸または緯糸を複数本用いて、それぞれ構成される経条および緯条により格子状に組成した地組織の生地からなる家具用布帛であって、前記地組織に、前記緯条よりも広幅の緯帯条部を、前記生地の経方向の一端から他端側へ向けて離間させて、複数配列するとともに、これら互いに経方向に隣り合う緯帯条部同士の配列間隔を、前記生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から他端側に向って漸次大きくなるように形成したことを特徴とする家具用布帛。
【請求項2】
前記緯帯条部同士の配列間隔を、前記緯帯条部を構成する太手緯糸の本数を増加させて、緯帯条部の幅を広くすることにより、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から前記太手緯糸の本数を減少させて、緯帯条部の幅を狭くすることにより、漸次大きくなるようにした請求項1記載の家具用布帛。
【請求項3】
前記緯帯条部同士の配列間隔を、隣接する緯帯条部間における地組織の目数を減少させることにより、生地の経方向の一端から他端側へ向うに従って一旦漸次小さくし、その後、その最小となった部位から前記目数を増加させることにより、他端側に向って漸次大きくなるようにした請求項1記載の家具用布帛。
【請求項4】
前記複数本の緯帯条部により形成される配列模様のパターンを、生地の経方向に少なくとも1回以上繰返し連続させた請求項1〜3のいずれかに記載の家具用布帛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−256503(P2011−256503A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133795(P2010−133795)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】