説明

容器の水滴除去装置

【課題】容器のキャップ又は容器の口部等に付着した水滴を除去する容器の水滴除去装置を提供する。
【解決手段】コンベヤ4により搬送される容器1に付着した水滴を除去する装置において、コンベヤ4により搬送される容器1の側方に配置され容器のキャップ2又は口部に向けて空気を噴出するノズル6と、ノズル6を支持する支持バー10R,10Lと、ノズル6および支持バー10R,10Lを覆う筐体40とを備え、支持バー10R,10Lを筐体40の外側まで延長し、この延長部に治具プレート11,12を設け、治具プレート11,12と治具プレート11,12に対向する容器1のキャップ2又は口部との間の隙間調整を行なうことによりノズル6と容器1のキャップ2又は口部との間の隙間調整を行なうことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器の水滴除去装置に係り、特に容器のキャップ又は容器の口部等に付着した水滴を除去する容器の水滴除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤにより搬送される容器を搬送中に撮像により検査を行なう容器検査装置が従来から知られている。この容器検査装置には、容器の口部に装着されたキャップの外観検査を撮像により行なう装置があり、この装置においては、キャップの検査は画像を走査して画素ごとの明るさ比較によりキャップの良、不良を判定する。この場合、キャップに水滴が付着していると、水滴が暗く映るので誤判定する。このため、検査装置の上流側においてコンベヤの搬送経路に沿って、容器の両側にエア(圧縮空気)を噴出する複数のエアノズルを容器搬送の邪魔にならないように固定して配置し、キャップの各部にエアがあたるようにノズルのエア吹き出し方向を様々な方向に設定し、搬送中の容器のキャップにエアをあてて水滴を除去している。
【0003】
しかしながら、従来の水滴除去装置においては、容器各部の水滴を有効に除去するためには、多数のノズルを設置する必要があり、またノズルの個数が多いため、消費されるエア流量が多くなってしまい、エア供給装置の規模が大きくなる等の問題点があった。
【0004】
そのため、本件出願人は、先に特許文献1において、コンベヤにより搬送される容器の側方に配置され容器のキャップに向けて空気を噴出するノズルと、容器を挟んで前記ノズルと反対方向に配置され容器のキャップ(又は容器の口部)に対向した吸引口を有し空気を吸引する吸引部とを備えた容器の水滴除去装置を提案している。
【0005】
【特許文献1】特開2003−341629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1において提案された容器の水滴除去装置においては、容器から除去された水滴が飛散することを防止するために、容器を搬送するためのコンベヤ、複数のノズル、および複数の吸引部を覆うための筐体が設置されている。この場合、容器のキャップ(又は容器の口部)とノズルとの隙間調整を行なうには、筐体の外側から操作者が覗き込みながらノズルの位置調整を行なわなければならなかった。また容器のキャップ(又は容器の口部)と吸引部との隙間調整を行なう場合も、同様に筐体の外側から操作者が覗き込みながら吸引部の位置調整を行なわなければならなかった。この調整方法においては、筺体の開口部から確認したい容器までの距離があり、人によってばらつきが生じてしまうという問題点があった。また、当該装置と他の装置との据付間隔が狭い場合や、当該装置の稼働中は確認が非常に困難であるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、筐体の外側で容器のキャップ(又は口部)とノズル(又は吸引部)との間の隙間調整を簡易かつ正確に行なうことができる容器の水滴除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、本発明の容器の水滴除去装置は、コンベヤにより搬送される容器に付着した水滴を除去する装置において、コンベヤにより搬送される容器の側方に配置され容器のキャップ又は口部に向けて空気を噴出するノズルと、前記ノズルを支持する支持部材と、前記ノズルおよび前記支持部材を覆う筐体とを備え、前記支持部材を前記筐体の外側まで延長し、この延長部に治具プレートを設け、前記治具プレートと治具プレートに対向する容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことにより前記ノズルと容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことができるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の1態様によれば、前記容器を挟んで前記ノズルと反対方向に配置され容器のキャップ又は口部に対向した吸引口を有し空気を吸引する吸引ブロックと、前記吸引ブロックを支持する支持部材とを備え、前記吸引ブロックを支持する支持部材を前記筐体の外側まで延長し、この延長部に治具プレートを設け、前記治具プレートと治具プレートに対向する容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことにより前記吸引ブロックと容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことができるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の1態様によれば、前記コンベヤにより搬送される容器の上方に設置され容器に向けて空気を噴出する水滴除去ユニットを備え、前記水滴除去ユニットは、駆動装置に連結され軸心の周りに回転可能な回転軸と、前記回転軸に支持されるとともに回転軸の軸心より半径方向に離間した位置に設けられ容器のキャップ又は口部に向けて空気を噴出する複数のノズルからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
(1)筐体の外側に設けられた治具プレートを用い、治具プレートと容器のキャップ又は容器の口部との間の隙間調整を行なうことにより、筐体の内側にあるノズルと容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことができる。従って、容器のキャップ又は口部とノズルとの間の隙間調整を正確に行なうことができる。
(2)筐体の外側から操作者が覗き込むなどの動作を行なうことなく、容器のキャップ又は口部とノズルとの間の隙間調整を操作者の目の前で行なうことができる。従って、隙間調整に人によってばらつきが生じてしまう等の問題もなく、更に当該水滴除去装置と他の装置の据え付け間隔が狭い場合や、当該装置の稼働中においても容易に容器のキャップ又は口部とノズルとの間の隙間の確認ができる。
(3)筐体の外側に設けられた治具プレートを用い、治具プレートと容器のキャップ又は容器の口部との間の隙間調整を行なうことにより、筐体の内側にある吸引ブロックと容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことができる。従って、容器のキャップ又は口部と吸引ブロックとの間の隙間調整を正確に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る容器の水滴除去装置の実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。図1は容器の水滴除去装置の全体構成を示す平面図であり、図2は容器の水滴除去装置の要部を示す立面図であり、図3は図2のIII−III線断面図である。本発明の容器の水滴除去装置は、撮像により容器の検査を行なう容器検査装置の上流側に設置されている。なお、本発明の容器の水滴除去装置は、容器検査装置とともに用いないで、単独で用いることもできる。本実施形態においては、容器の一種としてPETボトルを一例として説明する。図2に示すように、PETボトルからなる容器1の口部にはプラスチック製のキャップ2が装着されている。容器1の口部には、半径方向に突出した鍔状のリング部3が形成されている。図1に示すように、容器1はコンベヤ4によって所定速度で矢印A方向に搬送される。図2に示すように、容器1の搬送経路に沿って搬送経路の両側にガイドレール13が設置されている。
【0013】
容器の水滴除去装置は、図1に示すように、コンベヤ4の搬送方向に沿って設けられた2セットのブロー・吸引式水滴除去ユニットU1,U2を備えている。各ブロー・吸引式水滴除去ユニットU1(又はU2)はエアを容器に向かってブロー(吹き付け)するノズルユニット5と、ノズルユニット5からブロー(吹き付け)されたエアを吸い込むための吸引ボックス7とを備えている。ブロー・吸引式水滴除去ユニットU1,U2、およびコンベヤ4の所定範囲は筐体40により覆われており、容器1から除去された水滴が飛散しないようになっている。
【0014】
ブロー・吸引式水滴除去ユニットU1におけるノズルユニット5,吸引ボックス7と、ブロー・吸引式水滴除去ユニットU2におけるノズルユニット5,吸引ボックス7とは、互いに反対位置に設置されている。そして、各ブロー・吸引式水滴除去ユニットU1(U2)におけるノズルユニット5および吸引ボックス7は、それぞれ支持バー10により支持されている。ノズルユニット5は、コンベヤ4により搬送される容器1のキャップ2(又は口部)にエアを吹き付ける3個の圧空ノズル6を有している。また図2および図3に示すように、吸引ボックス7は、圧空ノズル6から容器1に吹き付けられたエアを吸い込むための吸込口8を有している。従って、ノズルユニット5の圧空ノズル6と吸引ボックス7の吸込口8とはコンベヤ4の搬送経路を挟んで対向して配置されている。圧空ノズル6は図示されない圧縮空気源に接続されており、吸込口8は図示されないブロア等の吸引装置に接続されている。
【0015】
また、図3に示すように、吸引ボックス7のやや上方には、吸込口8側からエアを容器1のキャップ2(又は口部)に吹き付ける細長状ノズル9が設置されている。細長状ノズル9は図示されない圧縮空気源に接続されている。
【0016】
上述の構成において、キャップ2(又は口部、例えばリング部3)にもともと付着した水滴に加えて、キャップ2(又は口部)から除去された水滴がキャップ2に付着する場合があるが、圧空ノズル6からエア(圧縮空気)をキャップ2の一側面に吹き付けることにより水滴を圧空ノズル6の反対側の吸込口8側に集める。そして、吸込口8側に集められた水滴に向かって、細長状ノズル9からエアを吹き付け、吸込口8側に集められた水滴に反対方向の力を作用させて水滴を揺り動かしキャップ2から剥離しやすくした状態で吸込口8により水滴を吸い込む。
【0017】
上述の動作を上流側と下流側にある2セットの容器のブロー・吸引式水滴除去ユニットU1,U2により繰り返し行なう。この場合、2セットのブロー・吸引式水滴除去ユニットU1,U2は、容器1の搬送経路を挟んで両側からエアの吹き付けと吸い込みを行ない、かつこれら2セットのブロー・吸引式水滴除去ユニットU1,U2におけるエアの吹き付けと吸い込みの方向が互いに反対になっている。したがって、2セットの水滴除去ユニットにより、容器1のキャップ2(又は口部)に付着した水滴は確実に除去される。
【0018】
次に、ノズルユニット5の圧空ノズル6の先端と容器1のキャップ2(又は容器1の口部、例えばリング部3)との隙間調整および吸引ボックス7の先端と容器1のキャップ2(又は容器1の口部、例えばリング部3)との隙間調整を行なう調整機構について説明する。
【0019】
図1に示すように、ノズルユニット5および吸引ボックス7を支持する支持バー10は、容器1の搬送方向に沿って伸びている。以下の説明においては、図1に示す容器1の搬送方向に向かって右側の支持バーを10R、左側の支持バーを10Lで示す。支持バー10R,10Lは圧空ノズル6および吸引ボックス7を支持する支持部材を構成している。すなわち、ブロー・吸引式水滴除去ユニットU1における吸引ボックス7とブロー・吸引式水滴除去ユニットU2におけるノズルユニット5は支持バー10Rに固定されており、ブロー・吸引式水滴除去ユニットU1におけるノズルユニット5とブロー・吸引式水滴除去ユニットU2における吸引ボックス7は支持バー10Lに固定されている。2本の支持バー10R,10Lは筐体40の外側まで延長して伸びている。すなわち、図1に示すように、支持バー10R,10Lの両端部は筐体40の端部40eから外側に突出して伸びている。そして、支持バー10R,10Lの両端部は、それぞれ棒状のサポート14に支持されている。
【0020】
前記支持バー10Rの一端には吸引ボックス用治具プレート11が固定され、他端には圧空ノズル用治具プレート12が固定されている。また、支持バー10Lの一端には圧空ノズル用治具プレート12が固定され、他端には吸引ボックス用治具プレート11が固定されている。これら治具プレート11,12は、筐体40の外部において、容器1のキャップ2(又は容器1の口部、例えばリング部3)と、圧空ノズル6および吸引ボックス7との隙間調整を行なうことを可能とするものである。
【0021】
図4は治具プレート11,12と容器1との関係を示す側面図であり、図5は上述の隙間調整を行なうための調整機構を示す斜視図である。図4及び図5に示すように、支持バー10R,10Lを支持する棒状のサポート14,14は、筐体40を貫通して外側に伸びている。サポート14は垂直方向に伸びる縦型クランプ15によりクランプされている。縦型クランプ15には調整ねじ16が螺合されており、調整ねじ16を緩めることによりサポート14を矢印B方向に前後進させることができるようになっている。サポート14を矢印B方向に前後進させると、支持バー10R(10L)は容器1に対して前進又は後退するようになっている。
【0022】
従って、棒状のサポート14,14を矢印B方向に動かした後に調整ねじ16を締めることによって支持バー10R,10Lの幅方向位置の調整、すなわち圧空ノズル6および吸引ボックス7の幅方向位置の調整を行なうことができるようになっている。縦型クランプ15は水平方向に伸びる横型クランプ17によりクランプされている。横型クランプ17は垂直方向に伸びる縦方向バー19に支持されるようになっている。横型クランプ17には調整ねじ18が螺合されており、調整ねじ18を緩めることにより横型クランプ17を縦方向バー19に沿って上下方向(矢印C方向)に動かすことができるようになっている。従って、横型クランプ17を縦方向バー19に沿って上下方向に動かした後に調整ねじ18を締めることによって支持バー10R,10Lの高さ調整、すなわち圧空ノズル6および吸引ボックス7の高さ調整を行なうことができるようになっている。なお、調整ねじ16を緩めてサポート14を矢印D方向に回転させることもできる。さらに調整ねじ21を緩めて縦型クランプ15を矢印E方向に回転させることもできるようになっている。また縦方向バー19には、上下方向にスライド可能かつ所定位置で固定可能なストッパ22が設けられている。
【0023】
図6は、治具プレート11,12を用いて吸引ボックス7および圧空ノズル6と、容器1のキャップ2(又は口部)との隙間を調整する方法を示す模式図である。図6(a)は治具プレート11,12と容器1との関係を示し、図6(b)は圧空ノズル6および吸引ボックス7と容器1との関係を示している。支持バー10R,10Lに固定された吸引ボックス7と圧空ノズル6と、治具プレート11,12とは、同一の位置関係(幅方向位置および高さ位置)になるように治具プレート11,12の寸法が設定されている。まず、治具プレート11,12の間にあって、コンベヤ4の中心位置に容器1を置き、上下流2箇所ある幅方向調整用の調整ねじ16を緩め、図6(a)に示すように吸引ボックス用治具プレート11と容器1のキャップ2(又はリング部3)との間の隙間が最適な距離G1になるように、支持バー10Rを容器1に対して前後進させて調整する。同様に、圧空ノズル用治具プレート12と容器1のキャップ2(又はリング部3)との間の隙間が最適な距離G2になるように、支持バー10Lを容器1に対して前後進させて調整する。上述のようにして隙間調整が完了した結果、図6(b)に示すように、吸引ボックス7および圧空ノズル6と、容器1のキャップ2(又は口部のリング部3)との間の距離は、それぞれ最適な距離G1,G2に設定されることになる。
【0024】
本実施形態においては、図1に示すブロー・吸引式水滴除去ユニットU1,U2に加えて、回転ノズル式水滴除去ユニットが設けられている。図7は回転ノズル式水滴除去ユニットの全体構成を示す正面図である。図7に示すように、回転ノズル式水滴除去ユニットU3は、コンベヤ4の搬送経路に沿って複数個設けられている。
【0025】
図7に示すように、各回転ノズル式水滴除去ユニットU3は、搬送経路の上方に設けられた筐体40に固定されている。各回転ノズル式水滴除去ユニットU3は、内部に軸受27を収容した軸受ハウジング28により回転自在に支持された回転軸29と、回転軸29の下端に固定されたノズルホルダ30と、ノズルホルダ30の中心、即ち、回転軸29の軸心から半径方向に離間した所定円周上に設けられた複数のノズル31とを備えている。複数のノズル31から噴出されたビーム状又は線状のエア(圧縮空気)が回転軸29の軸心を下方に延長した点Oで交わるように、複数のノズル31は半径方向内方に傾斜している。回転軸29の上端にはカップリング32を介してロータリジョイント33が接続されている。ロータリジョイント33は、図示されない圧縮空気源に接続されている。また、各回転ノズル式水滴除去ユニットU3における回転軸29にはプーリ34が固定されている。
【0026】
図1に示すように、4つの回転ノズル式水滴除去ユニットU3の側方には2つの駆動装置35が設置されている。2つの回転ノズル式水滴除去ユニットU3の回転軸29に固定されたプーリ34と、駆動装置35のモータ36の回転軸に固定されたプーリ37にはベルト38が巻回されている。したがって、駆動装置35のモータ36を駆動することにより、2つの回転ノズル式水滴除去ユニットU3における回転軸29が回転され、回転軸29に固定された複数のノズル31が一体に回転するようになっている。コンベヤ4の搬送速度が63m/min(このときの処理能力は600bpm(1分間当たりの容器処理本数))の場合、ノズル31の回転速度は1200〜1300rpmとするのが好ましい。容器処理能力を上げる場合に必ずしも回転速度を上げる必要はなく、例えば900bpmの処理でも、同一のノズル回転速度で水滴を除去することができる。
【0027】
一方、圧縮空気源からのエア(空気)はロータリジョイント33、回転軸29およびノズルホルダ30内の連通路29a,30aを介して各ノズル31に供給される。容器1のキャップ2に吹き付けられる空気量は、ノズル31の個数が30〜35個の場合、0.5MPaの圧縮空気で、3000l(リットル)である。
【0028】
単位面積あたりの吹き付けられる空気の圧力が高いと水滴が除去されやすい。したがって、キャップの全面にわたって高圧空気を吹き付けることにより水滴を除去することもできる。しかしながら、キャップの全面にわたって空気を吹き付けると、吹き付けられる空気量が多くなって経済的でなく、また容器1をコンベヤ4により搬送する際の搬送抵抗にもなる。したがって、ノズルから噴出されてキャップに吹き付けられる空気は、拡散しないようにビーム状又は線状にしてキャップに吹き付けるのがよい。
【0029】
上述の構成において、コンベヤ4による容器1の搬送中に、容器1は各回転ノズル式水滴除去ユニットU3の下方を通過していく。この通過する際に、図7に示すように、キャップ2の外周には回転軸29の軸心を中心として回転する複数のノズル31から噴出されるエアが吹き付けられる。すなわち、各ノズル31がキャップ2の周囲を回転しつつエアをキャップ2に吹き付けるので、各ノズル31がエアをキャップ2に吹き付ける面積は、固定式ノズルと比較すると、飛躍的に増加する。したがって、固定式ノズルよりノズルの個数を減らすことができる。
【0030】
各容器1にはコンベヤ4により搬送される過程で4個の回転ノズル式水滴除去ユニットU3から噴出されるエアが順次吹き付けられる。すなわち、容器1のキャップ2の搬送方向の前方および後方部分を含めて特定部分に何度もエアを吹き付けるので、キャップ2から水滴を確実に除去することができる。
【0031】
本実施形態においては、容器1にキャップ2を装着した状態で水滴を除去する場合を説明したが、容器1にキャップ2を装着せずに、容器1の口部(例えば、ねじ口部)から水滴を同様に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は容器の水滴除去装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図2は容器の水滴除去装置の要部を示す立面図である。
【図3】図3は図2のIII−III線断面図である。
【図4】図4は治具プレートと容器との関係を示す側面図である。
【図5】図5は隙間調整を行なうための調整機構を示す斜視図である。
【図6】図6は、治具プレートを用いて吸引ボックスおよび圧空ノズルと、容器のキャップ(又は口部)との隙間を調整する方法を示す模式図である。
【図7】図7は回転ノズル式水滴除去装置の全体構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 容器
2 キャップ
3 リング部
4 コンベヤ
5 ノズルユニット
6 圧空ノズル
7 吸引ボックス
8 吸込口
9 細長状ノズル
10,10R,10L 支持バー
11 吸引ボックス用治具プレート
12 圧空ノズル用治具プレート
13 ガイドレール
14 サポート
15 縦型クランプ
16,18,21 調整ねじ
17 横型クランプ
19 縦方向バー
22 ストッパ
27 軸受
28 軸受ハウジング
29 回転軸
30 ノズルホルダ
31 ノズル
32 カップリング
33 ロータリジョイント
34,37 プーリ
35 駆動装置
36 モータ
38 ベルト
40 筐体
40e 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤにより搬送される容器に付着した水滴を除去する装置において、
コンベヤにより搬送される容器の側方に配置され容器のキャップ又は口部に向けて空気を噴出するノズルと、前記ノズルを支持する支持部材と、前記ノズルおよび前記支持部材を覆う筐体とを備え、前記支持部材を前記筐体の外側まで延長し、この延長部に治具プレートを設け、前記治具プレートと治具プレートに対向する容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことにより前記ノズルと容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことができるようにしたことを特徴とする容器の水滴除去装置。
【請求項2】
前記容器を挟んで前記ノズルと反対方向に配置され容器のキャップ又は口部に対向した吸引口を有し空気を吸引する吸引ブロックと、前記吸引ブロックを支持する支持部材とを備え、前記吸引ブロックを支持する支持部材を前記筐体の外側まで延長し、この延長部に治具プレートを設け、前記治具プレートと治具プレートに対向する容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことにより前記吸引ブロックと容器のキャップ又は口部との間の隙間調整を行なうことができるようにしたことを特徴とする請求項1記載の容器の水滴除去装置。
【請求項3】
前記コンベヤにより搬送される容器の上方に設置され容器に向けて空気を噴出する水滴除去ユニットを備え、前記水滴除去ユニットは、駆動装置に連結され軸心の周りに回転可能な回転軸と、前記回転軸に支持されるとともに回転軸の軸心より半径方向に離間した位置に設けられ容器のキャップ又は口部に向けて空気を噴出する複数のノズルからなることを特徴とする請求項1又は2記載の容器の水滴除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−261595(P2007−261595A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85687(P2006−85687)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)