説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】複数の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器の使い勝手の向上を図る。
【解決手段】内側に家庭用薄葉紙Sが収納される収納空間部4を構成するとともに、家庭用薄葉紙の取出口が形成された容器本体1と、取出口を開閉するように容器本体に取り付けられた上蓋部3と、を備える家庭用薄葉紙収納容器100であって、収納空間部には、同じ種類若しくは異なる種類の複数の家庭用薄葉紙をそれぞれ収納する複数の第1収納部41、41が設けられ、取出口は、複数の第1収納部の各々に対応して容器本体の一側部にそれぞれ設けられた複数の第1取出口16、16を有し、上蓋部は、複数の第1取出口の各々に対応して容器本体の一側部に複数取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティシュー等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くためのウェットティシューを収納するウェットティシュー収納容器が知られている。
このウェットティシュー収納容器として、二種類のシート状物の収納及び取り出しを可能に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−137300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、ウェットティシュー収納容器の内部空間を上下に分割して収納空間をそれぞれ形成し、上面及び底面のそれぞれに取出口を設ける構成となっている。このため、ウェットティシュー収納容器を一方の取出口が上を向くように載置して、一方の収納空間に収納されたシート状物を取り出して使用する場合には、他方の収納空間に収納されたシート状物の取出口は下を向いた状態となり、使い勝手が悪いといった問題がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、複数の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器の使い勝手の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の家庭用薄葉紙収納容器は、
内側に家庭用薄葉紙が収納される収納空間部を構成するとともに、前記家庭用薄葉紙の取出口が形成された容器本体と、
前記取出口を開閉するように前記容器本体に取り付けられた蓋部と、を備え、
前記収納空間部には、同じ種類若しくは異なる種類の複数の家庭用薄葉紙をそれぞれ収納する複数の第1収納部が設けられ、
前記取出口は、前記複数の第1収納部の各々に対応して前記容器本体の一側部にそれぞれ設けられた複数の第1取出口を有し、
前記蓋部は、前記複数の第1取出口の各々に対応して前記容器本体の一側部に複数取り付けられていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記複数の蓋部の各々と前記容器本体との各隙間を封止する気密手段を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記複数の蓋部の各々は、前記第1取出口を開閉するように前記容器本体に回動自在に設けられ、
前記容器本体に設けられ、前記複数の蓋部の各々を開方向に付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部の各々を前記第1取出口が閉塞状態となるように所定位置に係止する係止手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記付勢手段は、前記複数の蓋部により共用される一の部材から構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記収納空間部に前記第1収納部が互いに連通するように2つ配設されるとともに、これら2つの第1収納部によって当該第1収納部の各々に収納される第1家庭用薄葉紙よりも所定方向の長さが長い第2家庭用薄葉紙を収納可能な第2収納部が構成され、
前記取出口は、前記2つの第1収納部の各々に対応する2つの第1取出口の間に、前記第2収納部に対応して設けられた第2取出口を有し、
前記蓋部は、前記第1取出口の各々に対応するように2つ設けられ、当該2つの蓋部のうち、何れか一方の蓋部を開状態とすることにより形成される開口を介して前記第2収納部に収納された前記第2家庭用薄葉紙を取出可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記第2取出口は、前記第1取出口よりも前記蓋部から離れた位置に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の第1収納部の各々に対応して容器本体の一側部にそれぞれ設けられた複数の第1取出口の各々に対応して容器本体の一側部に取り付けられている複数の蓋部を個別に開閉させることで、複数の第1収納部の各々に収納された同じ種類若しくは異なる種類の複数の家庭用薄葉紙を対応する第1取出口を介して個別に取り出すことができる。即ち、複数の蓋部のうち、何れか一の蓋部を開状態とすることで、一の第1収納部に収納された所定の家庭用薄葉紙のみを取り出すことができるだけでなく、複数の蓋部の両方を同時に開状態とすることで、複数の第1収納部の各々に収納された複数の家庭用薄葉紙の両方を同時に取り出すこともできる。
従って、複数の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器の使い勝手の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用した一実施形態の家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における家庭用薄葉紙収納容器の断面図である。
【図3】図1の家庭用薄葉紙収納容器の上蓋部を拡大した状態を示す要部断面図である。
【図4】図1の家庭用薄葉紙収納容器の右側の上蓋部を開放した状態を示す側面図である。
【図5】図1の家庭用薄葉紙収納容器に家庭用薄葉紙を収納した状態を模式的に示す図である。
【図6】家庭用薄葉紙収納容器の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の家庭用薄葉紙収納容器100の斜視図である。また、図2は、図1のII−II線における家庭用薄葉紙収納容器100の断面図である。また、図3は、上蓋部3を拡大した状態を示す要部断面図である。また、図4は、右側の上蓋部3を略90度開放した状態を示す側面図である。また、図5は、家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Sを収納した状態を模式的に示す図である。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の2つの上蓋部3の各々が開放することで開口が形成される側を右側及び左側とし、左右方向(幅方向)に直交する一方向を前後方向とし、前後方向及び左右方向の双方に直交する方向を上下方向とする。
【0015】
本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1〜図5に示すように、内側に家庭用薄葉紙S(図5(a)等参照)を収納する容器本体1と、この容器本体1の底面開口1a(図2参照)を塞ぐ底蓋部2と、容器本体1の上部に設けられた家庭用薄葉紙Sの二つの第1取出口16、16を開閉するように当該容器本体1に回動自在に取り付けられた2つの上蓋部3、3等を備え、これら2つの上蓋部3、3を閉じた状態にて、外形が左右方向に長尺な略直方体状に形成されている。
【0016】
先ず、家庭用薄葉紙Sについて説明する。
家庭用薄葉紙Sとしては、例えば、ドライ若しくはウェット状態のシートやティッシュ等が挙げられる。また、家庭用薄葉紙Sを家庭用薄葉紙収納容器100に収納した状態で左右方向となる方向の長さ(左右幅)は、当該家庭用薄葉紙収納容器100の内寸の左右幅と同程度のもの(第2家庭用薄葉紙S2)であっても良いし、家庭用薄葉紙収納容器100の内寸の左右幅の1/2程度のもの(第1家庭用薄葉紙S1)であっても良い。即ち、家庭用薄葉紙収納容器100は、左右幅が所定の長さの第1家庭用薄葉紙S1よりも左右方向の長さが長い第2家庭用薄葉紙S2を収納可能に構成されている。
また、以下の説明にあっては、家庭用薄葉紙Sとして、複数枚の家庭用薄葉紙Sが所定の包装体に被覆された状態の詰め替え用パックP(第1詰め替え用パックP1、第2詰め替え用パックP2;図5(a)及び図5(b)参照))を例示して説明するが、これに限られるものではなく、所定の包装体に被覆されるか否かは適宜任意に変更可能である。
【0017】
容器本体1は、上下両側に開口1a、1bを有するとともに、底面開口1aを塞ぐように底蓋部2が取り付けられることにより、この底蓋部2とともに家庭用薄葉紙Sを収納する収納空間部4を構成するものである。
具体的には、容器本体1は、例えば、図2〜図5に示すように、上下両端の開口1a、1bを構成する前後左右の側面部11、…と、家庭用薄葉紙Sの第1取出口16及び第2取出口17を形成する取出口形成面部12とを備えている。
なお、容器本体1は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いは、ABS樹脂等から形成されているが、容器本体1の材料はこれに限られるものではない。
【0018】
前後左右の側面部11、…は、略等しい高さを有し、このうち、前後の2つの側面部11、11は、左右方向の長さが略等しい略矩形状に形成され、また、左右の2つの側面部11、11は、前後方向の長さが略等しい矩形状に形成されている。
そして、前後左右の側面部11、…の下端部により、断面略矩形状の底面開口1aが形成されている。
【0019】
前後左右の側面部11、…の下端部と底蓋部2の上端部が係合することにより、底面開口1aを塞ぐことができる一方で、当該係合を解除することにより、当該容器本体1の内側を開放(露出)させるようになっている。
従って、収納空間部4に第1詰め替え用パックP1や第2詰め替え用パックP2等(家庭用薄葉紙S)を収納する場合には、底蓋部2を側面部11、…から取り外して当該容器本体1の内側を開放して第1詰め替え用パックP1や第2詰め替え用パックP2等を収納し、その後、側面部11、…に底蓋部2を取り付けることにより、底面開口1aを塞ぐようになっている。
【0020】
なお、底蓋部2は、容器本体1と同様に、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いは、ABS樹脂等から形成されているが、底蓋部2の材料はこれに限られるものではない。
【0021】
また、前後左右の側面部11、…の上端部により、断面略矩形状の上面開口1bが形成されている。
前後の2つの側面部11、11の上端部の左右方向略中央部には、上面開口1bを塞ぐように取り付けられる2つの上蓋部3、3の前後方向に延在する回動軸33(図3(a)等参照)の軸受部13がそれぞれ設けられている。即ち、軸受部13は、上蓋部3が前後方向の軸心回りに回動自在となるように回動軸33を軸支している。
【0022】
前後の2つの側面部11、11の各々に形成された2つの軸受部13、13により左右方向に挟まれるようにして、2つの上蓋部3、3の各々を開方向に付勢する弾性部材14が設けられている(図3(a)等参照)。
弾性部材14は、例えば、ゴムや熱可塑性エラストマー等から構成された前後方向に長尺な部材であり、取出口形成面部12の上面部121の前後の平面部121b、121bによって両端部が支持されるようにして配設されている。また、弾性部材14は、各上蓋部3の内側起立面部32(後述)の外面にそれぞれに当接し、当該内側起立面部32の各々を左右方向外側にそれぞれ付勢する。即ち、弾性部材14は、2つの上蓋部3、3の内側起立面部32の間に設けられ、2つの上蓋部3、3により共用されている。
ここで、各上蓋部3は、前後方向の軸心回りに回動自在となっているため、各内側起立面部32が弾性部材14により左右方向外側に付勢されることで、当該上蓋部3が開方向に付勢された状態となっている。
このように、弾性部材14は、複数の上蓋部3の各々を開方向に付勢する付勢手段を構成している。
なお、上蓋部3の詳細な構成については、後述する。
【0023】
左右の2つの側面部11、11の上端部の前後方向略中央部には、上蓋部3の縁部に指や爪等を引っかけるための凹部15がそれぞれ形成されている。
凹部15は、上蓋部3の下面よりも深くなるように凹んでおり、この凹部15の奥側縁部(例えば、右側の凹部15における左側縁部等)が、上蓋部3の手前側の端部(例えば、右側の上蓋部3における右側の端部等)よりも奥側に配置されている。
【0024】
また、凹部15の下端部と取出口形成面部12の上面部121との間には、上蓋部3の凸部35と係合する被係合部15aを構成する所定の空間が形成されている(図2等参照)。そして、上蓋部3の凸部35が被係合部15aと係合することで弾性部材14の付勢力に抗して上蓋部3が係止された状態、即ち、上蓋部3が第1取出口16を閉塞した状態となって、上蓋部3の第1取出口16を開放するような左右方向内側に対する回動が規制される。
ここで、被係合部15aと上蓋部3の凸部35は、弾性部材14の付勢力に抗して上蓋部3の各々を第1取出口16が閉塞状態となるように所定位置に係止する係止手段を構成している。
【0025】
そして、上蓋部3が係止された状態、即ち、上蓋部3が第1取出口16を閉塞した状態にて、凹部15に指や爪を入れて上蓋部3の縁部に引っかけて当該上蓋部3を前後方向の軸心回りに上方向に回動させることにより、上蓋部3の凸部35と被係合部15aとの係合(上蓋部3の係止)が解除され、弾性部材14の復元力に起因する付勢力により上蓋部3が前後方向の軸心回りに跳ね上げられる。これにより、第1取出口16が開放状態となる。
【0026】
取出口形成面部12は、前後左右の側面部11、…の内面に連続して形成され、2つの第1取出口16、16が形成された上面部121と、この上面部121の内側端部に連続して形成された起立面部122と、この起立面部122の下端部に連続して形成され、第2取出口17が形成された下面部123とを具備している。
【0027】
上面部121は、前後左右の側面部11、…の内面の上面開口1b側の所定位置から内側に突出するように形成された前後方向及び左右方向に略平行な平面であり、平面視にて左右方向に長尺な環状(略「ロ」字状)をなしている。
具体的には、上面部121は、第1取出口16がそれぞれ形成された左右の平面部121a、121aと、これら左右の平面部121a、121aをつなぐ前後の平面部121b、121bとを具備している(図1(b)等参照)。
【0028】
左右の平面部121a、121aは、前後方向に長尺な略矩形状をなし、前後方向略中央部に第1取出口16がそれぞれ形成されている。つまり、2つの第1取出口16、16は、容器本体1の上側部(一側部)にそれぞれ設けられている。
前後の平面部121b、121bは、左右方向に長尺な略矩形状をなし、左右方向略中央部によって弾性部材14が下側から支持されている。
なお、第1取出口16は、例えば、平面視略矩形状に形成された開口である。
【0029】
起立面部122は、上面部121の前後左右の各平面部の内側端部から下方向に略等しい深さ(高さ)に突出して形成されている。
【0030】
下面部123は、前後方向及び左右方向に略平行な平面であり、前後方向に長尺な略矩形状をなしている。
また、下面部123の前後方向略中央部に、例えば、平面視略矩形状に形成された第2取出口17が形成されている。即ち、第2取出口17は、2つの第1取出口16、16の間に設けられている。また、第2取出口17は、第1取出口16よりも下側、つまり、上蓋部3から離れた位置に形成されている。
【0031】
また、取出口形成面部12は、家庭用薄葉紙Sが収納される収納空間部4の上面を構成している。即ち、容器本体1の前後左右の側面部11、…と取出口形成面部12と底蓋部2とによって、家庭用薄葉紙Sが収納される収納空間部4を構成している。
【0032】
収納空間部4は、2つの第1取出口16の各々の下側に、互いに連通するように2つの第1収納部41、41が配設されている(図5(a)参照)。つまり、第1取出口16は、2つの第1収納部41の各々に対応して設けられている。
第1収納部41は、左右方向の長さが当該家庭用薄葉紙収納容器100の内寸の1/2程度の第1家庭用薄葉紙S1(第1詰め替え用パックP1)を収納する。従って、家庭用薄葉紙収納容器100は、2つの第1詰め替え用パックP1、P1を収納可能になっている(図5(a)参照)。
なお、第1収納部41に収納される家庭用薄葉紙Sは、同じ種類であっても良いし、異なる種類(例えば、ドライ状態のものとウェット状態のもの等)であっても良い。
【0033】
また、2つの第1収納部41、41によって当該第1収納部41の各々に収納される第1家庭用薄葉紙S1よりも左右方向の長さが長い第2家庭用薄葉紙S2(第2詰め替え用パックP2)を収納可能な第2収納部42が構成されている(図5(b)参照)。即ち、第2収納部42は、左右方向の長さが家庭用薄葉紙収納容器100の内寸と同程度の第2家庭用薄葉紙S2(第2詰め替え用パックP2)を収納する。
第2収納部42に収納された第2家庭用薄葉紙S2の取り出しは、2つの第1取出口16、16の間に設けられた第2取出口17を介して行われる。つまり、第2取出口17は、第2収納部42に対応して設けられている。そして、2つの上蓋部3、3のうち、何れか一方の上蓋部3(例えば、右側の上蓋部3等)を開状態とすることにより形成される開口を介して第2収納部42に収納された第2家庭用薄葉紙S2を取出可能となっている(図5(b)参照)。
【0034】
なお、上面部121と起立面部122との接続部分は、例えば、滑らかな曲線を描くように面取りされても良く、これにより、第2取出口17から家庭用薄葉紙Sを取り出す際に、家庭用薄葉紙Sを把持するための指をスムーズに出し入れしたり、家庭用薄葉紙S自体をスムーズに取り出すことができる。
【0035】
2つの上蓋部3、3の各々は、天面部31を有するとともに下端部に開口部が設けられた箱状に形成されている。具体的には、各上蓋部3は、天面部31と、この天面部31の左右方向内側の端部に連続して形成された内側起立面部32と、この内側起立面部32と天面部31との境目部分に形成された回動軸33と、天面部31の下面に形成された気密部34とを備えている(図3及び図4等参照)。
【0036】
天面部31は、前後方向に長尺な略矩形状をなし、上蓋部3が閉じられた状態にて、容器本体1の前後左右の側面部11、…の上端面と略面一となる。
また、天面部31の左右方向内側の端部の前後方向中央部よりの位置に、内側起立面部32が設けられている。
【0037】
内側起立面部32は、天面部31の下面から当該天面部31に対して略直交するように下方向に所定の長さ突出して形成されている(図3(a)等参照)。また、内側起立面部32の前後方向の長さは、取出口形成面部12の上面部121の前後の平面部121b、121bどうしの間隔と略等しいか、或いは、その間隔よりもわずかに短くなっている。
【0038】
気密部34は、天面部31の左右方向の内側にて内側起立面部32を前後方向に挟むとともに、天面部31の外縁部に沿うように略「C」字状に形成されている。即ち、気密部34は、天面部31の左右方向の内側にて内側起立面部32の前後方向の外側に延在し、天面部31の前後両側にて当該天面部31の前後両端部に沿って延在し、天面部31の左右方向の外側にて当該天面部31の左右方向の外端部よりもわずかに内側部分に沿って延在するように配設されている(図5参照)。
また、気密部34は、天面部31に対して略直交するように下方向に所定の長さ突出しており、例えば、内側起立面部32と略等しい高さを有している。具体的には、第1取出口16を閉塞するように上蓋部3が閉じた状態にて、気密部34の先端部(図3(a)等における下端部)が取出口形成面部12の上面部121に当接する程度となっている。
【0039】
従って、各上蓋部3が閉じた状態では、気密部34の先端部が取出口形成面部12の上面部121に当接するとともに、内側起立面部32が弾性部材14に当接した状態となって、各上蓋部3と容器本体1との各隙間が封止される。これにより、家庭用薄葉紙Sの収納空間部4を気密状態とする。
なお、気密部34は、例えば、弾性部材14と同様に、ゴムや熱可塑性エラストマー等から構成されているが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
このように、気密部34、内側起立面部32及び弾性部材14は、2つの上蓋部3、3の各々と容器本体1との各隙間を封止する気密手段を構成している。
【0040】
また、気密部34の天面部31の左右方向外側に配設された部分の外面には、上蓋部3が閉じた状態にて、凹部15の被係合部15aと係合する凸部35が一体となって形成されている。
各凸部35は、気密部34の左右方向外側に配設された部分の外面から、上蓋部3が閉じた状態にて左右方向外側に所定の長さ突出するように形成されている。
なお、凸部35と気密部34とは一体となって設けられているが、当該気密部34の外面に別部材として取り付けられても良い。同様に、天面部31と気密部34とは別部材として取付けられているが、一体となって構成されても良い。
【0041】
以上のように、本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器100によれば、2つの第1収納部41、41の各々に対応して容器本体1の上側部にそれぞれ設けられた2つの第1取出口16、16の各々に対応して容器本体1の上側部に取り付けられている2つの上蓋部3、3を個別に開閉させることで、2つの第1収納部41、41の各々に収納された同じ種類若しくは異なる種類の2つの家庭用薄葉紙Sを対応する第1取出口16を介して個別に取り出すことができる。即ち、2つの上蓋部3、3のうち、何れか一の上蓋部3を開状態とすることで、一の第1収納部41に収納された所定の家庭用薄葉紙Sのみを取り出すことができるだけでなく、2つの上蓋部3、3の両方を同時に開状態とすることで、2つの第1収納部41、41の各々に収納された複数の家庭用薄葉紙S、…の両方を同時に取り出すこともできる。
従って、複数の家庭用薄葉紙S、…を収納する家庭用薄葉紙収納容器100の使い勝手の向上を図ることができる。
【0042】
また、容器本体1に回動自在に設けられた2つの上蓋部3、3の各々を開方向に付勢する弾性部材14の付勢力に抗して、第1取出口16が閉塞状態となるように当該上蓋部3の各々を所定位置に係止しているので、当該各上蓋部3の係止が解除されるだけで、弾性部材14の付勢力により上蓋部3を開状態として、第1取出口16を開放状態とすることができる。即ち、第1取出口16の開閉を簡便に行うことができ、家庭用薄葉紙収納容器100の使い勝手を更に向上させることができる。
また、一の弾性部材14を2つの上蓋部3、3により共用することができるので、上蓋部3の開閉に係る構造を簡略化することができ、当該家庭用薄葉紙収納容器100のコストダウンを図ることができる。
【0043】
さらに、互いに連通するように配設された2つの第1収納部41、41によって第2収納部42が構成され、2つの第1収納部41、41の各々に対応する2つの第1取出口16、16の間に、第2収納部42に対応して第2取出口17が設けられ、2つの上蓋部3、3のうち、何れか一方の上蓋部3を開状態とすることにより形成される開口を介して第2収納部42に収納された第2家庭用薄葉紙S2を取り出すことができる。即ち、第2収納部42には、第1収納部41の各々に収納される第1家庭用薄葉紙S1よりも左右方向の長さが長い第2家庭用薄葉紙S2を収納することができ、当該家庭用薄葉紙収納容器100を一種類の家庭用薄葉紙Sを収納する収納容器としても利用することができる。
このとき、第2取出口17は、第1取出口16よりも上蓋部3から離れた位置に形成されているので、第2取出口17を介して第2家庭用薄葉紙S2を取り出す際に、当該家庭用薄葉紙収納容器100の内側に差し込まれる指や爪などを上蓋部3と干渉し難くすることができ、家庭用薄葉紙収納容器100の使い勝手を更に向上させることができる。
【0044】
また、2つの上蓋部3、3を閉じた状態にて、当該上蓋部3の各々と容器本体1との各隙間が気密部34、内側起立面部32及び弾性部材14によって封止されているので、家庭用薄葉紙Sの収納空間部4の気密性を高めることができ、容器本体1内に収納されたウェットタイプの家庭用薄葉紙Sの乾燥を防止することができるとともに、当該家庭用薄葉紙Sに異物が付着することを適正に防止することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、家庭用薄葉紙Sの詰め替えの際に内側を開放(露出)させるための開口を容器本体201の一の側面部211(例えば、右の側面部等)に設けても良い。
【0046】
即ち、変形例1の家庭用薄葉紙収納容器200の容器本体201は、有底構造をなし、右の側面部211に第1詰め替え用パックP1や第2詰め替え用パックP2(家庭用薄葉紙S)の通過用の開口を開閉する開閉部材202が設けられている。
開閉部材202は、例えば、略矩形状をなし、上端部に設けられた所定の回動軸33により前後方向の軸心回りに回動自在となっている。そして、開閉部材202を前後方向の軸心回りに上側に回動させることで開口を開状態として、収納空間部4に第1詰め替え用パックP1や第2詰め替え用パックP2等を収納する。その後、開閉部材202を前後方向の軸心回りに下側に回動させることで開口を閉じた状態とする。
【0047】
なお、ウェット状態のシートやティッシュ等の家庭用薄葉紙Sを収納する場合には、開閉部材202と容器本体1との各隙間を封止する気密手段を設けても良い。
【0048】
また、上記実施形態では、上蓋部3、第1取出口16及び第1収納部41をそれぞれ2つずつ設けるようにしたが、上蓋部3、第1取出口16及び第1収納部41の数は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0049】
さらに、上記実施形態では、気密部34を上蓋部3に設けるようにしたが、気密部34の配設位置は一例であってこれに限られるものではなく、例えば、容器本体1の所定位置(例えば、取出口形成面部12等)など適宜任意に変更可能である。
なお、上記実施形態では、気密部34を備える構成を例示したが、気密部34を備えるか否かは適宜任意に変更可能であり、例えば、ドライのシートやティシューを収納する構成の場合などでは、気密部34を必ずしも設ける必要はない。
【0050】
また、上記実施形態では、家庭用薄葉紙収納容器100(200)として、第1取出口16及び上蓋部3が容器本体1の上側部に配設された構成を例示したが、第1取出口16及び上蓋部3の配設位置は一例であってこれに限られるものではなく、例えば、上下に起立する壁面に固定して使用する家庭用薄葉紙収納容器100にあっては、使用者の手前側となる部分など適宜任意に変更可能である。
【0051】
さらに、上記実施形態では、上蓋部3を回動自在に構成するとともに、弾性部材14(付勢手段)及び係止手段を備える構成を例示したが、上蓋部3を回動自在に構成するか否かや、弾性部材14及び係止手段を備えるか否かは適宜任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0052】
100、200 家庭用薄葉紙収納容器
1、201 容器本体
14 弾性部材(気密手段、付勢手段)
15a 被係合部
16 第1取出口
17 第2取出口
3 上蓋部
32 内側起立面部(気密手段)
34 気密部(気密手段)
35 凸部(係止手段)
4 収納空間部
41 第1収納部
42 第2収納部
S 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に家庭用薄葉紙が収納される収納空間部を構成するとともに、前記家庭用薄葉紙の取出口が形成された容器本体と、
前記取出口を開閉するように前記容器本体に取り付けられた蓋部と、を備え、
前記収納空間部には、同じ種類若しくは異なる種類の複数の家庭用薄葉紙をそれぞれ収納する複数の第1収納部が設けられ、
前記取出口は、前記複数の第1収納部の各々に対応して前記容器本体の一側部にそれぞれ設けられた複数の第1取出口を有し、
前記蓋部は、前記複数の第1取出口の各々に対応して前記容器本体の一側部に複数取り付けられていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記複数の蓋部の各々と前記容器本体との各隙間を封止する気密手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記複数の蓋部の各々は、前記第1取出口を開閉するように前記容器本体に回動自在に設けられ、
前記容器本体に設けられ、前記複数の蓋部の各々を開方向に付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋部の各々を前記第1取出口が閉塞状態となるように所定位置に係止する係止手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記複数の蓋部により共用される一の部材から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記収納空間部に前記第1収納部が互いに連通するように2つ配設されるとともに、これら2つの第1収納部によって当該第1収納部の各々に収納される第1家庭用薄葉紙よりも所定方向の長さが長い第2家庭用薄葉紙を収納可能な第2収納部が構成され、
前記取出口は、前記2つの第1収納部の各々に対応する2つの第1取出口の間に、前記第2収納部に対応して設けられた第2取出口を有し、
前記蓋部は、前記第1取出口の各々に対応するように2つ設けられ、当該2つの蓋部のうち、何れか一方の蓋部を開状態とすることにより形成される開口を介して前記第2収納部に収納された前記第2家庭用薄葉紙を取出可能に構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項6】
前記第2取出口は、前記第1取出口よりも前記蓋部から離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−66862(P2012−66862A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214810(P2010−214810)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】