説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】製造コストを抑え、家庭用薄葉紙の取出し位置を変更することなく、家庭用薄葉紙の物性に応じて当該家庭用薄葉紙を取出し易く調整出来る家庭用薄葉紙収納容器を提供する。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器100において、取出孔141aが形成された円盤部141と、内部に家庭用薄葉紙Pの取出方向に向けて縮径するテーパ状の空洞部142aが形成された円筒状の円筒部142と、外形が空洞部142aより大きく当該空洞部142aと略同形のテーパ状に形成され、中央部に挿通孔143aを備え、挿通孔143aの径方向に弾性変形可能な弾性変形部143と、弾性変形部143を空洞部142aに向けて移動可能に構成され、弾性変形部143が空洞部142aの内壁と当接して挿通孔143aの径方向に付勢されることで、挿通孔143aを所定の径に縮径させる径調整部144と、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。そして、上記家庭用薄葉紙収納容器においては、収納する家庭用薄葉紙の物性(薄葉紙の厚みや硬さ等)次第で、取出し口より家庭用薄葉紙を取出しにくくなる、又は、新たな家庭用薄葉紙を装填する際などに、その家庭用薄葉紙の1枚目に当たる端部を取出し口に通し難い等の問題があった。
【0003】
そこで、例えば、含水性シートを挿通する第1取出孔が形成された蓋体と、第1取出孔に連通し第2取出孔が形成された開口量調整部材と、を備え、第1及び第2取出孔が積重して形成される含水性シートの通過経路の開口量が、開口量調整部材の移動量および移動方向に対応して調整可能に構成された湿潤シート収容装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−221170号
【0005】
上記特許文献1記載の発明によると、開口量調整部材を所定の方向に回動させて形成される通過経路の開口の大きさを、回動量に応じて調整することが可能となるので、家庭用薄葉紙の物性に応じて当該家庭用薄葉紙を取出し易いように適宜変更することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明では、開口量調整部材を回動させることで、第1及び第2取出孔の積重箇所が円周上のずれた位置に移動するため、開口量が調整されるとともに、開口が円周上のずれた位置に形成されることとなる。そのため、開口量を調整する度に家庭用薄葉紙の取出し位置が変更されてしまうので、見栄えが悪く、使用者に取出しの煩わしさを感じさせるおそれもある。また、特許文献1記載の発明によると、上記第1及び第2取出孔が積重し得る箇所全面に亘って外蓋を設けておかなければ、容器内部の家庭用薄葉紙を湿潤した状態に密封することが出来ないため、外蓋分の製造コストがかさむおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、製造コストを抑え、家庭用薄葉紙の取出し位置を変更することなく、家庭用薄葉紙の物性に応じて当該家庭用薄葉紙を取出し易く調整出来る家庭用薄葉紙収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記開口部を閉塞するように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器において、前記取出部は、中央部に前記家庭用薄葉紙の上端を取出す取出孔が形成された上面部と、前記上面部の下面に上端が固着され、内部に前記家庭用薄葉紙の取出方向に向けて縮径するテーパ状の空洞部が形成された円筒状の円筒部と、外形が前記空洞部より大きく当該空洞部と略同形のテーパ状に形成され、中央部に前記家庭用薄葉紙を挿通させる挿通孔を備え、前記挿通孔の径方向に弾性変形可能な弾性変形部と、前記弾性変形部を載置し、前記弾性変形部を前記空洞部に向けて移動可能に構成され、前記弾性変形部が前記空洞部の内壁と当接して前記挿通孔の径方向に付勢されることで、前記挿通孔を所定の径に縮径させる径調整部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記円筒部の外周面は第1のネジ溝が形成されており、前記径調整部は、有底円筒形状をなし、内周面に前記第1のネジ溝と螺合する第2のネジ溝を有し、当該径調整部に回転力が付与されることで前記第1のネジ溝に案内されて前記弾性変形部を前記上面部側に移動させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記弾性変形部は、コレットチャック構造からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、弾性変形部の挿通孔に家庭用薄葉紙を挿通させ、取出孔の上方に当該家庭用薄葉紙の上端を突出させた状態で、径調整部により、弾性変形部が空洞部の内壁と当接して挿通孔の径方向に付勢されると、挿通孔が縮径して周面で家庭用薄葉紙を保持することができる。つまり、上記径調整部により挿通孔の径を適宜調整することにより、家庭用薄葉紙を物性に応じて取出し易いように保持調整が可能となる。また、この際、家庭用薄葉紙の取出し位置はずれることがなく、外蓋は取出孔を覆うもので足りるため、特段製造コストがかさむこともない。
したがって、本発明は、製造コストを抑え、家庭用薄葉紙の取出し位置を変更することなく、家庭用薄葉紙の物性に応じて当該家庭用薄葉紙を取出し易く調整出来る家庭用薄葉紙収納容器であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図2】図1におけるII−II断面を含む家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体と蓋体を分離した状態を示す横断面図である。
【図3】本発明に係る弾性変形部の概略構成を説明するための図である。
【図4】図2における家庭用薄葉紙収納容器において、弾性変形部を上方に移動させた状態を説明するための図である。
【図5】図4における弾性変形部をさらに上方へ移動させた状態を説明するための図である。
【図6】本発明に係る別の家庭用薄葉紙収納容器を説明するための横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1〜図5に示すように、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納する容器本体11と、この容器本体11に設けられた開口部11aを閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔141aが設けられた蓋体12と、取出孔141aを開閉するようにして蓋体12の蓋体本体13に回動自在に取り付けられたトグルキャップ15と、等を備えて構成される。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、トグルキャップ15の回動軸が設けられている側を後側とし、反対側を前側とする。さらに、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0015】
容器本体11は、例えば、図1及び図2に示すように、上下方向(Z軸方向)を中心としてロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを上面に載置する下底部11cを有するとともに上端部に開口部11aが設けられた有底円筒状をなし、上端部の外周面には周方向に沿って雄ネジ用のネジ溝の形成された雄ネジ部11bが設けられている。また、容器本体11は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いは、ABS樹脂等から形成されている。
【0016】
蓋体12は、貫通部132を有する蓋体本体13と、蓋体本体13における当該貫通部132に取り付けられた取出部14と、を備えて構成されている。
【0017】
蓋体本体13は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されている。そして、蓋体本体13は、上底部131を有するとともに下端部が開放された有底円筒状をなし、開放された下端部の内周面には容器本体11の雄ネジ部11bと螺合する雌ネジ部133が設けられている。容器本体11と蓋体本体13とは、当該雄ネジ部11bと雌ネジ部133との螺合により着脱自在に連結される。これにより、容器本体11の開口部11aが開閉自在となり、図2に示すように、容器本体11から蓋体12を取り外した状態で、容器本体11の内部に家庭用薄葉紙Pを収納したり取出したりすることが可能になっている。
【0018】
蓋体本体13の上底部131には、その略中央部に、当該蓋体本体13が容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向(Z軸方向)に貫通した平面視円形の貫通口132aが形成された貫通部132が設けられ、貫通部132の周囲には、例えば、円筒状ないし環状のZ軸方向上側(上方向)に突出する突起部134が設けられている。また、突起部134の上端には、水平方向外側に突出し、トグルキャップ15の係合部16(後述)と係合する係合突起134aが設けられている。
【0019】
取出部14は、取出部14の上面に位置する略円盤状の円盤部141(上面部)と、円盤部141の下面に上端が固着され、内部に空洞部142aが形成された円筒状の円筒部142と、空洞部142aと略同形状に形成され、中央部に挿通孔143aを設け、挿通孔143aの径方向に弾性変形可能な弾性変形部143と、弾性変形部143を上面に載置し、弾性変形部143をZ軸方向に移動させる径調整部144と、を含んで構成される。
【0020】
円盤部141は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなり、係合突起134aよりも下方(Z軸方向)で、周面が突起部134に固着保持され、XY平面視で略円盤状に形成された部位であり、中央部に取出孔141aが設けられている。
取出孔141aは、家庭用薄葉紙Pを挿通させて上端を取出すためのZ軸方向に貫通した孔である。
【0021】
円筒部142は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなり、円盤部141の下面に上端が固着された円筒状の部位である。
そして、円筒部142の内部は、上方(家庭用薄葉紙Pの取出方向)に向けて縮径するテーパ状の空洞部142aが形成されている。
また、円筒部142の外周面には、周方向に沿って雄ネジ用の雄ネジ溝142b(第1のネジ溝)が形成されている。
なお、円筒部142は、円盤部141と一体的に成形したものであってもよいし、円盤部141の下面に接合したものであってもよい。
【0022】
弾性変形部143は、例えば、外形が空洞部142aより大きく、空洞部142aと略同形状のテーパ状に形成された弾性部材である。
そして、弾性変形部143は、図2及び図3に示すように、各々の下端が径調整部144に固着支持され、所定間隔を隔てて円周上に設けられた4体の分割ブロック143bから構成され、中央部に家庭用薄葉紙PをZ軸方向に亘って挿通させる挿通孔143aが設けられた、いわゆるコレットチャック構造からなる。
つまり、弾性変形部143は、挿通孔143aに家庭用薄葉紙Pを挿通させた状態で、図3のD方向(挿通孔の径方向)に付勢されて、D方向に弾性変形することにより、挿通孔143aが縮径するので、上記挿通された家庭用薄葉紙Pを挿通孔143aの周面で挟み込んで保持することが可能となる。
【0023】
径調整部144は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなり、弾性変形部143を上面に載置する載置部145と、弾性変形部143をZ軸方向に移動させる筒状部146と、等を含んで構成される有底円筒形状をした部位である。
載置部145は、中央に家庭用薄葉紙Pを挿通させるための孔145aが設けられた略円盤形状の部位であり、周面上端部で筒状部146に連結されて水平に支持される。そして、載置部145は、空洞部142aの下方に配置され、弾性変形部143の下端を上面に固着した状態で載置する。
筒状部146は、内周面に円筒部142の雄ネジ溝142bと螺合する雌ネジ用の雌ネジ溝146a(第2のネジ溝)が形成された円筒状の部位であり、下端で載置部145と連結される。したがって、筒状部146は、図2に示すr1方向又はr2方向の回転力が付与されることで、雄ネジ溝142bに案内されて弾性変形部143(載置部145)を上下方向(Z軸方向)に移動させることができる。
【0024】
つまり、筒状部146により弾性変形部143を空洞部142aに向けて上方に移動させると、弾性変形部143の外形が空洞部142aよりも大きいため、弾性変形部143が空洞部142aの内壁と当接して挿通孔143aの径方向(図3のD方向)に付勢されて、挿通孔143aを縮径する。そして、例えば、図4や図5に示すように、弾性変形部143を上方へ移動させるほど、空洞部142aの内壁より受ける付勢力が大きくなるため、挿通孔143aは一層縮径される。つまり、上記上方への移動量に応じて、空洞部142aの内壁より弾性変形部143が受ける付勢力は変化するため、挿通孔143aを所望される径に縮径調整することができる。
したがって、挿通孔143aに家庭用薄葉紙Pを挿通させた状態で、径調整部144により挿通孔143aの径を調整することにより、上記挿通された家庭用薄葉紙Pを物性に応じて適度な力で保持することが可能となる。
【0025】
トグルキャップ15は、例えば、蓋体本体13の上底部131に連結された基端部が、Y軸方向に沿って設けられた図示しない回動軸により、蓋体本体13の上底部131に対して回動自在に設けられている。
また、トグルキャップ15の下面には、取出部14を閉塞状態とした際に突起部134の係合突起134aと係合する係合部16が設けられている。この係合部16は、取出部14を閉塞する際に、突起部134の外周が当該係合部16の内周と接するようにして内挿されるように、トグルキャップ15の下面から円筒状ないし環状に突設されている。そして、トグルキャップ15は、例えば、閉塞状態と開放状態の中間位置において安定な状態を維持するように付勢されており、係合突起134aと係合部16との間の係合が解除されると、当該中間位置に維持されるようになっている。
なお、トグルキャップ15は、図1〜図5に図示される大きさに限定されるものではなく、取出孔141aを塞ぐことが出来、容器本体11に収納される家庭用薄葉紙を密封できる程度のもので足りる。
【0026】
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器100における、家庭用薄葉紙Pの装填動作について説明する。
【0027】
家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Pを装填する場合、まず、図2に示すように、雄ネジ部11bと雌ネジ部133による螺合を解除して容器本体11と蓋体12とを分離させ、ロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部11aからその内部に収納する。
次いで、上記収納された複数の家庭用薄葉紙Pの中から、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を上方へ向けて引き出し、当該引き出した一端を載置部145の孔145a,弾性変形部143の挿通孔143a,円盤部141の取出孔141aに挿通させ、所定量取出孔141aの上方に突出させて、上記家庭用薄葉紙Pを取出し可能な状態にする。
【0028】
次いで、径調整部144の周面(筒状部146)を把持して、r1又はr2方向に回転させると、図4や図5に示すように、当該回転量に応じて載置部145上の弾性変形部143が空洞部142aに向かって上方へ移動する。すると、弾性変形部143が空洞部142aの内壁と当接し、挿通孔143aの径方向に付勢され、挿通孔143aが所定の径に縮径するため、当該家庭用薄葉紙Pを物性に応じて適度な力で保持する。
次いで、上記挿通孔143aで家庭用薄葉紙Pを適度に保持した状態で、容器本体11に蓋体12を装着させて、トグルキャップ15を閉じることで、装填動作が完了する。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器100によれば、取出部14は、中央部に家庭用薄葉紙Pの上端を取出す取出孔141aが形成された円盤部141と、円盤部141の下面に上端が固着され、内部に家庭用薄葉紙Pの取出方向(Z軸方向)に向けて縮径するテーパ状の空洞部142aが形成された円筒状の円筒部142と、外形が空洞部142aより大きく当該空洞部142aと略同形のテーパ状に形成され、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させる挿通孔143aを備え、挿通孔143aの径方向に弾性変形可能な弾性変形部143と、弾性変形部143を載置し、弾性変形部143を空洞部142aに向けて移動可能に構成され、弾性変形部143が空洞部142aの内壁と当接して挿通孔143aの径方向に付勢されることで、挿通孔143aを所定の径に縮径させる径調整部144と、を備えて構成される。
【0030】
つまり、弾性変形部143の挿通孔143aに家庭用薄葉紙Pを挿通させ、取出孔141aの上方に当該家庭用薄葉紙Pの上端を突出させた状態で、径調整部144により、弾性変形部143が空洞部142aの内壁と当接して挿通孔143aの径方向に付勢されると、挿通孔143aが縮径して周面で家庭用薄葉紙Pを保持することができる。つまり、径調整部144により挿通孔143aの径を適宜調整することにより、家庭用薄葉紙Pを物性に応じて取出し易いように保持調整が可能となる。また、この際、家庭用薄葉紙Pの取出し位置はずれることがなく、外蓋(トグルキャップ15)は取出孔141aを覆うもので足りるため、特段製造コストがかさむこともない。
したがって、家庭用薄葉紙収納容器100は、製造コストを抑え、家庭用薄葉紙の取出し位置を変更することなく、家庭用薄葉紙の物性に応じて当該家庭用薄葉紙を取出し易く調整出来る家庭用薄葉紙収納容器であるといえる。
【0031】
また、円筒部142の外周面は雄ネジ溝142bが形成されており、径調整部144は、有底円筒形状をなし、内周面に雄ネジ溝142bと螺合する雌ネジ溝146aを有し、当該径調整部144に回転力が付与されることで雄ネジ溝142bに案内されて弾性変形部143を上方(円盤部141側)に移動させるように構成される。
【0032】
つまり、上記のように、雌雄一対の雄ネジ溝142b及び雌ネジ溝146aからなる簡便なネジ機構を用いて弾性変形部143の上下動(挿通孔143aの径調整)を容易に実現することが出来るので、本家庭用薄葉紙収納容器100の製造コストを好適に抑えることができる。
【0033】
また、弾性変形部143は、円周上に設けられた4体の分割ブロック143bから構成され、中央部に家庭用薄葉紙PをZ軸方向に亘って挿通させる挿通孔143aが設けられたコレットチャック構造からなる。
【0034】
つまり、当該分割ブロック143bが空洞部142aの内壁と当接することで、挿通孔143aを容易に縮径させることが出来るとともに、縮径した状態を自在に保持することが可能となる。
【0035】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0036】
例えば、上記実施形態では、弾性変形部143を上方に移動させる機構として、雌雄一対の雄ネジ溝142b及び雌ネジ溝146aからなるネジ機構を用いているが、ラック/ピニオン機構等適宜の変更が可能である。
【0037】
また、上記実施形態では、筒状部146を把持して、r1又はr2方向に回転させることで、弾性変形部143を空洞部142aに向かって上方へ移動させ、挿通孔143の径を縮径できるように構成したが、例えば、図6に示すように、円盤部1411をZ軸方向に上下動可能に構成して、円筒部142(空洞部142a)を弾性変形部143へ向けて下方に移動させるように構成しても良い。
【0038】
具体的には、円盤部1411の周面に雄ネジ用の雄ネジ溝1411aを形成しておき、突起部134の内壁面に上記雄ネジ溝1411aと螺合する、雌ネジ用の雌ネジ溝134bを備えておく。そして、載置部145の周面は蓋体本体13の内壁で固着支持する。
そして、円盤部141の上面の外周側に取手141bを設け、当該取手141bを把持して、r1又はr2方向に円盤部1411を回転させる。すると、雄ネジ溝1411aと雌ネジ溝134bとの螺合、及び、雄ネジ溝142bと雌ネジ溝146aとの螺合により、円盤部1411及び円筒部142(空洞部142a)を弾性変形部143に向けて下方へ移動し、空洞部142aと弾性変形部143が当接して、弾性変形部143が空洞部142aより付勢されて、挿通孔143aを縮径させることが出来る。
上記のように構成した場合、円盤部1411を回転させる取手141bが、円盤部1411の上面、つまり、蓋体本体13からトグルキャップ15を取り外した状態で外部に露出する位置に設けられているため、容器本体11に蓋体12を装着した後でも、挿通孔143aの縮径調整を行うことが可能となる。そのため、一旦縮径調整を行った後に再度の調整を行う場合等に蓋体12を取り外す必要がないため、装填作業が一層容易になる。
【符号の説明】
【0039】
100 家庭用薄葉紙収納容器
11 容器本体
11a 開口部
12 蓋体
14 取出部
141 円盤部
141a 取出孔
142 円筒部
142a 空洞部
142b 雄ネジ溝(第1のネジ溝)
143 弾性変形部
143a 挿通孔
144 径調整部
146a 雌ネジ溝(第2のネジ溝)
P 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記開口部を閉塞するように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出部は、
中央部に前記家庭用薄葉紙の上端を取出す取出孔が形成された上面部と、
前記上面部の下面に上端が固着され、内部に前記家庭用薄葉紙の取出方向に向けて縮径するテーパ状の空洞部が形成された円筒状の円筒部と、
外形が前記空洞部より大きく当該空洞部と略同形のテーパ状に形成され、中央部に前記家庭用薄葉紙を挿通させる挿通孔を備え、前記挿通孔の径方向に弾性変形可能な弾性変形部と、
前記弾性変形部を載置し、前記弾性変形部を前記空洞部に向けて移動可能に構成され、前記弾性変形部が前記空洞部の内壁と当接して前記挿通孔の径方向に付勢されることで、前記挿通孔を所定の径に縮径させる径調整部と、
を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記円筒部の外周面は第1のネジ溝が形成されており、
前記径調整部は、有底円筒形状をなし、内周面に前記第1のネジ溝と螺合する第2のネジ溝を有し、当該径調整部に回転力が付与されることで前記第1のネジ溝に案内されて前記弾性変形部を前記上面部側に移動させることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記弾性変形部は、コレットチャック構造からなることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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