説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】家庭用薄葉紙の詰め替えを容易に行うことができる家庭用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器100は、弾性変形可能な取出部110を備えているので、その取出部110の面部111を容器本体101の内側に押し込んで変形させることで取出孔112の開口を広げて、その取出孔112部分に家庭用薄葉紙Pの一端を接触させつつ面部111を当初の形状に復元させる際に、取出孔112に家庭用薄葉紙Pを食い込ませることで、家庭用薄葉紙Pを取出孔112に容易に挿通させて、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを容易に行うことを可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
そして、収納容器の取出口部に着脱可能に備えられるパッキンであって、パッキンの中央側に形成された小さな取出孔と、パッキンの外周から取出孔につながるスリット状の切欠部が形成されているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このパッキンを備える収納容器に新たな家庭用薄葉紙を装填する際に、家庭用薄葉紙の1枚目の端部をパッキンの切欠部を通じて取出孔に容易に通すことができ、家庭用薄葉紙が取出孔に通されたパッキンを取出口部に嵌着することで、スリット状の切欠部が閉じるので、取出孔から引き出す家庭用薄葉紙をミシン目で切断しつつ、1枚ずつ取り出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−74457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、収納容器に新たな家庭用薄葉紙を詰め替える度に、パッキンの着脱を行わなければならず、その詰め替え作業が煩わしくなることがあるという問題や、取り外したパッキンを紛失してしまうと収納容器の使用ができなくなるという問題が生じることがあった。
また、パッキンを取出口部に嵌着したままの状態で、取出孔に家庭用薄葉紙を挿通させることは困難であり、家庭用薄葉紙を取出孔に押し込むためには、先端が細い棒状部材を用意しなければならない煩わしさがあった。
【0005】
本発明の目的は、家庭用薄葉紙の詰め替えを容易に行うことができる家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
内側に家庭用薄葉紙を収納するとともに、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す取出部を具備する容器本体と、前記容器本体に前記取出部を開閉するように取り付けられた蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記取出部は、弾性変形可能な面部と、前記面部に設けられて前記家庭用薄葉紙が挿通される取出孔と、を備え、
前記面部が前記容器本体の内側に向けて押し込まれる際に、前記取出孔の開口が広がり、その押し込まれた前記面部が前記容器本体の外側に向けて復元する際に、前記取出孔の開口が当初のサイズに戻ることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記容器本体の内側に向けて押し込まれた前記面部が前記容器本体の外側に向けて復元する際、前記面部の内面側となる前記取出孔部分にあてがわれた前記家庭用薄葉紙が前記取出孔の開口に食い込み、前記取出孔を通じて前記容器本体の外側に導出されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記面部は、前記容器本体の外側に凸となる略球面形状を有しており、前記容器本体の内側に向けて押し込まれて弾性変形された前記面部が反発することで、前記容器本体の外側に凸となるように復元することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、家庭用薄葉紙収納容器は、弾性変形可能な面部に設けられた取出孔を有する取出部を備えており、その取出孔に挿通された家庭用薄葉紙を引き出して使用することができる。
この家庭用薄葉紙収納容器に家庭用薄葉紙を詰め替える際、取出部の面部を容器本体の内側に押し込んで変形させることで取出孔の開口を広げることができるので、その開口が広がった取出孔に家庭用薄葉紙を挿入しやすくなる。
また、内側に押し込まれた面部が容器本体の外側に向けて復元する際に、広がった取出孔の開口が当初のサイズに戻るので、その広がった取出孔部分に家庭用薄葉紙をあてがいつつ面部を当初の形状に復元させることで、その取出孔に家庭用薄葉紙を食い込ませることができる。つまり、取出部の面部の弾性変形を利用して取出孔に家庭用薄葉紙を容易に挿通させることができる。
このように、取出部の取出孔に家庭用薄葉紙を挿通させ易い家庭用薄葉紙収納容器は、家庭用薄葉紙の詰め替えを容易に行うことができる収納容器であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図2】家庭用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。
【図3】容器本体上部における蓋を示す断面図である。
【図4】蓋の取出部を弾性変形させた状態を示す断面図である。
【図5】取出部の取出孔に家庭用薄葉紙を使用可能に挿通させた状態を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した異なる実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図7】図6の取出部を拡大して示す下面図であり、面部が上方に凸となった状態(a)と、面部が下方に押し込まれた状態(b)である。
【図8】本発明を適用した異なる実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
図1は、本発明を適用した好適な実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器100を正面上方から見た斜視図であり、図2は、家庭用薄葉紙収納容器100における取出部110を示す斜視図であり、図3は、容器本体101上部における蓋103の断面図である。図4、図5は、家庭用薄葉紙収納容器100の取出部110から家庭用薄葉紙Pを取り出す際の取り出し動作を示す説明図である。
【0013】
家庭用薄葉紙収納容器100は、図1〜図5に示すように、例えば、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納するとともに、収納された家庭用薄葉紙Pを外側に取り出す取出部110を具備する容器本体101と、この容器本体101に取出部110を開閉するように取り付けられた蓋体としての小蓋120と、を備えて構成されている。
この家庭用薄葉紙収納容器100に収納するロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目P1が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズの家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、小蓋120が容器本体101(蓋103)に支持されている側を後側とし、その反対側を手前側とする。さらに、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0014】
容器本体101は、容器本体101の下部をなす有底円筒形状のボトル102と、容器本体101の上部をなす蓋103とで構成されている。
【0015】
ボトル102の上端には開口部102aが設けられており(図5参照)、このボトル102の上端部の外周面には、周方向に沿って雄ネジ部102bが設けられている(図5参照)。なお、図1、図5では、ボトル102の下部(底部)の図示を省略して記載している。
このボトル102は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0016】
蓋103は、天面部103aを有するとともに下端部が開放された円筒形状をなし、開放された下端部の内周面にはボトル102の雄ネジ部102bと螺合する雌ネジ部103bが設けられている。
この蓋103は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0017】
そして、容器本体101は、ボトル102と蓋103とが雄ネジ部102bと雌ネジ部103bを介した脱着自在な連結構造をとり、ボトル102に対して蓋103を開閉自在としているので、ボトル102から蓋103を取り外した状態で、ボトル102の内部に家庭用薄葉紙Pを収納したり、内部から家庭用薄葉紙Pを取り出したりすることができるようになっている。なお、本実施形態では、家庭用薄葉紙Pが、上下方向(Z軸方向)に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体101に収納されるようになっている。
【0018】
また、容器本体101の一部を成す蓋103の天面部103aには、容器本体101の内部に収納された家庭用薄葉紙Pを容器本体101の外側に引き出すための取出部110と、その天面部103aに回動可能に取り付けられて取出部110を開閉する小蓋120と、が設けられている。
なお、取出部110は、小蓋120より前後方向(X軸方向)手前側に設けられている。つまり、小蓋120は、蓋103の天面部103aにおいて、取出部110の後方に回動可能に取り付けられており、その小蓋120は、取出部110に後方から覆い被さるようになっている。
【0019】
取出部110は、例えば、図1、図3に示すように、蓋103の天面部103aにおける凹部104のほぼ中央側に形成された取付口106に配設されている。なお、取付口106の周囲には、取出部110を囲うように円筒環形状に立設された円筒環状部105が設けられている。
そして、取出部110は、図2に示すように、容器本体101の外側に凸となる略球面形状を呈する面部111と、面部111の略中央となる頂部に形成された開口である取出孔112と、面部111の外周を成し、蓋103における取付口106に係着する係着部113と、を有している。
この取出部110は、例えば、シリコンゴムにより成型されてなる弾性変形可能な略ドーム状の部材である。シリコンゴムは、耐久性に優れており、家庭用薄葉紙Pを詰め替えて家庭用薄葉紙収納容器100を繰り返し使用する場合でも、取出部110の弾性変形性は維持されるので、長期に亘って好適に家庭用薄葉紙Pを取り出すことを可能にする。また、シリコンゴムは、耐薬品性に優れているので、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pに染み込まされている薬液が含有するアルコールなどによって変質してしまうことがなく、長期に亘る使用が可能になる。
なお、取出部110に用いる材料は、シリコンゴムであることに限らず、軟質樹脂材料であるスチレン−ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマーを使用することができる。またその他、任意の樹脂材料で取出部110を形成してもよい。
【0020】
面部111は、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向である上下方向に弾性変形可能であり、容器本体101(蓋103)の外側に凸となる所定の略球面形状を維持し、その所定形状に復元するように変形可能となっている。
つまり、面部111が、外側から内側に向けて押し込まれて、容器本体101の内側に凸となるように弾性変形されると、その面部111は所定形状に復元する反発力によって外側に凸となる略球面形状に戻るようになっている。
【0021】
取出孔112は、容器本体101の内部と連通する小さな開口であり、略円形状を呈している。この取出孔112は、面部111の変形に伴い、その開口のサイズが広がったり狭まったりするようになっている。
【0022】
係着部113は、断面視略コ字形状を呈し、周方向に沿った括れ部113aを有しており、その括れ部113aの上下側となる係着部113で、取付口106の縁を挟み込むように係着し、取出部110を蓋103に固定するようになっている。
【0023】
小蓋120は、例えば、蓋103の天面部103aにY軸方向に沿って配された図示しない回動軸により軸支され、その天面部103aに対して回動可能に配設されており、閉蓋状態と開蓋状態とに切り替えられるようになっている。
この小蓋120は、閉蓋状態と開蓋状態のそれぞれの配置において、それぞれ安定した状態に配されるように、例えば、可動範囲内における所定の回動角度(例えば、図3参照)よりも取出部110に接近された際には閉蓋状態となるように付勢され、また、上記所定の回動角度よりも取出部110から離間された際には開蓋状態となるように付勢されている。
【0024】
なお、小蓋120は、天面部103aに回動軸によって軸支されていることに限らず、例えば、蓋103と一体に成形されたものであってもよく、その蓋103の天面部103aに対して、その天面部103aの厚さをY軸方向に沿って一部薄くなる折り目を形成することにより、Y軸方向に沿った折り目を軸線に折曲されるキャップとすることで、その折り目を軸心とするように回動可能にし、取出部110を開閉する構成としてもよい。
【0025】
また、小蓋120の下面には、取出部110を閉蓋状態とした際に、蓋103の円筒環状部105と嵌合する嵌合部121が設けられている。
この嵌合部121は、小蓋120の下面から円筒環状に突設されており、取出部110を小蓋120で閉蓋する際に、円筒環状部105の外周が嵌合部121の内周と密接するように内挿されるようになっている。
この小蓋120で取出部110を閉蓋した際に、円筒環状部105と嵌合部121とが嵌め合わさることで、容器本体101内のウェットタイプの家庭用薄葉紙Pが乾燥してしまうことを防ぐことができる。
【0026】
次に、家庭用薄葉紙収納容器100に、家庭用薄葉紙Pを詰め替える際の作用について説明する。
【0027】
家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Pを詰め替える場合、まず、図3に示すように、ボトル102から蓋103を外す。その蓋103が外されたボトル102の開口部102aからボトル102内に家庭用薄葉紙Pを収納し、内部に収納された家庭用薄葉紙Pの1枚目の端部を開口部102a側に摘み出しておく。
【0028】
そして、ボトル102から外された蓋103において、当初外側に凸となる略球面形状を有している取出部110の面部111(図3参照)を、図4に示すように、その取出部110の面部111を容器本体101の内側に相当する蓋103の下端側に向けて押し込み、容器本体101の内側(つまり、蓋103の下端側)に凸となるように、その面部111を弾性変形させる。特に、取出孔112部分を最も下方に押し込むように面部111を弾性変形させる。
この面部111が下方に押し込まれて弾性変形することに伴い、取出孔112の開口が広がることとなる。特に、面部111の内面側(下面側)となる取出孔112の開口が、当初のサイズより広がるようになっている。
【0029】
そして、この取出部110の面部111が下方に押し込まれて、容器本体101の内側に凸となるように弾性変形されたことによる面部111の応力が反発力となる。
この面部111の反発力によって、面部111が外側に凸となる当初の略球面形状に復元する際に、弾性変形された面部111において広がっていた取出孔112の開口のサイズが狭まって、当初のサイズに戻ることになる。
【0030】
そこで、図4に示すように、下方に押し込まれて弾性変形された面部111の反発力によって、その面部111が当初の略球面形状に復元する際に、その開口のサイズが広がっている取出孔112部分である面部111の内面に家庭用薄葉紙Pの一端部をあてがうようにすることで、面部111の復元に伴い取出孔112の開口のサイズが狭まる際に、その取出孔112にあてがわれていた家庭用薄葉紙Pを取出孔112に食い込ませることができる。
そして、取出孔112に食い込んだ家庭用薄葉紙Pの一端部は面部111の外面側に露出するように、その取出孔112を通じて容器本体101(蓋103)の外側に導出される。なお、家庭用薄葉紙Pの一端が取出孔112から外側に僅かでも導出されていれば、その一端をつまんで引き出すことが可能となる。
【0031】
そして、図5に示すように、取出部110の取出孔112に家庭用薄葉紙Pを挿通させた蓋103をボトル102に取り付けることで、家庭用薄葉紙収納容器100に収納された家庭用薄葉紙Pが使用可能な状態となる。また、その取出部110を小蓋120で閉じることで、家庭用薄葉紙Pの詰め替えが完了する。
【0032】
なお、ユーザが、家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを引き出すとき、家庭用薄葉紙Pは、面部111の取出孔112に擦れながら引き出されることとなる。その際、引き出される家庭用薄葉紙Pとの摩擦力によって、面部111は家庭用薄葉紙Pが引き出される方向につられるように弾性変形して伸びる。そして、その弾性変形した取出部110の面部111が所定形状を維持する復元力によって、家庭用薄葉紙Pに家庭用薄葉紙Pを容器本体101側に引き戻そうとする力が作用するので、取出部110の取出孔112から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと次の家庭用薄葉紙Pとの継ぎ目であるミシン目P1の部分まで引き出された際に、そのミシン目P1に沿って家庭用薄葉紙Pが切り離されることとなる。このミシン目P1で切り離されて家庭用薄葉紙収納容器100から取り出された家庭用薄葉紙Pをユーザが使用可能とする。また、次の家庭用薄葉紙Pの一端が、取出部110に引き出し可能に保持される。
【0033】
以上のように、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器100は、弾性変形可能な取出部110を備えており、その取出部110の面部111を容器本体101の内側(蓋103の下端側)に押し込んで変形させることで取出孔112の開口を広げて、その取出孔112部分に家庭用薄葉紙Pの一端を接触させつつ面部111を当初の形状に復元させる際に、取出孔112に家庭用薄葉紙Pを食い込ませることができる。
このように、弾性変形させた取出部110を復元させる際に、面部111の取出孔112に家庭用薄葉紙Pを食い込ませて、その取出孔112を通じて容器本体101(蓋103)の外側に家庭用薄葉紙Pを導出させることができるので、その取出部110の取出孔112に家庭用薄葉紙Pを容易に挿通させることができる。
そして、家庭用薄葉紙Pを取出孔112に挿通させ易いので、家庭用薄葉紙収納容器100に収納された家庭用薄葉紙Pを速やかに使用可能にすることができる。
つまり、この家庭用薄葉紙収納容器100は、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを容易に行うことができる収納容器であるといえる。
【0034】
なお、上記実施形態では、容器本体101の内側(蓋103の下端側)に押し込んで弾性変形させた取出部110の面部111が自身の反発力によって自然に復元する際に、面部111の取出孔112に家庭用薄葉紙Pが食い込むことで、取出孔112に家庭用薄葉紙Pがワンタッチで挿通されるとしたが、本発明はこれに限らない。
例えば、取出部110の面部111を容器本体101の内側に押し込み弾性変形させて取出孔112の開口を広げることで、その取出孔112に家庭用薄葉紙Pを挿入しやすくし、その開口が広がった取出孔112に容易に家庭用薄葉紙Pを挿通させるようにしてもよい。
また、取出部110の取出孔112に挿入された家庭用薄葉紙Pの一端を上方に引き出すようにすることで、家庭用薄葉紙Pとともに面部111を引き上げて、取出部110を当初の形状に復元させるようにしてもよい。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図6、図7に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100における容器本体101の蓋103に備えられる取出部110aの面部111に、小さな円孔112と、その円孔112の周囲に孔の開口サイズを広げやすく且つ狭めやすくする複数(図中4つ)のスリット114からなる取出孔112aが形成されたものであってもよい。
この取出孔112aは、図7(a)に示すように、面部111が容器本体101(蓋103)の外側に凸となる所定の略球面形状を維持する状態では、切込状のスリット114が閉じており、円孔112部分のみが小さな開口となって家庭用薄葉紙Pを挿通可能としている。
また、取出孔112aは、図7(b)に示すように、取出部110aの面部111が下方に押し込まれて、容器本体101の内側に凸となるように弾性変形されることに応じてスリット114が開くので、円孔112のみが弾性変形で広がる場合に比べて大きく開口することとなる。
このような取出部110aであれば、より大きく取出孔112aが開くので、その取出孔112aに家庭用薄葉紙Pをより一層挿通させ易くなり、家庭用薄葉紙収納容器100に収納された家庭用薄葉紙Pを速やかに使用可能にすることができ、家庭用薄葉紙Pの詰め替えをより容易に行うことが可能になる。
【0036】
また、図8に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100における容器本体101の蓋103に備えられる取出部110bの面部111に、細い隙間状の取出孔112bが形成されたものであってもよい。
【0037】
なお、以上の実施の形態において、3種類の取出孔112、112a、112bの形状を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取出孔は、例えば、楕円形状、矩形形状など、その他の任意の形状であってよい。
【0038】
また、以上の実施の形態においては、取出部の面部111は、容器本体101の外側に凸となる略球面形状であるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、弾性変形によって取出孔の開口サイズを拡大・縮小可能であれば、フラットな平面を呈する面部であってもよい。
【0039】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
100 家庭用薄葉紙収納容器
101 容器本体
102 ボトル
103 蓋
104 凹部
105 円筒環状部
106 取付口
110、110a、110b 取出部
111 面部
112、112a、112b 取出孔
113 係着部
113a 括れ部
114 スリット
120 小蓋(蓋体)
121 嵌合部
P 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に家庭用薄葉紙を収納するとともに、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す取出部を具備する容器本体と、前記容器本体に前記取出部を開閉するように取り付けられた蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記取出部は、弾性変形可能な面部と、前記面部に設けられて前記家庭用薄葉紙が挿通される取出孔と、を備え、
前記面部が前記容器本体の内側に向けて押し込まれる際に、前記取出孔の開口が広がり、その押し込まれた前記面部が前記容器本体の外側に向けて復元する際に、前記取出孔の開口が当初のサイズに戻ることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記容器本体の内側に向けて押し込まれた前記面部が前記容器本体の外側に向けて復元する際、前記面部の内面側となる前記取出孔部分にあてがわれた前記家庭用薄葉紙が前記取出孔の開口に食い込み、前記取出孔を通じて前記容器本体の外側に導出されることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記面部は、前記容器本体の外側に凸となる略球面形状を有しており、前記容器本体の内側に向けて押し込まれて弾性変形された前記面部が反発することで、前記容器本体の外側に凸となるように復元することを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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