説明

家庭用燃料電池システム

【課題】本発明は、都市ガスなどの原料ガスを使用する家庭用燃料電池システムに関するものであり、家庭用燃料電池システムの残留ガスが、市中のガス配管へ逆流するのを防止することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、ガス入口102から燃料ガス生成部106までの原料ガス供給配管103に、ガス入口102側から順に、第一のガス元弁104aと、ガス入口102方向へのガスの逆流を防止する逆流防止弁110を設けたものである。
これにより、燃料電池システム101の内部の残留ガスが、市中のガス配管100に逆流するのを、防止することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ガスなどの原料ガスを使用する家庭用燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用燃料電池システムは、図3に示すような構成となっていた。
【0003】
図3に示すように、都市ガスなどのガス配管100にガス入口102が接続され、これによりこのガス配管100から原料となるガスが燃料電池システム101に供給されるようになっている。
【0004】
燃料電池システム101のガス入口102に接続された原料ガス供給配管103には、下流に向けて順に、ガス元弁104a、104b、分岐部103a、原料ガス供給配管103b、流量調整弁105b、燃料ガス生成部106、加湿器107、燃料電池部108、燃焼部109が接続されている。
【0005】
または分岐部103aから原料ガス供給配管103cをとおり流量調整弁105cを経て燃焼部109が接続されている。
【0006】
つまり、燃料ガス生成部106で作成された燃料ガスが加湿器107を経て燃料電池部108で消費され、発電が行われた後、燃料残ガスは燃焼部109に送られる構成となっている。(例えばこれに類似する構成は下記特許文献1に記載されている)
【特許文献1】特開2000−294264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の構成において、燃料電池システム101が運転から停止状態に至った時、何らかの原因で燃料ガス生成部106や燃焼部109や加湿器107や燃料電池部108の内部に残留するガスが膨張して圧力が高まることがある。そして、その圧力が、ガス元弁104a、104bの閉止能力以上に高くなると、市中のガス配管100に逆流する恐れがある。
【0008】
そこで本発明は、家庭用燃料電池システムの残留ガスが、市中のガス配管へ逆流するのを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、ガス入口から燃料ガス生成部までの原料ガス供給配管に、ガス入口側から順に、第一のガス元弁と、ガス入口方向へのガスの逆流を防止する逆流防止体を設け、これにより初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のごとく本発明の家庭用燃料電池システムは、ガス入口から燃料ガス生成部までの原料ガス供給配管に、ガス入口側から順に、第一のガス元弁と、ガス入口方向へのガスの逆流を防止する逆流防止体を設けたものであるので、家庭用燃料電池システムが運転から停止状態に至った時などに、何らかの原因で内部に残留するガスが膨張し、圧力が異常に高まった場合でも、逆流防止体により、市中のガス配管に残留ガスが逆流するのを防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における家庭用燃料電池システムの構成図である。図1において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を簡略化する。
【0013】
本実施形態では図1に示すごとく、ガス入口102と分岐部103aの間に、ガス入口102方向への逆流防止機能を実現する逆流防止体の一例として逆流防止弁110を設けている。つまり、分岐部103aの上流に配置すれば、燃料ガス生成部106側と、燃焼部109側の二系統からの逆流をこの逆流防止弁110一つで阻止することができるのである。
【0014】
以上の構成によれば、燃料ガス生成部106や燃焼部109、さらに加湿器107や燃料電池部108の内部に残留するガスが膨張して圧力が高まり、ガス元弁104a、104bの閉止能力以上に高くなるというような不測の事態に至った時でも、ガス元弁104a、104bに至る前に逆流防止弁110が閉止することによって、残留ガスが市中のガス配管100に逆流するのを防ぐことができる。
【0015】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の家庭用燃料電池システムの構成図である。図2において、図1、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を簡略化する。
【0016】
図2の実施形態においては、図1のガス元弁104bに代えて逆流防止体111を設けたものである。この逆流防止体111は、ガス元弁機能と逆流防止弁機能を兼ね備えたものであり、その弁の開口方向を燃料ガス生成部106方向としている。
【0017】
そして以上の構成によれば、通常使用時に逆流防止体111を開弁後に、燃料ガス生成部106や燃焼部109、さらに加湿器107や燃料電池部108の内部に残留するガスが膨張して圧力が高まり、ついにガス元弁104aの閉止能力以上に高くなるというような不測の事態に至った時には、逆流防止体111が燃料ガス生成部106方向からの圧力を受け、弁が閉口することになる。この為、燃料電池システム101の内部の残留ガスが、市中のガス配管100に逆流するのを防ぐことができ、さらに、弁開時には通常のガス元弁を2重に設置した場合と同程度の配管抵抗を有する状態となるので、配管抵抗の増加によるガス流量への影響をなくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
以上のごとく本発明の家庭用燃料電池システムは、ガス入口から燃料ガス生成部までの原料ガス供給配管に、ガス入口側から順に、第一のガス元弁と、ガス入口方向へのガスの逆流を防止する逆流防止体を設けたものであるので、家庭用燃料電池システムが運転から停止状態に至った時などに、何らかの原因で内部に残留するガスが膨張し、圧力が異常に高まった場合でも、逆流防止体により、市中のガス配管に残留ガスが逆流するのを防止することが出来る。
この為、家庭用燃料電池システムの安全機能として有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における家庭用燃料電池システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態2における家庭用燃料電池システムの構成図
【図3】従来の家庭用燃料電池システムの構成図
【符号の説明】
【0020】
100 ガス配管
101 燃料電池システム
102 ガス入口
104a、104b ガス元弁
106 燃料ガス生成部
107 加湿器
108 燃料電池部
109 燃焼部
110 逆流防止弁
111 逆流防止体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス入口から燃料ガス生成部までの原料ガス供給配管に、ガス入口側から順に、第一のガス元弁と、ガス入口方向へのガスの逆流を防止する逆流防止体を設けた家庭用燃料電池システム。
【請求項2】
逆流防止体は、第二のガス元弁により構成し、この第二のガス元弁はその弁の開口方向を燃料ガス生成部方向とした請求項1に記載の家庭用燃料電池システム。
【請求項3】
逆流防止体と燃料ガス生成部間に、原料ガス供給配管の分岐部を設けた請求項1または2に記載の家庭用燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−43528(P2009−43528A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206590(P2007−206590)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】