説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】家庭用薄葉紙の詰め替え作業を容易に行うとともに、当該家庭用薄葉紙の湿潤液の含浸量の調整を容易に行い、且つ、コストアップを抑制する。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器100であって、開口部を有し、内側に湿潤タイプの家庭用薄葉紙Pを収納する容器本体1と、開口部を閉塞するように容器本体に取り付けられ、当該容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部2Aを具備する蓋体2とを備え、蓋体2は、上蓋開口部226を具備する上蓋部材22及び下蓋開口部216を具備する下蓋部材21を備え、上蓋部材及び下蓋部材は、略同心上に重なるように配置され、相対的に回動して上蓋開口部と下蓋開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、上蓋開口部226と下蓋開口部216とが重ね合わされてなる取出部の開口面積を可変させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティシュー、ウェットシートやドライシート等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄用紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
家庭用薄葉紙収納容器として、家庭用薄葉紙を収納する上端開口の容器本体と、容器本体に収納された家庭用薄葉紙の取出部を有し、容器本体の上端開口を開閉自在とするように取り付けられた蓋体とを備えたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2000−51117号公報
【特許文献2】実公平7−12310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1、2等の場合、家庭用薄葉紙の詰め替えの際には、容器本体の上端開口を開放して家庭用薄葉紙を収納した後、蓋体の取出部にその下側から家庭用薄葉紙を通過させる必要があり、その作業が煩わしいといった問題がある。
特に、ウェットティシュー等の湿潤タイプの家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器の場合、湿潤液の蒸発を抑制する上で取出部が小さくなっており、当該取出部に家庭用薄葉紙を通過させ難くなっている。また、取出部を通過させる際に家庭用薄葉紙の湿潤液の含浸量を調整する構成のものにおいても、同様に、取出部が比較的小さく形成されており、家庭用薄葉紙の詰め替えの際に当該取出部に家庭用薄葉紙を通過させ難くなっている。
【0004】
さらに、家庭用薄葉紙の種類、厚さや幅等によっては、取出部のサイズを変更しなければならない場合もあり、家庭用薄葉紙毎に蓋体を製造することによりコストアップを招いてしまうといった問題もある。また、取出部を通過させる際に家庭用薄葉紙の湿潤液の含浸量を調整する構成のものにおいても、専用の蓋体を用意する必要があり、コストアップを招くこととなる。
【0005】
そこで、本発明の課題は、家庭用薄葉紙の詰め替え作業を容易に行うことができるとともに、コストアップを抑制することができる家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の家庭用薄葉紙収納容器は、
開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、
前記開口部を閉塞するように前記容器本体に取り付けられ、当該容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部を具備する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、相対的に動作して前記取出部の開口面積を可変させる第1部材及び第2部材を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材は、前記取出部を構成する第1構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記取出部を構成する第2構成用開口部を備え、
前記第1部材及び前記第2部材は、略同心上に重なるように配置され、相対的に回動して前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とが重ね合わされてなる前記取出部の開口面積を可変させることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1構成用開口部及び前記第2構成用開口部は、略同形状をなし、互いに重なり合い、且つ、前記第1部材及び前記第2部材の回動中心と重なるように形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第2部材は、前記第1部材及び前記第2部材の回動中心と略同心の円周に沿って形成された螺合部を具備する外周面部を備え、
前記第1部材は、前記回動中心と略同心の円周に沿って形成され、前記螺合部が螺合する被螺合部を具備する内周面部を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材は、前記第1部材及び前記第2部材の回動中心と略同心の円周に沿って形成された係合部を備え、
前記第2部材は、前記回動中心と略同心の円周に沿って形成され、前記係合部が係合する被係合部を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記蓋体は、前記第1部材及び前記第2部材の相対的な回動を所定位置にて規制する回動規制手段を備え、
前記回動規制手段は、
前記第1部材に設けられ、前記回動中心と略同心の円周上に形成された凸部と、
前記第2部材に設けられ、前記回動中心と略同心の円周上に形成されて前記凸部と係合する凹部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記蓋体は、前記第1部材及び前記第2部材の回動を所定位置にて規制する回動規制手段を備え、
前記回動規制手段は、
前記第1部材及び前記第2部材のうち、少なくとも何れか一方に設けられ、前記回動中心と略同心の円周上に形成された弾性部を備え、前記第1部材及び前記第2部材の相対的な回動に伴って前記弾性部を当該弾性部と対向する部分に摺接させて当該回動を規制する
ことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材は、前記取出部を構成する構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対してスライド移動して前記構成用開口部と当該第2部材とが重なり合う面積を可変させることによって、前記取出部の開口面積を可変させることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材は、前記取出部を構成する第1構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記取出部を構成する第2構成用開口部を備え、前記第1部材に対してスライド移動して前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、前記取出部の開口面積を可変させることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材は、前記取出部を構成する第1構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記取出部を構成する第2構成用開口部を備え、前記第1部材に対して近付くように回動して前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とを重ね合わせることによって、前記取出部の開口面積を可変させることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材及び前記第2部材の開口面積が最小とされた前記取出部の縁部を構成する部分は、弾性体で形成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第1部材及び前記第2部材のうち、少なくとも何れか一方には、前記取出部の開口面積の調整に係る調整指示表示部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、蓋体は、相対的に動作して、家庭用薄葉紙を取り出すための取出部の開口面積を可変させる第1部材及び第2部材を備えているので、取出部の開口面積を家庭用薄葉紙の詰め替え作業の際に大きくして、家庭用薄葉紙の使用の際には小さくするといった取出部の開口面積の調整を、第1部材及び第2部材を相対的に動作させるだけで容易に行うことができる。従って、家庭用薄葉紙の詰め替え作業を容易に行うことができる。
また、家庭用薄葉紙の種類、厚さや幅等が異なるものであっても、家庭用薄葉紙毎に蓋体を製造する必要がなくなって、コストアップを抑制することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1部材及び第2部材は、略同心上に重なるように配置され、相対的に回動して第1構成用開口部と第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、第1構成用開口部と第2構成用開口部とが重ね合わされてなる取出部の開口面積を可変させるので、第1部材及び第2部材を相対的に回動させるだけで取出部の開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、第1構成用開口部及び第2構成用開口部は、略同形状をなし、互いに重なり合い、且つ、第1部材及び第2部材の回動中心と重なるように形成されているので、請求項2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第2部材は、第1部材及び第2部材の回動中心と略同心の円周に沿って形成された螺合部を具備する外周面部を備え、第1部材は、回動中心と略同心の円周に沿って形成され、螺合部が螺合する被螺合部を具備する内周面部を備えているので、第1部材の被螺合部に第2部材の螺合部を螺合させるといったより単純な構成で第1部材と第2部材の相対的な回動動作を実現することができる。また、第1部材の被螺合部に対する第2部材の螺合部の螺子込み量を調整するだけで、取出部の開口面積の調整を行うことができ、これにより、家庭用薄葉紙収納容器のコストアップを抑制することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1部材は、第1部材及び第2部材の回動中心と略同心の円周に沿って形成された係合部を備え、第2部材は、回動中心と略同心の円周に沿って形成され、係合部が係合する被係合部を備えているので、第1部材の係合部を第2部材の被係合部に係合させるといったより単純な構成で第1部材と第2部材の相対的な回動動作を実現することができる。これにより、家庭用薄葉紙収納容器のコストアップを抑制することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1部材に設けられ、回動中心と略同心の円周上に形成された凸部と、第2部材に設けられ、回動中心と略同心の円周上に形成されて凸部と係合する凹部と、を備える回動規制手段を備えているので、当該回動規制手段によって、第1部材及び第2部材の相対的な回動を所定位置にて容易に規制することができ、所望の大きさに調整された取出部の開口面積の維持を容易に行うことができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1部材及び第2部材のうち、少なくとも何れか一方に設けられ、回動中心と略同心の円周上に形成された弾性部を備え、第1部材及び第2部材の相対的な回動に伴って弾性部を当該弾性部と対向する部分に摺接させて当該回動を規制する回動規制手段を備えているので、当該回動規制手段によって、第1部材及び第2部材の相対的な回動を所定位置にて容易に規制することができ、所望の大きさに調整された取出部の開口面積の維持を容易に行うことができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第2部材は、構成用開口部を具備する第1部材に対してスライド移動して構成用開口部と当該第2部材とが重なり合う面積を可変させることによって、取出部の開口面積を可変させるので、第2部材を第1部材に対してスライド移動させるだけで取出部の開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第2部材は、第2構成用開口部を備え、第1構成用開口部を具備する第1部材に対してスライド移動して第1構成用開口部と第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、取出部の開口面積を可変させるので、第2部材を第1部材に対してスライド移動させるだけで取出部の開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第2部材は、第2構成用開口部を備え、第1構成用開口部を具備する第1部材に対して近付くように回動して第1構成用開口部と第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、取出部の開口面積を可変させるので、第2部材を第1部材に対して回動させるだけで取出部の開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜10の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1部材及び第2部材の開口面積が最小とされた取出部の縁部を構成する部分は、弾性体で形成されているので、取出部の縁部、即ち、上蓋開口部及び下蓋開口部の縁部における家庭用薄葉紙の係止をより容易に行うことができる。
【0029】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1〜11に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、第1部材及び第2部材のうち、少なくとも何れか一方には、取出部の開口面積の調整に係る調整指示表示部が設けられているので、調整指示表示部によって取出部の開口面積の調整方法を認識することができることとなって、家庭用薄葉紙の詰め替え作業をより容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0031】
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の開閉部材228(後述)の回動軸が設けられている側を後側とし、反対側を手前側とする。さらに、正面視にて、前後方向に直交する一方向を左右方向(幅方向)とし、前後方向及び左右方向の双方に直交する方向を上下方向とする。
【0032】
実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100は、例えば、内側にウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙Pを収納するものである。具体的には、図1に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100は、内側に家庭用薄葉紙Pを収納する容器本体1と、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部2Aを具備し、容器本体1に設けられた開口部(図示略)を閉塞するように取り付けられた蓋体2とを備えている。
【0033】
容器本体1は、下底部を有するとともに上端部に開口部が設けられた有底円筒状をなしている。そして、当該容器本体1の内側に、上下方向の軸心に沿ってロール状に巻かれた状態で家庭用薄葉紙Pが収納されている。
なお、家庭用薄葉紙Pは、例えば、継続して引き出されるように複数枚の家庭用薄葉紙Pが折り重ねられたものであっても良いし、任意の長さで切断できるように長手方向に一定間隔を空けてミシン目が形成された帯状の家庭用薄葉紙Pであっても良い。
【0034】
また、容器本体1は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いは、ABS樹脂等から形成されているが、容器本体1の材料はこれらに限られるものではない。
【0035】
次に、蓋体2について図2〜図5を参照して詳細に説明する。
図2は、図1のII−II線における家庭用薄葉紙収納容器100の蓋体2の断面図である。図3は、蓋体2の下蓋部材21を示す斜視図であり、図4は、図3のIV−IV線における下蓋部材21の断面図である。
【0036】
図2〜図4に示すように、蓋体2は、容器本体1に螺着された下蓋部材(第2部材)21と、この下蓋部材21に螺着され、取出部2Aを開閉する開閉部材228を具備する上蓋部材(第1部材)22とを備えている。
なお、蓋体2を構成する下蓋部材21及び上蓋部材22は、例えば、PEやPPやPET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されているが、下蓋部材21及び上蓋部材22の材料はこれらに限られるものではない。
【0037】
先ず、下蓋部材21について説明する。
下蓋部材21は、その下端部に開口部211が形成され、この開口部211の上側には、当該開口部211の縁部を構成する下蓋周面部212が形成されている。
【0038】
下蓋周面部212の内面には、図2及び図4に示すように、開口部211に連続して下側雌ねじ部213が設けられている。
下側雌ねじ部213は、下蓋周面部212の内面の円周方向に沿って形成され、容器本体1の上端部に形成された雄ねじ部(図示略)と螺合自在とされている。即ち、下蓋部材21を上下方向の回動中心C周りに容器本体1に対して相対的に回動させることで、当該下蓋部材21の下側雌ねじ部213に容器本体1の雄ねじ部が螺子込まれて螺着されるようになっている。
【0039】
下蓋周面部212の外面(外周面部)には、図2〜図4に示すように、下側雌ねじ部213よりも上側に下側雄ねじ部(螺合部)214が形成されている。
下側雄ねじ部214は、下蓋周面部212の外面の円周方向に沿って形成されている。
【0040】
また、下蓋部材21の上端部には、下蓋周面部212の上端に連続して下蓋天面部215が形成されている。
下蓋天面部215は、平面視にて略円形状をなし、前後方向及び左右方向に対して略平行に形成されている。また、下蓋天面部215の略中心部には、下蓋開口部(第2構成用開口部)216が形成されている。
下蓋開口部216は、家庭用薄葉紙Pの取出部2Aを構成するものであり、左右方向に長尺な長円形状をなしている。
【0041】
次に、上蓋部材22について説明する。
上蓋部材22は、その下端部に開口部221が形成され、この開口部221の上側には、当該開口部221の縁部を構成する上蓋周面部222が形成されている。
上蓋周面部222の内面には、図2に示すように、開口部221に連続して上側雌ねじ部(被螺合部)223が形成されている。
上側雌ねじ部223は、上蓋周面部222の内面の円周方向に沿って形成され、下蓋部材21に形成された下側雄ねじ部214と螺合自在とされている。即ち、上蓋部材22を上下方向の回動中心C周りに下蓋部材21に対して相対的に回動させることで、当該上蓋部材22の上側雌ねじ部223に下蓋部材21の下側雄ねじ部214が螺子込まれて螺着される。
なお、上蓋部材22の上側雌ねじ部223に下蓋部材21の下側雄ねじ部214を最も螺子込んだ状態で、図1等に示すように、上蓋開口部226と下蓋開口部216が略90度に交わるように重なった状態とされる。
【0042】
また、上蓋部材22の上端部には、上蓋周面部222の上端に連続して上蓋天面部224が形成されている。
上蓋天面部224は、その略中央部に凹部225が形成され、当該凹部225内に上蓋開口部(第1構成用開口部)226が形成されている。
上蓋開口部226は、家庭用薄葉紙Pの取出部2Aを構成するものであり、下蓋部材21の下蓋開口部216と略同形状、即ち、長円形状に形成されている。また、上蓋開口部226は、前後方向及び左右方向に対して略平行に形成され、上蓋部材22及び下蓋部材21の相対的な回動中心Cと重なるように配置されている。
【0043】
そして、上蓋部材22及び下蓋部材21を相対的に回動させることで、上蓋開口部226と下蓋開口部216の重なり合う面積を可変させて、取出部2Aの開口面積を可変させるようになっている。具体的には、上蓋部材22の下側雌ねじ部213に下蓋部材21の下側雄ねじ部214が螺着される際に、当該上蓋部材22及び下蓋部材21の相対的な回動に伴って、上蓋開口部226と下蓋開口部216の重なり合う面積が変化して取出部2Aの開口面積が変化する。
例えば、図5(a)に示すように、上蓋開口部226が左右方向に長尺な配置となって当該上蓋開口部226と下蓋開口部216の略全体が上下に重なった状態となると、取出部2Aの開口面積が最大となる。一方、図5(b)に示すように、上蓋部材22を下蓋部材21に対して相対的に{180+360×(n−1)}度(nは自然数)回動させて、上蓋開口部226が前後方向に長尺な配置となって当該上蓋開口部226と下蓋開口部216の一部分のみが重なった状態では、取出部2Aの開口面積が最小となる。
なお、図5(a)及び図5(b)にあっては、上蓋開口部226と下蓋開口部216が重なることにより構成されてなる取出部2Aの開口部分を斜線で模式的に表している。
【0044】
また、凹部225の上蓋開口部226の周囲には、当該凹部225の上面から上方に突出した環状の壁部227が設けられている。
壁部227は、その内周面にて開口部を構成しており、その上端部の高さが略等しくなるように前後方向及び左右方向に対して略平行に形成されている。
【0045】
また、凹部225の後側には、取出部2Aを開閉するように開閉部材228が回動自在に軸着されている。
開閉部材228は、取出部2Aを閉塞した状態で、前後方向及び左右方向に対して略平行に延在するように形成されている。即ち、開閉部材228は、取出部2Aを閉塞した状態で、当該開閉部材228の下面を凹部225の壁部227の上端部に当接させるようになっており、これにより、前後方向及び左右方向に対して略平行に配置される。
【0046】
また、開閉部材228の下面には、取出部2Aを閉塞状態とする際に、凹部225の壁部227と係合する環状の係合部229が設けられている。
係合部229は、開閉部材228の下面から下方に突出するように形成され、取出部2Aを閉塞した状態で、当該係合部229の内側に壁部227が挿入されて係合部229の内面に壁部227の外面が接するようになっており、これにより、家庭用薄葉紙収納容器100を気密状態とする。
【0047】
次に、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業について説明する。
この詰め替え作業においては、複数枚の家庭用薄葉紙P、…が上下方向の軸心に沿ってロール状に巻かれた詰め替え用薄葉紙(図示略)を用いるものとする。
【0048】
先ず、上蓋部材22及び下蓋部材21を容器本体1に対して所定方向に同時に回動させて容器本体1から取り外す。これにより、上蓋部材22及び下蓋部材21は、互いに組み合わされた状態で容器本体1から取り外される。
その後、容器本体1の開口部を介して詰め替え用薄葉紙を容器本体1の内側に挿入することで、詰め替え用薄葉紙が容器本体1の内側に収納された状態となる。
【0049】
そして、上蓋部材22が組み合わされている下蓋部材21を上下方向の回動中心C周りに容器本体1に対して相対的に回動させて、下蓋部材21の下側雌ねじ部213に容器本体1の雄ねじ部を螺子込んで螺着する。このとき、上蓋部材22の開閉部材228は、開状態であっても閉状態であっても良い。
【0050】
その後、下蓋部材21に対して上蓋部材22を相対的に回動させて、上蓋開口部226が左右方向に長尺な配置となって当該上蓋開口部226と下蓋開口部216の略全体が上下に重なった状態とする。これにより、取出部2Aの開口面積が最大となる。
続けて、開口面積が最大となっている取出部2Aを介して指を挿入して、詰め替え用薄葉紙の最初に引き出される家庭用薄葉紙Pの端部を引き出して、取出部2Aの上面、即ち、上蓋開口部226より所定の長さ突出させる(図1参照)。
その後、下蓋部材21に対して上蓋部材22を相対的に回動させて、上蓋開口部226が前後方向に長尺な配置となって当該上蓋開口部226と下蓋開口部216の一部分のみが重なった状態とする。これにより、取出部2Aの開口面積が最小となって、引き出される家庭用薄葉紙Pを取出部2Aの縁部、即ち、上蓋開口部226及び下蓋開口部216の縁部に係止し易くすることができる。さらに、取出部2Aの開口面積を小さくすることで、湿潤タイプの家庭用薄葉紙Pの湿潤液の蒸発を抑制することができる。
【0051】
なお、詰め替え用薄葉紙を収納後、家庭用薄葉紙Pをすぐに使用しない場合には、開閉部材228を前後方向及び左右方向に対して略平行となる位置まで手前側に回動させることで、取出部2Aを閉塞させる。
【0052】
以上のように、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100によれば、蓋体2は、相対的に動作して、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部2Aの開口面積を可変させる上蓋部材22及び下蓋部材21を備えている。即ち、上蓋部材22及び下蓋部材21は、略同形状をなし、互いに重なり合い、且つ、当該上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと重なるように形成された上蓋開口部226及び下蓋開口部216を備えるとともに、略同心(回動中心C)上に重なるように配置され、相対的に回動して上蓋開口部226と下蓋開口部216とが重なり合う面積を可変させることによって、上蓋開口部226と下蓋開口部216とが重ね合わされてなる取出部2Aの開口面積を可変させる。これにより、取出部2Aの開口面積を家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業の際に大きくして、家庭用薄葉紙Pの使用の際には小さくするといった取出部2Aの開口面積の調整を、上蓋部材22及び下蓋部材21を相対的に回動させるだけで容易に行うことができ、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業を容易に行うことができる。
特に、取出部2Aの開口は、上蓋開口部226及び下蓋開口部216が重ね合わされて形成されている。従って、上蓋開口部226及び下蓋開口部216の各々を詰め替え作業の際に家庭用薄葉紙Pを引き出し易いようにより大きいサイズとしても、家庭用薄葉紙Pの使用の際には、上蓋部材22及び下蓋部材21を相対的に回動させて上蓋開口部226と下蓋開口部216とが重なり合う面積、即ち、取出部2Aのサイズをより小さくすることができ、これにより、家庭用薄葉紙Pを取出部2Aの縁部に係止し易くすることができるとともに、家庭用薄葉紙Pの湿潤液の蒸発を抑制することができる。
また、家庭用薄葉紙Pとして、長手方向に一定間隔を空けてミシン目が形成され、任意の長さで切断して使用する帯状の家庭用薄葉紙Pであっても、取出部2Aを小さくし過ぎて家庭用薄葉紙Pがミシン目毎に切断されてしまい、また、取出部2Aを大きくし過ぎて、家庭用薄葉紙Pの係止を適正に行うことができないといった問題を生じさせることがなくなる。
さらに、家庭用薄葉紙Pを取出部2Aを介して引き出す際に、当該家庭用薄葉紙Pに含浸されている必要以上の湿潤液を水切りする構成の家庭用薄葉紙収納容器100にあっては、取出部2Aの開口面積を調整することで当該取出部2Aの縁部と家庭用薄葉紙Pの接触度合、即ち、取出部2Aの縁部による家庭用薄葉紙Pの押圧(挟持)力を調整して、引き出された家庭用薄葉紙Pの湿潤液の含浸量の調整を容易に行うことができる。
また、家庭用薄葉紙Pの種類、厚さや幅等が異なるものであっても、家庭用薄葉紙P毎に蓋体2を製造する必要がなくなって、コストアップを抑制することができる。
【0053】
さらに、上蓋部材22の上側雌ねじ部223に下蓋部材21の下側雄ねじ部214を螺合させるといったより単純な構成で上蓋部材22と下蓋部材21の相対的な回動動作を実現することができる。また、上蓋部材22の上側雌ねじ部223に対する下蓋部材21の下側雄ねじ部214の螺子込み量を調整するだけで、取出部2Aの開口面積の調整を行うことができ、これにより、家庭用薄葉紙収納容器100のコストアップを抑制することができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態1にあっては、上蓋開口部226及び下蓋開口部216の形状として、長円形状を例示したが、これに限られるものではなく、略同形状に、且つ、上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと重なるように形成されていれば適宜任意に変更することができる。
【0055】
以下に、上蓋開口部226及び下蓋開口部216の変形例について図6〜図9を参照して説明する。
なお、変形例1〜変形例4にあっては、上蓋開口部226及び下蓋開口部216以外の点で上記実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100と略同様の構成をなし、その説明は省略する。また、図6〜図9にあっては、下蓋開口部216を破線で模式的に表すとともに、上蓋開口部226と下蓋開口部216が重なることにより構成される取出部2Aの開口部分を斜線で模式的に表している。
【0056】
<変形例1>
図6(a)は、変形例1の上蓋開口部226a及び下蓋開口部216aの略全体が上下に重なった状態を模式的に示す図であり、図6(b)は、上蓋開口部226a及び下蓋開口部216aの一部分のみが上下に重なった状態を模式的に示す図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、変形例1の上蓋開口部226a及び下蓋開口部216aの各々は、上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと重なるように半円よりもわずかに広い面積を有し、当該上蓋開口部226a及び下蓋開口部216aの縁部分が波形状に形成されている。
【0057】
これにより、図6(a)に示すように、上蓋開口部226aと下蓋開口部216aの略全体が上下に重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最大とすることができる。
一方、図6(b)に示すように、上蓋部材22を下蓋部材21に対して相対的に{180+360×(n−1)}度(nは自然数)回動させて、上蓋開口部226aと下蓋開口部216aの一部分のみが重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最小とすることができる。
【0058】
<変形例2>
図7(a)は、変形例2の上蓋開口部226b及び下蓋開口部216bの略全体が上下に重なった状態を模式的に示す図であり、図7(b)は、上蓋開口部226b及び下蓋開口部216bの一部分のみが上下に重なった状態を模式的に示す図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、変形例2の上蓋開口部226b及び下蓋開口部216bの各々は、上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと重なるように配置された小さい半円形部b1と、この半円形部に連続して形成され、半円形部よりも広い面積を有する僅かに扁平の大円形部b2とを具備している。
【0059】
これにより、図7(a)に示すように、上蓋開口部226bと下蓋開口部216bの略全体が上下に重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最大とすることができる。
一方、図7(b)に示すように、上蓋部材22を下蓋部材21に対して相対的に{180+360×(n−1)}度(nは自然数)回動させて、上蓋開口部226bと下蓋開口部216bの一部分のみが重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最小とすることができる。
【0060】
<変形例3>
図8(a)は、変形例3の上蓋開口部226c及び下蓋開口部216cの略全体が上下に重なった状態を模式的に示す図であり、図8(b)は、上蓋開口部226c及び下蓋開口部216cの一部分のみが上下に重なった状態を模式的に示す図である。
図8(a)及び図8(b)に示すように、変形例3の上蓋開口部226c及び下蓋開口部216cの各々は、二つの菱形の一部分を重ね合わせるようにして形成され、当該二つの菱形が重なった部分が上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと重なり、且つ、当該二つの菱形の長い方の対角線が上蓋部材22及び下蓋部材21の直径と重なるように配置されている。
即ち、上蓋部材22の上蓋開口部226cの縁部及び下蓋部材21の下蓋開口部216cの縁部には、回動中心Cに向けて突出した突出部c1が形成されている。
【0061】
これにより、図8(a)に示すように、上蓋開口部226cと下蓋開口部216cの略全体が上下に重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最大とすることができる。
一方、図8(b)に示すように、上蓋部材22を下蓋部材21に対して相対的に{90+180×(n−1)}度(nは自然数)回動させて、上蓋開口部226cと下蓋開口部216cの一部分のみが重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最小とすることができる。
【0062】
<変形例4>
図9(a)は、変形例4の上蓋開口部226d及び下蓋開口部216dの略全体が上下に重なった状態を模式的に示す図であり、図9(b)は、上蓋開口部226d及び下蓋開口部216dの一部分のみが上下に重なった状態を模式的に示す図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、変形例4の上蓋部材22及び下蓋部材21は、上蓋部材22及び下蓋部材21の円周部から当該上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心C側に突出した尖頭状の突出部d1を二つずつ備えている。具体的には、二つの突出部d1、d1は、略90度間隔を空けて配置され、各突出部d1は、所定長の円弧部分の両端から延出された二直線が回動中心C近傍で交わるようにして、一の角部を形成している。
そして、上蓋部材22及び下蓋部材21の突出部d1以外の部分により上蓋開口部226d及び下蓋開口部216dが構成され、これら上蓋開口部226d及び下蓋開口部216dの各々は、上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと重なるように配置されている。
【0063】
これにより、図9(a)に示すように、上蓋開口部226dと下蓋開口部216dの略全体が上下に重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最大とすることができる。
一方、図9(b)に示すように、上蓋部材22を下蓋部材21に対して相対的に{180+360×(n−1)}度(nは自然数)回動させて、上蓋開口部226dと下蓋開口部216dの一部分のみが重なった状態とすることで、取出部2Aの開口面積を最小とすることができる。
【0064】
また、例えば、上記実施形態1にあっては、下蓋部材21の下側雄ねじ部214と上蓋部材22の上側雌ねじ部223とを螺着したが、上蓋部材22及び下蓋部材21を相対的に回動自在とする上での当該上蓋部材22及び下蓋部材21の組み付け方法はこれに限られるものではない。
以下に、上蓋部材22及び下蓋部材21の組み付け方法の変形例について図10及び図11を参照して説明する。
なお、変形例5及び変形例6にあっては、上蓋部材22及び下蓋部材21の組み付けに係る構成以外の点で上記実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
【0065】
<変形例5>
図10は、変形例5の家庭用薄葉紙収納容器の蓋体502の断面図である。
図10に示すように、変形例5の蓋体502を構成する上蓋部材22の上蓋周面部222の内面には、開口部221に連続して係合部521が形成され、下蓋部材21の下蓋周面部212の外面には、係合部521が係合する被係合部522が形成されている。
【0066】
係合部521は、上蓋周面部222の内面から回動中心C側に突出する凸型をなし、当該上蓋周面部222の円周方向に沿って形成されている。即ち、係合部521は、回動中心Cと略同心の円周に沿って形成されている。
被係合部522は、下蓋周面部212の外面から回動中心C側に凹んだ凹型をなし、当該下蓋周面部212の円周方向に沿って形成されている。即ち、被係合部522は、回動中心Cと略同心の円周に沿って形成されている。
【0067】
従って、変形例5によれば、上蓋部材22は、上蓋部材22及び下蓋部材21の回動中心Cと略同心の円周に沿って形成された係合部521を備え、下蓋部材21は、回動中心Cと略同心の円周に沿って形成され、係合部521が係合する被係合部522を備えているので、上蓋部材22の係合部521を下蓋部材21の被係合部522に係合させるといったより単純な構成で上蓋部材22と下蓋部材21の相対的な回動動作を実現することができる。これにより、家庭用薄葉紙収納容器100のコストアップを抑制することができる。
【0068】
<変形例6>
図11は、変形例6の家庭用薄葉紙収納容器の蓋体602の断面図である。
図11に示すように、変形例6の蓋体602を構成する上蓋部材22の上蓋周面部222の下端部に、係合部621が形成され、下蓋部材21の下蓋天面部215に、係合部621が係合する被係合部622が形成されている。
【0069】
係合部621は、上蓋周面部222の下端部からわずかに回動中心C側に突出し、その先端部が下側に略90度屈曲する形状をなし、当該上蓋周面部222の円周方向に沿って形成されている。即ち、係合部621は、回動中心Cと略同心の円周に沿って形成されている。
被係合部622は、下蓋天面部215の外周縁部に周方向に沿って、即ち、回動中心Cと略同心の円周に沿って形成されている。具体的には、被係合部622は、係合部621の形状に対応するように、下蓋天面部215の外端部の上面から上側に突出した突起部622aと、突起部622aよりも内側部分から上側に突出し、その先端部が外側に略90度屈曲する鉤状部622bとを備えて構成されている。
そして、被係合部622の突起部622aと鉤状部622bの間に係合部621が差し込まれて係合されている。
【0070】
従って、変形例6によれば、上記変形例5と同様に、上蓋部材22の係合部621を下蓋部材21の被係合部622に係合させるといったより単純な構成で上蓋部材22と下蓋部材21の相対的な回動動作を実現することができる。これにより、家庭用薄葉紙収納容器100のコストアップを抑制することができる。
【0071】
なお、変形例5及び変形例6にあっては、係合部521、621を上蓋部材22に設け、被係合部522、622を下蓋部材21に設けるようにしたが、これに限られるものではなく、係合部521、621を下蓋部材21に設け、被係合部522、622を上蓋部材22に設けるようにしても良い。
【0072】
<変形例7>
また、上記実施形態1並びに変形例1〜6にあっては、上蓋部材22及び下蓋部材21の相対的な回動を所定位置にて規制する回動規制手段を備えるようにしても良い。
即ち、変形例7の家庭用薄葉紙収納容器の蓋体702は、図12及び図13に示すように、上蓋周面部222に形成された突起部(凸部)722aを具備する上蓋部材722と、下蓋周面部212に形成された歯車状部(凹部)721aを具備する下蓋部材721とを備え、突起部722aと歯車状部721aにより回動規制手段を構成している。
図12(a)は、変形例7の蓋体702を構成する下蓋部材721を示す側面図であり、図12(b)は、図12(a)のB−B線における下蓋部材721の断面図である。また、図13は、変形例7の蓋体702を構成する上蓋部材722を下側から視て示す図である。
なお、変形例7にあっては、回動規制手段以外の点で上記変形例5の家庭用薄葉紙収納容器と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
【0073】
歯車状部721aは、図12(a)及び図12(b)に示すように、下蓋周面部212の被係合部522に所定間隔を空けて4つ形成されている。具体的には、4つの歯車状部721a、…は、被係合部522に略90度間隔を空けて配置されている。また、各歯車状部721aは、被係合部522の凹型の底面、図12(a)における回動中心C側の面から外側に突出するように形成され、周方向に沿って凹凸が所定の長さ繰り返されることで構成されている。即ち、歯車状部721aは、上蓋部材722及び下蓋部材721の回動中心Cと略同心の円周上に形成されている。
【0074】
突起部722aは、図13に示すように、上蓋周面部222の係合部229に所定間隔を空けて4つ形成されている。具体的には、4つの突起部722a、…は、係合部521に略90度間隔を空けて配置されている。また、各突起部722aは、係合部521の表面、図13における回動中心C側の面からさらに内側に突出して、歯車状部721aと係合する凸型に形成されている。即ち、突起部722aは、上蓋部材722及び下蓋部材721の回動中心Cと略同心の円周上に形成されている。
そして、突起部722aが歯車状部721aに係合することで、上蓋部材722及び下蓋部材721の相対的な回動を規制する。
【0075】
従って、変形例7によれば、上蓋部材722には、上蓋部材722及び下蓋部材721のうちの何れか一方の回動中心Cと略同心の円周上に形成された突起部722aが形成され、下蓋部材721には、回動中心Cと略同心の円周上に形成され、突起部722aと係合する歯車状部721aが形成され、これら突起部722aと歯車状部721aにより回動規制手段が構成されているので、当該回動規制手段によって、上蓋部材722及び下蓋部材721の相対的な回動を所定位置にて容易に規制することができ、所望の大きさに調整された取出部2Aの開口面積の維持を容易に行うことができる。
【0076】
なお、変形例7にあっては、回動規制手段を構成する突起部(凸部)722aを上蓋部材722に設け、歯車状部(凹部)721aを下蓋部材721に設けるようにしたが、これに限られるものではなく、突起部722aを下蓋部材721に設け、歯車状部721aを上蓋部材722に設けるようにしても良い。
【0077】
また、変形例7にあっては、回動規制手段として、突起部722aと歯車状部721aから構成されたものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、上蓋部材722の係合部521と下蓋部材721の被係合部522を摺動させることで当該上蓋部材722及び下蓋部材721の相対的な回動を規制するようにしても良い。
即ち、上蓋部材722及び下蓋部材721のうち、少なくとも何れか一方に、回動中心Cと略同心の円周上に弾性部(図示略)を形成し、上蓋部材722及び下蓋部材721の相対的な回動に伴って弾性部を当該弾性部と対向する部分に摺接せて、当該上蓋部材722及び下蓋部材721の回動を規制するようにしても良い。
例えば、上蓋部材722に第1弾性部を形成した場合には、下蓋部材721に、第1弾性部と対向する部分として第2弾性部を形成して、当該第1弾性部と第2弾性部を摺接させるようにしても良いし、また、下蓋部材721に、第1弾性部と対向する部分として弾性を有しない摺動面を形成して、当該第1弾性部と摺動面を摺接させるようにしても良い。
なお、上蓋部材722と下蓋部材721の構成を逆、即ち、下蓋部材721に第1弾性部を形成し、上蓋部材722に第2弾性部や摺動面を形成しても良い。
【0078】
また、上記変形例7にあっては、回動規制手段を構成する突起部722aを上蓋部材722の上蓋周面部222に設け、歯車状部721aを下蓋部材721の下蓋周面部212に設けるようにしたが、突起部722a及び歯車状部712aを設ける位置は回動中心Cの円周上であれば適宜任意に変更することができる。例えば、突起部722aを上蓋天面部224に設け、歯車状部721aを下蓋天面部215に設けるようにしても良い。つまり、変形例6に係る係合部621に突起部を設け、被係合部622に歯車状部を設けるようにしても良い。
【0079】
さらに、上記実施形態1並びに変形例1〜7にあっては、取出部2Aの開口面積の調整に際して、上蓋部材22、722を下蓋部材21、721に対して回動させるようにしたが、これに限られるものではなく、下蓋部材21、721を上蓋部材22、722に対して回動させても良い。
また、第1部材として上蓋部材22、722を例示し、第2部材として下蓋部材21、721を例示したが、上蓋部材22、722を第2部材とし、下蓋部材21、721を第1部材としても良い。
【0080】
[実施形態2]
以下に、実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器800について、図14及び図15を参照して説明する。
図14は、本発明を適用した実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器800を示す斜視図である。また、図15(a)及び図15(b)は、図14のXV−XV線における家庭用薄葉紙収納容器800に備わる蓋体802の断面図であり、このうち、図15(a)は、取出部2Aの開口面積を最小とした状態であり、図15(b)は、取出部2Aの開口面積を最大とした状態である。
【0081】
実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器800は、図14並びに図15(a)及び図15(b)に示すように、上蓋部材822が、前後方向にスライド移動自在に構成されたスライド部材822bを備え、当該スライド部材822bをスライド移動させることで取出部2Aの開口面積を可変させるようになっている。
なお、実施形態2にあっては、上蓋部材822及び下蓋部材821以外の点で上記実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
【0082】
下蓋部材821の下蓋天面部215の略中心部よりもわずかに前側に、下蓋開口部(構成用開口部)8216が形成されている。
下蓋開口部8216は、家庭用薄葉紙Pの取出部2Aを構成するものであり、左右方向に長尺な長円形状をなしている。
【0083】
上蓋部材822は、開閉部材228を具備する上蓋本体部822aと、上蓋本体部822aに対して前後方向にスライド移動自在に配設されたスライド部材822bとを備えている。
上蓋本体部822aの凹部225には、スライド部材822bが配設されるとともに前後方向のスライド移動量を規制するためのスライド用開口部225aが形成されている。凹部225のスライド用開口部225aの後端縁部は、僅かに後側に切り欠かれ、家庭用薄葉紙Pが通過する通過口8226の後端部分を構成する小切欠部225bを具備している。なお、通過口8226の大きさは、下蓋部材821の下蓋開口部8216よりも小さい面積に形成されている。
また、上蓋本体部822aは、凹部225に形成されている環状の壁部227の後側の略半分を構成する後壁部構成部227aを備えている。
【0084】
スライド部材822bは、スライド用開口部225aよりも幅広に形成された半円弧状のフランジ部822cを具備し、当該フランジ部822cがスライド用開口部225aの縁部と下蓋部材821の下蓋天面部215の間に挟まれた状態となることで、上側及び左右両側に抜止めされた状態でスライド移動自在となっている(図15(a)及び図15(b)参照)。
スライド部材822bの底面部の後端部は、スライド用開口部225aよりも大きく前側に切り欠かれ、家庭用薄葉紙Pが通過する通過口8226の略全体部分を構成する大切欠部822dを具備している。
また、スライド部材822bは、環状の壁部227の前側の略半分を構成する前壁部構成部227bを備えている。
【0085】
そして、スライド部材822bを前後方向にスライド移動させることで、スライド部材822bと下蓋開口部8216の重なり合う面積、即ち、通過口8226と下蓋開口部8216の重なり合う面積を可変させる。
例えば、図15(a)に示すように、スライド部材822bが最も後側にスライド移動した状態では、当該スライド部材822bの大切欠部822dと凹部225の小切欠部225bとが組み合わさって通過口8226を構成するとともに、上蓋本体部822aの後壁部構成部227aとスライド部材822bの前壁部構成部227bとが組み合わさって環状の壁部227を構成している。
かかる状態では、取出部2Aの開口面積、即ち、通過口8226と下蓋開口部8216の重なり合う面積が最小となって、引き出される家庭用薄葉紙Pを取出部2Aの縁部、即ち、通過口8226及び下蓋開口部8216の縁部に係止し易くすることができる。また、家庭用薄葉紙収納容器100の非使用の際には、開閉部材228を手前側に回動させて、開閉部材228の係合部229と環状の壁部227を係合させて、家庭用薄葉紙収納容器800を気密状態とすることもできる。
【0086】
一方、図15(a)の状態からスライド部材822bを手前側にスライド移動させていくと、スライド部材822bと下蓋開口部8216の重なり合う面積が次第に小さくなって、即ち、通過口8226と下蓋開口部8216の重なり合う面積が次第に大きくなっていく。そして、スライド部材822bの前端部がスライド用開口部225aの前端縁部に接触することで、通過口8226と下蓋開口部8216の重なり合う面積が最大となる(図15(b)参照)。
かかる状態では、取出部2Aの開口面積が最大となって、取出部2Aを介して指を挿入して、詰め替え用薄葉紙の最初に引き出される家庭用薄葉紙Pの端部を引き出し易くすることができる。
【0087】
以上のように、実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器800によれば、上蓋部材822のスライド部材822bは、下蓋開口部8216を具備する下蓋部材821に対してスライド移動して下蓋開口部8216と当該スライド部材822bとが重なり合う面積を可変させることによって、取出部2Aの開口面積を可変させるので、スライド部材822bを下蓋部材821に対してスライド移動させるだけで取出部2Aの開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0088】
<変形例8>
図16は、変形例8の家庭用薄葉紙収納容器900を示す斜視図である。また、図17(a)は、変形例8の上蓋開口部9226及び下蓋部材9216の一部分のみが上下に重なった状態を模式的に示す図であり、図17(b)は、上蓋開口部9226及び下蓋部材9216の略全体が上下に重なった状態を模式的に示す図である。
なお、図17(a)及び図17(b)にあっては、下蓋開口部9216を破線で模式的に表すとともに、上蓋開口部9226と下蓋開口部9216が重なることにより構成される取出部2Aの開口部分を斜線で模式的に表している。
【0089】
図16並びに図17(a)及び図17(b)に示すように、上蓋部材922のスライド部材822bには、上蓋開口部9226が形成され、下蓋部材921には、上蓋開口部9226と略同形状の下蓋開口部9216が形成されている。
なお、変形例8にあっては、上蓋部材922及び下蓋部材921以外の点で上記実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器800と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
【0090】
スライド部材822bの略中心部よりもわずかに前側に、上蓋開口部(第1構成用開口部)9226が形成されている。
上蓋開口部9226は、家庭用薄葉紙Pの取出部2Aを構成するものであり、左右方向に長尺な長円形状をなしている。
【0091】
下蓋部材921には、スライド部材822bのスライド移動方向に沿った直線と重なるように配置された下蓋開口部9216が形成されている。
そして、スライド部材822bを前後方向にスライド移動させることで、上蓋開口部9226と下蓋開口部9216の重なり合う面積を可変させる。
例えば、図17(a)に示すように、スライド部材822bが最も後側にスライド移動した状態では、スライド部材822bの上蓋開口部9226と下蓋部材921の下蓋開口部9216の一部分のみが重なった状態となっている。
かかる状態では、取出部2Aの開口面積が最小となって、引き出される家庭用薄葉紙Pを取出部2Aの縁部、即ち、上蓋開口部9226及び下蓋開口部9216の縁部に係止し易くすることができる。
一方、図17(a)の状態からスライド部材822bを手前側にスライド移動させていくと、上蓋開口部9226と下蓋開口部9216の重なり合う面積が次第に大きくなっていく。そして、スライド部材822bの前端部がスライド用開口部225aの前端縁部に接触することで、上蓋開口部9226と下蓋開口部9216の重なり合う面積が最大となる(図17(b)参照)。
かかる状態では、開口面積が最大となっている取出部2Aを介して指を挿入して、詰め替え用薄葉紙の最初に引き出される家庭用薄葉紙Pの端部を引き出し易くすることができる。
【0092】
なお、変形例8にあっては、上蓋開口部9226及び下蓋開口部9216を略同形状に形成したが、これに限られるものではなく、少なくとも上蓋開口部9226が下蓋開口部9216よりも広い面積を有するような形状であれば適宜任意に変更することができる。
【0093】
従って、変形例8によれば、上蓋部材822のスライド部材822bは、上蓋開口部9226を備え、下蓋開口部9216を具備する下蓋部材921に対してスライド移動して下蓋開口部9216と上蓋開口部9226とが重なり合う面積を可変させることによって、取出部2Aの開口面積を可変させるので、スライド部材822bを下蓋開口部9216に対してスライド移動させるだけで取出部2Aの開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0094】
また、上記実施形態2及び変形例8にあっては、スライド部材822bのフランジ部822cをスライド用開口部225aの縁部と下蓋部材821、921の下蓋天面部215の間に挟むことで当該スライド部材822bのスライド移動を案内するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、上蓋部材822にフランジ部822cを係止する所定のガイド部を設けるようにしても良い。
さらに、スライド部材822bを上蓋部材822、922に設けるようにしたが、下蓋部材821、921に設けるようにしても良い。
【0095】
[実施形態3]
以下に、実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器について、図18並びに図19(a)及び図19(b)を参照して説明する。
図18は、本発明を適用した実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器に備わる蓋体1002の断面図である。また、図19(a)は、下蓋開口部10216のみを模式的に示す図であり、図19(b)は、上蓋開口部10226及び下蓋開口部10216の一部分が上下に重なった状態を模式的に示す図である。
なお、図19(b)にあっては、下蓋開口部10216を破線で模式的に表すとともに、上蓋開口部10226と下蓋開口部10216が重なることにより構成される取出部2Aの開口部分を斜線で模式的に表している。
【0096】
実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器は、図18並びに図19(a)及び図19(b)に示すように、上蓋部材1022には、上蓋本体部822aに対して回動自在に軸着され、上蓋開口部10226が形成された回動部材1100が設けられ、当該回動部材1100を手前側に回動させて上蓋開口部10226と下蓋開口部10216を重ね合わせることで取出部2Aの開口面積を可変させるようになっている。
なお、実施形態3にあっては、上蓋部材1022以外の点で上記実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
【0097】
上蓋部材1022は、具体的には、下蓋部材1021の下側雄ねじ部214に螺着される上側雌ねじ部223を具備する上蓋本体部1022aと、上蓋本体部1022aに対して回動自在に軸着された回動部材1100とを備えている。
【0098】
回動部材1100は、上蓋本体部1022aの後端部側の回動軸部(図示略)に軸着され、左右方向の軸心周りに回動自在に構成されている。
また、回動部材1100の略中央部に凹部10225が形成され、当該凹部10225内に上蓋開口部(第1構成用開口部)10226が形成されている。なお、凹部10225の後側には、取出部2Aを開閉するように開閉部材228が回動自在に軸着されている。
上蓋開口部10226は、下蓋部材1021の下蓋開口部10216と略同形状、即ち、長円形状をなし、前後方向に長尺となるように形成されている。また、上蓋開口部10226は、上蓋部材1022及び下蓋部材1021の相対的な回動中心Cと重なるように配置されている。
【0099】
そして、回動部材1100を手前側に回動させることで、上蓋開口部10226と下蓋開口部10216の重なった状態として、取出部2Aの開口面積を可変させる。
例えば、図19(a)に示すように、回動部材1100を後側に回動させた状態では、上蓋開口部10226と下蓋開口部10216は上下に重なった状態とならず、下蓋開口部10216のみによって取出部2Aが構成されている。
かかる状態では、取出部2A(下蓋開口部10216)の開口面積が最大となって、取出部2Aを介して指を挿入して、詰め替え用薄葉紙の最初に引き出される家庭用薄葉紙Pの端部を引き出し易くすることができる。
一方、図19(a)の状態から回動部材1100を手前側に回動させて、上蓋開口部10226と下蓋開口部10216を上下に重なった状態とすると、これら上蓋開口部10226と下蓋開口部10216により構成される取出部2Aの開口面積が最小となって(図19(b)参照)、引き出される家庭用薄葉紙Pを取出部2Aの縁部、即ち、上蓋開口部10226及び下蓋開口部10216の縁部に係止し易くすることができる。
【0100】
以上のように、実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器によれば、上蓋部材1022は、上蓋開口部10226を備え、下蓋開口部10216を具備する下蓋部材1021に対して近付くように回動して下蓋開口部10216と上蓋開口部10226とが重なり合う面積を可変させることによって、取出部2Aの開口面積を可変させるので、上蓋部材1022を下蓋部材1021に対して回動させるだけで取出部2Aの開口面積の調整を容易に行うことができる。
【0101】
なお、上記実施形態にあっては、上蓋部材22、722、822、922、1022(スライド部材822bを含む)及び下蓋部材21、721、821、921、1021における開口面積が最小とされた取出部2Aの縁部を構成する部分を樹脂等の弾性体で形成しても良い。これにより、取出部2Aの縁部、即ち、上蓋開口部226、9226、10226及び下蓋開口部216、8216、9216、10216の縁部における家庭用薄葉紙Pの係止をより容易に行うことができる。
【0102】
また、上記実施形態にあっては、上蓋部材22、722、822、922、1022(スライド部材822bを含む)及び下蓋部材21、721、821、921、1021のうち、少なくとも何れか一方に、取出部2Aの開口面積の調整における上蓋部材22及び下蓋部材21の動作方向や動作量を示す調整指示表示部を設けるようにしても良い。具体的には、調整指示表示部として、矢印や目盛りや文字等を設けるようにしても良い。これにより、ユーザは上蓋部材22や下蓋部材21の動作方向や動作量等を認識することができ、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業をより容易に行うことができる。
【0103】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態にあっては、開閉部材228により取出部2Aの開口を開閉するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、当該開閉部材228の代わりに、取出部2Aを閉塞して当該家庭用薄葉紙収納容器100を気密状態とするためのキャップ部材(図示略)を着脱自在に設けても良い。
さらに、当該キャップ部材を開閉部材228ごと取出部2Aを覆うように設けても良く、かかる場合にあっては、開閉部材228により取出部2Aが完全に閉塞された状態となる必要はない。例えば、開閉部材228を手前側に回動させた状態で、家庭用薄葉紙Pが上側以外の所定方向に引き出されるように当該家庭用薄葉紙Pの引き出し用の隙間が設けられるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明を適用した実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における家庭用薄葉紙収納容器に備わる蓋体の断面図である。
【図3】図1の家庭用薄葉紙収納容器の下蓋部材を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線における下蓋部材の断面図である。
【図5】図1の家庭用薄葉紙収納容器の取出部の状態を模式的に示す図である。
【図6】変形例1の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋開口部及び下蓋開口部の状態を模式的に示す図である。
【図7】変形例2の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋開口部及び下蓋開口部の状態を模式的に示す図である。
【図8】変形例3の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋開口部及び下蓋開口部の状態を模式的に示す図である。
【図9】変形例4の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋開口部及び下蓋開口部の状態を模式的に示す図である。
【図10】変形例5の家庭用薄葉紙収納容器の蓋体の断面図である。
【図11】変形例6の家庭用薄葉紙収納容器の蓋体の断面図である。
【図12】変形例7の家庭用薄葉紙収納容器の下蓋部材を示す図である。
【図13】図12の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋部材を下側から視て示す図である。
【図14】本発明を適用した実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図15】図14のXV−XV線における家庭用薄葉紙収納容器に備わる蓋体の断面図である。
【図16】変形例8の家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図17】図16の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋開口部及び下蓋開口部の状態を模式的に示す図である。
【図18】本発明を適用した実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器に備わる蓋体の断面図である。
【図19】図18の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋開口部及び下蓋開口部の状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0105】
100、800、900 家庭用薄葉紙収納容器
1 容器本体
2、502、602、702、802、1002 蓋体
21、721、821、921、1021 下蓋部材
212 下蓋周面部
214 下側雄ねじ部(螺合部)
216、8216、9216、10216 下蓋開口部
22、722、822、922、1022 上蓋部材
222 上蓋周面部
223 上側雌ねじ部(被螺合部)
226、9226、10226 上蓋開口部
521、621 係合部
522、622 被係合部
721a 歯車状部(凹部、回動規制手段)
722a 突起部(凸部、回動規制手段)
822b スライド部材
P 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、
前記開口部を閉塞するように前記容器本体に取り付けられ、当該容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部を具備する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、相対的に動作して前記取出部の開口面積を可変させる第1部材及び第2部材を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記第1部材は、前記取出部を構成する第1構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記取出部を構成する第2構成用開口部を備え、
前記第1部材及び前記第2部材は、略同心上に重なるように配置され、相対的に回動して前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とが重ね合わされてなる前記取出部の開口面積を可変させることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記第1構成用開口部及び前記第2構成用開口部は、略同形状をなし、互いに重なり合い、且つ、前記第1部材及び前記第2部材の回動中心と重なるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記第2部材は、前記第1部材及び前記第2部材の回動中心と略同心の円周に沿って形成された螺合部を具備する外周面部を備え、
前記第1部材は、前記回動中心と略同心の円周に沿って形成され、前記螺合部が螺合する被螺合部を具備する内周面部を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記第1部材は、前記第1部材及び前記第2部材の回動中心と略同心の円周に沿って形成された係合部を備え、
前記第2部材は、前記回動中心と略同心の円周に沿って形成され、前記係合部が係合する被係合部を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項6】
前記蓋体は、前記第1部材及び前記第2部材の相対的な回動を所定位置にて規制する回動規制手段を備え、
前記回動規制手段は、
前記第1部材に設けられ、前記回動中心と略同心の円周上に形成された凸部と、
前記第2部材に設けられ、前記回動中心と略同心の円周上に形成されて前記凸部と係合する凹部と、を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項7】
前記蓋体は、前記第1部材及び前記第2部材の相対的な回動を所定位置にて規制する回動規制手段を備え、
前記回動規制手段は、
前記第1部材及び前記第2部材のうち、少なくとも何れか一方に設けられ、前記回動中心と略同心の円周上に形成された弾性部を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の相対的な回動に伴って前記弾性部を当該弾性部と対向する部分に摺接させて当該回動を規制することを特徴とする請求項4又は5に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項8】
前記第1部材は、前記取出部を構成する構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対してスライド移動して前記構成用開口部と当該第2部材とが重なり合う面積を可変させることによって、前記取出部の開口面積を可変させることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項9】
前記第1部材は、前記取出部を構成する第1構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記取出部を構成する第2構成用開口部を備え、前記第1部材に対してスライド移動して前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とが重なり合う面積を可変させることによって、前記取出部の開口面積を可変させることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項10】
前記第1部材は、前記取出部を構成する第1構成用開口部を備え、
前記第2部材は、前記取出部を構成する第2構成用開口部を備え、前記第1部材に対して近付くように回動して前記第1構成用開口部と前記第2構成用開口部とを重ね合わせることによって、前記取出部の開口面積を可変させることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項11】
前記第1部材及び前記第2部材の開口面積が最小とされた前記取出部の縁部を構成する部分は、弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項12】
前記第1部材及び前記第2部材のうち、少なくとも何れか一方には、前記取出部の開口面積の調整に係る調整指示表示部が設けられていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−83515(P2010−83515A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253683(P2008−253683)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】