説明

容器搬送用の速乾性潤滑剤

コンベヤーに沿った容器の通路を、容器またはコンベヤーに水混和性シリコーン材料と水混和性潤滑剤との混合物を適用することによって潤滑する。該混合物は比較的少ない量で適用することができ、薄く実質的に液垂れしない潤滑剤膜を与える。希薄水性潤滑剤と対照的に、本発明の潤滑剤によれば、コンベヤーおよび容器をより速乾性に潤滑すること、コンベヤーラインをより清浄にすること、および潤滑剤の使用量を低減することが可能となり、これにより廃棄物、清掃および処理の問題を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤー潤滑剤および物品の搬送方法に関する。本発明はまた、コンベヤーシステムおよび上記のような潤滑剤の組成物で全部または一部が被覆された容器に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用容器の充填工程または包装工程においては、典型的には非常に高速度の搬送システムによって容器が移動される。典型的には、濃縮された潤滑剤が水で希釈されて水性希薄潤滑剤溶液(たとえば、希釈率100:1から500:1)が形成され、典型的には、大量の水性希薄潤滑剤溶液がスプレーまたはポンプ装置を用いてコンベヤーまたは容器に適用される。これらの潤滑剤溶液によってコンベヤーの高速運転が可能となり容器またはラベルの互着が制限されるが、幾つかの不都合もまた存在する。第1に、希薄水性潤滑剤は、典型的には、コンベヤーライン上で多量の水を使用することを必要とし、その後処理またはリサイクルしなければならず、コンベヤーライン付近が極度の湿潤環境になる原因となる。第2に、幾つかの水性潤滑剤は細菌の増殖を促進する可能性がある。第3に、濃縮された潤滑剤の希釈が必要とされることによって希釈ミスが生じる可能性があり、水性希薄潤滑剤溶液の濃度のばらつきおよび誤差を招来する。最後に、プラント由来の水を必要とすることにより、水のばらつきが希薄潤滑剤溶液に対して副作用を及ぼす可能性がある。たとえば、水中のアルカリ度はPETボトルにおける環境応力亀裂を招来する可能性がある。
【0003】
水性希薄潤滑剤溶液が用いられる際、該水性希薄潤滑剤溶液は、典型的には、コンベヤーが稼動している時間の少なくとも半分で適用され、通常連続的に適用される。水性希薄潤滑剤溶液を連続的に流すことにより、潤滑剤が必要以上に多く用いられ、潤滑剤濃縮ドラムを必要以上に高頻度で切り替える必要がある。
【0004】
「ドライルーブ」は、過去には希薄水性潤滑剤として不都合な溶液であるといわれてきた。「ドライルーブ」は歴史的に、含まれる水が50%未満である潤滑剤組成物とされており、希釈なしで容器またはコンベヤーに適用された。しかし、この適用は、典型的には、特別な分配装置およびノズルおよび特に加圧ノズルを必要とした。加圧ノズルは、エネルギーを用いることにより潤滑剤スチームを微細な液滴のスプレーに崩すノズルとされ、潤滑剤を供給するための高圧、圧縮空気、または高周波を有してもよい。シリコーン材料は最も知られた「ドライルーブ」である。しかし、シリコーンは主としてPETボトル等のプラスチックの潤滑に有効であり、ガラスまたは金属の容器、特に金属表面の潤滑にはそれほど有効でないとの観測がされている。プラントがライン上に2種以上の容器を流している場合、新しい種類の容器を流せるようにする前にコンベヤー潤滑剤の切り替えが必要になることがある。これに代えて、異なるライン上に異なる種類の容器をプラントが流している場合、該プラントは2種以上のコンベヤー潤滑剤をストックすることが必要になることがある。いずれの場合も時間を消費しプラントにとって非効率的である。
【0005】
この背景に対し本発明がなされた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般に、50%を超える水を含むシリコーン潤滑剤を対象とする。本発明は、一側面として、水混和性シリコーン材料と水混和性潤滑剤との混合物を、少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用することを含む、コンベヤーに沿った容器の通路の潤滑方法を与える。
【0007】
本発明の幾つかの態様は、コンベヤーまたは容器の表面に適用する前に希釈されない、50%を超える水を含むシリコーン潤滑剤を対象とする。本発明の幾つかの態様は、希釈されていない潤滑剤を間欠的に適用する方法を対象とする。本発明の幾つかの態様は、多種多様な容器材料およびコンベヤー材料に使用できる「万能」潤滑剤を対象とする。
【0008】
幾つかの態様において、水混和性潤滑剤は、脂肪酸、リン酸エステル、アミンおよびアミン誘導体からなる群から選択され、これにより、組成物はガラスおよび金属の容器の潤滑に有効である。幾つかの態様では、水混和性潤滑剤は従来のガラスまたは金属の充填剤である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、従来技術に対して様々な利点を与える。第1に、濃厚組成物中に水を含ませることにより、希薄潤滑剤に関連する問題を回避できる。たとえば、組成物は、標準の適用装置(たとえば非加圧ノズル)で希釈なしで適用できる。幾らかの水を含ませることにより、組成物を「割らずに」すなわち希釈なしで適用でき、その結果コンベヤーおよび容器をより速乾性に潤滑し、コンベヤーラインおよび作業エリアをより清浄かつ速乾性にし、潤滑剤の使用量を低減し、これにより廃棄物、清掃および処理の問題を低減することができる。さらに、組成物に水を添加し、適用における希釈を必要としないことによって、水によって生じる問題(すなわち、微生物および環境応力亀裂)とともに希釈の問題が回避される。
【0010】
潤滑剤組成物を間欠的に適用することはまた、潤滑剤の使用量の低減およびこれによるコスト低減、ならびに潤滑剤の容器を切り替えなくてはならない頻度の低減という利点を有する。
【0011】
最後に、本発明は、容器およびコンベヤーの種々の材料に対する潤滑を付与する可能性を有し、幾つかのライン上に1つの潤滑剤を流すという選択肢をプラントに与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の定義された用語に対しては、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所で異なる定義が与えられない限りこれらの定義が適用される。
【0013】
この点で、すべての数値は明白に示されているか否かに関わらず当然に用語「約」で修飾されるべきである。用語「約」は、一般的に、挙げられた値と等価である(すなわち、同一の作用または結果を有する)と当業者が考える数字の範囲と見なされる。多くの場合、用語「約」は、最も近接する有効数字に四捨五入される数字群を含んでもよい。
【0014】
質量パーセント(weight percent,percent by weight)、質量%(% by weight)、wt%、等は、組成物の質量で除され100が乗じられた物質の質量である物質濃度をさす同義語である。
【0015】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含されるすべての数値を含む(たとえば、1から5は、1,1.5,2,2.75、3,3.80,4および5を含む)。
【0016】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、単数形「a」「an」および「the」は、特に明記しない限り複数の対象も含む。よって、たとえば、「化合物」(「a compound」)を含む組成物というときは2以上の化合物の混合物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、用語「または」は、一般的に、特に明記しない限り「および/または」を含む意味で用いられる。
【0017】
組成物
以上で議論したように、本発明は一般的に、50%を超える水を含むシリコーン潤滑剤を対象とする。本発明は、被覆されたコンベヤー部材および容器の摩擦係数を低減し、これによりコンベヤーラインに沿った容器の移動を促進する潤滑剤被膜を与える。本発明は、1の局面において、水混和性シリコーン材料と水混和性潤滑剤との混合物を、少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用することを含む、コンベヤーに沿った容器の通路の潤滑方法を与える。
【0018】
本発明の幾つかの態様は、コンベヤーまたは容器の表面に適用する前には希釈されない、50%を超える水を含むシリコーン潤滑剤を対象とする。本発明の幾つかの態様は、希釈されていない潤滑剤を間欠的に適用する方法を対象とする。本発明の幾つかの態様は、容器およびコンベヤーの種々の材料とともに使用されてもよい「万能」潤滑剤を対象とする。組成物は、好ましくは、コンベヤーが休止状態または動作状態である間、たとえばコンベヤーの通常運転速度、において適用されることができる。好ましくは、潤滑剤被膜は水系洗浄剤で除去可能なものであり、好ましくは、水中で十分な溶解性または分散性を有するものであり、これにより、標準的な水性洗浄剤を用いることによって、高圧、機械的な研磨または強力な洗浄化学物質の使用を必要とせずに容器またはコンベヤーから被膜を除去することができる。
【0019】
シリコーン材料および親水性潤滑剤は「水混和性」であり、すなわち、これらは所望の使用レベルで水に添加された際に安定な溶液、エマルションまたはサスペンションを形成するに十分な水溶解性または水分散性を有する。所望の使用レベルは、個別具体的なコンベヤーまたは容器の用途に従って、および使用されるシリコーンおよび親水性潤滑剤の種類に従って変動する。
【0020】
種々の水混和性シリコーン材料が潤滑剤組成物において使用でき、シリコーンエマルション(メチル(ジメチル)、高級アルキルシリコーンおよび高級アリールシリコーン、およびクロロシラン等の官能化シリコーン、アミノ−置換,メトキシ−置換,エポキシ−置換およびビニル−置換されたシロキサン、およびシラノール、から形成されるエマルション等)が挙げられる。好適なシリコーンエマルションは、E2175高粘度ポリジメチルシロキサン(60%シロキサンエマルション、ラムベントテクノロジーズ社(Lambent Technologies Inc.)から市販により入手可能)、E2140ポリジメチルシロキサン(35%シロキサンエマルション、ラムベントテクノロジーズ社から市販により入手可能)、E21456 FG 食用グレード中粘度ポリジメチルシロキサン(35%シロキサンエマルション、ラムベントテクノロジーズ社から市販により入手可能)、HV490高分子量ヒドロキシ末端ジメチルシリコーン(アニオン性30−60%シロキサンエマルション、ダウコーニングコーポレーションから市販により入手可能)、SM2135ポリジメチルシロキサン(ノニオン性50%シロキサンエマルション、GEシリコーンズから市販により入手可能)およびSM2167ポリジメチルシロキサン(カチオン性50%シロキサンエマルション、GEシリコーンズから市販により入手可能)を含む。他の水混和性シリコーン材料は、TOSPEARL(商標)シリーズ(東芝シリコーン株式会社から市販により入手可能)等の微粉砕シリコーン粉末、SWP30アニオン性シリコーン界面活性剤、WAXWS−Pノニオン性シリコーン界面活性剤、QUATQ−400Mカチオン性シリコーン界面活性剤および703スペシャルティシリコーン界面活性剤(すべてラムベントテクノロジーズ社から市販により入手可能)等のシリコーン界面活性剤を含む。好ましいシリコーンエマルションは、典型的には、約30wt%から約70wt%の水を含む。非水混和性シリコーン材料(たとえば、非水溶性シリコーン流動体および非水分散性シリコーン粉末)もまた、適切な乳化剤(たとえば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の乳化剤)と組み合わされれば潤滑剤中に使用されることができる。プラスチック容器(たとえばPBT飲料ボトル)を含む用途では、プラスチック容器における環境応力亀裂を促進する乳化剤または他の界面活性剤の使用を回避するよう注意するべきである。
ポリジメチルシロキサンエマルションが好ましいシリコーン材料である。
【0021】
種々の水混和性潤滑剤が潤滑剤組成物中で使用でき、ポリオール(たとえば、グリセロールおよびプロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(たとえば、ポリエチレンおよびメトキシポリエチレンのグリコールであるCARBOWAX(商標)シリーズ、ユニオンカーバイドコーポレーションから市販により入手可能)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの直鎖共重合体(たとえば、UCOM(商標) 50−HB−100 水溶性エチレンオキサイド:プロピレンオキサイド共重合体、ユニオンカーバイドコーポレーションから市販により入手可能)およびソルビタンエステル(たとえばTWEEN(商標)シリーズ20,40,60,80および85 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートおよびSPAN(商標)シリーズ20,80,83および85 ソルビタンエステル、ICIサーファクタンツ(ICI Surfactants)から市販により入手可能)、等の水酸基含有化合物が挙げられる。
【0022】
他の好適な水混和性潤滑剤としては、脂肪酸、リン酸エステル、アミンならびにアミン塩および脂肪族アミン等のアミン誘導体、および市販で入手可能な当業者にとって一般的であるような他の水混和性潤滑剤が挙げられる。上記潤滑剤の誘導体(たとえば、部分エステルまたは部分エトキシレート)もまた使用できる。プラスチック容器を含む用途では、プラスチック容器における環境応力亀裂を促進するおそれがある水混和性潤滑剤の使用を回避するよう注意するべきである。好ましくは、水混和性潤滑剤は脂肪酸、リン酸エステルまたはアミンまたはアミン誘導体である。好ましい脂肪酸潤滑剤の例には、オレイン酸、トール油、C10からC18の脂肪酸およびココナッツ油が含まれる。好適なリン酸エステル潤滑剤の例には、ポリエチレンフェノールエステルホスフェート、およびそれらの、参照により本明細書に完全に組み入れられる米国特許第6,667,283号明細書に記載されるリン酸エステル、が含まれる。好適なアミン潤滑剤およびアミン誘導体潤滑剤には、オレイルジアミノプロパン、ココジアミノプロパン、ラウリルプロピルジアミン、ジメチルラウリルアミン、PEGココアミン、アルキルC12−C14オキシプロピルジアミン、およびそれらの、参照により本明細書に完全に組み入れられる米国特許第5,182,035号明細書および米国特許第5,932,526号明細書に記載されるアミン組成物、が含まれる。
【0023】
シリコーン材料、親水性潤滑剤、および、水または親水性希釈剤、の好ましい量は、シリコーン材料が約0.1から約10wt%(シリコーン材料がたとえばシリコーンエマルションである場合には存在し得る水その他の親水性希釈剤を一切除く)、親水性潤滑剤が約0.05から約20wt%、および、水または親水性希釈剤が約70から約99.9wt%、である。より好ましくは、潤滑剤組成物は、シリコーン材料を約0.2から約8wt%、親水性潤滑剤を約0.1から約15wt%、および、水または親水性希釈剤を約75から約99wt%含む。最も好ましくは、潤滑剤組成物は、シリコーン材料を約0.5から約5wt%、親水性潤滑剤を約0.2から約10wt%、および、水または親水性希釈剤を約85から約99wt%含む。
【0024】
潤滑剤組成物は、所望により付加成分を含むことができる。たとえば、該組成物は、標準的な水性のコンベヤー潤滑剤(たとえば脂肪酸潤滑剤)、抗菌剤、着色剤、発泡防止剤または発泡剤、亀裂防止剤(たとえば、PET応力亀裂防止剤)、粘度調整剤、膜形成材料、界面活性剤、酸化防止剤または帯電防止剤等のアジュバントを含むことができる。このような付加成分の量および種類は当業者には明らかであろう。
【0025】
プラスチック容器を含む用途に対しては、潤滑剤組成物が、Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater,18th Edition,Section2320,Alkalinityに従って測定されるとき、好ましくは約100ppmCaCO3未満の全アルカリ当量を有し、より好ましくは約50ppmCaCO3未満のアルカリ当量を有し、最も好ましくは約30ppmCaCO3未満のアルカリ当量を有する。
【0026】
種々の種類のコンベヤーおよびコンベヤー部品を該潤滑剤組成物で被覆することができる。容器を支持しまたは案内しまたは移動させ、したがって好ましくは潤滑剤組成物で被覆されるコンベヤーの部品は、布、金属、プラスチック、コンポジット、またはこれらの材料の組み合わせからなる表面を有する、ベルト、チェーン、ゲート、シュート、センサーおよびランプを含む。
【0027】
潤滑剤組成物はまた、飲料容器、食品容器、家庭用または業務用の洗浄製品容器、および、油類用、不凍液用またはその他の工業用流体用の容器を含む幅広い種類の容器に適用できる。容器は、金属、プラスチック(たとえば、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、PETおよびポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、およびこれらの混合物または共重合体)、金属(たとえば、アルミニウム、スズまたはスチール)、紙(たとえば、非加工紙、加工紙、ワックス紙またはコート紙)、セラミックス、ラミネートまたはこれらの材料の2つ以上のコンポジット(たとえば、PET、PENまたはこれらの混合物の、他のプラスチック材料とのラミネート)を含む幅広い種類の材料で形成することができる。容器は、カートン(たとえば、ワックスカートンまたはTETRAPACK(商標)ボックス)、缶、ボトル等を含む種々のサイズおよび形状を有することができる。容器のいずれの所望の部分も潤滑剤組成物で被覆できるが、潤滑剤組成物は、好ましくは、容器におけるコンベヤーまたは他の容器との接触部となることが予定される部分のみに適用される。好ましくは、潤滑剤組成物は、熱可塑性容器の応力亀裂が生じやすい部分には適用されない。本発明の好ましい態様においては、潤滑剤組成物を容器における非晶性の中央基部に大量に適用することなく、潤滑剤組成物を、ブロー成形品の結晶性の足部、足部を有するPET容器(または、そのような足部と接触することが予定されるコンベヤーの1以上の部分)に適用する。また好ましくは、容器において後に使用者が持つことで掴まれることが予定される部分には潤滑剤組成物を適用せず、または、適用する場合には、好ましくは、容器の輸送および販売の前にそのような部分から除去する。そのような用途の幾つかにおいては、容器が後に実際の使用において滑りやすくなる可能性の程度を抑えるために、好ましくは容器よりもコンベヤーに潤滑剤組成物を適用する。
【0028】
潤滑剤組成物は、適用時において液体または半固体であることができる。好ましくは、潤滑剤組成物は、ポンプで汲み上げられることおよび容易にコンベヤーまたは容器に適用されることを可能にする粘度を有する液体であり、これにより、コンベヤーが動作中であるか否かによらず迅速な膜形成を達成できる。潤滑剤組成物は、静止時にはより高い粘度(たとえば液垂れしない性質)が認められ、潤滑剤組成物のポンプでの汲み上げ、スプレーまたははけ塗り等で与えられるせん断応力を受けたときには大幅により低い粘度が認められる、シアシニング(Shear thinning)または他の擬塑性挙動を示すように処方することができる。この性質は、たとえば、適切な種類および量のチキソトロピック充填剤(たとえば、処理されたまたは処理されていないフュームドシリカ)または他のレオロジー調整剤を潤滑剤組成物中に含有させることによって実現できる。
【0029】
適用方法
潤滑剤被膜は、連続的または間欠的な方法で適用できる。好ましくは、潤滑剤被膜は、適用される潤滑剤組成物の量を最小限にするために間欠的な方法で適用される。本発明では間欠的に適用してもよく、適用物間の低い摩擦係数を維持しまたは「乾燥」として知られる状況を回避することが見出された。特に、本発明は、所定時間適用した後少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも120分間またはそれ以上適用しないようにしてもよい。適用周期は、コンベヤーベルト上に組成物を塗り広げるために十分な長さ(すなわち、コンベヤーベルトの1回転)としてもよい。適用周期の間、実際の適用は連続的とされ、すなわち、潤滑剤がコンベヤー全体に適用されてもよく、または間欠的とされ、すなわち、潤滑剤が帯状に適用され容器が潤滑剤を塗り広げてもよい。潤滑剤は、好ましくはコンベヤー表面の包装材または容器が密集していない位置に適用する。たとえば、潤滑剤スプレーを包装材または容器の流れの上流に、または、下部で動いている逆転したコンベヤー表面および容器または包装材の上流に、適用することが好ましい。
【0030】
幾つかの態様において、適用時間の非適用時間に対する比は、1:10、1:30、1:180および1:500とし、潤滑剤が潤滑剤適用物の間で低い摩擦係数を維持するようにしてもよい。
【0031】
幾つかの態様において、潤滑剤は、約0.2未満、約0.15未満、約0.12未満の摩擦係数を維持してもよい。
【0032】
幾つかの態様において、摩擦係数が許容できない高いレベルに到達した場合の検出のためにフィードバックループを用いてもよい。フィードバックループは、潤滑剤組成物を所定時間供給した後、摩擦係数が許容レベルに戻ったときに潤滑剤組成物の供給を任意に止めさせるものであってもよい。
【0033】
潤滑剤被膜の厚みは、好ましくは、一般的に、界面において少なくとも約0.0001mm、より好ましくは約0.001から約2mm、最も好ましくは約0.005から約0.5mmに維持される。
【0034】
潤滑剤組成物の適用は、スプレー、ワイピング、はけ塗り、ドリップコーティング、ロールコーティング、および薄膜の適用のための他の方法を含むいずれの好適な技術を用いても行うことができる。
【実施例】
【0035】
本発明は以下の例の検討により一層理解できる。例はその目的を示すにとどまり本発明の範囲を限定するものではない。
【0036】
以下の幾つかの例ではスライダ潤滑試験(Slider Lubricity Test)を用いた。スライダ潤滑試験は、試験用試料で濡らした回転ディスク上に載置した計量済みのシリンダー筐体の流体抵抗(摩擦力)を測定することにより行った。シリンダー筐体の下部は軟鋼、ガラスまたはPETとし、回転ディスクはステンレススチールまたはデルリン(プラスチック)とした。ディスクは直径8インチで回転速度は典型的には30rpmとした。流体抵抗は、平均値を用いて、細いモノフィラメント釣糸によってシリンダーに連結した固体状態の振動子で測定した。流体抵抗は、ストリップチャート記録計で測定した。摩擦係数(COF)は、流体抵抗(F)をシリンダー筐体の質量(W)で除すること、
COF=F/W
により算出した。
【0037】
3から5ミリリットルの潤滑剤試料をディスポーザブルピペットで回転軌道上に適用した。試験用潤滑剤が安定状態に到達するまでの典型的な時間は約5−10分であった。この時間の間、軌道上の液体潤滑剤膜を必要に応じて補充した。最後の1分間の平均力(潤滑剤が安定状態に到達した後)を「湿式」法の最終的な流体抵抗として採用した。「乾式」法での試験を引き続き行うため、液体潤滑剤は補充しなかった。引き続き時間を経過させて乾燥させた液体潤滑剤膜について、流体抵抗は、潤滑剤の種類によって異なる様式で変化した。「乾式」法によるCOFは、目視検査と軌道の穏やかな指診による確認とから適用された液体膜が乾燥したものと思われた時点で測定した。乾燥時間は10から30分間とした。
【0038】
例1
例1では、対照として、PET容器用のシリコーン系「ドライルーブ」のステンレススチールコンベヤー上のガラスボトルに対する潤滑能力を検証した。本例に対しては、表1の処方を用いた。
【0039】
表1 シリコーン系潤滑剤の処方
【表1】

【0040】
シリコーン系潤滑剤は、スライダ潤滑試験を用いて試験した。シリコーン系潤滑剤は、デルリンスライダ上のPETシリンダーと金属スライダ上のガラスシリンダーとを用いて試験した。結果を表2に示す。
【0041】
表2 シリコーン系潤滑剤処方の摩擦係数
【表2】

【0042】
シリコーン系潤滑剤はプラスチック表面上のPETシリンダーの潤滑において有効であり、湿式法および乾式法のそれぞれで流した際に、0.2未満および特に0.129および0.131という許容できる摩擦係数を示した。しかし、シリコーン系潤滑剤は金属表面上のガラスの潤滑には有効でなく、湿式法および乾式法のそれぞれで流した際に、0.2超、および特に0.302および0.219という摩擦係数を示した。これは本分野において観察されてきた事項および本発明の処方が解決しようとする事項と一致する。
【0043】
例2
本分野では、乾式法で流す場合、すなわち、所定時間適用した後、容器および包装材をコンベヤー表面に沿って移動させ続ける間に所定時間適用を止める場合、標準的なガラスおよび金属の潤滑剤は良好に作用しない(すなわち、許容できる低い摩擦係数を示さない)ことが観察されている。例2では、対照として、標準的なガラスおよび金属の潤滑剤が「乾式法」で作用する能力を検証した。本例では、ミネソタ州セントポールのエコラボ社(Ecolab Inc.)から市販により入手可能なリン酸エステル系潤滑剤であるLubodrive RX(商標)、ミネソタ州セントポールのエコラボ社から市販により入手可能な脂肪族アミン系潤滑剤であるLubodrive TK(商標)、を用いた。本例では、Lubodrive RX(商標)およびLubodrive TK(商標)の0.1%水溶液と10%水溶液とについて試験した。
【0044】
Lubodrive RX(商標)およびLubodrive TK(商標)は、典型的には、濃度0.1%で使用する。本例では、Lubodrive RX(商標)およびLubodrive TK(商標)について、金属スライダ上のガラスシリンダーを用いたスライダ潤滑試験によって試験した。結果を表3に示す。
【0045】
表3 Lubodrive TX(商標)およびLubodrive TK(商標)の摩擦係数
【表3】

表3は、濃度を典型的な使用レベルである0.1%の100倍まで上昇させても「乾式」法において標準的なガラス潤滑剤が良好に作用しないことを示す。Lubodrive RX(商標)およびLubodrive TK(商標)は、「湿式」法で用いた際に、0.15未満と非常に満足できる摩擦係数を示した。しかし「乾式」法で適用した際には、濃度を典型的な使用レベルの100倍に増大させても、3つの例で摩擦係数が0.2超となり、第4の例では0.190であった。これらの摩擦係数は工業的には許容できない。
【0046】
例3
例3では、本発明の脂肪酸処方を、例1のシリコーンコントロールおよび例2のガラス潤滑剤との比較で検証した。具体的には、例3では、1%の脂肪酸(オレイン酸)を表1のシリコーン系潤滑剤に添加して潤滑剤を湿式および乾式で流すことの影響について検証した。本例では、トリエタノールアミン100グラムとオレイン酸100グラムとを脱イオン水800グラムに添加することによって、中和されたオレイン酸の予混合溶液を準備した。潤滑剤溶液は、シリコーンエマルション(E2140FG、ラムベントテクノロジーズ社から市販により入手可能)50グラム、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体(Pluronic F−108、ニュージャージー州マウントオリーブのBASFから市販により入手可能)3グラム、メチルパラベン2グラム、および中和されたオレイン酸の予混合溶液100グラムを脱イオン水845グラムに添加することにより準備した。例3では、スライダ潤滑試験により、プラスチックスライダ上のPETシリンダーおよび金属スライダ上のガラスシリンダーを用いて試験した。結果を表4に示す。
【0047】
表4 シリコーン系潤滑剤に1%オレイン酸を加えたものの摩擦係数
【表4】

【0048】
シリコーン系潤滑剤に1%オレイン酸を加えた混合物では、湿式および乾式で、シリコーン系潤滑剤による金属上のガラスの潤滑性が改善し(表2の対照を参照)、シリコーン系潤滑剤および標準的なガラス潤滑剤と比較した際にプラスチック表面上のPETに対して良好な摩擦係数を維持していた(表2および表3の対照を参照)。すべての例で、本発明における摩擦係数は0.2未満にとどまった。
【0049】
例4
例4では、本発明のリン酸エステル処方を、表1におけるシリコーン系潤滑剤の対照との比較で試験した。具体的には、例4では、1%のリン酸エステルを表1のシリコーン系潤滑剤に添加して潤滑剤を湿式または乾式で流すことによる影響を検証した。本例では、水酸化ナトリウムの50%水溶液2グラムおよびRhodafac RA−600リン酸エステル(ニュージャージー州クランバーリーのロディア(Rhodia)から入手可能)10グラムを、脱イオン水88グラムに添加することによって、中和されたリン酸エステルの予混合溶液を準備した。潤滑剤溶液は、シリコーンエマルション(E2140FG、ラムベントテクノロジーズ社から市販により入手可能)50グラム、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体(Pluronic F−108、ニュージャージー州マウントオリーブのBASFから市販により入手可能)3グラム、メチルパラベン2グラム、および中和されたリン酸エステルの予混合溶液100グラムを脱イオン水845グラムに添加することにより準備した。本例では、スライダ潤滑試験により、プラスチックスライダ上のPETおよび金属スライダ上のガラスについて試験した。結果を表5に示す。
【0050】
表5 シリコーン系潤滑剤に1%リン酸エステルを加えたものの摩擦係数
【表5】

【0051】
シリコーン系潤滑剤の1%リン酸エステルとの混合物では、湿式および乾式で、シリコーン系潤滑剤による金属上のガラスの潤滑性が改善し(表2の対照を参照)、シリコーン系潤滑剤によるPETの潤滑性が改善した(表2および表3の対照を参照)。すべての例で、本発明における摩擦係数は0.2未満、および非常に満足できる摩擦係数である0.15以下にとどまった。
【0052】
例5
例5は、本発明の酢酸アミン処方を、表1におけるシリコーン系潤滑剤の対照との比較で試験した。具体的には、例5では、1%の酢酸アミンをシリコーン系潤滑剤に添加することによる影響を検証した。本例では、氷酢酸38.6グラム、Duomeen OL(イリノイ州シカゴのアクゾノーベルサーフィスケミストリー有限責任会社(Akzo Nobel Surface Chemistry LLC)から入手可能)75グラム、およびDuomeen CD(これもアクゾノーベルから入手可能)30グラムを、脱イオン水856.4グラムに添加することにより、酸性化された脂肪族アミンの予混合溶液を準備した。潤滑剤溶液は、シリコーンエマルション(E2140FG、ラムベントテクノロジーズ社から市販により入手可能)50グラム、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体(Pluronic F−108、ニュージャージー州マウントオリーブのBASFから市販により入手可能)3グラム、メチルパラベン2グラム、および酸性化された脂肪族アミンの予混合溶液100グラムを、脱イオン水845グラムに添加することによって準備した。この試験では、スライダ潤滑試験により、プラスチックスライダ上のPETおよび金属スライダ上のガラスについて試験した。結果を表6に示す。
【0053】
表6 シリコーン系潤滑剤に1%酢酸アミンを加えたものの摩擦係数
【表6】

【0054】
シリコーン系潤滑剤の1%酢酸アミンとの混合物においては、湿式および乾式において、シリコーン系潤滑剤による金属上のガラスの潤滑性が改善し(表2の対照を参照)、シリコーン系潤滑剤によるPETの潤滑性が改善した(表2および表3の対照を参照)。すべての例において、本発明における摩擦係数が0.2未満にとどまった。
【0055】
例6
例6では、間欠的な潤滑剤の適用が摩擦係数に与える影響について検証した。本例では、Duomeen OL(イリノイ州シカゴのアクゾノーベルサーフィスケミストリー有限責任会社から入手可能)10.0gを攪拌下の脱イオン水90.0gに添加することによって酸性化されたオレイルプロピレンジアミンの溶液を準備した。得られた不均一溶液を、pHが6.0と7.0との間になりかつ溶液が透明になるまで氷酢酸で酸性化した。「速乾性」潤滑剤溶液は、Lambent 2140FGシリコーンエマルション5.0g、酸性化されたオレイルプロピレンジアミンの溶液5.0gおよびハンツマン(Huntsman) Surfonic TDA−9の0.5gを脱イオン水89.5gに添加することによって準備した。潤滑剤溶液は水97.5質量%を含んでいた。長さ6.1メータのステンレススチールによるモーター駆動の幅83mmのコンベヤーベルトを用いたコンベヤーシステムを、ベルト速度12メートル/分で操作する。12オンスの充填済ガラス飲料ボトル20本を、下部が開放されたラック中に積み重ね、動作中のベルト上に置けるようにする。ラックとボトルとの全質量は17.0kgである。ラックを、固定されたひずみゲージに繋げられたワイヤでベルト上の適切な位置に保持する。ベルト操作の間にひずみゲージに加えられた力は、コンピュータを用いて記録する。コンベヤー表面全体が目視できる程度に濡れた後にスプレーボトルを用いて手動でコンベヤーに潤滑剤溶液を約1分間適用する。実験中の摩擦係数の最小値は、実験中ひずみゲージに作用する最小力をボトルおよびラックの質量で除することによって算出した結果、0.06となった。軌道上のボトルの摩擦係数は、同様に、潤滑剤スプレーが使用されてから30分後において0.09、潤滑剤スプレーが使用されてから90分後において0.13となった。本例は、いずれの付加的な潤滑剤も処方されない90分間の後で、ベルトの1回転よりも若干長い間「速乾性」潤滑剤組成物をコンベヤー軌道上に標準的なスプレーボトルを用いてスプレーする工程が、0.02未満の摩擦係数という有用なレベルを維持するために有効であることを示す。
【0056】
本発明の種々の変更または代替は、本発明の範囲および思想から逸脱せず、特許請求の範囲の範囲に包含されることが意図されることが当業者にとって明らかになろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤーに沿った容器の通路の潤滑方法であって、
希釈されていない潤滑剤組成物を、少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用することを含み、前記潤滑剤組成物が、
a.約0.05から約20wt%の脂肪酸、
b.約0.1から約10wt%の水混和性シリコーン材料、および
c.約70から約99.9wt%の水、
を含む方法。
【請求項2】
前記シリコーン材料が、シリコーンエマルション、微粉砕シリコーン粉末、またはシリコーン界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脂肪酸が、オレイン酸、トール油、ココナッツ油、およびこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物が約100ppmCaCO3未満の全アルカリ当量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記全アルカリ当量が約30ppmCaCO3未満である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、全使用時間を通じて約0.2未満の摩擦係数を維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記摩擦係数が約0.15未満である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記容器が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ガラスおよび金属からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物を、コンベヤーにおける容器との接触が予定される部分のみに、または容器におけるコンベヤーとの接触が予定される部分のみに適用する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、前記潤滑剤を少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用する前に希釈される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンベヤーに沿った容器の通路の潤滑方法であって、
希釈されていない潤滑剤組成物を、少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用することを含み、前記潤滑剤組成物が、
a.約0.05から約20wt%のリン酸エステル、
b.約0.1から約10wt%の水混和性シリコーン材料、および
c.約70から約99.9wt%の水、
を含む方法。
【請求項12】
前記シリコーン材料が、シリコーンエマルション、微粉砕シリコーン粉末、またはシリコーン界面活性剤を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リン酸エステルがポリエチレンフェノールエステルホスフェートを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記混合物が約100ppmCaCO3未満の全アルカリ当量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記全アルカリ当量が約30ppmCaCO3未満である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、全使用時間を通じて約0.2未満の摩擦係数を維持する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記摩擦係数が約0.15未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記容器が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ガラスおよび金属からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物を、コンベヤーにおける容器との接触が予定される部分のみに、または容器におけるコンベヤーとの接触が予定される部分のみに適用する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、前記潤滑剤を少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用する前に希釈される、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
コンベヤーに沿った容器の通路の潤滑方法であって、
希釈されていない潤滑剤組成物を、少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用することを含み、前記潤滑剤組成物が、
a.約0.05から約20wt%のアミン、
b.約0.1から約10wt%の水混和性シリコーン材料、および
c.約70から約99.9wt%の水、
を含む方法。
【請求項22】
前記前記シリコーン材料が、シリコーンエマルション、微粉砕シリコーン粉末、またはシリコーン界面活性剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アミンが、オレイルジアミノプロパン、ココジアミノプロパン、ラウリルプロピルジアミン、ジメチルラウリルアミン、PEGココアミン、アルキルC12−14オキシプロピルジアミンおよびこれらの混合物を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記混合物が約100ppmCaCO3未満の全アルカリ当量を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記全アルカリ当量が約30ppmCaCO3未満である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、全使用時間を通じて約0.2未満の摩擦係数を維持する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記摩擦係数が約0.15未満である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記容器が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ガラスおよび金属からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物を、コンベヤーにおける容器との接触が予定される部分のみに、または容器におけるコンベヤーとの接触が予定される部分のみに適用する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、前記潤滑剤を少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用する前に希釈される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
コンベヤーに沿った容器の通路の潤滑方法であって、
希釈されていない潤滑剤組成物を、非加圧ノズルを経て、少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用することを含み、前記希釈されていない潤滑剤組成物が、水混和性シリコーン材料と水混和性潤滑剤との混合物を含み、前記潤滑剤組成物の適用を所定時間行いかつ所定時間行わず、適用を行う時間の適用を行わない時間に対する比が少なくとも1:10である方法。
【請求項32】
適用を行う時間の適用を行わない時間に対する前記比が少なくとも1:30である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
適用を行う時間の適用を行わない時間に対する前記比が少なくとも1:180である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
適用を行う時間の適用を行わない時間に対する前記比が少なくとも1:500である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記潤滑剤組成物が少なくとも50質量%の水をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記水混和性潤滑剤が、脂肪酸、リン酸エステル、アミン、アミン誘導体およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記潤滑剤組成物が、全使用時間を通じて約0.2未満の摩擦係数を維持する、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が、全使用時間を通じて約0.15未満の摩擦係数を維持する、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物が、全使用時間を通じて約0.12未満の摩擦係数を維持する、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物が、前記潤滑剤を少なくともコンベヤーにおける容器との接触面の部分または少なくとも容器におけるコンベヤーとの接触面の部分に適用する前に希釈される、請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2009−523178(P2009−523178A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540003(P2008−540003)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/003941
【国際公開番号】WO2008/048198
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】