説明

容器の箱詰め方法と箱詰め装置

【課題】ケース入り商品としての外観を損ない難い容器の箱詰め方法を提供する。
【解決手段】容器胴部における略円錐台形状部分の母線長さと、略同径部分の長さとの合計長さと略同じ幅で側面パネル5aを備え、且つ、底面パネル4に載置してある容器Cの略同径部分から略円錐台形状部分に変化する部位に沿って折り曲げ可能な癖付け部12を設けてあるブランクシートAと、一対の挟持部材29,33が底面パネルに載置してある容器の略円錐台形状部分に対して側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部31,35を備え、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて押し付け可能な押し付け部28を設けてある箱詰め装置Dとを使用して、接続フラップ6と天面パネル7との接着時に、一対の挟持部材でブランクシートを搬送方向前後から挟み込んだ状態で、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて押し付けてケースBに箱詰めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底面パネルとその前後一対の側面パネルと前記一対の側面パネルのうちの一方側に連接した接続フラップと他方側に連接した天面パネルとの夫々を、折り曲げ用癖付け部を挟んで搬送方向に沿って一連に備えたブランクシートと、前記底面パネルを略水平方向に沿わせて、その底面パネルの前後に前記一対の側面パネルの夫々を前記癖付け部に沿って上向きに折り曲げてある前記ブランクシートを搬送しながら、容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態で前記底面パネルに載置するとともに、一方の側面パネルに連接してある前記接続フラップと、他方の側面パネルに連接してある前記天面パネルとを前記癖付け部に沿って前記容器の上面側に向けて折り曲げて、前記ブランクシートを一対の挟持部材で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着することにより、前記容器の複数個を箱詰めしてあるケースを作成する箱詰め装置とを使用して、円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、前記整列状態で前記ケースに箱詰めする容器の箱詰め方法、及び、
円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態でケースに箱詰めするために、前記底面パネルを略水平方向に沿わせて、その底面パネルの前後に前記一対の側面パネルの夫々を前記癖付け部に沿って上向きに折り曲げてある前記ブランクシートを搬送可能なブランクシート搬送部と、前記ブランクシート搬送部で搬送中のブランクシートにおける前記底面パネルに前記容器の複数個を前記整列状態で載置可能な容器載置部と、前記ブランクシート搬送部で搬送中のブランクシートにおける前記接続フラップと前記天面パネルとを前記癖付け部に沿って前記容器の上面側に向けて折り曲げて、ブランクシートを一対の挟持部材で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着することにより、前記容器の複数個を前記整列状態で箱詰めしてあるケースを作成可能な折り曲げ接着部とを設けてある箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記容器の箱詰め方法では、従来、円筒状胴部の容器軸芯方向に沿う長さと略同じ搬送方向幅で一対の側面パネルの夫々を備えたブランクシートと、一対の挟持部材が底面パネルに載置してある容器に対して、側面パネルを挟んで対向可能で、且つ、前記側面パネルの全長に亘って容器軸芯に沿って平行な側面押え部を備え、且つ、接続フラップと天面パネルとを互いに接着する接着時に、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてある箱詰め装置とを使用して、容器の一例としての例えばビールなどの飲料を充填してある缶の複数個を、各缶の上下姿勢を揃えた整列状態で、角部を略直角に折り曲げてあるケースに箱詰めしている(例えば、特許文献1参照)。
そして、缶の複数個を箱詰めしたケースは、運搬時や保管時において、通常、ケースの複数を缶軸芯方向が上下方向に沿う一定姿勢でパレット上に多段に積み重ねて、パレット単位で運搬したり保管しているので、パレット上に積み重ねてあるケースは、下側のケースほど、上側に積み重ねてあるケースの大きな荷重が下向きに作用し、この荷重はケース内の缶を介してパレット側に支持されることになる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−299712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、図8に示すように、円筒状胴部1の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分2,3を形成してある缶Cの複数個を、略円錐台形状部分2を上向きにして上下姿勢を揃えた整列状態でケースBに箱詰めしてあると、そのケースBの複数をパレットP上に多段に積み重ねた状態で、上側に積み重ねてあるケースBの荷重Wによって、図中の仮想線で示すように、下側のケースBの側面パネル5がケース外側に膨らむ、いわゆるケースの「胴膨れ」が生じて、ケース入り商品としての外観を損ない易い欠点がある。
つまり、略円錐台形状部分2を上向きにして、角部を略直角に折り曲げてあるケースBに缶Cを箱詰めしてあるので、天面パネル7と側面パネル5とで形成されるケース角部36において、側面パネル5側に箱詰めされている缶Cの上側の略円錐台形状部分2とケース角部36との間に略三角形の空隙Gが形成され、この空隙Gに臨んでいる天面パネル部分50に上側のケースBの荷重が作用して、天面パネル部分50が下向きに変形し、その結果、側面パネル5がケース外側に膨らんで、「胴膨れ」が生じると考えられる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態でケースに箱詰めして、そのケースの複数をパレット上に多段に積み重ねておいても、ケース入り商品としての外観を損ない難い容器の箱詰め方法と、その箱詰め方法に使用する箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、底面パネルとその前後一対の側面パネルと前記一対の側面パネルのうちの一方側に連接した接続フラップと他方側に連接した天面パネルとの夫々を、折り曲げ用癖付け部を挟んで搬送方向に沿って一連に備えたブランクシートと、前記底面パネルを略水平方向に沿わせて、その底面パネルの前後に前記一対の側面パネルの夫々を前記癖付け部に沿って上向きに折り曲げてある前記ブランクシートを搬送しながら、容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態で前記底面パネルに載置するとともに、一方の側面パネルに連接してある前記接続フラップと、他方の側面パネルに連接してある前記天面パネルとを前記癖付け部に沿って前記容器の上面側に向けて折り曲げて、前記ブランクシートを一対の挟持部材で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着することにより、前記容器の複数個を箱詰めしてあるケースを作成する箱詰め装置とを使用して、円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、前記整列状態で前記ケースに箱詰めする容器の箱詰め方法であって、
前記胴部における前記略円錐台形状部分の母線の長さと、前記胴部における略同径部分の容器軸芯方向に沿う長さとの合計長さと略同じ搬送方向幅で前記一対の側面パネルの夫々を備え、且つ、前記底面パネルに載置してある複数の容器の、前記胴部における前記略同径部分から前記略円錐台形状部分に変化する部位に沿って、各側面パネルを折り曲げ可能な側面パネル折り曲げ用癖付け部を設けてあるブランクシートと、前記一対の挟持部材が前記底面パネルに載置してある容器の前記略円錐台形状部分に対して、前記側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部を備え、且つ、前記底面パネルと前記天面パネルとを前記容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてある箱詰め装置とを使用して、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着する接着時に、前記一対の挟持部材で前記ブランクシートを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記底面パネルと前記天面パネルとを前記容器に向けて上下方向から押し付けて、前記容器の複数個を前記整列状態で前記ケースに箱詰めする点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
胴部における略円錐台形状部分の母線の長さと、胴部における略同径部分の容器軸芯方向に沿う長さとの合計長さと略同じ搬送方向幅で一対の側面パネルの夫々を備え、且つ、底面パネルに載置してある複数の容器の、胴部における略同径部分から略円錐台形状部分に変化する部位に沿って、各側面パネルを折り曲げ可能な側面パネル折り曲げ用癖付け部を設けてあるブランクシートを使用するので、
円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を整列状態でケースに箱詰めするときに、天面パネルと側面パネルとで形成されるケース角部、或いは、底面パネルと側面パネルとで形成されるケース角部において、側面パネルを、その側面パネル側に箱詰めされている容器の略円錐台形状部分に略沿うように、側面パネル折り曲げ用癖付け部に沿って折り曲げることができる。
そして、一対の挟持部材が底面パネルに載置してある容器の略円錐台形状部分に対して、側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部を備え、且つ、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてある箱詰め装置を使用して、接続フラップと天面パネルとを互いに接着する接着時に、一対の挟持部材でブランクシートを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて上下方向から押し付けて、容器の複数個を整列状態でケースに箱詰めするので、
円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態で底面パネルに載置して、接続フラップと天面パネルとを癖付け部に沿って容器の上面側に向けて折り曲げて互いに接着する接着時に、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて上下方向から押し付けるに伴って、略円錐台形状部分に対して側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部で、その側面パネルが、その側面パネル側に載置されている容器の略円錐台形状部分に略沿うように、側面パネル折り曲げ用癖付け部に沿って強制的に折り曲げられ、天面パネルと側面パネルとで形成されるケース角部、或いは、底面パネルと側面パネルとで形成されるケース角部において、側面パネル側に箱詰めされている容器の略円錐台形状部分と、その略円錐台形状部分に対向しているケース角部との間に形成される空隙が小さいケースに箱詰めすることができる。
従って、空隙に臨んでいる天面パネル隅角部分に、上側に積み重ねてあるケースの荷重が作用しても、その荷重は容器によって受け止められて、天面パネル隅角部分の下向き変形量が小さくなり、或いは、空隙に臨んでいる底面パネル隅角部分から、下側に積み重ねてあるケースの上側角部に作用する荷重が小さくなり、その結果、側面パネルのケース外側への膨らみ(胴膨れ)も小さくなって、円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態でケースに箱詰めして、そのケースの複数をパレット上に多段に積み重ねておいても、ケース入り商品としての外観を損ない難い。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態でケースに箱詰めする請求項1記載の容器の箱詰め方法に使用するために、前記底面パネルを略水平方向に沿わせて、その底面パネルの前後に前記一対の側面パネルの夫々を前記癖付け部に沿って上向きに折り曲げてある前記ブランクシートを搬送可能なブランクシート搬送部と、前記ブランクシート搬送部で搬送中のブランクシートにおける前記底面パネルに前記容器の複数個を前記整列状態で載置可能な容器載置部と、前記ブランクシート搬送部で搬送中のブランクシートにおける前記接続フラップと前記天面パネルとを前記癖付け部に沿って前記容器の上面側に向けて折り曲げて、ブランクシートを一対の挟持部材で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着することにより、前記容器の複数個を前記整列状態で箱詰めしてあるケースを作成可能な折り曲げ接着部とを設けてある箱詰め装置であって、
前記一対の挟持部材が前記底面パネルに載置してある容器の前記略円錐台形状部分に対して、前記側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部を備え、且つ、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着する接着時に、前記一対の挟持部材で前記ブランクシートを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記底面パネルと前記天面パネルとを前記容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
一対の挟持部材が底面パネルに載置してある容器の略円錐台形状部分に対して、側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部を備え、且つ、接続フラップと天面パネルとを互いに接着する接着時に、一対の挟持部材でブランクシートを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてあるので、
円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態で底面パネルに載置して、接続フラップと天面パネルとを癖付け部に沿って容器の上面側に向けて折り曲げて互いに接着する接着時に、底面パネルと天面パネルとを容器に向けて上下方向から押し付けるに伴って、略円錐台形状部分に対して側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部で、その側面パネルが、その側面パネル側に載置されている容器の略円錐台形状部分に略沿うように、側面パネル折り曲げ用癖付け部に沿って強制的に折り曲げられ、天面パネルと側面パネルとで形成されるケース角部、或いは、底面パネルと側面パネルとで形成されるケース角部において、側面パネル側に箱詰めされている容器の略円錐台形状部分と、その略円錐台形状部分に対向しているケース角部との間に形成される空隙が小さいケースに箱詰めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による容器の箱詰め方法に使用する段ボール紙製ブランクシートAを示し、図2〜図4は、そのブランクシートAを搬送しながら、図7に示すように、容器の一例としての、円筒状胴部1の両端側に絞り加工で胴端側ほど小径の略円錐台形状部分2,3を形成して、ビールなどの飲料を充填してある金属缶(2ピース缶)Cの複数個(本実施形態では24個)を、図5,図6に示すように、各金属缶Cの上下姿勢を揃えた整列状態で箱詰めしてあるケースBを作成する本発明による缶の箱詰め方法に使用する箱詰め装置(ラップラウンドケーサー)Dの概略を示している。
【0010】
前記ブランクシートAは、図1に示すように、底面パネル4と、その前後一対の側面パネル5(5a,5b)と、一方の側面パネル5bに連接した接続フラップ6と、他方の側面パネル5aに連接した天面パネル7との夫々を、シート折り曲げ用癖付け部8を挟んで搬送方向に沿って一連に備え、底面パネル4と天面パネル7の左右両側にシート折り曲げ用癖付け部8を挟んで外フラップ9を延設し、各側面パネル5a,5bの左右両側にシート折り曲げ用癖付け部8を挟んで内フラップ10を延設してある。
【0011】
前記側面パネル5a,5bの夫々は、図6に示すように、金属缶Cの胴部1における各略円錐台形状部分2,3の傾きに略沿う母線の長さL2,L3と、胴部1における略同径部分11の缶軸芯X方向に略沿う長さL11との合計長さと略同じ搬送方向幅Eで設けてあり、且つ、底面パネル4に載置してある複数の金属缶Cの、胴部1における略同径部分11から各略円錐台形状部分2,3に変化する上下二箇所の部位に対応する部位、つまり、側面パネル5a,5bの底面パネル4から長さL2だけ離れた部位と、側面パネル5aの天面パネル7から長さL3だけ離れた部位と、側面パネル5bの接続フラップ6から長さL3だけ離れた部位とに沿って、各側面パネル5a,5bを折り曲げ可能なパネル折り曲げ用癖付け部12を設けてある。
【0012】
また、ブランクシートAを箱状に折り曲げた状態で、底面パネル4が金属缶Cの下端部に略密着し、かつ、天面パネル7が金属缶Cの上端部に略密着し、かつ、側面パネル5a,5bのうちの両側面パネル折り曲げ用癖付け部12で挟まれる側面パネル部分13が金属缶Cの胴部1における略同径部分11に略密着するように、底面パネル4と天面パネル7とを、整列状態における金属缶Cの搬送方向に沿う整列幅Fよりも短い幅で設けてある。
【0013】
前記箱詰め装置Dは、図2〜図4に示すように、ブランクシートAを一連に搬送するブランクシート搬送部14と、ブランクシート搬送部14にブランクシートAを供給するブランクシート供給部15と、ブランクシート搬送部14で搬送中のブランクシートAに金属缶Cの複数個を載置可能な缶載置部16と、搬送中のブランクシートAを箱状に折り曲げて、その形状に保持できるように接着することにより、金属缶Cの複数個を整列状態で箱詰めしてあるケースBを作成可能な折り曲げ接着部17とを設けてある。
【0014】
前記ブランクシート供給部15は、ブランクシートAを吸着具18でホッパ19から一枚ずつ取り出し、一対の側面パネル5a,5bの夫々を底面パネル4に対して癖付け部8に沿って互いに対向するように略直角に折り曲げて、ブランクシート搬送部14に供給できるように設けてある。
【0015】
前記ブランクシート搬送部14は、ブランクシート供給部15から供給されたブランクシートAを、天面パネル7を連接してある側の側面パネル5aを搬送方向下手側に向けて、かつ、各側面パネル5a,5bを上向きにして底面パネル4を略水平方向に沿わせた姿勢で載置して一連に搬送する搬送コンベヤを設けて構成してある。
【0016】
前記缶載置部16は、金属缶Cの所定個数(24個)を、各金属缶Cの上下姿勢を揃えた所定の整列状態でブランクシートAの搬送速度に合わせて移動させながら、搬送コンベヤ14の搬送路側に向けて一括して押し出すことにより、その搬送コンベヤ14で搬送中のブランクシートAの底面パネル4に整列状態で載置可能に設けてある。
【0017】
前記折り曲げ接着部17は、接続フラップ6と天面パネル7とを各側面パネル5a,5bに対して癖付け部8に沿って金属缶Cの上面側に向けて略直角に折り曲げながら、第1射出部20からホットメルト接着剤を接続フラップ6に射出して、接続フラップ6と天面パネル7とを互いに接着する第1折り曲げ接着部21と、内フラップ10の夫々を各側面パネル5a,5bに対して癖付け部8に沿って金属缶Cの側面側に向けて略直角に折り曲げながら、第2射出部22からホットメルト接着剤を内フラップ10に射出して、天面パネル7と底面パネル4に対して癖付け部8に沿って金属缶Cの側面側に向けて略直角に折り曲げた外フラップ9の夫々を内フラップ10に接着する第2折り曲げ接着部23とを備えている。
【0018】
前記第1折り曲げ接着部21は、上向きコの字状に折り曲げてあるブランクシートAの底面パネル4側を搬送方向の前後から挟み込む下側挟持機構24と、金属缶Cを底面パネル4に載置した後のブランクシートAにおける接続フラップ6を押圧して癖付け部8に沿って金属缶C上面に向けて折り曲げる接続フラップ折り曲げ部25と、天面パネル7を押圧して癖付け部8に沿って接続フラップ6の上向き面に向けて折り曲げる天面パネル折り曲げ部26と、折り曲げた接続フラップ6の上向き面にホットメルト接着剤を射出する前述の第1射出部20と、ブランクシートAの天面パネル7側を搬送方向の前後から挟み込む上側挟持機構27と、接続フラップ6と天面パネル7とを互いに接着する接着時に、下側挟持機構24と上側挟持機構27とでブランクシートAを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、底面パネル4と天面パネル7とを金属缶Cに向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部28とを備えている。
【0019】
前記下側挟持機構24は、下側挟持部材29の複数を、搬送コンベヤ14の搬送路の左右両脇に沿って一定間隔で駆動移動自在に設けて、上向きコの字状に折り曲げてある各ブランクシートAの左右両側を一対の下側挟持部材29で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で移動自在に設けてある。
【0020】
前記下側挟持部材29の夫々は、底面パネル4に載置してある金属缶Cに対して、側面パネル5a,5bを挟んで缶軸芯Xと略並行に対向させるパネル押え部30と、底面パネル4に載置してある金属缶Cの下側略円錐台形状部分2に対して、その傾きに沿って略平行で、且つ、側面パネル5a,5bを挟んで対向させる下側傾斜押え部31とを備え、隣り合う下側挟持部材29のパネル押え部30間の間隔がケースBの搬送方向に沿う長さになるように一定間隔で駆動移動自在に設けて、ブランクシート供給部15から供給されたブランクシートAを一対の下側挟持部材29間に押し込みながら、各側面パネル5a,5bを下側傾斜押え部31に押し付けることにより、各側面パネル5a,5bを下側の側面パネル折り曲げ用癖付け部12に沿って折り曲げて、搬送方向の前後に一対の下側挟持部材29で挟まれた下側ケース角部32を形成できるように構成してある。
【0021】
前記上側挟持機構27は、上側挟持部材33の複数を、搬送コンベヤ14の搬送路の左右両脇、つまり、下側挟持機構24における下側挟持部材29の移動経路の上方に沿って一定間隔で駆動移動自在に設けて、下側ケース角部32が下側挟持部材29で挟み込まれているブランクシートAの左右両側を一対の上側挟持部材33で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で移動可能に設けてある。
【0022】
前記上側挟持部材33の夫々は、底面パネル4に載置してある金属缶Cに対して、側面パネル5a,5bを挟んで缶軸芯Xと略並行に対向させるパネル押え部34と、底面パネル4に載置してある金属缶Cの上側略円錐台形状部分3に対して、その傾きに沿って略平行で、且つ、側面パネル5a,5bを挟んで対向させる上側傾斜押え部35とを備え、隣り合う上側挟持部材33のパネル押え部34間の間隔がケースBの搬送方向に沿う長さになるように一定間隔で駆動移動自在に設けて、各側面パネル5a,5bに上側傾斜押え部35を押し付けることにより、各側面パネル5a,5bを上側の側面パネル折り曲げ用癖付け部12に沿って折り曲げて、搬送方向の前後に一対の上側挟持部材32で挟まれた上側ケース角部36を形成できるように構成してある。
【0023】
前記ブランクシートAと箱詰め装置Dとを使用して、金属缶Cの複数個を、各金属缶Cの上下姿勢を揃えた整列状態で箱詰めしてあるケースBを作成する本発明による缶の箱詰め方法を説明する。
【0024】
前記ブランクシート供給部15によって、ホッパ19のブランクシートAの一枚ずつを、底面パネル4を略水平方向に沿わせて、その底面パネル4の前後に一対の側面パネル5a,5bの夫々を癖付け部8に沿って上向きコの字状に折り曲げてある姿勢で、かつ、天面パネル7を連接してある側の側面パネル5aを搬送方向下手側に向けて、下側挟持機構24における一対の下側挟持部材29間に押し込みながら、搬送コンベヤ14に供給して、搬送方向の前後に下側ケース角部32を形成する。
【0025】
前記搬送コンベヤ14に供給されたブランクシートAを、下側ケース角部32を一対の下側挟持部材29で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で搬送しながら、缶載置部16で、そのブランクシートAの底面パネル4に金属缶Cの所定個数を上下姿勢を揃えた所定の整列状態で載置する。
【0026】
前記金属缶Cが整列状態で載置されたブランクシートAの接続フラップ6を接続フラップ折り曲げ部25で折り曲げながら、その接続フラップ6にホットメルト接着剤を射出するとともに、天面パネル7を天面パネル折り曲げ部26で折り曲げて、ブランクシートAを、一対の下側挟持部材29と、一対の上側挟持部材33とで搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、底面パネル4と天面パネル7とを金属缶Cに向けてアーム状の押し付け部28で上下方向から押し付けることにより、各側面パネル5a,5bを、上下の略円錐台形状部分2,3と胴部1における略同径部分11とに略沿うように、上下の側面パネル折り曲げ用癖付け部12に沿って折り曲げて、接続フラップ6と天面パネル7とを互いに接着する。
【0027】
尚、図示しないが、アーム状の押し付け部28に加えて、天面パネル7側に向けて移動付勢された搬送方向で複数の押し付けローラを、搬送方向に直交する方向の軸芯周りで回転自在に支持してある押し付け部28を設けて、ブランクシートAを、一対の下側挟持部材29と、一対の上側挟持部材33とで搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、底面パネル4と天面パネル7とを金属缶Cに向けてアーム状の押し付け部28と押し付けローラとで上下方向から押し付けることにより、各側面パネル5a,5bを、上下の略円錐台形状部分2,3と胴部1における略同径部分11とに略沿うように、上下の側面パネル折り曲げ用癖付け部12に沿って折り曲げて、接続フラップ6と天面パネル7とを互いに接着しても良い。
【0028】
また、第2折り曲げ接着部23において、金属缶Cが整列状態で載置されたブランクシートAの内フラップ10の夫々を金属缶Cの側面側に向けて略直角に折り曲げて、その内フラップ10の外向き面にホットメルト接着剤を射出するとともに、外フラップ9の夫々を金属缶Cの側面側に向けて略直角に折り曲げて、内フラップ10と外フラップ9とを互いに接着する。
【0029】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による容器の箱詰め方法は、円筒状胴部の一端側にのみ略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、整列状態でケースに箱詰めするために使用しても良い。
2.本発明による容器の箱詰め方法は、樹脂製の容器の複数個を整列状態でケースに箱詰めするために使用しても良い。
3.本発明による容器の箱詰め方法は、樹脂製のブランクシートを使用して、容器の複数個を整列状態でケースに箱詰めするために使用しても良い。
4.本発明は、PETなどの樹脂製やガラス製のボトルなどの容器の箱詰め方法又は箱詰め装置であっても良い。
5.本発明は、所定個数の容器を上下姿勢を揃えた所定の整列状態で予め紙パックなどに梱包してある、いわゆるマルチパックの複数個を、上下姿勢を揃えた所定の整列状態でケースに箱詰めする容器の箱詰め方法又は箱詰め装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ブランクシートの平面図
【図2】箱詰め装置の概略側面図
【図3】箱詰め装置の概略側面図
【図4】容器の箱詰め方法を示す概略斜視図
【図5】ケースの斜視図
【図6】ケースの縦断面図
【図7】容器の側面図
【図8】従来技術の説明図
【符号の説明】
【0031】
1 胴部
2 略円錐台形状部分
3 略円錐台形状部分
4 底面パネル
5 側面パネル
6 接続フラップ
7 天面パネル
8 癖付け部
11 略同径部分
12 癖付け部
14 ブランクシート搬送部
16 容器載置部
17 折り曲げ接着部
28 押し付け部
29 挟持部材
31 傾斜押え部
33 挟持部材
35 傾斜押え部
A ブランクシート
B ケース
C 容器
D 箱詰め装置
E 搬送方向幅
L2 母線の長さ
L3 母線の長さ
L11 略同径部分の容器軸芯方向に沿う長さ
X 容器軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面パネルとその前後一対の側面パネルと前記一対の側面パネルのうちの一方側に連接した接続フラップと他方側に連接した天面パネルとの夫々を、折り曲げ用癖付け部を挟んで搬送方向に沿って一連に備えたブランクシートと、
前記底面パネルを略水平方向に沿わせて、その底面パネルの前後に前記一対の側面パネルの夫々を前記癖付け部に沿って上向きに折り曲げてある前記ブランクシートを搬送しながら、容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態で前記底面パネルに載置するとともに、一方の側面パネルに連接してある前記接続フラップと、他方の側面パネルに連接してある前記天面パネルとを前記癖付け部に沿って前記容器の上面側に向けて折り曲げて、前記ブランクシートを一対の挟持部材で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着することにより、前記容器の複数個を箱詰めしてあるケースを作成する箱詰め装置とを使用して、
円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、前記整列状態で前記ケースに箱詰めする容器の箱詰め方法であって、
前記胴部における前記略円錐台形状部分の母線の長さと、前記胴部における略同径部分の容器軸芯方向に沿う長さとの合計長さと略同じ搬送方向幅で前記一対の側面パネルの夫々を備え、且つ、前記底面パネルに載置してある複数の容器の、前記胴部における前記略同径部分から前記略円錐台形状部分に変化する部位に沿って、各側面パネルを折り曲げ可能な側面パネル折り曲げ用癖付け部を設けてあるブランクシートと、
前記一対の挟持部材が前記底面パネルに載置してある容器の前記略円錐台形状部分に対して、前記側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部を備え、且つ、前記底面パネルと前記天面パネルとを前記容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてある箱詰め装置とを使用して、
前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着する接着時に、前記一対の挟持部材で前記ブランクシートを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記底面パネルと前記天面パネルとを前記容器に向けて上下方向から押し付けて、前記容器の複数個を前記整列状態で前記ケースに箱詰めする容器の箱詰め方法。
【請求項2】
円筒状胴部の少なくとも一端側に胴端側ほど小径の略円錐台形状部分を形成してある容器の複数個を、各容器の上下姿勢を揃えた整列状態でケースに箱詰めする請求項1記載の容器の箱詰め方法に使用するために、
前記底面パネルを略水平方向に沿わせて、その底面パネルの前後に前記一対の側面パネルの夫々を前記癖付け部に沿って上向きに折り曲げてある前記ブランクシートを搬送可能なブランクシート搬送部と、
前記ブランクシート搬送部で搬送中のブランクシートにおける前記底面パネルに前記容器の複数個を前記整列状態で載置可能な容器載置部と、
前記ブランクシート搬送部で搬送中のブランクシートにおける前記接続フラップと前記天面パネルとを前記癖付け部に沿って前記容器の上面側に向けて折り曲げて、ブランクシートを一対の挟持部材で搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着することにより、前記容器の複数個を前記整列状態で箱詰めしてあるケースを作成可能な折り曲げ接着部とを設けてある箱詰め装置であって、
前記一対の挟持部材が前記底面パネルに載置してある容器の前記略円錐台形状部分に対して、前記側面パネルを挟んで対向可能な傾斜押え部を備え、且つ、前記接続フラップと前記天面パネルとを互いに接着する接着時に、前記一対の挟持部材で前記ブランクシートを搬送方向の前後から挟み込んだ状態で、前記底面パネルと前記天面パネルとを前記容器に向けて上下方向から押し付け可能な押し付け部を設けてある箱詰め装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−331810(P2007−331810A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167391(P2006−167391)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】