説明

家畜の血中ビタミンA及びベータカロテン濃度測定方法並びに家畜の血中ビタミンA及びベータカロテン濃度測定装置

【課題】現場において、血中ビタミンAおよびベータカロテンを測定できる家畜の血中ビタミンAおよびベータカロテン濃度測定方法およびその装置を開発・提供する。
【解決手段】蛋白変性液と脂溶成分抽出液と抗酸化剤とを混合して混合液を得る工程(V)と、混合液と家畜の全血とを攪拌混合して攪拌混合液を得る工程(W)と、攪拌混合液を遠心分離することにより脂溶成分抽出液層に、家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを抽出する工程(X)と、脂溶成分抽出液層に2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定する工程(Y)と、吸光度から、家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を演算する工程(Z)とを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、家畜の血中ビタミンA、とビタミンAの前駆物質であるベータカロテンの濃度測定方法およびその装置に関し、この方法及び装置を用いて家畜,特に、高品質牛肉の生産現場で慣行されている肥育牛の血中ビタミンAと、体内でビタミンAになり得るベータカロテン濃度を測定することにより、血中ビタミンA濃度を意図的に制御するための測定方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高品質牛肉の生産現場で慣行されている肥育牛のビタミンAの制御の目的のメリットは、脂肪交雑(所謂,霜降り)向上、肉色の向上を図り、収益向上であるが、制御の失敗によるデメリットもある。
即ち,家畜のビタミンA欠乏は、肉用牛の飼養現場で多発し、健康被害(死亡事故、失明、浮腫、尿石)や、生産性の低下〔体重の増加不良、飼料要求率の増大、牛肉生産量の低下、異常肉(水腫)発生〕の原因となっている。
一方、ビタミンAの過剰給与は、上質肉の最重要形質である脂肪交雑(所謂,霜降り)の形成を妨げることが明らかにされている。
【0003】
このことから、肉用牛の生産現場における的確なビタミンA、ベータカロテン制御を可能にする方法および装置が必要とされる。
それに対して、従来、肉用牛のビタミンAの栄養状態は、飼育者が家畜の外貌や行動の観察により推測される場合が多いが、観察不測や個体ごとの症状の違いに対応できない等の理由から、誤った推測による事故が後を絶たない。
【0004】
このように、ビタミンAの栄養状態を的確に把握するためには、家畜の血中ビタミンA、ベータカロテン濃度を測定することが最も有効であるが、この測定には高額な費用を要するため、技術者や獣医師などによる利用に留まっているのが実状であった。
【0005】
また、従来のビタミンA、ベータカロテン測定は、指導者や獣医師が現場で血液を採取し、事務所に持ち帰った後、外部(または内部)の検査機関に出検し、後日検査結果を受け取ってから対処するため、即時的な対応は出来ないという欠点がある。
【0006】
そのため、血中ビタミンA、ベータカロテン濃度測定の、結果を即時に得ることにより迅速な診断が可能となる測定方法や廉価な装置及びランニングコスト、分析作業が簡易化でき、農家による利用も充分できる家畜の血中ビタミンA、ベータカロテン濃度測定方法およびその装置の開発が待たれている。
【0007】
また、ビタミンA分析においては、機器分析が行われており、その分析機器は、検査機関や研究所においては、精密分析をする場合、高速液体クロマトグラフィーを用いて物質を分離して測定するというHPLC法や、簡便法としては、分光光度計を用いて吸光度を測定する紫外吸光度法が用いられていた。
【0008】
また、水質汚染成分の濃度測定を、発色試薬と反応させたときの吸光度を測定するハンディータイブの濃度測定装置があった。例えば、特許文献1のように。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−239813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明の課題は、簡易な測定方法と従来の測定装置を改良した装置を用いて農家現場において、1つの抽出液(サンプル)で、血中ビタミンAとベータカロテンの濃度を同時に、かつ、簡易、迅速に測定できる家畜の血中ビタミンAとベータカロテンの濃度測定方法およびその装置を開発・提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用した。
[1]蛋白変性液と脂溶成分抽出液と抗酸化剤とを混合して混合液を得る工程と、前記混合液と家畜の全血とを攪拌混合して攪拌混合液を得る工程と、前記攪拌混合液を遠心分離することにより脂溶成分抽出液層に、前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを抽出する工程と、前記脂溶成分抽出液層に2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定する工程と、前記吸光度から、前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を演算する工程とからなることを特徴とする家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定方法。
[2]前記2種類の特定波長は、325nm及び450nmであり、325nmの照射波長における吸光度からビタミンAの濃度を演算し、450nmの照射波長における吸光度からベータカロテンの濃度を演算することを特徴とする[1]に記載の家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定方法。
[3]2種類の特定波長の光を測定対象液に照射する光源部と、前記光源部から照射され、前記測定対象液を透過した光を受光する受光部と、を備え、蛋白変性液、脂溶成分抽出液及び抗酸化剤を混合した混合液並びに家畜の全血を攪拌混合した後、該攪拌混合液を遠心分離することにより、前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを脂溶成分抽出液層に抽出し、該脂溶成分抽出液層に前記2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定し、該測定値の演算により前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を測定することを特徴とする家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定装置。
[4]前記2種類の特定波長は、325nm及び450nmであり、325nmの照射波長における吸光度からビタミンAの濃度を測定し、450nmの照射波長における吸光度からベータカロテンの濃度を測定することを特徴とする[3]に記載の家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定装置。
【発明の効果】
【0012】
この発明による測定方法によると、
1) 従来分析法で必要な血清分離工程、蛋白変性工程(除蛋白)、抽出工程のうち、血清分離工程を省略しており、全血からビタミンAの抽出を可能とした。
2) さらに、従来、蛋白変性工程における溶血により測定値が20〜30%低下(一部ビタミンAの破壊)する問題を、蛋白変性工程と脂溶成分抽出工程を同時並行して行うことにより解決し、測定時間を大幅に短縮できる。
3) また、全血中のビタミンA濃度は血清中濃度よりも30〜35%程度低いため、ビタミンA濃度が低い肥育牛血の測定精度維持が懸念されることに対し、脂溶成分抽出液に対する検体の比率を高め、該抽出液のビタミンA濃度を高くすることにより対応する等極めて有益なる効果を奏する。
また、この発明の測定装置によると、
4) 既存の装置に比べ、ハンディであり、農家現場で手軽に血液分析でき、即時に測定結果が判明し、また、分析作業の簡素化が図れ、迅速にビタミンA濃度測定が可能である。
5) さらに、この装置によると、吸光度は、特定波長が325nmおよび450nmの二波長測定とすることにより、抽出液の測定に対して、波長の切替えが不要であり、325nmをピーク発光波長としてビタミンA測定ができ、かつ、450nmをピーク発光波長としてビタミンA前駆物質であるベータカロテンとを同時に測定できる等の極めて有益なる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施工程の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例を示す測定装置の説明図である。
【図3】本発明の方法を用いて抽出した牛血液中のビタミンA濃度およびベータカロテン濃度とを市販の分光光度計とで比較測定したグラフ図であり、(a)はビタミンAの吸光度の測定結果であり、(b)は、ベータカロテンの吸光度の測定結果である。
【図4】従来例の実施工程の一実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明においては、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においては適宜変更可能である。
【実施例】
【0015】
次に、この発明の一実施例を図面に従って詳述する。
本実施例に係る家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定方法は、蛋白変性液と脂溶成分抽出液と抗酸化剤とを混合して混合液を得る工程(V)と、混合液と家畜の全血とを攪拌混合して攪拌混合液を得る工程(W)と、攪拌混合液を遠心分離することにより脂溶成分抽出液層に、家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを抽出する工程(X)と、脂溶成分抽出液層に2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定する工程(Y)と、吸光度から、家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を演算する工程(Z)とからなる。
【0016】
尚、抗酸化剤の具体的な一例としては、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)であり、蛋白変性液の具体的な一例としては、エタノールであり、脂溶成分抽出液の具体的な一例としては、ヘキサンである。しかし、これらと同一な作用をなす薬剤であれば、これらの薬剤に限定されることはない。
蛋白変性液と脂溶成分抽出液と抗酸化剤とを混合して混合液を得る工程(V)は、具体的には、エタノールとヘキサンを1:2の混合比としたものにBHT0.02%を添加し、混合して、混合液を得るものである。
次に、混合液と家畜の全血とを攪拌混合して攪拌混合液を得る工程(W)は、具体的には、工程(V)で得た混合液1.2mlに家畜(例えば、牛)の全血0.6mlを添加し(検体・エタノール比 3:2、検体・ヘキサン比3:4)、30秒間攪拌して攪拌混合液を得るものである。
さらに、攪拌混合液を遠心分離することにより脂溶成分抽出液層に、家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを抽出する工程(X)は、具体的には、工程(W)で得た攪拌混合液を、2000rpmで1分間遠心分離を行い、ヘキサン層を分離するものである。
そして、脂溶成分抽出液層に2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定する工程(Y)は、具体的には、325nm及び450nmの光を、工程(X)で分離したヘキサン層に照射し、各々の照射波長における吸光度を測定するものである。
吸光度から、家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を演算する工程(Z)は、具体的には、325nmの照射波長における吸光度からビタミンAの濃度を演算し、450nmの照射波長における吸光度からベータカロテンの濃度を演算するもものである。
【0017】
次に、この方法の発明に基づいて抽出したビタミンA及びベータカロテンを簡易に測定する測定装置の一実施例を図2に基づいて詳述する。
尚、この装置は、出願人の測定装置(特開2003−65951)の改良に基づくもので、該測定器の内部に、挿入管(1)を設けており、該挿入管(1)に、サンプルである抽出液(3)を入れた測定容器(2)を挿入するものであり、前記挿入管(1)を横方向に貫通して光路(1a)と光路(1b)が、挿入管(1)の長さ方向に近接して設けてある。
【0018】
そして、挿入管(1)を挟んで、光路(1a)の両側には、325nmのピーク発光波長を有するLED(6a)とフォトダイオード(7a)が、及び光路(1b)の両側には、450nmの発光波長を有するLED(6b)とフォトダイオード(7b)が、それぞれ光の照射方向が逆向きになるように設置されている。即ち,LED(6a)とフォトダイオード(7b)、及びLED(6b)とフォトダイオード(7a)とは、それぞれ挿入管(1)の同じ側に、その長さ方向に沿い近接して配置されている。
【0019】
LED(6a,6b)はCPU(12)に接続された制御部(13)により、ON/OFF及び発光量が制御される。フォトダイオード(7a,7b)の出力電流はアンプ部(14)で電圧に変更され、更にA/D変換器(15)でデジタル変換されてCPU(12)に送られる。CPU(12)には、測定結果を表示するための表示部(16)、設定などのための操作キー(17)、及びデータなどの記憶のためのメモリ(18)が接続されている。
【0020】
次に、この発明の測定装置による測定操作を説明すると、最初に、サンプルである抽出液(3)として測定容器(3)にヘキサンを入れ、この測定容器(2)を挿入管(1)にセットする。続いて、LED(6b)はOFFにした状態で、制御部(13)によりLED(6a)に電流を流し、325nmの光を発光させる。LED(6a)の光は光路(1a)を通って測定容器(2)のサンプル(3)を通過し、更に光路(1a)を経てフォトダイオード(7a)に到達する。この透過光を受光したフォトダイオード(7a)で発生した電流は、アンプ部(14)により電圧変換され及びA/D変換器(15)でデジタル変換され、CPU(12)により電圧値RSaとして測定される。同時に、LED(6a)の光は直接又は挿入管(1)の壁面で反射し、LED(6a)に近接して設置されたフォトダイオード(7b)に参照光として到達する。このとき、フォトダイオード(7b)で発生した電流が同様にアンプ部(14)、A/D変換器(15)を通って変換され、CPU(12)により電圧値RRaとして測定する。
【0021】
続いて、LED(6a)をOFFにした状態で、LED(6b)をONにして450nmの光を発光させる。LED(6b)の光は光路(1b)を通って測定容器(2)のサンプル(3)を通過し、フォトダイオード(7b)に到達する。この透過光を受光したフォトダイオード(7b)で発生した電流は、アンプ部(14)、A/D変換器(15)で変換し、CPU(12)により電圧値RSbとして測定する。同時に、LED(6b)の光は直接又は挿入管(1)の壁面で反射し、LED(6b)に近接して設置されたフォトダイオード(7a)に到達し、この参照光を受光したフォトダイオード(7a)で発生した電流を同様処理して、CPU(12)により電圧値RRbとして測定する。
【0022】
次に、この方法の発明に基づいてビタミンAおよびベータカロテンを抽出した脂溶成分抽出液2mlをサンプル(3)として測定容器(2)に移し、挿入管(1)にセットする。続いて、上記参照用サンプルの場合と同様に、LED(6b)をOFFにしてLED(6a)から325nmの光を発光させる。LED(6a)のサンプル(3)を通過した透過光をフォトダイオード(7a)で受光し、同様の処理により電圧値SSaを測定する。同時に、LED(6a)からフォトダイオード(7b)に直接到達した光を参照光として受光し、同様に処理して電圧値SRaを測定する。
【0023】
上記操作においてヘキサンから測定した電圧値RSaを透過率1として、ビタミンAサンプルの透過率を下記数式1により算出する。更に、求めたビタミンAサンプルの透過率から、ランベルトーベールの法則に従って、下記数式2によりビタミンAサンプルの吸光度を計算することができる。
【0024】
〔数式1〕
ビタミンAサンプルの透過率
=電圧値SSa/電圧値RSa×電圧値SRa/電圧値RRa
【0025】
〔数式2〕
ビタミンAサンプルの吸光度
=−log(ビタミンAサンプルの透過率)
【0026】
上記数式1において、電圧値SRa/電圧値RRaはLED(6a)の光量変化を補正するためのものであり、この補正を行わない場合には吸光度測定値に誤差を生じる。
【0027】
続いて、上記と同様にLED(6a)をOFFにした状態で、LED(6b)をONにして450nmの光を発光させる。LED(6b)の光は光路(1b)を通って測定容器(2)のサンプル(3)を通過し、フォトダイオード(7b)で受光され、フォトダイオード(7b)で発生した電流をアンプ部(14)、A/D変換器(15)で変換し、CPU(12)により電圧値SSbとして測定する。同時に、LED(6b)からの直接光をフォトダイオード(7a)で受光し、同様に処理してCPU(12)により電圧値SRbとして測定する。
【0028】
ベータカロテンサンプルの透過率及び吸光度の計算はビタミンAサンプルと同様である。
【0029】
〔数式3〕
ベータカロテンサンプルの透過率
=電圧値SSb/電圧値RSb×電圧値SRb/電圧値RRb
【0030】
〔数式4〕
ベータカロテンサンプルの吸光度
=−log(ベータカロテンサンプルの透過率)
【0031】
また、この装置は、LEDを光源として使用しているため、小型で電池作動によるポータブルタイプの装置として構築することも容易である。
【0032】
図3(a),図3(b)は、この発明の方法を用いて抽出した牛血液中のビタミンAおよびベータカロテンを市販の分光光度計で測定した吸光度と本発明の測定装置で測定した吸光度の相関図である。ビタミンA、ベータカロテンとも市販の分光光度計との相関は良好で、本装置によりビタミンA、ベータカロテンの吸光度を精度良く測定できることがわかる。
【0033】
また、ビタミンAの吸光度およびベータカロテンの吸光度から、ビタミンA濃度およびベータカロテン濃度を求めることは、予め各成分濃度と吸光度の関係を求めておけば容易であり、本装置に内蔵したCPUによりそれを計算し、表示器に各成分濃度を表示することができる。したがって、本装置を用いることにより簡便にビタミンAおよびベータカロテン濃度を測定することができる。
【0034】
さらに、本発明の実施例ではビタミンAの測定用として325nmのピーク発光波長のLEDを、ベータカロテンの測定用として450nmのピーク発光波長のLEDをそれぞれ使用したが、ビタミンAで310〜340nm、ベータカロテンで430〜470nmの範囲でピーク発光波長を含む光源を適切に選択できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明の家畜の血中ビタミンAおよびベータカロテン濃度測定方法、およびその装置の製造技術を確立し、それに基づいて測定方法を実施し、また、測定装置の製造・販売をすることにより、産業上の利用可能性があるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 挿入管
2 測定容器
3 サンプル(抽出液)
1a,1b 光路
6a,6b LED
7a,7b フォトダイオード
12 CPU
13 制御部
14 アンプ部
15 A/D変換器
16 測定結果を表示するための表示部
17 設定などのための操作キー
18 データなどの記憶のためのメモリ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛋白変性液と脂溶成分抽出液と抗酸化剤とを混合して混合液を得る工程と、
前記混合液と家畜の全血とを攪拌混合して攪拌混合液を得る工程と、
前記攪拌混合液を遠心分離することにより脂溶成分抽出液層に、前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを抽出する工程と、
前記脂溶成分抽出液層に2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定する工程と、
前記吸光度から、前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を演算する工程と
からなることを特徴とする家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定方法。
【請求項2】
前記2種類の特定波長は、325nm及び450nmであり、325nmの照射波長における吸光度からビタミンAの濃度を演算し、450nmの照射波長における吸光度からベータカロテンの濃度を演算することを特徴とする請求項1に記載の家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定方法。
【請求項3】
2種類の特定波長の光を測定対象液に照射する光源部と、
前記光源部から照射され、前記測定対象液を透過した光を受光する受光部と、を備え、
蛋白変性液、脂溶成分抽出液及び抗酸化剤を混合した混合液並びに家畜の全血を攪拌混合した後、該攪拌混合液を遠心分離することにより、前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンを脂溶成分抽出液層に抽出し、
該脂溶成分抽出液層に前記2種類の特定波長の光を照射して、各々の照射波長における吸光度を測定し、該測定値の演算により前記家畜の全血中に含まれるビタミンA及びベータカロテンの濃度を測定することを特徴とする家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定装置。
【請求項4】
前記2種類の特定波長は、325nm及び450nmであり、325nmの照射波長における吸光度からビタミンAの濃度を測定し、450nmの照射波長における吸光度からベータカロテンの濃度を測定することを特徴とする請求項3に記載の家畜の血中ビタミンA及びベータカロテンの濃度測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−230447(P2010−230447A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77588(P2009−77588)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【出願人】(000152011)株式会社藤原製作所 (6)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】