説明

容器固定装置

【課題】基台に搭載した濾過塔、樹脂筒などの容器を、さらに安定的に固定することができる容器固定装置を提供すること。
【解決手段】本発明の容器固定装置1は、容器2の底部90を支持する基台3と、容器2の側面2A側に位置するように基台3に立設する複数本の支柱4と、平面視で連続的又は非連続的な環状に延び、複数本の支柱4それぞれに固定されると共に、容器2の側面2Aを支持する支持部材5と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過装置の濾過塔や軟水器の樹脂筒などの容器を固定する容器固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器の底部を支持する基台と、容器の側面側に位置するように基台に立設する複数本の支柱と、容器の側面を支持する支持ベルトと、を備える容器固定装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−179487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の容器固定装置は、支柱間を支持ベルトでつないで、容器を支持している。しかしながら、この支持ベルトは、フレキシブルな容器内に被輸送物が充填されているときでも空のときでも、容器がその形状を崩さないようにする手摺的な役目をするもので、基台に搭載した容器を締め付けて安定的に保持するためのものではない。
【0005】
また、特許文献1に記載の容器固定装置では、容器と支柱とが近接又は接触する構造を採っているため、合成樹脂製の濾過塔などのように耐衝撃性がない容器を特許文献1に記載の方式で固定すると、輸送時や地震時に容器及び支柱に単位面積あたりに大きな力が生じて、容器が割れやすい。
【0006】
本発明は、基台に搭載した容器を一層安定的に固定することができる容器固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器の底部を支持する基台と、前記容器の側面側に位置するように前記基台に立設する複数本の支柱と、平面視で連続的又は非連続的な環状に延び、複数本の前記支柱それぞれに固定されると共に、前記容器の側面を支持する支持部材と、を備える容器固定装置に関する。
【0008】
また、前記支持部材における前記容器との対向面は、クッション性を有するクッション部材からなり、前記支持部材における前記支柱との対向面は、剛性を有する剛性部材からなることが好ましい。
【0009】
また、前記支柱の上端部は、前記基台に支持された前記容器の上面近傍に位置しており、隣接する前記支柱それぞれに固定される前記支持部材同士は、非連続となっており、前記容器固定装置は、前記基台に支持された前記容器の上面近傍の位置において複数の前記支柱それぞれに固定され且つ平面視で連続的な環状に延びる補強部材を更に備えることが好ましい。
【0010】
また、前記支柱は、その下端部に基台固定部を有し、前記基台は、支柱固定部を有し、前記基台固定部と前記支柱固定部とは、互いに、水平方向に沿ってスライド可能に且つ固定可能に構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記支柱の上端部は、前記基台に支持された前記容器の上面よりも下方に位置し、前記支持部材は、連続的に環状に延びていることが好ましい。
【0012】
また、前記基台は、前記支柱の下端部を挿入可能な被挿入部を有し、前記支柱は、該支柱の下端部を前記被挿入部に挿入させた状態で、前記基台に立設することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の容器固定装置によれば、基台に搭載した容器を一層安定的に固定することができる容器固定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の容器固定装置1を用いて濾過塔2を固定した状態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の容器固定装置1を用いて濾過塔2を固定した状態を示す正面図である。
【図3】第1実施形態の容器固定装置1を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態の容器固定装置1における支柱4の下端部4Bの構造を説明する拡大斜視図である。
【図5】第1実施形態の容器固定装置1における支持部材5の構成を説明する拡大横断面図である。
【図6】第2実施形態の容器固定装置1Aを用いて濾過塔2を固定した状態を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態の容器固定装置1Aを用いて濾過塔2を固定した状態を示す正面図である。
【図8】第2実施形態の容器固定装置1Aを示す斜視図である。
【図9】第2実施形態の容器固定装置1Aにおける支柱4の下端部4Bの構造を説明する拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る容器固定装置1について説明する。図1は、第1実施形態の容器固定装置1を用いて濾過塔2を固定した状態を示す斜視図である。図2は、第1実施形態の容器固定装置1を用いて濾過塔2を固定した状態を示す正面図である。図3は、第1実施形態の容器固定装置1を示す斜視図である。図4は、第1実施形態の容器固定装置1における支柱4の下端部4Bの構造を説明する拡大斜視図である。図5は、第1実施形態の容器固定装置1における支持部材5の構成を説明する拡大横断面図である。
【0016】
図1から図3に示すように、容器固定装置1は、基台3と、複数本の支柱4と、支持部材5と、補強部材6と、を備える。基台3、支柱4、支持部材5及び補強部材6を主体として、固定対象の容器としての濾過装置の濾過塔2を固定する架台7が構成される。
【0017】
濾過塔2は、その内部に、被処理水を濾過処理するための濾材(図示せず)を内蔵している。濾過塔2は、その軽量化のため、合成樹脂製となっている。濾過塔2には、その内部からの水圧に耐えるように、ガラス繊維補強(図示せず)が施されている。
【0018】
基台3は、チャンネル鋼材30から構成される。詳しくは、基台3は、チャンネル鋼材30を円環状に巻回加工することにより、両端フランジ部31(上端フランジ部31A、下端フランジ部31B)が上下に位置し、且つ、ウェブ部32が内周側に位置するように形成される。
【0019】
濾過塔2の底部は、円筒状の固定脚90から形成される。固定脚90の上端には、濾過塔2の塔本体21の底部を受け止めて支持する受部91が形成される。固定脚90の下端には、基台3を構成するチャンネル鋼材30の上端フランジ部31Aに固定するための複数(3つ)の固定部92が形成されている。また、固定脚90の下部側で基台3の円周方向に隣接する固定部92、92の間には、配管取り出し穴93が形成されている。配管取り出し穴93は、濾過塔2の塔本体21の底部から導出される配管(図示せず)を固定脚90の外部へ取り出すために設けられる。
固定脚90の固定部92をボルト94によりチャンネル鋼材30の上端フランジ部31Aに固定することによって、濾過塔2の固定脚90は、基台3に支持される。
【0020】
支柱4は、円環状の基台3の円周方向に等間隔を隔てて4箇所に配置される。つまり、4本の支柱4は、円環状の基台3における中心角で90°毎の周方向間隔を隔てた箇所それぞれにおいて、濾過塔2の側面側に位置するように、上下に垂直姿勢に立設されている。各支柱4は、鋼製の中空体(円筒体)から形成される。
【0021】
各支柱4の上端部4Aは、濾過塔2の上面となる被処理水投入口部2Bの上端面2Cの近傍に位置する。各支柱4の上端部4Aの頂面の中心部には、アイボルト40が固定されている。アイボルト40は、容器固定装置1の運搬時や所定位置への設置時などにおいて、容器固定装置1をクレーン等(図示せず)により吊り上げるための吊下具である。
【0022】
各支柱4の下端部4Bには、鋼製の基台固定部41が設けられている。基台固定部41は、図4に示すように、矩形板形状を有し、支柱4に対して垂直な水平姿勢に配置される。各支柱4の下端部4Bの周面には、補強リブ42が溶接により固定されている。基台固定部41は、支柱4の最下端面及び補強リブ42の下端面に溶接により固定されている。
【0023】
基台3の外周部における各支柱4の基台固定部41に対応する位置それぞれには、鋼製の支柱固定部35が設けられている。支柱固定部35は、図4に示すように、基台固定部41よりも厚さ、幅及び長さがそれぞれ大きい矩形板形状を有する。支柱固定部35は、基台3を構成するチャンネル鋼材30の下端フランジ部31B及びウェブ部32に溶接により固定されている。支柱固定部35の下面は、下端フランジ部31Bの下面と同一面となるように形成される。支柱固定部35は、アンカーボルト(図示せず)により設置面8(図2参照)に固定される。
なお、便宜上、図1、図3及び図4においては、基台固定部41と支柱固定部35とが離れた状態で図示している。
【0024】
基台固定部41における4つの角部には、ボルト孔43が形成されている。支柱固定部35におけるボルト孔43に対応する4箇所には、長孔36が形成されている。長孔36は、円環状の基台3の内外方向(径方向)に向かって延びている。各ボルト孔43及び各長孔36に挿通されるボルト37及びナット(図示せず)を介して、基台固定部41と支柱固定部35とは、図4の矢印Xで示す方向(内外方向)に、互いに水平方向に沿ってスライド可能に且つ固定可能に構成されている。
【0025】
支持部材5は、濾過塔2の側面2Aを支持する部材である。支持部材5は、4本の各支柱4の長手方向(上下方向)に、略3等分する上下に離れた2箇所(合計8箇所)にそれぞれ溶接により固定される。隣接する支柱4,4それぞれに固定される支持部材5,5同士は、平面視で非連続な環状に延びている。
【0026】
各支持部材5は、図5に示すように、固定部53と、外側湾曲部51と、内側湾曲部52と、を有する。固定部53は、支柱4に嵌合して固定される半円状の部位である。外側湾曲部51は、左右両側に延びる円弧状に湾曲した部位であり、支柱4との対向面を形成する。内側湾曲部52は、左右両側に延びる円弧状に湾曲した部位であり、濾過塔2の側面2Aとの対向面を形成する。
【0027】
外側湾曲部51は、剛性を有する剛性部材から形成され、各支持部材5における支柱4との対向面となる。剛性部材は、例えば、鋼製板材からなる。外側湾曲部51と固定部53とは一体的に構成されている。
内側湾曲部52は、クッション性を有するクッション部材から形成され、各支持部材5における濾過塔2との対向面となる。クッション部材は、例えば、スポンジやゴム膜の弾性部材からなる。内側湾曲部52は、外側湾曲部51の内側に取り付けられている。
【0028】
図1から図3に示すように、補強部材6は、濾過塔2における被処理水投入口部2Bの上端面2Cの近傍位置において、各支柱4の上端部4Aに固定される。補強部材6は、平面視で連続的な四角環状に延びる。具体的には、補強部材6は、それぞれ隣接する支柱4,4の上端部4A,4A間に亘って連結して固定される4本の梁部材60からなる。各梁部材60は、中空の鋼製枠材から構成される。各梁部材60は、その長手方向両端において、各支柱4の上端部4Aに溶接により固定された固定片61に、ボルト62により固定される。これにより、各支柱4の間の距離を維持する機能が発揮される。
【0029】
架台7を構成する基台3と補強部材6における1つの梁部材60との間には、バルブスタンド10が、上下方向に掛け渡されて固定されている。バルブスタンド10は、濾過装置の流路の切り替えに用いるバルブユニット(図示せず)を架台7に固定するために設けられる。
【0030】
次に、第1実施形態の容器固定装置1の組立方法について、簡単に説明する。
まず、濾過塔2の塔本体21の底部に固定脚90を固定する。そして、固定脚90の固定部92を、基台3を構成するチャンネル鋼材30の上端フランジ部31Aの上に載置する。その後、固定脚90の固定部92をボルト94によりチャンネル鋼材30の上端フランジ部31Aに固定することによって、濾過塔2を基台3に支持させる。
【0031】
次いで、基台3の円周方向の4箇所のそれぞれにおいて、濾過塔2の側面側に位置するように、4本の支柱4を垂直姿勢に立設して配置する。そして、各支柱4の下端の基台固定部41を、基台3の外周部の支柱固定部35にボルト37及びナット(図示せず)を介して固定する。これによって、各支柱4の長手方向の中間部に予め固定されている8つの支持部材5が、濾過塔2の側面2Aを支持する状態となる。
【0032】
ここで、各支柱4の下端の基台固定部41と基台3側の支柱固定部35とを、ボルト37とナット(図示せず)を介して、互いに水平方向に沿ってスライドさせて、各支柱4の位置を内外方向に微調整する。これにより、各支持部材5におけるクッション性を有する円弧状の内側湾曲部52を、濾過塔2の側面2Aに略均等な力で接触させることができる。
【0033】
次に、隣接する支柱4,4の上端部4A,4A間に亘ってそれぞれ梁部材60を連結して固定して、平面視で連続的な四角環状の補強部材6を取り付ける。これにより、図1及び図2に示すように、基台3と支柱4と支持部材5と補強部材6とからなる架台7に濾過塔2が固定されて、パッケージ化された容器固定装置1の組立が完了する。
【0034】
パッケージ化された容器固定装置1は、アイボルト40を用いて、クレーン等(図示せず)により吊り上げられて、トラック等の輸送車両に載せられる。容器固定装置1は、輸送車両の移動により、所定の設置場所に運搬される。そして、所定の設置場所の近くにおいて、容器固定装置1は、再びアイボルト40を用いて、クレーン等により吊り上げられ且つ吊下げられて、設置場所に載置される。載置後、基台3における支柱固定部35をアンカーボルト(図示せず)により設置面8に固定する。これにより、容器固定装置1は、所定の設置場所に据え付けられる。
なお、据え付けが完了した後、アイボルト40を撤去してもよく、あるいは撤去しなくてもよい。
【0035】
第1実施形態の容器固定装置1によれば、例えば、次の効果が奏される。
第1実施形態の容器固定装置1においては、濾過塔2の底部である固定脚90を支持する基台3と、濾過塔2の側面2A側に位置するように基台3に立設する4本の支柱4と、平面視で非連続な環状に延び、4本の支柱4それぞれに固定されると共に、濾過塔2の側面を支持する支持部材5と、を備える。
そのため、基台3に支持された濾過塔2の側面2Aを、各支柱4それぞれに固定された支持部材5により4方向から締め付けて支持させて、安定的に保持することができる。
【0036】
また、第1実施形態の容器固定装置1においては、濾過塔2の側面2Aに支柱4を直接接触させたり、近接させたりする必要がなく、濾過塔2の側面2Aと支柱4との間に隙間が形成されている。
そのため、耐衝撃性の低い合成樹脂製の濾過塔2を固定する場合であっても、輸送時や地震時等において濾過塔2の側面及び支柱4に単位面積あたりに大きな力を生じにくい。従って、濾過塔2が割れたり、濾過塔2の側面の局所が損傷したりすることを抑制できる。
【0037】
また、第1実施形態の容器固定装置1においては、支持部材5における濾過塔2との対向面である円弧状の外側湾曲部51は、剛性を有する剛性部材から形成されている。また、濾過塔2の側面2Aとの対向面である円弧状の内側湾曲部52は、クッション性を有するクッション部材から形成されている。
そのため、輸送時や地震時等において濾過塔2が水平方向に揺れ動いた場合に、その揺れの力を円弧状の内側湾曲部52のクッション性によって吸収し、緩和することが可能である。従って、濾過塔2の割れや局所の損傷を抑制する効果を一層高めることができる。
【0038】
また、第1実施形態の容器固定装置1においては、各支柱4の上端部4Aは、濾過塔2の上面となる被処理水投入口部2Bの上端面2Cの近傍に位置する。また、各支柱4の被処理水投入口部2Bの上端面2Cの近傍位置において隣接する各支柱4間に亘ってそれぞれ梁部材60を連結して固定し、これによって、平面視で連続的な四角環状に延びる補強部材6を形成している。
【0039】
そのため、架台7(容器固定装置1)の全体を非常に頑丈な構造体とできると共に、各支柱4間の距離を維持する機能を確実に発揮させることが可能である。従って、パッケージ化された容器固定装置1の輸送時や地震発生時における耐震(耐振)強度を十分に確保でき、濾過塔2の割れや損傷を抑制する効果を一段と向上することができる。
【0040】
更に、第1実施形態の容器固定装置1においては、各支柱4の下端部に基台固定部41を有し、基台3は、支柱固定部35を有し、基台固定部41と支柱固定部35とを、互いに水平方向に沿ってスライド可能に且つ固定可能に構成されている。
【0041】
そのため、容器固定装置1の組立時等において、基台固定部41と支柱固定部35とを水平方向に沿ってスライドし且つ固定することにより、各支柱4の位置を内外方向に微調整して、各支持部材5におけるクッション性を有する円弧状の内側湾曲部52を、濾過塔2の側面2Aに略均等な力で接触させることができる。従って、耐衝撃性の低い合成樹脂製の濾過塔2を固定する場合であっても、輸送時や地震時などにおいて濾過塔2が割れたり、濾過塔2の側面2Aの局所が損傷したりすることの抑制効果を一段と高めることができる。
【0042】
次に、本発明の第2実施形態に係る容器固定装置1について説明する。
図6は、第2実施形態の容器固定装置1Aを用いて濾過塔2を固定した状態を示す斜視図である。図7は、第2実施形態の容器固定装置1Aを用いて濾過塔2を固定した状態を示す正面図である。図8は、第2実施形態の容器固定装置1Aを示す斜視図である。図9は、第2実施形態の容器固定装置1Aにおける支柱4の下端部4Bの構造を説明する拡大斜視図である。
【0043】
第2実施形態については、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成、同様な構成要素などについては同じ符号を付して、それらの詳細な説明は省略する。また、第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態における説明が適用される。
【0044】
図6から図8に示すように、第2実施形態の容器固定装置1Aは、基台3と、4本の支柱4と、支持部材5と、を備える。基台3と支柱4と支持部材5と補強部材6とにより、濾過装置の濾過塔2を固定する架台7が構成される。
【0045】
基台3は、4枚の帯板材33を略井桁状に組み付けて固定することにより、四角環状に形成される。各帯板材33としては、鋼材が使用される。対向する一対の帯板材33,33の長手方向の中央部間には、補強用帯板材33Aが掛け渡されて固定されている。
【0046】
支柱4は、四角環状の基台3の4つの角部(コーナー部)に配置される。各支柱4は、鋼製の角柱体により形成される。各支柱4の上端部4Aは、濾過塔2の上面となる被処理水投入口部2Bの上端面2Cよりも下方に位置する。具体的には、各支柱4の上端部4Aは、濾過塔2の上下方向長さの約半分の高さに位置する。各支柱4の上端部4Aの頂面の中心部には、アイボルト40が固定されている。
【0047】
図9に示すように、基台3の4つの角部には、角筒部材81が垂直姿勢に溶接されて固定されている。角筒部材81は、支柱4の下端部4Bを挿入可能な被挿入部としての角形孔80を有する。支柱4の下端部4Bを角筒部材81の角形孔80に挿入させた状態で、支柱4をボルト(図示せず)により角筒部材81に固定することにより、各支柱4は、濾過塔2の側面2A側に位置するように、上下に垂直姿勢に立設する。
このような支柱4の下端部4Bを角筒部材81の角形孔80に挿入させて、基台3に対して支柱4を立設される構成は、第2実施形態のように、支柱4の長さが比較的短く支柱4の剛性が比較的大きい場合に実現が容易である。
【0048】
図6に示すように、支持部材5は、4本の支柱4の上端部4Aの近傍において、濾過塔2の側面の全周を取り囲むような環状形に形成されている。詳細には、支持部材5は、円周の4分の1に分割された4枚の円弧状板材54を、隣接する支柱4、4間に亘ってそれぞれ連結して固定することにより、平面視で連続的に環状に延びるように構成されている。
【0049】
支持部材5を構成する4枚の円弧状板材54は、隣接する支柱4、4間を連結して固定する梁部材の役目を果たし、各支柱4間の距離を維持する機能を発揮する。これにより、支持部材5は、平面視で連続的な環状に延びる形状をなし、第1実施形態における補強部材6と同様の機能を発揮する。
【0050】
なお、第2実施形態においては、1組の隣接する支柱4、4間に亘って上下二段のバルブスタンド10が掛け渡されて固定されている。バルブスタンド10は、濾過装置の流路の切り替えに用いるバルブユニット(図示せず)を架台7に固定するために設けられる。
また、基台3の1つの帯板材33と、その上方に位置する支持部材5とにより、制御ボックス11が固定されて支持されている。制御ボックス11は、主としてバルブユニットを制御する制御機器(図示せず)を内蔵している。
【0051】
第2実施形態の容器固定装置1Aによれば、例えば、次の効果が奏される。
第2実施形態の容器固定装置1Aにおいては、支柱4の上端部4Aは、基台3に支持された濾過塔2の上面となる被処理水投入口部2Bの上端面2Cよりも下方に位置し、支持部材5は、平面視で連続的に環状に延びている。
【0052】
そのため、架台7の主要な構成部材である複数本(4本)の支柱4の長さを短くして、容器固定装置1の全体の軽量化及び材料の節減による低コスト化を図ると共に、濾過塔2の側面2Aの全周を支持部材5により支持させることが可能である。そのため、濾過塔2を安定的に保持することができる。
【0053】
また、第2実施形態の容器固定装置1Aにおいては、支柱4の下端部4Bを、基台3に固定された角筒部材81の角形孔80の内部に挿入させた状態で、支柱4は、基台3に立設している。
そのため、基台3に対する支柱4の組立が容易になるのみならず、濾過塔2の揺れ等によって支柱4に加わる外力を角筒部材81でしっかりと受け止めることが可能である。そのため、構造が簡素でありながら、支柱4が倒れることを抑制でき、容器固定装置1Aの全体の耐久性の向上を図ることができる。
【0054】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、支持部材5は、第2実施形態のように連続的な環状に延びていてもよく、あるいは、第1実施形態のように非連続であっても全体視で環状に延びていてもよい。「環状」とは、実施形態のように円環状に制限されず、四角環状、三角環状、六角環状などの多角環状でもよく、その他の形状による環状でもよい。
容器の側面は、曲面状でもよく、平面状でもよい。
【0055】
基台3として、第1実施形態においては、チャンネル鋼材30を巻回加工して円環状に形成したものについて説明し、第2実施形態においては、4枚の帯板材33を略井桁状に組み付けて固定して四角環状に形成したものについて説明している。これら各実施形態の場合には、基台3の重量が軽くなり且つ使用材料も少なくて、コストの低減が図られる。しかし、基台として、全体視で平坦な板状の基台を用いてもよい。
【0056】
支柱の本数は、4本以外でもよい。
固定対象の容器は、実施形態で説明した濾過装置の濾過塔2に限定されず、軟水器の樹脂筒やその他の水処理装置の処理槽などでもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 容器固定装置
2 濾過塔(容器)
2A 濾過塔の側面(容器の側面)
3 基台
35 支柱固定部
4 支柱
4A 支柱の上端部
4B 支柱の下端部
41 基台固定部
5 支持部材
51 外側湾曲部(支柱との対向面)
52 内側湾曲部(容器との対向面)
6 補強部材
80 角形孔(被挿入部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の底部を支持する基台と、
前記容器の側面側に位置するように前記基台に立設する複数本の支柱と、
平面視で連続的又は非連続的な環状に延び、複数本の前記支柱それぞれに固定されると共に、前記容器の側面を支持する支持部材と、
を備える容器固定装置。
【請求項2】
前記支持部材における前記容器との対向面は、クッション性を有するクッション部材からなり、
前記支持部材における前記支柱との対向面は、剛性を有する剛性部材からなる
請求項1に記載の容器固定装置。
【請求項3】
前記支柱の上端部は、前記基台に支持された前記容器の上面近傍に位置しており、
隣接する前記支柱それぞれに固定される前記支持部材同士は、非連続となっており、
前記容器固定装置は、前記基台に支持された前記容器の上面近傍の位置において複数の前記支柱それぞれに固定され且つ平面視で連続的な環状に延びる補強部材を更に備える
請求項1又は2に記載の容器固定装置
【請求項4】
前記支柱は、その下端部に基台固定部を有し、
前記基台は、支柱固定部を有し、
前記基台固定部と前記支柱固定部とは、互いに、水平方向に沿ってスライド可能に且つ固定可能に構成される
請求項3に記載の容器固定装置。
【請求項5】
前記支柱の上端部は、前記基台に支持された前記容器の上面よりも下方に位置し、
前記支持部材は、連続的に環状に延びている
請求項1又は2に記載の容器固定装置。
【請求項6】
前記基台は、前記支柱の下端部を挿入可能な被挿入部を有し、
前記支柱は、該支柱の下端部を前記被挿入部に挿入させた状態で、前記基台に立設する
請求項5に記載の容器固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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