説明

家禽のための混合ワクチン

本発明は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)に対する家禽の防御用の混合ワクチン、係る混合ワクチンの製造のための、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスの使用、該混合ワクチンの調製のための方法及びオルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する家禽の免疫付与のためのワクチン接種キットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)に対して家禽を防御するための混合ワクチン、係る混合ワクチンの製造のための、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスの使用、該混合ワクチンの調製のための方法及びオルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する家禽の免疫付与のためのワクチン接種キットに関する。
【背景技術】
【0002】
過去数十年にわたり、多くの国で、養鶏場数、さらに多くの農場あたりの動物数の両方が非常に増えている。この状況は、深刻な結果をはらんでいる。つまり、家禽の疾患の大規模な発生がより多く見られるようになっているということである。これにより、ひるがえって、これらの国において、新規かつより優れたワクチン及びワクチン接種プログラムの必要性が高まっている。
【0003】
現在、ウイルス性、細菌性及び寄生動物起源の多くの疾患に対して、殆どの動物が免疫付与されている。家禽に対する感染性のある細菌性物質の例は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ、ヘモフィルス・パラガリナルム(コリザ)(Haemophilus paragallinarum(Coryza))、サルモネラ(Salmonella)種、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)及びE.コリ(E.coli)である。ウイルス性家禽病原体の例は、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス(TRT)、シチメンチョウのヘルペスウイルス(HVT)、鶏痘ウイルス(FPV)、鳥類レオウイルス(ARV)、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILT)、マレック病ウイルス(MDV)及び伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)である。
【0004】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレは、ここ約10年ほどで知られるようになった、疾患を引き起こす比較的新しい細菌であり、ニワトリ及びシチメンチョウにおいて頻繁に見られる。ニワトリにおける臨床的徴候は、例えば、気嚢炎又は咳、肺炎性の肺又は胸膜炎である。世界のいくつかの地域で、シチメンチョウ群において、同程度の気道感染が見られる。この疾患に罹患している集団における死亡率は、5%程度であり得る。最初の臨床的徴候は、ニワトリにおける感染と類似のものであり、すなわち、くしゃみ及び鼻汁である。一部の動物では、急性感染の臨床的徴候が見られる。屠殺した動物を試験したところ、肺水腫、線維素性肺炎が見られ、漿液線維素性心膜炎及び気嚢の漿液線維素性感染が見られることが多い。オルニトバクテリウム・リノトラケアレは、欧州特許第0.625.190において広く述べられている。シチメンチョウ及びニワトリにおける同定、血清型決定及び実験的感染は、例えば、Journ.of Clin.Microbiol.35:418−421(1997)においてvan Empel,P.C.M.らにより、Avian Diseases 40:858−864(1996)においてvan Empel,P.C.M.らにより、及びAvian Pathology 28:217−227(1999)においてvan Empel,P.C.M.らにより、広く述べられている。オルニトバクテリウム・リノトラケアレに関する総説は、van Empel,P.C.M.及びHafez,H.M.による、Avian Pathology 28:217−227(1999)で発表されている。
【0005】
毒性のある病原体による感染症に動物が罹患している場合、その免疫系は、その病原体を除去しようとする。その感染動物が感染を切り抜けて生存するならば、通常、その病原体に対する長期間免疫が発現される。
【0006】
弱毒化病原体によるワクチン接種は、天然の感染を模倣し免疫を誘導するが、受け入れがたい臨床的徴候を起こさない。臨床的徴候の中には、言い換えると、ある程度の病原性は、これ無しでは免疫系が殆どの場合十分に誘発されないので、許容しなければならないものがある。一般に、ワクチン接種は、大規模感染及びそのマイナス影響を防ぐ方法である。
【0007】
既知の病原性細菌及び病原性ウイルスの殆どに対するワクチンは、投与の目的及び方法に依存して、不活性化又は生きている弱毒化病原体のいずれかを含み得る。しかし、若い動物の効果的かつ早期の防御であれば、適用の容易さと合わせて、生きている弱毒化ワクチンは明らかに魅力的な選択である。そのようなワクチンは、誕生した日から、家禽に対しては卵の中でさえも与えることができ、好ましい場合は、噴霧により、又は飲用水投与を介して、誕生した日から簡単に適用することができる。
【0008】
ワクチンの噴霧は、特に家禽に対して魅力的であり、例えば伝染性気管支炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、シチメンチョウ 鼻気管炎ウイルス、ファブリキウス嚢病ウイルス及び鳥類レオウイルスに対して非常に大規模に現在適用される。
【0009】
毒性のある病原体由来のワクチンの主要な欠点は、安全であるために、慎重かつ十分に弱毒化しなければならないことである。殆どの場合、それらのワクチン付与(免疫誘導)能を残しながら高度に弱毒化することができるため、この要求は、毒性の高い微生物に対して、比較的簡単に達成できる。
【0010】
上述の細菌の中で、オルニトバクテリウム・リノトラケアレは、いわゆる第二次病原体(Secondary pathogens)に属する。第二次病原体性の細菌は、健康な動物において簡単に疾患を引き起こさない細菌である。その結果、免疫系は全く、又は十分に誘発されず、したがって、免疫は発現されない。しかし、高い密度かつ高いストレス下で飼育されているような、次善の条件下の動物において、このような第二次病原性細菌により、劇的な罹患率及び死亡率がもたらされ得る。このように、第二次病原体に対して、生きている弱毒化ワクチンの設計は、細菌の予想できない挙動により著しく妨げられている。そのような細菌の毒性レベルが、それらの弱毒化レベルだけでなく、(一次病原体(primary pathogens)に対する場合と異なり)ワクチン接種を受ける動物の健康状態にも大きく依存するという意味において予想できない。
【0011】
これは、例として、オルニトバクテリウム・リノトラケアレを用いて下記で説明するように、深刻なジレンマである。
【0012】
最適状態下で飼育されている完全に健康な特定病原体フリー(SPF)家禽においては、非弱毒化、野生型細菌を用いた場合でも、疾患を誘発するのが困難である、という意味においては、オルニトバクテリウム・リノトラケアレは、比較的穏やかな細菌である。したがって、ニワトリ、シチメンチョウ又はアヒルといったそのような家禽は、野生型細菌を用いて「ワクチン接種」した場合でさえも、疾患を起こさず、その結果、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する防御が全く確立されない。野生型株の例は、Centraalbureau voor Schimmelcultures(CBS)、Oosterstraat 1,PO.box 273,3740 AG Baarn,The Netherlandsに、受託番号400.92で委託された、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ3263/91株である。
【0013】
しかし、商業育種用に標準的状態(つまり、高密度飼育、高ストレスで、換気が悪く、及び/又はアンモニア濃度が高い状態)で飼育されている家禽は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレの攻撃を非常に受けやすい。それらは、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株による疾患を非常に起こしやすい。
【0014】
特に、そのような動物が既に別の感染に罹患している場合、その影響は甚大であり得る。他の細菌又はウイルスによる感染に罹患している動物において(無症状である場合もある。)、その野生型ウイルスにより大規模かつ深刻な死亡率となることが多い。
【0015】
これに加え、他の第二次病原性細菌とは異なり、家禽におけるオルニトバクテリウム・リノトラケアレ株の病理学的影響はいずれも、そのような株の毒性及び感染動物の健康状態だけでなく、特にニワトリの場合、ニワトリの種類にも大きく依存する。例えば、ブロイラーが産卵鶏よりもはるかに感染しやすいということは、当該技術分野で周知である。
【0016】
上記で挙げた理由のために、一般に、特にオルニトバクテリウム・リノトラケアレにおいて、第二次病原体から出発する生きている弱毒化ワクチンの開発は、可能ではあるが、控えめに言っても複雑である。他方で、これらの細菌の野生型株でさえ、完全に健康で感受性の低い動物において防御を誘発することはできず、その一方で、弱毒化株でさえも、使用に適切であるのは、感染しやすい動物又はストレス及びその他のマイナスの環境要因下にある動物における使用の一部であり、適切であるかどうかは、ストレスのレベル及びその家禽種に大きく依存する。
【0017】
生きている過剰弱毒化 オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株のみが、家禽産業の全ての状況下で、ブロイラー鶏及び産卵鶏の両方において安全である。しかし、健康かつ感受性の低い動物においては、毒性のある株でさえも免疫反応を誘発しないので、過剰弱毒化株は言うまでもなく、弱毒化株により免疫反応が全く誘発されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
このジレンマにより、生きている第二次病原体、より具体的にはオルニトバクテリウム・リノトラケアレに基づく、接種対象動物種及びその健康状態にかかわらず効率的かつ安全なワクチンを提供することが困難となっている。
【0019】
本発明の目的は、このジレンマの解決するためのワクチンを与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的達成のために、本発明は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する家禽の防御用の混合ワクチンを提供し、この混合ワクチンは、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスを含む。
【0021】
本発明は、過剰弱毒化(over−attenuated)第二次病原体性オルニトバクテリウム・リノトラケアレ細菌でさえも、生きている弱毒化家禽ウイルスと組み合わせて付与されるならば、防御反応を誘発することができるという、驚くべき発見に関する。そのような過剰弱毒化第二次病原性細菌は、野生型ウイルスによる野外感染が起こった時点で偶発的に投与される場合でも、穏やかな臨床的徴候しか引き起こさないので、本質的に安全である。
【0022】
過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ細菌は、(弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株とは異なり)初回抗原刺激を受けた動物においてオルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する防御的免疫反応を誘発することができない細菌である。初回抗原刺激を受けた動物とは、ワクチン投与前に、第二次病原性細菌による感染が起こりやすくなっている、毒性のある病原体を受けた動物である。初回抗原刺激を受けた動物は、弱毒化レベルを調べるための客観的動物モデルを提供する。営利農場から無作為に得た動物は、本質的に、それらの健康状態が確立しにくく、変化に富むため、安定なモデルとはならない。これに対して、初回抗原刺激を受けた動物は、公知のSPF由来であり、当然ながら健康状態が良く、特定病原体の特定量を、初回免疫刺激として投与されている。ニワトリモデルに対する一般的な初回免疫刺激ウイルスは、ニューカッスル病ウイルスである。シチメンチョウ鼻気管炎ウイルスは、シチメンチョウにおいて一般的な初回免疫刺激ウイルスである。したがって、ニワトリにおける使用のための弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ細菌が実際にニワトリにおいて過剰弱毒的に作用するかを調べるために、例えば、実施例部分において示すように、ニューカッスル病ウイルスを用いて初回免疫刺激したニワトリにおいてこれを試験すべきである。
【0023】
防御的免疫反応は、非ワクチン接種動物と比較して同等かその50%を超える気道損傷スコアを有意に低下させる、免疫反応である。この気道損傷スコア試験は実施例部分で説明する。
【0024】
過剰弱毒化された作用を導く突然変異体の性質は重要ではない。当該技術分野で公知の多くの弱毒化突然変異体が適切である。適切なオルニトバクテリウム・リノトラケアレ突然変異体は、例えば、多くの細菌種に対して当該技術分野で公知の、古典的なPurD−、RecA−及びAro−突然変異である。また、多くの温度感受性突然変異体も適切である。言うまでもなく、PurD−及びRecA−突然変異体が好ましい。PurD遺伝子は、プリンリボヌクレオチド生合成に関与するタンパク質をコードする。PurD−突然変異は、そのような突然変異体が、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株と比較して、少ししかPurD遺伝子産物を産生しないか、活性が低いPurD遺伝子産物しか産生しないか、又はそれを全く産生しないという点で、プリンリボヌクレオチド生合成を妨害する突然変異として定義される。RecA遺伝子は、組み換えプロセスに関与するタンパク質をコードする。RecA−突然変異は、そのような突然変異体が、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株と比較して、少ししかRecA遺伝子産物を産生しないか、活性が低いRecA遺伝子産物しか産生しないか、又は全くそれを産生しないという点で、組み換えプロセスを妨害する突然変異として定義される。
【0025】
PurD−及びRecA−突然変異などの突然変異は、PurD及びRecAをコードする遺伝子を単純に欠失させることにより最も容易に得られる。そのような(部位特異的)突然変異誘発技術は、当該技術分野で周知である。
【0026】
本発明による混合ワクチンの生きている弱毒化ウイルス成分の弱毒化レベルは決定的なものではない。通常、生きている弱毒化ウイルスワクチン株は、ワクチンとして適切なように、つまり、受容できないレベルの病原性を引き起こさずに感染に対する防御を誘発する株が選択される。多くの生きている弱毒化ウイルス性家禽ワクチンが市販されている。このような株は、様々な製造元から簡単に購入できる。
【0027】
適切な生きている弱毒化家禽ウイルスは、例えば、伝染性気管支炎ウイルス、シチメンチョウ 鼻気管炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、鳥類レオウイルス及びマレック病ウイルスである。
【0028】
適切な生きている弱毒化ウイルス性ワクチン株の例、特にニワトリにおいて適切な株は、例えば、Nobilis IB 4/91、D1466、D274、H120、H52及びMA5(IBV)、Nobilis ILT(ILT)、Nobilis Marek THV、Rismavac、SB1及びMarexine CA126(MDV)及びNobilis ND Broiler、Clone 30、Hitchner、LaSota、Nobilis NDC2/Nobilis Newhatch C2及びNobilis MA5である。このようなワクチンは、Intervet International B.V.,Wim de Korverstraat 35,5381 AN Boxmeer,The Netherlandsから入手可能である。
【0029】
Nobilis Duck Plagueは、特に、アヒルに対する混合ワクチンにおける使用に適切である。
【0030】
Nobilis TRTは、特に、シチメンチョウに対する混合ワクチンにおける使用に適切である。
【0031】
好ましくは、本混合ワクチンのウイルス性成分は、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチンと同じ経路を介して投与される。オルニトバクテリウム・リノトラケアレは、呼吸器疾患を引き起こし、時に、関節における重度の炎症反応を引き起こす。これらの炎症反応は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレが血流に侵入した場合によく見られる。したがって、特に関節の炎症反応を治療するための適切な投与経路は、全身的反応を引き起こす、細菌性成分及び生きている弱毒化家禽ウイルス両方の、皮下又は筋肉内注射である。本発明による混合ワクチンにおける投与のために好ましいウイルスの例は、生きている弱毒化鳥類レオウイルス、好ましくは Nobilis Reo 1133及び2177、及びマレック病ウイルスである。
【0032】
しかし、オルニトバクテリウム・リノトラケアレは主に呼吸器疾患であるので、好ましい経路は、経口/鼻孔/気管へのワクチン接種である。より好ましいワクチン接種経路は、噴霧/エアロゾルによるワクチン接種であり、この場合、混合成分が最も直接的に、気道及び免疫を最も必要とする部分に届く。
【0033】
経口、鼻孔又は気道適用のためのは好ましい生きている弱毒化ウイルス性成分は、呼吸器疾患を引き起こすことが知られているウイルス、具体的には、伝染性気管支炎ウイルス、シチメンチョウ 鼻気管炎ウイルス及びニューカッスル病ウイルスである。
【0034】
これらの中で、Nobilis TRT、Nobilis NDC2/Nobilis Newhatch C2及びNobilis MA5が最も好ましい。
【0035】
好ましいものではあるが、本混合ワクチンの両活性成分を必ずしも混合形態で投与しなければならないわけではない。各成分のための投与方法は、各成分の具体的な特性に依存し得る。例えば、このようなワクチンの注射による投与もまた意図されているが、生きている過剰弱毒化 オルニトバクテリウム・リノトラケアレ ワクチン株は、好ましくは、噴霧/エアロゾル又は飲用水適用などの、ワクチン接種のために一般的に使用され、当該分野で周知の、安価な大量適用技術により投与される。本ウイルス性成分を、好ましくは別の経路、例えば非経口投与により与えることが可能である。
【0036】
卵中でのワクチン接種(言うまでもなく、特定の活性成分が投与後に防御的免疫反応を誘発できるという条件のもと。)など、他の投与経路もまたもくろまれる。
【0037】
また、本発明によるある一定の混合ワクチンの細菌性成分及びウイルス性成分の両方が、好ましくは、噴霧により投与される場合も、それらが同じノズルを介して両方とも噴霧されることを必ずしも意味するものではない。細菌性成分及びウイルス性成分の両方の粘性が異なるために、担体及び/又はあらゆる賦形剤、両ワクチン成分は、好ましく、異なるノズルを介して噴霧することが可能であり得る。
【0038】
それにもかかわらず、勿論これは、本混合ワクチンのウイルス及び細菌性成分の両方が有する有益かつ相乗的な効果を導く。結局、両方とも気道に到達し、それらが組合わさった有益な効果を与える。したがって、両成分のそのような個別投与が驚くべき効果を与え、したがって、本発明の範囲内にあることは言うまでもない。
【0039】
本発明は、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン株が気道に長く留まり、その系を激しく攻撃するというような方法で、生きている弱毒化ウイルス性成分が、動物に対して誘発を行うという事実に依存する。病原体フリーの宿主において、細菌は1日又は2日以内に消失する。殆どの生きている弱毒化家禽ウイルス(例えば、ワクチンウイルス)は、少なくとも1週間まで気道に留まる。したがって、本発明の長所はまた、混合ワクチンの成分を、短い時間間隔をおいて分離して鳥類に投与すると、達成され得る。本発明において述べられているような予想されなかった相乗効果は、例えば、生きている弱毒化ウイルス性成分を、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン株を与える7日前からその2日後の間の期間に与えた場合、得られる。
【0040】
したがって、本発明において記載されているような、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ及び生きている弱毒化家禽ウイルスの混合ワクチンには、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン株を与える7日前からその2日後の間の期間に生きている弱毒化ウイルス性成分が与えられる組合せが含まれ、生きている弱毒化ウイルス性成分及び生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ成分が異なる部位に投与される組合せが含まれる。
【0041】
さらなる例としてのみ:成分の1つ、例えば生きている弱毒化家禽ウイルスが卵中孵化の少し前(つまり第四半期、好ましくは第18日)に投与され、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン株が孵化後0から7日に、例えば噴霧により投与される場合も、本混合ワクチンの有利な効果が得られる。好ましくは、両ワクチン接種の間の時間は、7日を越えない。
【0042】
好ましくは、本混合ワクチンによるワクチン接種は、1日齢で行う。この実施形態のより好ましい形態において、生きている弱毒化家禽ウイルス及び生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン株は、適用を簡素化するためのみであるならば、同時に投与される。さらにより好ましい形態において、生きている弱毒化家禽ウイルス及び生きているオルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン株は、噴霧により投与される。
【0043】
可視的な小滴を与えるコース噴霧(course spray)を介して、又は、細かい霧を与えるノズルを使用することにより、噴霧を行うことができる。後者は、ワクチンがより効率的に気道の下部に到達するという長所を有する。
【0044】
本発明によるワクチンは、活性成分の有効投与量、つまり、オルニトバクテリウム・リノトラケアレを用いた病原体接種に対して、及び好ましくは本混合ワクチンの生きている弱毒化ウイルス性成分に対して、ワクチン接種鳥類において防御的免疫を誘発する、免疫付与する活性成分の量、を含む。(本混合ワクチンのウイルス性成分に対する、ワクチン接種鳥類における防御的免疫の誘発は、勿論望ましいが、必ずしも必要ではない。)
【0045】
上述のように、防御免疫反応は、病原体接種後に非ワクチン接種動物と比較してそれと同等かその50%を超える気道損傷スコアを(統計学的に有意に)低下させる、免疫反応である。家禽において、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する防御レベルがより高いことは、例えば、病原体接種後の、ワクチン接種対非ワクチン接種動物の損傷スコアの比較から直接分かる。
【0046】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレ成分は、基本的に、10から1010コロニー形成単位の間の適切な用量で投与することができる。典型的には、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ成分は、10から10コロニー形成単位の間の用量で投与される。
【0047】
勿論、生きている弱毒化ウイルス性成分の製造者により処方されるウイルス量に強く依存するものであるが、生きている弱毒化家禽ウイルス成分は、通常、10TCID50から10TCID50の間の用量でも与え得る。
【0048】
本混合ワクチンは、初回ワクチン接種物として使用することができ、必要に応じて、次いで、1又は複数の追加免疫ワクチン接種を行う。本混合ワクチンはまた、生きている、又は不活性化形態でのその他のワクチンも含むワクチン接種プログラムに組み込むためにも適している。単なる例であるが、1日齢においてブロイラーをワクチン接種し、次いで、10日から21日に追加免疫を行い得る。産卵家畜又は繁殖家畜に1日から10日にワクチン接種を行い、ついで、26日から38日及び16週から20週に追加免疫ワクチン接種を行い得る。
【0049】
より好ましい形態において、本混合ワクチンは、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレと、ニューカッスル病ウイルスとの、さらにより好ましくは、Intervet International B.V.,Wim de Korverstraat 35,5831 AN Boxmeer,The Netherlandsから得られる、NCD Clone30との組合せをを含む。
【0050】
さらにより好ましい形態において、本混合ワクチンは、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレと、Institut Pasteur,25 Rue du Docteur Roux,Paris,FranceのCNCMに委託された、受託番号I−1614の、ニューカッスル病ウイルス NDC2との組合せを含む。
【0051】
別のより好ましい形態において、本混合ワクチンは、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレと、生きている弱毒化シチメンチョウ鼻気管炎ウイルスとの、さらにより好ましくは、Intervet International B.V.,Wim de Korverstraat 35,5831 AN Boxmeer,The Netherlandsから得られる、Nobilis TRTとの組合せを含む。
【0052】
またさらにより好ましい形態において、本混合ワクチンは、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレと、生きている弱毒化伝染性気管支炎ウイルスとの、さらにより好ましくは、Intervet International B.V.,Wim de Korverstraat 35,5831 AN Boxmeer,The Netherlandsからの、Nobilis MA5との組み合わせを含む。
【0053】
さらに別のより好ましい形態において、本混合ワクチンは、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレと、生きている弱毒化鳥類レオウイルスとの、さらにより好ましくは、Intervet International B.V.,Wim de Korverstraat 35,5831 AN Boxmeer,The Netherlandsから得られる、Nobilis Reo 1133又は2177との組合せが含まれる。
【0054】
本発明はまた、上記で示した2つの活性成分に加えて、家禽に対して病原性のある、ウイルスもしくは微生物病原体由来の、1又は複数のさらなる抗原もしくは該抗原をコードする遺伝情報を含む混合ワクチンにも関する。
【0055】
より好ましくは、ウイルス又は微生物は、伝染性気管支炎ウイルス、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(ガンボロ)、ニワトリ貧血因子、鳥類レオウイルス、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、ヘモフィルス・パラガリナルム(コリザ)(Haemophilus paragallinarum(Coryza))、ニワトリポックスウイルス、鳥類脳脊髄炎ウイルス、アヒルペストイルス、産卵低下症候群ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、シチメンチョウのヘルペスウイルス、エイメリア(Eimeria)種、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ、パスツレラ・ムルトキダ(Pasteurella multocida)、マイコプラズム・シノビエ(Mycoplasma synoviae)、サルモネラ(Salmonella)種及びE.コリ(E.coli)からなる群から選択される。
【0056】
本発明によるワクチンは、懸濁液の形態で、又は凍結乾燥形態で、調製され市販され得、そのような活性成分に対して通例使用される医薬適合性の担体をさらに含有する。担体には、安定化剤、希釈剤、保存料及び緩衝剤が含まれる。
【0057】
適切な安定化剤は、例えば、SPGA、炭水化物(例えば乾燥ミルク、血清アルブミンもしくはカゼイン)又はそれらの分解産物が適切である。適切な緩衝剤は、例えば、リン酸アルカリ金属である。適切な保存料は、チメロサール、メルチオレート及びゲンタマイシンである。希釈剤には、水、水性緩衝液(例えば緩衝食塩水など)、アルコール及びポリオール(グリセロールなど)が含まれる。
【0058】
必要に応じて、本発明によるワクチンは、アジュバントを含有し得る。この目的のための適切な化合物又は組成物には、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム又は酸化アルミニウム、水中油滴又は油中水滴エマルジョン(例えばBayol F(R)もしくはMarcol52(R)などの鉱物油又はビタミンE酢酸塩などの植物油に基づく。)及びサポニンが含まれる。
【0059】
好ましくは、本発明による混合ワクチンの、細菌性及びウイルス性両成分は、同じ容器中に混合形態でパッケージングされる。これらは、その後、凍結乾燥され得るか、又は低温で保存され得る。
【0060】
本発明はまた、上述の活性成分の1つをそれぞれ含む容器を有する、パッケージ化された複数の容器ユニットを含む、キット方式も意図する。本キットは、さらに、活性成分の1つ又は両方に対する担体が入った容器を含み、その場合、その担体には、好ましくは、アジュバントが含まれる。このようなキットは、例えば、その活性成分が好ましくは凍結乾燥されていないか、又は一緒に前もって混合されていないか、又はその活性成分が好ましくは部位及び/又は時間に関して個別に投与される場合、有利である。
【0061】
本発明によるキットの活性成分、つまり生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルス、ならびに添加可能な、第三の及びさらなる活性成分は、ワクチン接種前に混合するか、又は、上記で示した条件のもと、異なる投与部位及び/又は異なる投与時間に個別に投与することができる。
【0062】
本発明のさらに別の実施形態は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する家禽の防御用の混合ワクチン製造のための、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスの使用に関する。
【0063】
また、別の実施形態は、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスが、同時に、別々に又は連続的に投与される、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する家禽の防御用の混合ワクチン製造のための、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルの使用にも関する。同時投与は、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスを同時間に投与することであり、好ましくは、混合物として注射するか、1つのノズルから混合噴霧として噴霧するか、又は飲用水中で混合物として与える。個別投与とは、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスを、2つの異なる注射部位から投与すること、又は例えば2つの異なるノズルから噴霧する場合(好ましくは同じ時間に)である。連続投与は、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株及び生きている弱毒化家禽ウイルスを、異なる時間に投与する投与法式である。様々な投与時間の条件は、上記で考察している。
【0064】
本発明のさらに別の実施形態は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対する家禽の防御用の混合ワクチン調製のための方法に関する。そのような方法は、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株と、生きている弱毒化家禽ウイルスと、医薬適合性の担体とを混合することを含む。
【0065】
そのような方法はまた、及び/又は、あるいは、キットの一部を形成する個別の容器内に生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ及び生きている弱毒化家禽ウイルスをパッケージ化することも含み得る。
【0066】
実施例
【実施例1】
【0067】
生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株の調製。
【0068】
突然変異体を作製するために、2種類の周知の弱毒化標的、viz.purD及びrecAを選択した。
【0069】
血清型A株は、最も有力であり、他の血清型の感染に対して交差防御を与えることも知られているので、突然変異体を作製するために、この血清型を使用した。
【0070】
細菌株及びプラスミド
エスケリキア・コリ(Escherichia coli)宿主株TOP10及びTOP10F’をInvitrogen(Carlsbad、CA)から購入した。pUC19は、Clontech研究所(Palo Alto,CA)から入手した。オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株血清型A(OR−7(O095264 95.2932)Van Empel,P.C.M.;Molecular identification of オルニトバクテリウム・リノトラケアレ;(1998)ISBN 90−393−1574−4.45頁。)を、エレクトロポレーション及び相同組み換えのために宿主株として使用した。オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株3263/91(上記参照)の染色体DNAを、欠失構築物を作製するためのPCRテンプレートとして使用した。
【0071】
培養液、緩衝液及び抗生物質
Luria−Bertani(LB)ブロス及びテリフィックブロス(TB、Sambrook,J.,E.F.Fritsch及びT.maniatis.Molecular cloning:a laboratory manual.(1989)Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)を、細菌エスケリキア・コリ株の液体増殖のために使用した。オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(OR)に対しては、Todd Hewitt(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ,非照射)を用いた。プレート上でのORに対しては、血液寒天又は4%ヒツジ血液を補給したTodd Hewitt寒天を使用した。LB寒天プレートは、溶融LB寒天から注ぎ、それを45℃に冷却し、次いで適切な抗生物質を添加した。
【0072】
オリゴヌクレオチド
オリゴヌクレオチドは全て、Life TechnologiesTM Gibco BRL(Paisley,UK)から得て、表1に示す。配列中のそれらの位置は、図2A及びBで示す。
【0073】
PCR増幅
recA及びpurD遺伝子をクローニングするために、SuperTaq plus 40U/ml;1xSuperTaq PCR緩衝液;dATP、dCTP、dGTP及びdTTP(HT BioTechnology Ltd.,Cambridge,UK)各80μM;両オリゴヌクレオチド 0.4μM及びテンプレートとして染色体DNA 1μlからなるPCR混合液において、PCR増幅を行った。試料をアガロースゲルで分析した。重複伸長PCR(OE−PCR)に対して、第一のPCR産物を100倍希釈し、1:1で混合した。次いで、下記で述べる外側プライマーを用いてPCRを行った。
【0074】
次のようにしてコロニーPCR法を遂行した。すなわち、コロニーの一部を寒天プレートから採取し、PCRチューブに移した。PCR混合液(SuperTaqDNAポリメラーゼ 10U/ml;1xSuperTaq PCR緩衝液;dATP、dCTP、dGTP及びdTTP(HT BioTechnology Ltd.Cambridge,UK)各80μM及び両オリゴヌクレオチド0.4μMを含有する。)を添加した。試料をアガロースゲルで分析した。
【0075】
【表1】

【0076】
ヌクレオチド配列解析
purD及びrecA遺伝子及びそれらの周囲のヌクレオチド配列を調べた。Perkin Elmer 9700 DNAサーマルサイクラーにて、ビッグダイターミネーター:PCR産物およそ50ng、2μlターミネーター調製済み反応混合液(Perkin Elmer, CA)、プライマー2.4pmol、緩衝液(200mMTris−HCl、pH8.5、5mMMgCl)6μl及び総量20μlになるように蒸留水を用い、サイクルシークエンシングプロトコールを使用して、配列決定を行った。
【0077】
DNA操作
配列決定のために、purD及びrecA遺伝子及びそれらの隣接領域をPCRにより増幅し、汎用クローニングベクターにクローニングした。
【0078】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレのエレクトロポレーション
Todd Hewittブロス中でOD600nmが0.3になるまで増殖させることにより、オルニトバクテリウム・リノトラケアレをエレクトポレーションできるようにした。さらなる操作の間、この細胞を氷上で維持した。この培養物を氷冷水で2回、氷冷10%グリセロールで1回洗浄した。この懸濁液を再び遠心し、10%グリセロール0.5ml中で細胞を再懸濁し、使用するまで氷上で保存した。
【0079】
BTX ECM630 Genepulser(San Diego,CA)を用いてエレクトロポレーションを行った。2mmキュベット中で、プラスミドDNA1から2μgを、エレクトロポレーション用オルニトバクテリウム・リノトラケアレ50μlと混合した。2500V;HV容量;25μF及び800Ωを用いて、20から24msecのパルスを送った。エレクトロポレーション後、THブロス1mlを添加し、37℃にて2時間、100RPMで、細胞を回復させた。血液寒天プレート上で生存率を調べた。4%血液及び選択濃度の抗生物質を含むTH寒天上で、抗生物質耐性コロニーを選択した。
【0080】
recA組み換え体のUV感受性
recA遺伝子における組み換えを調べるために、UVに対するその感受性を試験した。血液寒天に細菌を播種し、約10cmの距離で、365nm波長でUV照射した。0から120秒の間の様々な曝露時間で試験した。次に、プレートをインキュベーションし、recA突然変異コロニーの増殖を、purD突然変異コロニーの増殖及び野生型株のコロニーの増殖と比較した。
【0081】
結果
recA及びpurDの配列決定
ORのpurD及びrecA遺伝子の配列を得るために、密接に関係する細菌由来の遺伝子の保存領域に基づき、変性プライマーを開発した。ゲノム歩行により、隣接領域を調べた。完全配列及び関連特性を、purDについては図2Aで、recAについては図2Bで示す。
【0082】
recA及びpurD欠失及び挿入−欠失構築物の構築
挿入−欠失突然変異の構築のストラテジーを図1で示す。purD突然変異について、その手段を次に示した。最初に、2種類のプライマーセット、purD−F13(+HindIII部位)とpurD−OE−R(上流 purD)及び、purD−OE−FとpurD−R8(+HindIII部位)(下流 purD)を用いて、オルニトバクテリウム・リノトラケアレゲノムDNAにおけるPCRを行い、purD遺伝子の隣接領域を増幅した。OE−R及びOE−Fプライマーが重複するので、purD−F13及びpurD−R8プライマーにより、テンプレートとして両purD PCR断片を用いて、重複伸長PCRを行った。その結果、purDの両隣接領域を含有するPCR断片が得られ、したがって、purD遺伝子の最大部分が欠失する。これらの断片をHindIIIで消化し、pUC19にクローニングした。次に、1.2kbBamHI断片上に存在する抗生物質耐性マーカーを、OE−F及びOE−Rプライマーの重複配列に含まれるBglII部位に導入した。
【0083】
recA挿入−欠失構築物の構築のために同様の方法を行った。プライマー recA−F6及びrecA−OE−R(上流 recA)、及びrecA−OE−F及びrecA−R5(下流 recA)を、recA遺伝子の隣接領域に対するPCRにおいて使用した。OE−R及びOE−Fプライマーは重複し、抗生物質耐性マーカー挿入のためのさらなるBglII部位を有する。その構築物を確認し、プラスミドDNAを単離し、オルニトバクテリウム・リノトラケアレに対してエレクトロポレーションを行うために使用した。
【0084】
組み換え体における突然変異の確認
エレクトロポレーション後、recA及びpurD構築物の両方に対して、抗生物質耐性を示すコロニーを得た。
【0085】
両遺伝子に対する突然変異体をPCRで確認した。recA突然変異クローンをさらに、UV照射に対するそれらの感受性を試験することにより確認した。すなわち、purD突然変異体及びその親株は、40秒を超えるUV曝露時間で生存できるが、一方、recA突然変異体は照射10秒後に死んだ。
【実施例2】
【0086】
過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株の防御誘導の比較
【0087】
【表2】

【0088】
様々なスコアシステムにおいてトリの感染器官にスコアをつけた。すなわち、
胸部気嚢(TAS):0=異常なし、1=1つの気嚢に重度の繊維素性気嚢炎があるか、又は両気嚢に限定されたごく小さな(pinhead−sized)繊維素性滲出液巣あり、2=両気嚢に重度の繊維素性気嚢炎あり。
【0089】
腹部気嚢(AAS):0=異常なし、1=ごく小さな(pinhead−sized)繊維素性滲出巣あり、又はわずかに広がった気嚢炎、2=重度の繊維素性気嚢炎。
【0090】
肺炎:0=異常なし、1=片側性肺炎、2=両側性肺炎。
【0091】
気管:0=異常なし、1=気管内腔にある程度滲出液あり、2=気管内腔が滲出液で満たされている。
【0092】
表2は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレのRecA−突然変異体及びPurD−突然変異体の100ml 噴霧溶液での、210CFUの噴霧ワクチン接種により2週齢ニワトリにワクチン接種した、ワクチン接種実験の結果を示す。NDL Lasotaワクチン株を用いて、第23日に、初回抗原刺激を行い、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株を用いた病原体接種を第28日に行った。気管及び肺損傷を計数することにより、防御レベルを調べた。
【0093】
呼吸器損傷スコアの図(表2の呼吸器スコアの欄を参照。)は次のように解釈されるものである:最大可能損傷スコアを100%スコアとする。非ワクチン接種動物は、51%の損傷スコアであり、「ワクチン接種」動物は、46%(RecA)及び35%(PurD)の損傷スコアである。これは、RecA又はPurDによる「ワクチン接種」がそれぞれ8%(100%−(46100%/51))又は30%の防御レベルを与えることを意味する。
【0094】
上記で定義したように、防御免疫反応とは、病原体接種後に、非ワクチン接種動物と比較して、同等であるか50%を超える気道スコアを、(統計的に有意に)低下させる免疫反応である。
【0095】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレの突然変異体を用いたワクチン接種を受けた群の呼吸器損傷スコアは、非ワクチン接種動物で見られる呼吸器損傷スコアと有意差がないことが、表2から分かる。
【0096】
結論:オルニトバクテリウム・リノトラケアレのRecA−突然変異体及びPurD−突然変異体は、そのものとして与えられる場合、ニワトリにおける防御免疫反応を惹起することはできない。
【実施例3】
【0097】
初回抗原刺激及び追加免疫後の、過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株の防御誘発の比較。
【0098】
【表3】

【0099】
表3は、ニワトリに対して、オルニトバクテリウム・リノトラケアレのRecA−突然変異体を用いて、最初に鼻孔にワクチン接種し、次いで2週間後に噴霧ワクチン接種により追加免疫を行った、ワクチン接種実験の結果を示す。NDV Lasota ワクチン株を用いて、第23日に初回抗原刺激を行い、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株を用いた病原体接種は、第28日に行った。呼吸器損傷を計数することにより、防御レベルを調べた。最後の列で見ることができるように、オルニトバクテリウム・リノトラケアレのRecA−突然変異体でその後に2回の後続接種を行った群の呼吸器損傷スコアは、非ワクチン接種動物で見られる呼吸器損傷スコアと有意差がない。
【0100】
結論:オルニトバクテリウム・リノトラケアレのRecA−突然変異体は、2回投与した場合でも、ニワトリにおいて防御免疫反応を惹起することができない。
【実施例4】
【0101】
過剰弱毒化突然変異体及び野生型株による損傷誘発。
【0102】
【表4】

【0103】
表4は、オルニトバクテリウム・リノトラケアレのRecA−突然変異体、PurD−突然変異体両方及び野生型株を用いた病原体接種の結果を示す。初回抗原刺激及び病原体接種の前にワクチン接種を行わなかった。最後の列で見ることができるように、本突然変異体は、野生型株での病原体接種後に見られる呼吸器損傷スコアの半分未満の呼吸器損傷スコアを与える。このことから、明確に、事前のワクチン接種がない場合でも、及び、比較的「ホット」なNDV株、つまり、Lasota株で初回免疫刺激した後でも、本突然変異体が穏やかに作用することが示される。
【実施例5】
【0104】
後続の病原体接種後の、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ/NDV混合ワクチンの防御の比較。
【0105】
実験計画
125羽の1日齢 SPF ブロイラーニワトリを使用した。1日齢において、全ニワトリに生きている弱毒化NDVを用いて噴霧ワクチン接種し、続いて、25羽のニワトリの群に、recA及びpurD突然変異株又は野生株3263/91(血清型A)のいずれかを用いてエアロゾルワクチン接種を行うか、又はワクチン接種を行わないままにした(病原体接種対照)。ワクチン接種後第9日に、各ワクチンの安全性を評価するための解剖試験のために、各群10羽のニワトリを屠殺した。25日齢において、残りのニワトリ(各群15羽)に、ND−Lasotaを用いて噴霧処理を行い、31日齢において、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ3263/91(血清型A)を用いてエアロゾルでの病原体接種を行った。各群7羽のニワトリに対して、さらに、静脈内投与により病原体接種を行った。38日齢において、それらのニワトリを屠殺し、各ワクチンの効率を評価するために解剖試験を行った。
【0106】
非オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン接種の病原体接種群に加えて、非オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン接種及び非病原体接種対照群を、NDV対照群として使用した。
【0107】
詳細な実験計画及び処置スケジュールを表5に示す。
【0108】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン培養物。
【0109】
野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ3263/91(血清型A)、recA及びpurD、を用いたエアロゾルワクチン接種のために、6.7x10CFU/ml、3.9x10CFU/ml及び2.6x10CFU/mlをそれぞれ含有するTodd−Hewittブロスにおける新鮮な培養物を使用した。エアロゾルワクチン接種のための用量は、分離株あたり100mlであった。
【0110】
ND懸濁液
NDV−株 NDC2は委託されており、Nobilis NDC2/Nobilis Newhatch C2として入手可能であるか、又は、Institut Pasteur,25 Rue du Docteur Roux,Paris,FranceのCNCMから受託番号I−1614として入手可能である。ND−Lasotaは、Intervet Int.B.V.(上記参照)から得た。NDC2に対する用量は、1Lの噴霧缶を用いて、動物あたり、106.4EID50(1羽あたり2mlに相当)であり、ND−Lasotaの場合は、動物あたり、106.6EID50(1羽あたり3mlに相当)であった。
【0111】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレ病原体接種培養物
エアロゾルによる病原体接種のために、4.3x10CFU/ml(プレートでの計数により決定)を含有する、Todd−Hewittブロス中の野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株3263/91(血清型A)の新鮮な培養物を使用した。
【0112】
動物:125羽の1日齢 SPF Hybro ブロイラーを使用した。
【0113】
群分け及び投与(ワクチン接種/病原体接種)
様々な分離株に対して、ニワトリを無作為に分け(それらが手に来た時に。)、表5に示すように処置した。
【0114】
NDC2(1日齢)又はND−Lasota(25日齢)を、1L噴霧缶を用いて、噴霧により、それぞれ、1羽あたり2ml又は1羽あたり3ml与えた。閉じた空気循環において、鳥を10分間、噴霧の中に置いた。1日齢において、その鳥を最初にNDC2で処置し、続いてオルニトバクテリウム・リノトラケアレで処置した。
【0115】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレワクチン(1日齢)ならびにオルニトバクテリウム・リノトラケアレ病原体接種(31日齢)は、塗料スプレー装置を用いて、分離株あたり100mlの用量でエアロゾルにより与えた。
【0116】
エアロゾルによる病原体接種後、各群7羽に対して、さらにその羽の静脈に、1ml用量で静脈内投与により病原体接種を行った。
【0117】
解剖試験
実験中に死亡した鳥に対して解剖試験を行い、死因を調べた。
【0118】
10日齢(ワクチン接種から9日後)に、各群10羽を屠殺し、野生型と比較して(ワクチン)株の安全性(弱毒化性)を評価するために、解剖試験を行った。38日齢(病原体接種から7日後)に、(残りの)病原体接種した鳥を屠殺し、これもまた、様々な株の効率を評価するために解剖試験を行った。
【0119】
これらの群の発症率は、その群の最大可能損傷スコアのパーセンテージとして与える。
【0120】
統計解析
群あたりの総損傷スコア(対照に対する。)を、ノンパラメトリックのMann−Whitney U検定を用いて両側解析した。有意性のレベルは、0.05に設定した。
【0121】
結果及び結論
生きている弱毒化NDV及び野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレを用いた1日齢での同時エアロゾルワクチン接種により、ワクチン接種後に受け入れがたい損傷が誘発されたが、(その結果)病原体接種後に証明されたように、強い防御反応も誘発され、この群は、最低解剖スコアを有した。明らかに、このワクチン接種により引き起こされた最初の損傷は、病原体接種時には既に消失していた。
【0122】
生きている弱毒化NDV及びrecA又はpurD突然変異体オルニトバクテリウム・リノトラケアレ株を用いた1日齢での同時エアロゾルワクチン接種により、優れたレベルの、安全性ならびに効率が示された。
【0123】
表5から分かるように、生きている弱毒化NDV及びrecA又はpurD突然変異体株を用いた1日齢SPFブロイラーの同時エアロゾルワクチン接種は、安全であり、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレを用いた病原体接種に対して、優れた免疫レベルを誘発すると思われる。
【実施例6】
【0124】
後続の病原体接種後のオルニトバクテリウム・リノトラケアレ/MA5混合ワクチンの防御の比較
この実施例において、生きている弱毒化ウイルス性成分として、伝染性気管支炎ウイルス MA5型を使用した。さらに、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ/NDV混合ワクチンを用いた実験を繰り返した。
【0125】
この実施例の実験設定は、実施例5と殆ど同じであった。動物数の違い又はワクチン接種もしくは病原体接種投与の時間の違いについては、表6で示す。この表はまた、使用したワクチンの概略図及びワクチン接種スケジュール、ならびに得られた防御レベルも示す。
【0126】
MA5懸濁液:生きている弱毒化伝染性気管支炎ウイルス(IBV)MA5型(Intervet International B.V.,Wim de Korverstraat 35,5831 AN Boxmeer,The Netherlands)を、動物あたり5.5log10EID50の濃度で使用し、噴霧により投与した。
【0127】
結論
表6から分かるように、IBVMA5及びPurD−突然変異株を用いた1日齢SPFブロイラーの同時エアロゾルワクチン接種により、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレを用いた病原体接種に対して、優れたレベルの免疫を誘発する。さらに、表6から、NCD及びPur−D突然変異株を用いた1日齢SPFブロイラーの同時エアロゾルワクチン接種により、実施例5でも示されたように、野生型オルニトバクテリウム・リノトラケアレを用いた病原体接種に対して、優れたレベルの免疫を誘発することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】ORにおける、recA及びpurD遺伝子の突然変異構築物を作製するためのクローニングのストラテジー。重複伸長PCRを使用して、関心のある遺伝子のオープンリーディングフレームにおける欠失を生じさせ、これらの断片をpUC19にクローニングした。次いで、抗生物質耐性マーカー遺伝子(BamHI断片)を、関心ある遺伝子のBglII部位にクローニングした(挿入−欠失構築物)。
【図2A−1】purD配列及び、突然変異体のクローニング及び確認のために使用したプライマーの位置。
【図2A−2】purD配列及び、突然変異体のクローニング及び確認のために使用したプライマーの位置。
【図2A−3】purD配列及び、突然変異体のクローニング及び確認のために使用したプライマーの位置。
【図2B−1】recA配列及び、突然変異体のクローニング及び確認のために使用したプライマーの位置。
【図2B−2】recA配列及び、突然変異体のクローニング及び確認のために使用したプライマーの位置。
【図3】表5で示す。
【図4】表6で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)株及び生きている弱毒化家禽ウイルスを含むことを特徴とする、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)に対する家禽の防御のための混合ワクチン。
【請求項2】
前記生きている弱毒化家禽ウイルスが、伝染性気管支炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、マレック病ウイルス又は鳥類レオウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載の混合ワクチン。
【請求項3】
前記生きている弱毒化家禽ウイルスが、伝染性気管支炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス又はシチメンチョウ鼻気管炎ウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載の混合ワクチン。
【請求項4】
前記生きている弱毒化家禽ウイルスが、ニューカッスル病ウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載の混合ワクチン。
【請求項5】
前記生きている弱毒化家禽ウイルスが、ニューカッスル病ウイルス NDC2型であることを特徴とする、請求項1に記載の混合ワクチン。
【請求項6】
前記生きている弱毒化家禽ウイルスが、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載の混合ワクチン。
【請求項7】
前記生きている弱毒化家禽ウイルスが、伝染性気管支炎ウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載の混合ワクチン。
【請求項8】
前記生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)が、突然変異を有し、該突然変異が、好ましくは、purD−遺伝子又はrec−A遺伝子における欠失であることを特徴とする、請求項1から請求項7に記載の混合ワクチン。
【請求項9】
前記混合ワクチンが、家禽に対して病原性のある、ウイルス又は微生物由来のさらなる抗原又は該抗原をコードする遺伝情報を含むことを特徴とする、請求項1から請求項8に記載の混合ワクチン。
【請求項10】
前記ウイルス又は微生物が、伝染性気管支炎ウイルス、伝染性ファブリキウス嚢病(ガンボロ)、ニワトリ貧血因子、鳥類レオウイルス、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、ヘモフィルス・パラガリナルム(コリザ)(Haemophilus paragallinarum(Coryza))、ニワトリポックスウイルス、ニワトリ脳脊髄炎ウイルス、アヒル ペストウイルス、産卵低下症候群ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、シチメンチョウのヘルペスウイルス、エイメリア(Eimeria)種、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)、パスツレラ・ムルトキダ(Pasteurella multocida)、マイコプラズマ・シノビエ(Mycoplasma synoviae)、サルモネラ(Salmonella)種及びE.コリ(E.coli)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の混合ワクチン。
【請求項11】
オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)に対する家禽の防御用の混合ワクチン製造のための、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)株及び生きている弱毒化家禽ウイルスの使用。
【請求項12】
生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアル(Ornithobacterium rhinotracheale)株及び生きている弱毒化家禽ウイルスが、同時に、個別に、又は連続して投与される、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)に対する家禽の防御用の混合ワクチン製造のための、生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)株及び生きている弱毒化家禽ウイルスの使用。
【請求項13】
生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)株、生きている弱毒化家禽ウイルスおよび医薬適合性の担体の混合を含むことを特徴とする、請求項1から10に記載の混合ワクチンの調製のための方法。
【請求項14】
a)生きている過剰弱毒化オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)株、
b)生きている弱毒化家禽ウイルス、および
c)場合によって、a及び/又はbの成分下での医薬適合性の担体
を含むことを特徴とする、オルニトバクテリウム・リノトラケアレ(Ornithobacterium rhinotracheale)に対する家禽の免疫のための、ワクチン接種キット。
【請求項15】
前記担体がアジュバントを含むことを特徴とする、請求項14に記載のワクチン接種キット。

【図1】
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【図2A−1】
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【図2A−2】
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【図2A−3】
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【図2B−1】
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【図2B−2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−518717(P2007−518717A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546172(P2006−546172)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/053623
【国際公開番号】WO2005/063284
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】