説明

容器の検査キャリア

【課題】容器の洗浄状態や充填状態を確認するため、容器を検査する必要があり、容器底部へのアクセスが汎用用途に適した検査キャリアを提供する。
【解決手段】検査装置または検査装置の検査要素に対して容器2を適切に位置させる容器の検査キャリア3であって、容器を支持する回転プレート5aと、回転プレートのための直接駆動装置6として中空のシャフトを有するトルクモーターとする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載されているタイプの、容器の検査キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
このような検査キャリアは、例えば、容器検査技術において公知である。製造およびその後の工程(充填、洗浄など)時、例えば、容器の洗浄状態や充填状態を確認するため、容器を検査する必要がある。これを目的として、検査装置または検査装置の検査要素に対して容器を適切に位置させる検査キャリアが使用される。多くの検査方法では、容器を回転させたり所定の位置に配置することが要求されるため、容器を支持する回転プレートが一般的である。回転プレートは検査ステーションの上に設けられており、好ましくは容器が搬送装置によって検査ステーションを通過する一方で、容器を位置させる回転プレートが回転駆動される。公知の検査キャリアは、回転テーブルまたはカルーセル(carousel)の周縁部に沿って複数取り付けられており、この場合、回転テーブルまたはカルーセルは垂直軸線を中心に回転し、したがって容器は、固定的に取り付けられた検査装置を通過する。回転プレートは、同様に垂直軸線を中心に回転駆動され、この回転は、公知の装置の場合、回転プレートの下に配置されている直接駆動装置(direct drive)によって発生する。直接駆動装置は、いかなるギヤボックスも必要とせず、したがって、比較的コンパクトで軽量、かつ比較的経済的であるため、検査キャリアそれぞれに直接駆動装置が設けられている。直接駆動装置のモーターは回転プレートの下に配置されており、したがって、モーターシャフトは垂直上方に延びており、回転テーブルにおいて支持されている。回転プレートは、モーターシャフトの上面側に取り付けられている。さらなる実施形態として、いわゆる外側回転子モーター(external rotor motor)が記載されており、回転子が回転プレートとして形成されており、本質的に椀形状または鐘形状を有し、固定子が回転子の内側中央に配置されている。この発展形態は、さまざまな検査のケースに使用できるが、容器の底部を照らす、あるいはセンサによって走査しなければならない場合、機能しない。
【0003】
本発明の目的は、底部へのアクセスを提供する、汎用用途に適した検査キャリアを提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による実施形態によると、単純な設計で製造される汎用検査キャリアは、設計およびコストに関して回転プレートを利用しており、さらに、容器の底部へのアクセスが要求される検査においても有用である。中空のシャフトを有する直接駆動装置を使用することによって、底部へのアクセスを中空のシャフトを介して達成することができる。
【0006】
本発明のさらなる有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
極めて高いトルク用として最適化された駆動装置であるトルクモーターは、設計の単純さと経済的なコストという利点に加えて、特に、シャフトが中空であるため、本発明の目的に極めて好適な直接駆動装置である。
【0008】
回転子は、それ自体が回転プレートとして機能することができ、回転プレートには、容器の底部に対応する領域に少なくとも1つの検査開口部が設けられている。
【0009】
さらには、検査要素、例えば照明装置または別の送信器または受信器を、回転子の内側に配置することができる。
【0010】
本発明による検査キャリアは、多数の容器を同時に保持してこれらを同時に検査するハンドリング装置において、特に適している。
【0011】
以下では、本発明の一実施形態について、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による検査キャリアを備えた、容器のハンドリング装置の部分断面図である。
【図2】本発明による検査キャリアの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、容器2のハンドリング装置1を示しており、この場合、容器はボトル(瓶)である。この装置は、カルーセルまたは回転プレートとして形成されており垂直軸線1‘を中心に回転駆動されるキャリア3を有する。キャリア3は、単一のキャリアアームとして、または回転テーブルとして形成することができる。キャリアの上には、通常の場合、キャリア3の周縁部または周縁部付近に配置された多数の検査キャリア4が設けられている。図1には、このような検査キャリア4のうちの1つのみを示してあり、図2はこの検査キャリア4をさらに詳しく示している。
【0014】
検査キャリア4は回転プレート5aを含んでおり、この回転プレート5aは、検査する容器2に適合するようにされており、オプションとして、容器2の位置決め要素または保持要素を有する。回転プレート5aは、直接駆動装置6の回転子5として形成されていることが好ましい。この目的のため、回転子5は、椀(ボウル)形状または鐘形状に形成されており、リングフランジ5bを含んでいることが好ましい。リングフランジ5bは、回転プレート5aから下方に突き出しており、永久磁石7が設けられている。永久磁石7に対向して、固定子9のコイル8が配置されており、固定子9は、回転子5の周囲にリング形状として配置されている。
【0015】
あるいは、回転子5にセンタリング・リング(図示していない)を配置することもでき、このセンタリング・リングは、摩耗やフォーマット変更などの場合にモーターの分解をできる限り回避できるようにと、全般的なハンドリングが単純化されるように、すばやく交換できることが好ましい。
【0016】
回転プレート5a(したがって回転子5)には、少なくとも一箇所に検査開口部10が設けられており、検査開口部10は、好ましくは容器2の底部の中央に対応して設けられており、開口部の中を回転軸線2‘が通っている。
【0017】
好ましい実施形態(図2)においては、直接駆動装置6は、中空のシャフトを有するトルクモーターとして形成されており、中空のシャフトは、同心リング(すなわち内側の回転子リングと外側の固定子リング)からなる構造として構成されている。容器2の外径における外側固定子リングの内径と、固定子リングの軸方向長さが、回転子リングより大きく形成されているならば、回転子は、容器2のための好適な検査キャリアを形成する。
【0018】
回転子リング5bの内側は、検査要素11(この実施形態では照明装置として示してある)のための、保護された理想的な凹部を提供する。検査要素は、検査開口部10に位置合わせされており、容器2の底部2aに向いている。
【0019】
キャリア1が回転軸線1‘を中心に回転するとき、別の検査要素(例えばカメラ12)を駆動ことができ、または、検査要素をハンドリング装置1に固定的に取り付けて、キャリア3によって容器2が検査要素まで駆動されるようにすることができる。回転プレートも同時に駆動される。上述した装置は、例えば実瓶検査器(full bottle inspector)(充填して密封されたボトルを異物に関して検査する)において使用することができる。
【0020】
トルクモーターのさらなる利点として、回転子の位置および回転速度に関する自身の信号送信器13を駆動および制御する。直接駆動装置6の調整は、通常の方法として、有線(バスシステム)、無線(Bluetooth(登録商標))、または赤外線などによって制御される。
【0021】
ここまで説明および図示した実施形態の変形形態においては、個々の駆動装置として適する、中空のシャフトを備えた任意のサーボモーターを使用することができる。さらに、回転子は回転プレートとして形成する必要はなく、回転プレートに取り付けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)の検査キャリア(4)であって、前記容器(2)を支持する回転プレート(5a)と、前記回転プレート(5a)のための直接駆動装置(6)とを備えている、前記検査キャリア(4)において、
前記直接駆動装置(6)が、中空のシャフトを有するサーボモーターとして形成されていることを特徴とする、
検査キャリア(4)。
【請求項2】
前記直接駆動装置(6)が、トルクモーターとして形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の検査キャリア。
【請求項3】
前記直接駆動装置(6)の回転子(5)が前記回転プレート(5a)として形成されていることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の検査キャリア。
【請求項4】
前記回転プレート(5a)に、底部の領域に設けられた少なくとも1つの検査開口部(10)が設けられていることを特徴とする、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の検査キャリア。
【請求項5】
前記直接駆動装置(6)の永久磁石(7)が上に配置された側壁(5b)が前記回転子(5)に設けられていることを特徴とする、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の検査キャリア。
【請求項6】
前記回転子(5)が、検査要素(11)が中に配置される内側空間を有することを特徴とする、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の検査キャリア。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の検査キャリア(4)を多数備えている、容器(2)のハンドリング装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−131571(P2012−131571A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−271199(P2011−271199)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【出願人】(506040652)クロネス アクティェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】