説明

家庭内等設置用節水システム

トイレを除いた、手洗器及びその他の浴室にある衛生機器から発生した家庭雑廃水を再使用し、該家庭雑廃水をタンクに貯水して、そこからトイレのシスターンに、適宜供給するというアイデアに基づいて、本発明は、家庭雑廃水取水口連結具(1)から、主管(5)、粒子フィルタ(9)、フロースイッチ(11)、循環ポンプ(14)、当該水再循環ポンプ(15)を有するオゾン注入器(16)、逆止弁(18)で構成し、フロースイッチ(11)により、プログラム制御可能な自動装置(12)に情報を送信し、該自動装置が次に上記ポンプ(14及び15)と副管(6)の電気弁(8)の両方を制御し、該副管を通して家庭雑廃水を排出するが、貯水装置が満杯の場合、建物の縦樋への排出口(7)を用いて、排出する。
従って、トイレのシスターンでは、完全に濾過した水を受容して、閉鎖システムにおける密閉体による妨害、密閉体の紛失を回避でき、更に、細菌や他の微生物をオゾン注入器(16)によって除去し、水を細菌や他の微生物がいない状態に保てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用衛生システム及び同様に水を使用するオフィスや他の作業所等他の場所で使用する水を大幅に節約可能にするよう、特に考案したシステムに関する。
【0002】
本発明の目的は、消費した水の一部を再使用可能にすることであり、特にトイレで使用する水に対してこれを行い、その結果、節約となるものである。
【0003】
従って、本発明は、建築分野、特に住宅、より具体的には、該建物の一部を構成する衛生的な水を供給及び廃水する分野に、適用可能である。
【背景技術】
【0004】
飲料水の価格が次第に高くなるといった問題は、周知であり、気候状況、人口密度の増大、大都心での人口密度集中等の複数の異なる種類の要因から、生じている。
【0005】
この問題に対する1つの明らかな解決方法、少なくとも部分的に解決する方法は、家庭レベルで水の消費を削減し、その消費削減が利用者の衛生活動に悪影響を与えないようにすることである。
【0006】
節水方法は、例えば蛇口を出来るだけ閉める、流量を少なくする等の、消費を削減する方法とは関係なく、水の消費を多いに節約できる方法として、出来る限り常に、水を再使用することである。
【0007】
この最後の態様では、手洗器、風呂、シャワー等からの使用済み廃水を、タンクに貯水し、その以前に使用した水をトイレ等、清浄水が明らかに必要とされない場所で、再使用することが、知られている。
【0008】
それにも関わらず、このシステムに基づく既知の解決方法には、基本的に以下の側面に基づく欠点がある:
- 家庭雑廃水には、粒子が混じり、該粒子が大き過ぎて、シスターンの補充及び排出機構において、障害になる、或は密閉不足といった問題を引き起すことが多い。
- 再使用する水には、健康に有害な細菌や他の微生物が混じることが多い。
- それらの殆どで、再使用可能な廃水流量と、トイレで使用するのに必要な量とが正又は負の不均衡となり、サービス、利用可能性等の問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で提案する節水システムは、トイレ・シスターンの供給部に、上述した他の消費源からの廃水を提供する群に属し、完全に満足のいく方法で、個々の及び全ての上記側面において、前述した欠点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これを行うために、より具体的には、上記システムには2つの基本要素を有し、該要素を、過剰な廃水を処理し排除する1つの装置と、シスターンとして使用するための貯水タンクと、する。
【0011】
上記処理装置には、その構成要素全てを開口ケーシング内に収容しており、家庭雑廃水取水口を組込み、該取水口により、当該トイレを除いた、例えば浴室等から全廃水を回収し、取水口を2股に分岐させ、片方を、電気弁の助けを借りて建物の縦樋へと直接排出させ、他方を、その中にフィルタ、フロースイッチ、水循環ポンプ、オゾン注入器、第2水再循環ポンプ及び逆止弁を配設する再使用管にし、各要素を1列に特定の順番に配列し、該順番を貯水タンクに向けた当該排水口で終端させ、該タンクを、略平坦なタンクとし、浴室の仮天井に設置でき、そこからシスターンに供給する。
【0012】
プログラム制御可能な自動装置を、好適にはタンク内に配設するレドックスプローブで補助し、該自動装置により、ポンプ及び電気弁を制御して、確実に、十分に処理した廃水を、常に出来る限り貯水タンクの容量一杯にし、且つ過剰な水を、家庭雑廃水取水口を建物の縦樋と連結するバイパスを介して排除する、と同時にデジタル画面によりシステム全体を視覚的に制御できる。
【0013】
本発明の別の特徴によれば、ケーシングに動作可能に作製した跳上式扉により、上記プログラム制御可能な自動装置と取水口フィルタとの両方に、該取水口フィルタを洗浄し、自動装置のメンテナンスを行えるように、直接接近可能にする。
【0014】
本明細書の実施を補足するために、また本発明の特徴を一層理解し易くする目的で、本発明の好適実施例に従い、図面群を、本明細書と一体を成すものとして添付し、以下に示すが、例示的で非限定的な特性を示したに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】略斜視図により、本発明の目的に従い実施する家庭内等設置用節水システムを示しており、ケーシングを、その内部構成要素を明瞭に示すために、透明にしてこれを示している。
【図2】該ケーシングの略図を示しており、内部構成要素を省略して、本システムの異なる取水管及び排水管への連結具を通す開口部のみを記載している。
【図3】前図で示した構造体を補完する、水タンクの略図を、オゾン処理システムを組込んでこれを示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前述したように、提案したシステムは、図1及び図2で示した構造体と、図3で示したタンクとを機能的に組合せた結果であり、該タンクにより、該構造体で生成した水を貯水し、その水を使用する必要がある場合に、トイレに供給する。
【0017】
図1では、再使用するために設けた家庭雑廃水取水口(1)が視認されるが、ネジ付連結具の形とし、該連結具には、手洗器、シャワー等から来る当該回収管を結合させ、該連結具を、図3に示すように、回収水タンク(3)を除いた本システムの大部分を含むケーシング(2)の壁に、嵌め込む。
【0018】
主管(5)及び副管(6)を決定するバイパス(4)を、ケーシング(2)内側で、連結具(1)の後に配設し、それによりシスターンで再使用する廃水の濾過及び排水を、主管(5)を通して行う一方、余水を別の連結具(7)を介して建物の縦樋に連結させる副管(6)から排出し、該副管(6)には、通常は閉鎖しておき、タンク(3)が完全に満杯になると開放する電気弁(8)を有する。
【0019】
まず初めに、フィルタ(9)を主管(5)に配設し、該フィルタで家庭雑廃水に混じった全粒子を収集し、その直後に閉鎖弁(10)を配設し、これを手動で作動させ、それにより、フィルタ(9)を清掃するために取外す必要がある場合に、上記主管(5)を通る水路を遮断可能にする。
【0020】
その直後に、フロースイッチ(11)(流量スタット)を配置し、該フロースイッチは、プログラム制御可能な自動装置(12)へ主管(5)内にある水についての情報を提供する役割を果たすが、その目的は、該自動装置(12)をデジタル画面(13)で補助して、循環ポンプ(14)及び再循環ポンプ(15)について適切な制御命令を生成させる目的がある。循環ポンプ(14)はフロースイッチ(11)とオゾン注入器(16)との間に配置し、再循環ポンプ(15)はオゾン発生器(11)自体に内蔵して、図3でも視認できるように、主管(5)に配設したベンチュリ(17)に対して作動させ、逆止弁(18)を該ベンチュリの直後に配置し、主管(5)を、ケーシング(1)に対向する壁に配設する別の連結具(19)で終端させ、該連結具に、本装置のこの部分をタンク(3)と結合させる管を連結する。
【0021】
プログラム制御可能な自動装置(12)を、オゾン発生器(16)と同じく、電源(20)によって、住宅の一般的な電力供給網に接続する。
【0022】
本システムの設置を簡略化するために、上記連結具の他に、タンクから来る再生水及び処理水取水口連結具(21)と、シスターンに向かう当該排水口連結具(22)を、ケーシング(1)の壁内部に配置し、両連結具の内取水口連結具(21)を、セラミックフィルタ(23)で補助する。
【0023】
前述したように、ケーシング(2)を開口して、上蓋(24)を備える箱型とし、該上蓋をヒンジ結合させると共に、1対のレジスタ(25及び26)を備え、レジスタ(25)をプログラム制御可能な自動装置(12)及びセラミックフィルタ(23)と対向させ、レジスタ(26)を入口フィルタ(9)と対向させる。
【符号の説明】
【0024】
1 取水口
2 ケーシング
3 タンク
4 バイパス
5 主管
6 副管
7、19、21、22 連結具
8 電気弁
9 フィルタ
10 閉鎖弁
11 フロースイッチ
12 自動装置
13 デジタル画面
14 循環ポンプ
15 再循環ポンプ
16 オゾン注入器
17 ベンチュリ
18 逆止弁
20 電源
23 セラミックフィルタ
24 上蓋
25、26 レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手洗器、風呂、シャワー等トイレを除いた機器で発生した家庭雑廃水を再使用し、トイレのシスターンに供給するよう設けると共に、廃水回収タンクを有して、該タンクからシスターンに供給する方式の家庭内等設置用節水システムであって、取水口連結具(1)を該システムに配設し、該連結具で再使用可能水の管を纏め、該連結具を主管(5)と結合させ、前記主管に沿って連続して、粒子フィルタ(9)、フロースイッチ(11)、循環ポンプ(14)、再循環ポンプ(15)で補助するオゾン注入器(16)、逆止弁(18)をこの順番で配設し、該逆止弁の後に、第2連結具(19)を配設し、該第2連結具を介してこの機構を前記水タンク(3)に連結するが、該タンクを、プログラム制御可能な自動装置(12)の対象となるシステムに入れて予め設けておき、前記自動装置をデジタル画面(13)で補助し、前記自動装置によって前記システムを前記フロースイッチ(11)から受信した情報に基づいて制御すること、
を特徴とする家庭内等設置用節水システム。
【請求項2】
副管(6)を、前記家庭雑廃水取水口連結具(1)の直後に配設したバイパス(4)を用いて前記主管(5)と並行に配設し、前記副管(6)には、電気弁(8)を備え、別の連結具(7)を介して、建物の縦樋と連結させ、それにより前記電気弁(8)を、前記水タンク(3)が満杯になった場合に、前記プログラム制御可能な自動装置(12)が命令すると、開放すること、を特徴とする請求項1に記載の家庭内等設置用節水システム。
【請求項3】
前記オゾン注入器(16)を、前記主管(5)にベンチュリ(17)を介して連結すること、を特徴とする前請求項に記載の家庭内等設置用節水システム。
【請求項4】
前記水タンク(3)以外の、前記システムの前記異なる構成要素を、開口ケーシング(2)内部に蓋部(24)から収容し、前記ケーシングの壁には、前記家庭雑廃水管用の異なる連結具を配置、固着して、前記家庭雑廃水を直接排出すると共に処理水を前記タンクに向けて排出し、該処理水の排出をセラミックフィルタ(23)で補助すること、を特徴とする前請求項に記載の家庭内等設置用節水システム。
【請求項5】
2個のレジスタを前記ケーシングに配設し、片方のレジスタ(25)を前記プログラム制御可能な自動装置(12)及び前記セラミックフィルタ(23)と対向させ、他方のレジスタ(26)を同様に粒子フィルタ(9)と対向させ、該粒子フィルタ付近に手動で作動させる弁(10)を配設して、前記フィルタの清掃動作中に前記主管(5)を通る流動循環を遮断すること、を特徴とする前請求項に記載の家庭内等設置用節水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−535956(P2010−535956A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519479(P2010−519479)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/ES2007/000483
【国際公開番号】WO2009/022026
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(510035174)
【Fターム(参考)】