容器体及び容器並びに袋体の開封方法
【課題】 内容物を指で持つことなく、容器の内部に内容物を設置できる容器体、その容器及び袋体の開封方法を提供する。
【解決手段】 容器体は、内容物1と、内容物1を封入する袋体2と、内容物1及び袋体2を収容する容器3とを備える。そして、容器3は、内容物1が通過するのを防止できる形状に形成される開口部311,321を、一方側及び他方側にそれぞれ備え、袋体2は、各開口部311,321を介して容器3から露出する露出部24,25を一対備えると共に、内容物1が袋体2から出られるように、少なくとも一方側の露出部24で開封可能に構成されることを特徴とする。
【解決手段】 容器体は、内容物1と、内容物1を封入する袋体2と、内容物1及び袋体2を収容する容器3とを備える。そして、容器3は、内容物1が通過するのを防止できる形状に形成される開口部311,321を、一方側及び他方側にそれぞれ備え、袋体2は、各開口部311,321を介して容器3から露出する露出部24,25を一対備えると共に、内容物1が袋体2から出られるように、少なくとも一方側の露出部24で開封可能に構成されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体に関する。また、本発明は、内容物を封入する袋体を収容する容器に関する。さらに、本発明は、斯かる容器体における袋体の開封方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器体として、例えば芳香剤、防虫剤といった固形状やジェル状の内容物と、内容物を収容する容器とを備える容器体が知られている(例えば、特許文献1)。斯かる容器体によれば、内容物を指で持って容器の内部に設置することで、容器の内部に内容物を収容できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−224382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る容器体によれば、内容物を指で持つ必要があるため、衛生上や安全上で好ましくない場合もある。例えば、吸収材に揮発性液体を吸収させたものが内容物である場合、内容物を容器の内部に設置する際に、指に揮発性液体が付着するため、安全上好ましくないこともある。
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、内容物を指で持つことなく、容器の内部に内容物を設置できる容器体、その容器及び袋体の開封方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る容器体は、内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、容器は、内容物が通過するのを防止できる形状に形成される開口部を、一方側及び他方側にそれぞれ備え、袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成されることを特徴とする。
【0007】
斯かる構成の容器体によれば、容器の一方側に設けられる開口部を介して、一方側の露出部が容器から露出していると共に、容器の他方側に設けられる開口部を介して、他方側の露出部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が一方側の露出部で開封される。
【0008】
その後、他方側の露出部が操作されることで、袋体が他方側の開口部から引き出されると、内容物が通過するのを防止できる形状に、開口部が形成されているため、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容された容器体を得ることができる。
【0009】
また、本発明に係る容器体は、内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、容器は、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成され、他方側の開口部は、一方側の露出部で開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする。
【0010】
斯かる構成の容器体によれば、容器の一方側に設けられる開口部を介して、一方側の露出部が容器から露出していると共に、容器の他方側に設けられる開口部を介して、他方側の露出部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が一方側の露出部で開封される。
【0011】
その後、他方側の露出部が操作されることで、袋体が他方側の開口部から引き出される。すると、他方側の開口部が所定の形状に形成されているため、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容された容器体を得ることができる。
【0012】
また、本発明に係る容器体においては、容器は、袋体を挟持すべく、接離可能な一対の挟持部を少なくとも一つ備え、少なくとも一方側の開口部は、離間する一対の挟持部で構成されてもよい。
【0013】
斯かる構成の容器体によれば、接離可能な一対の挟持部が離間することで、少なくとも一方側の開口部が構成されている。これにより、一対の挟持部が接近することで袋体を挟持できるため、例えば、一方側の露出部で袋体を開封する際に、袋体が移動する(位置ずれする)のを防止でき、その結果、一方側の露出部で袋体を開封する作業を容易にすることができる。
【0014】
また、本発明に係る容器体においては、袋体は、露出部が切断されることで開封されるべく、少なくとも一方側の露出部に、切断の開始となる切断開始部を備えてもよい。
【0015】
斯かる構成の容器体によれば、少なくとも一方側の露出部に、切断の開始となる切断開始部が設けられている。これにより、切断開始部から切断を開始することで、切断工具(例えばハサミ)等を用いることなく、一方側の露出部を切断できるため、一方側の露出部で袋体を開封する作業を容易にすることができる。
【0016】
また、本発明に係る容器は、内容物を封入する袋体を収容する容器において、袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、各開口部は、内容物が通過するのを防止すべく、内容物を係止可能な形状に形成されることを特徴とする。
【0017】
斯かる構成の容器によれば、一方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出していると共に、他方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が何れか一方の露出している部位で開封される。
【0018】
その後、袋体の反対側の露出している部位が操作されることで、袋体が開口部から引き出されると、開口部が内容物を係止できる形状に形成されているため、内容物が開口部を通過するのを防止できる。これにより、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるため、容器の内部に内容物が収容される。
【0019】
また、本発明に係る容器は、内容物を封入する袋体を収容する容器において、袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、他方側の開口部は、一方側の開口部を介して露出する部位で開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする。
【0020】
斯かる構成の容器によれば、一方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出していると共に、他方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が一方側の開口部を介して露出する部位で開封される。
【0021】
その後、他方側の開口部から露出する袋体の一部が操作されることで、袋体が他方側の開口部から引き出される。すると、他方側の開口部が所定の形状に形成されているため、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容される。
【0022】
また、本発明に係る袋体の開封方法は、前記容器体における袋体の開封方法であって、内容物が袋体から出られるように、一方側の露出部で袋体を開封する工程と、他方側の露出部を操作することで、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるように、袋体を他方側の開口部から引き出す工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
斯かる袋体の開封方法によれば、内容物が袋体から出られるように、一方側の露出部で袋体を開封する。そして、他方側の露出部を操作することで、他方側の開口部から袋体を引き出すことにより、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容された容器体を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上の如く、本発明に係る容器体及び袋体の開封方法によれば、内容物を指で持つことなく、容器の内部に内容物を設置できるという優れた効果を奏する。また、本発明に係る容器によれば、内容物を指で持つことなく、内部に内容物を設置できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図2】同実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は側面図、(b)はA−A線における断面図を示す。
【図3】同実施形態に係る内容物を封入した袋体の全体図であって、(a)は平面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る容器の全体斜視図を示す。
【図5】同実施形態に係る容器の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。
【図6】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【図7】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【図8】本発明の他の実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図9】同実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は側面図、(b)はD−D線における断面図を示す。
【図10】同実施形態に係る容器の全体斜視図を示す。
【図11】同実施形態に係る容器の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。
【図12】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【図13】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る容器体及び容器における第1の実施形態について、図1〜図7を参酌して説明する。
【0027】
本実施形態に係る容器体は、図1〜図5に示すように、内容物1と、内容物1を封入する袋体2と、内容物1及び袋体2を収容する容器3とを備える。なお、詳細は後述するが、容器体は、袋体2に封入されている内容物1が袋体2から取り出され、内容物1が容器3の内部に収容された状態で使用される。
【0028】
内容物1は、固形状に形成されていると共に、長尺な円柱状に形成されている。本実施形態において、内容物1は、液体を吸収可能に構成され、芳香剤や忌避剤といった揮発性の液体が吸収された円柱状の吸収材としている。
【0029】
袋体2は、長尺な筒状に形成されていると共に、紙、ナイロン、ビニール、プラスチック等のフィルムから形成されることにより、可撓性を有するように形成されている。そして、袋体2は、内容物1を封入する袋状の封入部21と、封入部21を封止すべく、封入部21の外縁をシールするシール部22,23,23とを備える。なお、封入部21は、長手方向に亘って略同一の幅寸法で形成されている。
【0030】
また、袋体2は、容器3から露出する露出部24,25を一対備える。具体的には、袋体2は、長手方向の一方側に配置され、容器3から露出する第1露出部24と、長手方向の他方側に配置され、容器3から露出する第2露出部25とを備える。
【0031】
さらに、袋体2は、各露出部24,25に、切断の開始となる切断開始部241,251を備える。なお、本実施形態において、切断開始部241,251は、幅方向の一方側(シール部22)に配設される切欠としている。これにより、袋体2は、露出部24,25が切断開始部241,251から切断されることで、内容物1が袋体2から出られるように開封される。
【0032】
なお、袋体2は、帯状のフィルムを筒状に形成させるべく、フィルムの幅方向の端部同士を長手方向に沿ってシールされ、筒状に形成されたフィルムに内容物1を挿入した後に、フィルムの長手方向の各端部を幅方向に沿ってシールされることで、形成される。即ち、袋体2は、所謂、ピロー包装と呼ばれる包装形態であって、一般的に、長手方向に沿ってシールされたシール部22をセンターシール部といい、幅方向に沿ってシールされたシール部23,23をエンドシール部という。
【0033】
容器3は、長尺な筒状に形成される容器本体30と、容器本体30の長手方向における各端部に配置される第1及び第2側壁部31,32とを備える。具体的には、容器3は、角筒状に形成される容器本体30と、両端部に配置される略正方形状の第1及び第2側壁部31,32とにより、直方体状の筺体に形成されている。なお、容器3は、プラスチック等の硬質樹脂で形成されることにより、剛性を有するように形成されている。
【0034】
容器本体30は、略長方形状に形成され、互いに対面するように配置される第1及び第2側壁部31,32の各辺同士を連結する四つの周壁部301〜304を備える。そして、少なくとも一つ(本実施形態においては、三つ)の周壁部301〜303は、内容物1が通過するのを防止できる大きさの開口で形成され、容器3の内部と外部とを連通させる連通部305,…を複数備える。なお、容器体を床の上等に設置する際には、連通部が設けられていない周壁部304を底面にして、容器体が設置される。
【0035】
第1側壁部31は、袋体2の第1露出部24が容器3から露出するための第1開口部311を備えると共に、第2側壁部32は、袋体2の第2露出部25が容器3から露出するための第2開口部321を備える。また、第1及び第2側壁部31,32は、外面側に、球面状の凹部312,322をそれぞれ備えると共に、内面側に、凹部312,322の形成に伴って球面状に突出する凸部313,323をそれぞれ備える。
【0036】
第1及び第2開口部311,321は、内容物1が通過するのを防止できる形状、即ち、内容物1を係止可能な形状に形成されている。具体的には、第1及び第2開口部311,321は、内容物1よりも小さく形成されており、内容物1が通過するのを防止できる大きさに設定されている。より具体的には、第1及び第2開口部311,321は、スリット状に形成されている。
【0037】
そして、第1開口部311は、第1側壁部31の対角線に沿ってスリットが延設されてなり、延設される方向の中央部が凸部313の頂部に位置するように配置されている。同様に、第2開口部321は、第2側壁部32の対角線に沿ってスリットが延設されてなり、延設される方向の中央部が凸部323の頂部に位置するように配置されている。
【0038】
本実施形態に係る容器体及び容器3の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る容器体における袋体2の開封方法について、図6及び図7を参酌して説明する。
【0039】
図6(a)に示すように、容器3の第1開口部311を介して、袋体2の第1露出部24が容器3の外部に露出していると共に、容器3の第2開口部321を介して、袋体2の第2露出部25が容器3の外部に露出している。斯かる状態においては、各開口部311,321が内容物1よりも小さく形成されているため、各開口部311,321から、内容物1を引き出したり、袋体2を完全に引き抜いたりすることはできない。
【0040】
まず、第1露出部24に設けられる切断開始部241から袋体2(第1露出部24)の切断を開始する。これにより、図6(b)に示すように、袋体2が第1露出部24で開封されるため、当該開封された部位を介して、内容物1が袋体2の外部に出られるようなる。
【0041】
そして、第2露出部25を把持して引く(操作する)ことで、図7(a)に示すように、袋体2が第2開口部321から長手方向(図7(a)のC矢印方向)に向けて引き出される。すると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部321が設定されているため、第2開口部321(具体的には、凸部323の頂部)が袋体2を介して内容物1を係止する。
【0042】
これにより、内容物1が容器3の内部で袋体2から押し出される。そして、図7(b)に示すように、袋体2が第2開口部321を介して容器3から完全に引き抜かれると、容器3の内部に内容物1が収容された容器体が得られる。なお、袋体2が第2露出部25で開封され、第1露出部24を操作することで、袋体2が第1開口部311から引き出される場合でもよい。
【0043】
以上より、本実施形態に係る容器体及び容器3によれば、容器3の長手方向の一方側に設けられる第1開口部311から、第1露出部24が容器3の外部に露出していると共に、容器3の長手方向の他方側に設けられる第2開口部321から、第2露出部25が露出している。そして、内容物1が袋体2から出られるように、まず、袋体2が第1露出部24で開封される。
【0044】
その後、第2露出部25が操作されることで、袋体2が第2開口部321から引き出されると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部321が設定されているため、内容物1が容器3の内部で袋体2から押し出される。これにより、容器3の内部に内容物1が収容された容器体を得ることができる。したがって、内容物1を指で持つことなく、容器3の内部に内容物1を設置できる。
【0045】
また、本実施形態に係る容器体によれば、各露出部24,25に、切断の開始となるための切断開始部241,251がそれぞれ設けられている。これにより、切断開始部241,251から切断を開始することで、切断工具等を用いることなく、各露出部24,25を切断できるため、各露出部24,25で袋体2を開封する作業を容易にすることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る容器体及び容器3によれば、スリット状の開口部311,321の中央部が球面状に突出する凸部313,323の頂部に位置している。これにより、袋体2を開口部321から引き出す際に、凸部323の頂部が袋体2を介して内容物1を係止することになるため、内容物1を係止する部分の面積を最小限にすることができ、その結果、袋体2の引き出す作業を容易にすることができる。
【0047】
次に、本発明に係る容器体及び容器における第2の実施形態について、図8〜図13を参酌して説明する。なお、図8〜図13において、図1〜図7の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同一の構成又は要素を表す。
【0048】
本実施形態に係る容器体は、図8〜図11に示すように、内容物1と、内容物1を封入する袋体2と、内容物1及び袋体2を収容する容器4とを備える。なお、本実施形態に係る容器体は、第1実施形態に係る容器体に対して、容器4の構成が相違している。したがって、略同一の構成である内容物1及び袋体2の説明は省略する。
【0049】
容器4は、長尺な角筒状に形成される容器本体40を備える。そして、容器4は、容器本体40の一端部に配置され、袋体2を挟持すべく接離可能な一対の第1挟持部41,41と、容器本体40の他端部に配置され、袋体2を挟持すべく接離可能な一対の第2挟持部42,42とを備える。
【0050】
また、容器4は、容器本体40の一端部に配置され、袋体2の第1露出部24が容器4から露出するための第1開口部43を備えると共に、容器本体40の他端部に配置され、袋体2の第2露出部25が容器4から露出するための第2開口部44を備える。なお、容器4は、プラスチック等の硬質樹脂で形成されている。
【0051】
容器本体40は、略長方形状に形成される四つの周壁部401〜404で、角筒状に形成されている。そして、三つの周壁部401〜403は、内容物1が通過するのを防止できる大きさの開口で形成され、容器4の内部と外部とを連通させる連通部405,…を複数備える。
【0052】
各第1挟持部41は、袋体2を挟持するための板状の挟持片411と、挟持片411を移動可能となるように、挟持片411の一端部と容器本体40の一端部とを連結する弾性の連結片412とを備える。そして、一対の第1挟持部41,41は、各連結片412が弾性変形することで、一対の挟持片411,411の他端部同士が接離するように構成されている。
【0053】
各第2挟持部42は、袋体2を挟持するための板状の挟持片421と、挟持片421を移動可能となるように、挟持片421の一端部と容器本体40の他端部とを連結する弾性の連結片422とを備える。そして、一対の第2挟持部42,42は、各連結片422が弾性変形することで、一対の挟持片421,421の他端部同士が接離するように構成されている。
【0054】
一方の各挟持片411(421)は、他方の挟持片411(421)と対面する部位(他端部)に、他方の挟持片411(421)に向けて突出する凸状部411a(421a)を備える。また、他方の各挟持片411(421)は、凸状部411a(421a)を嵌め込み可能な凹状部411b(421b)を備える。
【0055】
各連結片412(422)は、外面側に、指で操作されるための球面状の窪み部412a(422a)を備えると共に、内面側に、窪み部412a(422a)の形成に伴って突出する球面状の突出部412b(422b)を備える。そして、一方の連結片412(422)は、容器本体40の所定の周壁部402に連結されると共に、他方の連結片412(422)は、当該周壁部402と対面する周壁部404に連結される。
【0056】
各開口部43(44)は、一対の挟持部41,41(42,42)が離間した状態で生じる挟持部41,41(42,42)間の隙間(スリット)で構成されている。これにより、各開口部43(44)は、開口の大きさを変更可能に構成されると共に、内容物1が通過するのを防止できる大きさに設定され得る。
【0057】
本実施形態に係る容器体及び容器4の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る容器体における袋体2の開封方法について、図12及び図13を参酌して説明する。
【0058】
図12(a)に示すように、容器4の第1開口部43を介して、袋体2の第1露出部24が容器4の外部に露出していると共に、容器4の第2開口部44を介して、袋体2の第2露出部25が容器4の外部に露出している。斯かる状態においては、各開口部43,44が内容物1よりも小さく設定されているため、各開口部43,44から、内容物1を引き出したり、袋体2を完全に引き抜いたりすることはできない。
【0059】
まず、各第1挟持部41の挟持片411,411同士が接近する方向(図12(a)のE矢印方向)に、各連結片412を押す(操作する)。すると、各連結片412が弾性変形して、一対の挟持片411,411が接近するため、一対の挟持片411,411で袋体2(具体的には、第1露出部24における切断開始部241よりも基端側)を挟持できる。
【0060】
そして、図12(b)に示すように、第1露出部24に設けられる切断開始部241から袋体2(第1露出部24)の切断を開始する。このとき、切断される部位の近傍を一対の第1挟持部41,41が挟持しているため、袋体2を切断するのに伴って、袋体2が移動するのを防止できる。そして、袋体2が第1露出部24で開封されるため、当該開封された部位を介して、内容物1が袋体2の外部に出られるようなる。
【0061】
その後、各連結片412を押す(操作する)のを解除すると、図13(a)に示すように、各連結片412が弾性力により復元し、挟持片411,411同士が離反する方向(図13(a)のF矢印方向)に移動する。そして、第2露出部25を把持して引く(操作する)ことで、袋体2が第2開口部44から長手方向(図13(a)のG矢印方向)に向けて引き出される。
【0062】
すると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部44が設定されているため、第2開口部44(具体的には、各第2挟持部42の挟持片421)が袋体2を介して内容物1を係止する。これにより、内容物1が容器4の内部で袋体2から押し出される。
【0063】
そして、図13(b)に示すように、袋体2が第2開口部44を介して容器4から完全に引き抜かれると、容器4の内部に内容物1が収容された容器体を得ることができる。なお、袋体2が第2露出部25で開封され、第1露出部24を操作することで、袋体2が第1開口部43から引き出される場合でもよい。
【0064】
以上より、本実施形態に係る容器体及び容器4によれば、内容物1が袋体2から出られるように、第1開口部43から容器4の外部に露出している第1露出部24で、袋体2が開封される。そして、第2開口部44から容器4の外部に露出している第2露出部25が操作されることで、袋体2が第2開口部44から引き出される。
【0065】
すると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部44が設定されているため、内容物1が容器4の内部で袋体2から押し出される。これにより、容器4の内部に内容物1が収容された容器体が得られる。したがって、内容物1を指で持つことなく、容器4の内部に内容物1を設置できる。
【0066】
また、本実施形態に係る容器体及び容器4によれば、接離可能な一対の第1挟持部41,41が離間することで、第1開口部43が構成されている。これにより、一対の挟持部41,41が接近することで袋体2を挟持できるため、第1露出部24で袋体2を開封する際に、袋体2が移動する(位置ずれする)のを防止でき、その結果、第1露出部24で袋体2を開封する作業を容易にすることができる。
【0067】
なお、本発明に係る容器体及び容器並びに袋体の開封方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0068】
例えば、本発明に係る容器体及び容器は、床の上等に設置する場合、即ち、床置きタイプである場合でもよく、例えば、フック等に掛けられて吊られる場合、即ち、吊下げタイプである場合でもよい。なお、吊下げタイプの場合には、容器3,4に、フック等に引っ掛けられる引掛部を設けることが好ましい。
【0069】
また、本発明に係る容器体(容器)は、容器3(4)を分解及び組立可能に構成してもよい。例えば、一対の開口部311,321(43,44)を基準にして(例えば図2(a)のA−A線で)、容器3(4)を二つの部材に分解可能に構成すれば、内容物1及び袋体2を一方の部材に収容した後に、他方の部材を一方の部材に合わせるように組み立てることで、各開口部311,321(43,44)を介して、袋体2の各露出部24,25が容器3(4)の外部に露出するように、開封前の袋体2を容器3(4)に収容できる。
【0070】
また、本発明に係る容器体(容器)は、容器の開口部に、外周部で袋体2に接する回転体が設けられてなる場合でもよい。具体的には、容器の開口部に、袋体2を挟むように一対の回転体(回転ローラ)が配設され、円柱状の各回転体は、袋体2を挟む方向と直交する方向を中心に回転可能に構成される場合でもよい。
【0071】
斯かる構成によれば、袋体2が開口部から引き出されるのに伴って、外周部で袋体2に接する回転体が回転する。これにより、回転体が無い場合と比較して、例えば、袋体2を開口部から引き出す力(袋体2と容器との摩擦力)を小さくすることもできるため、袋体2を開口部から円滑に引き出すことができる。
【0072】
また、上記実施形態に係る容器体においては、内容物1が揮発性液体を吸収させた吸収材である場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、内容物は、複数の粒状体である場合でもよく、ドライアイスといった気化する固形状である場合でもよく、また、ジェル状の液体である場合でもよい。
【0073】
なお、内容物がジェル状の液体の場合、袋体2が引き出される側の開口部の大きさを変更できる構成とするのが好ましい。斯かる構成によれば、袋体2が引き出される際に、開口部の大きさを小さくすることで、ジェル状の内容物を容器の内部に絞り出すことができる。
【0074】
また、上記実施形態に係る容器体においては、袋体2の封入部21が長手方向に亘って略同一の幅寸法で形成されている場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、袋体は、長手方向の一方側から他方側に向けて幅広となるように形成される場合でもよい。斯かる構成によれば、他方側の露出部で袋体を開封することにより、袋体の開放する部位を大きくすることができるため、袋体2から内容物1を出し易くできる。
【0075】
また、上記実施形態に係る容器体においては、袋体2に設けられる切断開始部241,251が切欠である場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、切断開始部は、ハーフカット、切込、又は複数の穴(貫通、非貫通微細孔)等から構成されてもよく、要するに、切断工具を用いることなく、切断できる構成であればよい。
【0076】
また、上記実施形態に係る容器体(容器3,4)においては、容器3(4)が長尺な直方体状に形成され、容器3,4の長手方向の一方側と他方側とにそれぞれ第1及び第2開口部311,321(43,44)が配設される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、容器は、円柱状や三角柱状に形成される場合でもよく、また、容器の幅方向の一方側と他方側とにそれぞれ開口部が配設される場合でもよい。
【0077】
また、上記実施形態に係る容器体(容器3,4)においては、各開口部311,321,43,44が直線状のスリットで形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、開口部は、曲線状の(湾曲した)スリットで形成される場合でもよく、また、円形状や多角形状に形成される開口である場合でもよい。
【0078】
要するに、開口部は、袋体2が開封される前(未開封の状態)においては、袋体を完全に引き抜くことができないような大きさに設定されていると共に、反対の開口部から露出する露出部で袋体が開封され、袋体が反対の開口部から引き出される際には、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるような大きさに設定されていればよい。
【0079】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、各挟持部41,41(42,42)が互いに容器本体40に対して相対的に変位可能に構成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、一対の挟持部の内、一方の挟持部が容器本体に対して相対的に変位することで、一対の挟持部が接離可能に構成される場合でもよい。
【0080】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、袋体2を容器4から引き出す際に、挟持部41(42)の挟持片411(421)が内容物1を係止する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、各挟持部41(42)の連結片412(422)の突出部412a(422a)が内容物1を係止する場合でもよい。
【0081】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、連結片412(422)が弾性変形することにより、一対の挟持部41,41(42,42)が接離する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、開口部は、例えばゴム等の弾性体で形成され、対向する内縁同士が接近するように弾性変形することで、袋体2を挟持するように構成される場合でもよい。
【0082】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、連結片412(422)への操作を解除すると、連結片412(422)が復元することにより、一対の挟持部41,41(42,42)が離反する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0083】
例えば、一対の挟持部は、袋体2を挟持する状態で掛止し合うことにより、連結片への操作を解除しても、袋体2を挟持する状態を維持可能に構成される場合でもよい。具体的には、一方の挟持片411(421)に設けられる凸状部411a(421a)が、他方の挟持片411(421)に設けられる凹状部411b(421b)に掛止可能に構成される場合でもよい。
【0084】
また、上記実施形態に係る袋体2の開封方法においては、袋体2を容器3,4から完全に抜き出す場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、内容物1の一部だけを袋体2から出すように、袋体2を容器3,4から引き出す場合でもよい。斯かる方法によれば、例えば、内容物1における揮発性液体が揮発する量を調整することができる。
【符号の説明】
【0085】
1…内容物、2…袋体、3…容器、4…容器、24…(第1)露出部、25…(第2)露出部、41…(第1)挟持部、42…(第2)挟持部、43…(第1)開口部、44…(第2)開口部、241,251…切断開始部、311…(第1)開口部、321…(第2)開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体に関する。また、本発明は、内容物を封入する袋体を収容する容器に関する。さらに、本発明は、斯かる容器体における袋体の開封方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器体として、例えば芳香剤、防虫剤といった固形状やジェル状の内容物と、内容物を収容する容器とを備える容器体が知られている(例えば、特許文献1)。斯かる容器体によれば、内容物を指で持って容器の内部に設置することで、容器の内部に内容物を収容できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−224382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る容器体によれば、内容物を指で持つ必要があるため、衛生上や安全上で好ましくない場合もある。例えば、吸収材に揮発性液体を吸収させたものが内容物である場合、内容物を容器の内部に設置する際に、指に揮発性液体が付着するため、安全上好ましくないこともある。
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、内容物を指で持つことなく、容器の内部に内容物を設置できる容器体、その容器及び袋体の開封方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る容器体は、内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、容器は、内容物が通過するのを防止できる形状に形成される開口部を、一方側及び他方側にそれぞれ備え、袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成されることを特徴とする。
【0007】
斯かる構成の容器体によれば、容器の一方側に設けられる開口部を介して、一方側の露出部が容器から露出していると共に、容器の他方側に設けられる開口部を介して、他方側の露出部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が一方側の露出部で開封される。
【0008】
その後、他方側の露出部が操作されることで、袋体が他方側の開口部から引き出されると、内容物が通過するのを防止できる形状に、開口部が形成されているため、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容された容器体を得ることができる。
【0009】
また、本発明に係る容器体は、内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、容器は、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成され、他方側の開口部は、一方側の露出部で開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする。
【0010】
斯かる構成の容器体によれば、容器の一方側に設けられる開口部を介して、一方側の露出部が容器から露出していると共に、容器の他方側に設けられる開口部を介して、他方側の露出部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が一方側の露出部で開封される。
【0011】
その後、他方側の露出部が操作されることで、袋体が他方側の開口部から引き出される。すると、他方側の開口部が所定の形状に形成されているため、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容された容器体を得ることができる。
【0012】
また、本発明に係る容器体においては、容器は、袋体を挟持すべく、接離可能な一対の挟持部を少なくとも一つ備え、少なくとも一方側の開口部は、離間する一対の挟持部で構成されてもよい。
【0013】
斯かる構成の容器体によれば、接離可能な一対の挟持部が離間することで、少なくとも一方側の開口部が構成されている。これにより、一対の挟持部が接近することで袋体を挟持できるため、例えば、一方側の露出部で袋体を開封する際に、袋体が移動する(位置ずれする)のを防止でき、その結果、一方側の露出部で袋体を開封する作業を容易にすることができる。
【0014】
また、本発明に係る容器体においては、袋体は、露出部が切断されることで開封されるべく、少なくとも一方側の露出部に、切断の開始となる切断開始部を備えてもよい。
【0015】
斯かる構成の容器体によれば、少なくとも一方側の露出部に、切断の開始となる切断開始部が設けられている。これにより、切断開始部から切断を開始することで、切断工具(例えばハサミ)等を用いることなく、一方側の露出部を切断できるため、一方側の露出部で袋体を開封する作業を容易にすることができる。
【0016】
また、本発明に係る容器は、内容物を封入する袋体を収容する容器において、袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、各開口部は、内容物が通過するのを防止すべく、内容物を係止可能な形状に形成されることを特徴とする。
【0017】
斯かる構成の容器によれば、一方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出していると共に、他方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が何れか一方の露出している部位で開封される。
【0018】
その後、袋体の反対側の露出している部位が操作されることで、袋体が開口部から引き出されると、開口部が内容物を係止できる形状に形成されているため、内容物が開口部を通過するのを防止できる。これにより、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるため、容器の内部に内容物が収容される。
【0019】
また、本発明に係る容器は、内容物を封入する袋体を収容する容器において、袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、他方側の開口部は、一方側の開口部を介して露出する部位で開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする。
【0020】
斯かる構成の容器によれば、一方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出していると共に、他方側に設けられる開口部を介して、袋体の一部が容器から露出している。そして、内容物が袋体から出られるように、まず、袋体が一方側の開口部を介して露出する部位で開封される。
【0021】
その後、他方側の開口部から露出する袋体の一部が操作されることで、袋体が他方側の開口部から引き出される。すると、他方側の開口部が所定の形状に形成されているため、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容される。
【0022】
また、本発明に係る袋体の開封方法は、前記容器体における袋体の開封方法であって、内容物が袋体から出られるように、一方側の露出部で袋体を開封する工程と、他方側の露出部を操作することで、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるように、袋体を他方側の開口部から引き出す工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
斯かる袋体の開封方法によれば、内容物が袋体から出られるように、一方側の露出部で袋体を開封する。そして、他方側の露出部を操作することで、他方側の開口部から袋体を引き出すことにより、内容物が容器の内部で袋体から押し出される。これにより、容器の内部に内容物が収容された容器体を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上の如く、本発明に係る容器体及び袋体の開封方法によれば、内容物を指で持つことなく、容器の内部に内容物を設置できるという優れた効果を奏する。また、本発明に係る容器によれば、内容物を指で持つことなく、内部に内容物を設置できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図2】同実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は側面図、(b)はA−A線における断面図を示す。
【図3】同実施形態に係る内容物を封入した袋体の全体図であって、(a)は平面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る容器の全体斜視図を示す。
【図5】同実施形態に係る容器の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。
【図6】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【図7】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【図8】本発明の他の実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【図9】同実施形態に係る容器体の全体図であって、(a)は側面図、(b)はD−D線における断面図を示す。
【図10】同実施形態に係る容器の全体斜視図を示す。
【図11】同実施形態に係る容器の全体図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。
【図12】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【図13】同実施形態に係る容器体における袋体の開封方法を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る容器体及び容器における第1の実施形態について、図1〜図7を参酌して説明する。
【0027】
本実施形態に係る容器体は、図1〜図5に示すように、内容物1と、内容物1を封入する袋体2と、内容物1及び袋体2を収容する容器3とを備える。なお、詳細は後述するが、容器体は、袋体2に封入されている内容物1が袋体2から取り出され、内容物1が容器3の内部に収容された状態で使用される。
【0028】
内容物1は、固形状に形成されていると共に、長尺な円柱状に形成されている。本実施形態において、内容物1は、液体を吸収可能に構成され、芳香剤や忌避剤といった揮発性の液体が吸収された円柱状の吸収材としている。
【0029】
袋体2は、長尺な筒状に形成されていると共に、紙、ナイロン、ビニール、プラスチック等のフィルムから形成されることにより、可撓性を有するように形成されている。そして、袋体2は、内容物1を封入する袋状の封入部21と、封入部21を封止すべく、封入部21の外縁をシールするシール部22,23,23とを備える。なお、封入部21は、長手方向に亘って略同一の幅寸法で形成されている。
【0030】
また、袋体2は、容器3から露出する露出部24,25を一対備える。具体的には、袋体2は、長手方向の一方側に配置され、容器3から露出する第1露出部24と、長手方向の他方側に配置され、容器3から露出する第2露出部25とを備える。
【0031】
さらに、袋体2は、各露出部24,25に、切断の開始となる切断開始部241,251を備える。なお、本実施形態において、切断開始部241,251は、幅方向の一方側(シール部22)に配設される切欠としている。これにより、袋体2は、露出部24,25が切断開始部241,251から切断されることで、内容物1が袋体2から出られるように開封される。
【0032】
なお、袋体2は、帯状のフィルムを筒状に形成させるべく、フィルムの幅方向の端部同士を長手方向に沿ってシールされ、筒状に形成されたフィルムに内容物1を挿入した後に、フィルムの長手方向の各端部を幅方向に沿ってシールされることで、形成される。即ち、袋体2は、所謂、ピロー包装と呼ばれる包装形態であって、一般的に、長手方向に沿ってシールされたシール部22をセンターシール部といい、幅方向に沿ってシールされたシール部23,23をエンドシール部という。
【0033】
容器3は、長尺な筒状に形成される容器本体30と、容器本体30の長手方向における各端部に配置される第1及び第2側壁部31,32とを備える。具体的には、容器3は、角筒状に形成される容器本体30と、両端部に配置される略正方形状の第1及び第2側壁部31,32とにより、直方体状の筺体に形成されている。なお、容器3は、プラスチック等の硬質樹脂で形成されることにより、剛性を有するように形成されている。
【0034】
容器本体30は、略長方形状に形成され、互いに対面するように配置される第1及び第2側壁部31,32の各辺同士を連結する四つの周壁部301〜304を備える。そして、少なくとも一つ(本実施形態においては、三つ)の周壁部301〜303は、内容物1が通過するのを防止できる大きさの開口で形成され、容器3の内部と外部とを連通させる連通部305,…を複数備える。なお、容器体を床の上等に設置する際には、連通部が設けられていない周壁部304を底面にして、容器体が設置される。
【0035】
第1側壁部31は、袋体2の第1露出部24が容器3から露出するための第1開口部311を備えると共に、第2側壁部32は、袋体2の第2露出部25が容器3から露出するための第2開口部321を備える。また、第1及び第2側壁部31,32は、外面側に、球面状の凹部312,322をそれぞれ備えると共に、内面側に、凹部312,322の形成に伴って球面状に突出する凸部313,323をそれぞれ備える。
【0036】
第1及び第2開口部311,321は、内容物1が通過するのを防止できる形状、即ち、内容物1を係止可能な形状に形成されている。具体的には、第1及び第2開口部311,321は、内容物1よりも小さく形成されており、内容物1が通過するのを防止できる大きさに設定されている。より具体的には、第1及び第2開口部311,321は、スリット状に形成されている。
【0037】
そして、第1開口部311は、第1側壁部31の対角線に沿ってスリットが延設されてなり、延設される方向の中央部が凸部313の頂部に位置するように配置されている。同様に、第2開口部321は、第2側壁部32の対角線に沿ってスリットが延設されてなり、延設される方向の中央部が凸部323の頂部に位置するように配置されている。
【0038】
本実施形態に係る容器体及び容器3の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る容器体における袋体2の開封方法について、図6及び図7を参酌して説明する。
【0039】
図6(a)に示すように、容器3の第1開口部311を介して、袋体2の第1露出部24が容器3の外部に露出していると共に、容器3の第2開口部321を介して、袋体2の第2露出部25が容器3の外部に露出している。斯かる状態においては、各開口部311,321が内容物1よりも小さく形成されているため、各開口部311,321から、内容物1を引き出したり、袋体2を完全に引き抜いたりすることはできない。
【0040】
まず、第1露出部24に設けられる切断開始部241から袋体2(第1露出部24)の切断を開始する。これにより、図6(b)に示すように、袋体2が第1露出部24で開封されるため、当該開封された部位を介して、内容物1が袋体2の外部に出られるようなる。
【0041】
そして、第2露出部25を把持して引く(操作する)ことで、図7(a)に示すように、袋体2が第2開口部321から長手方向(図7(a)のC矢印方向)に向けて引き出される。すると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部321が設定されているため、第2開口部321(具体的には、凸部323の頂部)が袋体2を介して内容物1を係止する。
【0042】
これにより、内容物1が容器3の内部で袋体2から押し出される。そして、図7(b)に示すように、袋体2が第2開口部321を介して容器3から完全に引き抜かれると、容器3の内部に内容物1が収容された容器体が得られる。なお、袋体2が第2露出部25で開封され、第1露出部24を操作することで、袋体2が第1開口部311から引き出される場合でもよい。
【0043】
以上より、本実施形態に係る容器体及び容器3によれば、容器3の長手方向の一方側に設けられる第1開口部311から、第1露出部24が容器3の外部に露出していると共に、容器3の長手方向の他方側に設けられる第2開口部321から、第2露出部25が露出している。そして、内容物1が袋体2から出られるように、まず、袋体2が第1露出部24で開封される。
【0044】
その後、第2露出部25が操作されることで、袋体2が第2開口部321から引き出されると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部321が設定されているため、内容物1が容器3の内部で袋体2から押し出される。これにより、容器3の内部に内容物1が収容された容器体を得ることができる。したがって、内容物1を指で持つことなく、容器3の内部に内容物1を設置できる。
【0045】
また、本実施形態に係る容器体によれば、各露出部24,25に、切断の開始となるための切断開始部241,251がそれぞれ設けられている。これにより、切断開始部241,251から切断を開始することで、切断工具等を用いることなく、各露出部24,25を切断できるため、各露出部24,25で袋体2を開封する作業を容易にすることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る容器体及び容器3によれば、スリット状の開口部311,321の中央部が球面状に突出する凸部313,323の頂部に位置している。これにより、袋体2を開口部321から引き出す際に、凸部323の頂部が袋体2を介して内容物1を係止することになるため、内容物1を係止する部分の面積を最小限にすることができ、その結果、袋体2の引き出す作業を容易にすることができる。
【0047】
次に、本発明に係る容器体及び容器における第2の実施形態について、図8〜図13を参酌して説明する。なお、図8〜図13において、図1〜図7の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同一の構成又は要素を表す。
【0048】
本実施形態に係る容器体は、図8〜図11に示すように、内容物1と、内容物1を封入する袋体2と、内容物1及び袋体2を収容する容器4とを備える。なお、本実施形態に係る容器体は、第1実施形態に係る容器体に対して、容器4の構成が相違している。したがって、略同一の構成である内容物1及び袋体2の説明は省略する。
【0049】
容器4は、長尺な角筒状に形成される容器本体40を備える。そして、容器4は、容器本体40の一端部に配置され、袋体2を挟持すべく接離可能な一対の第1挟持部41,41と、容器本体40の他端部に配置され、袋体2を挟持すべく接離可能な一対の第2挟持部42,42とを備える。
【0050】
また、容器4は、容器本体40の一端部に配置され、袋体2の第1露出部24が容器4から露出するための第1開口部43を備えると共に、容器本体40の他端部に配置され、袋体2の第2露出部25が容器4から露出するための第2開口部44を備える。なお、容器4は、プラスチック等の硬質樹脂で形成されている。
【0051】
容器本体40は、略長方形状に形成される四つの周壁部401〜404で、角筒状に形成されている。そして、三つの周壁部401〜403は、内容物1が通過するのを防止できる大きさの開口で形成され、容器4の内部と外部とを連通させる連通部405,…を複数備える。
【0052】
各第1挟持部41は、袋体2を挟持するための板状の挟持片411と、挟持片411を移動可能となるように、挟持片411の一端部と容器本体40の一端部とを連結する弾性の連結片412とを備える。そして、一対の第1挟持部41,41は、各連結片412が弾性変形することで、一対の挟持片411,411の他端部同士が接離するように構成されている。
【0053】
各第2挟持部42は、袋体2を挟持するための板状の挟持片421と、挟持片421を移動可能となるように、挟持片421の一端部と容器本体40の他端部とを連結する弾性の連結片422とを備える。そして、一対の第2挟持部42,42は、各連結片422が弾性変形することで、一対の挟持片421,421の他端部同士が接離するように構成されている。
【0054】
一方の各挟持片411(421)は、他方の挟持片411(421)と対面する部位(他端部)に、他方の挟持片411(421)に向けて突出する凸状部411a(421a)を備える。また、他方の各挟持片411(421)は、凸状部411a(421a)を嵌め込み可能な凹状部411b(421b)を備える。
【0055】
各連結片412(422)は、外面側に、指で操作されるための球面状の窪み部412a(422a)を備えると共に、内面側に、窪み部412a(422a)の形成に伴って突出する球面状の突出部412b(422b)を備える。そして、一方の連結片412(422)は、容器本体40の所定の周壁部402に連結されると共に、他方の連結片412(422)は、当該周壁部402と対面する周壁部404に連結される。
【0056】
各開口部43(44)は、一対の挟持部41,41(42,42)が離間した状態で生じる挟持部41,41(42,42)間の隙間(スリット)で構成されている。これにより、各開口部43(44)は、開口の大きさを変更可能に構成されると共に、内容物1が通過するのを防止できる大きさに設定され得る。
【0057】
本実施形態に係る容器体及び容器4の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る容器体における袋体2の開封方法について、図12及び図13を参酌して説明する。
【0058】
図12(a)に示すように、容器4の第1開口部43を介して、袋体2の第1露出部24が容器4の外部に露出していると共に、容器4の第2開口部44を介して、袋体2の第2露出部25が容器4の外部に露出している。斯かる状態においては、各開口部43,44が内容物1よりも小さく設定されているため、各開口部43,44から、内容物1を引き出したり、袋体2を完全に引き抜いたりすることはできない。
【0059】
まず、各第1挟持部41の挟持片411,411同士が接近する方向(図12(a)のE矢印方向)に、各連結片412を押す(操作する)。すると、各連結片412が弾性変形して、一対の挟持片411,411が接近するため、一対の挟持片411,411で袋体2(具体的には、第1露出部24における切断開始部241よりも基端側)を挟持できる。
【0060】
そして、図12(b)に示すように、第1露出部24に設けられる切断開始部241から袋体2(第1露出部24)の切断を開始する。このとき、切断される部位の近傍を一対の第1挟持部41,41が挟持しているため、袋体2を切断するのに伴って、袋体2が移動するのを防止できる。そして、袋体2が第1露出部24で開封されるため、当該開封された部位を介して、内容物1が袋体2の外部に出られるようなる。
【0061】
その後、各連結片412を押す(操作する)のを解除すると、図13(a)に示すように、各連結片412が弾性力により復元し、挟持片411,411同士が離反する方向(図13(a)のF矢印方向)に移動する。そして、第2露出部25を把持して引く(操作する)ことで、袋体2が第2開口部44から長手方向(図13(a)のG矢印方向)に向けて引き出される。
【0062】
すると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部44が設定されているため、第2開口部44(具体的には、各第2挟持部42の挟持片421)が袋体2を介して内容物1を係止する。これにより、内容物1が容器4の内部で袋体2から押し出される。
【0063】
そして、図13(b)に示すように、袋体2が第2開口部44を介して容器4から完全に引き抜かれると、容器4の内部に内容物1が収容された容器体を得ることができる。なお、袋体2が第2露出部25で開封され、第1露出部24を操作することで、袋体2が第1開口部43から引き出される場合でもよい。
【0064】
以上より、本実施形態に係る容器体及び容器4によれば、内容物1が袋体2から出られるように、第1開口部43から容器4の外部に露出している第1露出部24で、袋体2が開封される。そして、第2開口部44から容器4の外部に露出している第2露出部25が操作されることで、袋体2が第2開口部44から引き出される。
【0065】
すると、内容物1が通過するのを防止できる大きさに、第2開口部44が設定されているため、内容物1が容器4の内部で袋体2から押し出される。これにより、容器4の内部に内容物1が収容された容器体が得られる。したがって、内容物1を指で持つことなく、容器4の内部に内容物1を設置できる。
【0066】
また、本実施形態に係る容器体及び容器4によれば、接離可能な一対の第1挟持部41,41が離間することで、第1開口部43が構成されている。これにより、一対の挟持部41,41が接近することで袋体2を挟持できるため、第1露出部24で袋体2を開封する際に、袋体2が移動する(位置ずれする)のを防止でき、その結果、第1露出部24で袋体2を開封する作業を容易にすることができる。
【0067】
なお、本発明に係る容器体及び容器並びに袋体の開封方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0068】
例えば、本発明に係る容器体及び容器は、床の上等に設置する場合、即ち、床置きタイプである場合でもよく、例えば、フック等に掛けられて吊られる場合、即ち、吊下げタイプである場合でもよい。なお、吊下げタイプの場合には、容器3,4に、フック等に引っ掛けられる引掛部を設けることが好ましい。
【0069】
また、本発明に係る容器体(容器)は、容器3(4)を分解及び組立可能に構成してもよい。例えば、一対の開口部311,321(43,44)を基準にして(例えば図2(a)のA−A線で)、容器3(4)を二つの部材に分解可能に構成すれば、内容物1及び袋体2を一方の部材に収容した後に、他方の部材を一方の部材に合わせるように組み立てることで、各開口部311,321(43,44)を介して、袋体2の各露出部24,25が容器3(4)の外部に露出するように、開封前の袋体2を容器3(4)に収容できる。
【0070】
また、本発明に係る容器体(容器)は、容器の開口部に、外周部で袋体2に接する回転体が設けられてなる場合でもよい。具体的には、容器の開口部に、袋体2を挟むように一対の回転体(回転ローラ)が配設され、円柱状の各回転体は、袋体2を挟む方向と直交する方向を中心に回転可能に構成される場合でもよい。
【0071】
斯かる構成によれば、袋体2が開口部から引き出されるのに伴って、外周部で袋体2に接する回転体が回転する。これにより、回転体が無い場合と比較して、例えば、袋体2を開口部から引き出す力(袋体2と容器との摩擦力)を小さくすることもできるため、袋体2を開口部から円滑に引き出すことができる。
【0072】
また、上記実施形態に係る容器体においては、内容物1が揮発性液体を吸収させた吸収材である場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、内容物は、複数の粒状体である場合でもよく、ドライアイスといった気化する固形状である場合でもよく、また、ジェル状の液体である場合でもよい。
【0073】
なお、内容物がジェル状の液体の場合、袋体2が引き出される側の開口部の大きさを変更できる構成とするのが好ましい。斯かる構成によれば、袋体2が引き出される際に、開口部の大きさを小さくすることで、ジェル状の内容物を容器の内部に絞り出すことができる。
【0074】
また、上記実施形態に係る容器体においては、袋体2の封入部21が長手方向に亘って略同一の幅寸法で形成されている場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、袋体は、長手方向の一方側から他方側に向けて幅広となるように形成される場合でもよい。斯かる構成によれば、他方側の露出部で袋体を開封することにより、袋体の開放する部位を大きくすることができるため、袋体2から内容物1を出し易くできる。
【0075】
また、上記実施形態に係る容器体においては、袋体2に設けられる切断開始部241,251が切欠である場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、切断開始部は、ハーフカット、切込、又は複数の穴(貫通、非貫通微細孔)等から構成されてもよく、要するに、切断工具を用いることなく、切断できる構成であればよい。
【0076】
また、上記実施形態に係る容器体(容器3,4)においては、容器3(4)が長尺な直方体状に形成され、容器3,4の長手方向の一方側と他方側とにそれぞれ第1及び第2開口部311,321(43,44)が配設される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、容器は、円柱状や三角柱状に形成される場合でもよく、また、容器の幅方向の一方側と他方側とにそれぞれ開口部が配設される場合でもよい。
【0077】
また、上記実施形態に係る容器体(容器3,4)においては、各開口部311,321,43,44が直線状のスリットで形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、開口部は、曲線状の(湾曲した)スリットで形成される場合でもよく、また、円形状や多角形状に形成される開口である場合でもよい。
【0078】
要するに、開口部は、袋体2が開封される前(未開封の状態)においては、袋体を完全に引き抜くことができないような大きさに設定されていると共に、反対の開口部から露出する露出部で袋体が開封され、袋体が反対の開口部から引き出される際には、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるような大きさに設定されていればよい。
【0079】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、各挟持部41,41(42,42)が互いに容器本体40に対して相対的に変位可能に構成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、一対の挟持部の内、一方の挟持部が容器本体に対して相対的に変位することで、一対の挟持部が接離可能に構成される場合でもよい。
【0080】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、袋体2を容器4から引き出す際に、挟持部41(42)の挟持片411(421)が内容物1を係止する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、各挟持部41(42)の連結片412(422)の突出部412a(422a)が内容物1を係止する場合でもよい。
【0081】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、連結片412(422)が弾性変形することにより、一対の挟持部41,41(42,42)が接離する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、開口部は、例えばゴム等の弾性体で形成され、対向する内縁同士が接近するように弾性変形することで、袋体2を挟持するように構成される場合でもよい。
【0082】
また、上記第2実施形態に係る容器体(容器4)においては、連結片412(422)への操作を解除すると、連結片412(422)が復元することにより、一対の挟持部41,41(42,42)が離反する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0083】
例えば、一対の挟持部は、袋体2を挟持する状態で掛止し合うことにより、連結片への操作を解除しても、袋体2を挟持する状態を維持可能に構成される場合でもよい。具体的には、一方の挟持片411(421)に設けられる凸状部411a(421a)が、他方の挟持片411(421)に設けられる凹状部411b(421b)に掛止可能に構成される場合でもよい。
【0084】
また、上記実施形態に係る袋体2の開封方法においては、袋体2を容器3,4から完全に抜き出す場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、内容物1の一部だけを袋体2から出すように、袋体2を容器3,4から引き出す場合でもよい。斯かる方法によれば、例えば、内容物1における揮発性液体が揮発する量を調整することができる。
【符号の説明】
【0085】
1…内容物、2…袋体、3…容器、4…容器、24…(第1)露出部、25…(第2)露出部、41…(第1)挟持部、42…(第2)挟持部、43…(第1)開口部、44…(第2)開口部、241,251…切断開始部、311…(第1)開口部、321…(第2)開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、
容器は、内容物が通過するのを防止できる形状に形成される開口部を、一方側及び他方側にそれぞれ備え、
袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成されることを特徴とする容器体。
【請求項2】
内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、
容器は、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、
袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成され、
他方側の開口部は、開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする容器体。
【請求項3】
容器は、袋体を挟持すべく、接離可能な一対の挟持部を少なくとも一つ備え、
少なくとも一方側の開口部は、離間する一対の挟持部で構成される請求項1又は2に記載の容器体。
【請求項4】
袋体は、露出部が切断されることで開封されるべく、少なくとも一方側の露出部に、切断の開始となる切断開始部を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の容器体。
【請求項5】
内容物を封入する袋体を収容する容器において、
袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、
各開口部は、内容物が通過するのを防止すべく、内容物を係止可能な形状に形成されることを特徴とする容器。
【請求項6】
内容物を封入する袋体を収容する容器において、
袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、
他方側の開口部は、一方側の開口部を介して露出する部位で開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項1〜4の何れか1項に記載の容器体における、袋体の開封方法であって、
内容物が袋体から出られるように、一方側の露出部で袋体を開封する工程と、
他方側の露出部を操作することで、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるように、袋体を他方側の開口部から引き出す工程とを備えることを特徴とする袋体の開封方法。
【請求項1】
内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、
容器は、内容物が通過するのを防止できる形状に形成される開口部を、一方側及び他方側にそれぞれ備え、
袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成されることを特徴とする容器体。
【請求項2】
内容物と、内容物を封入する袋体と、内容物及び袋体を収容する容器とを備える容器体であって、
容器は、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、
袋体は、各開口部を介して容器から露出する露出部を一対備えると共に、内容物が袋体から出られるように、少なくとも一方側の露出部で開封可能に構成され、
他方側の開口部は、開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする容器体。
【請求項3】
容器は、袋体を挟持すべく、接離可能な一対の挟持部を少なくとも一つ備え、
少なくとも一方側の開口部は、離間する一対の挟持部で構成される請求項1又は2に記載の容器体。
【請求項4】
袋体は、露出部が切断されることで開封されるべく、少なくとも一方側の露出部に、切断の開始となる切断開始部を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の容器体。
【請求項5】
内容物を封入する袋体を収容する容器において、
袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、
各開口部は、内容物が通過するのを防止すべく、内容物を係止可能な形状に形成されることを特徴とする容器。
【請求項6】
内容物を封入する袋体を収容する容器において、
袋体の一部を一方側及び他方側からそれぞれ露出させるべく、一方側及び他方側にそれぞれ開口部を備え、
他方側の開口部は、一方側の開口部を介して露出する部位で開封された袋体が他方側の開口部から引き出される際に、内容物が内部で袋体から押し出されるような形状に形成されることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項1〜4の何れか1項に記載の容器体における、袋体の開封方法であって、
内容物が袋体から出られるように、一方側の露出部で袋体を開封する工程と、
他方側の露出部を操作することで、内容物が容器の内部で袋体から押し出されるように、袋体を他方側の開口部から引き出す工程とを備えることを特徴とする袋体の開封方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−25431(P2012−25431A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165807(P2010−165807)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(591206142)京都リフレ新薬株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(591206142)京都リフレ新薬株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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