説明

容器保持具、容器保持具の装着方法および容器保持具を用いた容器包装体

【課題】比較的小さな力で装着できるとともに、容器をがたつくことなく支持可能な容器保持具、この容器保持具の装着方法およびこの容器保持具を用いた容器包装体を提供する。
【解決手段】容器保持具3は、容器の頭部の外形よりも小さい外形に形成されていて、弾性変形により押し広げられることにより容器の頭部が挿通してくびれ部(首部)の外側に嵌まる容器保持孔31を備えている。容器保持孔31の開口周縁には、容器保持孔31内に容器のくびれ部(首部)が嵌挿されたとき、屈曲して容器の頭部の側面に当接する支持片32が等間隔に複数設けられている。各支持片32は、その先端縁が、平面視において凸曲状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を陳列用台などに吊り下げた状態で展示する際に容器に装着したり、また、例えば広告・宣伝を容器に掲示したり、あるいはサンプルや小型商品などを容器に付帯したりする際に容器に装着する容器保持具、この容器保持具の装着方法およびこの容器保持具を用いた容器包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬剤、食品、化粧品などの商品を、例えば店頭などに吊り下げた状態で陳列展示できるように包装する手段として、台紙の上に商品を載せた後、商品を収納可能な凹部を有する透明のプラスチックカバーを商品の上から被せて包装するブリスタ包装や、シュリンクフィルムなどの筒状の樹脂製フィルムで商品を包み込んで一体に包装するシュリンク包装などが一般的に知られている。
【0003】
ここで、上記したブリスタ包装においては、商品を収納可能な凹部の大きさを、商品より大きく形成すると、商品を台紙上の所定位置に保持することができないため、運搬時などにおいて商品が移動して商品の向きや位置が所定位置から大きくずれると、商品の見栄えが悪くなるだけでなく、商品の変形や損傷を招くおそれもある。よって、商品を台紙上の所定位置に保持するためには、商品の外形に応じた凹部をプラスチックカバーに形成する必要があるが、これでは包装対象となる商品の形状が制限され不便である。また、上記したシュリンク包装においては、商品をシュリンクフィルムで包装する際に、台紙と容器の位置がずれてしまうおそれがあり、位置ずれしたまま包装してしまうと、同様に、包装後の商品の見栄えが悪くなる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そこで、特に、瓶容器やペットボトルなどの容器を包装する際には、図18に示すように、台紙100に容器の首部が係合し得る容器保持孔101を設け、この容器保持孔101にて容器の首部を受けることにより、容器を所定位置に保持することが一般に行われている。このような容器保持孔101は、その径rが、容器の頭部の外径より小さく設定されているとともに、容器保持孔101から放射状に延びるスリット102が複数設けられており、このスリット102を介して容器保持孔101が容易に拡径することで、容器保持孔101は、容器の頭部が容易に通過して首部に係合するようになっている。
【0005】
また、瓶容器やペットボトルなどの容器は、キャンペーンなどの広告・宣伝を容器に掲示したり、サンプルや小型商品(いわゆる、「おまけ」)などを容器に付帯させたりする際に、広告内容を記載したラベルや、おまけを収容した箱を、容器の首部に装着した状態で、陳列・販売することが広く行われている。この場合においても、ラベルや箱の底部に、上述したような容器の首部が係合し得る容器保持孔を形成し、この容器保持孔に容器の首部を係合させることにより、ラベルや箱を容器に装着するようにするのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−104310号公報
【特許文献2】特開2000−98895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した図18の構成の容器保持孔101では、容器保持孔101の径rが容器の首部の径よりも大き過ぎると、容器保持孔101内に容器の首部をセットしても、容器保持孔101内で容器の首部ががたつき、これにより、場合によって容器が台紙などから外れたりするなどの問題点がある。一方、容器保持孔101の径を小さくして容器の首部とほぼ同じ大きさにすると、容器保持孔101内に容器の頭部を通して首部をセットする際に、容器保持孔101を拡径するために多大な力が必要となる。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、比較的小さな力で装着できるとともに、がたつくことなく容器を支持することができる容器保持具、この容器保持具の装着方法、およびこの容器保持具を用いた容器包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、胴部、前記胴部に一体形成される首部、前記首部先端の口部を塞ぐ頭部、および前記胴部の上方に位置する内側に向けて凹むくびれ部を備えた容器の前記くびれ部に装着される容器保持具であって、前記容器の頭部の外形よりも小さい外形に形成されていて、弾性変形により押し広げられることにより前記容器の頭部が挿通して前記くびれ部の外側に嵌まる容器保持孔を備えており、前記容器保持孔の開口周縁には、前記容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されたとき、屈曲して前記頭部および/または前記首部の側面に当接する支持片が所定領域に設けられている容器保持具により達成される。
【0010】
本発明の好ましい一実施態様の容器保持具は、前記容器の首部が胴部および頭部の外形よりも小さい外形に形成されていて、前記胴部と前記頭部との間に存在する前記首部が前記くびれ部を構成する容器に装着され、前記各支持片は、前記容器保持孔内に前記容器の首部が嵌挿されたとき、前記頭部の側面に当接することを特徴としている。
【0011】
本発明の好ましい他の実施態様の容器保持具は、前記容器の首部の基端部に肉厚が厚い厚肉部が設けられているとともに、前記頭部が前記首部の厚肉部と外形がほぼ同じ大きさに形成されていて、前記くびれ部が前記頭部または前記首部の厚肉部に設けられた容器に装着され、前記各支持片は、前記容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されたとき、前記頭部および/または前記首部の厚肉部の側面に当接することを特徴としている。
【0012】
本発明の好ましい他の実施態様の容器保持具は、前記容器の頭部の下端部が胴部の上面近くまで達していて、前記くびれ部が前記頭部に設けられた容器に装着され、前記各支持片は、前記容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されたとき、前記頭部の側面に当接することを特徴としている。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持片は、前記容器保持孔の開口周縁の等角度位置の複数箇所に設けられていることを特徴としている。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持片の先端縁は、平面視において凹曲状に形成されていることを特徴としている。
【0015】
上記した構成の容器保持具において、前記支持片の先端縁の凹曲形状は、前記支持片の先端縁が容器の頭部の上部中央に形成された円形状の目印の一部と一致するように形成されていることが好ましい。
【0016】
本発明のさらに好ましい他の実施態様においては、前記支持片の先端縁は、平面視において凸曲状に形成されていることを特徴としている。
【0017】
上記した構成の容器保持具において、前記支持片の先端縁の凸曲形状は、前記支持片の頂部が容器の頭部の上部中央に形成された円形状の目印上に位置するように形成されていることが好ましい。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記容器保持具は、台紙からなることを特徴としている。
【0019】
本発明のさらに好ましい他の実施態様においては、前記容器保持具は、箱状体からなり、箱状体の底部に前記容器保持孔および支持片が設けられていることを特徴としている。
【0020】
また、本発明の上記目的は、胴部、前記胴部に一体形成される首部、前記首部先端の口部を塞ぐ頭部、および前記胴部の上方に位置する内側に向けて凹むくびれ部を備えた容器の前記くびれ部に容器保持具を装着するための装着方法であって、弾性を有し、前記容器の頭部の外形よりも小さい外形に形成された容器保持孔を備える容器保持具を前記容器の頭部上に供給する供給工程と、前記容器の頭部に前記容器保持具の容器保持孔を押し当て、弾性変形により前記容器保持孔を押し広げることにより、前記容器の頭部を前記容器保持孔に挿通して前記容器保持孔内に前記くびれ部を嵌挿するとともに、前記容器保持孔の開口周縁に設けられた支持片を屈曲させて前記頭部および/または前記首部の側面に当接させる取付工程とを備えている容器保持具の装着方法によって達成される。
【0021】
本発明の好ましい実施態様においては、供給された前記容器保持具の容器保持孔の中心が前記容器の頭部の中心と一致するように前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行う位置合わせ工程をさらに備え、前記容器の頭部には、上部中央に円形状の目印が形成されており、前記支持片の先端縁は、平面視において凹曲状に形成され、かつ、前記頭部の目印の一部と一致する形状に形成されており、前記支持片の先端縁を前記頭部の目印に一致させることにより、前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行うことを特徴としている。
【0022】
本発明の好ましい他の実施態様においては、供給された前記容器保持具の容器保持孔の中心が前記容器の頭部の中心と一致するように前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行う位置合わせ工程をさらに備え、前記容器の頭部には、上部中央に円形状の目印が形成されており、前記支持片の先端縁は、平面視において凸曲状に形成され、かつ、その頂部が、前記頭部の目印上に位置するように形成されており、前記支持片の先端縁の頂部を前記頭部の目印に一致させることにより、前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行うことを特徴としている。
【0023】
また、本発明の上記目的は、上記した容器保持具と、胴部、前記胴部に一体形成される首部、前記首部先端の口部を塞ぐ頭部、および前記胴部の上方に位置する内側に向けて凹むくびれ部を備える容器とを備え、前記容器保持具の容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されるとともに、前記容器保持孔の開口周縁に設けられた支持片が前記容器の頭部および/または首部の側面に当接することによって、前記容器が前記容器保持具に保持される容器包装体によって達成される。
【0024】
上記した構成の容器包装体においては、前記容器保持具に保持される容器全体を被包する樹脂製フィルムをさらに備えることが好ましい。また、前記容器保持具には、端部に吊下げ用の鉤部材が引っ掛けられる貫通孔が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、比較的小さな力で装着できるとともに、容器をがたつくことなく保持することができる容器保持具、この容器保持体を容器に装着するための装着方法、および、この容器保持具により容器が保持された包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態である容器包装体の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の縦断面図である。
【図4】容器の正面図である。
【図5】容器の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態である容器保持具の平面図である。
【図7】他の実施形態の容器保持具の平面図である。
【図8】他の実施形態の容器保持具の平面図である。
【図9】他の実施形態の容器保持具の平面図である。
【図10】図9の容器保持孔の拡大図である。
【図11】他の実施形態の容器保持具の平面図である。
【図12】他の実施形態の容器保持具の平面図である。
【図13】他の実施形態の容器の正面図である。
【図14】他の実施形態の容器の正面図である。
【図15】他の実施形態の容器の正面図である。
【図16】他の実施形態の容器保持具の斜視図である。
【図17】図16の実施形態の容器保持具の縦断面図である。
【図18】従来例の容器保持具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および図2には、本発明の一実施形態である容器包装体1の外観が、また図3には、図1および図2に示す実施形態の容器包装体1の構造が、それぞれ示してある。なお、図2および図3では、図1において図示されている樹脂製フィルム4が省略されている。図示例の容器包装体1は、商品として薬液、化粧品、香料、飲料水などの内容物が内部に充填された容器2を包装してかつ陳列するためのもので、容器2を横倒しの状態で支持する容器保持具3と、容器2を容器保持具3と一体に包装する樹脂製フィルム4とを含んでいる。
【0028】
容器2は、図4および図5に示すように、内容物を貯留する胴部21と、胴部21に連続して一体形成された円筒状の首部22と、首部22の先端部に設けられた胴部21内の内容物を注出するための口部23を密閉する頭部20とを有する構成のものである。頭部20は、首部22に着脱可能に被せられるキャップ24からなる。首部22は、その外形が胴部21および頭部20の外形よりも小さい外形に形成されていて、頭部20と胴部21との間に存在する首部22により、胴部21の上方位置に、容器2の内側に向けて凹むくびれ部26が形成されている。このくびれ部26に容器保持具3が装着される。
【0029】
この容器2としては、ガラス瓶やペットボトル、金属缶など、形態や素材などが種々の態様のものを適用できる。頭部20の上部中央(つまり、キャップ24の上部中央)には、詳細は後述するが、容器保持具3を容器2に装着させる際に、容器2と容器保持具3との位置合わせを容易にするための円形状の目印25が形成されている。
【0030】
本実施形態の容器保持具3は、図1〜図3、および図6に示すように、弾性を有するシート材からなり、例えば、厚紙材からなる略矩形状の台紙により構成できる。なお、容器保持具3を構成するシート材としては、弾性を有していれば、台紙の他、例えば、樹脂製シート、金属製シート、あるいは、これらの積層体を用いてもよい。
【0031】
容器保持具3の上端側の幅中央部には、吊り下げ用の鉤部材(図示せず)を引っ掛けることが可能な円形状の貫通孔30が開設されている。この貫通孔30に陳列用のパネル(図示せず)に設けられた前記鉤部材を引っ掛けて、容器包装体1を吊り下げ状態で支持することで、商品である容器2を陳列することが可能となっている。
【0032】
容器保持具3の下端側の幅中央部には、容器2のくびれ部26(首部22)が嵌まることが可能な容器保持孔31が形成されている。この容器保持孔31にて容器2のくびれ部26(首部22)を保持することにより、容器2が容器保持具3に支持される。容器保持孔31の外形は、本実施形態では、容器2の頭部20および首部22の形状に相応するように円形状に形成されており、その径R(図6に示す)は、容器2の頭部20の外径R1(図4に示す)よりも小さく、かつ、容器2の首部22の外径R2(図4に示す)よりも大きく設定されている。
【0033】
容器2の頭部20を容器保持孔31内に押し込むときは、容器保持具3は弾性があるので、容器保持孔31を押し広げることで、容器2の頭部20は容器保持孔31を難なく通過し、容器2の頭部20が容器保持孔31を通過した後は、容器保持孔31はもとの狭い状態に戻って容器2のくびれ部26(首部22)の外側に嵌まる。よって、容器保持孔31内に嵌挿された容器2のくびれ部26(首部22)は、容器2の頭部20が容器保持孔31に引っ掛かることで、容易に容器保持孔31から脱出することができず、容器保持孔31内で保持されるようになっている。
【0034】
容器保持孔31の開口周縁には、所定の領域に、内方に向けて突き出る支持片32が突設されている。この支持片32の基端部は容器保持具3に一体に連なっており、この連なった部分を折曲部として支持片32は上下に屈曲することが可能である。この支持片32は、容器保持孔31内に容器2のくびれ部26(首部22)が嵌挿されたとき、外側(奥側)へ開くように屈曲して容器2の頭部20の側面に接し、弾性力により容器2の頭部20を側方から支える。よって、容器2のくびれ部26(首部22)は、容器保持孔31内でがたつくことなくしっかりと保持されるようになっている。
【0035】
本実施形態では、支持片32は、容器保持孔31の開口周縁の等角度位置の複数箇所(図示例では4箇所)に設けられており、これにより、容器2の頭部20を各支持片32により均等に支えることができるようになっている。なお、各支持片32は、容器保持具3を切り欠くことによって容器保持孔31を形成する際に、各支持片32に対応する部分を切り取らずに残すことによりそれぞれ形成されている。
【0036】
各支持片32は、その先端縁が、平面視において凸曲状に形成されている。本実施形態では、支持片32の全体がなだらかな丸い山形状に形成されている。また、各支持片32は、左右対称の形状を有しており、それぞれの頂部33が、所定の径を有する円の上に乗る、具体的には、容器2の頭部20の上部中央に形成された円形状の目印25上に乗るように形成されている。これにより、後述するように、容器保持具3を容器2に装着させる際に、容器保持孔31の中心O1を容器2の頭部20の中心O2に合わせる位置合わせを容易に行えるようになっている。また、本実施形態では、各支持片32の頂部33が丸みを帯びていることで、頂部が尖っている場合と比べると、頂部33が潰れにくくなっており、容器保持孔32と容器2の頭部20との位置合わせを不利なく行えるようになっている。
【0037】
なお、各支持片32の平面視形状は、本実施形態の形状に限られるものではない。例えば図7に示す実施形態のように、頂部33のみが丸い略台形の山形状であってもよい。また、図8に示す実施形態のように、各支持片32の先端縁が、平面視において凹曲状に形成されていてもよい。この図8に示す実施形態においては、各支持片32の先端縁の凹曲形状は、各支持片32の先端縁が、それぞれ所定の径を有する円の一部を構成する、具体的には、容器2の頭部20の円形状の目印25の一部と一致するような形状に形成されている。これによっても、後述する容器保持具3を容器2に装着させる際に、容器保持孔31の中心O1を容器2の頭部20の中心O2に合わせる位置合わせを容易に行えるようになっている。
【0038】
さらに、容器保持孔3の外形は、円形状に限られるものではなく、容器2の頭部20の形状に相応して変化させたり、あるいは、容器2の頭部20に引っ掛かるのであれば、容器2の頭部20の形状とは関係のないその他種々の形状を採用することもでき、その形状は問わない。例えば、図9および図10に示す実施形態のように、容器保持孔31の外形を、容器2の頭部20の外形よりも小さい多角形状に形成するようにしてもよい。なお、この実施形態では、8個の支持片32が、容器保持孔31の開口周縁に等間隔で配設されている。このように、容器保持孔31の開口周縁に配設する支持片32の数も任意に設定することができる。
【0039】
また、この図9に示す実施形態では、容器保持孔31,31が上下二段に設けられており、各容器保持孔31,31に容器2のくびれ部26(首部22)を嵌め込むことで、1つの容器保持具3に2個の容器2を上下で支持することができるようになっている。このように、容器保持具3に設ける容器保持孔31の数も任意に設定することができる。
【0040】
また、複数の支持片32を、必ずしも、容器保持孔31の開口周縁に等間隔で配置する必要はなく、各支持片32間の間隔をそれぞれ変えたり、さらには、図11に示す実施形態のように、複数(図示例では3つ)の支持片32を間隔を設けずに並べて配置して支持片の列34を形成し、この支持片の列34を容器保持孔31の開口周縁の複数箇所(図示例では2箇所)に設けるようにしてもよい。
【0041】
また、図12に示す実施形態のように、多数(図示例では7つ)の支持片32を間隔を設けずに並べて配置することで、1つの支持片の列34を、容器保持孔31の開口周縁の半分以上の領域に及ぶようにして設けてもよい。この図12に示す実施形態においては、この支持片の列34は、容器保持孔31内に容器2のくびれ部26(首部22)が嵌挿されたとき、容器2の頭部20側面の少なくとも上半分側に当接するように、容器保持孔31の開口周縁に設けられることが好ましい。容器保持孔31にてくびれ部26(首部22)が保持されることで容器2が容器保持具3に横倒しの状態で支持される状態では、容器2の頭部20と胴部21との重さの差により、胴部21がその自重により垂れ下がるとともに頭部20が浮きあがって、容器2が下方に傾くおそれがある。しかし、この支持片の列34によって、容器2の頭部20側面の上半分側を支えることにより、容器2の頭部20の浮きあがりが抑制される結果、容器2が下方に傾くことを防止でき、よって、容器2をがたつくことなくしっかりと支持できるようになっている。
【0042】
容器保持具3の下端部には、舌片35が下方に向かって一体に連設されている。この舌片35は、折曲げ線36によって前方側へ折り曲げることができるように構成されており、横倒しの状態で支持された容器2の側面に当接して、容器2を下方から支える。これにより、容器包装体1を吊り下げ状態でなくとも、台上などに載置して陳列することが可能となっている。
【0043】
また、容器保持具3に容器2をより確実に保持するため、以下のように樹脂製フィルム4を巻いてもよい。容器保持具3の両側端部には、容器2が取り付けられる取付領域の上方位置に、V字状の切欠部37が形成されている。この各切欠部37および容器保持具3の下端両側の角部38に樹脂製フィルム4を引っ掛けることで、樹脂製フィルム4をずれることなく容器保持具3にセットすることが可能となっている。なお、容器保持具3の両側端部の容器2の取付領域の下方位置にもV字状の切欠部を形成し、上下の切欠部にて樹脂製フィルム4を引っ掛けるような構成にしてもよい。
【0044】
樹脂製フィルム4は、容器保持具3の表面に容器2が保持された状態で、これらを一体に囲繞することにより、容器2を包装して保護するとともに容器保持具3に容器2をしっかりと固定させるものである。この樹脂製フィルム4としては、例えば、シュリンクフィルム、ラップフィルムなどが用いられる。
【0045】
なお、樹脂製フィルム4に代えて、容器2を収納可能な凹部を有する透明のプラスチックカバーにより、容器2の包装を行うようにしてもよい。このプラスチックカバーは、接着や係合手段などの公知の方法により、容器包装具3の表面に取り付けることが可能である。
【0046】
次に、上記構成を備えた容器包装体1を使用する方法について説明する。まず、容器2を立てた状態で載置して、容器2の頭部20上に、シート状の容器保持具3を供給する。このとき、容器保持具3に設けられた容器保持孔31の中心O1が容器2の頭部20の中心O2と一致するように、容器保持具3を容器2上に供給する。容器保持具3と容器2の位置合わせは、容器2の頭部20に設けられた円形の目印25(図2に示す)と、容器保持孔31の開口周縁に設けられた支持片32とを用いて行うことができる。
【0047】
つまり、図6および図7に示す実施形態のように、容器保持孔31に設けられた支持片32の先端縁が凸曲状に形成されている場合には、各支持片32の先端縁の頂部33が容器2の頭部20の目印25上にそれぞれ配置されるように、容器保持具3の位置を調整することにより、容器保持孔31の中心O1と容器2の頭部20の中心O2との位置合わせを行うことができる。一方、図8〜図12に示す実施形態のように、容器保持孔31に設けられた支持片32の先端縁が凹曲状に形成されている場合には、各支持片32の先端縁が容器2の頭部20の目印25の一部とそれぞれ一致するように、容器保持具3の位置を調整することにより、容器保持孔31の中心O1と容器2の頭部20の中心O2との位置合わせを行うことができる。
【0048】
次に、容器保持具3を下方に降ろして、容器2の頭部20に容器保持具3の容器保持孔31を押し当て、容器2の頭部20により容器保持孔31を拡径させる。その結果、容器2の頭部20が容器保持孔31を通過して、容器2のくびれ部26(首部22)の外側に容器保持孔31が嵌まる。この際、容器保持孔31の開口周縁に設けられた各支持片32は、容器2の頭部20によって上側に折り曲げられることにより、弾性力により容器2の頭部20の側面に当接して、容器2の頭部20を側方から支持する。
【0049】
このようにして容器保持具3が装着された容器2は、その頭部20が各支持片32によって側方から支持されているので、くびれ部26(首部22)が容器保持孔31内でがたつくことなくしっかりと保持される。その結果、容器保持具3に支持された容器2ががたついたり、がたつきにより容器保持具3から容易に抜け落ちて外れたりすることが防止される。加えて、各支持片32により、くびれ部26(首部22)が容器保持孔31内でがたつくことなくしっかりと保持されているので、容器保持孔31の径R(図6に示す)を、容器2のくびれ部26(首部22)と同程度まで小さくしてくびれ部26(首部22)ががたつかないようにしておく必要はなく、容器2の頭部20の径R1(図3に示す)より小さければ、比較的大きな径に設定することもできる。その結果、容器保持孔31内に容器2の頭部20を挿入する際に、比較的小さな力で容器保持孔31を拡径させることができる。
【0050】
最後に、容器2および容器保持具3を樹脂製フィルム4で一体に囲繞することにより、包装を行う。こうして、容器2を包装した容器包装体1は、出荷された後、店頭で吊り下げ状態などで陳列される。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、上記した実施形態においては、容器2の胴部21と頭部20との間に存在する内側に凹む首部22がくびれ部26を構成しているが、必ずしもこれに限られるものではなく、くびれ部26は、図13に示す構成のものであってもよい。図13の実施形態においては、容器2は、頭部20の下端部が下方に向けて延びて、容器2の胴部21の上面近くまで達しており、頭部20が首部22のほぼ全体を覆って頭部20と胴部21との間には隙間がほとんどなく、頭部20と胴部21との間に内側に凹む部分を有さない構成になっている。この実施形態においては、容器2の頭部20の下部に、外周面を容器2の内側に向けて一周にわたって凹ませることで、長径を他の部分よりも短くしたくびれ部26を設けている。なお、この実施形態の容器2および容器保持具3も、基本的な構成は上記した実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成に同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0052】
この実施形態においては、容器保持孔31内に容器2の頭部20が挿入されると、容器2の頭部20により容器保持孔31が拡径し、その結果、容器2の頭部20に設けられたくびれ部26の外側に容器保持孔31が嵌まる。この際、容器保持孔31の開口周縁に設けられた各支持片32は、容器2の頭部20によって上側に折り曲げられることにより、弾性力により容器2の頭部20の側面に当接して、容器2の頭部20を側方から支持する。このように、本実施形態によれば、頭部20と胴部21との間に内側にくびれる部分を有さない形態の容器2についても、上記した頭部20と胴部21との間に内側にくびれる部分を備える形態の容器2と同様の作用・効果を得られる。
【0053】
また、容器2は、その成形方法によっては独自の形態を有するものもあり、例えば図14に示すように、その成形方法の特性上、首部22の基端部(首部22の胴部21との境界部)に、部分的に肉厚に形成された厚肉部22Aを有するものもある。このような図14に示す容器2については、容器2の頭部20の外形を、頭部20に覆われずに外部に露出する首部22の厚肉部22Aの外形とほぼ同じ大きさに形成するとともに、首部22の厚肉部22Aの外周面に、容器2の内側に向けて凹むくびれ部26を設けることによっても、上記した実施形態と同様の作用・効果を得られる。
【0054】
つまり、容器保持孔31内に容器2の頭部20が挿入されると、容器2の頭部20により容器保持孔31が拡径する。その結果、容器2の頭部20が容器保持孔31を通過して、首部22の厚肉部22Aに設けられたくびれ部26の外側に容器保持孔31が嵌まる。この際、容器保持孔31の各支持片32は、容器2の頭部20によって上側に折り曲げられることにより、弾性力により容器2の厚肉部22Aおよび頭部20の側面に当接して、容器2を側方から支持するため、容器2が容器保持具3に横倒しの状態で支持される。
【0055】
なお、図14の実施形態においては、くびれ部26を首部22の厚肉部22Aに設けたが、図15に示すように、くびれ部26を頭部20の外周面の下部に設けるように構成しても、上記した実施形態と同様の作用・効果を得られる。
【0056】
また、上記した実施形態では、容器2を支持するための支持具として本発明の容器保持具が用いられているが、例えば、お茶、コーヒーのような飲料水を入れたペットボトルなどの容器2の販売に際し、アクセサリー、模型、お菓子のような小物商品をおまけとして収納して容器2に付帯することのできる商品収容具としても本発明の容器保持具を用いることもできる。
【0057】
この実施形態の容器保持具5は、図16および図17に示すように、内部におまけDを収容可能な収容空間50を有する箱状体により構成されている。容器保持具5の底部中央部には、容器2のくびれ部26(首部22)が嵌まることが可能な容器保持孔53が形成されている。この容器保持孔53は、上記した実施形態の容器保持孔31と同様の構成を有しており、その径Rが、容器2の頭部20の外径R1よりも小さく、かつ、容器2の首部22の外径R2よりも大きく設定されているとともに、容器保持孔53の開口周縁には、容器保持孔53内に容器2のくびれ部26(首部22)が嵌挿されたとき、容器保持具5の内部に屈曲して容器2の頭部20の側面に当接する支持片54が複数設けられている。
【0058】
この実施形態の容器保持具5においても、容器2に容器保持具5が装着された際、容器2の頭部20が、上方に屈曲した各支持片54によって弾性力により側方から支持されるので、くびれ部26(首部22)が容器保持孔53内でがたつくことなくしっかりと保持される。その結果、容器保持具5が容器2に対してがたついたり、がたつきにより容器2から容易に外れたりするのが防止される。加えて、各支持片54により、容器2のくびれ部26(首部22)を容器保持孔31内にてしっかりと保持するので、容器保持孔53の径を、容器2のくびれ部26(首部22)と同程度まで小さくする必要はなく、容器2の頭部20の径より小さければ、比較的大きな径に設定することもできるので、容器2のくびれ部26(首部22)に容器保持具5を簡単に装着することができる。
【0059】
なお、この実施形態では、おまけDは、容器2の頭部20上や、あるいは、容器保持具5の内壁と容器2の頭部20外週面との間に配置されるようになるが、容器保持具5の内部の収容空間50を仕切りなどにより上下に二分割して、おまけDを収容可能なおまけ収容空間、および、容器2の頭部20を収容可能な容器収容空間の二つの空間を形成するようにしてもよい。
【0060】
また、この実施形態では、容器保持具5を箱状体により構成しているが、これに限られるものではなく、例えば、おまけDが軽量のものであれば、容器保持具5をラベル状に形成し、このラベル状の容器保持具5におまけDを取り付けて、容器2の首部22に吊り下げるように構成しても構わない。
【符号の説明】
【0061】
1 容器包装体
2 容器
3 容器保持具
4 樹脂製フィルム
20 頭部
21 胴部
22 首部
23 口部
24 キャップ
25 目印
26 くびれ部
30 貫通孔
31 容器保持孔
32 支持片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部、前記胴部に一体形成される首部、前記首部先端の口部を塞ぐ頭部、および前記胴部の上方に位置する内側に向けて凹むくびれ部を備えた容器の前記くびれ部に装着される容器保持具であって、
前記容器の頭部の外形よりも小さい外形に形成されていて、弾性変形により押し広げられることにより前記頭部が挿通して前記くびれ部の外側に嵌まる容器保持孔を備えており、
前記容器保持孔の開口周縁には、前記容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されたとき、屈曲して前記容器の頭部および/または首部の側面に当接する支持片が所定領域に設けられている容器保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の容器保持具であって、
前記容器の首部が胴部および頭部の外形よりも小さい外形に形成されていて、前記胴部と前記頭部との間に存在する前記首部が前記くびれ部を構成する容器に装着され、
前記各支持片は、前記容器保持孔内に前記容器の首部が嵌挿されたとき、前記頭部の側面に当接することを特徴とする容器保持具。
【請求項3】
請求項1に記載の容器保持具であって、
前記容器の首部の基端部に肉厚が厚い厚肉部が設けられているとともに、前記頭部が前記首部の厚肉部と外形がほぼ同じ大きさに形成されていて、前記くびれ部が前記頭部または前記首部の厚肉部に設けられた容器に装着され、
前記各支持片は、前記容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されたとき、前記頭部および/または前記首部の厚肉部の側面に当接することを特徴とする容器保持具。
【請求項4】
請求項1に記載の容器保持具であって、
前記容器の頭部の下端部が胴部の上面近くまで達していて、前記くびれ部が前記頭部に設けられた容器に装着され、
前記各支持片は、前記容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されたとき、前記頭部の側面に当接することを特徴とする容器保持具。
【請求項5】
前記支持片は、前記容器保持孔の開口周縁の等角度位置の複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項6】
前記支持片の先端縁は、平面視において凹曲状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項7】
前記支持片の先端縁の凹曲形状は、前記支持片の先端縁が容器の頭部の上部中央に形成された円形状の目印の一部と一致するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の容器保持具。
【請求項8】
前記支持片の先端縁は、平面視において凸曲状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項9】
前記支持片の先端縁の凸曲形状は、前記支持片の頂部が容器の頭部の上部中央に形成された円形状の目印上に位置するように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の容器保持具。
【請求項10】
前記容器保持具は、台紙からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項11】
前記容器保持具は、箱状体からなり、箱状体の底面に前記容器保持孔および支持片が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の容器保持具。
【請求項12】
胴部、前記胴部に一体形成される首部、前記首部先端の口部を塞ぐ頭部、および前記胴部の上方に位置する内側に向けて凹むくびれ部を備えた容器の前記くびれ部に容器保持具を装着するための装着方法であって、
弾性を有し、前記容器の頭部の外形よりも小さい外形に形成された容器保持孔を備える容器保持具を前記容器の頭部上に供給する供給工程と、
前記容器の頭部に前記容器保持具の容器保持孔を押し当て、弾性変形により前記容器保持孔を押し広げることにより、前記容器の頭部を前記容器保持孔に挿通して前記容器保持孔内に前記くびれ部を嵌挿するとともに、前記容器保持孔の開口周縁に設けられた支持片を屈曲させて前記頭部および/または前記首部の側面に当接させる取付工程とを備えている容器保持具の装着方法。
【請求項13】
請求項12に記載の容器保持具の装着方法であって、
供給された前記容器保持具の容器保持孔の中心が前記容器の頭部の中心と一致するように前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行う位置合わせ工程をさらに備え、
前記容器の頭部には、上部中央に円形状の目印が形成されており、
前記支持片の先端縁は、平面視において凹曲状に形成され、かつ、前記頭部の目印の一部と一致する形状に形成されており、
前記支持片の先端縁を前記頭部の目印に一致させることにより、前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行うことを特徴とする容器保持具の装着方法。
【請求項14】
請求項12に記載の容器保持具の装着方法であって、
供給された前記容器保持具の容器保持孔の中心が前記容器の頭部の中心と一致するように前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行う位置合わせ工程をさらに備え、
前記容器の頭部には、上部中央に円形状の目印が形成されており、
前記支持片の先端縁は、平面視において凸曲状に形成され、かつ、その頂部が、前記頭部の目印上に位置するように形成されており、
前記支持片の先端縁の頂部を前記頭部の目印に一致させることにより、前記容器保持具と前記容器との位置合わせを行うことを特徴とする容器保持具の装着方法。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれかに記載の容器保持具と、胴部、前記胴部に一体形成される首部、前記首部先端の口部を塞ぐ頭部、および前記胴部の上方に位置する内側に向けて凹むくびれ部を備える容器とを備え、
前記容器保持具の容器保持孔内に前記容器のくびれ部が嵌挿されるとともに、前記容器保持孔の開口周縁に設けられた支持片が前記容器の頭部および/または首部の側面に当接することによって、前記容器が前記容器保持具に保持される容器包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−225278(P2011−225278A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221198(P2010−221198)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】