説明

容器カバー体,この容器カバー体を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品、ガス抜きモード保持機構,このガス抜きモード保持機構を備えたエアゾール式製品

【課題】内容物噴射口をスライド式の操作部材で覆って保護するエアゾール式製品やポンプ式製品の容器カバー体において、この単一の操作部材の選択的な操作で作動モードから静止モードまたはガス抜きモードへの移行の確実化,効率化を図る。
【解決手段】スライド式の操作部材7のガイド部を、静止モードまたはガス抜きモードを設定する固定式の前ガイド部5f’と、左側の前側自由端が下方に撓む片持ち梁状の後ガイド部5f''とで構成した。操作部材は、後方位置の作動モードから板バネ8の付勢力で前ガイド部の上面に沿いながら前方にスライドして静止モードに自動復帰する。作動モードの操作部材7を、その上面前端を押下して後ガイド部の前側部分を下方に撓ませながら前方に復帰させると、操作部材は、その前部分が内容物噴射部6を噴射位置に変位させた状態で前ガイド部の下側に入り込み、ガス抜きモードに保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール式製品やポンプ式製品の容器カバー体に関し、特に容器に取り付けられた状態でステムと連通する内容物放出通路を備えた筒状のアクチュエータ部材および、当該アクチュエータ部材の上側開口部を覆う形の前方に弾性部材で付勢されて、内容物放出操作にともない、当該弾性部材の付勢力に抗する形で後方へスライドすることにより当該内容物放出通路の放出口を露出させる操作部材、からなる容器カバー体に関する。
【0002】
すなわち、静止モードのときはスライド式の操作部材が弾性力で前方に付勢されて内容物放出口などを覆い、操作部材を弾性力に抗して後方にスライドさせることにより内容物放出口などが露出する作動モードを設定し、スライド操作の解除にともない操作部材が弾性作用で静止モード位置へといわば自動復帰するものである。
【0003】
また、エアゾール式製品の内容物放出用の噴射部材が、筒状の容器カバー本体の上側開口部に設けられたガイド作用部に沿って移動するスライド式操作部材の選択的操作により、ガス抜きモードの状態に設定されるガス抜きモード保持機構に関する。
【0004】
本明細書では、内容物噴射口の側を「前」、それとは反対の例えば後述の矢印形成側を「後」とそれぞれ記す。すなわち、図1,図3,図5,図9および図10の左側が「前」で、右側が「後」となる。
【背景技術】
【0005】
従来、静止モードのときは操作部材で内容物放出口などを覆い、作動モード設定操作にともなう操作部材の移動により内容物噴射口などが露出して、ステムが作動モード位置へと下動する形の容器カバー体が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
この容器カバー体は、操作部材後側の操作部の押下げ操作により、前側の内容物放出口などの覆い部分が上方へと回動して内容物放出口を露出させ、かつ、押下げられた操作部材後側部分で(内容物放出口を備えた)内容物通路部材の後側板状部を押圧してこれと一体のステムが作動モード位置へと下動する態様になっている。
【0007】
そして、利用者の押下げ操作が解除されると、ステムは周知の(ステム付勢用の)コイルスプリングの作用により上動して静止モード位置へと復帰する。
【0008】
このときステムと一体の内容物通路部材も上動して静止モード位置へと復帰する。一方、操作部材は、内容物通路部材の上動にともないその板状部と当接する後側部分が持ち上げられて静止モード位置の方へと回動する。なお、操作部材を積極的に静止モード位置へと復帰させるための弾性部材などは設けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−156251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の容器用カバー体は静止モードの内容物放出口を操作部材で覆って保護するという利点を備えたものである。
【0011】
ただ、内容物放出口を保護する操作部材は押下げ操作に基づく回動タイプのものであり、押下げ操作解除後に当該操作部材を静止モード位置へと確実にいわば自動復帰させるための弾性部材を備えていない。
【0012】
そのため、従来の上記容器用カバー体は、利用者の日常動作で生じやすい不意,不注意の下方向への手などの動きや、上方からの物の落下などで操作部材が不用意に押下げられて作動モードに移行してしまうことがありえ、また、本来の作動モード設定用の押下げ操作解除後に操作部材が本来の静止モード位置まで復帰しないことがありえるなどの点で、改善の余地を残していた。
【0013】
そこで本発明では、容器用カバー体の構成要素であり、静止モードの内容物放出口を操作部材で覆って保護するための操作部材をスライド式とし、かつ、このスライド操作の解除にともない操作部材が自らへの直接的な弾性作用で静止モード位置へと確実に自動復帰する形にし、これにより操作部材の誤動作を極力減らすとともに、静止モードにおける内容物放出口などの保護作用の確実化を図ることを目的とする。
【0014】
また、静止モードにおけるスライド式の操作部材と、これを受けて案内保持しかつ容器に取り付けられる筒状のカバー本体部の上側部分と、からなる容器カバー体外面の全体形状を単一のドーム状外観の態様で設定し、これにより容器カバー体の高品質,使いやすさのイメージ化を図ることを目的とする。
【0015】
また、操作部材の静止モード位置への復帰用弾性部材も含めた容器カバー体を、スライド操作部材側の第1の一体成形部材と、容器に取り付けられるカバー本体部およびステムと連通する内容物放出部からなるアクチュエータ部材側の第2の一体成形部材とで構成し、これにより容器カバー体の部品点数低減化およびコストダウン化を図ることを目的とする。
【0016】
また、内容物放出口が外部からはみえない静止モードの容器カバー体に対する作動モード設定用のスライド操作方向を示し、これにより作動モード設定操作の利便化を図ることを目的とする。
【0017】
さらには、スライド式の操作部材のガイド作用部を、容器カバー本体に固定態様の前ガイド部と、それから後方向に離間した位置に自由端を持ち容器カバー本体に変位可能な後ガイド部とで構成している。
【0018】
すなわち、後方にスライドさせた作動モード位置の操作部材を内方に変位させずにそのまま前方へスライド復帰させると当該操作部材は前ガイド部の上面に案内されて静止モードに移行し、また、後方にスライドさせ操作部材を積極的に内方に変位させてから前方へスライド復帰させると当該操作部材は前ガイド部の下に入り込んでガス抜きモードに移行するようにし、これにより単一操作部材の選択的なスライド復帰操作で静止モードまたはガス抜きモードへの移行の確実化,効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、以上の課題を次の容器カバー体を用いることにより解決する。
〔1〕容器(例えば後述の容器本体1)に取り付けられた状態でステム(例えば後述のステム3)と連通する内容物放出通路(例えば後述の噴射用通路6b)を備えた筒状のアクチュエータ部材(例えば後述のアクチュエータ部材4,4’)および、当該アクチュエータ部材の上側開口部(例えば後述の上側開口域5e)を覆う形の前方に弾性部材(例えば後述の板バネ8)で付勢されて、内容物放出操作にともない、当該弾性部材の付勢力に抗する形で後方へスライドすることにより当該内容物放出通路の放出口(例えば後述の孔部6c)を露出させる操作部材(例えば後述の操作部材7)、からなる容器カバー体であって、
前記アクチュエータ部材は、
前記上側開口部および、前記操作部材の前記後方へのスライド動作を案内するガイド部分(例えば後述の案内段部5m)が形成されて、前記容器に係合する筒状カバー本体部(例えば後述のカバー本体部5,5')と、
当該カバー本体部に回動可能な形で一体化され、前記内容物放出通路および、当該スライド動作に応じる形で作動モードへと駆動される被駆動部分(例えば後述の斜面部6d)が形成された内容物放出部(例えば後述の内容物噴射部6)と、
を有しており、
前記操作部材は、
前記上側開口部に対してスライド可能なシャッター部(例えば後述のシャッター部7a)と、
当該シャッター部の一部であって前記内容物放出操作に用いられるスライド操作面(例えば後述のスライド操作面7b)と、
前記ガイド部分に案内される被ガイド部(例えば後述の被案内段部7e)と、
前記後方へのスライド動作により前記被駆動部分を駆動して、前記アクチュエータ部材に接続された前記ステムを作動モードの位置に移動させる作動モード設定作動部(例えば後述の曲面部分7j)と、
を有している。
(2)上記(1)において、
前記内容物放出部のガイド部分は、
円弧状のガイド部分である。
(3)上記(1),(2)において、
前記操作部材のシャッター部は、
前記アクチュエータ部材の上側開口部を覆った静止モードにおいて前記カバー本体部の上側部分とともに単一のドーム状外観を呈する、外面形状からなる。
(4)上記(1),(2),(3)において、
前記アクチュエータ部材は、
前記カバー本体部および前記内容物噴射部の一体成形部材であり、
前記操作部材は、
前記弾性部材との一体成形部材である。
(5)上記(1),(2),(3)において、
前記弾性部材は、
前記操作部材および前記アクチュエータ部材の一方と一体成形された片持ちタイプのものからなり、その自由端側が当該操作部材および当該アクチュエータ部材の他方に係止される態様の板バネ(例えば後述の板バネ8)である。
(6)上記(1),(2),(3),(4),(5)において、
前記アクチュエータ部材は、
前記シャッター部が前記上側開口部を覆ったときの前記カバー本体部の外面露出部分に、スライド操作方向の表示部分(例えば後述の矢印5n)を有している。
(7)エアゾール式製品の内容物放出用の噴射部材(例えば後述の内容物噴射部6)が、筒状のカバー本体(例えば後述のカバー本体部5')の上側開口部(例えば後述の上側開口域5e)に設けられたガイド作用部に沿って移動するスライド式操作部材(例えば後述の操作部材7)の選択的操作により、ガス抜きモードの状態に設定されるガス抜きモード保持機構であって、
前記ガイド作用部は、
前記上側開口部に沿った前側カバー本体部分に固定態様で形成されて、静止モード設定用のガイド作用上面を有する前後方向の前ガイド部(例えば後述の前ガイド部5f')と、
当該上側開口部の後側部分に変位可能な態様で形成されて、当該前ガイド部から前記スライド式操作部材のスライド方向に離間した位置に自由端部を有する前後方向の後ガイド部(例えば後述の後ガイド部5f'')とからなり、
前記スライド式操作部材は、
前記後ガイド部を内方に変位させた形で前方にスライド操作されることにより、そのスライド方向側の一部分が前記前ガイド部の下側に入り込み、かつ、前記噴射部材をガス抜きモード位置に駆動してその状態に保持される。
(8)上記(7)において、
前記スライド式操作部材は、
前記後ガイド部に案内される被案内垂下部(例えば後述の被案内垂下部)を有し、
前記後ガイド部は、
前記被案内垂下部を案内する貫通域(例えば後述の円弧状開口部5g')が前記カバー体との間に設定される片持ち梁状部からなっている。
(9)上記(7),(8)において、
前記スライド式操作部材は、
前記噴射部材の一部に当接して前方に付勢される弾性片部(例えば後述の板バネ8)を有している。
(10)上記(7),(8),(9)において、
前記噴射部材は、
前記スライド式操作部材の後方へのスライド操作により作動モードへと駆動される被駆動部分(例えば後述の斜面部6d)を備え、
前記スライド式操作部材は、
前記後方へのスライド操作により前記被駆動部分を駆動して前記噴射部材に接続されたステム(例えば後述のステム3)を作動モード位置に移動させる作動モード設定作動部(例えば後述の曲面部分7j)を有している。
【0020】
以上の構成からなる容器カバー体ならびに、当該容器カバー体を備えて後述のガス,内容物などを収容したエアゾール式製品および当該容器カバー体を備えて後述の内容物などを収容したポンプ式製品を本発明の対象としている。
【0021】
さらには、以上の構成からなるガス抜きモード保持機構および当該ガス抜きモード保持機構を備えて後述のガス,内容物などを収容したエアゾール式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以上の課題解決手段をとることにより、
(11)操作部材の誤動作を極力減らすとともに、静止モードにおける内容物放出口などの保護作用の確実化を図ることができ、
(12)容器カバー体の高品質,使いやすさのイメージ化を図ることができ、
(13)容器カバー体の部品点数低減化,コストダウン化を図ることができ、
(14)作動モード設定操作の利便化を図ることができる。
(15)単一操作部材の選択的なスライド復帰操作で静止モードまたはガス抜きモードへの移行の確実化,効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】アクチュエータ部材およびスライド式操作部材の二部品からなる容器カバー体の静止モード(アクチュエータ部材の上側開口域がスライド操作部材で閉じられている状態)を示す説明図である。
【図2】容器カバー体を構成するアクチュエータ部材およびスライド式操作部材の斜視状態を示す説明図である。
【図3】図1の操作部材を後方にスライドさせて内容物噴射口を露出させた状態(作動モード)を示す説明図である。
【図4】図1の静止モードにおける後側斜視状態、すなわち操作部材のスライド操作方向の矢印を示す説明図である。
【図5】スライド式操作部材のガイド作用部を固定態様の前ガイド部と変位態様の後ガイド部とからなるガス抜き対応の形態にしたエアゾール式製品の、ガス抜きモードを示す説明図である。
【図6】図5のアクチュエータ部材およびスライド式操作部材の斜視状態を示す説明図である。
【図7】図5のガイド作用部などの平面状態を示す説明図である。
【図8】図5のエアゾール式製品の静止モードにおける後側斜視状態、すなわち操作部材のスライド操作方向の矢印および容器カバー体取外し用のコイン差込口を示す説明図である。
【図9】図5のエアゾール式製品の静止モードを示す説明図である。
【図10】図5のエアゾール式製品の作動モードを示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1乃至図10を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0025】
上述したように図1〜図4にかかる容器カバー体はエアゾール式製品およびポンプ式製品を対象としているが、以下の説明では、単なる説明の便宜上エアゾール式製品の場合を前提とする。
【0026】
なお、図5〜図10のガス抜きモード保持機構に関しては勿論エアゾール式製品のみがその対象となる。
【0027】
以下で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば円筒部5a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えばカバー本体部5,5')の一部であることを示している。
【0028】
図1乃至図10において、
1は後述の内容物および噴射用ガスを収納したエアゾール式製品の容器本体,
2は容器本体1の開口端部側に取り付けられたマウンティングキャップ,
2aは当該マウンティングキャップの外端部下方に形成されて後述の突状部5bが強く係合する環凹状部,
3は周知のバルブ機構(図示省略)の構成要素であってコイルスプリング(図示省略)などの弾性力により上方向に付勢されるステム,
をそれぞれ示している。
【0029】
また、容器本体1に取り付けられる一体成形のアクチュエータ部材(カバー本体部+内容物噴射部)に関して、
4,4'は全体が一体成形され、後述のカバー本体部5,5’および内容物噴射部6からなるアクチュエータ部材(4は図1〜図4で使用,4'は図5〜図10で使用),
5,5'は容器本体1に直接取り付けられる筒状のカバー本体部(5は図1〜図4で使用,5'は図5〜図10で使用),
5aは下側の円筒部,
5bは当該円筒部の下端内周面の周方向に複数形成されてマウンティングキャップ側の環凹状部2aに係合される突状部,
5cは当該円筒部の仮想的な後上端部分から上方に続けて下降面(窪み面)状態で形成されて、左右方向の略同一幅からなる後球面部分(球面の一部),
5dは当該円筒部の仮想的な左右上端部分から上方に連続して形成された一対の左右球面部分(球面の一部),
5eは後球面部分5cおよび左右球面部分5dなどにより画定されて、当該後球面部分と同様の略同一幅からなる上側開口域,
(以下の5f〜5kは図1〜図4で使用)
5fは当該上側開口域の左右両端のそれぞれに、自らの前側部分および後側部分が左右球面部分5dと隣接する態様で形成されて、後述の操作部材7のスライド動作のガイド作用を呈する一対の円弧状ガイド部(球面の一部),
5gは左右球面部分5dおよび円弧状ガイド部5fの間に設定されて、後述の被案内垂下部7dが取り付けられる一対の円弧状開口部,
5hは円弧状ガイド部5fそれぞれの、円弧状開口部5gの内端側に隣接する幅広部分の前後方向略中央に形成されて、後述の板バネ8の自由端部分8aなどを当接保持する機能を備えた垂下板状部,
5jは当該垂下板状部の左右方向板部分,
5kは当該垂下板状部の、円弧状開口部5gに隣接する形の前後方向板部分,
(以下の5f',5f''〜5k'は図5〜図10で使用)
5f'は上側開口域5eの左右両端前部分のそれぞれに左右球面部分5dと隣接する態様で形成されて、後述の操作部材7のスライド動作のガイド作用を呈する一対の円弧状の前ガイド部(球面の一部),
5f''は上側開口域5eの左右後端部分のそれぞれに後球面部分5cから前方向へ円弧状に伸びる態様で形成されて、後述の操作部材7のスライド動作のガイド作用を呈し、かつ、前ガイド部5f'から離間した位置の自由端側が内方(図示下方)に撓むことができる一対の片持ち梁状の後ガイド部(前ガイド部5f'と同一球面の一部),
5g'は左右球面部分5dおよび後ガイド部5f''の間に設定されて、後述の被案内垂下部7dが取り付けられる一対の円弧状開口部,
5h'は後ガイド部5f''それぞれの下面側に形成されて、後述の板バネ8の自由端部分8aなどを当接保持する機能を備えた垂下板状部,
5j'は当該垂下板状部の左右方向板部分,
5k'は当該垂下板状部の、円弧状開口部5g'に隣接する形の前後方向板部分,
5mは左右球面部分5dそれぞれの内周面上端側の、円弧状開口部5g,5g'の直外側に形成されて、後述の被案内垂下部7dのガイド作用を呈する円弧状の案内段部,
5nは静止モードにおける後球面部分5cの露出部分に形成されて、後述の操作部材7のスライド操作方向を示す矢印(図4,図8参照),
5pは円筒部5aに水平状態で形成された容器カバー体取外し用のコイン差込口(図8参照),
6はカバー本体部5,5’の前側内周面の略上下方向中間部分に接続された回動タイプの内容物噴射部,
6aは当該内容物噴射部のいわば回動中心軸として作用する変形可能な接続片部,
6bはステム3と連通してL字状の長手方向断面からなる噴射用通路,
6cは当該噴射用通路の前端側の孔部(内容物噴射口),
6dは当該噴射用通路のL字状屈曲部から後斜め上方に延びた部分であって、作動モード設定のスライド操作時に後述の操作部材7(曲面部分7j)からの押圧作用を受けることにより下方へと変位する斜面部,
をそれぞれ示している。
【0030】
また、回動タイプの内容物噴射部6に対するスライド式の操作部材(板バネも含めた一体成形品)に関して、
7は容器本体1の内容物が孔部6cから外部空間域に噴射される作動モードを設定するスライド式の操作部材,
7aは後球面部分5bと同様の略同一幅で前後方向に延びる上球面部分(球面の一部)からなり、静止モード(図1,図9参照)において上側開口域5eの全体を覆うシャッター部,
7bは当該シャッター部の上面後方に、前後方向断面が鋸歯状となる態様で形成されたスライド操作面,
7cは当該シャッター部の上面前方に形成されて、アクチュエータ部材4の前側(内容物噴射用の孔部6cの側)を利用者に示唆するためのえくぼ状の円形窪み部,
7dは当該操作部材の左右端部それぞれの略前後方向中央部分に形成されて、スライド操作時に円弧状の案内段部5mにガイドされる一対の被案内垂下部,
7eは当該被案内垂下部の構成要素であって、スライド操作時に案内段部5mに沿って移動する円弧状の被案内段部,
7fは当該被案内垂下部の構成要素であって、円弧状開口部5g,5g’への挿入取付けの際に左右球面部分5dの上端部分に当接して内側に少し変形し、これにより当該取付け作業の簡単化を図るための斜面部,
7gは一対の被案内垂下部7d同士の左右中央(幅方向中央)の操作部材天井部分に形成されて、スライド操作にともなう後下方への移動により斜面部6dを押圧し、これによりステム3を下方に移動させて図3,図10の作動モードを設定する押圧作用部,
7hは当該押圧作用部の構成要素であって、それぞれ操作部材天井部分から下方に延びる一対の三角形状垂下部,
7jは当該一対の三角形状垂下部に対する後連結部分の自由端側の左右方向に形成された押圧作動用の曲面部分,
8はそれぞれ左右両端の被案内垂下部7dと左右中央の押圧作用部7gとの間に形成されて、操作部材7を図1,図9の静止モードに位置に、すなわち前方向に付勢する片持ちタイプでC字状の一対の板バネ,
8aはアクチュエータ部材4,4’に操作部材7が組み込まれた状態で、円弧状ガイド部5f,後ガイド部5f''の垂下板状部5h,5h’に当接保持される当該板バネの自由端部分,
をそれぞれ示している。
【0031】
ここで、ステム3,アクチュエータ部材4,4’(カバー本体部5,5'+内容物噴射部6),操作部材7および板バネ8などは例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。容器本体1やマウンティングキャップ2は例えば金属製のものである。
【0032】
なお上述したように、
・アクチュエータ部材4(カバー本体部5+内容物噴射部6)、または、アクチュエータ部材4’(カバー本体部5'+内容物噴射部6)
・操作部材7および板バネ8
の二つはそれぞれ一体成形されたものである。
【0033】
図1〜図10の容器カバー体は、これら二つの一体成形部材を組み合わせたものであり、その基本的特徴は、
(21)作動モード設定用の操作部材として、スライド式で、図1,図9の静止モードのときはカバー本体部5,5’の上側開口域5eの全体を覆って内容物噴射部6が外部に露出しないように板バネ8で前方向に付勢される、操作部材7を用いていること、
(22)静止モードの操作部材7に対する後方へのスライド操作により、板バネ8の弾性力に抗しながら、当該操作部材の円弧状の被案内段部7eがカバー本体部5,5’の円弧状の案内段部5mにガイドされて後下方へとスライドすること、
(23)このスライド操作の後半において、内容物噴射部6の斜面部6dが操作部材7(押圧作用部7g)の曲面部分7jで押圧され、当該内容物噴射部と一体のステム3が作動モード位置へ下動すること、
(24)作動モードへのスライド操作が解除されると、操作部材7は、板バネ8の前方向への弾性付勢力により図3,図10の作動モード位置から図1,図9の静止モード位置へ自動復帰すること、
(25)操作部材7の外面形状が、図1,図9の静止モードにおいて、カバー本体部5,5’の円筒部5aより上側の球面部分(後球面部分5c,左右球面部分5dなど)とともに単一のドーム状外観を呈する、すなわち当該操作部材および当該上側球面部分の全体が単一球面の一部を呈する形状であること、
などである。
【0034】
なお、図5〜図10の容器カバー体は図1〜図4の容器カバー体に比べて、
・円弧状ガイド部5fおよび垂下板状部5hの代わりに、円弧状の前ガイド部5f’,片持ち梁状の後ガイド部5f''および垂下板状部5h’を設けたこと、
・新たに容器カバー体取外し用のコイン差込口5pを設けたこと、
のみが相違する。
【0035】
図5〜図10の容器カバー体におけるガス抜きモード保持機構の特徴は、
(31)利用者が、操作部材7を後方にスライド操作してから、すなわち操作部材7を作動モード位置(図10参照)までスライドさせてから、当該操作部材の上面前端側部分を押下げることにより片持ち梁状の後ガイド部5f''の自由端側(前端側)が内方に撓み、
(32)この撓み状態の後ガイド部5f''に沿って操作部材7を前方にスライド復帰させると、当該操作部材の前部分が前ガイド部5f'の下側に入り込み、
(33)操作部材7は、板バネ8の弾性作用で図9の静止モードのときと同じように、この前ガイド部5f'の下側に入り込んだ状態に確実に保持され(図5参照)、
(34)この保持状態において、内容物噴射部6が操作部材7の前端側部分で押圧されて図10の作動モードと同じように接続片部6aを中心にして図示時計方向に回動し、これによりステム3が下方に移動して周知のバルブ作用部が開く、すなわちガス抜きモードに移行し、
(35)容器本体1の残留ガスなどが、図5の矢印で示すように「ステム3−噴射用通路6b−孔部6c−内容物噴射部6や操作部材7の回りの隙間部分」を経て、外部空間域に噴射される、
ことである。
【0036】
このとき、容器本体1の残留ガスなどは内容物噴射部6の孔部6cから特定方向のみに噴射されるのではなく、内容物噴射部6や操作部材7の開口している部分から多くの方向に噴射されるので、本発明のガス抜きモード保持機構は効率性,安全性の面からみて望ましい。
【0037】
なお、操作部材7を作動モード位置(図10参照)までスライドさせなくてもよい。操作ボタン7の上面前端側部分を押下げることができる位置であればよい。
【0038】
また、操作部材7の上面前端側部分を押下げることによりその後側が持ち上がり、この持ち上がった状態で当該操作部材は前方向へスライドして図5の状態に移行する。
【0039】
図1,図4,図8,図9の静止モードにおいて、操作部材7と一体成形された板バネ8の自由端部分8aがカバー本体部5,5'の垂下板状部5h,5h'(左右方向板部分5j,5j')に当接し、当該板バネ全体としては自らの弾性力に抗しながら初期状態よりも内側にいわば湾曲した状態になっている。
【0040】
このとき、操作部材7は板バネ8の弾性作用により前方向へと付勢され、その最前位置まで移動している。なお、図1,図4の操作部材7は一対の円弧状ガイド部5fの上面に案内され、図8,図9の操作部材7は一対の前ガイド部5f'の上面および一対の後ガイド部5f''の上面に案内されている。
【0041】
この最前位置の操作部材7はカバー本体部5,5’の上側開口域5eの全体を覆っている。そのため内容物噴射部6は外部から見えない。
【0042】
また、静止モードでは図4,図8に示すように、後球面部分5cの大半の下側部分が露出し、そこにはスライド操作方向を示す矢印5nが形成されている。
【0043】
利用者が、静止モードの容器カバー体を図3,図10の作動モードに設定するには、操作部材7をこの矢印5nで示唆される後方向にスライドさせればよい。
【0044】
この後方向へのスライド操作にともない、
(41)操作部材7の一対の被案内段部7eがそれぞれカバー本体部5,5'の一対の案内段部5mにガイドされ、
(42)板バネ8は、その自由端部分8aがカバー本体部5,5'の左右方向板部分5j,5j'に当接して上方向へと変位しながら、静止モードよりもさらに湾曲し、
(43)最終的には、内容物噴射部6の斜面部6dが操作部材7(押圧作用部7g)の曲面部分7jで押圧され、
(44)操作部材7の斜面部6dへの押圧作用に基づいて、内容物噴射部6およびこれと一体のステム3が、周知のステム復帰用コイルスプリング(図示省略)の弾性力に抗しながら、後方へ傾斜しつつ下方向へと移動する。
【0045】
このステム3の下方向への移動により周知のバルブ作用部(図示省略)が開状態となって、容器本体1の内容物が「ステム3−内容物噴射部6の噴射用通路6b」を経て孔部6cから外部空間域に噴射される。
【0046】
そして、利用者が図4,図10の作動モード位置へのスライド操作を解除すると、操作部材7は、その被案内段部7eがカバー本体部5,5'の案内段部5mにガイドされながら板バネ8の弾性作用により前方向へ移動して、図1,図9の静止モード位置へと自動復帰する。
【0047】
また、内容物噴射部6およびこれと一体のステム3は、周知のステム復帰用コイルスプリング(図示省略)の弾性作用により初期位置、すなわち図1,図9の静止モード位置へと操作部材同様に自動復帰する。
【0048】
なお、一対の板バネ8の自由端部分8aの左右方向への移動は、それぞれの外側となる一対の前後方向板部分5k,5k'(カバー本体部5,5'の垂下板状部5h,5h'の一部)や、それぞれの内側となるいわば共通の内容物噴射部6の左右端部分により、規制される。
【0049】
図示の操作部材7および板バネ8の一体成形部材をカバー本体部5,5'および内容物噴射部6の一体成形部材に組み込むには、図2および図6の矢印線で示すように、
(51)板バネ8の自由端部分8aをそれぞれ、一対の円弧状ガイド部5fの間に形成される開口部の前側幅広部分(図2)や、前ガイド部5f'と後ガイド部5f''との間の幅広部分(図6)などから入れた上で垂下板状部5h,5h'の左右方向板部分5j,5j'の方にシフトさせ、
(52)このシフト状態の操作部材7をカバー本体部5,5'の方にいわば押し込み、当該操作部材の被案内垂下部7dのそれぞれが当該カバー本体部の円弧状開口部5g,5g'を通過して、当該被案内垂下部の被案内段部7eと当該カバー本体部の案内段部5mとが係合する形に設定すればよい。
【0050】
本発明が、図示の容器カバー体,ガス抜きモード保持機構に限定されないことは勿論であって例えば、
(61)板バネ8に代えてスプリングなどの各種弾性部材を用いる、
(62)内容物噴射用の孔部を上向きとして略直線状にスライドする操作部材を用いる、
(63)板バネ8を内容物噴射部6と一体成形してその自由端部分8aを操作部材7の側(天井面など)で受ける、
(64)板バネ8を操作部材7などと一体成形するのではなく、操作部材7などとは別部材として作成する、
(65)ステムを横方向に傾けることでバルブが開状態となるチルト式バルブを用いる、
(66)作動モード設定操作の際にステム3が傾斜せずに略下方向へのみ移動するプッシュダウンバルブを用いる、
(66)内容物噴射部6としてカバー本体部5,5'とは別体で上下動タイプの内容物噴射部材を用いる、
ようにしてもよい。
【0051】
本発明が適用されるエアゾール式製品,ポンプ式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0052】
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0053】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0054】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0055】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0056】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0057】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0058】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0059】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0060】
エアゾール式製品における内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【0061】
1:エアゾール式製品の容器本体
2:マウンティングキャップ
2a:環凹状部
3:ステム
4,4':アクチュエータ部材(=カバー本体部5,5'+内容物噴射部6)
5,5':カバー本体部
5a:下側の円筒部
5b:突状部
5c:後球面部分(球面の一部)
5d:一対の左右球面部分(球面の一部)
5e:上側開口域
(以下の5f〜5kは図1〜図4で使用)
5f:一対の円弧状ガイド部(球面の一部)
5g:一対の円弧状開口部
5h:垂下板状部(=左右方向板部分5j+前後方向板部分5k)
5j:左右方向板部分
5k:前後方向板部分
(以下の5f',5f''〜5k'は図5〜図10で使用)
5f':一対の円弧状の前ガイド部(球面の一部)
5f'':一対の片持ち梁状の後ガイド部(前ガイド部5f'と同一球面の一部)
5g':一対の円弧状開口部
5h':垂下板状部(=左右方向板部分5j'+前後方向板部分5k')
5j':左右方向板部分
5k':前後方向板部分
5m:円弧状の案内段部
5n:スライド操作方向を示す矢印(図4,図8参照)
5p:容器カバー体取外し用のコイン差込口(図8参照)
6:内容物噴射部
6a:接続片部
6b:噴射用通路
6c:孔部(内容物噴射口)
6d:斜面部
7:スライド式の操作部材
7a:シャッター部
7b:スライド操作面
7c:円形窪み部
7d:一対の被案内垂下部(=被案内段部7e+斜面部7f)
7e:円弧状の被案内段部
7f:斜面部
7g:押圧作用部(=三角形状垂下部7h+曲面部分7j)
7h:一対の三角形状垂下部
7j:押圧作動用の曲面部分
8:一対の板バネ
8a:自由端部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付けられた状態でステムと連通する内容物放出通路を備えた筒状のアクチュエータ部材および、当該アクチュエータ部材の上側開口部を覆う形の前方に弾性部材で付勢されて、内容物放出操作にともない、当該弾性部材の付勢力に抗する形で後方へスライドすることにより当該内容物放出通路の放出口を露出させる操作部材、からなる容器カバー体であって、
前記アクチュエータ部材は、
前記上側開口部および、前記操作部材の前記後方へのスライド動作を案内するガイド部分が形成されて、前記容器に係合する筒状のカバー本体部と、
当該カバー本体部に回動可能な形で一体化され、前記内容物放出通路および、当該スライド動作に応じる形で作動モードへと駆動される被駆動部分が形成された内容物放出部と、
を有しており、
前記操作部材は、
前記上側開口部に対してスライド可能なシャッター部と、
当該シャッター部の一部であって前記内容物放出操作に用いられるスライド操作面と、
前記ガイド部分に案内される被ガイド部と、
前記後方へのスライド動作により前記被駆動部分を駆動して、前記アクチュエータ部材に接続された前記ステムを作動モードの位置に移動させる作動モード設定作動部と、
を有している、
ことを特徴とする容器カバー体。
【請求項2】
前記内容物放出部のガイド部分は、
円弧状のガイド部分である、
ことを特徴とする請求項1記載の容器カバー体。
【請求項3】
前記操作部材のシャッター部は、
前記アクチュエータ部材の上側開口部を覆った静止モードにおいて前記カバー本体部の上側部分とともに単一のドーム状外観を呈する、外面形状からなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器カバー体。
【請求項4】
前記アクチュエータ部材は、
前記カバー本体部および前記内容物噴射部の一体成形部材であり、
前記操作部材は、
前記弾性部材との一体成形部材である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器カバー体。
【請求項5】
前記弾性部材は、
前記操作部材および前記アクチュエータ部材の一方と一体成形された片持ちタイプのものからなり、その自由端側が当該操作部材および当該アクチュエータ部材の他方に係止される態様の板バネである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器カバー体。
【請求項6】
前記アクチュエータ部材は、
前記シャッター部が前記上側開口部を覆ったときの前記カバー本体部の外面露出部分に、スライド操作方向の表示部分を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の容器カバー体。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の容器カバー体を備え、かつ、噴射用ガスおよび内容物を収納した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の容器カバー体を備え、かつ、内容物を収納した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項9】
エアゾール式製品の内容物放出用の噴射部材が、筒状のカバー本体の上側開口部に設けられたガイド作用部に沿って移動するスライド式操作部材の選択的操作により、ガス抜きモードの状態に設定されるガス抜きモード保持機構であって、
前記ガイド作用部は、
前記上側開口部に沿った前側カバー本体部分に固定態様で形成されて、静止モード設定用のガイド作用上面を有する前後方向の前ガイド部と、
当該上側開口部の後側部分に変位可能な態様で形成されて、当該前ガイド部から前記スライド式操作部材のスライド方向に離間した位置に自由端部を有する前後方向の後ガイド部とからなり、
前記スライド式操作部材は、
前記後ガイド部を内方に変位させた形で前方にスライド操作されることにより、そのスライド方向側の一部分が前記前ガイド部の下側に入り込み、かつ、前記噴射部材をガス抜きモード位置に駆動してその状態に保持される、
ことを特徴とするガス抜きモード保持機構。
【請求項10】
前記スライド式操作部材は、
前記後ガイド部に案内される被案内垂下部を有し、
前記後ガイド部は、
前記被案内垂下部を案内する貫通域が前記カバー体との間に設定される片持ち梁状部からなる、
ことを特徴とする請求項9記載のガス抜きモード保持機構。
【請求項11】
前記スライド式操作部材は、
前記噴射部材の一部に当接して前方に付勢される弾性片部を有している、
ことを特徴とする請求項9または10記載のガス抜きモード保持機構。
【請求項12】
前記噴射部材は、
前記スライド式操作部材の後方へのスライド操作により作動モードへと駆動される被駆動部分を備え、
前記スライド式操作部材は、
前記後方へのスライド操作により前記被駆動部分を駆動して前記噴射部材に接続されたステムを作動モードの位置に移動させる作動モード設定作動部を有している、
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のガス抜きモード保持機構。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれかに記載のガス抜きモード保持機構を備え、かつ、放出用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−207531(P2011−207531A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169579(P2010−169579)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】