説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】容器内の気密性を確保し、容器内の家庭用薄葉紙の取り出しやすさを確保することができる家庭用薄葉紙収納容器を提供する。
【解決手段】家庭用薄葉紙Pが内包されている薄葉紙包装体210を内側に収納するとともに、上面に家庭用薄葉紙Pの取出口11を有する容器本体1と、底蓋2を備える家庭用薄葉紙収納容器2000であって、取出口11の周囲に設けられた気密部材6と、底蓋2に設けられ、薄葉紙包装体210を載置する載置部材220と、載置部材220を取出口11の方向に付勢することで、気密部材6と薄葉紙包装体210とを密着させる弾性部材230と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
そして、ウェットタイプの家庭用薄葉紙が折り畳まれ、複数枚積層された状態で封入された包装体を、家庭用薄葉紙収納容器に設けられている取出口の内面側に着脱可能に固定して、その取出口から家庭用薄葉紙を取り出しやすくした容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ウェットタイプの家庭用薄葉紙が折り畳まれ、複数枚積層された状態で封入された包装体の外装シート側面を収縮可能にすることで、封入された家庭用薄葉紙の枚数が少なくなっても、包装体内部で家庭用薄葉紙が踊ることなく、確実に取り出すことが出来る容器が知られている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開平8−72949号公報
【特許文献2】特開平8−80981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、容器の取出口の内面側に設けられた係合溝に対して、包装体の開口部分に形成されている係合部を摺動させて着脱するようにされており、家庭用薄葉紙を取り出しやすくされているが、その取出口と包装体の間には隙間が生じ、気密性が低いので、全ての家庭用薄葉紙を使い終える前に、包装体内のウェットタイプの家庭用薄葉紙が乾燥してしまうことがあるという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献2の場合、包装体内のウェットタイプの家庭用薄葉紙の枚数が減少し、包装体が上下方向に収縮したとしても、取出口方向へ包装体が近接していくことはないので、取出口と包装体が密着することはなく、両者間に隙間が生じるので、上記特許文献1と同様の問題があった。
【0006】
本発明の目的は、容器と包装体との間の気密性を確保でき、且つ、容器内の家庭用薄葉紙の取り出しやすさを確保することができる家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
家庭用薄葉紙が内包されている薄葉紙包装体を内側に収納するとともに、上面に前記家庭用薄葉紙の取出口を有する容器本体を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記取出口の周囲に設けられた気密部材と、
前記容器本体内に設けられ、前記薄葉紙包装体を載置する載置部材と、
前記載置部材を前記取出口の方向に付勢することで、前記気密部材と前記薄葉紙包装体
とを密着させる弾性部材と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記載置部材は、板状に形成されており、前記弾性部材は、前記載置部材の下面に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記載置部材は、板状に形成されており、前記弾性部材は、一端が前記容器本体の上面に取り付けられるとともに他端が前記載置部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記取出口を開閉する上蓋を備え、前記上蓋には、前記取出口を閉蓋する際に前記気密部材と密着する密着部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記薄葉紙包装体の開口部の周囲は、前記気密部材と全周にわたって当接する環状部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、家庭用薄葉紙収納容器に設けられた弾性部材が載置部材を取出口の方向に付勢することで、家庭用薄葉紙が内包されている薄葉紙包装体を載置する載置部材が容器本体の取出口側に持上げ、薄葉紙包装体の開口部の周囲と取出口に配されている気密部材を密着させることができるので、容器と薄葉紙包装体との間の気密性を確保することが出来る。
さらに、ユーザが家庭用薄葉紙を使用すると、使用された家庭用薄葉紙の重量に比例して載置部材が薄葉紙包装体を持上げる。この時、薄葉紙包装体に内包された各家庭用薄葉紙は、均等に持上げられるので、容器本体の取出口に近接した位置に保つことができることとなって、ユーザは家庭用薄葉紙収納容器に内包されている薄葉紙の枚数に左右されず、容易に家庭用薄葉紙を取り出すことが出来る。
つまり、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器は、容器と薄葉紙包装体との間の気密性を確保でき、且つ、容器内の家庭用薄葉紙の取り出しやすさを確保することができる家庭用薄葉紙収納容器であるといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した好適な実施形態1として例示する家庭用薄葉紙収納容器2000を示す斜視図であり、図2は、家庭用薄葉紙収納容器2000を示す正面図である。図3及び図4は、家庭用薄葉紙収納容器2000を示す平面図であり、図5は、家庭用薄葉紙収納容器2000の底蓋2を示す平面図である。図6は、家庭用薄葉紙収納容器2000における容器本体1と底蓋2との係合状態を示す説明図である。図7は、図3のVII−VII線における家庭用薄葉紙収納容器2000の断面図である。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器2000の前後方向をX軸方向として、操作部4が設けられている側を前側とし、操作部4と反対側を後側とする。また、左右方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0015】
本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器2000は、図1から図7に示すように、平面視にて略楕円形状をなし、側面視(正面視)にて略半球状に形成されている。
具体的に、家庭用薄葉紙収納容器2000は、例えば、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙Pを内包する詰替え用の薄葉紙包装体210(図7参照)を内側に収納するとともに、上面に家庭用薄葉紙Pの取出口11を有し、底面に底面開口15を有する容器本体1と、容器本体1の上部に回動自在に設けられ取出口11を開閉する上蓋3と、容器本体1の底面開口15を塞ぐ底蓋2と、取出口11を開蓋状態とするために操作される操作部4等を備えて構成されている。
【0016】
まず、図1〜図7を参照しながら、家庭用薄葉紙収納容器2000の容器本体1と底蓋2について説明する。
【0017】
容器本体1は、例えば、PP(ポリプロピレン)等の熱可塑性樹脂を射出成形することにより製造され、上下両側に開口(取出口11、底面開口15)を有し、周面が曲面形状に形成されている。
具体的に、容器本体1は、図1〜図7に示すように、下端部に平面視にて略楕円形状を呈する底面開口15と、上部側ほど小径となるように湾曲して形成された周面部14と、この周面部14の上端に連続して形成された上面部12と、この上面部12に設けられ、収納部5に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出口11等を備えている。
この容器本体1は、容器本体1の底面開口15を塞ぐように底蓋2が取り付けられることで、その底蓋2とともに家庭用薄葉紙P(薄葉紙包装体210)を収納する収納部5としての空間を確保するものである。
【0018】
容器本体1の底面開口15に取り付けられる底蓋2は、例えば、PP(ポリプロピレン)等の熱可塑性樹脂を射出成形することにより製造され、平面視にて容器本体1の底面開口部15と合致する略楕円形状をなし、全体として平板状に形成されている。
具体的に、底蓋2には、図1〜図7に示すように、その外周縁に底周壁22が立設されており、底周壁22の先端部から下方に向けては第2底周壁23が吊設されている。さらに、第2底周壁23の先端縁から上方に向けて第3底周壁24が立設されており、第2底周壁23と第3底周壁24により断面形状U字状の嵌合溝25が形成されている。
更に、家庭用薄葉紙収納容器2000の収納部5における底蓋2側には、容器本体1の収納部5に収納する薄葉紙包装体210が載置される載置部材220と、載置部材220を上方(Z方向)に押し上げるように付勢する弾性部材230が備えられている。
そして、底蓋2の嵌合溝25と容器本体1の底面開口部15とが嵌合することで、容器本体1が密閉されるようになっている。
【0019】
載置部材220は、弾性部材230を介して底蓋2の内面(上面)に取り付けられ、例えば、上下面(Z方向に直交する両面)が平坦な平板状に形成されており、その載置部材220の上面に容器本体1の薄葉紙包装体210が安定した姿勢で載置されるようになっている。
弾性部材230は、載置部材220の下面と底蓋2との間に取り付けられて、その載置部材220を上方(Z方向)に向けて押し上げるようになっており、例えば、スポンジやスプリング(ばね部材)などによって構成されている。
【0020】
また、底蓋2には、底蓋2の着脱動作の際に把持される2つの把持部21、21が設けられている。
各把持部21は、第3底周壁24の周縁の前側であって、正面視にて操作部4の左右両側から容器の外側に向けてそれぞれ突設されている。この把持部21の上面における基端側中央には、容器本体1の底面開口部15の周縁に設けられた本体側ガイド凸部155、155と係合する底蓋側ガイド凹部211、211が設けられている。
そして、この係合部としての底蓋側ガイド凹部211、211に、被係合部としての本体側ガイド凸部155、155が合致するように係合させることにより、容器本体1の底面開口部15と底蓋2の嵌合溝25とが、正しい位置で係合されるようになっている。なお、容器本体1と底蓋2とが係合される正しい位置とは、互いに略同一の楕円形状からなる容器本体1の底面開口部15と底蓋2の嵌合溝25とが係合した際に、一方(容器本体1)と他方(底蓋2)の楕円の長軸方向と短軸方向とが一致することにより容器本体1や底蓋2に歪みや変形が生じることがなく、容器本体1と底蓋2とが隙間無く密閉されて気密性を損なうことがない状態を維持可能な取り付け位置のことである。
【0021】
そして、容器本体1は、周面部14の下端部である底面開口部15と、底蓋2の嵌合溝25とが係合することにより、底面開口部15を塞ぐことができる一方で、その係合を解除することにより、容器本体1の内部を開放(露出)させることが可能になっている。
つまり、収納部5に家庭用薄葉紙P(薄葉紙包装体210)を収納する場合には、容器本体1から底蓋2を取り外して、容器本体1の内側に家庭用薄葉紙P(薄葉紙包装体210)を収容した後、容器本体1に底蓋2を取り付けて、底面開口部15を閉塞するようになっている。
【0022】
容器本体1の上面部12の略中央には、収納部5に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出口11が形成されている。そして、取出口11には、取出口11の開口の周囲に密接する環状の気密部材6が備えられている。
【0023】
この取出口11の内周面には、図7に示すように、気密部材6を取り付けるための環状溝部11aが形成されている。
【0024】
気密部材6は、例えば、シリコンゴムなどの弾性材料からなり、容器本体1の取出口11の内周面に形成されている環状溝部11aに、その気密部材6の径方向外側に突出している外縁部61が隙間無く密着するように嵌め込まれている。
この気密部材6の底面側の内縁には、薄葉紙包装体210の開口部210aと連通するようになる内縁開口部62が形成されており、また、気密部材6の上面側には、上方に延在する密閉環部63が形成されている。
【0025】
薄葉紙包装体210は、防湿性のシートを略直方体形状に形成した包装体本体210bに複数枚のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pを積層した状態で内包したものである。包装体本体210bの上面には、図7に示すように、開口部210aが設けられている。この開口部210aの形状と、気密部材6の底面の形状とは略同じ形状を有しており、開口部210aの周囲には、シリコンゴムなどの弾性材料からなる環状部材210aが設けられている。この環状部材210aは、気密部材6と全周にわたって当接可能な形状を有している。そして、底蓋2の弾性部材230が取出口11の方向に載置部材220を付勢して薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げることによって、気密部材6と環状部材210aとが当接することで、包装体本体210bの開口部210aの周囲と気密部材6とが密着するようになっている。
薄葉紙包装体210の開口部210aの周囲が気密部材6に密着された状態において、薄葉紙包装体210の開口部210aと、気密部材6の内縁開口部62とが連通するようになっており、収納部5に収納されている薄葉紙包装体210内から内縁開口部62を通じて、家庭用薄葉紙Pを引き出して取り出すことができるようになっている。
家庭用薄葉紙Pは、取出口11から継続して取り出せるように交互に折り重ねられた状態で包装体本体210bに内包されており、家庭用薄葉紙Pを取出口11(内縁開口部62)から容器本体1の外側へ引き出したときに、次の家庭用薄葉紙Pの上端が取出口11(内縁開口部62)よりも突出する位置まで収納部5から引き出されるようになっている。
【0026】
また、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pが取出口11(内縁開口部62)から容器本体1の外側へ引き出された場合、薄葉紙包装体210の重量は家庭用薄葉紙Pが引き出された分だけ減少するため、弾性部材230が弾性変形し、復元力により上方向(Z方向)に延伸するので、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げるようになっている。
そのため、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pはそれぞれ均等に持上げられ、その複数枚のうち最上方に位置する家庭用薄葉紙Pと、取出口11(内縁開口部62)とのZ方向の距離は、家庭用薄葉紙Pが引き出された枚数に関係なく、ほぼ一定に保たれるため、ユーザは家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが出来る。
【0027】
また、上面部12における取出口11の後側には、上蓋3が回動可能に取り付けられる回動取付部16が設けられている。
回動取付部16は、図3、図4、図7に示すように、上蓋3の軸部分31に形成されたY軸方向に沿う回動軸311を軸心に、その上蓋3を回動可能に取り付けるためのものであり、Y軸方向に沿って形成された凹型の軸受部164を有している。この軸受部164は、図3、図4に示すように、2つの回動軸311、311に対応させてY軸方向に並んで設けられている。
そして、この軸受部164が回動軸311を軸支することで、軸受部164と回動軸311とによる回動軸部が構成されて、上蓋3が回動可能に回動取付部16に配設されるようになる。
【0028】
さらに、回動取付部16には、図7に示すように、上蓋3を開く方向に付勢する、例えば、ねじりコイルバネ等のばね部材161が備えられている。そして、後述する回動規制部による上蓋3の回動の規制が解除された状態では、上蓋3が、ばね部材161の付勢力によって回動されて開蓋状態に配置されることにより、取出口11(気密部材6)が露出されるようになっている。なお、ばね部材161は、ねじりコイルバネに限らず、上蓋3を開く方向に付勢可能なものであれば、例えば、板バネ等を適用してもよい。
【0029】
また、図7に示すように、上面部12における取出口11の前側には、上蓋3(前端面部33)に対向する対向面部13が設けられている。
この対向面部13には、X軸方向前側に向けて突出する本体側凸部131が形成されている。
【0030】
次に、家庭用薄葉紙収納容器2000の上蓋3について説明する。
上蓋3は、図1〜図7に示すように、平面視にて略楕円形状を呈し、取出口11を閉塞するように容器本体1に取り付けられた状態で容器本体1の外面部とともに略半球状をなすように形成されている。
具体的には、上蓋3は、容器本体1の回動取付部16に取り付けられる回動軸311を有する軸部分31と、この軸部分31から前方及び側方に延出され、容器本体1の外面部の曲率に合わせて所定の曲率を有する湾曲部32と、この湾曲部32の前端部から略真下に延出された前端面部33と、湾曲部32の内面側に設けられた密着部34等を備えている。
【0031】
軸部分31は、Y軸方向に沿い左右方向にそれぞれ延在する一対の回動軸311、311を備えている。
湾曲部32は、上蓋3が閉蓋状態に配置される際に、家庭用薄葉紙収納容器2000の天面をなす。
前端面部33は、湾曲部32から連続して形成されており、その下端部には、X軸方向後側に向けて突出する上蓋側凸部331が形成されている。
密着部34は、上蓋3の内面側から略真下に向いて延出された2重環状の部材であり、上蓋3が閉蓋される際に、取出口11の気密部材6と密着するようになっている。
【0032】
そして、容器の不使用状態にて、取出口11を上蓋3で閉塞するように、上蓋3をX軸方向前側に倒すように回動させると、上蓋3の前端面部33の上蓋側凸部331が、容器本体1の対向面部13の本体側凸部131に係止された状態となって(図7参照)、取出口11を開放するような上蓋3の回動が規制される。なお、上蓋側凸部331と本体側凸部131により、上蓋3の回動を規制する回動規制部が構成される。
更に、その取出口11を上蓋3で閉蓋した際、2重環状の密着部34が、気密部材6の密閉環部63を挟み込むようにして(図7参照)、密着部34と気密部材6とが密着するようになっている。
【0033】
次に、家庭用薄葉紙収納容器2000の操作部4について説明する。
操作部4は、図1〜図7に示すように、容器本体1における取出口11よりも前側であって、対向面部13よりも前方となる操作部取付部156の所定位置に固定された下摘み部41と、この下摘み部41の上側に回動可能に設けられた上摘み部42等を備えて構成されている。
【0034】
下摘み部41は、図7に示すように、例えば、断面略L字状に形成され、先端部がX軸方向前側に向けて突出するように配設されている。また、下摘み部41の先端部は、例えば、家庭用薄葉紙収納容器2000の外面部の曲率に合わせるように所定の曲率をもって湾曲して形成されている。
【0035】
上摘み部42は、図7に示すように、ユーザにより操作される操作レバー部421と、上摘み部42の回動の中心軸となる回動軸部422が形成されている中央軸部424と、上摘み部42の後端に形成されて上蓋3の前端面部33に接触してその上蓋3を跳ね上げるための接触部423とを有している。
【0036】
操作レバー部421は、取出口11を閉塞するように上蓋3が閉蓋された状態で、X軸方向前側であって斜め上向きに突出するように配されており、その操作レバー部421の先端部は、例えば、家庭用薄葉紙収納容器2000の外面部の曲率に合わせるように所定の曲率をもって湾曲して形成されている。
回動軸部422は、上摘み部42の中央軸部424から、Y軸方向に沿い左右方向にそれぞれ延在するように形成されており、後述する取付穴部152内を摺接移動可能に嵌め込まれている。
接触部423は、上蓋3を跳ね上げる際には上蓋3の前端面部33の下端部に接触し、また、容器本体1の対向面部13に形成されている被係合穴13aに係入されている場合には、上摘み部42の回動を規制するようになっている。なお、接触部423は、図4に示すように、Y軸方向に並んで所定間隔を空けて2つ設けられている。
【0037】
この上摘み部42が取り付けられている容器本体1の操作部取付部156における、左右一対のXZ平面をなして対向する側壁部151、151には、X軸方向に長尺な取付穴部152が設けられている。図7に示すように、側壁部151の取付穴部152に、上摘み部42の回動軸部422が回動可能且つ前後方向に摺動可能に係入されている。
この取付穴部152は、Y軸方向に所定の深さ座刳られてなり、X軸方向に沿って延在する略長円形状に形成されている。そして、取付穴部152のX軸方向の長さは、上摘み部42をX軸方向にスライドさせて、操作部4による取出口11を開蓋状態とするための操作をロックするロック位置とアンロックするアンロック位置に配置することができる程度となっている。
【0038】
ここで、上摘み部42のロック位置とは、接触部423が被係合穴13aに係合されることで回動軸部422を中心とする上摘み部42の回動を規制する位置であり、アンロック位置とは、接触部423と被係合穴13aの係合が解除されて上蓋3を跳ね上げ可能となるように前端面部33の下端部の下側に接触部423が配置された位置のことである。
即ち、上摘み部42がアンロック位置に配された状態では、取付穴部152の内周面の前側部分に上摘み部42の回動軸部422の外面が接触した状態となり、また、上摘み部42がロック位置に配された状態では、取付穴部152の内周面の後側部分に上摘み部42の回動軸部422の外面が接触した状態となる。
【0039】
また、取付穴部152の内周面のうち、X軸方向の略中央となる下側部分には、位置規制凸部153が上向きに突設されている。
位置規制凸部153は、取付穴部152の内周面の前側部分或いは後側部分に接触する位置にスライド移動した回動軸部422のX軸方向の位置を規制するものである。即ち、上摘み部42をロック位置とアンロック位置との間で移動する場合には、回動軸部422が位置規制凸部153を乗り越えるようにしてX軸方向に移動することとなり、上摘み部42がロック位置若しくはアンロック位置に配された状態では、位置規制凸部153により回動軸部422が取付穴部152内にてX軸方向に自由に移動することが規制されるようになっている。
【0040】
そして、家庭用薄葉紙収納容器2000の操作部4の上摘み部42がアンロック位置に配された状態で、上摘み部42の操作レバー部421を下摘み部41側に近接させるように操作し、上摘み部42を回動させることにより、上摘み部42の接触部423が上蓋3の前端面部33を押し上げ、前端面部33の上蓋側凸部331と本体側凸部131との係止状態を解除させることによって、上蓋3が回動するように開いて、開蓋状態とすることができる。
【0041】
一方、家庭用薄葉紙収納容器2000の上蓋3を容器本体1側に回動させるように押し倒して、上蓋3の上蓋側凸部331を容器本体1の本体側凸部131に係止させるようにして、上蓋3を閉蓋状態とすると、上蓋3における密着部34が気密部材6の密閉環部63と密着する。
【0042】
このように、家庭用薄葉紙収納容器2000において、底蓋2の弾性部材230の弾性変形により、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げることによって、薄葉紙包装体210の開口部210aの周囲は気密部材6に隙間無く密着する。さらに、上蓋3を閉じて容器を閉蓋状態とすると、気密部材6の密閉環部63と上蓋3の密着部34が密着する。
したがって、気密部材6と、上蓋3の密着部34と、薄葉紙包装体210の開口部210aとが密着した状態となって、容器本体1と薄葉紙包装体210との間の気密性を高く維持することが可能になるので、家庭用薄葉紙収納容器2000に収納された薄葉紙包装体210に内包されているウェットタイプの家庭用薄葉紙Pの乾燥を防ぐことができる。
また、家庭用薄葉紙収納容器2000内に異物等が混入してしまうことを防ぎ、その容器本体1内に収納されている家庭用薄葉紙Pが汚染されないようにすることができる。
さらに、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pが取出口11(内縁開口部62)から容器本体1の外側へ引き出され、弾性部材230の弾性変形により、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げると、薄葉紙包装体210に内包された各家庭用薄葉紙Pは均等に持上げられるので、家庭用薄葉紙Pが引き出された枚数によらず、各家庭用薄葉紙Pを容器本体1の取出口11に近接した位置に保つことができることとなって、ユーザは家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが出来る。
【0043】
[実施形態2]
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0044】
家庭用薄葉紙収納容器3000の収納部5における底蓋2側には、その収納部5に収納する薄葉紙包装体210が載置される載置部材220と、載置部材220を上方に押し上げるように付勢する弾性部材500が備えられている。また、実施形態1と異なり、薄葉紙包装体210の開口部に環状部材は設けられておらず、開口部は包装体本体210bと一体に形成されている。
【0045】
載置部材220は、弾性部材500を介して底蓋2の内面(上面)に取り付けられ、例えば、上下面(Z方向に直交する両面)が平坦な略矩形の平板状に形成されており、その載置部材220の上面に容器本体1の薄葉紙包装体210が安定した姿勢で載置されるようになっている。
弾性部材500は、図8に示すように、載置部材220の下面と底蓋2との間に取り付けられ、例えば、載置部材220の下面の二つの対角線上であって中心から各々等距離の位置に計4個配置されている。
また、この4個の弾性部材500は、例えば、スポンジやスプリング(ばね部材)などの同一の材料、かつ、同一の形態から構成されているため、その載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を押し上げるようになっている。
【0046】
そして、薄葉紙包装体210の開口部は、底蓋2の4個の弾性部材500が取出口11の方向に付勢し、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げることによって、気密部材6に隙間無く密着する。
さらに、この4個の弾性部材500は、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を押し上げるので、薄葉紙包装体210の開口部の各部が、気密部材6に対して均等に付勢されて密着し、開口部と気密部材6との好適な密着性を確保することが出来る。
【0047】
また、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pが取出口11(内縁開口部62)から容器本体1の外側へ引き出された場合、薄葉紙包装体210の重量は家庭用薄葉紙Pが引き出された分だけ減少するため、4個の弾性部材500が弾性変形し、復元力により上方向(Z方向)に延伸するので、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げる。
そのため、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの各家庭用薄葉紙Pは、均等に持上げられるので、複数枚のうち最上方に位置する家庭用薄葉紙Pと、取出口11(内縁開口部62)とのZ方向の距離は、家庭用薄葉紙Pが引き出された枚数に関係なく、ほぼ一定に保たれることとなって、ユーザは家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが出来る。
さらに、この4個の弾性部材500は、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を押し上げるので、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pは、載置部材220の持上げがあっても上方向(Z方向)との直交性を保つことが出来るため、実施形態1よりも更に安定した状態で持上げられることとなり、家庭用薄葉紙Pの取り出し易さが確保される。
【0048】
このように、家庭用薄葉紙収納容器3000において、実施形態1と同様の効果が得られるのはもちろんのこと、4個の弾性部材500は、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を押し上げるので、薄葉紙包装体210の開口部の各部が、気密部材6に対して均等に付勢されて密着し、開口部と気密部材6との好適な密着性を確保することが出来る。また、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pは、載置部材220の持上げがあっても上方向(Z方向)との直交性を保つことが出来るので、より安定した状態で持上げられることとなるため、ユーザは家庭用薄葉紙Pを一層容易に取り出すことが出来る。
【0049】
[実施形態3]
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0050】
家庭用薄葉紙収納容器4000は、図9に示すように、載置部材220を取出口11の方向に付勢するための弾性部材800が、一端は容器本体1の上面部12に取り付けられており、他端は、載置部材220の取り付け部220aに取り付けられている。
この家庭用薄葉紙収納容器4000に収容される薄葉紙包装体210は、図9に示すように、載置部材220に載置されている。また、実施形態1と異なり、薄葉紙包装体210の開口部に環状部材は設けられておらず、開口部は包装体本体210bと一体に形成されている。
【0051】
載置部材220は、取り付け部220aを介して容器本体1の弾性部材800によって吊り下げられており、例えば、上下面(Z方向に直交する両面)が平坦な平板状に形成されており、その載置部材220の上面に容器本体1の薄葉紙包装体210が安定した姿勢で載置されるようになっている。
また、取り付け部220aは、例えば、平面視にて環状なフック等から構成され、Y方向の両端部に略中央よりX方向に等間隔離れた位置に各々2個、計4個配置されている。この計4個の取り付け部220aによって弾性部材800の他端を取り付けることが出来るようになっている。
【0052】
また、容器本体1の上面部12には、弾性部材800の一端を取り付けるために、平面視において、取り付け部220aに対応する位置に、下方に向けて突起した環状なフック等(図示省略)を備えている。
弾性部材800は、例えば、図9に示すように、一端が容器本体1の上面部に取り付けられ、他端が載置部材220の取り付け部220aに取り付けられることにより、弾性部材800はZ方向に伸縮自在とされる。
また、この4個の弾性部材800は、例えば、ゴムやスプリング(ばね部材)などの同一の材料、かつ、同一の形態から構成されているため、その載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を引き上げるようになっている。
【0053】
そして、薄葉紙包装体210の開口部の周囲は、容器本体1の4個の弾性部材800が載置部材220を取出口11の方向に付勢して、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げることによって、気密部材6に隙間無く密着する。
さらに、この4個の弾性部材800は、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を引き上げるので、薄葉紙包装体210の開口部の各部が、気密部材6に対して均等に付勢されて密着し、開口部と気密部材6との好適な密着性を確保することが出来る。
【0054】
また、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pが取出口11(内縁開口部62)から容器本体1の外側へ引き出された場合、薄葉紙包装体210の重量は家庭用薄葉紙Pが引き出された分だけ減少するため、4個の弾性部材800が弾性変形し、復元力により上方(Z方向)に収縮するので、載置部材220が薄葉紙包装体210を上方(Z方向)に持上げる。
そのため、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの各家庭用薄葉紙Pは、均等に持上げられるので、複数枚のうち最上方に位置する家庭用薄葉紙Pと、取出口11(内縁開口部62)とのZ方向の距離は、家庭用薄葉紙Pが引き出された枚数に関係なく、ほぼ一定に保たれることとなって、ユーザは家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが出来る。
さらに、この4個の弾性部材800は、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を引き上げるので、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pは、載置部材220の持上げがあっても上方向(Z方向)との直交性を保つことが出来るため、実施形態1よりも更に安定した状態で持上げられることとなり、家庭用薄葉紙Pの取り出し易さが確保される。
【0055】
このように、家庭用薄葉紙収納容器4000において、実施形態1と同様の効果が得られるのはもちろんのこと、4個の弾性部材800は、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持しつつ、取出口11方向に向けて載置部材220を引き上げるので、薄葉紙包装体210の開口部の周囲が、気密部材6に対して均等に付勢されて密着し、開口部と気密部材6との好適な密着性を確保することが出来る。また、包装体本体210bに積層された複数枚のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pは、載置部材220の持上げがあっても上方向(Z方向)との直交性を保つことが出来るので、より安定した状態で持上げられることとなるため、ユーザは家庭用薄葉紙Pを一層容易に取り出すことが出来る。
【0056】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、載置部材220は、上下面(Z方向に直交する両面)が平坦な略矩形の平板状としているが、上下面視にて格子状の部材であってもよいし、円筒状の部材であってもよい。
また、載置部材220の取り付け部220aは環状のフックに限られず、小型のシャックルなど、弾性部材800の端部を取り付けるものであればよい。
また、本実施形態においては、弾性部材500及び800は4個を用いて載置部材220を付勢しているが、載置部材220の平面と上方向(Z方向)との直交性を保持し、薄葉紙包装体210の開口部の各部が、気密部材6に対して均等に付勢されて密着できるものであれば、個数及び配置位置は適宜変更可能である。
さらに、薄葉紙包装体210の開口部210aを包装体本体210bと別体の開口部とする場合、本実施形態のように環状なシリコンゴムなどの弾性材料からなるものには限られず、容器本体1の取出口11の形状に対応する様々な形状の開口部とすることや、容器の気密性を高めることに応じた素材や材質の開口部とすることなど、取出口11の気密部材6に密着するものであれば適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を適用した実施形態1として例示する家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図2】家庭用薄葉紙収納容器を示す正面図である。
【図3】家庭用薄葉紙収納容器を示す平面図である。
【図4】家庭用薄葉紙収納容器を示す平面図であり、上蓋を透視して示している。
【図5】家庭用薄葉紙収納容器における底蓋を示す平面図である。
【図6】家庭用薄葉紙収納容器における容器本体と底蓋との係合状態を示す説明図である。
【図7】図3のVII−VII線における家庭用薄葉紙収納容器の断面図である。
【図8】本発明を適用した実施形態2として例示する家庭用薄葉紙収納容器を示す断面図である。
【図9】本発明を適用した実施形態3として例示する家庭用薄葉紙収納容器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 容器本体
11 取出口
11a 環状溝部
2 底蓋
3 上蓋
34 密着部
6 気密部材
61 外縁部
62 内縁開口部
63 密閉環部
210 薄葉紙包装体
210a 開口部、環状部材
2000 家庭用薄葉紙収納容器
220 載置部材
230 弾性部材
3000 家庭用薄葉紙収納容器
500 弾性部材
4000 家庭用薄葉紙収納容器
800 弾性部材
P 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用薄葉紙が内包されている薄葉紙包装体を内側に収納するとともに、上面に前記家庭用薄葉紙の取出口を有する容器本体を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記取出口の周囲に設けられた気密部材と、
前記容器本体内に設けられ、前記薄葉紙包装体を載置する載置部材と、
前記載置部材を前記取出口の方向に付勢することで、前記気密部材と前記薄葉紙包装体
とを密着させる弾性部材と、
を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記載置部材は、板状に形成されており、
前記弾性部材は、前記載置部材の下面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記載置部材は、板状に形成されており、
前記弾性部材は、一端が前記容器本体の上面に取り付けられるとともに他端が前記載置部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記取出口を開閉する上蓋を備え、
前記上蓋には、前記取出口を閉蓋する際に前記気密部材と密着する密着部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記薄葉紙包装体の開口部の周囲は、前記気密部材と全周にわたって当接する環状部材を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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