説明

容器供給装置

【課題】上流の搬送コンベヤからその入口コンベヤを経由して前記容器処理機器へ容器を供給する容器供給装置において、入口コンベヤ上で容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持しつつも、密着容器に変形或いは損傷を与えない。
【解決手段】上流の搬送コンベヤ7からその入口コンベヤ6を経由して容器処理機器5へ容器Bを供給する容器供給装置である。入口コンベヤ6上で容器処理機器5に供給されつつある容器B相互間の密着量を検知できる容器センサ9が設けられている。制御装置10は、容器センサ9によって検知した容器密着量に応じて搬送コンベヤ7の搬送速度(容器供給量)を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流の搬送コンベヤからその入口コンベヤを経由して容器処理機器へ容器を供給する容器供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、容器供給装置においては、コンベヤによって容器をラベラ等の容器処理機器へ供給する場合に、コンベヤの搬送速度を前記容器処理機器の処理能力よりも高めに設定して、多数個の容器をコンベヤ上に集積した状態、即ち、容器密着状態で前記容器処理機器の運転をしていることが多く、集積容器が満杯になったら後続からの容器搬送を停止し、満杯が解除されたら(容器が不足してきたら)後続からの容器搬送を再開するという制御方式としている。
また、エア搬送コンベヤで空のPETボトル等の容器を搬送する場合に、容器がコンベヤで多量に集積されると後方からの容器の高い押圧により容器が変形或いは損傷してしまうことがあるため、前記エア搬送コンベヤの途中に搬送機構を設けて、前記エア搬送コンベヤ上で容器が満杯になっている時には搬送機構で容器搬送を停止または低速にし、前記エア搬送コンベヤ上で容器が不足している時には搬送機構で容器搬送を高速にするという工夫がなされてきた。(特許文献1)
【0003】
コンベヤで容器をラベラ等の容器処理機器へ容器を供給する場合に、前記説明のように、容器処理機器の入口コンベヤにある程度以上の容器を集積して、容器が間隔を切り離した状態でなく容器が密着した状態で途切れることなく容器供給することが容器処理機器の性能上必要となることがある。
一方、前記入口コンベヤでの容器密着量が多すぎると、密着した容器による押圧が高くなって、容器処理機器駆動装置の過負荷防止機構が作動し、これに対処するために多大な時間を無駄にしてしまうことがあり、また、容器が前記高い押圧によって変形或いは損傷してしまうことがあるので、容器密着量を適切に制限することも必要となることがある。
前記説明の一見矛盾した条件を解決するため、入口コンベヤで容器による押圧を高めずに一定量の容器密着量で容器に変形或いは損傷を与えず、また、容器処理機器に不具合を生じさせないようにする要求が高まりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−250842号公報(図13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1によれば、エア搬送コンベヤの搬送制御装置は、エア搬送コンベヤの容器搬送経路の両側に、対向する一対の無端状のベルトで空PETボトル等の容器を保持して搬送する搬送機構を設けて、その下流側に設けた複数の容器センサによる容器の満杯或いは不足の検出に基づき、前記搬送機構の搬送速度を停止又は低速、或いは、高速の制御を行って、エア搬送コンベヤで搬送する容器が過多な容器密着量による高い押圧によって変形或いは損傷することを防止するとしている。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1の技術では、前記説明した従来一般に使用されているガラスびん等の容器の搬送コンベヤにおける満杯或いは不足を解消する制御と同様に、前記搬送機構による容器搬送制御が単にエア搬送コンベヤでの容器の満杯或いは不足を解消するだけの機能であることにより、コンベヤでの容器密着量を適切な一定量に制御することができないという恐れがある。
【0007】
本発明は、上流の搬送コンベヤからその入口コンベヤを経由して前記容器処理機器へ容器を供給する容器供給装置おいて、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できて、密着容器に変形或いは損傷を与えることなく、また、容器処理機器に過多な容器密着量による不具合を生じさせないようにする容器供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1) 第1の手段の容器供給装置は、上流の搬送コンベヤからその入口コンベヤを経由し
て容器処理機器へ容器を供給する容器供給装置において、前記搬送コンベヤが容器供給能力を制御可能な能力制御コンベヤであって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を検知できる容器センサを設け、該容器センサによって検知した容器密着量に応じて制御装置により前記搬送コンベヤの搬送速度(容器供給量)を制御することによって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする。
【0009】
(2)第2の手段の容器供給装置は、前記第1の手段の容器供給装置において、前記搬送コンベヤ或いは前記入口コンベヤに、容器を保持して搬送補助をする搬送補助装置をさらに備えて、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量に応じて制御装置により前記搬送補助装置の搬送速度(容器搬出量)を制御することによって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする。
【0010】
(3)第3の手段の容器供給装置は、前記第1の手段の容器供給装置において、前記入口コンベヤの上流側に前記搬送コンベヤを直列に配置し、容器を保持して搬送補助をする搬送補助装置を前記搬送コンベヤの下流側と前記入口コンベヤの上流側に跨るように備えて、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量に応じて制御装置により前記搬送補助装置の搬送速度(容器搬出量)を制御することによって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする。
【0011】
(4)第4の手段の容器供給装置は、前記第1から第3の手段の容器供給装置において、前記入口コンベヤの搬送速度を前記搬送コンベヤ或いは前記搬送補助装置の搬送速度よりも高くして、前記入口コンベヤ上の前記容器密着部より上流側が所定間隔の容器切り離し状態となる容器切り離し区間を設けるように前記制御装置を構成したことを特徴とする。
【0012】
(5)第5の手段の容器供給装置は、前記第4の手段の容器供給装置において、前記容器切り離し区間に設けた容器センサによる容器検知によって、前記入口コンベヤ上での容器密着量を監視できるようにし、該監視により前記搬送コンベヤ、前記搬送補助装置、前記入口コンベヤの搬送速度を制御して、前記容器切り離し区間で容器切り離し状態を維持しながら前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする。
【0013】
(6)第6の手段の容器供給装置は、前記第2から第5の手段の容器供給装置において、前記搬送補助装置を、前記搬送コンベヤ或いは前記入口コンベヤの容器搬送経路の両側に対向して配置した一対の駆動式無端状ベルトの間に容器を保持して搬送補助をするように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係わる本発明は、上流の搬送コンベヤからその入口コンベヤを経由して容器処理機器へ容器を供給する容器供給装置において、前記搬送コンベヤが容器供給能力を制御可能な能力制御コンベヤであって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を検知できる容器センサを設け、該容器センサによって検知した容器密着量に応じて制御装置により前記搬送コンベヤの搬送速度(容器供給量)を制御するようにしたことにより、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持することができるという効果を有する。
【0015】
請求項2に係わる本発明は、前記請求項1に記載する容器供給装置において、前記搬送コンベヤ或いは前記入口コンベヤに、容器を保持して搬送補助をする搬送補助装置をさらに備えた構成としたことにより、搬送補助装置による容器供給量の能力制御が、前記搬送コンベヤによる容器供給量の能力制御を補助して、能力制御を確実なものとすることができるという効果を有する。
【0016】
請求項3に係わる本発明は、前記請求項1に記載する容器供給装置において、前記入口コンベヤの上流側に前記搬送コンベヤを直列に配置し、容器を保持して搬送補助をする搬送補助装置を前記搬送コンベヤの下流側と前記入口コンベヤの上流側に跨るように備えた構成としたことにより、搬送補助装置から適切に切り離されて搬出された容器が搬出直後に前記入口コンベヤで搬送されるので、能力制御をさらに確実なものとすることができるという効果を有する。
【0017】
請求項4に係わる本発明は、前記請求項1から3に記載する容器供給装置において、前記入口コンベヤの搬送速度を前記搬送コンベヤ或いは前記搬送補助装置の搬送速度よりも高くして、前記入口コンベヤ上の前記容器密着部より上流側が所定間隔の容器切り離し状態となる容器切り離し区間を設けるようにしたことにより、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持しやすくなるという効果を有する。
【0018】
請求項5に係わる本発明は、前記請求項4に記載する容器供給装置において、前記容器切り離し区間に設けた容器センサによる容器検知によって、前記入口コンベヤ上での容器密着量を監視できるようにし、該監視により前記搬送コンベヤ、前記搬送補助装置、前記入口コンベヤの搬送速度を制御するようにしたことにより、前記容器切り離し区間で容器切り離し状態を維持しながら前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるという効果を有する。
【0019】
請求項6に係わる本発明は、前記請求項2から5に記載する容器供給装置において、前記搬送補助装置を、前記搬送コンベヤ或いは前記入口コンベヤの容器搬送経路の両側に対向して配置した一対の駆動式無端状ベルトの間に容器を保持して搬送補助をするように構成したことにより、搬送補助装置直前の上流側で該搬送補助装置により搬送のブレーキをかけられる容器が噛み込み等の不具合を生じないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる容器供給装置を組み込んだラインの一部を示す平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる容器供給装置を組み込んだラインの一部を示す平面図で、図1に相当する図であり、一部切断としてある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0022】
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる容器供給装置を組み込んだラインの一部を示す平面図である。
図2は、図1のII−II断面図である。
図3は、図1のIII−III断面図である。
図1において、容器供給装置1は、上流のF1方向から搬入されてくる容器Bが、容器供給能力を制御可能な能力制御コンベヤである搬送コンベヤ7上を一対の側面ガイド7gにガイドされながら搬送され、前記搬送コンベヤ7の途中に設けられた搬送補助装置8により、所定間隔に切り離されながら搬出され、斜めガイドを含む一対の側面ガイド71にガイドされながら前記搬送コンベヤ7から並列配置の入口コンベヤ6上を搬送されて、下流のラベラ(ここでは、容器処理機器をラベラとしている。以下、容器処理機器をラベラと称する。)5のスクリュー54部へ供給されるようになっている。
【0023】
前記ラベラ5は、入口部でガイド54gに対向して設けられた前記スクリュー54の回転により所定の容器間隔に割り出された容器Bが、入口スターホイール52によって矢印52aの方向に搬送され、該ラベラ5の回転体51によって矢印51aの方向に搬送されている間に図示しないラベルを貼付された後、出口スターホイール53によって矢印53aの方向に搬送され、図示53e部で矢印F2の方向へ搬出されるようになっており、前記スクリュー54は、前記回転体51、入口スターホイール52、出口スターホイール53と同期して駆動されるようになっている。
なお、図1において、前記回転体51、入口スターホイール52、出口スターホイール53は、容器保持部の図示を省略して要部のみを概念図として図示している。
【0024】
また、前記搬送補助装置8は、駆動プーリ82dと従動プーリ82に張設された一対の無端状ベルト81が前記搬送コンベヤ7の両側に対向して設けられて、容器Bが矢印8aの方向に走行する前記一対の無端状ベルト81の間に保持され、所定の容器間隔に切り離されて搬出されるように構成されている。
【0025】
前記ラベラ5、入口コンベヤ6、搬送コンベヤ7、搬送補助装置8は、それぞれ駆動装置5d、駆動装置6d、駆動装置7d、駆動装置8dによって駆動されるように構成されており、また、前記駆動装置5d、駆動装置6d、駆動装置7d、駆動装置8dは制御装置10からの指令によって作動され、搬送速度、即ち、容器処理能力或いは容器供給能力を制御されるようになっている。
【0026】
前記搬送補助装置8の下流側で前記容器Bが間隔を切り離された状態で搬送されている区間、即ち、容器切り離し区間には、容器センサ9が設けられており、さらに、該容器センサ9の下流側で前記容器Bが密着状態で搬送されている区間には、容器センサ11が設けられており、前記容器センサ9および前記容器センサ11は、それぞれ投光器9sと受光器9rおよび投光器11sと受光器11rによって構成されていて、前記容器センサ9および前記容器センサ11の容器検出信号が前記制御装置10に送られるようになっている。
【0027】
ここで、前記入口コンベヤ6上で前記スクリュー54の入口部から上流側へ容器Bが所定量の密着状態にある時は、即ち、容器センサ11によって容器Bの密着状態を検知されている時は、前記ラベラ5が容器処理(ここではラベル貼付)の運転をされるようになっており、前記入口コンベヤ6上で前記スクリュー54の入口部から上流側へ容器Bが所定量の密着状態にない時は、即ち、容器センサ11によって容器Bが密着状態でないと検知された時は、前記ラベラ5が機械停止される等の制御がなされるように制御装置10が構成されている。
【0028】
また、前記容器センサ9によって容器Bの切り離し状態を検知された時は、前記搬送コンベヤ7は定常の搬送速度(容器供給能力)で運転され、また、同様に前記搬送補助装置8は定常の搬送速度(容器搬出能力)で運転されるように制御装置10が構成されている。
前記容器センサ9によって容器Bの密着状態を検知された時は、前記搬送コンベヤ7は定常より低い適切な搬送速度で運転(容器供給量を少なくした運転)をされ、また、同様に、前記搬送補助装置8は定常より低い適切な搬送速度で運転(容器搬出量を少なくした運転)をされるように制御装置10が構成されている。
【0029】
前記搬送補助装置8の上流側には、容器センサ12および容器センサ13が所定の箇所に設けられており、前記容器センサ12および前記容器センサ13は、それぞれ投光器12sと受光器12rおよび投光器13sと受光器13rによって構成されていて、前記容器センサ12および前記容器センサ13の容器検出信号が前記制御装置10に送られるようになっている。
【0030】
ここで、前記搬送コンベヤ7上で前記搬送補助装置8の上流側の容器Bが、容器センサ12によって密着状態を検知され、容器センサ13によって密着状態を検知されていない時は、前記搬送コンベヤ7は所定の搬送速度で運転され、また、容器センサ12によって密着状態を検知されていなくて、容器センサ13によって密着状態を検知されていない時は、前記搬送コンベヤ7は定常より高い適切な搬送速度で運転され、さらに、容器センサ12によって密着状態を検知され、容器センサ13によって密着状態を検知された時は、前記搬送コンベヤ7は定常より低い適切な搬送速度で運転される等、前記制御装置10によって制御されるようになっている。
【0031】
次に、本発明の第1の実施の形態の容器供給装置1の作用を説明する。
本発明の作用を分り易くするために、先ず、搬送補助装置8が無い場合について説明する。
入口コンベヤ6上を搬送される容器Bは、容器センサ11によって密着状態を検知され、容器センサ9によって切り離し状態を検知されている場合には、制御装置10によって入口コンベヤ6上で前記ラベラ5に供給されつつある容器Bの密着量が定常状態と判断して、ラベラ5は定常能力で運転され、上流の搬送コンベヤ7も定常の搬送速度(容器供給能力)で運転される。
【0032】
前記入口コンベヤ6が前記搬送コンベヤ7よりも高い搬送速度で運転されることにより、容器Bは前記搬送コンベヤ7から前記入口コンベヤ6への乗り移り部近辺において切り離し状態で搬送される。
このようにして、容器Bは、入口コンベヤ6上で前記ラベラ5に供給されつつある状態では適切な容器密着量で前記ラベラ5に供給されるとともに、入口コンベヤ6の搬送速度に応じて入口コンベヤ6の搬送速度よりも低く制御された適切な搬送速度である搬送コンベヤ7の能力制御により、前記容器密着部の上流側では所定の間隔に切り離された状態を維持して搬送供給される。
【0033】
前記説明において、容器センサ9によって切り離し状態を検知されなくなった場合(即ち容器センサ9の箇所で容器密着状態となった場合)には、制御装置10によって上流の搬送コンベヤ7の搬送速度を適切に低くするように制御される。これにより入口コンベヤ6への容器Bの搬送量が減らされて、やがて容器センサ9の箇所での容器Bが切り離し状態になり、容器センサ9により容器Bの切り離し状態が検知されるようになって、制御装置10からの指令により搬送コンベヤ7が定常の搬送速度で運転されるようになる。このような制御により、前記搬送コンベヤ7は能力制御コンベヤとして作用する。
【0034】
搬送補助装置8が有る場合には、容器Bは、該搬送補助装置8によって所定間隔に切り離されて搬出される。
入口コンベヤ6上の容器Bが、容器センサ11によって密着状態を検知され、前記容器センサ9によって切り離し状態を検知されている場合には、制御装置10によって入口コンベヤ6上で前記ラベラ5に供給されつつある容器Bの密着量が定常状態と判断して、ラベラ5は定常能力で運転され、上流の搬送補助装置8も定常の搬送速度(容器搬出能力)で運転される。
【0035】
前記説明において、容器センサ9によって容器Bの切り離し状態が検知されなくなった場合(即ち容器センサ9の箇所で容器Bが密着状態となった場合)には、制御装置10によって搬送補助装置8の搬送速度を適切に低くするように制御される。これにより入口コンベヤ6への容器Bの搬送量が減らされて、容器センサ9の箇所での容器Bが切り離し状態になり、容器センサ9により容器Bの切り離し状態が検知されるようになって、制御装置10からの指令により搬送補助装置8が定常の搬送速度で運転されるようになる。このような制御により、搬送補助装置8は、容器搬出の切り離し間隔が確実であることから、前記説明の搬送コンベヤ7を補助して容器Bの切り離し間隔を確実なものとすることができる。
【0036】
前記ラベラ5の能力が高くなった場合には、制御装置10からの指令で、入口コンベヤ6の搬送速度が適切に高くなるように制御され、それに伴って搬送コンベヤ7、搬送補助装置8の搬送速度も適切に高くなるように制御される。また、前記ラベラ5の能力が低くなった場合には、制御装置10からの指令で、入口コンベヤ6の搬送速度が適切に低くなるように制御され、それに伴って搬送コンベヤ7、搬送補助装置8の搬送速度も適切に低くされるように制御されて、前記説明のように、制御装置10によって入口コンベヤ6上で前記ラベラ5に供給されつつある容器Bの密着量が適切に制御される。
【0037】
なお、前記搬送コンベヤ7は、容器センサ12および容器センサ13による搬送速度の制御も行われる。即ち、容器センサ12によって容器Bの密着状態を検知され、容器センサ13によって容器Bの密着状態を検知されていない時には、前記搬送コンベヤ7は所定の定常能力で運転される。
また、容器センサ12によって容器Bの密着状態を検知されていなくて、容器センサ13によって容器Bの密着状態を検知されていない時、或いは、容器センサ12によって容器Bの密着状態を検知され、容器センサ13によって容器Bの密着状態を検知された時には、それぞれ前記搬送コンベヤ7は定常よりも高い適切な搬送速度で運転され、或いは、定常よりも低い適切な搬送速度で運転される等の搬送速度の制御が行われ、これに伴ってラベラ5の能力および入口コンベヤ6の搬送速度が適切に制御されるが、詳細な説明は省略する。
【0038】
前記説明のように、入口コンベヤ6で容器Bの切り離し区間に設けられた容器センサ9による容器検知を基に搬送コンベヤ7、搬送補助装置8の能力制御を行って、容器Bはラベラ5に適切な密着量で供給され、容器密着量過多の場合に生じやすい容器の変形或いは傷付き等の損傷を防止できるとともに、ラベラ5への容器密着量過多による過負荷を防止できる。
【0039】
前記説明では、搬送補助装置8を一対の無端状ベルト81により容器を保持し、所定の間隔に切り離して搬出する場合を説明したが、搬送補助装置8をスクリュー方式としてもよく、また、スターホイール方式としてもよく、所定の間隔に容器切り離しを行う搬送補助ができるものであればその構成を限定するものではない。
また、前記説明では、搬送補助装置8を搬送コンベヤ7に設ける場合を説明したが、搬送補助装置8を入口コンベヤ6に設けることとしてもよく、詳細な説明は省略する。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係わる容器供給装置を組み込んだラインの一部を示す平面図で、図1に相当する図であり、一部切断としてある。
図4において、図1と同じ構造のものは同じ記号を付してあり、重複する説明は省略する。
図4において、容器供給装置2は、容器Bを一対のガイド17gでガイドしながら搬送する搬送コンベヤ17の下流側が、容器Bを一対のガイド16gでガイドしながら搬送する入口コンベヤ16の上流側に直列の配置となっており、容器Bを保持し、所定の間隔に切り離して搬出する搬送補助装置8が前記搬送コンベヤ17の下流端と前記入口コンベヤ16の上流端に跨るように備えられている。
【0041】
また、容器センサ9、容器センサ11、容器センサ12、容器センサ13の容器検知信号が制御装置20に送られるようになっているとともに、ラベラ5、入口コンベヤ16、搬送コンベヤ17、搬送補助装置8のそれぞれ駆動装置5d、駆動装置16d、駆動装置17d、駆動装置8dが制御装置20からの指令によって作動され、搬送速度を制御されるように構成されている。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる容器供給装置2の作用を説明する。
入口コンベヤ16上を搬送されている容器Bは、容器センサ11によって密着状態を検知され、前記容器切り離し区間に設けられている容器センサ9によって切り離し状態を検知されている場合には、制御装置20によって入口コンベヤ16上で前記ラベラ5に供給されつつある容器Bの密着量が定常状態と判断して、ラベラ5は定常能力で運転され、上流の搬送コンベヤ17も定常の搬送速度(容器供給能力)で運転され、搬送補助装置8も定常の搬送速度(容器搬出能力)で運転されて、前記搬送補助装置8から搬出される容器Bは所定間隔の切り離し状態で入口コンベヤ16上を搬送される。
【0043】
前記説明において、容器センサ9によって容器Bの切り離し状態が検知されなくなった場合(即ち容器センサ9の箇所で容器Bが密着状態となった場合)には、制御装置20によって上流の搬送コンベヤ17および搬送補助装置8の搬送速度を適切に低くするように制御される。
入口コンベヤ16への容器Bの搬送量を減らすと、容器センサ9によって容器Bの切り離し状態が検知されるようになることに伴い、搬送コンベヤ17および搬送補助装置8が定常の能力で運転されるようになり、前記搬送コンベヤ17および搬送補助装置8は能力制御用として作用する。このような制御により、搬送補助装置8は、容器Bの切り離し間隔を確実に適切な状態にして搬出し、前記容器Bの切り離し状態を適切に維持することができる。
【0044】
前記ラベラ5の能力が高くなった場合には、制御装置20からの指令で、入口コンベヤ16の搬送速度が適切に高くなるように制御され、それに伴って搬送コンベヤ17、搬送補助装置8の搬送速度も適切に高くなるように制御される。また、前記ラベラ5の能力が低くなった場合には、制御装置20からの指令で、入口コンベヤ16の搬送速度が適切に低くなるように制御され、それに伴って搬送コンベヤ17、搬送補助装置8の搬送速度も適切に低くされるように制御されて、前記説明のように、制御装置20によって入口コンベヤ16上で前記ラベラ5に供給されつつある容器Bの密着量が適切に制御される。
【0045】
本発明の第2の実施の形態の場合は、搬送コンベヤ17と入口コンベヤ16が直列配置となっているので、搬送補助装置8は、搬送コンベヤ17から供給されてくる容器Bを所定間隔に切り離して入口コンベヤ16へ直接搬出し、前記容器Bの適切な切り離し状態を確実にすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1、2 容器供給装置
5 ラベラ(容器処理機器)
6、16 入口コンベヤ
7、17 搬送コンベヤ
8 搬送補助装置
9、11、12、13 容器センサ
10、20 制御装置
54 スクリュー
81 無端状ベルト
B 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流の搬送コンベヤからその入口コンベヤを経由して容器処理機器へ容器を供給する容器供給装置において、前記搬送コンベヤが容器供給能力を制御可能な能力制御コンベヤであって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を検知できる容器センサを設け、該容器センサによって検知した容器密着量に応じて制御装置により前記搬送コンベヤの搬送速度(容器供給量)を制御することによって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする容器供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載する容器供給装置において、前記搬送コンベヤ或いは前記入口コンベヤに、容器を保持して搬送補助をする搬送補助装置をさらに備えて、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量に応じて制御装置により前記搬送補助装置の搬送速度(容器搬出量)を制御することによって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする容器供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載する容器供給装置において、前記入口コンベヤの上流側に前記搬送コンベヤを直列に配置し、容器を保持して搬送補助をする搬送補助装置を前記搬送コンベヤの下流側と前記入口コンベヤの上流側に跨るように備えて、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量に応じて制御装置により前記搬送補助装置の搬送速度(容器搬出量)を制御することによって、前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする容器供給装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載する容器供給装置において、前記入口コンベヤの搬送速度を前記搬送コンベヤ或いは前記搬送補助装置の搬送速度よりも高くして、前記入口コンベヤ上の前記容器密着部より上流側が所定間隔の容器切り離し状態となる容器切り離し区間を設けるように前記制御装置を構成したことを特徴とする容器供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載する容器供給装置において、前記容器切り離し区間に設けた容器センサによる容器検知によって、前記入口コンベヤ上での容器密着量を監視できるようにし、該監視により前記搬送コンベヤ、前記搬送補助装置、前記入口コンベヤの搬送速度を制御して、前記容器切り離し区間で容器切り離し状態を維持しながら前記入口コンベヤ上で前記容器処理機器に供給されつつある容器の密着量を所定量に維持できるように構成したことを特徴とする容器供給装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一項に記載する容器供給装置において、前記搬送補助装置を、前記搬送コンベヤ或いは前記入口コンベヤの容器搬送経路の両側に対向して配置した一対の駆動式無端状ベルトの間に容器を保持して搬送補助をするように構成したことを特徴とする容器供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−240842(P2012−240842A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116034(P2011−116034)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】