説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】家庭用薄葉紙の装填作業を容易に行うことが出来る家庭用薄葉紙収納容器を提供する。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器100において、取出部14は、リング状に形成されたリング部141と、リング部141と対向して設けられた複数の羽根部材Bと、複数の羽根部材Bを同一面上に配置して家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔142を形成する取出状態と、取出状態の各羽根部材Bを同一面に直交する軸回りに回動させて取出孔142を拡張する拡張状態と、を切換える切換部17と、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。そして、上記家庭用薄葉紙収納容器においては、容器内部に収納された家庭用薄葉紙を湿潤状態に保つため、また、ロール状に巻回された家庭用薄葉紙をミシン目のところで切り離し可能に保持するため、取出し口を小さくして容器内部を密封する必要があった。そのため、家庭用薄葉紙を容器内部に装填する際、上記取出し口の小ささに起因して、その家庭用薄葉紙を取出し口に通し難く、装填作業に手間がかかるという問題があった。
【0003】
そこで、例えば、含水性シートを挿通する第1取出孔が形成された蓋体と、第1取出孔に連通し第2取出孔が形成された開口量調整部材と、を備え、第1及び第2取出孔が積重して形成される含水性シートの通過経路の開口量が、開口量調整部材の移動量および移動方向に対応して調整可能に構成された湿潤シート収容装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−221170号
【0005】
上記特許文献1記載の発明によると、開口量調整部材を所定の方向に回動させて形成される通過経路の開口を、回動量に応じて調整することが可能となるので、家庭用薄葉紙を取出し易いように取出し口の大きさを変更することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明では、家庭用薄葉紙の装填作業の際、最初、第1取出孔に家庭用薄葉紙を挿通させた後、第2取出孔に移動させる必要があるため、必ずしも使用者の装填作業の手間が軽減するとはいえない。
【0007】
本発明の課題は、家庭用薄葉紙の装填作業を容易に行うことが出来る家庭用薄葉紙収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器において、前記取出部は、リング状に形成されたリング部と、前記リング部と対向して設けられた複数の羽根部材と、前記複数の羽根部材を同一面上に配置して前記家庭用薄葉紙を取り出すための取出孔を形成する取出状態と、前記取出状態の各羽根部材を前記同一面に直交する軸回りに回動させて取出孔を拡張する拡張状態と、を切換える切換部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記切換部は、前記複数の羽根部材の前記リング部との対向面と反対の面に対向して設けられ、中心軸回りに回動可能なリング状の回動部と、前記リング部と各羽根部材とを連結する第1連結軸と、前記回動部と各羽根部材とを連結する第2連結軸と、を有し、前記回動部が回動することで前記第1連結軸回りに前記羽根部材が回動するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記切換部は、前記回動部の回動を操作する操作部を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記容器本体と前記蓋体とが螺合により連結され、前記容器本体は、周方向に所定の間隔で内面から上方に突出して設けられた複数の突起部を有し、前記切換部は、前記回動部の周面から所定の間隔で外方に突出する突部を備え、前記容器本体と前記蓋体との螺合の際の回動操作時に、前記突部が前記突起部と係合して前記回動部が回動することで、前記取出状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記切換部は、前記複数の羽根部材の下面に対向して設けられ、上面部がリング状の筒体と、前記リング部と各羽根部材とを連結する第1連結軸と、前記筒体の上面部と各羽根部材とを連結する第2連結軸と、を備え、前記容器本体の外周面と前記筒体の内周面とが螺合により連結されるとともに、前記容器本体と前記筒体との螺合終了後に、前記リング部を回転させることにより前記羽根部材が前記第2連結軸回りに回動して前記取出状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記容器本体と前記蓋体とが螺合により連結され、前記リング部は、前記蓋体の回動に連動して回動可能に構成されており、前記切換部は、前記複数の羽根部材の下面に対向して設けられたリング状の回動部と、前記リング部と各羽根部材とを連結する第1連結軸と、前記回動部と各羽根部材とを連結する第2連結軸と、を有し、前記容器本体と前記蓋体との螺合の際の回動操作時に、前記容器本体の上端部が前記回動部と係合して前記回動部が回動不能状態とされ、当該回動不能状態において前記蓋体を更に回動させることにより、前記羽根部材が前記第2連結軸回りに回動して前記取出状態となるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切換部により羽根部材を回動させることで、取出孔の取出状態と拡張状態とを切換えることができる。そのため、家庭用薄葉紙の装填作業の際には切換部により取出孔を拡張状態にすることで家庭用薄葉紙を取出孔に容易に通すことができ、その後、切換部を切換えるだけで簡単に取出孔を取出状態に戻すことが出来る。
したがって、本発明は、家庭用薄葉紙の装填作業を容易に行うことが出来る家庭用薄葉紙収納容器であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図2】図1におけるII−II断面の家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体を省略した横断面図である。
【図3】第1実施形態に係る複数の羽根部材が同一面上に配置された状態を説明するための模式図である。
【図4】第2実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図5】図4におけるV−V断面の家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体を省略した横断面図である。
【図6】第3実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体と蓋体を分離した状態をあらわす模式図である。
【図7】図6の家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体を省略した横断面図である。
【図8】第4実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体を省略した横断面図である。
【図9】第4実施形態に係る複数の羽根部材が同一面上に配置された状態を説明するための模式図である。
【図10】第5実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体を省略した横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0017】
(第1実施形態)
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1〜図3に示すように、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納する容器本体11と、この容器本体11の上端に形成される開口を閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部14が設けられた蓋体12と、取出部14を開閉するようにして蓋体12の蓋体本体13に回動自在に取り付けられたトグルキャップ15と、等を備えて構成される。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、トグルキャップ15の回動軸が設けられている側を後側とし、反対側を前側とする。さらに、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0018】
容器本体11は、例えば、図1及び図2に示すように、上下方向(Z軸方向)を中心としてロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを上面に載置する下底部を有するとともに上端部に開口部(図示省略)が設けられた有底円筒状をなし、上端部の外周面には周方向に沿って雄ネジ用のネジ溝(図示省略)が形成されている。また、容器本体11は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いは、ABS樹脂等から形成されている。
【0019】
蓋体12は、例えば、貫通部132を有する蓋体本体13と、蓋体本体13における当該貫通部132に取り付けられた取出部14と、を備えて構成される。
【0020】
蓋体本体13は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されている。そして、蓋体本体13は、上底部131を有するとともに下端部が開放された有底円筒状をなし、開放された下端部の内周面には容器本体11の雄ネジ用のネジ溝と螺合する雌ネジ部133が設けられている。容器本体11と蓋体本体13とは、当該容器本体11のネジ溝と雌ネジ部133との螺合により着脱自在に連結される。これにより、容器本体11の開口部が開閉自在となり、図2に示すように、容器本体11から蓋体12を取り外した状態で、容器本体11の内部に家庭用薄葉紙Pを収納したり取出したりすることが可能になっている。
【0021】
蓋体本体13の上底部131には、その略中央部に、当該蓋体本体13が容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向(Z軸方向)に貫通した平面視円形の貫通口が形成された貫通部132が設けられ、貫通部132の周囲には、例えば、円筒状ないし環状のZ軸方向上側(上方向)に突出する突出部134が設けられている。また、突出部134の上端には、水平方向外側に突出し、トグルキャップ15の係合部16(後述)と係合する係合突起134aが設けられている。
【0022】
取出部14は、例えば、リング状に形成されたリング部141と、リング部141と対向して設けられた複数の羽根部材Bと、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔142を形成する取出状態と、取出孔142を拡張する拡張状態と、を切換える切換部17と、を含んで構成される。
【0023】
リング部141は、例えば、羽根部材Bと対向するように取出部14の下端に配置され、周面が上底部131に固着保持され、XY平面視でリング状に形成された部位であり、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させるリング部孔1411が設けられている。
ここで、羽根部材Bは、リング部141の上方に複数配置される羽根形状からなる部材であり、図3に示すように、同一面上でリング部孔1411の上方を覆うように複数配置されることで、家庭用薄葉紙Pの周面を把持して家庭用薄葉紙収納容器100の内部(羽根部材Bの下方)を密封状態にする取出孔142を形成する。
【0024】
切換部17は、例えば、リング部141の上部に設けられた円筒部171と、円筒部171の上部に位置し、Z軸回りに回動可能な回動部172と、リング部141と各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173と、回動部172と各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174と、回動部172の回動を操作する操作部175と、を含んで構成される。
【0025】
円筒部171は、例えば、下端がリング部141に固着された円筒状の部位である。また、円筒部171の上端は、周方向に沿ってZ軸方向に突起した凸部(図示省略)が形成されている。
【0026】
回動部172は、例えば、下面が円筒部171に支持され、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させる回動部孔1721の形成されたリング状の部材である。そして、回動部172の周端部の下面は、上記円筒部171の凸部に噛合する溝形状の凹部(図示省略)が設けられており、円筒部171に対してZ軸回りに回動可能に形成されている。
【0027】
第1連結軸173は、リング部141と各羽根部材Bとを上下に連結する軸である。
第2連結軸174は、回動部172と各羽根部材Bとを上下に連結する軸である。
操作部175は、回動部172の周面の一部から外部へ向けて突出した部材である。そして、使用者が操作部175を把持してZ軸回りに所定角回転させることにより、回動部172の回動を操作することができる。
【0028】
したがって、図3に示すように、リング部孔1411の上方を覆うように羽根部材Bを複数配置した状態(取出状態)より、使用者が操作部175を操作して回動部172をr1方向に回動させると、第2連結軸174が当該回動に連動して第1連結軸173回りに各羽根部材Bを点P1から点P2へ向けて回動させることができる。そして、羽根部材Bは、図3の二点鎖線で示すように、点P2まで回動するとリング部孔1411の略外周に位置するようになるので、取出孔142を拡張することができ、拡張状態を形成する。反対に、当該拡張状態において、回動部172をr2方向に回動させると、各羽根部材Bは点P2から点P1へ向けて回動するため、リング部孔1411の上方を覆う取出状態に切換えることができる。
なお、同一面上の各羽根部材Bを、点P1から点P2へ向けて回動させる場合、各々の羽根部材Bが接触して干渉し合うことによって、完全に全ての羽根部材Bをリング部孔1411の外周に位置させることが出来ないおそれがあるが、各羽根部材Bが上記接触位置で静止した場合でも、取出孔142は十分(家庭用薄葉紙Pを挿通させる上で遊びを持たせることが出来る程度に)拡張したものとなる。
【0029】
トグルキャップ15は、例えば、蓋体本体13の上底部131に連結された基端部が、Y軸方向に沿って設けられた図示しない回動軸により、蓋体本体13の上底部131に対して回動自在に設けられている。
また、トグルキャップ15の下面には、取出部14を閉塞状態とした際に突出部134の係合突起134aと係合する係合部16が設けられている。この係合部16は、取出部14を閉塞する際に、突出部134の外周が当該係合部16の内周と接するようにして内挿されるように、トグルキャップ15の下面から円筒状ないし環状に突設されている。そして、トグルキャップ15は、例えば、閉塞状態と開放状態の中間位置において安定な状態を維持するように付勢されており、係合突起134aと係合部16との間の係合が解除されると、当該中間位置に維持されるようになっている。
なお、トグルキャップ15は、図1〜図2に図示される大きさに限定されるものではなく、取出孔142を塞ぐことが出来、容器本体11に収納される家庭用薄葉紙Pを密封できる程度のもので足りる。
【0030】
次に、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100における、家庭用薄葉紙Pの装填動作について説明する。
【0031】
家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Pを装填する場合、まず、容器本体11と蓋体12とを分離させ、ロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部からその内部に収納する。
次いで、切換部17により取出孔142を拡張状態に切換えておき、上記収納された複数の家庭用薄葉紙Pの中から、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を上方へ向けて引き出し、当該引き出した一端をリング部141のリング部孔1411,拡張状態にある取出孔142,回動部172の回動部孔1721に挿通させ、所定量回動部孔1721の上方に突出させて、上記家庭用薄葉紙Pを取出し可能な位置に配置する。
【0032】
次いで、上記家庭用薄葉紙Pを挿通させた状態で容器本体11に蓋体12を装着させ、操作部175を介して回動部172をZ軸回り(図3のr2方向)に回転させる。すると、図2及び図3に示すように、取出孔142が拡張状態から取出状態に切換えられる。最後に、トグルキャップ15を閉じることで、装填動作が完了する。
【0033】
以上説明したように、実施形態1に係る家庭用薄葉紙収納容器100によれば、取出部14は、リング状に形成されたリング部141と、リング部141と対向して設けられた複数の羽根部材Bと、複数の羽根部材Bを同一面上に配置して家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔142を形成する取出状態と、取出状態の各羽根部材Bを同一面に直交する軸回りに回動させて取出孔142を拡張する拡張状態と、を切換える切換部17と、を備えて構成される。
【0034】
つまり、切換部17により羽根部材Bを回動させることで、取出孔142の取出状態と拡張状態とを切換えることができる。そのため、家庭用薄葉紙Pの装填作業の際には切換部17により取出孔142を拡張状態にすることで家庭用薄葉紙Pを取出孔142に容易に通すことができ、その後、切換部17を切換えるだけで簡単に取出孔142を取出状態に戻すことが出来る。
したがって、家庭用薄葉紙収納容器100は、家庭用薄葉紙の装填作業を容易に行うことが出来る家庭用薄葉紙収納容器であるといえる。
【0035】
また、切換部17は、複数の羽根部材Bの上面に対向して設けられ、Z軸回りに回動可能なリング状の回動部172と、リング部141と各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173と、回動部172と各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174と、を有し、回動部172が回動することで第1連結軸173回りに羽根部材Bが回動するように構成される。
【0036】
つまり、回動部172を回動させると、第2連結軸174が当該回動に連動して第1連結軸173回りに各羽根部材Bを回動させる。そのため、上記取出状態と拡張状態との切換えは回動部172を回動させるだけで実現することができるので、家庭用薄葉紙の装填作業を簡便な操作で行うことが可能となる。
【0037】
また、切換部17は、回動部172の回動を操作する操作部175を備える。
【0038】
そのため、使用者は、操作部175を把持してZ軸回りに所定角回転させるだけで、容易に上記取出状態と拡張状態との切換えを行うことができる。さらに、操作部175は、トグルキャップ15の突出部134との係合を解除した状態で外部に露出するように設けられており、容器本体11に蓋体12を装着させた状態で操作が可能なので、一旦家庭用薄葉紙の装填作業を終えた段階でも、操作部175を介して容易に上記切換え動作を行うことができる。
【0039】
(実施形態2)
次に、実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器100aについて、図4及び図5を用いて説明する。
実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100では、容器本体11に蓋体12を装着させ、トグルキャップ15の係合を解除した状態で外部に露出する操作部175を介して、取出孔142を拡張状態から取出状態に切換えるように構成したが、実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器100aでは、容器本体11から蓋体12を取り外した状態で、取出孔142を拡張状態から取出状態に切換えるように構成する。
以下の家庭用薄葉紙収納容器100aの説明においては、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100との相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
リング部141aは、羽根部材Bと対向するように取出部14の上端に設けられ、下面が円筒部171aに固着保持され、XY平面視でリング状に形成された部位であり、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させるリング部孔1411が設けられている。
【0041】
切換部17aは、例えば、リング部141aの下部に設けられた円筒部171aと、円筒部171aと上底部131とを連結する連結部176aと、円筒部171aの下部に位置し、Z軸回りに回動可能な回動部172aと、リング部141aと各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173と、回動部172aと各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174と、回動部172aの回動を操作する操作部175aと、を含んで構成される。
【0042】
円筒部171aは、例えば、上端がリング部141aに固着され、周面に設けられた連結部176aに支持される円筒状の部位である。また、円筒部171aの下端は、周方向に沿って下方(Z軸方向)に突起した凸部(図示省略)が形成されている。
【0043】
回動部172aは、例えば、羽根部材Bの下面(複数の羽根部材Bのリング部141との対向面と反対の面)に設けられ、上面が円筒部171a及び第2連結軸174に支持され、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させる回動部孔1721の形成されたリング状の部材である。そして、回動部172aの周端部の上面は、上記円筒部171aの凸部に噛合する溝形状の凹部(図示省略)が設けられており、円筒部171aに対してZ軸回りに回動可能に形成されている。
【0044】
操作部175aは、回動部172aの周面の一部から外部へ向けて突出した部材である。そのため、操作部175aは、トグルキャップ15の突出部134との係合を解除した状態で外部に露出しない。したがって、使用者は、容器本体11から蓋体12を取り外した状態で、操作部175aを把持してZ軸回りに所定角回転させることにより、回動部172aの回動を操作することができる。
【0045】
次に、実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器100aにおける、家庭用薄葉紙Pの装填動作について説明する。
【0046】
家庭用薄葉紙収納容器100aに家庭用薄葉紙Pを装填する場合、まず、容器本体11と蓋体12とを分離させ、ロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部からその内部に収納する。
次いで、切換部17aにより取出孔142を拡張状態に切換えておき、上記収納された複数の家庭用薄葉紙Pの中から、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を上方へ向けて引き出し、当該引き出した一端をリング部141aのリング部孔1411,拡張状態にある取出孔142,回動部172aの回動部孔1721に挿通させ、所定量リング部孔1411の上方に突出させて、上記家庭用薄葉紙Pを取出し可能な位置に配置する。
【0047】
次いで、操作部175aを介して回動部172aをZ軸回り(図3のr2方向)に回転させる。そして、図5及び図3に示すように、取出孔142が拡張状態から取出状態に切換えられる。
最後に、上記取出状態で容器本体11に蓋体12を装着させ、トグルキャップ15を閉じることで、装填動作が完了する。
【0048】
以上説明したように、実施形態2に係る家庭用薄葉紙収納容器100aによれば、家庭用薄葉紙収納容器100と同様の効果を発揮することは勿論のこと、トグルキャップ15の係合を解除した状態で回動部172a(及び操作部175a)が外部に露出しないように構成されるため、家庭用薄葉紙収納容器100に比してトグルキャップ15(係合部16)を薄く形成することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0049】
(実施形態3)
次に、実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器100bについて、図6及び図7を用いて説明する。
実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器100aにおいて、トグルキャップ15の突出部134との係合を解除した状態で操作部175aは外部に露出せず、容器本体11から蓋体12を取り外した状態で、使用者が操作部175aを把持してZ軸回りに所定角回転させることにより、回動部172aの回動を操作することができるように構成した。一方、実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器100bでは、使用者が操作部175aを直接操作することなく、容器本体11に蓋体12を装着する動作に連動して、取出孔142を拡張状態から取出状態に切換えるように構成する。
以下の家庭用薄葉紙収納容器100bの説明においては、実施形態1〜2の家庭用薄葉紙収納容器100〜100aとの相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
容器本体11は、例えば、図6に示すように、上端部に開口が設けられた有底円筒状の部材である。そして、容器本体11の上端部の外周面には、周方向に沿って雌ネジ部133の雌ネジ用のネジ溝と螺合する雄ネジ用のネジ溝11bが形成されており、当該雌ネジ部133及びネジ溝11bを介して容器本体11と蓋体12とが螺合により連結される。さらに、上端部の内周面には周方向に沿って所定間隔で上方(Z軸方向)に突出した複数の突起部111bが設けられている。
【0051】
リング部141bは、羽根部材Bと対向するように取出部14の上端に設けられ、周面が後述の連結部176bに固着保持され、XY平面視でリング状に形成された部位であり、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させるリング部孔1411が設けられている。
【0052】
切換部17bは、例えば、リング部141bの下部に設けられた円筒部171bと、リング部141bと上底部131とを連結する連結部176bと、円筒部171bの下部に位置し、Z軸回りに回動可能な回動部172aと、リング部141bと各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173と、回動部172aと各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174と、回動部172aの周面から所定の間隔で外方に突出する突部177bと、を含んで構成される。
【0053】
円筒部171bは、例えば、上面がリング部141bに固着支持された円筒状の部位である。また、円筒部171bの下端は、周方向に沿って下方(Z軸方向)に突起した回動部172aの凹部と噛合する凸部(図示省略)が形成されている。
【0054】
突部177bは、回動部172aの周面に所定の間隔で複数設けられ、端部が容器本体11の突起部111bの上方まで外方に突出した部材である。そして、突部177bは、容器本体11と蓋体12との螺合の際の回動操作時に、上記突起部111bと係合可能な高さ位置に設けられている。そのため、上記回動操作時に、突部177bが突起部111bと係合して回動部172aをZ軸回りに回動させるので、取出孔142の拡張状態と取出状態とを切換えることができる。なお、使用者が突部177bを把持して回転させることによっても、当然に上記拡張状態と取出状態との切換えは可能である。
【0055】
次に、実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器100bにおける、家庭用薄葉紙Pの装填動作について説明する。
【0056】
家庭用薄葉紙収納容器100bに家庭用薄葉紙Pを装填する場合、まず、容器本体11と蓋体12とを分離させ、ロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部からその内部に収納する。
次いで、切換部17bにより取出孔142を拡張状態に切換えておき、上記収納された複数の家庭用薄葉紙Pの中から、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を上方へ向けて引き出し、当該引き出した一端をリング部141bのリング部孔1411,拡張状態にある取出孔142,回動部172bの回動部孔1721に挿通させ、所定量リング部孔1411の上方に突出させて、上記家庭用薄葉紙Pを取出し可能な位置に配置する。
【0057】
次いで、容器本体11と蓋体12とを螺合させて回動操作を行う。すると、突部177bと突起部111bとが係合して回動部172aがZ軸回り(図3のr2方向)に回動し、取出孔142が拡張状態から取出状態に切換えられる。そして、上記回動操作が終了した時点で容器本体11に蓋体12が装着される。最後に、トグルキャップ15を閉じることで、装填動作が完了する。
【0058】
以上説明したように、実施形態3に係る家庭用薄葉紙収納容器100bでは、容器本体11は、周方向に所定の間隔で内面から上方に突出して設けられた複数の突起部111bを有し、切換部17bは、回動部172aの周面から所定の間隔で外方に突出する突部177bを備え、容器本体11と蓋体12との螺合の際の回動操作時に、突部177bが突起部11bと係合して回動部172aが回動することで、取出状態となるように構成されている。
【0059】
つまり、家庭用薄葉紙収納容器100bによると、家庭用薄葉紙収納容器100aと同様の効果を発揮することは勿論のこと、使用者が突部177bを直接操作することなく、容器本体11に蓋体12を装着する動作に連動して、取出孔142を拡張状態から取出状態に切換えることができるので、家庭用薄葉紙Pの装填作業が一層簡便化される。
【0060】
(実施形態4)
次に、実施形態4の家庭用薄葉紙収納容器100cについて、図8及び図9を用いて説明する。
実施形態1〜実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器100〜100bにおいては、切換部17〜17bは、回動部172〜172aを回動させることにより、取出孔142を拡張状態から取出状態に切換えることができるように構成したが、家庭用薄葉紙収納容器100cでは、リング部を回動させることにより上記切換えが可能なように構成する。
【0061】
以下の家庭用薄葉紙収納容器100cの説明においては、実施形態1〜3の家庭用薄葉紙収納容器100〜100bとの相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
蓋体本体13cは、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されており、貫通部132を有する。
また、蓋体本体13cは、上底部131を有するとともに下端部が開放され、下端位置が後述の筒体178cと略等しい有底円筒状からなる部材である。また、蓋体本体13cの内周面には、凹状に形成された凹部135cが形成されており、後述の筒体178cの凸部1781cと係合するように構成される。そのため、当該凹部135cと凸部1781cの噛合により、蓋体本体13cと筒体178cとが連結するとともに、容器本体11と筒体178cとが螺合により連結された状態で、蓋体本体13cを筒体178cに対してZ軸回りに回動させることができる。
【0063】
取出部14cは、例えば、リング状に形成されたリング部141cと、リング部141cと対向して設けられた複数の羽根部材Bと、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔142を形成する取出状態と、取出孔142を拡張する拡張状態と、を切換える切換部17cと、を含んで構成される。
【0064】
リング部141cは、羽根部材Bの上方に位置し、上底部131(蓋体本体13c)の一部として形成されたリング状の部材であり、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させるリング部孔1411が設けられている。したがって、リング部141cは、蓋体本体13cの回動に連動してZ軸回りに回動できるように構成される。
【0065】
切換部17cは、例えば、複数の羽根部材Bの下面に対向して設けられ、上面部に回動部172cを備えた筒体178cと、リング部141cと各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173cと、回動部172cと各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174cと、を含んで構成される。
【0066】
筒体178cは、下端部が開放された有底円筒状をなし、開放された下端部の内周面には容器本体11の雄ネジ用のネジ溝と螺合する雌ネジ部1782cが設けられている。そのため、容器本体11と筒体178cとは、当該容器本体11のネジ溝と雌ネジ部1782cとの螺合により着脱自在に連結される。
また、筒体178cは、所定の高さ位置で外周面に亘って外方に突起した凸部1781cが形成されており、蓋体本体13cの凹部135cと係合して蓋体本体13cと連結される。
さらに、筒体178cの上面部は、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させる回動部孔1721を備えるリング状に形成された回動部172cが設けられている。そして、回動部172cは、筒体178cの一部であるため、蓋体12の回動に応じてZ軸回りに回動する。
【0067】
第1連結軸173cは、リング部141cと各羽根部材Bとを上下に連結する軸である。
第2連結軸174cは、回動部172cと各羽根部材Bとを上下に連結する軸である。
【0068】
ここで、容器本体11より蓋体12を取り外した状態において、使用者が蓋体12を回動させた場合、上記凸部1781cと凹部135cの係合により、蓋体本体13cと筒体178cは蓋体12の回動に応じてZ軸回りに一体的に回動する。一方、容器本体11に蓋体12を装着した状態においては、使用者が容器本体11を把持して蓋体12を回動させた場合、蓋体本体13cが凸部1781cと凹部135cの係合力に抗してZ軸回りに回動する一方で、容器本体11に装着(回動が規制)された筒体178cは静止状態を保つ。そのため、回動部172cを静止させた状態で、リング部141cのみをZ軸回りに回動させることができる。
そのため、図9に示す取出状態において、容器本体11に蓋体12を装着し、容器本体11を把持して蓋体12(リング部141c)をr1方向に回動させると、第1連結軸173cがリング部141cの回動に連動して第2連結軸174c回りに各羽根部材Bを点P1´から点P2´へ向けて回動させ、取出孔142の拡張状態を形成できる。反対に、当該拡張状態において、蓋体12(リング部141c)をr2方向に回動させると、各羽根部材Bは点P2´から点P1´へ向けて回動するため、取出状態に切換えることができる。
【0069】
次に、実施形態4の家庭用薄葉紙収納容器100cにおける、家庭用薄葉紙Pの装填動作について説明する。
【0070】
家庭用薄葉紙収納容器100cに家庭用薄葉紙Pを装填する場合、まず、取出孔142を拡張状態に切換えておく。次いで、容器本体11と蓋体12とを分離させた状態で、ロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部からその内部に収納する。
次いで、上記収納された複数の家庭用薄葉紙Pの中から、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を上方へ向けて引き出し、当該引き出した一端をリング部141cのリング部孔1411,拡張状態にある取出孔142,回動部172cの回動部孔1721に挿通させ、所定量リング部孔1411の上方に突出させて、上記家庭用薄葉紙Pを取出し可能な位置に配置する。
【0071】
次いで、容器本体11と筒体178cとを螺合させて双方を連結する。そして、上記螺合の終了後に、リング部141cを回転させると、取出孔142が拡張状態から取出状態に切換えられる。最後に、トグルキャップ15を閉じることで、装填動作が完了する。
【0072】
以上説明したように、実施形態4に係る家庭用薄葉紙収納容器100cでは、切換部17cは、複数の羽根部材Bの下面に対向して設けられ、上面部がリング状の回動部172cからなる筒体178cと、リング部141cと各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173cと、回動部172cと各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174cと、を備え、容器本体11の外周面と筒体178cの内周面とが螺合により連結されるとともに、容器本体11と筒体178cとの螺合終了後に、リング部141c(蓋体本体13c)を回転させることにより羽根部材Bが第2連結軸174c周りに回動して取出状態となるように構成されている。
【0073】
つまり、家庭用薄葉紙収納容器100cによると、家庭用薄葉紙収納容器100と同様の効果を発揮することは勿論のこと、蓋体本体13cを回転させるだけで取出孔142を拡張状態から取出状態に容易に切換えることができるので、家庭用薄葉紙Pの装填作業が一層簡便化される。
【0074】
(実施形態5)
次に、実施形態5の家庭用薄葉紙収納容器100dについて、図10を用いて説明する。
実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器100bにおいては、回動操作時に回動部172aの突部177bを容器本体11に設けられた突起部111bと係合させて回動部172aを回動するように構成したが、家庭用薄葉紙収納容器100dでは、容器本体11に突起部111bを設けることなく、容器本体11に蓋体12を装着する動作に連動して、回動部を回動するように構成する。
【0075】
以下の家庭用薄葉紙収納容器100dの説明においては、実施形態1〜4の家庭用薄葉紙収納容器100〜100cとの相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
容器本体11は、例えば、図10に示すように、上端部111dに開口が設けられた有底円筒状の部材である。そして、容器本体11の上端部111dの外周面には、周方向に沿って雌ネジ部133の雌ネジ用のネジ溝と螺合する雄ネジ用のネジ溝11bが形成されており、当該雌ネジ部133及びネジ溝11bを介して容器本体11と蓋体12とが螺合により連結される。
さらに、ネジ溝11bの上端には、上記雄ネジ用のネジ溝が形成されていない円筒状の係合部11dが設けられている。当該係合部11dは、上記容器本体11と蓋体12とを螺合させて回動操作を行う際の、回動操作の終了間際(つまり、容器本体11に蓋体12が略取り付けられた状態)で、後述の回動部172dと高さ位置が一致するように構成されている。
【0077】
リング部141dは、羽根部材Bと対向するように設けられ、周面と上端が上底部131(突出部134)に固着保持され、蓋体12の回動に連動してZ軸回りに回動可能に構成されている。また、リング部141dは、XY平面視でリング状に形成された部位であり、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させるリング部孔1411が設けられている。
【0078】
切換部17dは、例えば、複数の羽根部材Bの下面に対向して設けられた回動部172dと、リング部141dと各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173cと、回動部172dと各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174cと、を含んで構成される。
【0079】
回動部172dは、例えば、羽根部材Bの下面に設けられ、中央部に家庭用薄葉紙Pを挿通させる回動部孔1721の形成されたリング状の部材である。また、回動部172dの外径は、ネジ溝11bの内径と略一致し、係合部11dと回動部172dの高さ位置が一致した時点で係合部11dと係合可能なように形成されている。
そのため、容器本体11と蓋体12との螺合による回動操作の終了間際で、係合部11dと回動部172dの高さ位置が一致するので、当該一致後回動操作が終了するまでは、係合部11dとの係合により回動部172dが回動不能状態となる。したがって、当該回動不能状態において、容器本体11への蓋体12の装着が完了するまで更に蓋体12を回動させると、リング部141dの回動によって羽根部材Bが第2連結軸174c回りに回動するので、取出孔142の拡張状態を取出状態に切換えることができる。
【0080】
次に、実施形態5の家庭用薄葉紙収納容器100dにおける、家庭用薄葉紙Pの装填動作について説明する。
【0081】
家庭用薄葉紙収納容器100dに家庭用薄葉紙Pを装填する場合、まず、容器本体11と蓋体12とを分離させ、ロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部からその内部に収納する。
次いで、切換部17dにより取出孔142を拡張状態に切換えておき、上記収納された複数の家庭用薄葉紙Pの中から、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を上方へ向けて引き出し、当該引き出した一端をリング部141dのリング部孔1411,拡張状態にある取出孔142,回動部172dの回動部孔1721に挿通させ、所定量リング部孔1411の上方に突出させて、上記家庭用薄葉紙Pを取出し可能な位置に配置する。
【0082】
次いで、容器本体11と蓋体12とを螺合させて回動操作を行う。すると、当該回動操作の終了間際で係合部11dと回動部172dの高さ位置が一致し、回動部172dが回動不能状態となる。そして、当該回動不能状態で、容器本体11への蓋体12の装着が完了するまで更に蓋体12を回動させると、羽根部材Bが第2連結軸174c回りに回動して、取出孔142の拡張状態が取出状態に切換わる。最後に、トグルキャップ15を閉じることで、装填動作が完了する。
【0083】
以上説明したように、実施形態5に係る家庭用薄葉紙収納容器100dでは、切換部17dは、複数の羽根部材Bの下面に対向して設けられたリング状の回動部172dと、リング部141dと各羽根部材Bとを連結する第1連結軸173cと、回動部172dと各羽根部材Bとを連結する第2連結軸174cと、を有し、容器本体11と蓋体12との螺合の際の回動操作時に、容器本体11の係合部11dが回動部172dと係合して回動部172dが回動不能状態とされ、更に蓋体12を回動させることにより、羽根部材Bが第2連結軸174c回りに回動して取出状態となるように構成されている。
【0084】
つまり、家庭用薄葉紙収納容器100dによると、容器本体11に蓋体12を装着する動作に連動して、取出孔142を拡張状態から取出状態に切換えることができるので、家庭用薄葉紙Pの装填作業が一層簡便化される。
【0085】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0086】
具体的には、上記実施形態1〜5においては、複数の羽根部材Bが同一面上に配置されて取出孔142が形成され、各々の羽根部材Bを回動させて取出状態と拡張状態とが切換わるように構成したが、例えば、上下方向に僅かにずらして配置され、中心角が180°以上の2つの扇形状の部材を接離可能なように構成し、当該2つの部材が家庭用薄葉紙Pの周面を把持し得るまで接近させた状態(取出状態)で形成される孔を取出孔とし、上記取出状態から当該2つの部材を離間させて拡張状態に切換わるように構成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
100,100a,100b,100c,100d 家庭用薄葉紙収納容器
11 容器本体
111b 突起部
12 蓋体
14,14c 取出部
141,141a,141b,141c,141d リング部
142 取出孔
17,17a,17b,17c,17d 切換部
172,172a,172c,172d 回動部
173,173c 第1連結軸
174,174c 第2連結軸
175,175a 操作部
177b 突部
178c 筒体
B 羽根部材
P 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出部は、
リング状に形成されたリング部と、
前記リング部と対向して設けられた複数の羽根部材と、
前記複数の羽根部材を同一面上に配置して前記家庭用薄葉紙を取り出すための取出孔を形成する取出状態と、前記取出状態の各羽根部材を前記同一面に直交する軸回りに回動させて取出孔を拡張する拡張状態と、を切換える切換部と、を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記切換部は、
前記複数の羽根部材の前記リング部との対向面と反対の面に対向して設けられ、中心軸回りに回動可能なリング状の回動部と、
前記リング部と各羽根部材とを連結する第1連結軸と、
前記回動部と各羽根部材とを連結する第2連結軸と、
を有し、
前記回動部が回動することで前記第1連結軸回りに前記羽根部材が回動するように構成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記切換部は、
前記回動部の回動を操作する操作部を備えることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記容器本体と前記蓋体とが螺合により連結され、
前記容器本体は、周方向に所定の間隔で内面から上方に突出して設けられた複数の突起部を有し、
前記切換部は、
前記回動部の周面から所定の間隔で外方に突出する突部を備え、
前記容器本体と前記蓋体との螺合の際の回動操作時に、前記突部が前記突起部と係合して前記回動部が回動することで、前記取出状態となるように構成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記切換部は、
前記複数の羽根部材の下面に対向して設けられ、上面部がリング状の筒体と、
前記リング部と各羽根部材とを連結する第1連結軸と、
前記筒体の上面部と各羽根部材とを連結する第2連結軸と、を備え、
前記容器本体の外周面と前記筒体の内周面とが螺合により連結されるとともに、前記容器本体と前記筒体との螺合終了後に、前記リング部を回転させることにより前記羽根部材が前記第2連結軸回りに回動して前記取出状態となるように構成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項6】
請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記容器本体と前記蓋体とが螺合により連結され、
前記リング部は、前記蓋体の回動に連動して回動可能に構成されており、
前記切換部は、
前記複数の羽根部材の下面に対向して設けられたリング状の回動部と、
前記リング部と各羽根部材とを連結する第1連結軸と、
前記回動部と各羽根部材とを連結する第2連結軸と、
を有し、
前記容器本体と前記蓋体との螺合の際の回動操作時に、前記容器本体の上端部が前記回動部と係合して前記回動部が回動不能状態とされ、当該回動不能状態において前記蓋体を更に回動させることにより、前記羽根部材が前記第2連結軸回りに回動して前記取出状態となるように構成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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