説明

容器内容物の泡生成用アタッチメント,容器内容物の泡生成用アタッチメントを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品

【課題】泡生成機能を備えた液状内容物放出機構における泡生成作用や組立作業効率の向上と、当該機能を備えていない液状内容物放出機構の泡状放出化を図る。
【解決手段】筒状部5a,5b,5cと泡生成用部材のメッシュ5e,5fからなる泡生成用アタッチメント5を、液状内容物の放出口4aに外付けした。外付けにより筒状部やメッシュの作成に際してのサイズ上の制約をなくした。トリガーレバー1の操作によって放出口4aから放出された容器本体7の内容物は、スリット5dからの空気を取り込みながらメッシュ5e,5f通過の攪拌作用で泡状物内容物となって外部空間に放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の液状内容物を収容した通常のポンプ容器やエアゾール容器などの放出口の外側に取り付けて使用される泡生成用アタッチメントである。
【0002】
すなわち、いわば外付けタイプの筒状部材であって、それが取り付けられたポンプ容器などの放出口から流入する液状内容物を、筒状内部のメッシュなどを通すことにより泡状にしてから外部空間に放出する機能を備えたものである。
【0003】
適用対象の液状内容物としては、例えば石けん,消毒剤,化粧品,乳液、シェービングフォーム,ヘアスタイリングフォーム,洗剤,染毛剤,シャンプー,リンス,殺虫剤など、後述のように各種のものがある。
【0004】
なお、本明細書においては、液状内容物が収容された容器本体のみならず当該容器本体からノズルまでの全体構成も含む意で「容器」の語を用い、また、泡生成用アタッチメントの放出口側(図1などの左側)を「前」と記し、これとは反対のノズル側(図1などの右側)を「後」と記す。
【背景技術】
【0005】
ポンプ容器などに収容された液状内容物の泡生成機能を持つ放出機構は例えば下記の特許文献1で開示されている。
【0006】
特許文献1の放出機構は、容器内容物(点鼻薬)の噴出ノズルの先端(放出口)に凹部を設けて、この凹部に、泡生成のための筒状のノズルチップがメッシュ部材とともに取り付けられたものである。
【0007】
そして、ノズルチップを噴出ノズルの先端凹部に取り付けた状態では、
(11)ノズルチップの内容物流入口にメッシュ部材が配置され、
(12)メッシュ部材の上流側通路域への外気流通路が、ノズルチップの外周面と噴出ノズルの先端凹部内周面との間に設定される。
【特許文献1】特開2008−132406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来の泡生成機能を備えた液状内容物放出機構は、ノズル自体の先端放出口に凹部を形成した上で、そこに泡生成用のメッシュ部材とその下流側部材に相当する筒状のノズルチップとをいわば組み込んでいる。
【0009】
すなわち、液状内容物の出力側放出通路としてのノズル先端側部分の一部を構成する内部空間域に、泡生成用の筒状のノズルチップを設けたものである。
【0010】
そのため、ノズルチップの長手方向や径方向の大きさは当然のことながらノズルの上記内部空間域のサイズ範囲に制約されてしまい、液状内容物の十分な泡生成作用を呈する大きさのノズルチップを用いることがむずかしかった。
【0011】
また、ノズル先端側部分の狭い内部空間域に小さなサイズのノズルチップやメッシュ部材などを組み込まなければならず、ノズルの組立作業全体の効率改善を図ることがむずかしかった。
【0012】
そこで、本発明では、液状内容物の放出口にいわば外付けする形の筒状部からなる泡生成用アタッチメントを提供して、泡生成用部材の作成に際してのサイズ上の制約をなくすとともに、泡生成用部材のノズル側への取付け作業の簡便化を図ることを目的とする。
【0013】
また、ポンプ容器やエアゾール容器の泡生成機能を備えていない各種液状内容物放出機構における泡状放出化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)液状の内容物を収容した容器の放出口(例えば後述の孔部4a)の外側に取り付けられることにより当該放出口から外部に続く形の内容物通路域として作用する筒状部(例えば後述の後側ジョイントブッシュ5a,中間ジョイントブッシュ5b,前側ジョイントブッシュ5c,上流側成形部材6a,下流側成形部材6b)と、
前記内容物通路域の前記放出口の側に設けられた外気取入れ用の内外連通部(例えば後述のスリット5d,孔部6b)と、
前記内容物通路域の前記内外連通部より下流側に設けられた泡生成作用部(例えば後述の後側メッシュ5e,6c,前側メッシュ5f,6e,格子状メッシュ11,蜂の巣状メッシュ12,円状メッシュ13,ターゲット状メッシュ14)と、
を備えた容器内容物の泡生成用アタッチメントを用いる。
(2)上記(1)において、
前記泡生成作用部は、
前記筒状部の内周面間に横断する形で設定されたメッシュ状のものである。
(3)上記(1),(2)において、
前記泡生成作用部は、
前記筒状部の前記内容物の流れ方向に離間した部分にそれぞれ設定されている。
(4)上記(3)において、
前記筒状部は、
前記内容物の流入側部分,第1の前記泡生成作用部および前記内外連通部が一体成形された上流側部材と、
前記内容物の流出側部分および第2の前記泡生成作用部が一体成形された下流側部材と、からなる。
【0015】
本発明は、以上の構成からなる容器内容物の泡生成用アタッチメントならびに当該泡生成用アタッチメントを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を対象としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明はこのように、液状内容物の放出口にいわば外付けする形の筒状部からなる泡生成用アタッチメントを用いているので、泡生成用部材の作成に際してのサイズ上の制約をなくすとともに、泡生成用部材の取付け作業自体の一層の簡便化を図ることができる。
【0017】
また、ポンプ容器やエアゾール容器の泡生成機能を備えていない各種液状内容物放出機構における泡状放出化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1〜図14を用いて本発明を実施するための最良の形態(図1〜図12)およびその比較例(図13,図14)を説明する。
【0019】
上述のように本発明の泡生成用アタッチメントはポンプ容器およびエアゾール容器のいずれにも適用できるものであるが、図面およびそれに基づく以下の記載では単なる説明の便宜上、ポンプ容器の場合を対象としている。
【0020】
ここで、
図1は、前後の計2枚のメッシュを有する泡生成用アタッチメントが取り付けられた放出機構の静止モードを示し、
図2は、図1の放出機構の放出モードを示し、
図3は、図1の泡生成用アタッチメントのメッシュの形状例を示し、
図4は、2ピースの筒状成形部材のみからなり図1とは異なるタイプの泡生成用アタッチメントを示し、
図5は、図2の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示し、
図6は、図5の放出動作により得られる泡状内容物を示し、
図7は、一枚の後側メッシュのみを有する泡生成用アタッチメントがノズル外周面に取り付けられた放出機構の一部を示し、
図8は、図7の放出機構の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示し、
図9は、図8の放出動作により得られる泡状内容物を示し、
図10は、一枚の前側メッシュのみを有する泡生成用アタッチメントがノズル外周面に取り付けられた放出機構の一部を示し、
図11は、図10の放出機構の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示し、
図12は、図11の放出動作により得られる泡状内容物を示し、
図13は、メッシュ無しのアタッチメントがノズル外周面に取り付けられた放出機構の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示し、
図14は、図13の放出動作により得られる泡状内容物を示している。
【0021】
以上の図で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば開口部1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えばトリガレバー1)の一部であることを示している。
【0022】
なお、参照番号6〜6eは図4のみで、参照番号5’は図7のみで、参照番号5’’は図10のみで、またL1〜L5は図1のみでそれぞれ用いている。
【0023】
図1,図2,図4,図7および図10において、
1は放出モード設定操作用の回動タイプのトリガレバー,
1aは当該トリガレバーの前側面上部分およびこれに続く天面前部分に形成されて後述のノズル3(ピストン2)の上下動を可能にするための開口部,
1bは当該トリガレバーの両側面にそれぞれ形成されて後述の軸部分9bとの係合作用によりトリガレバーの回動中心となる一対の孔部,
2はトリガレバー1の回動操作にともなって下動して放出モード位置に移動するL字状で筒状のピストン,
2aは内側の内容物通路,
2bはピストン外周面に形成されて、トリガレバー1の回動を当該ピストンの下方向への移動に変換するための周知の円柱状部(カムフォロワ部),
2cはピストン外周面に形成されて、後述の誤動作防止部材10の縦方向溝状部10bとの協働により誤操作防止(放出モード設定阻止)部材として作用する縦方向リブ状部,
3はピストン2の先端側に嵌合状態で取り付けられたノズル,
3aは当該ノズルの内容物流入側に形成される内容物通過用の第1の空間域,
4は底面部分に周知の噴霧用螺旋溝状部を有して、ノズル3の先端凹状部に嵌合状態で取り付けられたノズルチップ,
4aは内容物流出用の孔部,
4bは当該ノズルチップの内周面に形成された内容物通過用の溝状部,
4cは当該ノズルチップの底面側に形成される内容物通過用の第2の空間域,
5はノズル3の先端側外周面に後付けの形で取り付けられた泡生成用アタッチメント,
5aは後側ジョイントブッシュ,
5bは当該後側ジョイントブッシュと嵌合状態の中間ジョイントブッシュ,
5cは当該中間ジョイントブッシュと嵌合状態の前側ジョイントブッシュ,
5dは後側ジョイントブッシュ5aの後端部分に形成された空気取入れ用の例えば2個のスリット,
5eは後側ジョイントブッシュ5aと中間ジョイントブッシュ5bとに挟持された後側メッシュ,
5fは中間ジョイントブッシュ5bと前側ジョイントブッシュ5cとに挟持された前側メッシュ,
5’は前側メッシュ5fを省略して後側メッシュ5eのみを備えた泡生成用アタッチメント(図7参照),
5’’は後側メッシュ5eを省略して前側メッシュ5fのみを備えた泡生成用アタッチメント(図10参照),
6は二つの成形部材を嵌合させた形の泡生成用アタッチメント(図4参照),
6aは当該泡生成用アタッチメントの一方の構成要素である筒状の上流側成形部材,
6bは当該上流側成形部材に形成された空気取入れ用の例えば2個の孔部,
6cは当該上流側成形部材の一部であって泡生成用の後側メッシュ,
6dは当該泡生成用アタッチメントの他方の構成要素である筒状の下流側成形部材,
6eは当該下流側成形部材の一部であって泡生成用の前側メッシュ,
7は液状内容物を収容した容器本体,
8は容器本体7の開口部に螺合しているネジキャップ,
9はハウジング(図示省略)と一体化して、ピストン2や内部に配設された周知のポンプ機構を保護する筒状のカバー体,
9aは当該カバー体の上側小径部分から延びた形のアーム状部,
9bは当該アーム状部の上端側外面に形成されてトリガレバー1の孔部1bに入り込んだ状態で使用され、当該トリガレバーの回動操作の中心軸として作用する一対の軸部分,
9cは当該カバー体の下側大径部分の外周面に付されて後述の誤動作防止部材9の放出モード設定可能位置の目安を示すマーク,
10はカバー体8の上側小径部分に上下動せずに回動可能な形で取り付けられて、その回動位置に応じてピストン2の下動を阻止する、すなわち放出モード設定操作をできなくする誤動作防止部材,
10aは当該誤動作防止部材の回動操作用のつまみ,
10bはピストン2の縦方向リブ状部2cの進入を許容する縦方向溝状部,
11は格子状メッシュ,
12は蜂の巣状メッシュ,
13は円状メッシュ,
14はターゲット状メッシュ,
L1は泡生成用アタッチメントの長さ,
L2はノズルチップ4の孔部4aから後側メッシュまでの長さ,
L3は後側メッシュ5eから前側メッシュ5fまでの長さ,
L4は前側メッシュ5fから泡生成用アタッチメントの放出口までの長さ,
L5は泡生成用アタッチメントの内容物通路とスリット5dとの境界部分における軸方向の長さ,
をそれぞれ示している。
【0024】
ここで、トリガレバー1,ピストン2,ノズル3,ノズルチップ4,泡生成用アタッチメント5,5’,5’’,6,容器本体7,ネジキャップ8,カバー体9,誤動作防止部材10,格子状メッシュ11,蜂の巣状メッシュ12,円状メッシュ13およびターゲット状メッシュ14はそれぞれ、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0025】
図示した内容物放出機構の中で本発明に特有な構成要素はアタッチメント5,5’,5’’,6のみであり、このアタッチメントが取り付けられていない状態の内容物放出機構(ポンプ容器)自体は汎用的なものである。
【0026】
図1の静止モードのトリガレバー1を引いて図示反時計方向に回動させる途中の図2の放出モードでは、ネジキャップ8やカバー体9などの内部に設けられた周知のポンプ機構(図示省略)が動作してその吸込弁が閉じて吐出弁が開く。
【0027】
このポンプ作用により、吸込弁と吐出弁との間の貯留空間域に収容されていた液状内容物が「内容物通路2a−第1の空間域3a−溝状部4b−第2の空間域4c−孔部4a」を経て泡生成用アタッチメント5の内部空間域に霧状態で流入する。
【0028】
泡生成用アタッチメント5に流入した液状内容物は、後側メッシュ5eを通り、さらには前側メッシュ5fに通ってから外部空間に放出される。
【0029】
この外部空間への放出に際して、液状内容物は、泡生成用アタッチメント5の後側メッシュ5e、前側メッシュ5fや内周面部分にぶつかることにより攪拌されていわば細かくなった状態で、その中に空気を含んだ形の泡状内容物に変化する。
【0030】
この泡状内容物の生成に用いられた空気分に応じる形で、あるいは泡生成用アタッチメント5に流入した液状内容物の流れに応じる形で、外気が、スリット5dから吸入されてアタッチメント内部に取り込まれる。
【0031】
泡生成用アタッチメント5に組み込まれる後側メッシュ5e,前側メッシュ5fとしては、図3の格子状メッシュ11,蜂の巣状メッシュ12,円状メッシュ13およびターゲット状メッシュ14などが用いられる。泡生成用アタッチメント5’,5’’,6のそれぞれにおける各メッシュも同様である。
【0032】
なお、図5,図6,図8,図9,図11および図12の内容物放出状態の各検証では格子状メッシュ11を用いている。
【0033】
この各検証で用いた泡生成用アタッチメント5,5’,5’’および格子状メッシュ11の仕様は以下のとおりである(図1参照)。
(21)泡生成用アタッチメントの長さL1:24.9mm,同外径:11.6mm,同内径:7.1mm
(22)ノズルチップ4の孔部4aから後側メッシュ5eの後面までの長さL2:5.0mm
(23)後側メッシュ5eの後面から前側メッシュ5fの後面までの長さL3:10.5mm
(24)前側メッシュ5fの後面から泡生成用アタッチメント放出口までの長さL4:6.1mm
(25)泡生成用アタッチメントの内容物通路とスリット5dとの境界部分における軸方向の長さL5:1.5mm,当該境界部分の径方向の幅:0.8mm
(26)格子状メッシュ11の各孔部の大きさ:1.3mm×1.3mm,隣同士の孔部間隔:0.45mmm,当該メッシュの厚み:0.45mm
【0034】
以上の仕様からなる格子状メッシュ付の各泡生成用アタッチメントを図1のポンプ式製品に取り付けた上で、当該アタッチメントからの内容物放出状態を検証した。なお、液状内容物には洗顔料(花王株式会社製ビオレマシュマロホイップ)を用いている。また、格子状メッシュ11としては直径0.45mmの樹脂線を編んだものを用いた。
【0035】
図5および図6は、前側メッシュ5fおよび後側メッシュ5eをともに具備する泡生成用アタッチメント5を図1のポンプ式製品に取り付けたとき(図2参照)の内容物放出状態を写真撮影したものである。
【0036】
図8および図9は、後側メッシュ5eのみを具備する泡生成用アタッチメント5’を図1のポンプ式製品に取り付けたとき(図7参照)の内容物放出状態を写真撮影したものである。
【0037】
図11および図12は、前側メッシュ5fのみを持つ泡生成用アタッチメント5’を図1のポンプ式製品に取り付けたとき(図10参照)の内容物放出状態を写真撮影したものである。
【0038】
これらの検証結果からも明らかなように、前後それぞれのメッシュ5f,5eを備えた泡生成用アタッチメント5,後メッシュ5eのみを備えた泡生成用アタッチメント5’および前メッシュ5fのみを備えた泡生成用アタッチメント5’’のいずれを取り付けた場合にも、きめ細かくて連続したまとまり感のある泡状内容物を取り出すことができた。
【0039】
目視による印象でこれらを強いて比較すれば、泡生成用アタッチメント5の放出内容物(図5,図6参照)が最もまとまったクリーミー感を得るものであり、泡生成用アタッチメント5’’の放出内容物(図11,図12参照)がこれに次ぐものといえる。もっとも泡生成用アタッチメント5’の放出内容物(図8,図9参照)も十分なまとまり感を持っている。
【0040】
なお、図13および図14は、メッシュ無しのアタッチメントを図1のポンプ式製品にメポンプ式製品に取り付けたときの内容物放出状態を写真撮影したものである。
【0041】
本発明の泡生成用アタッチメントの基本的特徴は、ポンプ式製品やエアゾール式製品の放出口の外側に取り付けられた筒状部材であって、その内部の内容物通路にメッシュなどの泡生成作動用を設けたことである。
【0042】
したがって、上述の仕様で示した泡生成用アタッチメント5,5’,5’’および格子状メッシュ11の各数値も例えば一例にすぎないことは勿論である。
【0043】
図4の泡生成用アタッチメント6は二つの構成要素(上流側成形部材6a,下流側成形部材6d)のみからなっている。
【0044】
この上流側成形部材6aに形成された空気取入れ用の孔部6bの内径は1.2mmである。なお、上述の長さL2〜L4のそれぞれに相当する部分の値は泡生成用アタッチメント5,5’,5’’のそれと同様である。
【0045】
トリガレバー1の回動操作を止めると、周知のポンプ機構のコイルスプリング(図示省略)の作用によりピストン2が上方向に移動する。そしてトリガレバー1は、このピストン2の移動にともなうその円柱状部2bとのカム作用により図示時計方向に回動して、図1の静止モードに復帰する。
【0046】
本発明が以上の実施形態に限定されないことは勿論であり、例えば液状内容物を攪拌して泡状態にするための構成要素としては、上記メッシュのほかに、泡生成用アタッチメント内周面に形成された凹凸部やリブ状部なども用いられる。
【0047】
また、泡生成用アタッチメント5,5’,5’’の空気取入れ用のスリット5dや泡生成用アタッチメント6の空気取入れ用の孔部6bの形成個数はそれぞれ任意である。
【0048】
また、以上の泡生成用アタッチメントは、押下げ式,スパウト式などの各種操作釦を用いるタイプや、液状内容物を直噴または泡状噴射するタイプのポンプ式製品やエアゾール式製品にも適用しえる。
【0049】
本発明が適用されるポンプ式製品やエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,栄養補助食品(ビタミンなど)医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0050】
容器本体に収納する内容物は、主に液状のものを用いるが、噴霧・噴射可能なものであればクリーム状,ゲル状など種々の形態のものでもよい。また、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0051】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0052】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0053】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0054】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0055】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0056】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0057】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0058】
エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】前後の計2枚のメッシュを有する泡生成用アタッチメントが取り付けられた放出機構の静止モードを示す説明図である。
【図2】図1の放出機構の放出モードを示す説明図である。
【図3】図1の泡生成用アタッチメントのメッシュの形状例を示す説明図である。
【図4】2ピースの筒状成形部材のみからなり図1とは異なるタイプの泡生成用アタッチメントを示す説明図である。
【図5】図2の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示す説明図である。
【図6】図5の放出動作により得られる泡状内容物を示す説明図である。
【図7】一枚の後側メッシュのみを有する泡生成用アタッチメントがノズル外周面に取り付けられた放出機構の一部を示す説明図である。
【図8】図7の放出機構の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示す説明図である。
【図9】図8の放出動作により得られる泡状内容物を示す説明図である。
【図10】一枚の前側メッシュのみを有する泡生成用アタッチメントがノズル外周面に取り付けられた放出機構の一部を示す説明図である。
【図11】図10の放出機構の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示す説明図である。
【図12】図11の放出動作により得られる泡状内容物を示す説明図である。
【図13】メッシュ無しのアタッチメントがノズル外周面に取り付けられた放出機構の放出モードにおける液状内容物の放出状態を示す説明図である。
【図14】図13の放出動作により得られる泡状内容物を示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1:トリガレバー
1a:開口部
1b:一対の孔部
2:ピストン
2a:内容物通路
2b:円柱状部(カムフォロワ部)
2c:縦方向リブ状部
3:ノズル
3a:第1の空間域
4:ノズルチップ
4a:孔部
4b:溝状部
4c:第2の空間域
5:泡生成用アタッチメント
5a:後側ジョイントブッシュ
5b:中間ジョイントブッシュ
5c:前側ジョイントブッシュ
5d:複数のスリット
5e:後側メッシュ
5f:前側メッシュ
5’:泡生成用アタッチメント(図7参照)
5’’:泡生成用アタッチメント(図10参照)
6:泡生成用アタッチメント(図4参照)
6a:上流側成形部材
6b:複数の孔部
6c:後側メッシュ
6d:下流側成形部材
6e:前側メッシュ
7:容器本体
8:ネジキャップ
9:カバー体
9a:アーム状部
9b:一対の軸部分
9c:マーク
10:誤動作防止部材
10a:つまみ
10b:縦方向溝状部
11:格子状メッシュ
12:蜂の巣状メッシュ
13:円状メッシュ
14:ターゲット状メッシュ
L1:泡生成用アタッチメントの長さ
L2:ノズルチップ4の孔部4aから後側メッシュまでの長さ
L3:後側メッシュ5eから前側メッシュ5fまでの長さ
L4:前側メッシュ5fから泡生成用アタッチメントの放出口までの長さ
L5:内容物通路とスリット5dとの境界部分における軸方向の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の内容物を収容した容器の放出口の外側に取り付けられることにより当該放出口から外部に続く形の内容物通路域として作用する筒状部と、
前記内容物通路域の前記放出口の側に設けられた外気取入れ用の内外連通部と、
前記内容物通路域の前記内外連通部より下流側に設けられた泡生成作用部と、を備えている、
ことを特徴とする容器内容物の泡生成用アタッチメント。
【請求項2】
前記泡生成作用部は、
前記筒状部の内周面間に横断する形で設定されたメッシュ状のものである、
ことを特徴とする請求項1記載の容器内容物の泡生成用アタッチメント。
【請求項3】
前記泡生成作用部は、
前記筒状部の前記内容物の流れ方向に離間した部分にそれぞれ設定されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器内容物の泡生成用アタッチメント。
【請求項4】
前記筒状部は、
前記内容物の流入側部分,第1の前記泡生成作用部および前記内外連通部が一体成形された上流側部材と、
前記内容物の流出側部分および第2の前記泡生成作用部が一体成形された下流側部材と、からなる、
ことを特徴とする請求項3に記載の容器内容物の泡生成用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の容器内容物の泡生成用アタッチメントを備え、かつ、液状内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の容器内容物の泡生成用アタッチメントを備え、かつ、噴射用ガスおよび液状内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−142689(P2010−142689A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319823(P2008−319823)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年11月25日 株式会社エアゾール産業新聞社発行の「エアゾール&スプレー産業新聞(第1309号)」に発表
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】