説明

家電管理システム

【課題】維持管理やコストの負担が軽減する家電管理システムを提供する。
【解決手段】家電機器とゲートウェイとが家庭内通信ネットワークを介して接続され、ゲートウェイ装置と管理サーバとが外部ネットワークを介して接続される家電管理システムであって、管理サーバは、家電機器を識別する個体識別子と送信対象である送信データとを含む第1のデータを前記ゲートウェイ装置に送信する管理サーバ送信部と、ゲートウェイ装置は、家庭内通信ネットワークにおいて前記家電機器に割り当てられたアドレスである家電機器アドレスを個体識別子とともに記憶する記憶部と、管理サーバから送信される第1のデータを受信し、第1のデータに含まれる個体識別子に対応する家電機器アドレスを記憶部から読み出し、読み出した家電機器アドレス宛に第1のデータに含まれるデータを送信する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク接続が可能な家電製品が増えている。このような家電製品は、電話回線やインターネット回線等を通じて遠隔制御できるものがある。特許文献1に記載の構成では、家電制御システムのゲートウェイ装置が、予め家庭内のネットワークに接続された家電製品の情報と、その家電製品の制御に適した信号のフォーマットとをユーザ情報に関連付けて格納する。家電制御システムが、ユーザ情報が付加された制御信号を受信すると、格納されたユーザ情報に対応付けられたフォーマットに従って制御信号を変換し、送出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−335586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ゲートウェイ装置が制御信号のフォーマット変換を行うため、ゲートウェイ装置の構成が複雑になり、維持管理やコストの負担が増加する。また、家電製品のソフトウエア(あるいはファームウェア)をバージョンアップすると、場合によってはゲートウェイ装置のフォーマット変換を行う機能のバージョンアップが必要となることも考えられ、管理の負担が大きくなる。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、維持管理やコストの負担を軽減する家電管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、
家電機器とゲートウェイとが家庭内通信ネットワークを介して接続され、前記ゲートウェイ装置と管理サーバとが外部ネットワークを介して接続される家電管理システムであって、
前記管理サーバは、前記家電機器を識別する個体識別子と送信対象である送信データとを含む第1のデータを前記ゲートウェイ装置に送信する管理サーバ送信部と、前記ゲートウェイ装置は、前記家庭内通信ネットワークにおいて前記家電機器に割り当てられたアドレスである家電機器アドレスを前記個体識別子とともに記憶する記憶部と、前記管理サーバから送信される第1のデータを受信し、当該第1のデータに含まれる個体識別子に対応する家電機器アドレスを前記記憶部から読み出し、読み出した家電機器アドレス宛に当該第1のデータに含まれるデータを送信する制御部と、を有することを特徴とする家電管理システムである。
【0007】
(2)また、本発明の一態様は、上記の家電管理システムにおいて、前記家電機器は、前記ゲートウェイ装置に接続して家庭内ネットワークの通信を確立する際に、自身に割り当てられた個体識別子を前記ゲートウェイ装置に送信する家電機器送信部を有し、前記ゲートウェイは、前記家電機器から送信される個体識別子が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合に、前記個体識別子に家電機器アドレスを割り当て、当該家電機器アドレスと当該個体識別子とを対応付けて前記記憶部に記憶する新規家電機器登録部を有することを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明の一態様は、上記の家電管理システムにおいて、前記管理サーバの管理サーバ送信部は、前記管理サーバから前記家電機器に対する要求と当該要求を識別する要求する要求識別情報と管理サーバが実行するアプリケーションを識別する加入識別情報とを含む第2のデータを送信し、前記ゲートウェイ装置は、前記管理サーバから第2のデータを受信するとゲートウェイ装置から家電装置に対して送信する要求を識別するイベント識別情報を割り当てるイベント識別情報管理部と、前記家電機器のうち前記第2のデータに含まれる加入識別情報に応じた処理を実行することが可能な家電機器に対し、前記第2のデータに含まれる前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報とを前記家電機器へ送信するゲートウェイ装置送信部と、を有し、前記ゲートウェイ装置の記憶部は、前記イベント識別情報と当該イベント識別情報が割り当てられた際の第2のデータの要求識別情報と加入識別情報とを対応付けて記憶し、前記家電機器の家電機器送信部は、前記ゲートウェイ装置から前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報とを受信すると、前記要求に対応する処理を行った結果である処理結果と当該イベント識別情報とを前記ゲートウェイ装置へ送信し、前記ゲートウェイ装置の制御部は、前記家電機器から処理結果とイベント識別情報とを受信すると、当該イベント識別情報に対応する要求識別情報と加入者識別情報とを前記記憶部から読み出し、読み出した要求識別情報と前記処理結果とを当該加入識別情報に基づいて前記管理サーバへ送信することを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明の一態様は、上記の家電管理システムにおいて、前記ゲートウェイ装置の記憶部は、さらに、前記加入者情報と家電機器アドレスとを対応付けて記憶しており、前記ゲートウェイ装置送信部は、前記第2のデータに含まれる加入者識別番号に対応する家電機器アドレスを前記記憶部から読み出し、読み出した家電機器アドレスを宛先として、前記第2のデータに含まれる前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報とを前記家電装置へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゲートウェイ装置の、維持管理やコストの負担が軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る家電管理システム1を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る個体識別子―アドレス変換テーブルの例を示した図である。
【図3】本実施形態に係る家電管理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本実施形態に係る記憶部28内に記憶されるテーブルの一例を示した図である。
【図6】本実施形態に係る家電管理システム2の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の家電管理システム1を示すブロック図である。家電管理システム装置1は、家電機器10a〜10c、ゲートウェイ装置20、及び、管理サーバ30を含んで構成される。
【0013】
家電機器10a〜cは、本家電管理システム1によって遠隔管理される家電機器であり、ネットワーク通信機能を有する。ネットワーク通信機能は、例えば有線/無線LANやZigBeeなどネットワークを用いることができる。また、各家電機器10a〜cは、それぞれに固有の個体識別子及び家庭内ネットワークアドレスが予め設定されている。家電機器10a〜cは、ゲートウェイ装置20を介して、管理サーバから情報を入力され、また、管理サーバ30に対し情報を出力する。家電機器10a〜cは、新たに家庭内通信ネットワークに接続されたときに、自身に設定された個体識別子及び家庭内ネットワークアドレスを、家庭内通信ネットワークを介してゲートウェイ装置20内の新規家電機器登録部27に出力する。
【0014】
ここで、個体識別子とは、家電機器10a〜cの各々に予め与えられた個別のIDである。また、家庭内ネットワークアドレスとは、ゲートウェイ装置20と家電機器10a〜cとで構成されるネットワーク上におけるゲートウェイ装置20及び家電機器10a〜cに与えられるネットワークアドレスである。家電機器としては、例えばテレビや冷蔵庫、エアコン、照明装置等である。この家電機器には、それぞれICタグが取り付けられている。ICタグには、予め個体識別子と家庭内ネットワークアドレスが記憶されており、ICタグ自身が有する通信機能により、ゲートウェイ装置20あるいは、自身が取り付けられた家電機器と通信する機能を有する。例えば、ゲートウェイ20から受信した情報を自身が取り付けられた家電機器へ出力し、家電機器から受信した情報をゲートウェイ20へ送信する。
【0015】
ゲートウェイ装置20は、家庭内通信ネットワークと外部ネットワークとを中継する装置である。
外部インターフェイス21は、外部ネットワーク110側に接続される装置(例えば、管理サーバ30)と通信するインターフェイスであり、外部の管理サーバからゲートウェイ装置20に対し情報を入力するとともに、ゲートウェイ装置20から外部の管理サーバへと情報を出力する。
管理サーバアドレス登録部22は、外部インターフェイス21から情報を入力され、その内部に含まれる、ゲートウェイ装置20に対して情報を出力した管理サーバのアドレスを抽出し、そのアドレスを記憶部28に書き込む。
【0016】
個体識別子―アドレス変換部23は、管理サーバアドレス登録部22から入力された情報に含まれる、個体識別子の情報に対応する家庭内ネットワークアドレスを、記憶部28に書き込まれた個体識別子―アドレス変換テーブルから読み出す。個体識別子―アドレス変換部23は、入力された情報の内、読み出した家庭内ネットワークアドレスに書き換えて、内部インターフェイス24に出力する。
【0017】
内部インターフェイス24は、家庭内通信ネットワーク100に接続される家電機器(例えば、家電機器10a〜c)と通信するインターフェイスであり、ゲートウェイ装置20から家電機器10a〜cに対して情報を出力するとともに、家電機器10a〜cからゲートウェイ装置への情報を入力する。
【0018】
アドレス―個体識別子変換部25は、内部インターフェイス24から入力された情報に含まれる、家庭内ネットワークアドレス(家電機器アドレス)の情報に対応する個体識別子を、記憶部28に書き込まれた個体識別子―アドレス変換テーブルから読み出す。アドレス―個体識別子変換部25は、入力された情報のうち、家庭内ネットワークアドレスを読み出した個体識別子に書き換える。
【0019】
管理サーバアドレス付与部26は、記憶部28から管理サーバのアドレスを読み出し、アドレス―個体識別子変換部25から入力された情報に管理サーバのアドレスを付与し、外部ネットワークに出力するデータパケットを作成する。管理サーバアドレス付与部26は、作成されたデータパケットを外部インターフェイス21に出力する。
【0020】
新規家電機器登録部27は、記憶部28に記憶されたアドレスを参照し、新たな家電機器10が家庭内通信ネットワークに接続されたときに、内部インターフェイス24から、個体識別子、及び家電機器10の家庭内ネットワークアドレスを得て、個体識別子―アドレス変換テーブルに書き込む。新たな家電機器であるか否かは、新規家電機器登録部27が、たとえば、同じ個体識別子が記憶部28に存在するか否かに基づいて判断し、同じものが無ければ新規なものとして登録する。
【0021】
記憶部28は、RAM(Random Access Memory)などの記憶素子であり、管理サーバアドレス登録部22、個体識別子―アドレス変換部23、アドレス−個体識別子変換部25、管理サーバアドレス付与部26及び新規家電機器登録部27から入力された個体識別子、家庭内ネットワークアドレス、管理サーバのアドレスなどが書き込まれ、また読み出される。
【0022】
管理サーバ30は、遠隔地から家電機器の状態を確認(例えば、テレビのスイッチのOn,Off状態の確認)したり、家電機器の状態を制御(例えば、クーラーをOn,Off状態の制御)したり、家電機器の状態を定期的に報告させたり(例えば、テレビの視聴チャネル及びその時間を毎日深夜0時に報告させる)(総称して制御という)するアプリケーションを実行する。
管理サーバ30は、家電装置10が接続されている家庭内通信ネットワークのゲートウェイ20に対して、個体識別子、管理サーバ30のアドレス及び管理サーバ30上で動作するアプリケーションからコマンドやデータを送信する。管理サーバ30は、ゲートウェイ20から個体識別子及び家電機器からの応答を入力される。
【0023】
図2は、記憶部28に記憶される個体識別子―アドレス変換テーブルの例を示した図である。図示するように個体識別子―アドレス変換テーブルは、個体識別子、家庭内ネットワークアドレス及び管理サーバアドレスの各項目の列を有している。図示する例では、個体識別子1の家電機器は、家庭内ネットワークアドレス192.168.11.2を与えられ、管理サーバアドレス48.12.114.2のサーバから管理されていることを示している。個体識別子2の家電機器は、家庭内ネットワークアドレス192.168.11.3を与えられ、管理サーバアドレス131.112.25.3のサーバから管理されていることを示している。個体識別子3の家電機器は、家庭内ネットワークに接続され、家庭内ネットワークアドレス192.168.11.3を与えられているが、管理サーバからは管理されていない状態を示している。
【0024】
図3は、本実施形態に係る家電管理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS10)家電機器10は、新たに家庭内ネットワークに接続された時に、その個体識別子及び家庭内ネットワークアドレスをゲートウェイ装置20に出力する。
(ステップS11)ゲートウェイ装置20は、入力された個体識別子及び家庭内ネットワークアドレスを、内部インターフェイス24を介して、新規家電機器登録部27に出力する。新規家電機器登録部27は、個体識別子及び家庭内ネットワークアドレスを記憶部28内の個体識別子―アドレス変換テーブルに書き込む。
【0025】
(ステップS12)管理サーバ30は、家電機器10を制御するデータを外部ネットワーク上のゲートウェイ装置20に出力する。具体的には、送信されるデータは、ゲートウェイ装置20の外部ネットワーク上のアドレスを宛先とし、制御される家電機器の個体識別子、管理サーバのアドレス及びコマンド・データを内容とするもの(第1のデータ)である。その後ステップS13に進む。
(ステップS13)外部インターフェイス21は、管理サーバ30からデータを入力されると、管理サーバアドレス登録部22に出力する。管理サーバアドレス登録部22は、入力されたデータから管理サーバのアドレスを抽出し、記憶部28の個体識別子―アドレス変換テーブルに書き込む。その後ステップS14に進む。
(ステップS14)個体識別子―アドレス変換部23は、管理サーバアドレス登録部22から入力された情報に含まれる、個体識別子の情報に対応する家庭内ネットワークアドレスを、記憶部28に書き込まれた個体識別子―アドレス変換テーブルから読み出し、ゲートウェイ20の外部ネットワークアドレスを読み出した家庭内ネットワークアドレスに書き換えた情報を生成し、内部インターフェイス24に出力する。
【0026】
(ステップS15)ゲートウェイ装置20の内部インターフェイス24は、家庭内通信ネットワーク100を通じて、家電機器10にコマンド・データを出力する。家電機器10のうち、送信された情報に含まれる家庭内ネットワークアドレスに対応する家電機器10は、受信した情報に含まれるコマンド・データに基づいて動作を行う。
(ステップS16)家電機器10は、受信したコマンド・データに対する応答をゲートウェイ装置20に出力する。
【0027】
(ステップS17)アドレス―個体識別子変換部25は、内部インターフェイス24から入力された情報に含まれる、家庭内ネットワークアドレスの情報に対応する個体識別子を、記憶部28に書き込まれた個体識別子―アドレス変換テーブルから読み出す。アドレス―個体識別子変換部25は、読み出した個体識別子と家電機器10から入力された応答と、送信先の管理サーバ30のアドレスとをゲートウェイ20へ送信する。
(ステップS18)管理サーバアドレス登録部22は、記憶部28に記録された個体識別子―アドレス変換テーブルから、対応する管理サーバのアドレスを読み出す。管理サーバアドレス登録部22は、管理サーバのアドレスをデータパケットに付与して外部インターフェイス21に出力する。その後ステップS19に進む。
(ステップS19)ゲートウェイ装置20は、送信元の管理サーバのアドレスを抽出し、抽出した管理サーバのアドレスを宛先として、家電機器の個体識別子及びその応答を管理サーバ30に出力する。
【0028】
このように、本実施形態によれば、家電機器とゲートウェイとが家庭内通信ネットワークを介して接続され、ゲートウェイ装置と管理サーバとが外部ネットワークを介して接続される家電管理システムであって、管理サーバは、家電機器を識別する個体識別子と送信対象である送信データとを含む第1のデータをゲートウェイ装置に送信する管理サーバ送信部とを有し、ゲートウェイ装置は、前記家庭内通信ネットワークにおいて家電機器に割り当てられたアドレスである家電機器アドレスを個体識別子とともに記憶する記憶部と、前記管理サーバから送信される第1のデータを受信し、第1のデータに含まれる個体識別子に対応する家電機器アドレスを記憶部から読み出し、読み出した家電機器アドレス宛に第1のデータに含まれるデータを送信する制御部とを有する。これにより、本家電管理システム1では、フォーマット変換を行うことなく、管理サーバから家電機器へデータを送信することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、家電機器10が、家庭内通信システムとの接続を確立すると、ゲートウェイ装置20に個体識別子を送信する。これにより、家庭内通信ネットワークに接続された家電機器の個体識別子とその家庭内ネットワークアドレスは、新たな家電機器が加わっても常にゲートウェイ装置20が管理することができるので、外部の管理サーバからの接続要請があった場合に直ちに家電機器10に接続できる。
【0030】
なお、本実施形態では、発信元の管理サーバ30のアドレスを管理サーバアドレス登録部22で抽出して記憶部28に登録し、登録された管理サーバ30のアドレスを管理サーバアドレス付与部26で宛先アドレスとしてデータパケットに付与したが、管理サーバ30のアドレスは、管理サーバ上のアプリケーションのデータとともにゲートウェイ20から家電機器10a〜cへ送信されるようにしてもよい。この場合、管理サーバのアドレスは、データとしてゲートウェイ装置20を介して家電装置10a〜cに出力される。家電機器10a〜cは、ゲートウェイ装置20に管理サーバのアドレスを含むデータを出力し、管理サーバアドレス付与部26においてデータから管理サーバのアドレスを抽出する。管理サーバアドレス付与部26は、宛先を管理サーバアドレスに書き換えた情報を生成する。
【0031】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係るゲートウェイ装置40の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るゲートウェイ装置40(図4)と第1の実施形態に係るゲートウェイ装置20(図1)とを比較すると、要求識別番号登録部41、イベント識別番号発生部42、加入識別番号・イベント識別番号登録部43、アドレス―個体識別子変換部25、加入識別番号・イベント識別番号変換部44、要求識別番号付与部45が異なる。しかし、他の構成要素(外部インターフェイス21、管理サーバアドレス登録部22、個体識別子―アドレス変換部23、内部インターフェイス24、管理サーバアドレス付与部26、新規家電機器登録部27及び記憶部28)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0032】
要求識別番号登録部41は、管理サーバアドレス登録部22から入力された情報に含まれる要求識別番号を抽出し、記憶部28のテーブルに書き込む。ここで、要求識別番号とは、例えば、家電機器がテレビである場合に、「前日のテレビの視聴時間は何時間か?」、「何チャンネルを何時間視聴したか?」といった、外部サーバ上のアプリケーションから家電機器に対する各要求を識別する番号である。要求識別番号登録部41は、入力された情報から要求識別番号を削除した後、該情報をイベント認識番号発生部42に出力する。
【0033】
イベント識別番号発生部42は、要求識別番号登録部41から入力された情報に含まれる加入識別番号を抽出し、記憶部28のテーブルに書き込む。ここで、加入識別番号とは、管理サーバ上のアプリケーションが割り当てる番号であり、ある家電機器を利用してアプリケーションを実行する際に、該家電機器に割り当てる番号である。すなわち、加入識別番号によって、どのアプリケーションによって実行されたイベントに対する応答であるかを識別できるようになっている。イベント識別番号発生部42は、加入識別番号と、前述した要求識別番号との組み合わせに対して、イベント識別番号を割り当てる。イベント識別番号発生部42は、要求識別番号登録部41から入力された情報を個体識別子―アドレス変換部23に出力する。
【0034】
加入識別番号・イベント識別番号登録部43は、イベント識別番号発生部42から入力された情報に含まれる加入識別番号と、イベント識別番号との対応を示すテーブルを記憶部28に書き込む。なお、このテーブルの詳細については、図5を用いて後述する。イベント識別番号とは、家電機器10が実行するイベントを識別する番号である。家電機器10としてテレビを例にとれば「一定時間おきに、現在選択されているテレビのチャンネルを外部サーバ30に送信する。」といったイベントを識別するものである。加入識別番号・イベント識別番号登録部43は、イベント識別番号発生部42から入力された情報を個体識別子―アドレス変換部23に出力する。
【0035】
アドレス―個体識別子変換部25は、内部インターフェイス24から入力された情報に含まれる、家庭内ネットワークアドレスの情報に対応する個体識別子を、記憶部28に書き込まれた個体識別子―アドレス変換テーブルから読み出す。アドレス―個体識別子変換部25は、読み出した個体識別子を入力された情報に付加する。アドレス―個体識別子変換部25は、内部インターフェイス24から入力された情報に含まれる情報にイベント識別番号が含まれるか否かを判定する。イベント識別番号が含まれる場合は、加入識別番号・イベント識別番号変換部44に、情報を出力する。イベント識別番号が含まれない場合は、要求識別番号付与部45に情報を出力する。
【0036】
イベント識別番号・加入識別番号変換部44は、アドレス―個体識別子変換部25からイベント識別番号を含む情報を入力する。イベント識別番号・加入識別番号変換部44は、記憶部28に記憶された、加入識別番号とイベント識別番号との対応を示すテーブル読み出すことで、イベント識別番号を加入者識別番号に変換する。イベント識別番号・加入識別番号変換部44は、変換された加入者識別番号を該情報に付して管理サーバアドレス付与部26に出力する。
【0037】
要求識別番号付与部45は、アドレス―個体識別子変換部25から入力されたゲートウェイ装置の家庭内ネットワークアドレスに対応する要求識別信号を、記憶部28に記憶されたテーブルを参照して取得し、取得した要求識別信号をデータに付す。
【0038】
図5は、記憶部28内に記憶されるテーブルの一例を示した図である。
図示するように、テーブルは、個体識別子、家庭内ネットワークアドレス、管理サーバアドレス、要求識別番号、イベント識別番号及び加入識別番号の各項目の列を有している。図示する例では、個体識別子1の家電機器は、家庭内ネットワークアドレス192.168.11.2を与えられ、管理サーバアドレス48.12.114.2のサーバから管理され、要求識別番号5の要求を受け、イベント識別番号は1001であり、加入者識別番号はA−a(アプリケーションAがaという機能を実行することを要求している)、B−cであることを示している。
【0039】
個体識別子2の家電機器は、家庭内ネットワークアドレス192.168.11.3を与えられ、管理サーバアドレス131.112.25.3のサーバから管理され要求識別番号7の要求を受け、イベント識別番号は1002であり、加入者識別番号はC−b(アプリケーションCがbという機能を実行することを要求している)であることを示している。
個体識別子3の家電機器は、家庭内ネットワークに接続され、家庭内ネットワークアドレス192.168.11.3を与えられているが、管理サーバからは管理されていない状態を示している。
【0040】
図6は、本実施形態に係る家電管理システム2の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS20)管理サーバ30は、管理を開始する。具体的には、管理サーバ上のアプリケーションが、家電装置に対する制御を開始する。
(ステップS21)管理サーバ30は、ゲートウェイ装置の外部ネットワークアドレスを宛先として、加入識別番号、及び要求識別番号を送信する。
(ステップS22)管理サーバアドレス登録部22は、データを受信した外部サーバのアドレスを記憶部28のテーブルに書き込む。管理サーバアドレス登録部22は、その後データを要求識別番号登録部41に出力する。
【0041】
(ステップS23)要求識別番号登録部41は、管理サーバアドレス登録部22から入力されたデータに含まれる要求識別番号を記憶部28のテーブルに書き込む。
(ステップS24)イベント認識番号発生部42は、要求識別番号登録部41から入力された要求認識番号と加入認識番号に基づいて、イベント識別番号を発番し、データに付与する。
(ステップS25)加入識別番号・イベント識別番号登録部43は、加入識別番号及びステップS24で発番されたイベント識別番号を記憶部28のテーブルに書き込む。
【0042】
(ステップS26)個体識別子―アドレス変換部23は、加入識別番号・イベント識別番号登録部43から入力された情報に含まれる、個体識別子の情報に対応する家庭内ネットワークアドレスを、記憶部28に書き込まれた個体識別子―アドレス変換テーブルから読み出す。個体識別子―アドレス変換部23は、読み出した家庭内ネットワークアドレスに基づいて、家庭内通信ネットワークのデータパケットを作成し、内部インターフェイス24に出力する。
(ステップS27)ゲートウェイ装置20は、家庭内通信ネットワークを通じて、家電機器10にコマンド・データを出力する。家電機器10は、受信したコマンド・データに基づいて動作を行う。(ステップS28)家電機器10は、ゲートウェイ装置20から受信したコマンド・データに対する応答をゲートウェイ装置20に出力する。
【0043】
(ステップS29)アドレス―個体識別子変換部25は、内部インターフェイス24から入力された情報に含まれる、家庭内ネットワークアドレスの情報に対応する個体識別子を、記憶部28に書き込まれたテーブルから読み出す。アドレス―個体識別子変換部25は、読み出した個体識別子と家電機器10から入力された応答に基づいて、管理サーバに送信するデータパケットを作成し、要求識別番号付与部45に出力する。
(ステップS30)要求識別番号付与部45は、アドレス―個体識別子変換部25から入力された情報に基づいて、記憶部28に書き込まれたテーブルから、要求認識番号を読み出し、データパケットに要求識別番号を付与する。
(ステップS31)管理サーバアドレス付与部26は、要求識別番号付与部45から入力された情報に対応する管理サーバアドレスを、記憶部28に書き込まれたテーブルから読み出す。管理サーバアドレス付与部26は、管理サーバのアドレスをデータパケットに付与して外部インターフェイス21に出力する。
【0044】
(ステップS32)ゲートウェイ装置20は、家電機器10の要求識別番号及び応答を含んだデータパケットを管理サーバ30に出力する。管理サーバ30は、送信された要求識別番号を参照することにより、どの要求に対する返答か判断する。
(ステップS33)家電機器10は、コマンド・データに基づいて、家電機器10のタイミングで(例えば、コマンド・データに従ってPUSH型で)データを送る場合には、ゲートウェイ装置20から受信したコマンド・データに対する応答を送信タイミングに到達した時点でゲートウェイ装置20に出力する。
(ステップS34)アドレス―個体識別子変換部25は、内部インターフェイス24から入力された情報に含まれる、家庭内ネットワークアドレスの情報に対応する個体識別子を、記憶部28に書き込まれたテーブルから読み出す。アドレス―個体識別子変換部25は、読み出した個体識別子と家電機器10から入力されたイベント識別番号に基づいて、管理サーバに送信するデータパケットを作成し、イベント識別番号・加入識別番号変換部44に出力する。その後ステップS35に進む。
(ステップS36)管理サーバアドレス付与部26は、要求識別番号付与部45から入力された情報に対応する管理サーバアドレスを記憶部28に書き込まれたテーブルから読み出す。管理サーバアドレス付与部26は、管理サーバのアドレスをデータパケットに付与して外部インターフェイス21に出力する。その後ステップS37に進む。
(ステップS37)ゲートウェイ装置20は、家電機器10の加入識別番号及びデータを含んだデータパケットを管理サーバ30に出力する。
【0045】
このように、本実施形態によれば、家電機器の家電管理システムが、管理サーバとゲートウェイ装置との通信を識別する要求識別信号と、管理サーバと家電機器との通信を識別する加入識別番号と、ゲートウェイ装置と家電機器との通信を識別するイベント識別番号を用い、複数の加入識別番号を1つのイベント識別番号に対応付ける。
これにより、本実施形態によれば、複数の加入識別番号を1つのイベント識別番号に対応付けるため、家庭内通信ネットワークのトラフィックの量を削減できる。
上述した第2の実施形態において、ゲートウェイ装置20の記憶部に加入識別番号と家電機器アドレスを記憶しておく。そして、管理サーバ30から加入識別番号と要求識別番号とコマンド・データを受信した際、ゲートウェイ装置20は、加入識別番号に対する家電機器アドレスを記憶部から読み出し、その家電機器アドレスを宛先として家電機器へ要求識別信号とコマンド・データとを送信するようにしてもよい。これにより、個々の家電機器ではなく、機能を特定して管理サーバから家電機器へ要求を送信し、その応答を管理サーバが得ることができる。
【0046】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
10、10a、10b、10c・・・家電機器(家電機器送信部)、20・・・ゲートウェイ装置、21・・・外部インターフェイス、22・・・管理サーバアドレス登録部、23・・・個体識別子―アドレス変換部、24・・・内部インターフェイス、25・・・アドレス―個体識別子変換部、26・・・管理サーバアドレス付与部、27・・・新規家電機器登録部、28・・・記憶部、30・・・管理サーバ(管理サーバ送信部)、40・・・ゲートウェイ装置、41・・・要求認識番号登録部、42・・・イベント識別番号発生部、43・・・加入識別番号・イベント識別番号対応部、44・・・イベント識別番号・加入識別番号変換部、45・・・要求識別番号付与部、100・・・内部ネットワーク、110・・・内部ネットワーク、200・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器とゲートウェイとが家庭内通信ネットワークを介して接続され、前記ゲートウェイ装置と管理サーバとが外部ネットワークを介して接続される家電管理システムであって、
前記管理サーバは、
前記家電機器を識別する個体識別子と送信対象である送信データとを含む第1のデータを前記ゲートウェイ装置に送信する管理サーバ送信部と、
前記ゲートウェイ装置は、
前記家庭内通信ネットワークにおいて前記家電機器に割り当てられたアドレスである家電機器アドレスを前記個体識別子とともに記憶する記憶部と、
前記管理サーバから送信される第1のデータを受信し、当該第1のデータに含まれる個体識別子に対応する家電機器アドレスを前記記憶部から読み出し、読み出した家電機器アドレス宛に当該第1のデータに含まれるデータを送信する制御部と、
を有することを特徴とする家電管理システム。
【請求項2】
前記家電機器は、
前記ゲートウェイ装置に接続して家庭内ネットワークの通信を確立する際に、自身に割り当てられた個体識別子を前記ゲートウェイ装置に送信する家電機器送信部を有し、
前記ゲートウェイは、
前記家電機器から送信される個体識別子が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合に、前記個体識別子に家電機器アドレスを割り当て、当該家電機器アドレスと当該個体識別子とを対応付けて前記記憶部に記憶する新規家電機器登録部
を有することを特徴とする請求項1に記載の家電管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバの管理サーバ送信部は、
前記管理サーバから前記家電機器に対する要求と当該要求を識別する要求識別情報と管理サーバが実行するアプリケーションを識別する加入識別情報とを含む第2のデータを送信し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記管理サーバから第2のデータを受信するとゲートウェイ装置から家電装置に対して送信する要求を識別するイベント識別情報を割り当てるイベント識別情報管理部と、
前記家電機器のうち前記第1のデータに含まれる個体識別子に対応する家電機器に対し、前記第2のデータに含まれる前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報とを前記家電機器へ送信するゲートウェイ装置送信部と、を有し、
前記ゲートウェイ装置の記憶部は、
前記イベント識別情報と当該イベント識別情報が割り当てられた際の第2のデータのうち少なくとも加入識別情報とを対応付けて記憶し、
前記家電機器の家電機器送信部は、前記ゲートウェイ装置から前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報とを受信すると、前記要求に対応する処理を行った結果である処理結果と当該イベント識別情報とを前記ゲートウェイ装置へ送信し、
前記ゲートウェイ装置の制御部は、前記家電機器から処理結果とイベント識別情報とを受信すると、当該イベント識別情報に対応する加入者識別情報を前記記憶部から読み出し、読み出した要求識別情報と前記処理結果とを当該加入識別情報に基づいて前記管理サーバへ送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家電管理システム。
【請求項4】
前記ゲートウェイ装置の記憶部は、さらに、
前記加入者情報と家電機器アドレスとを対応付けて記憶しており、
前記ゲートウェイ装置送信部は、
前記第2のデータに含まれる加入者識別番号に対応する家電機器アドレスを前記記憶部から読み出し、読み出した家電機器アドレスを宛先として、前記第2のデータに含まれる前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報とを前記家電装置へ送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の家電管理システム。
【請求項5】
前記家電機器の家電機器送信部は、前記ゲートウェイ装置から同一である前記要求と前記要求に対応する前記イベント識別情報を複数受信した場合、前記要求に対応する処理を行った結果である処理結果と、それを要求した複数の当該イベント識別情報とを組にして前記ゲートウェイ装置へ送信し、
前記ゲートウェイ装置の制御部は、前記家電機器から処理結果とイベント識別情報とを受信すると、当該イベント識別情報に対応する加入者識別情報を前記記憶部から読み出し、読み出した要求識別情報に対して前記処理結果を必要数複製し当該加入識別情報に基づいて前記管理サーバへ送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家電管理システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−242858(P2012−242858A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108740(P2011−108740)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)